スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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一・二年草

庭の「名脇役」決定版! ナチュラルガーデンを彩るアスペルラを失敗せずに育てるコツ
アスペルラの基本情報 Billysfam/Shutterstock.com 植物名:アスペルラ・オリエンタリス学名:Asperula orientalis英名:annual woodruff、oriental woodruffなど和名:タマクルマバソウ(玉車葉草)その他の名前:アスペルラ、オリエンタルウッドラフ科名:アカネ科属名:クルマバソウ属原産地:小アジアからコーカサス地方形態:一年草 アスペルラ・オリエンタリスはアカネ科に属し、学名はAsperula orientalis。和名では「タマクルマバソウ」と呼ばれ、原産地は小アジアおよびコーカサス地方です。 草丈は25~30cmほどで、主な開花期は秋まきなら5~7月、春まきなら9~10月です。寒さにはやや強いですが暑さには弱く、基本的には秋に種子をまき、翌年の初夏に花を楽しんだ後、夏頃に枯れてしまう一年草です。比較的育てやすい植物で、適切な環境で育てれば、ワンシーズンの間にたくさんの花を楽しむことができます。複数株をまとめて植えることでより見栄えがよくなり、また、爽やかな青紫色の花色でこんもりと育つ姿は、他の草花と混植しても周囲の花々を引き立てる存在になります。 日本ではアスペルラ・オリエンタリスが普及 花壇に咲くアスペルラ・オリエンタリス。billysfam/Shutterstock.com アスペルラには約200種類もの仲間が存在しますが、日本では特にアスペルラ・オリエンタリスが普及し、アスペルラといえばアスペルラ・オリエンタリスを指すことがほとんどです。 アスペルラ・オリエンタリスはイラン、レバノン、シリア、トルコ、ジョージアなどの地域に自生し、主に草原や落葉樹林帯で見られます。その美しい花姿から観賞用として広く栽培され、ヨーロッパでは鉢植えやコンテナ、ハンギング、花壇などでよく見かける花です。苗からでも種まきからでも育てられ、花期が長く、庭や花壇に植えても目立ちすぎることがないため、主役の草花を引き立てる脇役的な存在として重宝されています。 アスペルラ・オリエンタリスの花や葉の特徴 billysfam/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5〜7月草丈:25〜30cm耐寒性:強い耐暑性:弱い花色:青紫色 アスペルラ・オリエンタリスの開花期は5~7月。春まきの場合は9~10月に花を咲かせることもあります。先端が開いた筒状の青紫色の花は、花茎の頂点に密集して咲き、自然とこんもりとしたブッシュ状になります。茎の節に、茎を囲むように細長い葉が8枚輪生するのが特徴。茎はよく伸びるものの細いため自立性が弱く、開花時期になると半ば倒れたような草姿になります。 アスペルラ・オリエンタリスの名前の由来と花言葉 billysfam/Shutterstock.com 属名の「アスペルラ」はラテン語の「asper(粗い)」に由来し、葉の表面がざらざらしているという特徴から。種小名の「オリエンタリス」は「オリエント地域産の」という意味で、トルコ周辺地域を指します。和名の「玉車葉草(タマクルマバソウ)」は、花が密集して玉のように見えることと、クルマバソウの仲間であることに由来。クルマバソウという名は、特徴的な葉の付き方に由来しています。茎がすっと伸び、その周囲をぐるりと囲むように細長い葉が8枚ほど付きます。この車輪状の葉の配置が「車葉草(クルマバソウ)」という名前になりました。 クルマバソウ。Scisetti Alfio/Shutterstock.com アスペルラ・オリエンタリスの花言葉は「至福のひととき」です。青紫色の可憐な花は、見る人の心を和ませ、幸福感をもたらしてくれるような魅力を持っています。その穏やかな雰囲気から、癒やしの花としても人気があります。 アスペルラの種類 Manfred Ruckszio/Shutterstock.com 日本ではアスペルラ・オリエンタリスが広く普及していますが、ほかにも多くの種類があります。ここでは、いくつかの種類をご紹介します。 グッソネイ(A. gussonei) Skrypka Olena/Shutterstock.com シチリア島原産の多年草。葉は多肉質でマット状に広がり、ピンクがかった白花を咲かせます。ロックガーデンなどに利用されます。 ヘクサフィラ(A. hexaphylla) 南ヨーロッパ原産で、6~7月に白い花を咲かせる種類です。切り花や鉢植えとして利用され、日当たり~半日陰の環境で育ちます。 ティンクトリア(A. tinctoria) olko1975/Shutterstock.com 中部ヨーロッパ原産で、花色は白。根は染料として利用されることもあります。 オドラータ(A. odorata) photoPOU/Shutterstock.com ガリウム・オドラツム(Galium odoratum)とも。5~7月に、香りのある星形の白い小花を咲かせます。やや湿り気のある半日陰を好み、シェードガーデンのグラウンドカバーとしても人気があります。 タウリナ(A. taurina) haraldmuc/Shutterstock.com 長い筒部分を持つ白い花を、花茎の先に密集させて咲かせます。草丈は20~60cm。 ブルーシャンデリア(A.orientalis ‘Blue Chandelier’) アスペルラ・オリエンタリスの園芸品種で、美しい花を咲かせます。 アスペルラ・オリエンタリスの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜7月(秋まき)、9~10月(春まき)植え付け・植え替え:3月上旬〜4月上旬肥料:3〜6月種まき:9月下旬~10月中旬(秋まき)、3月中旬~4月中旬(春まき) アスペルラ・オリエンタリスの栽培環境 billysfam/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】アスペルラは日照を好む植物なので、日当たりのよい場所で管理することが重要です。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】高温多湿には弱いため、水はけがよく乾燥した場所で管理します。 耐寒性・耐暑性 耐寒温度は0~マイナス5℃程度で、寒さには比較的強いですが、苗が小さい時期は霜に注意が必要です。平地や暖地では秋に種子を播き、春から初夏にかけて花を楽しむのが一般的な栽培方法です。高温多湿に弱く、夏頃に枯れる一年草なので夏越しの対策は特に必要ありません。 アスペルラ・オリエンタリスの育て方のポイント 用土 Singkham/Shutterstock.com アスペルラ・オリエンタリスは乾燥気味の土を好むため、水はけのよい土に植えることがポイントです。市販の草花用培養土でも問題なく育ちますが、鉢植えの場合は底に軽石を敷くなど、水はけをよくするのがポイントです。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 地植えの場合は、根付いたら基本的に水やりは必要ありません。 鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。ただし過湿になると根腐れを引き起こすため、水やりは土の表面がしっかり乾いてから。目安としては、鉢土の表面が白く乾いてから与えるようにしましょう。開花中は花に水をかけないよう、株元にそっと水を与えます。 肥料 Agenturfotografin/Shutterstock.com 地植えの場合、肥えた土であれば特に肥料を施す必要はありません。 鉢植えの場合、基本的に培養土には元肥となる肥料分が含まれているため、それ以降は開花中に固形肥料を一度、液体肥料なら数回与える程度で十分です。液体肥料は春~開花時期に適宜与えるとよいでしょう。 注意する病害虫 Crystal Eye Media/Shutterstock.com 病害虫の心配はほとんどなく、初心者でも育てやすい植物です。特別な病害虫対策は不要ですが、日頃から適切な環境で管理し、株の状態をチェックすることで健康に育てることができます。 アスペルラ・オリエンタリスの詳しい育て方 種まき Olga Miltsova/Shutterstock.com 種まきの適期は、秋なら9月下旬~10月中旬、春なら3月中旬~4月中旬です。ただし高温多湿に弱いため、秋に種子を播いて苗で冬越しさせ、初夏に花を楽しむほうが育てやすいです。春まきの場合は苗で夏越しして秋に花を楽しめますが、夏の栽培が避けられないため、寒冷地向きです。発芽率はさほど高くないので、多めに播いておくと安心です。 【種まきの手順】 ポットに数粒ずつ種子を播き、軽く押し込んだあと薄く覆土する。 たっぷり水をやり、芽が出てきたら間引きを行いながら苗を育てる。 ある程度成長したら鉢や地植えで育てる。 苗の選び方 苗を購入する際は、葉の色が鮮やかで引き締まった株を選び、つぼみがたくさんついたものを選ぶのがおすすめです。 植え付け sergey kolesnikov/Shutterstock.com アスペルラは地植えでも鉢植えでも栽培可能です。購入した苗は植え替えて楽しみましょう。植え付ける際は、暑くなる前に植え付けるとよいでしょう。 茎は自然に分枝し、こんもりとしたブッシュ状に成長するため、花壇のフロント部分や寄せ植え、ハンギングバスケットなどに利用すると見栄えがよくなります。 日常のお手入れ Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 花がら摘みをこまめに行うことで、花を長く楽しむことができます。花が変色したら、引き抜くようにして取り除きましょう。 夏越し billysfam/Shutterstock.com アスペルラは高温多湿に弱いため、夏を越すことはできません。日本では夏前までの一年草として楽しむ植物であり、基本的には秋に種まきをし、初夏までの間に育てて花を楽しみ、夏には役目を終えます。 増やし方 Vectorium/Shutterstock.com アスペルラは一年草ですが、その可憐で育てやすい特性から、毎年育てているという人も少なくありません。花が終わったあとにすぐ摘み取らずそのままにしておくと、種子ができるので、採種した種子を使って翌年また育てることができます。 環境に合えばこぼれ種が発芽することも アスペルラ・オリエンタリスの花をそのままにしておくと種子ができ、その種子が落ちて、適切な環境にあれば自然に発芽する場合もあります。もし発芽しているのを見つけたら、必要に応じて移植をし、育ててみましょう。 採種方法 アスペルラ・オリエンタリスの種子は非常に小さく、採取には少しコツが必要です。花が咲き終わり、茶色く熟したら、花茎から切り取って紙袋などに入れ、乾燥させます。乾いたらもみほぐして種子を取り出しましょう。 アスペルラを栽培する際の注意点 billysfam/Shutterstock.com アスペルラは比較的育てやすい植物ですが、高温多湿には弱いため、水の与えすぎには注意が必要です。特に鉢植えの場合は根腐れに注意し、土の表面が乾いてから水やりを行うよう心がけましょう。 実生で育てる場合は、寒冷地以外では秋まきがおすすめです。春まきは夏越しが難しくなるため注意が必要です。 アスペルラの茎は細く繊細で、花の時期には折れやすくなるため、移動や手入れの際はやさしく扱いましょう。開花中の水やりも花にかからないよう、株元から丁寧に与えることがポイントです。 春から初夏の花・アスペルラの栽培を楽しもう Yoiyoyo23/Shutterstock.com アスペルラは一年草ですが、一度育ててみると毎年でも育てたくなる魅力的な植物です。地植えでも鉢植えでも育てることができるため、場所やスタイルを選ばず取り入れられます。高温多湿に注意して、ぜひアスペルラを育ててみてはいかがでしょうか?
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花と緑

「都道府県の花」3択クイズ! 茨城県の花は次のうちどれ?【Let’s Try! 植物クイズ】
「茨城県の花」は次の3つのどれ? Wizard8492/Shutterstock.com 日本三名園の1つである水戸の偕楽園や、迫力満点の袋田の滝、加島神社の総本社鹿島神宮、世界最大の高さのある青銅製立像として知られる牛久大仏、四季折々の花畑を楽しめる国営ひたち海浜公園など、文化や自然にまつわるさまざまな名所がある茨城県。都心からもアクセスしやすく、人気の旅行先になっています。 そんな茨城県を象徴する「木」はウメ、「鳥」はヒバリ、「魚」はヒラメ。それでは、茨城県の花は、次のA~Cのどれでしょう? A バラ koichi.T/Shutterstock.com B ネモフィラ Princess_Anmitsu/Shutterstock.com C アジサイ naturepicture_rika/Shutterstock.com ヒント ガーデンでもなじみ深い花で、県内でも公園などで見ることができます。地名にちなんで選ばれました。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ A バラ koichi.T/Shutterstock.com バラの基本データ 学名:Rosa科名:バラ科属名:バラ属原産地:アジア、ヨーロッパ、中近東、北アメリカ、アフリカの一部和名:バラ(薔薇)など別名:ソウビ、ショウビなど英名:Rose開花期:5月中旬~6月上旬(主な開花期)、6月中旬~11月(品種により異なる)花色:白、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、茶、黒、緑、複色形態:落葉性低木、つる植物樹高:0.4~1.5m(木立性)、1.5~2.5m(シュラブ)、2~5m以上(つる) 花の女王ともうたわれるバラ。バラ科バラ属に分類される植物の総称で、優美な花姿とかぐわしい香りから、世界中で広く愛されています。 茨城県では、「茨城」という地名にちなみ、1966年に県の花として制定されました。県章、県旗もバラをかたどったものとして定められています。また、茨城県とバラの関係は深く、「常陸国風土記」では黒坂命が茨(うばら)を使って、または茨で城を築いて賊を退治したという説話があり、これらが「茨城」という県名の由来だと考えられています。 Tatevosian Yana/Shutterstock.com バラと人の関わりは古く、古代メソポタミア文明や古代エジプト文明の時代にはすでに、バラが利用されていた記録が見つかっています。クレオパトラや皇帝ネロもバラを好んでいたとされ、花びらを敷き詰めたり、お風呂に入れたりして利用していたという逸話が知られています。バラは薬用植物としても知られ、中世ヨーロッパでは修道院で栽培されていたそうです。また、ダマスクローズなどは香水の原料としても広く使われてきました。 人々に古くから愛されてきたバラは、品種数もとても多く、原種の数だけでも150~200種ほど、園芸品種も含めれば3~10万種、もしくはそれ以上の品種があるともいわれます。現在でも品種改良が盛んに行われ、毎年魅力的な新品種も登場しています。 reddish/Shutterstock.com バラの樹形には大きく分けて、自立する「木立ち性(ブッシュローズ)」、つるが長く伸びる「つる性(クライミングローズ)」、木立ち性とつる性の中間に位置する「半つる性(シュラブローズ)」の3タイプがあります。つるバラはアーチやオベリスク、フェンスなどに絡めるなど、立体的な花演出におすすめ。コンパクトに生育する木立ち性や半つる性のバラを選べば、鉢植えでも栽培できます。また、春にだけ開花する「一季咲き」と、春の開花以降も数回返り咲く「返り咲き」や、春から秋まで繰り返して咲く「四季咲き」があり、品種によって長く楽しめます。 wasanajai/Shutterstock.com バラの花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、茶、黒、緑、複色など非常に豊富。近年では“青いバラ”も作出されています。花の大きさや花形も多数あり、整った剣弁高芯咲きや、丸みのあるカップ咲き、素朴で愛らしい一重咲きなどさまざま。香りもバラらしいダマスク香からスパイシーな香り、ミルラ香などまで大きく7つの種類に分けられます。切り花のバラには香りがほとんどないものが多く、素晴らしい香りを楽しめるのは、ガーデンでのバラ栽培の醍醐味の1つ。品種によって特徴が千差万別なので、好みや目的、ガーデンシーンに合わせて自分にピッタリのバラを探してみるのも楽しいですね。トゲが少ないかほとんどなく、扱いやすいバラもあります。 Helen Clarkson/Shutterstock.com バラの苗は、園芸店やホームセンター、バラ園、ネット通販などで購入することができます。初心者は大きく育った「大苗」や「鉢植え苗」から栽培をスタートすると失敗しにくくおすすめ。苗を購入したら、バラの培養土などを用いて植え替えましょう。バラは適切に肥料を与えたほうがよく花が咲きます。開花後や冬には、種類や株の状態に合わせて剪定をしましょう。落葉樹なので冬には葉を落としますが、翌春には新芽が芽吹いてまた開花が楽しめます。 bbearlyam/Shutterstock.com クイズ一覧はこちら!
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樹木

失敗しないカロライナジャスミンの育て方|剪定時期とつるを綺麗に誘引するコツ
カロライナジャスミンの基本情報 JNix/Shutterstock.com 植物名:カロライナジャスミン学名:Gelsemium sempervirens英名:Carolina yellow jasmine、false jasmineなど和名:カロライナジャスミンその他の名前:ゲルセミウム、イエロージャスミン、ニセジャスミン、イブニングトランペットなど科名:ゲルセミウム科属名:ゲルセミウム属原産地:北アメリカ南西部、亜熱帯・熱帯アメリカ形態:常緑つる性低木 カロライナジャスミンの学名はGelsemium sempervirens (ゲルセミウム・センペルヴィレンス)。ゲルセミウム科ゲルセミウム属のつる植物で、原産地は北アメリカ南西部、亜熱帯・熱帯アメリカ。暑さに強い一方で寒さにはやや弱く、耐寒温度はマイナス5℃ほど。一般地では周年戸外で管理できますが、寒冷地では寒さ対策が必要です。常緑性のため冬でもみずみずしい葉姿を保ちます。花が芳香を放つことがジャスミンに似ていることからこの名前が命名されましたが、ジャスミンの仲間とはまったく異なる植物です。 カロライナジャスミンの花や葉の特徴 Chonlawut/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:4〜6月樹高:約7m(つるの長さ)耐寒性:やや弱い耐暑性:強い花色:黄 カロライナジャスミンの開花期は4~6月で、花色は黄色。花径2~3cmの5弁花が枝葉に密について咲きます。花の香りはハゴロモジャスミンに似ているものの、控えめに香るので匂いがきついと感じることはないでしょう。葉は先の尖った楕円形で光沢があり、冬には褐色に変化します。 フェンスへの誘引などで楽しめるつる植物 Popova Valeriya/Shutterstock.com カロライナジャスミンはつるを旺盛に伸ばして生育するので、つるを仕立てる構造物が必要です。庭植えの場合はフェンスやアーチ、オベリスク、パーゴラなどに誘引させるのがおすすめ。鉢栽培ではあんどん支柱や鉢用のミニオベリスクを設置してつるを仕立てるとよいでしょう。 地植えの場合は関東地方以西がおすすめ Signyamo/Shutterstock.com 病虫害の心配が少なく育てやすい植物ですが、寒さにやや弱く、耐寒温度はマイナス5℃ほどのため、寒さが厳しい地域では鉢栽培にするか晩秋に鉢上げし、冬は暖かい室内や温室などで冬越しさせましょう。 カロライナジャスミンは毒性に注意 Marianne Pfeil/Shutterstock.com 名前に「ジャスミン」という名前がつくので「ジャスミンティーのように飲用できるのかな」とイメージするかもしれません。しかし、美しい姿に反して全草に毒を持つので、取り扱いには注意が必要です。決して飲用しないでください。樹液が皮膚につくとかぶれることがあるので、作業の際には長袖長ズボン、ガーデングローブを着用しておきましょう。 カロライナジャスミンの名前の由来と花言葉 Chonlawut/Shutterstock.com カロライナジャスミンという名前は、アメリカのノースカロライナ州やサウスカロライナ州に自生し、ジャスミンのようによい香りのする花が咲くことから。また、属名のGelsemiumは、イタリア語でジャスミンを意味する「gelsomino」に由来するとされています。 カロライナジャスミンの花言葉は、「甘いささやき」「長寿」「素直」「気立てのよさ」など。「甘いささやき」は花に芳香があることから。「長寿」はアメリカでは偏頭痛や喘息に効果のある薬草として用いられたことに因んでいます。敬老の日に、花言葉を添えてカロライナジャスミンの花鉢を贈るのもおすすめです。ただし、毒性があることには留意しましょう。 ジャスミンという名前を持つ主な植物 カロライナジャスミンは、「ジャスミン」という名前がついていても、ゲルセミウム科の全く別の植物。このように、香りのよい花にはジャスミンという名前を持つものが多くあります。代表的なものをいくつかご紹介します。 マツリカ Cancer_July/Shutterstock.com モクセイ科ソケイ属。一般的なジャスミンとして知られ、ジャスミンティーの香りづけなどにも利用される種。アラビアンジャスミンやピカケなどとも呼ばれます。半つる性の常緑低木で、夏の夕方から早朝に咲き、時間とともにピンク色を帯びる一日花です ハゴロモジャスミン Ness.BD/Shutterstock.com モクセイ科ソケイ属。半常緑のつる植物で、外側が薄いピンク色の香りのよい白い花を咲かせます。ジャスミンの仲間では比較的寒さに強く、暖地では庭植えも可能なことからガーデナーからの人気も高い種類です。 スタージャスミン Best smile studio/Shutterstock.com キョウチクトウ科テイカカズラ属。ジャスミンとはまったく異なる種類で、有毒なので口にしてはいけません。常緑つる性低木で、生育旺盛でよくつるを伸ばし、開花期には香りのよい白い花を一面に咲かせます。 マダガスカルジャスミン Antoniya Kadiyska/Shutterstock.com キョウチクトウ科シタキソウ属(ステファノティス属)。常緑つる性低木で、春から夏にかけて咲く純白の花に爽やかな香りがあります。革質の葉は厚みがあってつややか。寒さに弱いため、あんどん仕立てなどの鉢植えでよく出回りますが、霜が降りない暖地では地植えも可能です。有毒なので、口にしないよう注意しましょう。 カロライナジャスミンの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜6月植え付け・植え替え:4月下旬〜5月上旬、9月〜10月上旬肥料:2月頃、6月頃、9月頃剪定:4月下旬~7月 カロライナジャスミンの栽培環境 Prithiviraj1309/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい環境を好みます。半日陰の場所でも育ちますが、花つきが悪くなってしまうので注意しましょう。 【日当たり/屋内】日当たりが悪いと花数が少なくなるため、基本的には屋外で管理しますが、寒さが厳しい地域では鉢栽培にして室内で越冬させるのが無難です。室内では南や東向きの窓辺など、日当たりのよい場所で管理するとよいでしょう。 【置き場所】水はけ・水もちのよい肥沃な土壌を好みます。また、つる性の植物のため、棚やフェンス、ポールなどに添わせて仕立てる必要があります。植え付ける場所に応じて、つるを支えるための園芸資材を準備しておきましょう。 耐寒性・耐暑性 暑さには強い一方で寒さにはやや弱く、耐寒温度はマイナス5℃前後。関東以西の太平洋側など温暖地では戸外で越年できますが、冬に寒風が吹きつける環境は植え場所には向いていません。寒冷地では晩秋に室内に移動するか、生育期は地植えにし、寒くなる前に鉢上げして室内に取り込むとよいでしょう。 カロライナジャスミンの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50㎝程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 花木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり cam3957/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後はほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥が続く場合は水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水切れに注意します。冬は表土が乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え、鉢植えともに】 2月頃に緩効性化成肥料を株まわりに施し、土によくなじませます。春からの生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり、旺盛に枝葉を広げることにつながります。 6月頃、開花が終わったら緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。たっぷりと花を咲かせることで、株がエネルギーを消耗するので、体力を回復させる目的で与える肥料で、「お礼肥(おれいごえ)」といいます。「たくさんの花を咲かせてくれてありがとう」という気持ちを込めて、肥料をあげてください。 また、花芽分化後の9月頃に追肥として緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 カロライナジャスミンの栽培では、病気にかかる心配はほとんどありません。 【害虫】 カロライナジャスミンに発生しやすい害虫は、アブラムシやハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 カロライナジャスミンの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、下葉が黄色くなったり落ちたりしているものは避け、葉の色艶がよく、茎がしっかりとしたものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Monkey Business Images/Shutterstock.com カロライナジャスミンの植え付け・植え替えの適期は、4月下旬〜5月上旬か、9月〜10月上旬です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。つるが伸びていれば、フェンスや棚など、つるを伸ばしたい方向へ誘引しておきましょう。最後にたっぷりと水を与えます。 温暖地の場合は、健全に育っていれば植え替えの必要はありません。寒冷地では10月頃に鉢に植え替える「鉢上げ」をします。株元から20〜30㎝のところまで切り戻し剪定をした後に掘り上げ、根鉢よりも1〜2回り大きい鉢に植え替えます。手順は、【鉢植え】の項目を参考にしてください。越年後、霜が降りる恐れがなくなる4月下旬〜5月上旬頃に再び庭に植え付けます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は8〜10号鉢とつるを支えるための支柱を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、棒などでつつきながら培養土を足していきます。支柱を設置してつるを誘引したのち、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合は、放置していると根詰まりしてくるので、2年に1度は植え替えるとよいでしょう。植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておくと作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢を用い、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢を用意し、植え替えます。 剪定 Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com カロライナジャスミンの剪定は、花が終わった後すぐに行います。8月には翌年の花芽がつくので、その前には終わらせるようにしてください。 基本的には込み合いすぎている場所を適宜間引くようにして切り取り、風通しをよくします。つるが旺盛に茂りすぎて樹形を乱していたり、勢力を伸ばしすぎてほかの植物に悪い影響を及ぼしたりしていれば、株全体の2/3くらいまでを目途に切り戻してかまいません。 冬越し 温暖な地域では、戸外でも越冬できます。地植えの場合はバークチップなどを表土に敷き詰めて寒さ対策をし、鉢植えの場合は霜が降りない軒下などに移動しておきましょう。 寒冷地では寒くなる前に鉢上げして室内または温室に取り込み、日当たりがよく暖かい場所に置いて越冬させます。越年後は、遅霜の心配がなくなった4月下旬〜5月上旬頃に屋外に出しましょう。地植えで楽しみたい場合は、土づくりをして植え付けます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com カロライナジャスミンは挿し木で増やします。挿し木とは、枝葉を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、カロライナジャスミンは挿し木が可能です。 カロライナジャスミンの挿し木の適期は6〜7月です。春から伸びた若くて勢いのある枝を選び、3〜4枚葉をつけて切り取ります(挿し穂)。市販の園芸用の培養土を黒ポットなどに入れて十分に湿らせ、挿し穂を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理しましょう。発根したら日当たりのよい場所へ移動して育苗し、鉢増ししながら育成します。十分に育ったら、植えたい場所に定植してください。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 カロライナジャスミンの誘引方法(つるの巻き方) Karinrin/Shutterstock.com カロライナジャスミンはつるを他者に絡ませながら生育するので、フェンスやアーチ、オベリスク、パーゴラなどに仕立てるのがおすすめです。ここでは、つるの誘引の仕方についてご紹介します。 放任でも問題はない 根付いた後はつるを伸ばして自力で他者に絡みながら伸びていくので、放任しても構いません。つるを仕立てる構造物からはみ出すほど強く伸びる枝があれば、切って調整します。枝に葉が密について旺盛に茂るので、フェンスなどの面を埋めやすく、目隠しとして利用することもできます。 つるを巻きつけた後はやさしく固定する 植え付け後、新芽が出始めた頃に、フェンスやパーゴラ、アーチなどへ誘引したい方向へつるをビニタイや麻ひもなどでとめておくと、あとは自力で這い上がっていきます。開花後に深めに切り戻した場合も、伸ばしたい方向へ誘引しておくとよいでしょう。 鉢植えの場合の仕立て方 InfoFlowersPlants/Shutterstock.com 鉢植えの場合は、支柱やあんどん仕立て用の支柱、鉢用のオベリスクなどを鉢に設えてつるを誘引します。フェンスやパーゴラなどの近くに鉢を置いて絡ませてもかまいません。 カロライナジャスミンの育て方を理解して美しい花を楽しもう Caodung/Shutterstock.com カロライナジャスミンはつるを伸ばして生育するのでアーチやオベリスク、フェンスなどに絡ませて、縦の空間をダイナミックに彩りたい時に重宝します。黄色い花が愛らしく、優しい芳香を漂わせるカロライナジャスミンを、庭に取り入れてはいかがでしょうか。
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【成長が進む6月】宿根草等を使用する都立公園の花壇コンテスト「第4回 東京パークガーデンアワード」夢の島公園
第4回の5つのコンテストガーデン 各コンテストガーデンは、波打つ曲線で縁取られた高さ15㎝ほどの木枠の中に作られました。6月の様子。 公園内の通路に沿って2対1組のウェーブガーデンが5つ並んでいます。常緑のユーカリを背景に、通路からコンテストエリア全体を眺めたり、2対のウェーブガーデンの間の通路を歩きながら、5つのガーデンの移り変わる景色を楽しめるのも魅力。植物をすぐそばに感じられる、心地よい空間です。 写真左手前の西から東に向けて、A・B・C・D・Eの順にガーデンが並ぶ、6月の様子。右奥に見えるガラス張りの温室は、夢の島熱帯植物館。 2025年12月に行われた作庭時、ガーデン制作に関わった皆さん。 コンテストガーデンが設けられた敷地の平面図。A〜Eの各面積は約24㎡ 。どのエリアでガーデンを制作するかは、2025年10月に抽選で決定。 全国から選ばれた入賞者5名のガーデンコンセプトと月々の様子 コンテストのテーマとルールをふまえて制作される5つのガーデン。それぞれのガーデナーが目指す庭を、作者の制作意図や図面、植物リストの一部を紹介しながら、月々の様子を撮影した写真とともにお伝えします。 Pick up 月々の植物の様子 6月の植物の様子 コレプオシス‘ルビーフロスト’(Aエリア)、エキナセア‘パープルレディ’(Aエリア)、プルネラ(ウツボグサ)(Bエリア)、エキナセア‘ミニベル’(Bエリア) アリウム‘レッドモヒカン’(Cエリア)、アガスターシェ‘アパッチサンセット’(Dエリア)、リクニス・コロナリア(Dエリア)、スタキス‘ウッキー’(Eエリア) 5月の植物の様子 アリウム・カラタビエンセ‘アイボリークィーン’(Aエリア)、クラスペディア・グロボーサ(Aエリア)、シシリンチューム・ストリアタム(Bエリア)、サポナリア‘スノーチップ’(Cエリア) ベロニカ‘フェアリーテイル’(Cエリア)、ネペタ‘ウォーカーズロウ’(Dエリア)、クナウティア‘マースミジェット’(Eエリア)、モナルダ・ブラドブリアナ(Eエリア) 4月の植物の様子 チューリップ・ヒルデ(Aエリア)、フリチラリア・ツンベルギー(Bエリア)、チューリップ‘シルビア’(Bエリア)、フリチラリア・ペルシカ(Cエリア) シラー・シベリカ‘アルバ’(Cエリア)、ラナンキュラス・ラックス‘サティロス’(Dエリア)、チューリップ‘ショーグン’(Dエリア)、フロックス・ディバリカタ‘ラファミー’(Eエリア) 3月の植物の様子 ミニアイリス‘ペインテッドレディ’(Aエリア)、シラー‘ミスクトスケンコアナ’(Aエリア)、ムスカリ‘アズレウム’(Aエリア)、クロッカス‘ロマンス’(Aエリア) グレビレア・プーリンダイルミナ(Bエリア)、ユーフォルビア・ウルフェニー(Bエリア)、チューリップ・ヒルデ(Bエリア)、アルメリア‘モーニングスターディープピンク’ (Eエリア) ●タイトルへ戻る コンテストガーデンA花の巡り、風と大地の詩 【作品のテーマ・制作意図】 海辺という特有の環境に調和しながら、自然の力を活かした設計によって、サステナブルな公共空間のあり方を提案します。風が通り抜け、植物が揺れ、大地がそれを支える——この空間では、自然の要素が互いに響き合いながら機能します。植栽には、乾燥や高温に強く、施肥を行わずとも育つ植物を選定。水やりやメンテナンスを最小限に抑えることで、環境負荷を軽減しながら、美しさと生態系の豊かさを両立する構成としました。また、宿根草とグラス類を中心に、こぼれ種によって自発的に広がる植物を組み合わせることで、季節や年月の変化に応じて風景が移ろい、訪れるたびに異なる表情を見せるよう工夫しています。風に反応する草姿や色彩の変化は、来訪者の感覚に静かに働きかけ、風・植物・大地の関係性を通じて、自然との関わりを見つめ直す場となることを目指しています。 【主な植物リスト】 宿根草:フロックス‘ムーディーブルー’/ゲラニウム‘サバニブルー’/アスフォデリネ・ルテア/ダイアンサス・カルスシアノルム/ゴリオリモン・コリナム‘シースプレイ’/エキナセア・テネシーエンシス/ユーコミス‘ビッグボーイ’/エリンジューム・パリフォリウム/バーノニア・レターマニー/スクテラリア・インカナ/アスター‘アンレイズ’グラス類:フェスツカ‘エリアブルー’/ブリザ・メディア‘ラッセルズ’/スティパ・イチュー/エラグロスティス・トリコデス/ペニセタム・マクロウルム/アンドロポゴン・テルナリウス/ミューレンベルギア・カピラリス・アルバ球根:スイセン‘ペーパーホワイト’/ミニアイリス‘ペインテッドレディ’/クロッカス‘ロマンス’/ミニチューリップ‘ヒルデ’/ダッチアイリス‘シンフォニー’/カマシア・クシッキー/アリウム・シルバースプリング/アリウム‘ピンボールウィザード’/ガルトニア・カンディカンス/リコリス・サンギネア コンテストガーデンA 月々の変化 6月の様子 濃いピンクの花を咲かせるダイアンサス・カルスシアノルムが、ガーデン全体に散りばめられ、それと共演するように、ナチュラルで可憐な花々が軽やかに咲いています。この時季も明るい色彩の花が多く、愛らしい花畑のような風景が広がっています。 【写真中の主な植物】ダイアンサス・カルスシアノルム、サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’、サルビア‘バイオレットクィーン’、エキナセア‘サンシーカーズレインボー’、エキナセア・テネシエンシス、アキレア‘ヘラ・グラショフ’、クラスペディア・グロボーサ、セダム‘サンダーヘッド’、ガウラ、エスコルチア‘ミルクメイド’、リモニウム・ラティフォリウム、カラミンサ、アークトチス・グランディスほか ●タイトルへ戻る 5月の様子 この時期の主役は、高さの異なる3種類のアリウム。紫がかったピンク色の‘ピンボールウィザード’の球体がガーデンの全体にランダムに散りばめられ、縦に伸びる葉や茎のラインとともに、心地よい浮遊感を漂わせています。春先から続くピンク×黄×青の爽やかな彩りが、春の陽気と相まって楽しげな雰囲気を演出。ポイントで配した銅葉のルナリア‘チェドグロウ’が、植栽の色彩をぐっと引き締めています。 【写真中の主な植物】アリウム‘ピンボールウィザード’、アリウム・カラタビエンセ‘アイボリークィーン’、アリウム‘シルバースプリング’、ダッチアイリス‘シンフォニー’、ダイアンサス・カルスシアノルム、サルビア‘カラドンナ’、サルビア‘バイオレットクィーン’、フロックス・ピロサ、ユーフォルビア・ウルフェニー、アスフォデリネ・ルテア、ネペタ‘ジュニアウォーカー’、クラスペディア・グロボーサほか 4月の様子 白×青×黄を基調とした花色が爽やかで、花咲く野原のようなナチュラルなデザインが、眺める人の心を和ませてくれます。一方、ところどころで大きな葉を伸ばすジャーマンアイリスやアリウム‘ピンボールウィザード’がアクセントとなり、景色に力強さをプラス。これから季節が進むにつれ、風景の印象がどのように移り変わっていくのか、今後の展開が楽しみです。 【開花中の植物】上左/ユーフォルビア・ウルフェニー、フロックス‘ムーディブルー’ほか 上右/ユーフォルビア・ウルフェニー、ムスカリ‘アズレウム’、スイセン‘ペーパーホワイト’ほか 下左/ユーフォルビア・ウルフェニー、スイセン‘ペーパーホワイト’、ネペタ‘フェリックスほか 下右/ユーフォルビア・ウルフェニー、スイセン‘ペーパーホワイト’、チューリップ・タリア’ 3月の様子 ミニアイリス‘ペインテッドレディ’、シラー‘ミスクトスケンコアナ’、クロッカス‘ロマンス’など、可憐な小球根が次々に開花し、早春ならではの愛らしい風景が広がっています。小球根のかたわらでは、盛りを迎えたユーフォルビア・ウェルフェニーが小さな花々を見守るようにやさしく佇み、庭の表情をいっそう豊かにしてくれています。先月中旬から咲いているミニアイリスはそろそろ見頃の終盤に差しかかり、これからは白いスイセンへと、開花のバトンが引き継がれていきます。 【写真中の主な植物】上左/ユーフォルビア・ウルフェニー、ミニアイリス‘キャサリンホジキン’、シラー‘ミスクトスケンコアナ’、クロッカス‘ロマンス’ほか 上右/シラー‘ミスクトスケンコアナ’、クロッカス‘ロマンス’、ムスカリ‘アズレウム’ほか 下左/スイセン‘ペーパーホワイト’、クロッカス‘ロマンス’、ギリア‘レプタンサ’、フェスツカ‘アメジスティナ’ほか 下右/アスフォデリネ・ルテア、カマッシア‘クシキー’ 2月の様子 まだ寒々しさの残るガーデンの中で、チューリップやスイセン、クロッカスの芽が、艶やかな緑の彩りを添えています。成長前のグラス類やロゼット状の植物などが休眠している姿には、地味ながらも、どこか味わいが感じられます。 【写真中の主な植物】上左/ユーフォルビア・ウルフェニー、ペニセタム・マクロウルム、フェスツカ‘エリジャブルー’ほか 上右/エリンジウム・バリフォリウム、ダイアンサス・カルスシアノルム 下左/エラグロスティス・トリコデス、アリウム‘丹頂’ほか 下右/フェスツカ・アメジスティナ、ダッチアイリス‘シンフォニー’、ミニチューリップ‘ヒルデ’、アリウム‘シルバースプリング’ほか 1月の様子 どことなく荒涼とした雰囲気が漂うこの時期。植え付け時から数輪の白花をつけているスキゾスティリス・コッキネア‘シルキーピンク’が、冬の日差しを受けて、ぽつんと一点、輝きを放っています。ほかにもミニスイセンや球根の芽吹きがところどころに見られ、まだ遠いながらも、春の訪れをほんのりと感じさせてくれます。 【写真中の主な植物】上左/スキゾスティリス・コッキネア‘シルキーピンク’、ユーフォルビア・ウルフェニー、ジャーマンアイリスほか 上右/アスフォデリネ・ルテア 下左/アリウム ‘シルバースプリング’ 下右/スイセン‘初雪’、アガパンサス‘ゲッティホワイト’ほか 12月の様子 コンテストガーデンA『花の巡り、風と大地の詩』12月中旬、作庭後の様子。 ●タイトルへ戻る コンテストガーデンB潮風に揺れるプレイフルガーデン-Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze- 【作品のテーマ・制作意図】 ■ユーカリ樹林や公園風景を主役にする庭 ―夢の島公園の景観と調和した植物選び―・公園の象徴であるユーカリ林を主役に、遠くからは樹林の前景として眺める花壇、入り込めばユーカリの壁を借景に、緑に包まれる植栽空間を創出。背後の樹林と庭の植栽がつながるよう視線の抜けや緑の連続感を意識し、園全体との一体感を演出します。・バンクシア、カリステモン、ハマゴウやメリアンサスなど、海辺の環境に耐えながら、豪州庭園を有する公園の既存植生や景観、海風の雰囲気に馴染む庭景を演出します。・冬季に訪れる来園者にも配慮し、花後も景観を彩るグラスや常緑樹、カラーリーフ類を混植し、季節ごとに表情が変わり、秋冬も映えるガーデンとします。 ■公園遊具・風景のきっかけとしての庭―利用者の関心を引き、居心地を生む仕掛け―・子ども用遊具が少ない園内に、アスレチックや回遊ごっこを誘発する植栽空間を提案します。地面のウェーブ(アンジュレーション)と植栽の高低差で、歩くたびに景色が見え隠れする立体的な庭を演出し、眺めても歩いても楽しめる空間とします。・大人の見守りの視線は通しつつ、子どもにとっては草花のトンネルのように感じられる空間体験を演出します。園路沿いベンチを起点に、子どもの好奇心を植物へ導き、自然への関心を育む場とし、二列花壇の適所に通り抜けポイントを設けることで、アクセス性と回遊性を高めます。 【主な植物リスト】 宿根草:ユーフォルビア・ウルフェニー/ユーフォルビア・セギリアナ/トリトマ‘グリーンシェイド’/モナルダ・フィッツローザ/エキナセア‘ミニベル’/エキナセア・パリダ/シシリンチウム・ストリアタム/スターチス・ラティフォリウム/ホソバチョウジソウ/オレガノ‘マルゲリータ’/アキレア‘マシュマロ’グラス類:パンクスグラス‘プミラロゼア’/ミューレンベルギア・リンドハイメリ/ペニセタム・アロペクロイデス/カレックス‘フェニックスグリーン’/カレックス・フラッカ低木:カリステモン・ドーソンリバー/コースト・バンクシア/グレビレア‘プーリンダ・イルミナ’/グレビレア ・ジョンエバンス/グレビレア‘ドーン・パープル’/メラレウカ‘タイムハニーマータル’/ハマゴウ‘プルプレア’/ギョリュウバイ‘ナニューム・ルブルム’球根: チューリップ・トルケスタニカ/チューリップ‘シルビア’/チューリップ‘ヒルデ’/チューリップ・タルダ‘インタラクション’/チューリップ・クレティカ‘パニア’/チューリップ・マーラ/チューリップ‘ビオレッタ’/カマッシア‘カエルレア’/カマッシア‘アルバ’ コンテストガーデンB 月々の変化 6月の様子 花を咲かせるオージープランツの花木や、実をつけ始めたビルベリーなどの樹木がこんもりと成長しています。その株元では、バリエーション豊かなリーフ類とやさしい色調の花々が、ふんわりと広がっています。6月にしてすでに、見応えのあるボリューム感たっぷりの風景となっています。 【写真中の主な植物】グレビレア‘ドーンパープル’、カリステモン‘ドーソンリバー’、ダイアンサス・カルスシアノルム、アキレア‘マシュマロ’、シシリンチューム・ストリアタム、ユーフォルビア・セギリアナ、ビルベリー、エキナセア・パリダ、プルネラ(ウツボグサ)、アガパンサスほか ●タイトルへ戻る 5月の様子 花を咲かせ始めたオージープランツならではの美しい葉が、足元の草花とともに春の光にやわらかく溶け込んでいます。ビルベリーの赤みを帯びた葉や、メリアンサスのユニークな赤花が、ボリュームのある植栽の中で印象的なアクセントに。ユーフォルビア・セギリアナやタイムなど、繊細な草花でまとめたステップまわりも、明るくみずみずしさにあふれています。 【開花中の植物】グレビレア‘ドーンパープル’、ダイアンサス・カルスシアノルム、アキレア‘マシュマロ’、シシリンチューム・ストリアタム、ジギタリス‘クリームベル’、メリアンサス・マヨール、ユーフォルビア・セギリアナ、ビルベリー、カリステモン‘ドーソンリバー’、エキナセア・パリダ、フォプシス・スティローサほか 4月の様子 楚々とした佇まいが魅力の瑞々しい原種チューリップ数種と、ドライな雰囲気を持つオージープランツのグレビレアが、ともに満開を迎えています。周囲には、若緑のグラデーションが美しい宿根草が配され、異なる趣をもつ植物が見事につながり、一体感のある風景を演出。また、低木類が生み出す陰影が植栽全体の表情に奥行きを与え、見応えのある景色を楽しませてくれます。 【写真中の主な植物】上左/グレビレア‘プーリンダ・イルミナ’、チューリップ‘シルビア’、カリステモン‘ドーンリバー’ほか 上右/メリアンサス・マヨール、チューリップ・クレティカ ‘ハニア’ ほか 下左/グレビレア‘プーリンダ・イルミナ’、メリアンサス・マヨール、チューリップ・クレティカ ‘ハニア’ ほか 下右/ユーフォルビア・ウルフェニー、チューリップ‘シルビア’、コーストバンクシア、ヒルベリーほか 3月の様子 当初から低木などで立体的にデザインされていたガーデンですが、そこに瑞々しい葉を伸ばす宿根草や、グレビレアの赤い花といった彩りが加わり、少しずつにぎわいを見せ始めています。なだらかな斜面の陽だまりでは、原種チューリップ・ヒルデの第一号が開花。冬の終わりにカットバックしたグラス類は、古葉の塊の中から幾本もの新芽を伸ばし始めています。 【写真中の主な植物】上左/グレビレア・プーリンダイルミナ、ウエストリンギア‘スモーキー’、メリアンサス・マヨールほか 上右/チューリップ・ヒルデ、ジギタリス‘クリームベル’ほか 下左/ユーフォルビア・ウルフェニー、コーストバンクシアほか 下右/チューリップ‘シルビア’、ダイアンサス・カルシアノルム、アルテミシア‘モリスストレイン’ほか 2月の様子 パンパスグラスの枯葉がバッサリと刈り込まれ、すっきりとした姿に。切り口のフォルムもユニークです。ユーフォルビアは茎を伸ばし、うなだれながらも花穂をつける準備を始めています。また、数種の原種系チューリップが愛らしい芽を出し始めました。 【写真中の主な植物】上左/オレガノ‘マルゲリータ’、メリアンサス・マヨールほか 上右/ユーフォルビア・ウルフェニーほか 下左/チューリップ・ヒルデほか 下右/チューリップ・シルビアほか 1月の様子 常緑の植物を多く取り入れているこのガーデンでは、真冬でもグリーンのにぎやかなグラデーションを楽しむことができます。マルチングの色とのコントラストも美しく、寒さにあたって赤みを帯びた葉や、やや退色した緑など、この時期ならではの葉色が、植栽全体の表情を豊かに演出しています。 【写真中の主な植物】上左/ウエストリンギア‘スモーキー’、メリアンサス・マヨール、グレビレア‘プーリンダ・イルミナ’ほか 上右/ジギタリス‘クリームベル’、オレガノ‘マルゲリータ’、ヒルベリーほか 下左/アガパンサス‘ファイアーワークス’ 、ユーフォルビア・ウルフェニーほか 下右/矮性パンパスグラス、メリアンサス・マヨールほか 12月の様子 コンテストガーデンB『潮風に揺れるプレイフルガーデン -Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze-』12月中旬、作庭後の様子。 ●タイトルへ戻る コンテストガーデンCStewardship Garden:The Way 【作品のテーマ・制作意図】 この庭は、まるで人の一生を映し出すかのような場所。最初は何も育たない砂地が、植物や小さな生き物たちのチカラ、そしてそこに暮らす人々の手によって、ゆっくりと豊かな土壌へと育っていく。それはまるで、子供が成長して大人になり、やがて成熟世代へと人生を重ねていく時間の流れと、重なり合っているかのよう。子供たちは砂のような柔らかな心で庭と遊び、自然からたくさんのことを学ぶ。大人になれば、その庭は家族や友人と収穫や語らいを楽しむ場所になり、成熟世代になれば、その成長した庭を眺めながら穏やかな、心豊かな時を過ごす。この庭は自然と人が共に成長し、砂が子供、豊かな土壌が大人へと成熟していくように、自然の再生と成熟への時、人生の旅路を映す『道』を示している。 【主な植物リスト】 宿根草:ユーパトリウム/トリトマ/ヘリオプシス/オミナエシ/オトコエシ/ペンテスモン/エキナセア/ベロニカなどグラス類:カールフォスター/ミスカンサス/ディプカンシア/カレックス/モリニア/コメガヤなど球根:アリウム/スイセン/ダッチアイリス/フリチラリア/カマシア/オダマキ/ラナンキュラス・ラックス/ゲイソリザ/ツベロサム/シラーなど コンテストガーデンC 月々の変化 6月の様子 オレンジ~ワインレッドの落ち着いた色彩でまとめられた6月。この時期の主役は、なんといってもインパクト大のアリウム‘レッドモヒカン’です。ダークワインレッドのボール状の花が人の背丈を超える高さまで伸びて咲く様子は、ひときわ印象的。それに呼応するようにカラマグロスティスが長い花穂を伸ばし、ワイルドな佇まいを見せています。 【写真中の主な植物】アリウム‘レッドモヒカン’、ペンステモン‘ハスカーレッド’、アキレア‘テラコッタ’、トリトマ‘オレンジバニラホプシクル’、セダム・マトロナ、ストケシア’ホワイトスター’、エキナセア’ファタルアトラクション’、アガパンサス(白)ほか ●タイトルへ戻る 5月の様子 2色のラナンキュラス・ラックスが、ふんわりとした彩りでガーデンを華やかに包み込みます。その中で、花火が弾けたようなフォルムのアリウム・シュベルティが植栽に個性的なアクセントを添え、風景をより印象的に見せています。一方、ガーデンの端に設けられた砂浜のエリアには白花のサポナリアとグラス類が広がり、清楚で素朴な表情を演出しています。 【開花中の植物】ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、ラナンキュラス・ラックス‘ミネルバ’、アリウム・シュベルティ、サポナリア‘スノーチップ’、カマシア・レイヒトリー‘アルバ’、 ベロニカ‘フェアリーテイル’ほか 4月の様子 ガーデンの中央では、‘オレンジ・ビューティー’とペルシカ、2種のフリチラリアが花茎をぐんと伸ばして開花。個性的な組み合わせで印象深い風景を描いています。それとは対照的に、砂浜のエリアでは、ほんの小さな花を咲かせるシラー・シベリカ‘アルバ’やムスカリ、ゲラニウム・ツベロサムが可憐な表情を見せ、繊細でやさしい景色を演出しています。 【写真中の主な植物】上左/スイセン‘タリア’、フリチラリア・ペルシカほか 上右&下左/フリチラリア‘オレンジ・ビューティー’、フリチラリア・ペルシカほか 下右/シラー・シベリカ‘アルバ’、ムスカリ‘ダブルマジック’ほか 3月の様子 ガーデンの中でもひときわ青々と成長している数株のラナンキュラス・ラックスが、いよいよ花芽を上げ始めました。クルミの殻を押し上げて芽を出した球根の中には、殻を帽子のように載せたまま葉を伸ばしているものもあり、どことなくメルヘンな雰囲気を漂わせています。また、堆肥でカバーしたエリアでは球根の成長が力強く進む一方、両端の砂のエリアの成長は穏やか。さまざまな芽吹きが庭全体に豊かな表情をもたらしています。 【写真中の主な植物】上左/ラナンキュラス・ラックス‘サティロス’、アキレア‘テラコッタ’、ディスカンプシア・パラダほか 上右/ラナンキュラス・ラックス‘ミネルバ’、ペンステモン‘ハスカーレッド’ 下左/アリウム・シューベルティ、アリウム・コワニー、アリウム‘レッドモヒカン’ 下右/カマッシア‘アルバ’、ムスカリ‘ダブルマジック’ほか 2月の様子 3種類のマルチングを施した個性的なガーデンには、オーナメンタルな株姿のカレックス‘プレーリーファイアー’や銅葉のペンステモン‘ハスカーレッド’がよく似合います。先月から芽吹いていたアリウム‘レッドモヒカン’に続き、アリウム・コワニーやアリウム・シューベルティも芽を出し始めました。 上左/ペンステモン‘ハスカーレッド’、オダマキほか 上右/カレックス‘プレーリーファイアー’ 下左/ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、アリウム‘レッドモヒカン’、アリウム・コワニーほか 下右/アリウム・シューベルティ 1月の様子 あちこちに植えられたラナンキュラス・ラックスの青々とした葉が、どことなく寂しい冬の植栽にやわらかな彩りを添えています。植物がまだ小ぶりなこの時期は、3種類のマルチング(バークチップ、クルミの殻、洗い砂)の遊び心がいっそう際立ち、デザイナーのこだわりを感じさせます。 【写真中の主な植物】上左/カラマグロスティス・ブラキトリカ、ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、セダム‘マトロナ’ほか 上右/カラマグロスティス・ブラキトリカ、ペンステモン‘ハスカーレッド’、ほか 下左/カレックス‘プレーリーファイアー’、ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、ペンステモン‘ハスカーレッド’ほか 下右/カラマグロスティス‘カールフォスター’、ベロニカ‘フェアリーテイル’、ペンステモン‘ハスカーレッド’ほか 12月の様子 コンテストガーデンC『Stewardship Garden:The Way』12月中旬、作庭後の様子。 ●タイトルへ戻る コンテストガーデンDSurFIVE Garden 【作品のテーマ・制作意図】 夏の猛暑や乾燥といった「過酷な環境を生き延びる力強さ(Survive)」×「海の波や生命のうねりを感じさせる (Surf)」を掛け、その植物のパワーが波のように広がり未来へとつながっていくイメージと、五感を刺激する植物の組み合わせを『SurFIVE』という言葉で表現しています。またガーデンのテーマカラーとしてオレンジの花色の植物を多く取り入れ、親しみやすさや太陽のもとで元気に咲く植物の生命力をアピールします。 【主な植物リスト】 宿根草: カンナ/クニフォフィア・ルーペリ/メリアンサス・マヨール/エキノプス /ロシアンセージ/アキレア/バーベナ・ボナリエンシスグラス類:カラマグロスティス‘カールフォスター’/カラマグロスティス・ブラキトリカ/パニカム‘シェナンドア’/エラグロスティス・スペクタビリス球根: アリウム‘マジック’/ミニチューリップ‘ショーグン’/イフェイオン‘ウィズレーブルー’/スイセン‘タリア’ コンテストガーデンD 月々の変化 6月の様子 さまざまな形や質感の組み合わせで、ガーデンはボリューム豊かな広がりを見せています。草丈のあるバーベナ・ボナリエンシスの紫の花が、この時季の植栽のなかでひときわ目を引きます。その周囲では、幾層にも重なる厚みのある花々がほどよくよく主張しながら、美しいシーンを構成しています。 【写真中の主な植物】バーベナ・ボナリエンシス、モナルダ、キンギョソウ‘ブラックプリンス’、ゲウム‘トータリータンジェリン’、アキレア‘ウォルターフンク’、リクニス・コロナリア、ヘレニウム、メリアンサス・マヨール、ロシアンセージ‘デニムレース’、アリウム‘マジック’、サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’、アガスターシェ‘アパッチサンセット’、セダム・マトロナ、セダム‘オータムジョイ’、ヘレニウム‘モーハイムビューティ’、ヘレニウム‘マルディグラ(マーティグラス)’、ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’、ヘリオプシス‘バーニングハーツ’、エキノプス‘プラチナムブルー’ほか ●タイトルへ戻る 5月の様子 前列では、ゲウムやアキレアのボリュームのある茂みの中から、幾本ものアリウムが立ち上がり、中央部分で鮮やかな調和を見せています。また花壇の端では、深紅のキンギョソウが満開を迎え、濃厚なカラーが差し色になっています。一方、後列には開花を控えたボリュームのある植栽が並び、前列を引き立てるグリーンの背景として存在感を発揮しています。 【開花中の植物】アリウム‘マジック’、ネペタ‘ウォーカーズロウ’、サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’、キンギョソウ‘ブラックプリンス’、ゲウム‘トータリータンジェリン’、アキレア‘ウォルターフンク’、メリアンサス・マヨール、リクニス・コロナリアほか 4月の様子 先月まで静かだったガーデンは、球根類が一気に花を咲かせ始め、本格的な春の訪れを感じさせています。白×青×オレンジのビビッドな花色が際立ち、全体的にパキッとした印象です。そのにぎやかな花々を取り囲むように、宿根草の葉がふんわりと茂り、ボリューム感のある景観をつくり出しています。遠くから眺めても目を引く、表情豊かなガーデンです。 【写真中の主な植物】上左/上右/スイセン・タリア、チューリップ‘ショーグン’、ムスカリほか 下左/キンギョソウ‘ブラックプリンス’、ムスカリほか 下右/ハナニラほか 3月の様子 先月まで、ガーデンの大部分がバークの色で覆われていましたが、球根類が一斉に芽吹き始めてから、景色は一気に瑞々しく彩り豊かな表情へと変わりました。芽吹いたばかりの緑が、ひときわ美しく輝いています。まだ丈の低い宿根草と球根類のなかで、メリアンサス・マヨールが存在感を放ち、まるで象徴的なアイコンのように、ガーデン全体の成長を牽引しています。 【写真中の主な植物】上左/アリウム‘マジック’、フェスツカ・グラウカ‘ブルーセレクト’、アキレア‘テラコッタ’、バーベナ ボナリエンシスほか 上右/ムスカリ、フェスツカ・グラウカ‘ブルーセレクト’ほか 下左/アリウム‘マジック’ 、エキノプス‘リトロ’、スイセン ‘タリア’ ほか 下右/メリアンサス・マヨール、銅葉キンギョソウほか 2月の様子 成長の早い銅葉キンギョソウと、丈のあるメリアンサス・マヨールの組み合わせが、この時季ならではの見どころです。ブルーグレーの葉が美しいアシズリノジギクの、こんもりとした姿も印象的。一角では、ムスカリ・アルメニアカムの芽出しが確認できます。 【写真中の主な植物】上左/銅葉キンギョソウ‘ブラックプリンス’、メリアンサス・マヨール 上右/アシズリノジギク 下左/サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’、ゲウム‘トータリータンジェリン’ほか 下右/ムスカリ・アルメニアカム 1月の様子 大きめなバークでごつごつとマルチングされたガーデンは、一見ワイルドな印象です。しかし、植物はやわらかな趣の宿根草が多く使われていて、そのギャップが面白みを感じさせます。この時期は、メリアンサス・マヨールがオーナメンタルな存在感を発揮。 【写真中の主な植物】上左/カラマグロスティス‘カールフォスター’、クニフォフィア ‘ルーペリ’ほか 上右/アキレア‘ウォルタープング’、サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’、ラックス‘ラックス’ほか 下左/メリアンサス・マヨール、銅葉キンギョソウ ‘ブラックプリンス’ほか 下右/ラナンキュラス・ラックス ‘サティロス’、エキノプス ‘リトロ’ほか 12月の様子 コンテストガーデンD『SurFIVE Garden』12月中旬、作庭後の様子。 ●タイトルへ戻る コンテストガーデンE「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭 【作品のテーマ・制作意図】 かつて廃棄物で埋め立てられたこの島には、現在ユーカリの森を中心とした強健な植生が根づき、都市にありながら原始的で異国的な景観を生み出しています。今回、植栽地となるこの森の縁に広がる強い日射と潮風にさらされた芝生を目にしたとき、「ここは都市の果てに現れたアーバン・サバンナだ!」と直感しました。 植物を単なる装飾に限らず、この地固有の「環境を翻訳する存在」と捉え、来園者が海風・光・湿度・熱といった目に見えない環境を感覚・知覚できる場をつくります。「東京サバンナ」は景観的なサバンナの模倣ではなく、夢の島の歴史と環境条件から必然的に現れた都市の新しい風景です。都市と自然の狭間に生まれたこの庭を通じて、来園者が環境や植物との関わりを見つめ直し、都市園芸の新たな可能性を感じ取るきっかけとなることを願います。そしてこのガーデンが、見た目の美しさと維持のしやすさを兼ね備えた、持続可能な宿根草ガーデンの新しいスタンダードとして育まれれば幸いです。 【主な植物リスト】 宿根草:ビゲロウィア・ヌッタリー/エゾノヨロイグサ/ハマボウフウ/ヒューケラ・シャムロックなどグラス類:カラマグロスティス‘カールフォスター’/パニカム・ヘビーメタル/セスレリア・オータムナリス/フェスツカ・アメジスティナなど コンテストガーデンE 月々の変化 6月の様子 丈の低いカラフルな花々が咲き広がり、まさに花の美しいサバンナを思わせる風景です。どれも繊細な印象ですが、なかにはビゲロウィア・ヌッタリーやハマボウフウなど、不思議な草姿の植物も植えられており、一つひとつ丁寧にのぞき込んで楽しみたくなる植栽です。 【写真中の主な植物】ダイアンサス・カルスシアノルム、アルメリア‘アルバ’、スタキス‘ウッキー’、アンテミス‘ドワーフホーム’、ネペタ‘キャッツパジャマ’、ガウラ‘ペインズフェアリー’、ゲウム‘マイタイ’、ルドベキア‘リトルゴールドスター’、ハマボウフウ、リアトリス‘コボルト’、セダム‘クラウドウォーカー’、カラミンサ‘マーベレットホワイト’、アリウム‘サマービューティー’、クナウティア‘マースミジェット’、コレオプシス‘ムーンビーム’ほか ●タイトルへ戻る 5月の様子 ガーデンのあちらこちらで草花の開花が進み、春のにぎわいを見せ始めました。野草のような華奢な草花とグラス類で構成された原野を思わせる風情の中、ひときわ目を引くのがアンテミス‘ドワーフフォーム’。元気をもらえるようなビタミンカラーが、見る人に初夏の訪れを感じさせます。 【開花中の植物】アンテミス‘ドワーフフォーム’、ダイアンサス・カルスシアノルム、アルメリア‘アルバ’、モナルダ・ブラドリアナ、アルケミラ・サクサティリス、ペンステモン・メンサラム、ネペタ‘キャッツパジャマ’、ゲウム‘バナナダイキリ’、アルメリア‘モーニングスターディーブピンク’ ●タイトルへ戻る 4月の様子 ほかの植物よりひと足早く丈を伸ばしていたフロックス‘ラファミー’が満開を迎えました。春風にふわふわと揺れる淡いブルーの花が可憐で、ナチュラルな風景を描いています。先月から咲いているアルメリアのピンクの花も花数を増やし、ゲウムやネペタもちらほらと花を咲かせ始めました。まだ小さく柔らかなグラスの葉が、やさしく目に映ります。 【写真中の主な植物】上左/フロックス・ディバリカタ‘ラファミー’ 上右/アルメリア‘モーニングスターディープピンク’ほか 下左/ゲウム‘マイタイ’、セスレリア‘グリーンハイブリッド’ほか 下右/ネペタ‘キャッツパジャマ’、ゲウム‘バナナダイキリ’ほか 3月の様子 長い乾季を越えて雨季を迎えたサバンナのように、ガーデンが静かに動き出しました。宿根草はまだ成長を始めたばかりで、近くに寄らないとその姿がよく見えないほどですが、そんななか、早くもアルメリア ‘モーニングスターディープピンク’が一輪、小さな花を咲かせ始めています。 【写真中の主な植物】上左/フロックス・ディバリカタ‘ラファミー’ 上右/アリウム‘ミレニアム’ほか 下左/アンテミス‘ドワーフフォーム’ 下右/アルメリア‘モーニングスターディープピンク’ 2月の様子 先月はまだ見られなかった植物があちこちで姿を現し、静けさに包まれていたガーデンも、少しずつ活動を始めました。苗はまだ小さいものの、さまざまな葉形が見られ、デザイン的にバラエティに富んでいるのが、この段階からうかがえます。 【写真中の主な植物】上左/フロックス・ディバリカタ‘ラファミー’ 上右/ダイアンサス・カルシアナム 下左/ペルシカリア・アフィニス 下右/トリトマ‘グリーンジェイド’ 1月の様子 バーク堆肥でマルチングされたガーデンには、植物たちがまだまだぬくぬくと眠っているかのような静けさが広がっています。しかし表土をよく観察すると、小さな葉をのぞかせ始めた宿根草の姿があり、強い生命力が感じられます。これからどのような風景が描かれていくのか、まったく想像がつかないだけに、今後の成長への期待がいっそう高まります。 【写真中の主な植物】上左/ゲウム‘バナナダイキリ’ 上右/リベルティア‘ゴールドストライプ’ 下左/ヒゲロウィア・ヌッタリー 下右/ポテンティラ‘ヘレンジェーン’ 12月の様子 コンテストガーデンE『「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭』12月中旬、作庭後の様子。 ●タイトルへ戻る 5つの花壇のコンセプトと作庭について詳しいレポートはこちらをチェック! 第4回コンテスト会場は「都立夢の島公園」 ユーカリやデイゴ、ヤシなどの熱帯・亜熱帯植物が茂る緑豊かな都立夢の島公園。コンテストガーデンの並びには、熱帯植物館も隣接。 2022年に代々木公園から始まった「東京パークガーデンアワード」。第2回の神代植物公園、第3回の砧公園に続き、4回目の舞台となる「夢の島公園」は、運河に囲まれた人工島の中にある都立公園です。園内には、熱帯植物館やスポーツ施設、マリーナ、広大な芝生広場があり、都心からもアクセスしやすい人気のスポット。この海辺の公園で、コンテストが繰り広げられます。 第4回のテーマは「海辺のサステナブルガーデン」 今回ガーデンが設けられるエリアは、『夢の島熱帯植物館』西側のグリーンパークの一画で、公園のシンボルであるユーカリの樹林地に面しています。広がる波をイメージした2本のウェーブガーデン(約24㎡)に、海辺の環境に適した宿根草を植栽。背景のユーカリとも調和する、ロングライフ・ローメンテナンスなガーデンが制作されます。2025年12月、土壌改良から作庭が行われ、11月の最終審査を迎えるまで、必要に応じてメンテナンスを実施。近年の激しい気候変動、とくに厳しい酷暑への対応も重要な課題です。3回の審査を経てグランプリが決定するまで、5名の入賞者はさまざまな予測を立てながら庭と向き合っていくことになります。 第4回 東京パークガーデンアワード in 夢の島公園 最終審査までのスケジュール コンテストに挑戦する5名の入賞者が1年を通してガーデン制作に挑む「東京パークガーデンアワード」。2025年12月中旬に、それぞれの区画で作庭が完了しました。その後、4月は春の見頃を迎えた観賞性を審査する『ショーアップ審査』、7月は梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査する『サステナブル審査』、11月は秋の見頃の観賞性と年間の管理状況を審査する『ファイナル審査』が行われ、グランプリが決定します。 【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心を得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること /メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価 ※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立夢の島公園「グリーンパーク」内所在地: 東京都江東区夢の島2-1電話: 03-3522-0281https://www.yumenoshima.jp/park開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。入園料:無料(一部有料施設あり)アクセス:東京メトロ有楽町線(Y24)・JR京葉線・りんかい線「新木場」下車、徒歩7分。東京メトロ東西線「東陽町」(T14)から都バス(東陽町-新木場、東陽町-若洲海浜公園)「夢の島」下車。高速湾岸線「新木場インター」より5分駐車場:有料
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ハーブ

【幸せを呼ぶハーブ】ワイルドストロベリーの育て方|花も実も葉もかわいい! 失敗しないクラウンの植え方や簡単活用術
ワイルドストロベリーの基本情報 New Africa/Shutterstock.com 植物名:ワイルドストロベリー学名:Fragaria vesca英名:Woodland strawberry、Wild strawberry、European strawberry、Alpine strawberryなど和名:エゾヘビイチゴ(蝦夷蛇苺)、エゾノヘビイチゴその他の名前:ワイルドストロベリー、ヨーロッパクサイチゴ、野イチゴ、プチベリーなど科名:バラ科属名:オランダイチゴ属(フラガリア属)原産地:ヨーロッパ、アジア形態:多年草 ワイルドストロベリーの学名はFragaria vesca (フラガリア・ベスカ)、和名はエゾヘビイチゴ。バラ科オランダイチゴ属(フラガリア属)の多年草で、原産地はヨーロッパ、アジア。暑さや寒さに強く、一年を通して戸外で管理できる、丈夫で育てやすい草花です。草丈は10〜20cmほどで、イチゴを小さくしたような可愛らしい姿が人気です。 ワイルドストロベリーの花や葉の特徴 tetiana_u/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:4〜6月、9~10月草丈:10〜20cm耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白、ピンク ワイルドストロベリーの開花期は4〜6月、9〜10月で、花色は白、ピンク。黄色い花心を持つ花径1〜2cmほどの小さな5弁花を多数つけた後、小さな赤い果実をつけます。葉は3つの小葉からなり、葉の縁にはギザギザとした鋸歯があるのが特徴。常緑性で冬もみずみずしい葉姿を保ちますが、環境や種によっては赤く紅葉することもあります。 ワイルドストロベリーの活用法 食用可能! 甘く香りがよい果実は栄養も豊富 Oleandrina/Shutterstock.com ワイルドストロベリーはイチゴの野生種で、食用も可能です。香りがよく完熟すると甘みがあり、ビタミンCやカリウム、鉄分などが含まれています。果実を収穫して冷凍しておき、ある程度量がまとまったら、ジャムに加工するのもおすすめです。 葉はハーブティーにも stdesign/Shutterstock.com ワイルドストロベリーはハーブティーにも利用できます。中世ヨーロッパの修道院では、薬草として栽培されてきたという歴史もあります。生乾きの葉は毒素をもつといわれているので、葉を摘み取った後、十分に乾燥させてから用いましょう。 グラウンドカバーとしても活用できる ISmiths/Shutterstock.com ワイルドストロベリーの葉は3枚の小葉をつける繊細なフォルムも魅力的です。ワイルドストロベリーのランナーを伸ばす品種は、グラウンドカバーとしても利用できます。根は浅く張る特性があるので抜き取りやすいので、増えすぎているようなら整理して調整しましょう。 ワイルドストロベリーの名前の由来と花言葉 Tom Meaker/Shutterstock.com ワイルドストロベリーという名前は英名から。「wild(ワイルド)」は「野生」を意味します。「strawberry(ストロベリー)」の由来には諸説ありますが、「散布する・広がる」を意味する古英語「strēow」に由来し、ランナーを伸ばして四方に広がる様子に由来するという説が有力。ほかに、栽培の際に果実を守るために苗の周りに藁(straw)を敷き詰めて栽培していたことからという説などもあります。 ワイルドストロベリーの花言葉は「愛情」「尊重」です。 ワイルドストロベリーは幸運を呼ぶ? Flower_Garden/Shutterstock.com ワイルドストロベリーを育てると、幸運が訪れるという言い伝えがあります。ヨーロッパではLucky&Loveを、アメリカではMiracleを呼ぶといわれ、縁起のよい植物として愛されています。キリスト教では聖母マリアや聖ヨハネに捧げられ、両者のシンボルともされていたそう。英国の陶磁器ブランド「ウェッジウッド」を代表する人気の絵柄にもワイルドストロベリーが用いられていて、人々に親しまれてきた植物であることが伝わりますね。 ワイルドストロベリーとヘビイチゴの違い 左がヘビイチゴ、右がワイルドストロベリー。tamu1500、New Africa/Shutterstock.com 国内の野山を散策するとよく見つかるヘビイチゴは、バラ科キジムシロ属の多年草です。ワイルドストロベリーにとても似ていますが、ヘビイチゴは花色が黄色で果実はやや小さく、上向きにつくのが異なる点です。ヘビイチゴに毒はありませんが、味がないので食用には向いていません。ヘビイチゴの名前は、小動物が果実を食べようとやって来るのを狙ってヘビが現れるためにこの名前がついたとされ、ヘビが好んで食べるというわけではないようです。 ワイルドストロベリーの種類 Greens and Blues/Shutterstock.com ワイルドストロベリーには変異種が多く、さまざまな種類があります。赤い果実がポピュラーですが、黄色や白の果実をつけるものがあるほか、果実のフォルムも種によってさまざまです。ランナーが出るものもあれば、出ないものもあります。さまざまな種があるなかでも多くは品種名がつけられず、全般に「ワイルドストロベリー」として流通しているようです。 ‘アレキサンドリア’ アレキサンドリア・ストロベリーとも呼ばれ、春から秋にかけて実がよくつく品種です。実は甘くて香りがよく、ジャムにすると美味。ランナーがほとんど出ないのではびこりすぎる心配がなく、花壇や寄せ植えなどに利用しやすいのが特徴です。ライムグリーンの葉が明るい印象の品種‘ゴールデンアレキサンドリア’も人気です。 ‘アルパインイエロー’ 果実は明るいクリーム色でミニサイズですが、甘みがあります。花も食べられるのでサラダに添えて彩りにするのもおすすめ。ランナーが出ないので管理しやすく、コンテナの寄せ植えやハンギングバスケットにも向いています。寒さや暑さに強く、病気にかかりにくい丈夫な品種です。 ‘ミグノネッテ(ミニョネット)’ ランナーが出にくいため、花壇でも増えすぎることなくほかの植物と調和しやすい性質です。生育旺盛で花つきがよく、香りのよい果実がたくさん収穫できます。丈夫な品種で、花壇にも鉢植えにも向いています。 ワイルドストロベリーの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜6月、9~10月結実時期:4〜7月、9月中旬〜10月中旬植え付け・植え替え:3〜6月、10〜11月肥料:3〜5月、10〜11月(鉢植え) ワイルドストロベリーの栽培環境 Aniana/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では花数が少なくなり、実つきも悪くなるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】土質を選ぶことなく、乾燥しやすい場所でもよく耐える丈夫な性質ですが、多湿の場所は苦手とします。 耐寒性・耐暑性 ワイルドストロベリーは暑さや寒さに強く、耐寒温度はマイナス20℃程度と、特に対策をしなくても戸外で越冬できます。 ワイルドストロベリーの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 苗を植え付ける2〜3週間以上前に、苦土石灰を散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおいてください。さらに植え付けの1〜2週間前に、堆肥や腐葉土、緩効性化成肥料をまいて、よく耕しましょう。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成し、植物の生育がよくなります。 【鉢栽培】 草花の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 夏は気温の高い時間帯に水やりすると、直射日光に当たることで土の温度が上がってお湯のようになり、株が弱るので、涼しい朝か夕方に与えるようにしてください。 冬は、気温が十分に上がった昼ぐらいに与えましょう。夕方以降に水やりすると凍結の原因になるので注意します。 【地植え】 地植えの場合は根付いた後はほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢栽培】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが枯らさないポイントです。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え】 やせ地でも育つ丈夫な性質なので、土づくりの際に元肥を施してあれば追肥の必要はありません。葉色や花色が冴えず、株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見るとよいでしょう。 【鉢栽培】 3〜5月と10〜11月に、月に1度を目安に緩効性肥料をばらまいて土に馴染ませておきます。または、10日に1度を目安に液肥を与えてもよいでしょう。 注意する病害虫 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 ワイルドストロベリーの栽培で発生しやすい病気は、うどんこ病や灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下にて発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合いすぎていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 ワイルドストロベリーの栽培で発生しやすい害虫は、アブラムシやハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 ワイルドストロベリーの詳しい育て方 苗の選び方 ワイルドストロベリーの苗を購入する際は、株の中心にあるクラウンが大きく膨らみ、葉の色艶がよいものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com ワイルドストロベリーの植え付け適期は、3〜6月か10〜11月です。 【地植え】 土づくりをした場所に、約30cmの間隔を取って苗を植え付けます。ワイルドストロベリーの苗は、葉が付け根から放射状に伸びますが、この付け根の膨らんだ部分を「クラウン」といいます。このクラウンは成長点のため、土に深く植えて埋めてしまうと、成長しなくなります。ワイルドストロベリーを植えつける際は、クラウンを埋めないように浅植えにするのがポイントです。最後にたっぷりと水やりをしておきましょう。 地植えの場合、環境に合ってよく育っていれば植え替えの必要はありません。 【鉢栽培】 植え付ける鉢は、5〜7号鉢を準備します。底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に草花用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際に水があふれ出ずに済むように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。ワイルドストロベリーの苗は、葉が付け根から放射状に伸びますが、この付け根の膨らんだ部分を「クラウン」といいます。このクラウンは成長点のため、土に深く植えて埋めてしまうと、成長しなくなります。ワイルドストロベリーを植えつける際は、クラウンを埋めないように浅植えにするのがポイントです。最後に底から水が流れ出すまで、たっぷりと水やりをしましょう。 根詰まりすると株が衰えて花が咲きにくくなるため、鉢植えで育てている場合は毎年植え替えをするとよいでしょう。古い土を軽く落とし、元の鉢か一回り大きな鉢に新しい土を入れて植え付けます。 収穫 TaskeZ/Shutterstock.com ワイルドストロベリーの収穫適期は、4〜7月と9月中旬〜10月中旬です。果実が赤く熟したら、適宜摘み取ります。果実を収穫したら、長く伸びた花茎は元から切り取っておきましょう。ワイルドストロベリーは生食できるほか、ジャムに加工するのもおすすめです。 剪定・切り戻し Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 葉が茂って込み合いすぎて株姿が乱れ、風通しが悪くなっているようであれば、株元まで切り戻しておきましょう。すると再び新しい葉が展開し、株が若返ります。 夏越し DimaBerlin/Shutterstock.com ワイルドストロベリーは暑さに強いほうなので、特に対策は必要ありません。しかし、近年の夏は年々気温が高くなる傾向にあり、日差しも強いため葉焼けすることがあるようです。もしひどく葉焼けするようであれば、遮光するか地植えの場合は鉢に植え替え、風通しのよい半日陰の場所に移動しておくとよいでしょう。 冬越し Anton Starikov/Shutterstock.co ワイルドストロベリーは寒さに強いので、厳寒地でなければ冬も戸外で越冬できます。霜が降りたり、霜柱が立ったりする環境では、株元にバークチップやわらなどを敷き詰めてマルチングをしておくと万全です。ワイルドストロベリーは常緑性のため、冬もみずみずしい葉姿を保ちますが、寒さで葉が傷んだり、枯れ込んだりすることがあります。春になったら、枯れ葉や傷んだ葉は株元でカットしておき、株まわりをきれいにしておきましょう。 増やし方 Nataly Studio/Shutterstock.com ワイルドストロベリーの寿命は3~5年程度なので、長く楽しむためには株を更新しながら育てるのがおすすめです。ワイルドストロベリーの増やし方には主に、ランナーから増やす方法と株分けする方法があります。 【ランナーから増やす】 ワイルドストロベリーは、初夏頃から次々と長いつるのランナーを伸ばし始めます。ワイルドストロベリーはこのランナーから新しい葉や根を出して、次々に子株を増やしていく性質を持っているので、これを利用して株を増やしてみましょう(ただし、ランナーを出さない品種もあります)。 親株から出たランナーにできる1株目は、生育が不安定になりやすいので利用せず、1株目からさらにランナーを伸ばして2節目にできる子株を採取することにします。2節目から出た葉と根が出てきたら、ポリポットに培養土を入れてランナーをつけたまま植えつけましょう。そのまま3週間ほど経つと、根がしっかり活着するので、親株とつながっているランナーを切り取って独立させます。子株は育苗して10〜11月に定植しましょう。 ワイルドストロベリーの繁殖能力は旺盛で、1株からランナーを旺盛に伸ばし、多数の子株を採取することができます。プランター栽培などでは、「邪魔だな」と思うこともあるほど。増やす必要がない場合は、ランナーが伸び始めたら早めに切り取ってもかまいません。 【株分けする】 ランナーを出さない品種は、株分けをして増やすことができます。作業の適期は4〜6月か、10〜11月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げてクラウンごとに根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 魅力満載のワイルドストロベリーを栽培しよう Aia DS/Shutterstock.com 暑さや寒さに強く、病害虫も発生しにくい丈夫な性質のワイルドストロベリー。小さな5弁花は愛らしく、果実の収穫も楽しめます。ランナーを伸ばして生育する品種はグラウンドカバーとして利用することも可能です。ビギナーでも育てやすいワイルドストロベリーを庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか?
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宿根草・多年草

身近な万能薬「ドクダミ」大辞典! 驚きの効能・正しい駆除・簡単レシピまで徹底解説
ドクダミの基本情報 Picmin/Shutterstock.com 植物名:ドクダミ学名:Houttuynia cordata英名:Lizard tail、chameleon plant和名:ドクダミ(蕺、蕺草)その他の名前:十薬、アンチドーテ科名:ドクダミ科属名:ドクダミ属原産地:東南アジア、東アジア形態:多年草 身の回りのあちこちで見かけるドクダミ(学名Houttuynia cordata)は、日本国内のどこででも栽培できる植物です。日本だけでなく中国や東南アジアなどに広く分布し、アジアの至るところに生えています。 日本では古くから「十薬(ジュウヤク)」と呼ばれ、薬草として利用されてきましたが、東南アジアではよりカジュアルに、野菜やハーブのように食用されています。 mamesuke/Shutterstock.com 薄暗く湿った場所によく生えますが、梅雨に入る頃に咲かせる白い花は可憐で美しいものです。ドクダミ茶などに利用するもの以外は、雑草として扱われることが多いようですが、太い地下茎を伸ばして広範囲に広がっていくため、駆除しようとするとなかなか手ごわい植物です。 近年は八重咲きの花や、白、黄色、赤などの葉模様が入った観賞用の品種も作られるようになっており、シェードガーデンを明るく演出するグラウンドカバーとしても利用することができます。掘り上げたときや刈り取ったときに根や茎を傷つけると独特の香りがしますが、乾燥させると匂いは薄くなります。 ドクダミの花や葉の特徴 Doikanoy/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5月中旬~6月草丈:20~40cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:白 やや赤みを帯びた濃い緑色の葉はハート形。葉や茎からは独特な香りがしますが、乾燥や加熱で消えます。花弁のように見える白い部分はガクで、花は中央に立つ黄色の穂状の部分です。受粉なしで、薄茶色の小さく細かな実をつけます。 ドクダミの名前の由来と花言葉 photoPOU/Shutterstock.com ドクダミの語源は、体内の毒を抑える「毒矯み(め)」に由来します。また、生薬名の「十薬」は、馬に食べさせると十の薬効がある万能薬である、ということから命名されました。 ドクダミの花言葉には、強い生命力にちなんだ「野生」や、純白の花がイメージされる「白い追憶」、優れた薬効を持つことから「自己犠牲」などがあります。 ドクダミの効用 wasanajai/Shutterstock.com ドクダミは「十薬」とも呼ばれるように、多くの効能がある薬用植物です。 葉や茎にはさまざまなミネラルが含まれていますが、もっとも豊富に含まれているもののひとつがカリウムです。 カリウムは利尿作用があるミネラルで、体内の水分を体外に排出させてくれる働きがあります。水分と一緒に体内の有毒物質や老廃物も同時に体外に排出してくれるので、デトックス効果が期待できます。最近ちょっとむくみが気になるというときには、ドクダミ茶を飲んでみるといいかもしれません。 塩分の摂りすぎは高血圧の原因となりますが、これは体内の塩分濃度が高くなると浸透圧の関係で体内に水分が多くなって血液の量も増え、同じ太さの血管であってもたくさんの血液が通ることになるからで、血管に負担がかかるのが問題になります。 そこでカリウムを適切に摂取すると、体内のナトリウムや過剰な水分を排出できるのです。また、ドクダミには血管の老化を抑えるクエルシトリンという成分が含まれているため、相乗効果でより高い高血圧予防を期待できます。また、クエルシトリンには炎症を抑える作用もあるといわれています。 胃炎や胃潰瘍の症状があるときには、コーヒーなどのカフェインを含む刺激物は飲まないほうがよいといわれますが、ドクダミ茶なら体に優しそうですね。 pullia/Shutterstock.com このクエルシトリンや、同様にドクダミに含まれるイソクエルシトリンには緩下作用があり、便秘解消効果も期待できます。そのほか、クエルセチンには脂肪の吸収を抑制する効果があるなど、ダイエットをするときも強い味方になってくれそうです。 ほかにも、ドクダミをアルコールに漬け込んでチンキとして活用する方法もあります。ドクダミの生の葉や花は抗菌作用がとても高いことで知られていますが、加熱や乾燥により抗菌作用を発揮する成分が揮発して、効果が落ちてしまいます。抗菌成分が溶け込みやすいアルコールに生の葉や花を漬けておくドクダミチンキなら、ドクダミの効果を保つことができます。 ドクダミの副作用 yellowdays/Shutterstock.com ドクダミの利用法で一番ポピュラーなのは、お茶として飲むこと。 お茶といっても、カフェインが含まれていないため、体への負担も少なく、刺激物を摂取することに抵抗がある時や、寝る前にも飲むことができます。 ドクダミにはカリウムが豊富に含まれていますが、腎臓の機能が低下していたり、高カリウム血症になっている場合は、カリウムの利尿作用が負担になることがあります。 また、高カリウム血症を起こしやすい薬を飲んでいるときも、同様に注意が必要です。 ドクダミには緩下作用があるため便秘を改善する効果があるといわれていますが、飲みすぎると下痢を起こすこともあるので気をつけましょう。また、体質によっては少ない量でも下痢になりやすい場合もあります。 そのほか、大量に飲むと光線過敏症になる可能性があります。 ドクダミ茶を飲む場合は、いきなりたくさん服用せず、体調の様子を見ながら飲むようにしましょう。 ドクダミの歴史的な利用 ドクダミは、日本においては古来より民間療法にも積極的に用いられてきました。 代表的なのは、ドクダミの葉をそのまま傷口に貼ったり、蒸し焼きにしたものをペースト状にしたり、汁をしぼって腫物や皮膚疾患に塗ったりする方法です。これらの方法では、ドクダミの抗菌・抗炎症作用が効果を発揮しているという調査も報告されています。 ドクダミの代表的な品種 ドクダミには園芸品種もあり、ガーデニングでも活躍しています。代表的な品種を、次から見ていきましょう。 ヤエドクダミ Houttuynia cordata f. plena 白いガクの部分が重なるようにして広がる、華やかな見た目の品種です。草丈は20~30cm、ガクの中心には雄しべと雌しべがあります。野生のドクダミと同じく丈夫で、繁殖力も強いのが特徴です。 ゴシキドクダミ Houttuynia cordata Thunb 'Goshiki' 緑の葉に白色や黄色、赤色の斑が入った、カラフルな品種。ヨーロッパから輸入されている「カメレオン」と呼ばれる品種が代表的です。丈夫で繁殖力が高く、初夏に白い花を咲かせます。乾燥ぎみに育てることが、斑を美しく出すコツです。 ‘フレーム’ Houttuynia cordata 'Flame' cristo95/Shutterstock.com 葉の縁に、地の色とは異なる色が入っている品種。一般的なドクダミよりも観賞性が高く、ガーデニングの要素にしても映えるでしょう。 ‘ジョーカーズゴールド’ Houttuynia cordata 'Joker's Gold' 斑入りのドクダミ園芸品種の仲間です。葉に明るい黄色の斑が入り、明るい印象を与えます。おしゃれな見た目で庭や鉢植えを彩ります。 ドクダミの育て方 wasanajai/Shutterstock.com ドクダミはとても丈夫で増えやすく、育てやすい植物です。 苗を手に入れたら、厳寒期以外はいつでも植え付けてもかまいませんが、一年のうちで本格的に暖かくなる4月や、残暑が落ち着いて植物が育ちやすい10月頃が、根付きやすくなります。 あまり植え場所は選びませんが、日当たりがよく、ほどよく土に湿り気がある場所だとよく育ち、花も咲きやすくなります。 日当たりが悪い場所や、乾燥しすぎたり湿りすぎているような場所でも育ちますが、草姿が悪くなったり、花が咲きにくくなることがあります。斑入りや葉に模様が入った品種は、よく日が当たる場所のほうが葉色がきれいになります。 TETSUYA IGUCHI/Shutterstock.com 地植えの場合は、いったん根付いてしまえば水やりはほとんど必要ありません。鉢植えの場合は、鉢土が乾いたら適宜水やりをしましょう。 鉢植え、庭植えのいずれも、凍結には注意が必要です。 なお、ドクダミは大変繁殖力が高いことがよく知られています。地下茎を旺盛に伸ばし、時にはほかの植物を圧倒してしまうこともあります。園芸品種はやや穏やかですが、念のため、地植えをする際には株が広がりすぎると困るような場所を避けましょう。 ドクダミの駆除方法 photoschmidt/Shutterstock.com ドクダミはとても生育が旺盛で、よく増えます。 増えすぎるとほかの植物の生育が妨げられたりすることもあるので、適宜数を減らす必要が出てくることもあります。また、ほかの植物が植えてあるところに雑草として生えてくる場合もあるので、そうした際の駆除の方法をご紹介します。 根から抜き取る amiangretka/Shutterstock.com 1株1株手で抜いていく方法です。 ドクダミは地下茎を伸ばして株を増やします。根が残っていると、そこから新しい株が出てきますので、土を掘り起こして根をたぐって取り除いていくのが確実です。 出てきたばかりの葉は赤みを帯びているので、春先に赤い葉が出てきたら、大きくなる前に抜いていきましょう。 また、ドクダミが生えている場所の土を大きく掘り上げて、古い根を選り分けて取り除くのも効果的です。 熱湯 showcake/Shutterstock.com 家にあるケトル(やかん)と水があればできる手軽な方法です。 除草剤などを買ったり、使ったりしたくない場合にも使える手段です。 なお、ほかの植物に熱湯がかかると傷むので、ドクダミにだけかけるようにしましょう。 ほかに植物がない場所であれば、お湯を沸かしてかけるだけなので楽ですが、地下茎は生きているので、また生えてきます。 要するに、地上部だけを刈り取ったのと同じ状態なので、お湯を沸かす手間を考えると、手で抜くほうが確実で手軽です。 重曹 focal point/Shutterstock.com 除草剤を極力使いたくない人におすすめの方法です。 重曹は人体にあまり害がなく、除草剤より危険度が低く駆除することができます。 100円ショップなどで手に入るので、お手軽に試しやすい方法でもあります。 しかしながら、ドクダミを刈り取り、残った切り口に重曹をかけて駆除する方法で、やや手がかかるうえ、効果も確実とはいえません。 かなり時間と気持ちに余裕がある人向けの方法です。 塩 Melica/Shutterstock.com 植物は塩がたくさんある場所では生きていけません。地面に塩をまくことで、根が水を吸う力が低下し、結果的に植物が枯れます。 この特性を使って除草をすることも可能なのですが、一度でも塩をまいた土地は植物を育てるのには適さなくなり、またコンクリートや鉄筋など建物の基礎が傷むことがあるため、絶対にまかないようにしましょう。 さらに、土の中にある根まで届くようにするためには、かなりの塩の量が必要になり、広い範囲に大量の塩をまいたところに雨が降って、雨水が隣に流れていった場合は、隣家の植物が枯れてしまうこともあります。 除草剤 Pixavril/Shutterstock.com 除草剤を使うと、効果的にドクダミを駆除することができます。 ドクダミにおすすめの除草剤は「グリホサート系」と呼ばれるもので、これは葉から入った成分が根に届き、根から枯らすことができます。 某剤は日光や微生物の働きで分解され、ほかの動植物に影響を与えることがありません。 ドクダミにだけ塗ることで、ほかの植物を枯らしたりすることなく使うこともできます。 広い範囲だとスプレーなどで噴霧したほうが効率的に作業できますが、ほかの植物にもかかってしまうため注意しましょう。 除草剤を効かせるためには、葉に薬を塗ればよいので、例えば手に薬をつけて葉を触っていくという方法があります。 もちろん素手で薬に触れてはいけないので、まずゴム手袋をし、その上にさらに軍手をします。手袋を二重にした手をバケツなどに用意した除草剤に浸し、その手でドクダミの葉を触っていきます。 こうすることで、ほかの植物に除草剤をかけず、ドクダミだけに確実に薬剤を塗ることができます。 筆や刷毛などでドクダミにだけ塗っていくのでもよいのですが、手のほうが作業が簡単です。 ドクダミ茶の作り方 Hitdelight/Shutterstock.com 採取したドクダミを使って、ドクダミ茶を作る方法をご紹介します。 ドクダミの有効成分がもっとも多くなるのは、白い花が咲く6~8月です。花が咲いてきたら、地上から5cmほどのところから刈り取りましょう。 刈り取ったドクダミはよく水洗いし、水を切ってから乾燥させます。ドライフラワーのように、束にして吊しておくとよいでしょう。そして、葉をつまんでパリパリに砕けるくらいまで乾燥させたら、保存しやすい大きさにカットします。 焦げないようにフライパンで乾煎りして、よく水分を飛ばしたら、密閉容器に入れて保存します。 使う分だけ適量取り出して、煎じて飲むなどして利用しましょう。 ドクダミレシピ ドクダミは、天ぷらにすると臭みも苦味もなくなります。 ドクダミの根や葉、花は調理して食べることもできます。根は柔らかい部分だけを選別し、ひげ根や泥をよく落として湯通しし、お好みの味付けで食べられます。花や葉は天ぷらにする調理方法があります。 ただし、ドクダミは摂りすぎるとお腹を下す恐れがあるので気を付けましょう。前述したドクダミ茶も同様に、腎機能の状態が悪かったり、妊娠・授乳中だったりする人には悪影響になることもあるので、注意が必要です。まれにアレルギーを起こすこともあります。 ドクダミチンキの作り方 cattosus/Shutterstock.com ドクダミチンキは、ドクダミの花や葉を瓶に入れたアルコールに漬け込んで作ります。花を使うと、漬けている間もおしゃれな見た目が楽しめるのでおすすめですよ。 ドクダミの花から汚れや虫を取り除いて瓶に入れ、ホワイトリカーや芋焼酎などを入れて密封しましょう。直射日光が当たらない室内で保存します。 1週間ほどで使えますが、1カ月以上置くことで琥珀色になり、より効果が高くなるとされています。 ドクダミチンキはコットンに含ませたり、スプレーボトルに詰めたりして使いましょう。肌との相性を確認するために、少量から使いはじめるのがおすすめです。 おすすめの育てやすい薬用植物 Marika Kosheleva/Shutterstock.com ドクダミのほかにも、育てやすくて利用しやすい薬用植物がいろいろあります。そのほかの薬用植物を紹介します。 カキドオシ Orest lyzhechka/Shutterstock.com 日本では北海道から九州にまで自生するシソ科の多年草です。 野原や道端にも生えるごく一般的な植物で、ドクダミと同じようにどこでも育つ植物ですが、やや乾燥を嫌うので、十分な湿り気がある場所に植えたり、鉢植えにする場合には水切れに注意しましょう。 よく広がるのでグラウンドカバーとしても使え、斑入りの品種もあります。 4~5月、9月下旬~10月など、穏やかで暖かい時期に植え付けます。 冷え性や低血圧に効果があり、日干しして細かく刻んだものを湯船に入れて入浴するなどして利用することができます。 ウコン Photoongraphy/Shutterstock.com 二日酔いに効果があることでよく知られているウコンは、胃炎や吐血、痔や月経不順に効果があります。 ウコンは東南アジア原産のショウガ科の植物で、ショウガと同様に根を利用します。 蒸して乾燥させたものを煎じて飲んだりするほか、痔や切り傷、腫物には、粉末にして水で練ったものを患部に塗って使います。 東南アジア原産なので、育てる場合は寒さに気をつける必要があります。 植え場所に腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜ込んで植え付け、晩秋に葉がなくなったら、上に腐葉土を厚くかぶせて防寒するとよいでしょう。 乾燥を嫌いますが、水がたまるような環境も苦手なので、水はけのよい場所と用土で、表土にマルチングをして乾燥を防いで育てます。 薬用植物の活用方法 Sebastian Duda/Shutterstock.com ドクダミをはじめとした、薬用植物を使う方法についてご紹介します。 【薬草茶】 お茶として飲む方法です。 薬用植物を入れたポットやカップにお湯を加えたり、ヤカンで煮出して成分を引き出して利用します。 保存しやすいこともあり、乾燥させたものを利用することが多いですが、未乾燥の生の状態で利用することもあります。 乾燥させる場合は、よく洗ったら干して、細かく砕きます。よい香りが立つまで乾煎りし、お茶として煎じて飲用しましょう。 【塗り薬】 柔らかくして患部に貼ったり塗ったりするやり方です。 アルミホイルで包んで柔らかくなるまで蒸したら、繊維質を取り除いて練ります。患部に塗ったり、ガーゼに広げて貼り薬として利用します。 【薬草風呂】 入浴剤として利用する方法です。 よく洗った薬草を刻んで布の袋に入れ、お風呂に入れて利用します。 ドクダミを育ててみよう nalinda117/Shutterstock.com ドクダミはどこでもよく見かける、育てやすい植物です。 それだけ身近にある植物でありながら、さまざま薬効が期待できる、とってもお役立ちな植物。うまく活用すればヘルシーな生活にも役立つので、ぜひ自分で育てて、お茶にするなど暮らしの中で活用してみましょう。 ドクダミがうまく育ったら、ほかの薬用植物の栽培にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
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ガーデニング

庭木に白い綿⁉ チュウゴクアミガサハゴロモとよく似た「白い虫」の見分け方と対処法
まずはここをチェック! 白い虫の見分け方早見表 白い虫を見つけたら、まずは「どこにいるか」「成虫の姿」「動くか」などを観察してみましょう。 虫発生時期の目安幼虫・若齢期の姿成虫・成長後の姿見つかりやすい場所見分けの決め手チュウゴクアミガサハゴロモ幼虫:5〜6月頃/成虫:6〜7月、9〜12月頃白いろう物質をまとい、白い綿のように見える。刺激すると動く・跳ねる茶褐色〜暗褐色で、翅に三角形の白い斑紋がある。蛾のようにも見える細い枝、新梢、葉脈、庭木・果樹・花木など成虫が茶色いこと、翅の白い斑紋、枝に残る列状の産卵痕アオバハゴロモ幼虫:5〜6月頃/成虫:7〜9月頃白い綿状分泌物に覆われる。枝に白い綿ぼこりのようにつき、触るとピョンと跳ねる淡い緑〜青緑色。7〜8mmほどの三角形状で、枝に並んで止まることがある庭木、バラ、アジサイ、ツバキ、クチナシなどの枝や茎成虫が淡い緑色コナカイガラムシ類春〜秋。屋内・温室では通年白い粉や綿をまとった小さな楕円形の虫。あまり動かない成虫も白い粉状・綿状に見えることが多い。枝や葉のつけ根にじっとつく葉のつけ根、茎、枝の分かれ目、葉裏、観葉植物跳ねない・飛ばない・じっとしているワタフキカイガラムシ春〜秋。暖地では長く見られる若齢期は小さく目立ちにくい。成長すると白いロウ状物が目立つ雌成虫の後ろに白い綿袋のような卵のうをつける。体は橙〜褐色を帯びることもあるカンキツ類、庭木、観葉植物の枝、葉裏、葉柄まわり白い“綿袋”のような卵のうが枝や葉裏に固定されているコナジラミ類5〜10月頃。暖かい場所では通年幼虫は葉裏に張りつくようにいて、小さく目立ちにくい白い小さな羽虫。葉を揺らすと白い粉のように一斉に舞い上がる葉裏。特に野菜、草花、鉢植え葉裏から白い小虫がふわっと飛ぶアブラムシ+白い抜け殻3〜11月頃。特に春と秋本体は緑、黒、黄色、赤褐色など。白い粒は脱皮殻のことが多い小さな虫が新芽やつぼみに群がる。羽のある成虫が出ることもある新芽、つぼみ、若い茎、葉裏白いもの自体は抜け殻のことが多い 1. チュウゴクアミガサハゴロモ白い綿をまとった幼虫と、枝に残る産卵痕に注意 チュウゴクアミガサハゴロモは、近年日本各地で確認が広がっている外来のハゴロモ類です。一見すると白いふわふわした綿のように見え、たんぽぽの綿毛や植物の種子かと勘違いする場合もあります。チュウゴクアミガサハゴロモの幼虫は植物の上を歩いて移動しながら汁を吸っており、近づくとぴょんと跳ねて逃げることもあります。「ハゴロモ」という名前から何だか可愛いような気もしますが、1〜2匹なら問題ないものの、大量発生すると植物、特にお茶の木や果樹類に深刻な被害をもたらし、農家に注意が呼び掛けられている地域もあります。 6月初旬、ハツユキカズラの葉の上にとまるチュウゴクアミガサハゴロモの成虫。 成虫は鉄錆色から黒っぽい色で、小さな蛾のようにも見えますが、植物の汁を吸うカメムシの仲間です。人体に害はなく、あまり飛ぶのもうまくないので、捕獲は簡単です。 チュウゴクアミガサハゴロモの注意度 ★★★★★ 新しく広がっている外来害虫でまだ分からないことが多いため、農業現場では発生地域や被害状況を把握するため、各地の病害虫防除所が特殊報を出して注意を呼びかけています。 前述した通り、1〜2匹がいてもすぐに植物に悪影響があるわけではありませんが、大量発生すると植物が弱る原因になります。幼虫・成虫とも広食性でさまざまな植物の汁を吸うだけでなく、産卵によって枝に傷が残ることがあります。 産卵痕をチェックし早めに対処を チュウゴクアミガサハゴロモは、細い枝や葉脈に産卵管を挿し込み、列状に卵を産みつけることがあります。白い綿状物を取り除いたときに、枝に細かな傷や裂け目のような跡が見える場合は、産卵痕の可能性があります。初夏に周囲に白い幼虫や黒い成虫がたくさんいたら早めに捕獲して、広がりを抑えましょう。 見分けポイント 幼虫は白い綿状のろう物質をまとっている 成虫は鉄錆色から黒っぽい色で、蛾のように見える 成虫の翅に三角形の白い斑紋がある 細い枝や葉脈に列状の産卵痕が残ることがある 2. アオバハゴロモ昔から庭木でよく見られる“白い綿”の正体 アオバハゴロモが出す白いロウ物質に覆われた葉裏。Ratna ICH/Shutterstock.com アオバハゴロモも、庭木や花木でよく見られるハゴロモ類です。幼虫はチュウゴクアミガサハゴロモと同様、白い綿のような分泌物に覆われ、枝に白いカビのようなものがついたように見えることがあります。 アオバハゴロモの成虫。ZCOOL HelloRF/Shutterstock.com 成虫になると淡い緑色の美しい姿になります。アジサイ、バラ、ツバキ、クチナシ、マサキ、カナメモチなど、庭でよく育てられる木にいます。 アオバハゴロモの注意度 ★★☆☆☆〜★★★☆☆ 白い綿状の幼虫だけを見るとアオバハゴロモとチュウゴクアミガサハゴロモは似ていますが、アオバハゴロモは昔から日本でみられる昆虫で、家庭の庭では少量なら問題ありません。ただし、毎年同じ場所に多く出る場合や、枝にびっしりつく場合は吸汁によって植物が弱ることもあるため早めに取り除きましょう。 見分けポイント 幼虫の段階では、アオバハゴロモとチュウゴクアミガサハゴロモは見分けが難しいですが、周囲にどんな成虫がいるかがポイント。チュウゴクアミガサハゴロモは、地域や年によって差はありますが、6月頃から鉄錆色から黒っぽい色で成虫が見られるようになります。 一方、アオバハゴロモは少し遅れて、淡い緑色の成虫は7月から9月頃まで発生するとされています。 3. コナカイガラムシ、ワタフキカイガラムシ白い綿のように見えるが、跳ねずにじっとしている 枝先に集まるワタフキカイガラムシ。Pawich Sattalerd/Shutterstock.com 白いフワフワした虫が葉のつけ根や茎、枝にじっとついている場合は、コナカイガラムシやワタフキカイガラムシなどのカイガラムシ類の可能性があります。 これらのカイガラムシは、白い粉状・綿状のろう物質をまとったカイガラムシの仲間です。ハゴロモ類の幼虫と違い、近づいてもピョンと跳ねることはほとんどありません。葉のつけ根、枝の分かれ目、葉裏など、少し隠れた場所にいることも多い害虫です。 春から秋に発生し、吸汁によって植物を弱らせるほか、排せつ物で葉や周囲がベタベタし、すす病の原因になることもあります。 カイガラムシ類の注意度 ★★★★☆ 動かないので気づきにくく、気づいたときには植物が不調になるくらい増えていることがあります。カイガラムシ類は植物の汁を吸い、排せつ物によって葉や枝がベタつき、すす病を招くこともあります。発生が少ないうちに取り除くことが大切です。 見分けポイント 白い粉や綿をまとった楕円形の虫 触っても跳ねない 葉のつけ根、茎、枝の分かれ目に多い ベタベタした排せつ物が出ることがある 白い塊が増えていくように見える 4. コナジラミ葉裏から白い粉のように舞い上がる小さな虫 葉裏に集まったコナジラミ。Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com 葉の裏に白い小さな虫がたくさんついていて、葉を揺らすとふわっと舞い上がる場合は、コナジラミの可能性があります。屋外では春から秋にかけて、室内や温室などでは通年見られます。 コナジラミは名前に「シラミ」とつきますが、人や動物に寄生するシラミとは別の虫で、人体への直接的な被害はありません。植物の葉裏に寄生して汁を吸います。成虫は白い小さな羽虫のような姿で、大量発生すると、葉に触れた瞬間に白い粉や紙吹雪のように飛び立ちます。 ハゴロモ類の幼虫が「枝に白い綿のようにつく」のに対し、コナジラミは「葉裏に小さな白い虫が多数いる」のが特徴です。 コナジラミの注意度 ★★★★☆ 一匹一匹は小さいですが、葉裏で増えやすく、野菜や作物ではウイルス媒介が問題になる種類もあるので、食用植物では要注意度が上がります。 見分けポイント 葉裏にいる 体長は小さく、白い羽虫のように見える 葉を揺らすと一斉に飛ぶ 枝ではなく葉裏に多い 葉がかすれたように変色することがある 5. アブラムシの白い抜け殻白い虫に見えるが、本体ではないことも アブラムシの抜け殻。Lapis2380/Shutterstock.com 新芽やつぼみ、若い茎に小さな虫が群がっていて、白い粒のようなものがたくさん残っている場合は、アブラムシの脱皮殻かもしれません。 アブラムシ本体は緑、黒、黄色、赤褐色などさまざまな色をしています。増殖が早く、若い芽やつぼみに群がって汁を吸います。白く見えるものは、アブラムシが成長するときに脱いだ殻であることが多く、これが「白い虫がたくさんいる」と見える原因になります。 ハゴロモ類やカイガラムシ類と違い、白い綿状のものではなく、細かな白い抜け殻が点々と残るのが特徴です。 アブラムシの抜け殻の注意度 ☆☆☆☆☆ 白い粒のようなものが新芽やつぼみに残っている場合、アブラムシの抜け殻のことがあります。抜け殻自体は無害なので安心してよいですが、近くに緑色や黒色のアブラムシ本体がたくさん発生していないか確認しておきましょう。 見分けポイント 新芽、つぼみ、若い茎に多い 本体は緑、黒、黄色など白以外のことも多い 白いものは脱皮殻の場合がある アリが周囲にいることもある 葉やつぼみが縮れたり、ベタついたりする 排せつ物で葉や枝がベタつき、すす病につながることがある 白い虫を見つけたときの観察ポイント 白い虫や白い綿のようなものを見つけたら、すぐに薬剤をまく前に、まずは次の点を確認してみましょう。 1. どこについている? 枝についているのか、葉裏についているのか、新芽やつぼみに群がっているのかで、虫の種類をある程度絞れます。 枝に白い綿のようにつく場合はハゴロモ類やカイガラムシ類、葉裏に白い小さな虫が多数いる場合はコナジラミ類、新芽やつぼみに小さな虫が群がる場合はアブラムシ類が疑われます。 2. 触ると動く? 跳ねる? 飛ぶ? ハゴロモ類の幼虫は、近づくとピョンと跳ねるように逃げます。コナジラミは葉を揺らすとふわっと飛び立ちます。コナカイガラムシやカイガラムシ類は、ほとんど動きません。 「跳ねる」「飛ぶ」「動かない」は、見分けるうえで大きなヒントになります。 3. 白いものを取ると、下に傷がある? チュウゴクアミガサハゴロモの産卵痕では、白い綿状物の下に枝の傷が見えることがあります。細い枝や葉脈に列状の傷がある場合は、産卵痕の可能性があります。 ただし、無理に枝を傷つける必要はありません。気になる枝があれば写真を撮り、自治体や専門機関の情報と照合するとよいでしょう。 庭にいる白い虫たちへの対処の基本 発生が少ないうちは、見つけた虫を取り除く、強く発生した枝を剪定する、風通しをよくするなどの物理的な対処が基本になります。 ハゴロモ類の幼虫やアオバハゴロモは、ガムテープでそっと捕獲したり、白い分泌物を拭き取ったりする方法もあります。カイガラムシ類は、歯ブラシや綿棒などでこすり落とす方法がとられることもあります。 薬剤を使う場合は、必ず対象植物と対象害虫に登録があるものを選び、ラベルの使用方法を確認してから使いましょう。食用の果樹や野菜では、使用できる薬剤や収穫前日数が限られるため、特に注意が必要です。 白い虫の正体がわかると、必要以上に怖がらず、植物への被害に合わせて落ち着いて対処できます。庭木やバラ、果樹を守るためにも、まずはよく観察し、早めに見つけることが大切です。
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ハーブ

「猫のヒゲ」みたいな花があるって本当? ふわふわ可愛いネコノヒゲの育て方
ネコノヒゲの基本情報 Eka Jaya Permana/Shutterstock.com 植物名:ネコノヒゲ学名:Orthosiphon aristatus英名:Cat's whiskers、Java tea和名:ネコノヒゲ(猫の髭)その他の名前:クミスクチン、ネコノヒゲソウ、キャッツウィスカー科名:シソ科属名:オルトシフォン属原産地:アジア、オーストラリアの熱帯~亜熱帯地域形態:宿根草(多年草) ネコノヒゲの学名はOrthosiphon aristatus (オルトシフォン・アリスタツス)、別名はキャッツウィスカー、クミスクチン。シソ科オルトシフォン属の多年草です。自生地では多年草ですが、日本では冬越しが難しいので一年草として扱われることもあります。原産地はアジア、オーストラリアの熱帯~亜熱帯地域で、暑さに強い一方、寒さには弱い性質です。 ネコノヒゲの花や葉の特徴 Adrenalens/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:6〜11月草丈:40〜100cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:白、淡ピンク、 淡紫 開花期は6〜11月で、花色は白、淡いピンク、淡い紫など。2㎝ほどの花からは、雄しべや雌しべが長く伸びるのが特徴的で、繊細な美しさに人気があります。草丈は40〜100cmほどで、花壇では中段向き。葉はひし形~卵形で鋸歯があり、対生します。常緑性で、冬は10℃以上を保てばみずみずしい葉姿を保ちます。 ハーブとして利用される kittiwat chaitoep/Shutterstock.com ネコノヒゲは爽やかな香りをもつハーブの一つで、東南アジアではハーブティーが親しまれています。収穫してドライにした茎葉を煮出して利用します。 ネコノヒゲの名前の由来と花言葉 ReeFSubagja/Shutterstock.com ネコノヒゲという和名はマレー語の「Kumis Kuching=猫のヒゲ」に由来します。英名のCat’s whiskersも猫のヒゲという意味で、長く伸びるしべの様子を猫のヒゲに見立てたものです。 ネコノヒゲの花言葉は「楽しい家庭」「貢献」「進歩」などです。 ネコノヒゲに似た花 ユニークな姿のネコノヒゲに似て、しべが長く伸びる花を咲かせる代表的な植物には、クレオメがあります。 クレオメ。Asifa Ahmad/Shutterstock.com クレオメはフウチョウソウ科セイヨウフウチョウソウ属(クレオメ属)の一年草。7月~10月上旬に開花期を迎え、長いしべを持つ花を咲かせます。花色は白、ピンク、紫など。蝶が舞うような優美な姿からセイヨウフウチョウソウ(西洋風蝶草)という和名があります。草丈60~120cm。 ネコノヒゲの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜11月植え付け・植え替え:4〜6月肥料:4〜6月、8~9月 ネコノヒゲの栽培環境 Hossain Amir/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では茎葉が間伸びして徒長し、花つきが悪くなるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】日当たりのよい場所を好み、春~秋は屋外での管理が基本。寒さに弱いため、越年させたい場合は、冬は室内の窓辺や温室などで冬越しさせるとよいでしょう。 【置き場所】春~秋は日当たりのよい場所で育てますが、夏の直射日光で葉焼けすることがあるので注意します。冬は室内の窓辺や温室などで管理します。一定の高温がキープできれば、一年を通じて花が楽しめます。 耐寒性・耐暑性 寒さには大変弱く、10℃以上の環境でなければ冬越しできずに枯れてしまいます。自生地では多年草ですが、日本では一年草として扱われることがあるのはそのためです。越年させたい場合は寒くなる前に鉢植えにして、室内で冬越しさせるとよいでしょう。暑さには強いのですが、乾燥が続くと弱るので水切れさせないようにします。 ネコノヒゲの育て方のポイント 用土 bluedog studio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。自身で配合土を作りたい場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合でブレンドするとよいでしょう。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。 真夏は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 【地植え】 根付いた後はほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥するようなら水やりをして補います。真夏は特に乾きやすいので、水切れに注意して管理しましょう。 【鉢植え】 ネコノヒゲは水切れに弱いため、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを確認してから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また越年させる場合、冬は土が乾きにくくなるので控えめにするとよいでしょう。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 4〜6月と8〜9月に、月に1度を目安に緩効性化成肥料を株の周囲にまいて軽く耕し、土に馴染ませます。鉢栽培の場合は、水やりと共に肥料成分が流亡しやすいので、株の状態を見て勢いがないようであれば液肥を施して様子を見るとよいでしょう。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 ネコノヒゲの栽培では病気の心配はほとんどありません。 【害虫】 害虫の心配はほとんどありませんが、まれにアブラムシやハダニが発生することがあります。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4㎜の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5㎜ほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には、葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 ネコノヒゲの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、葉の色艶がよく、株全体が引き締まってぐらついていないものを選びましょう。 植え付け・植え替え Vlyaks/Shutterstock.com ネコノヒゲの植え付け・植え替えの適期は、4~6月です。ただし、植え付け適期以外にも苗は出回っているので、入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 庭で育てていて冬越ししたい場合は、寒くなる前に掘り上げて鉢植えにし、室内の窓辺や温室など10℃以上を保てる環境で翌春まで管理します。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜8号の鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に入れて仮置きして高さを決めます。少しずつ土を入れて、植え付けていきましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで越年させた場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、毎年植え替えるとよいでしょう。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取ります。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 日常の手入れ Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 ネコノヒゲは次々に花が咲くので、終わった花は摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 剪定・切り戻し songsak/Shutterstock.com 株姿が乱れてきたら、草丈の半分〜1/3くらいを目安に切り戻し、風通しよく管理します。込み合っている部分があれば、すかし剪定をしておくとよいでしょう。切り戻した後に茎葉を伸ばして生育し、再び開花します。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com ネコノヒゲは、挿し芽と株分けで増やすことができます。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、ネコノヒゲは挿し芽で増やせます。 ネコノヒゲの挿し芽の適期は、5〜6月か10月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら黒ポットに鉢上げして育苗し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【株分け】 ネコノヒゲの株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。ネコノヒゲの株分けの適期は5月頃です。株を掘り上げて数芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直します。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 ネコノヒゲの活用方法 ガーデンプランツとして T.Kai/Shutterstock.com 花穂を立ち上げて優雅に咲き、風に揺られるネコノヒゲはナチュラルガーデンにぴったりです。草丈は40〜100cmに収まりやすいので、花壇の中段向き。白や淡いピンクの花色はほかの植物と調和しやすく、派手やかな花色同士のつなぎ役にもなります。数種のハーブと一緒に植えて、芳しいハーブコーナーを作るのもおすすめです。 ハーブティーの楽しみ方 M.Gunsyah/Shutterstock.com ネコノヒゲを収穫して、ハーブティーを楽しむのも一案。風通しのよい半日陰に吊るして乾燥させ、ドライにして利用します。沸騰したお湯に5〜16gほどのドライにした葉を入れ、約5分蒸らすと、爽やかな風味のハーブティーを味わえます。ハチミツやレモンを入れるのもおすすめです。 ネコノヒゲ栽培の注意点とトラブル対処法 Zia Aiza/Shutterstock.com ネコノヒゲの栽培で「うまく育たない」というお悩みの解決のため、トラブル対策や栽培の注意点についてガイドします。 よくある栽培の失敗と対策 ネコノヒゲの株に勢いがなくヒョロヒョロとか弱い茎葉しか出ない場合は、日照不足が考えられます。必ず日当たりのよい場所で栽培しましょう。生育期に鉢を室内に置いている場合は、庭やベランダなど直射日光がよく当たる場所に移動してみてください。 また、多湿によって根腐れしていることも考えられます。特に鉢栽培では、常に湿った状態にならないようにし、水やりは表土が乾いてから与えるのが基本です。 寒さにも弱く10℃以下になると枯死するので、冬越しさせたい場合は室内の窓辺や温室などの暖かい場所に置きましょう。 季節ごとの管理ポイント 遅霜の心配がなくなった晩春〜初夏が、植え付けの適期です。初夏からは開花期を迎えるので、終わった花はまめに摘んで株まわりを清潔に保ちましょう。生育期は月に1度は肥料を与えて株の勢いを保ちます。ぐんぐん生育して、株姿が乱れてきたら深めに切り戻して風通しをよくし、二番花が上がってくるのを待ちます。真夏は乾燥に注意し、水切れしないように管理してください。秋に開花が終わったら切り戻してコンパクトにし、鉢上げして室内の日当たりのよい窓辺か温室に移動します。一年草として割りきるのであれば、掘り上げて処分しましょう。 ネコノヒゲ栽培にチャレンジしよう KAISARMUDA/Shutterstock.com 暑さに強く、初夏から秋まで長く咲くネコノヒゲ。白や淡いピンクの花色は、どんな草花とも組み合わせやすく、花壇に調和をもたらします。優美な花姿が魅力的なネコノヒゲを、庭やベランダに迎え入れてはいかがでしょうか。
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育て方

【放置NG】梅雨に植物が枯れる⁉︎ 今すぐやるべきガーデニング対策10選
① 過湿による根腐れに注意! 移動できる鉢は軒下へ 移動できる鉢は軒下へ。 長雨で土の中が常に湿っていると、根腐れやカビの原因になります。鉢植えは軒下やベランダの内側など、直接雨が当たらない場所に避難させましょう。 一方、地植えの庭では植物は移動できませんが、長雨や強い雨が続くと土の表面が固まって、根が窒息気味になります。この窒息気味の状態が、根腐れの原因となります。 植物にとってよい土は、大小さまざまな粒(砂、シルト、粘土)が団粒構造(イラスト①)を作り、そこに空気や水の通り道を持っている状態です。 ところが雨が続くと、雨粒が激しく当たり、その団粒構造が壊れて土がバラけてしまいます(イラスト②)。 すると微細な土の粒子が表土近くに浮き上がって集まり、地表付近が「水が抜けない泥パック」状態になります(イラスト③)。 結果として、水はけが悪くなり、表面が乾くとガチガチに硬くなって、植物の根が呼吸しにくくなり(=酸欠)、根腐れを引き起こしてしまうのです。 梅雨どきの土壌改善対策 地植えの庭の場合は、表面を軽く耕す(深く掘らずに3〜5cmをふわっと)。 完熟堆肥などの有機物を混ぜ込んで、団粒構造を再生させる。 マルチングで雨粒の直撃を防ぐ。 ② プランターや鉢の「水はけチェック」 土がずっと濡れていたり、鉢底から水が出にくい場合は要注意。上記と同様の団粒構造が壊れている状態にある可能性が高いです。鉢底石の追加や古い土の入れ替え、鉢替えによって通気性を改善しましょう。また、鉢の下に台やトレー、スタンドを置くのも排水性や通気性を改善するのに有効です。 ③ 風通しの悪い場所の植物は「剪定」で蒸れ対策 枝葉を間引くように剪定。 混み合った枝葉は湿気がこもりやすく、病気の発生源に。枝葉を間引いて風の通り道を作ることで、蒸れを防ぎ、病気のリスクを減らします。 ④ 多湿で発生しやすい「べと病・黒星病」に注意 葉に黒い斑点が現れる黒星病(黒点病)に罹患したつるバラ。症状が進んで黄変し、落葉が始まっている。 梅雨どきは病害が多く発生する時期。葉に黒い斑点、茶色のシミ、黄変などが出たら要注意。梅雨の間は、予防薬の散布は雨で流れて非効率なので、落葉に備えて株の回復にシフトしたほうが現実的。病気で弱った株には液肥や肥料を与えるより、「活力剤」のほうが適しています。 ⑤ 病気になった葉や花がらはこまめに取り除く 黄変したり落ちた葉は速やかに除去。 落ちた花や古い葉、病気で落ちた葉をそのままにしておくと、湿気で菌が繁殖しやすくなります。雨の合間に軽く掃除する習慣を。 ⑥ ナメクジ被害を早期発見&対処 ペチュニアの花はナメクジの大好物。 ジメジメした環境になりがちなこの季節、ナメクジに注意が必要です。忌避剤を用いる際は、全体にまくより、ナメクジが好む植物の周りにまくのが効率的。ナメクジにも食の好みがあり、水分を多く含んだ柔らかい葉が好物です。ペチュニアやレタスなどは特にナメクジの大好物なので、これらの周辺で対策を。 ⑦ 雑草は早めに除草。蒸れや病害虫の温床に 梅雨に入ると雑草の成長が一気に加速します。雑草が繁茂していると通気が悪くなり、病気の発生を誘発したり、害虫のすみかにもなります。雨の合間にこまめな除草が効果的です。 ⑧ 肥料は控えめに or 活力剤に切り替える 「活力材」と「液肥」を使い分けるのが大事。 雨で肥料が溶けやすくなる梅雨どきは、固形肥料の与えすぎに注意。根が湿気で呼吸しにくいこの時期は、肥料成分も吸いにくい状態にあります。梅雨どきは無理に育てようとせずに“整える”ことを優先。 特に葉が黄色くなっているときなどは、肥料ではなく「活力剤」を与えましょう。活力剤は根の修復や活性化に特化しており、回復をサポートする資材です。新葉が展開し、株が復活し始めたら、生育をサポートしてくれる「液肥」に切り替えを。 ⑨ 多湿に強い植物を“前景”に活用 湿度に比較的強いヒューケラ。 花壇や植栽帯では、「背面(奥)=高い、前面=低い」という構造になっていることが多いため、水が前に集まりやすくなります(特に壁沿いの花壇など)。そのため、水はけを好むサルビアやラベンダーなどは奥(高い場所)へ、前面にはアジュガやヒューケラなど比較的湿度に強いものを配置するのがおすすめです。 ⑩ 雨の日も庭を見る習慣を 多彩なバリエーションのアジサイを庭に。左)ピラミッドアジサイ(ノリウツギ)‘ノウム’、右上)‘ひなまつりルナ’、 右下)‘ポップコーン’。 梅雨どきは庭に出にくくなりますが、室内からの観察でも十分効果があります。葉の色、姿、虫の有無などをチェックする癖をつけましょう。窓から眺められる場所にアジサイを植えておくと、庭へ目をやる楽しみと習慣ができますよ。 あなたの庭も、梅雨のダメージを防いで元気に乗り切りましょう!
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花と緑

午前中だけ見られる青い花! 身近なこの野草の名前は?【Let’s Try! 植物クイズ】
梅雨~秋頃に咲く儚い青い花 透き通るようなブルーが目を引くこちらの野草。日本を含む東アジア原産で、全国の畑や道端、林縁などで見かける身近な花です。鮮やかで目を引くブルーの花弁が上に2枚、目立たない白く小さな花弁が下に1枚付き、花の中央付近からは黄色い花粉を付けたしべが長く伸びています。このしべはよく見ると、短い雄しべが3本、中程度の長さの雄しべが1本、そして長い雄しべが2本に長い雌しべが1本という構成になっています。 花の正面から見てみましょう。 Sergio Yoneda/Shutterstock.com この花が見られるのは午前中だけ。早朝に咲き、昼過ぎにはしぼんでしまう儚い花です。 もう少し離れて全体の様子を見てみます。 Tasak/Shutterstock.com 節のある茎は分枝してよく茂り、地面を這うように育つか直立し、高さは50cm前後。節から根を出して広がっていきます。葉脈が平行に走り先が尖る、笹の葉に似た葉が互生につきます。みずみずしい葉は触ると柔らかく、表面に淡い光沢があり、全体に無毛です。 High Mountain/Shutterstock.com かつては救荒植物の一つとして、食用にされた歴史も。 さて、この野草はなんでしょう? 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ ツユクサ Doikanoy/Shutterstock.com ツユクサの基本データ 学名:Commelina communis科名:ツユクサ科属名:ツユクサ属原産地:東アジア和名:ツユクサ(露草、蛍草)別名:アオバナ(青花)、ツキクサ(着草、月草)、エノグバナ(絵具花)、カラアイ(唐藍)、ボウシバナ(帽子花)、ササクサ(笹草)など英名:Asiatic dayflower、common dayflowerなど形態:一年草草丈:20~50cm ツユクサは日本全国で見られるツユクサ科の一年草。道端や畑、空き地、林縁など、日向から半日陰までさまざまな環境で群生している姿が身近に見られます。春~初夏にかけて発芽し、夏~秋にかけて開花し結実、冬に枯れるという生育サイクルで、開花のピークは7~9月ですが、6~10月にも花が見られます。花は強い日光に当たるとすぐにしおれてしまいますが、日陰に咲く花は午後まで見られることもあります。 tamu1500/Shutterstock.com ツユクサという名前の由来には諸説あり、朝露をまとって咲く様子に由来するというもの、朝に咲いた花が昼にはしぼんでしまう様子が露のように儚いことに見立てたというもの、また花びらの色素を布に付けて染めていたことから「ツキクサ(着草)」という名が転じたものなどの説がよく知られています。 古くから日本人に好まれ、万葉集や枕草子にも登場し、詩歌にもよく詠まれてきたツユクサは、別名も非常に多くあります。 KSCHiLI/Shutterstock.com ツユクサの雄しべの構造はなかなかユニーク。青い花弁に近い、一番上の3本の雄しべは短く、葯が十字形(X形)になって花のような特徴的な形をしています。中央の1本の雄しべは上の雄しべよりは長く、葯は逆Y字のような形。そして下には、一番長い雄しべが2本伸び、その間に挟まれるように雌しべが1本伸びています。ツユクサは基本的に蜜を出さないため、虫が来なくても確実に受粉できるよう、花がしぼむ際に雌しべが縮んで雄しべに触れるような仕組みになっているのだそうです。 Maximillian cabinet/Shutterstock.com ツユクサの若い茎や葉、花は山菜として食用でき、救荒植物として重宝されてきました。クセやアクがほとんどなく、新芽は生でも食用できるほど食べやすい野草です。おひたしや和え物、てんぷら、炒め物などさまざまな調理法で活用できます。花も食べられるので、エディブルフラワーとして料理の飾りに添えても。また、「鴨跖草(おうせきそう)」という名前で生薬としても利用されます。 Antares_NS/Shutterstock.com ツユクサの色 High Mountain/Shutterstock.com ツユクサの花や汁を服や手に付けて遊んだことがある方もいるかもしれません。ツユクサの花弁は破れやすく、服や紙に滑らせるだけでも簡単に鮮やかな色に染まり、水に入れれば色水を作ることができます。ただし、ツユクサの色素は水溶性で水に溶けやすく、また光や熱に弱いため日光にさらされると数時間から数日で分解して色が抜けたり黄色く変色してしまいます。 定着させる染料としては不向きなツユクサの色素ですが、水で消えることから、友禅など染物の下絵として利用されてきました。 ツユクサの仲間たち シロバナツユクサ。かつぼん/Photolibrary 一般的には青色のツユクサが知られていますが、ツユクサの変種には白い花を咲かせるシロバナツユクサもあります。また、より花が大きな変種のオオボウシバナは、一般にアオバナ(青花)と呼ばれ、染物の下絵の絵の具に用いる「青花紙(あおばながみ)」の原料として栽培されています。 ムラサキツユクサ。Antoniya Kadiyska/Shutterstock.com ツユクサの名を持つ花はほかにもありますが、園芸植物としてもよく利用されるのがムラサキツユクサ。ツユクサ科の宿根草で、北アメリカを原産とし、梅雨の時期の大きな3枚の花弁を広げます。園芸品種も多く作出されています。 トキワツユクサ。James Nature Pics/Shutterstock.com トキワツユクサはムラサキツユクサ属の多年草で、日陰や水辺などやや湿った場所で生育し、純白の花を咲かせます。帰化生物として野生化し、環境省の生態系被害防止外来種リストではノハカタカラクサの名前で重点対策外来種に指定されています。 クイズ一覧はこちら!





















