スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
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花と緑

可愛らしいピンクの花とは裏腹の怖い名前! 身近なこの野草の名前は?【Let’s Try! 植物クイズ】
金平糖のような小さなピンクの花 基部は白、先端は淡い紅紫色に染まる、グラデーションのような可憐な花を咲かせるこちらの野草。日本を含む東アジアを原産とし、日本全国の野原や土手、用水路、道端、瓦などで見かける身近な花です。開花期は5~10月。特に夏から秋にかけてよく咲きます。 花が開いた様子を見てみましょう。 Vivi_a_irany/Shutterstock.com 米粒に似た花は花径5mmほどと小さく、茎の先に数個がまとまって咲いて、まるで金平糖のような愛らしい姿になります。 花被は5つに深く切れ目が入り、5枚の花弁があるように見えます。花の中を観察してみると、雄しべは8本、雌しべは1本ですが、花柱は3つに分かれています。 もう少し離れて全体の様子を見てみます。 jbg0505/Shutterstock.com 華奢な細い茎には、下向きに小さな鋭いトゲがたくさんあるのが大きな特徴です。このトゲは葉柄や葉脈にもあり、うっかり触ると痛いので注意が必要。茎の長さは1~2mで、よく枝分かれして這うように広がり、トゲが周囲のものに引っかかって伸びていきます。葉は三角形または長三角形で互生します。 tamu1500/Shutterstock.com やや湿った場所を好み、水辺に多く育つほか、海岸でもよく見られます。 さて、この野草はなんでしょう? 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ ママコノシリヌグイ tamu1500/Shutterstock.com ママコノシリヌグイの基本データ 学名:Persicaria senticosa科名:タデ科属名:イヌタデ属原産地:東アジア和名:ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)別名:トゲソバ(棘蕎麦)、コンペイトウグサ(金平糖草)など英名:Persicaria senticosa形態:一年草草丈:1~2m(つるの長さ) ママコノシリヌグイは日本全土で見られるタデ科のつる性一年草。道端や林縁、土手、河原など、幅広い場所で身近に見られる野草です。特に、やや湿った荒れ地や水辺によく自生し、また海岸でも群生している姿が見られます。春に発芽して晩秋に枯れる一年草で、開花のピークは8~10月ですが、5月頃からぽつぽつと花が見られます。 tamu1500/Shutterstock.com ママコノシリヌグイという名前は、漢字で書くと「継子の尻拭い」。ピンク色の可愛らしい花に似合わずインパクトのある名前の由来は、茎葉にある小さく鋭い下向きのトゲです。昔はトイレットペーパーではなく葉っぱを使っていたことから、血のつながりのない憎い継子(ままこ)のお尻を、触っただけでも痛いこのトゲトゲの葉で拭いたらさぞや痛いだろう、という継子いじめのたとえから名づけられました。継母が継子をいじめるというのは、シンデレラなど洋の東西を問わず昔話にもよくありますが、ちょっと気の毒な名前ですね。トゲがあるソバに似た花ということで、トゲソバという別名もあります。 tamu1500/Shutterstock.com ママコノシリヌグイの花は、中央が白く、先端が淡い紅紫色に染まります。花びらのような花被片はじつはガクで、花弁はありません。雄しべは8本で、中央に花柱が3つに分かれた雌しべが1本あります。花後は3つの稜がある黒い果実ができ、花被に包まれていますが、熟すと花被の上部が枯れて頭を出します。 tamu1500/Shutterstock.com 触ると痛いママコノシリヌグイは、除草するのにも注意が必要。毒性はありませんが、茎葉のトゲに引っかかるとみみずばれができたり、衣服に引っかかってほつれたりすることもあります。一般的に食用にはしませんが、乾燥させたものを煎じて民間薬として利用されてきた歴史もあるそうです。 Johnwoodkim/Shutterstock.com ママコノシリヌグイによく似た花 ミゾソバ。noda132/Shutterstock.com ママコノシリヌグイに似た花はいくつかありますが、中でもよく見かけるのがミゾソバ(溝蕎麦)です。同じくタデ科の野草で、ソバに似ていることから溝に咲くソバという意味で名づけられました。花はママコノシリヌグイにそっくりですが、ミゾソバには小さなトゲはあるもののママコノシリヌグイのように鋭くはなく、触ってもほとんど痛くありません。かつては救荒植物として食用にも利用されていたそうです。 HoyaEuny/Shutterstock.com ママコノシリヌグイとミゾソバは、トゲだけでなく葉の形からも見分けることができます。ママコノシリヌグイは三角形の葉ですが、ミゾソバは牛の額やほこに似て、基部に近い部分がくびれ、基部が張り出す特徴的な形をしています。また、花にも違いがあり、ミゾソバの雌しべは花柱が3つに分かれるものの、ママコノシリヌグイのように広がらず、中央にまとまったままになります。また、ママコノシリヌグイに比べると花がしっかり開いてウメの花のようになる傾向にあります。 白花のミゾソバ。Jinroo /Shutterstock.com クイズ一覧はこちら!
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宿根草・多年草

【秋の花 リンドウ7選】なぜ夜や曇りの日は閉じる? 知ると愛おしくなるリンドウの不思議な性質
リンドウの基本情報 Flower_Garden/Shutterstock.com 植物名:リンドウ学名:Gentiana scabra var. buergeri英名:Japanese gentian和名:竜胆その他の名前:龍膽(りゅうたん)、ササリンドウ、疫病草(えやみぐさ)科名:リンドウ科属名:リンドウ属原産地:日本(本州、九州、四国)形態:宿根草(多年草) リンドウは、リンドウ科リンドウ属の多年草で、原産地は世界各地に及び、日本では約18種が確認されています。日本のほぼ全域に自生しており、もともとは野生の花で群生することなく、単独で自生する特性があります。寒さには強いものの、暑いのは苦手です。草丈は15~40cmがポピュラーですが、中には1mにも達する高性種もあります。古来より人々の身近にあった植物で、薬草としても親しまれてきました。 リンドウは3月頃から新芽を出し、茎葉を順調に伸ばして夏を乗り越えた後、9~11月に開花。常緑性以外は、冬に地上部を枯らし、休眠して越年します。一度植え付ければしっかり根付いて、毎年秋に花を咲かせる息の長い植物です。 リンドウの花や葉の特徴 Scisetti Alfio/Shutterstock.com 園芸分類:山野草開花時期:9月下旬~10月中旬草丈:30~50cm耐寒性:普通耐暑性:普通花色:青紫色 リンドウの花色は、青、水色、紫、白、ピンクなど。中には白い花弁に紫がストライプ状に乗る複色もあります。 直径2cmほどのベル形の花で、1輪に5~6枚の花びらがつきます。花穂を立ち上げ、この小さな花が連なって咲くのが特徴です。 リンドウの花は、光に反応して開花し、曇りの日や夜には花弁を閉じてしまう性質があります。開花時期は、日当たりのよい場所で管理することがポイントです。 また、終わった花がらは1輪ずつ摘み取ると、株が種子を残そうとして次々と花を咲かせます。 リンドウの葉は笹に似た、先がとがった流線形をしています。茎は紫褐色に近く、同じ位置から向かい合うようにして葉が伸びる対生です。また、葉の表面には、3本の目立つ葉脈が縦に走っています。 リンドウの名前の由来と花言葉 venars.original/Shutterstock.com リンドウは、世界各地で古くから薬草として利用されており、古代エジプト時代にもその記録が残っています。主に根が生薬にされ、その味が「竜の肝のように苦い」と評されたことから、中国では「竜胆」と名づけられました。それが日本に伝わり「リュウタン」と呼ばれていましたが、いつの間にかなまって「リンドウ」となったようです。 学名は「Gentiana」で、紀元前2世紀頃のイリリア国王、ゲンティウスに由来。彼はリンドウの薬効と利用価値を発見した人物といわれています。 別名の「疫病草(エヤミグサ)」は、根が生薬となり病気を治すとされていたことから名づけられました。 リンドウの花言葉は、「勝利」「正義感」「あなたの悲しみに寄り添う」「寂しい愛情」など。「勝利」「正義感」は、昔から薬草として利用され「病気に打ち勝つ」というイメージがあることから。「あなたの悲しみに寄り添う」「寂しい愛情」は、群生せずに単独で自生する特性からつけられたようです。また、紫のリンドウには「満ちた自信」、白のリンドウには「貞操」という花言葉が与えられています。 また、海外では「悲しんでいるあなたを愛する」「固有の価値」「愛らしい」などの花言葉があります。 リンドウの見頃 venars.original/Shutterstock.com リンドウの開花期は、9~11月で、最盛期は9月中·下旬頃。秋の訪れを感じさせてくれる花ですが、一部には3~5月の春に咲く種類や、7~9月の夏に咲く種類もあります。 古くから愛されてきたリンドウ Svetlana0187/Shutterstock.com リンドウは、古くから日本人の生活に深く根ざし、愛されてきた花です。 古来、その根は「竜胆(りゅうたん)」と呼ばれ、胃薬などの漢方薬の原料として重宝されてきました。名前の由来も、リンドウの根を用いた薬は非常に苦く、熊の胆(くまのい)よりもさらに苦みが強いことから、架空の動物である「竜」の胆に例えられたことです。 文学の世界では、清少納言の『枕草子』に「りうたむ(竜胆)」の名で登場します。他の花が霜に打たれて枯れていく中で、鮮やかな紫色の花を咲かせる健気な姿が「いとはなやかなる(とても華やかで素晴らしい)」と称賛されました。 現代でもその人気は衰えず、秋を代表する花として親しまれています。鎌倉市の紋章にはリンドウが用いられています。また「敬老の日」の贈り物として人気が高く、根の薬効から「健康長寿」の願いを込めて、大切な方へ贈る花として愛され続けています。 リンドウの代表的な種類と品種 エゾリンドウ Gentiana triflora var. japonica エゾリンドウは、北海道や近畿地方に自生する大型品種です。多湿を好み、 湿地や湿原でよく見られます。 ‘イーハトーヴォ’や‘ジョバンニ’など、切り花として流通しているリンドウのなかには、このエゾリンドウを品種改良したものがあります。お盆や仏事の供花、敬老の日の贈り物として広く親しまれる品種です。 オヤマリンドウ Gentiana makinoi 関東地方や四国地方の高山を中心に自生する品種です。花はやや小ぶりで、日光を浴びても、開ききることはありません。夏の終わりから秋のはじめにかけて、鮮やかな青い花をつけます。 フデリンドウ Gentiana zollingeri フデリンドウは、 花のつぼみが筆の穂先のように見えることが名前の由来です。高さは5〜10cmほどと小さく、茎の先に青紫色の花を上向きに咲かせます。 開花期は3~5月。なお、実も上向きにつき、熟すと裂けて、雨水を溜めて種子を流れ落とすようにして地面にまきます。 ミヤマリンドウ Gentiana nipponica ミヤマリンドウは、高山の湿った草地に自生する品種です。草丈は3〜15cmと小さく、茎の先に鐘形の花をつけます。茎は這うように伸び、分枝も旺盛です。花びらの間には小さな副片があり、内部には白い斑点が見られます。 ハルリンドウ Gentiana thunbergii (G.Don) Griseb. ハルリンドウは、リンドウ科の二年草です。湿った場所を好み、3~5月にかけて青紫色の鮮やかな花を咲かせます。地面に張り付くように広がる、大きな根生葉で冬をしのぎ、春になると数本の花茎を伸ばして、先端に2〜3cmの鐘形の花をつけます。 ツルリンドウ Tripterospermum japonicum ツルリンドウは、北海道から九州の山地に自生する品種です。長さ40~90cmのつるを持ち、ほかの植物に巻きついて成長します。小さな淡紫色の花を咲かせた後、秋に鮮やかな紅色の液果をつけます。 ‘心美白寿' Gentiana scabra ‘Kokomihakuju' 心美白寿(ここみはくじゅ)は、華やかな‘心美’シリーズの一つとして知られる園芸品種です。通常のリンドウよりも花の先端が大きく開き、ボリュームの大きな花を咲かせます。白い花弁に青いラインが縦に入る花はおしゃれで、贈り物としても大変人気があります。 リンドウの栽培12カ月カレンダー 開花時期:9月下旬〜10月上旬植え替え適期:3月下旬〜4月肥料:4月下旬〜6月、9月下旬~11月上旬植え付け:3月下旬〜4月種まき:3月下旬~4月中旬、11月下旬~12月上旬 リンドウの栽培環境 Milosz Maslanka/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 リンドウは日当たりの良い場所を好みます。基本的には日なたが適していますが、真夏の暑さや乾燥で弱る恐れがあるので、夏場は半日陰での管理がおすすめです。高山に自生する品種は、暑さや高い湿度に弱いので、管理場所には注意しましょう。 耐寒性・耐暑性 リンドウはどちらかといえば暑さに弱い品種が多いですが、寒さには強いものが多いです。高山に自生する品種なら、断熱鉢や水冷鉢など、特殊な鉢の使用を検討しましょう。なお、根の凍結や霜を避けられれば、特別な寒さ対策は特に必要ありません。 リンドウの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 水はけ、水もちのよい土壌を好みます。植え場所に、直径、深さともに30cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。 【鉢植え】 赤玉土(小粒)6、鹿沼土4に腐葉土少々の割合でブレンドした、水はけと水もちのよい土を利用するとよいでしょう。あらかじめ草花の栽培用に配合された培養土を利用してもOK。初心者なら市販の培養土を使うほう が手軽です。 水やり Ivanko80/Shutterstock.com リンドウは、ひどく乾燥すると葉が傷んでしまいます。春から秋の終わりにかけての成長期は、好んで水を吸い上げるため、水切れに注意することがポイント。ただし、毎日与えればよいというものでもなく、多湿になると根腐れすることがあるので注意しましょう。土の乾燥状態を見て水やりし、適湿を保ちます。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝かタ方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、直射日光が当たらない半日陰の場所で管理し、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝タの涼しい時間帯に行うことが大切です。 冬に休眠したら、水やりは控えめにしてOK。4~5日に1度を目安に、表土が乾いたら与える程度でよいでしょう。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 追肥の適期は生育期の4月下旬~6月、9月下旬~11月上旬です。やや苦手とする真夏に肥料を与えると根が傷むので、この時期は肥料を与えないことがポイントです。 【地植え】 3月と9月下旬に1度ずつ緩効性化成肥料を株周りに施して、その後の生育を促します。株の状態を見て勢いがないようであれば、液体肥料を水やり代わりに与えて、様子を見ましょう。 【鉢植え】 月に1回を目安に緩効性化成肥料を施し、株の勢いを保ちます。10日に1度を目安に、液体肥料を水やり代わりに与えてもかまいません。 注意する病害虫 Aleksandr Rybalko/Shutterstock.com 多湿の状態が続くと、病気が発生しやすくなるので、水の管理に注意します。葉にイボのような斑点が出ていたら、さび病の疑いあり。発生していたら、周りに病気を広げないように、ただちに抜き取って処分しましょう。 リンドウにつきやすい虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、ネコブセンチュウなど。アブラムシは茎や葉について吸汁し、ヨトウムシは夜に活動して茎や葉を食害する害虫です。アブラムシやヨトウムシは、植え付け時に適応の粒剤を土壌にまいておくと発生を防ぐことが可能です。ネコブセンチュウは土壌に生息し、植物の根につく害虫です。植え替え時、掘り上げた株の根に小さなコブができていたら、ネコブセンチュウが寄生している疑いがあります。薬剤の対処は難しいので、コブのついた根を切り取って植え直すとよいでしょう。 リンドウの詳しい育て方 苗の選び方 リンドウの苗を選ぶ際は、葉につやのある、元気な個体を選びましょう。下葉が黄色や茶色に変色している苗は、あまりよくありません。 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com リンドウは種まきからでもスタートできますが、発芽までに時間がかかり、花が咲くまで1~2年かかるため、花苗店で苗を購入するのがおすすめです。 植え付けの適期は、新芽が動き始める前の3~4月。9~10月に花苗店などに出回る開花株を買い求めた場合は、植えたい場所へ早めに定植します。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、入手した苗の根鉢より1~2回り大きな穴を掘って、植え付けましょう。最後にたっぷりと水やりをしておきます。 庭植えでは3~5年はそのまま育ててかまいませんが、旺盛に生育して株が込み合っているようなら3月か9月に掘り上げて株分けし、植え直すとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢の大きさは、6~7号鉢に1株を目安にするとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1~2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。リンドウの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2~3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら用土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 リンドウは生育旺盛なため、根詰まりを起こすことがあります。1~2年に1藍は植え替えましょう。植え替えの適期は3~4月。植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢に、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢に植え替えます。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com リンドウは、株分けして増やすことができます。大株に育ったら、株を掘り上げて土を落とし、2~3芽つけて根を切り分ければ、その分株の数も増えるというわけです。株分けの適期は3~4月。大株に育つと、存在感が大きくなりすぎて持て余してしまうことも。株を小分けにすることで、株が若返って再び勢いよく生育するメリットもあります。 また、挿し芽でも増やせます。適期は5月上旬~6月上旬。春に伸びた若くて勢いのある新しい茎を選んで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した茎を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理を。発根したら黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し芽で増やすメリットは、採取した株のクローンになることです。 リンドウは、種まきでも増やせます。ただし、発芽まで1カ月、開花まで1~2年かかることを知っておいてください。秋の開花後にできる莢が黄色く変色したら、中に入っている粉のように小さな種子を採取。密閉容器に入れて保存しておきましょう。翌年の3月下旬~4月中旬に、種まき用のトレイに園芸用培養土を入れて種子を播き、霧吹きで水やりします。発芽後、込んでいる場所があれば間引きましょう。本葉が2~4枚ついたら、鉢上げのタイミングです。直径6cmの黒ポットに園芸用培養土を入れ、苗を植え付けます。表土には緩効性肥料を置き肥し、最後にたっぷり水やりを。その後は、1~2週間に1回を目安に液肥を施して育苗します。 リンドウが咲かない理由 tamu1500/Shutterstock.com 暑さ リンドウは高山や湿地に自生する品種も多く、冷涼な気候を好む傾向にあります。暑すぎるとつぼみが傷んでしまい、花が咲かないこともあるでしょう。通販での購入では、それまでの管理や配送状況によって、苗がダメージを受けることもあります。また、急に屋外に移動すると、環境の急激な変化でつぼみが変色するなどのトラブルも起きやすいので、注意が必要です。 日照不足 リンドウは日中は花が開き、夜は閉じる性質があります。そのため、日照不足の環境だと、つぼみが閉じたままになる場合があります。つぼみがついているけれど、なかなか花開かない場合は、日あたりを確認してみましょう。 水やり リンドウは乾燥に弱く、水切れすると傷んで花が咲きづらくなることがあります。一方で、花に水がかかって中に水がたまり、花が傷むので、水やりの際には注意しましょう。 品種の特性 リンドウの品種によっては、花が開ききらず、つぼみのように見えるものもあります。病気や日照不足ではなく、正しい状態なので、そのままの姿を楽しみましょう。花が開く品種を手に入れたい場合は、ササリンドウの交配種がおすすめです。 毎日が愛おしくなる。開閉する「青いベル」と暮らす秋のガーデニング lorenza62/Shutterstock.com 太陽の光を浴びてベル形の花を開き、夜や曇りの日にはきゅっと花びらを閉じる。そんな天気と連動した健気な姿を見せてくれるのも、リンドウ栽培ならではの大きな魅力です。終わった花がらを摘んであげるひと手間に応えて、次々と新しい花を咲かせてくれるため、日々のお世話がどんどん愛おしく感じられるようになります。 暑い夏を上手に乗り切った先に待っているのは、秋の澄んだ空に映える鮮やかな青色。個性的なストライプ模様を持つ‘心美白寿’や、野生の赴きを残す山野草品種など、お気に入りの一株をぜひ見つけてみてください。あなたの毎日にそっと寄り添うリンドウを育てて、今年は一歩深みのある秋の庭づくりをスタートしましょう。
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樹木

庭がパッと華やぐ! 一目惚れするカラーリーフ「ネグンドカエデ」 人気のフラミンゴなどおすすめ4品種
ネグンドカエデの基本情報 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:ネグンドカエデ学名:Acer negundo英名:Acer negundo、box elder、boxelder maple、Manitoba maple、ash-leaved mapleなど和名:トネリコバノカエデ(梣葉楓)その他の名前:ネグンドカエデ、セイヨウカエデ科名:ムクロジ科属名:カエデ属原産地:北アメリカ形態:落葉性高木 ネグンドカエデはムクロジ科カエデ属の落葉高木で、カエデの仲間です。原産地は北アメリカ。かつては樹液からシロップを採取されていましたが、樹形が美しく、葉色もさまざまに揃うために観賞用として庭木に取り入れられるようになりました。 日本へは明治頃にもたらされ、冷涼な気候を好むことから主に北海道で街路樹としてポピュラーに利用されていますが、耐暑性もあるため本州でも十分に栽培が可能です。自然樹高は10〜15mにも達する高木です。「そんなに高くなるのなら、庭木として取り入れるのは難しいのでは?」と及び腰になってしまいそうですが、毎年適切な剪定をすれば、樹高や樹形をコントロールすることができます。 ネグンドカエデのライフサイクルは以下の通りです。3月頃から新芽が動き出し、暖かくなると旺盛に葉を展開します。4月中旬〜5月上旬に小さな花が多数開花し、11月頃に実をつけます。そして11月下旬に紅葉しますが、暖地ではうまく発色しない傾向にあります。冬にはすべての葉を落として休眠したのち、3月頃には新芽を再び展開し始める……という1年のサイクル。一度根づけば、長い期間にわたって楽しめます。 ネグンドカエデの花や葉の特徴 aga7ta/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:4〜5月樹高:10〜15m耐寒性:強い耐暑性:強い~普通花色:黄緑 ネグンドカエデの葉は、長さ5〜10cmほどの楕円形で、縁に切れ込みが入ります。長さ10〜20cmほどの葉軸に3〜7枚の葉が対生する羽状複葉で、トネリコのような羽根状になるのが特徴。斑入り品種もあり、カラーリーフとしても利用されます。 simona pavan/Shutterstock.com ネグンドカエデの開花期は4〜5月で、葉が展開するよりも先、あるいはほぼ同時に花が咲きます。カエデの仲間としては珍しく雌雄異株で雄木と雌木があります。花序に15〜40個ほどの花がつき、花弁はなく長く垂れ下がるのが特徴的です。秋になると果実が熟し、カエデ特有のプロペラ状で種が遠くまで飛べるようになっています。 ネグンドカエデの名前の由来と花言葉 Dark_Side/Shutterstock.com ネグンドカエデの学名はAcer negundo(エイサー・ネグンド)で、エイサーはカエデを指しており、学名が由来となって名づけられました。「エイサー」は「裂ける」という意味で、カエデ属の掌状に切れ込みが入る葉の形に由来しています。 また、和名は「トネリコバノカエデ(梣葉楓)」で、これは葉がトネリコの葉に似ていることにちなんでいます。このほか、アメリカでは「box elder(ボックスエルダー)」「boxelder maple(ボックスエルダーメイプル)」などと呼ばれています。これはツゲの木(ボックス)、ニワトコ(エルダー)に似ていることが由来です。 ネグンドカエデの花言葉は「大切な思い出」「節制」「遠慮」「誠実」「粘り強さ」などです。 ネグンドカエデの代表的な品種 Nahhana/Shutterstock.com 葉色が美しいネグンドカエデは、園芸品種もいくつか出回っています。この章では、人気の高い園芸品種についてご紹介します。 ケリーズゴールド(Acer negundo 'Kelly's Gold') Florist Kuniko/Shutterstock.com 新緑の頃は黄金葉で、夏頃にはグリーンに変化します。夏に強い日差しに当たると葉焼けすることがあるので、植える場所は十分に吟味しましょう。庭に明るい雰囲気をもたらし、和にも洋にもよく馴染みます。 フラミンゴ(Acer negundo 'Flamingo') tamu1500/Shutterstock.com グリーンの葉に白の覆輪が入る品種で、春に新芽が吹く頃は覆輪が淡いピンクになるのが特徴的で、花が咲いたかのような華やかさがあります。夏になると白の覆輪が入るのみになり、軽やかで涼しげな印象も魅力的です。 バリエガータ(Acer negundo 'Variegatum') Olha_Rohozhyna/Shutterstock.com グリーンの葉に淡いクリーム色の覆輪が入る品種です。特に新緑の頃の発色が美しく、カラーリーフとして庭に変化をもたらしてくれます。 オーレオマルギナータム(Acer negundo ‘Aureomarginatum' ) 明るいグリーンの葉に黄色い斑が入る品種です。やや暗めの場所を明るく見せる効果があります。比較的成長が緩やかで、強健な性質なため管理しやすいのも長所です。 ネグンドカエデの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜5月植え付け・植え替え:12月〜翌年3月肥料:3月頃剪定:5~7月、10~11月 ネグンドカエデの栽培環境 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。ただし、真夏の強い日差しを浴びると葉焼けすることがあるので、午前のみ日が差す東側が適しており、西日が強く当たる場所は避けたほうが無難です。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】枝葉を伸ばして大きく生育するため、植える場所には余裕のあるスペースを確保しておくことがポイントです。乾燥がやや苦手なので、適度に水はけ・水もちのよい土壌づくりをします。乾燥対策として、根元をバークチップなどで覆うマルチングを施しておくとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 冷涼な気候を好み、寒さによく耐える一方で、暑さを苦手としています。日本の夏の暑さには耐えますが、夏の直射日光により葉焼けすることもあるので注意しましょう。 ネグンドカエデの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 まず一年を通して日当たりと風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、地面にしっかり水分が行きわたるよう、枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い日中に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付くまでは、表土が乾いていたら水やりをします。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥しているようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、休眠中の冬もカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 生育期に入る少し前の3月頃、生育を促すために緩効性化成肥料を株の周囲にまき、周囲の土を軽く耕して土になじませましょう。あまり肥料を多く与えると枝葉が茂りすぎて樹形が乱れやすくなるので、与えすぎには注意してください。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com ネグンドカエデは育てやすい庭木ですが、病害虫が発生することがあります。日頃から異変が起きていないか観察することが予防の第一歩です。 【病気】 うどんこ病 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢などの表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、木が弱ります。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発生しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 【害虫】 テッポウムシ テッポウムシは、カミキリムシの幼虫で、主に夏から秋に発生しやすくなります。幹に穴をあけて中に侵入し、内部を旺盛に食い荒らすので注意。被害が進むと木が弱るうえ、中が空洞化して枯れてしまうこともあります。成虫が飛来して卵を産み付けるので、成虫や卵は見つけ次第捕殺しましょう。また、木の株元などにおがくず状のフンが見つけたら、木の内部で活動していると推測できます。おがくずが出ている穴があれば、穴に細長い針金状のノズルを差し込んで使うカミキリムシ用の薬剤散布をするなどして駆除してください。 カイガラムシ カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ケムシ ケムシはチョウやガの幼虫のうち、細かい毛が生えているものを指し、なかには毛に毒を持つものもいるので、皮膚に触れないように注意します。樹木によく発生し、体長は20〜25mmで主に葉を食害します。葉裏などに幼虫が大発生することがあり、見た目もよくないので、見つけ次第薬剤を散布して駆除しましょう。 ネグンドカエデの詳しい育て方 苗木の選び方 苗木を購入する際は、病害虫の被害の痕跡がなく、茎や枝がしっかりして株元がぐらついていないものを選びます。斑入り品種の場合は、葉の斑やピンク色の発色がきれいに出ているものがよいでしょう。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com ネグンドカエデの植え付け適期は、休眠中の12月〜翌年3月です。ただし、植え付け適期以外にも苗木は出回っているので、花苗店などで入手したら真夏と真冬を除いて早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 地植えの場合、環境に合えば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗木よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。しっかりと根づくまでは、倒伏を防ぐために支柱を立てて誘引しておきます。 鉢植えの場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1回は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら根鉢をくずして古い根などを切り取り、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 初夏(5〜7月)の剪定 刈り込んだり、大きく切り戻したりというよりは、込み合いすぎている部分を切り取って風通しをよくすることを目的とした剪定をします。地際から立ち上がっている「ひこばえ」は付け根から切り取ります。込み合いすぎている場合に切り取る枝は、木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」などを選ぶとよいでしょう。 秋(10~11月)の剪定 樹形が乱れていたら、強めに切り戻す剪定をします。大体のアウトラインを決めて、そこからはみ出している枝を、分岐点までさかのぼって切り取ります。また、込み合いすぎている部分があれば、枯れ枝や勢いのない枝、木の内側に向かって伸びる枝、徒長枝を優先して付け根から切り取り、風通しをよくします。 美しい葉が楽しめるネグンドカエデを育ててみよう tamu1500/Shutterstock.com 葉姿が美しいネグンドカエデは、カラーリーフとして庭ベランダで存在感を発揮する庭木の一つです。新緑の頃は特に美しく発色し、花のように愛でる楽しみがあります。好みの品種を選んで、庭やベランダに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

「夏バテでゼラニウムに元気がない…」その原因は? 復活させる植え替え&剪定テクニック
ゼラニウムの基本情報 OksanaBgn /Shutterstock.com 植物名:ゼラニウム(ゼラニューム)学名:Pelargonium Zonal Group英名:Geranium、Pelargonium和名:天竺葵(テンジクアオイ)その他の名前:ペラルゴニウム、ハーブゼラニウム、センテッドゼラニウム、ペラルゴニウム科名:フウロソウ科属名:テンジクアオイ属(ペラルゴニウム属)原産地:南アフリカ形態:多年草 ヨーロッパの街並みを鮮やかに彩る花といえば、まず思い浮かべるのがゼラニウムではないでしょうか。南アフリカ原産のゼラニウムは、乾燥に強く丈夫な植物。夏場でも高温多湿になりにくいヨーロッパでは栽培しやすく、プランターや吊り鉢、ウィンドウボックスなどあらゆる場所で活用されています。 ゼラニウムはフウロソウ科ペラルゴニウム属(Pelargonium、和名はテンジクアオイ属)の植物を交配してつくられた園芸植物の総称。かつてゼラニウムはゲラニウム属(Geranium、和名はフウロソウ属)に分類されていました。当時の属名を英語読みした「ゼラニウム」が、現在も呼称(園芸名)として残っています。 Tony_Traveler85 /Shutterstock.com ペラルゴニウム属は南アフリカのケープ地方を中心に多くの野生種があります。それらが17世紀末から18世紀にかけてヨーロッパに渡り、19世紀に入ると本格的に品種改良が進み、園芸植物化されました。 園芸植物として普及しているペラルゴニウム属の植物は、大きく4つのグループに分けられます。①ゼラニウム、②アイビーゼラニウム、③センテッドゼラニウム、④ペラルゴニウムです。以下にそれぞれの特徴をまとめました。 ゼラニウムの代表的な種類と特徴 ①ゼラニウム ゼラニウムの園芸品種の親となった原種のP. zonale(左)とP. inquinans(右)。Sulla Mino /simona pavan/Shutterstock.com 南アフリカ・ケープ地方原産のペラルゴニウム・ゾナレ(P. zonale)とペラルゴニウム・インクイナンス(P. inquinans)との交配をもとに改良が進められた系統。18世紀初頭にイギリスで品種改良されて以降、ドイツやアメリカで多くの品種が作出されてきました。P. zonaleは和名が「モンテンジクアオイ」というように、葉に輪紋があるのが特徴。園芸品種の中にも輪紋葉を持つものが多いのは、この血を受け継いでいるからでしょう。一方、P. inquinans譲りの特徴は、「ゼラニウム・レッド」と呼ばれる独特な鮮紅色。欧米では、この鮮やかな色が、ゼラニウムを象徴する花色として愛されています。 ゼラニウムは四季咲き性のため、温度さえ保てれば一年中美しい花が楽しめます。茎は多肉質で太く、高性種では半低木状になります。花色が豊富で、鮮紅色、暗赤、ピンク、サーモン、白、赤紫、淡黄色などがあります。花形も一重咲きのほか、半八重咲き、八重咲き、花心まで花びらが重なる千重咲きとバラエティ豊富です。 当初は挿し木で増やす栄養系品種が主流でしたが、1960年代から種子から育てても早期に開花する品種が開発されて、現在では花壇やプランターに適した実生系品種が主流となっています。 四季咲き性のゼラニウム。花色や花姿もバラエティが豊富です。MaCross-Photography /Shutterstock.com ②アイビーゼラニウム 細い枝に、光沢のある葉が特徴的なアイビーゼラニウム。alybaba /Shutterstock.com 南アフリカのケープ地方原産のペルターツム(P. peltatum)を中心に改良された品種グループ。西洋ヅタのように光沢のある葉を持ち、枝が下垂することから「アイビーゼラニウム」「ツタバゼラニウム」と呼ばれています。茎は細く多肉質にならず、横に這う性質があるので、地植えには向きませんが、ウォールバスケットやハンギングバスケット、脚付きのコンテナなどに植えると、あふれるように花を咲かせて見栄えがします。 ③センテッドゼラニウム ピンクの花が愛らしいローズゼラニウム。aniana /Shutterstock.com 葉に芳香を持つ品種群で、「ハーブゼラニウム」「ニオイゼラニウム」とも呼ばれています。開花期は主に春から初夏ですが、花はおおむね地味で、“ハーブ”の名にふさわしく野趣あふれる姿が特徴です。改良種の中にはやや大輪の花も見られますが、そうすると葉の香りが弱く、「芳香を楽しむ」とはいかなくなるようです。欧米では、庭や玄関先などにセンテッドゼラニウムを植えて、通るときに葉をなでて香りを漂わせて楽しむ風習があります。香りの成分によって、ローズ、ミント、レモン、アップル、パイン(松ヤニ)などに分けられ、エッセンシャルオイルやお菓子の材料などに利用されています。 センテッドゼラニウムは葉の形もさまざま。aniana /Shutterstock.com ④ペラルゴニウム バイカラー咲きの品種、ペラルゴニウム‘アズテック’。Derek Harris Photography /Shutterstock.com 南アフリカ・ケープ地方原産のククラーツム(P. cucullatum)とグランディフロールム(P.grandiflorum)を主な親とし、これにほか数種を交雑して作り出された品種群。多くが春から夏にかけて咲く一季咲きで「ナツザキテンジクアオイ」の和名を持ちます。アザレアのような大輪の花を房状に咲かせ、弁の縁がフリルのように波打つものが多くゴージャスな印象を与えます。深紅色や藤色など他のゼラニウムにはない花色、花弁の中心に黒や赤色の斑紋や線状の模様が入る花、ビオラに似た小輪花、センテッド系との交配種など種類が豊富です。 ゼラニウムの名前の由来と花言葉 Ariene Studio/Shutterstock.com ゼラニウムは学名、英名ともに「Pelargonium(ペラルゴニウム)」ですが、これはギリシャ語の「ペラルゴス(こうのとり)」が由来になっています。種子の形がコウノトリのくちばしに似ているため、この名が付いたとされています。 和名は「天竺葵」です。「天竺」とはインドを意味する言葉ですが、インドに由来はありません。葉の形が葵に似ているものの、日本の葵とは違う異国の葵、と考えられたことから「天竺葵」になりました。 ゼラニウムの花言葉は花色によって異なります。赤色は「あなたがいて幸せ」、黄色は「偶然の出会い」、ピンク色は「決心」などです。全般的な花言葉は「信頼」「真の友情」「尊敬」などになります。 ゼラニウムの人気の品種 MaCross-Photography /Shutterstock.com ゼラニウムにはさまざまな品種があり、花色のバリエーションも多く、バラ咲きや星咲き、チューリップ咲きなど花形も多様です。葉に芳香を持つ品種などもあります。ゼラニウムの代表的な品種を紹介します。 スーパーゼラニウム チャンピオン Pelargonium hybrid 「スーパーゼラニウムチャンピオン」は、高温多湿に弱いゼラニウムを、日本の気温に適応するようゾナール系とアイビー系を交配させたハイブリッドの品種です。丈夫なうえに、華やかでボリューム感のある花を早春から晩秋までと長く咲かせます。花色はレッド、ロージー、オランジュなどがあります。 カリオペ Pelargonium × interspecific ‘Calliope' K.Jagielski/Shutterstock.com 「カリオペ」は、ゾナール系とアイビー系を交配させたハイブリッド品種で、耐暑性に優れ、大きく鮮やかな花を春から秋にかけて次々に咲かせます。花色によって、ソフトコーラル、ダークレッド、ローズスプラッシュ、ラベンダースプラッシュなどの品種があります。 「アメリカーナ」シリーズ Pelargonium × hortorum ‘Americana' PosiNote/Shutterstock.com 耐暑性に優れ、夏も持続的に花が楽しめるゼラニウムといえば「アメリカーナ」です。堅くて丈夫な花茎に大きな球状の花を咲かせます。コンパクトな草姿のため鉢植えで育てやすいでしょう。白い花の「アメリカーナ・ホワイト」、濃い赤色の「アメリカーナ・ディープレッド」など花色別の品種があります。花名に「スプラッシュ」が付く、花弁に斑紋が入る品種もあります。 モミジ葉ゼラニウム Pelargonium × hortorum 'Vancouver Centennial Gurcharan Singh/Shutterstock.com 「モミジ葉ゼラニウム」は、秋に葉が紅く紅葉するゼラニウムです。花がない時期も、カラーリーフとして葉の美しさを楽しめるため、寄せ植えなどに重宝されます。ただし、耐寒性はあまり強くなく、霜に当たると枯れてしまうので、寒さが厳しい地域では室内などに移動させることをおすすめします。 ローズゼラニウム Pelargonium graveolens LifeCollectionPhotography/Shutterstock.com 「ローズゼラニウム」は、葉に芳香があるセンテッドゼラニウムの代表的な品種です。花名の通り、葉はバラのような香りがするので、オイルやクリームに香りを移したり、料理に使ったりするなど、ハーブとしても楽しめます。開花期は5月から初夏にかけてです。薄いピンク色の花を咲かせます。センテッドゼラニウムは虫が付きにくく、病気も少なく丈夫なので、初心者にも育てやすいでしょう。 「エンジェルアイズ」シリーズ Pelargonium cv. ‘Angel eyes' 「エンジェルアイズ」は、ドイツで開発されたペラルゴニウムの品種です。やや高温多湿に弱いものの、開花期が長く、株一杯にビオラに似た小輪の花を咲かせ、葉には柑橘系の香りがあります。花色によって品種が異なり、主な品種にブルーベリー、オレンジ、バイカラーなどがあります。 ゼラニウムのガーデン実例 Florence Zamsky /Shutterstock.com 華やかで明るい色の花を咲かせるゼラニウムは、ヨーロッパで窓辺やバルコニーを飾るウィンドウボックスに利用されています。ゼラニウムは乾燥に強く、頻繁に水やりをする必要がないことや、開花期が長いことなども人気の理由でしょう。また、アイビーゼラニウムはハンギングバスケットやウォールバスケットに仕立てることで、立体感のある風景を楽しめます。 David Franklin /Shutterstock.com ゼラニウムの栽培12カ月カレンダー 開花時期:3~12月上旬植え替え適期:真夏と冬以外なら植え替え可能肥料:庭植え、鉢植えともに3月、5月、9月、11月のそれぞれ中旬頃入手時期:3~5月、9~11月植え付け:3月下旬~6月、9月 ゼラニウムの栽培環境 日当たり・置き場所 Tibanna79/Shutterstock.com 【日当たり/屋外】日当たりが良く、風通しの良い場所が適しています。ただし、真夏は西日が当たらない場所を選びましょう。梅雨や長雨が続く時期は雨の当たらない場所に移しましょう。 【日当たり/屋内】日当たりが良く、風通しの良い場所が適しています。 【置き場所】真夏の直射日光や西日が当たらない場所に置きましょう。また、冬は霜を避けて、室内に取り込むようにしましょう。 耐寒性・耐暑性 Marianne Pfeil /Shutterstock.com ゼラニウムは耐寒性、耐暑性ともにそれほど強くありません。とくに寒さには弱く、気温が2℃を下回る環境に置いたり、霜に当たると株が傷みます。生育に適した気温は10~25℃程度なので、冬は室内に移動させるか寒冷紗を被せるなどの対策が必要です。また、夏の高温多湿でも株が弱ってしまうので、直射日光に当たらない場所に置き、水やりは朝霞夕方の涼しい時間帯に行いましょう。 ゼラニウムの育て方のポイント 日当たりを好む半面、高温多湿を嫌うという性質はあるものの、ほとんどの種類は丈夫で育てやすいゼ ラニウム。美しくきれいな花を咲かせるための栽培方法のコツをご紹介します。 用土 多湿を嫌うので、通気・水はけのよい土が適しています。酸性に傾いた土壌では生育が悪くなるので、鹿沼土ではなく弱酸性の赤玉土を使用するとよいでしょう。赤玉土6に、腐葉土またはpH調整済みのピートモス3、水はけをよくするバーミキュライトなどを少々混ぜます。用土1リットルにつきスプーン2杯程度の苦土石灰を混ぜておくとよいでしょう。市販の草花用培養土を使用することもできます。 水やり Whiteaster /Shutterstock.com 過湿を嫌うものの、生育が旺盛になる春から秋に水が不足すると成長が悪くなるため、この期間は、鉢土の表面が乾き始めたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。とはいえ梅雨から真夏にかけては過湿になると根腐れを起こすので、やりすぎは厳禁。また、花に水がかかると、灰色カビ病を誘発しやすくなるので、株全体にかけるのではなく、根元に注ぎ込むように与えるのがコツです。成長が鈍る冬は、寒くなるにつれ水やりの回数を徐々に減らして、乾燥気味に管理します。鉢土の表面全体が乾いてから、温度が上がってくる午前中に与えましょう。 肥料 植え付けのときに、リン酸を多く含む緩効性化成肥料を用土に混ぜておくとよいでしょう。油かすのように窒素分の多い肥料は、葉や茎ばかりが茂って、花付きが悪くなるので与えません。花付きをよくするためには、リン酸分の含有量が高い草花向けの液体肥料を1,000倍に薄め、月に数回与えます。真夏や冬越し前の秋には、カリ分の多い液体肥料に切り替えます。また、3要素等量の錠剤型緩効性肥料を施しておくのもよいでしょう。こちらは3カ月程度効果が持続します。成長が緩やかになる冬期は、温室などで管理する以外、肥料を施す必要はありません。 注意する病害虫 Sarah2/Shutterstock.com 真夏の高温期に、葉が斑入り葉のように黄白色になることがありますが、これは高温による障害で病気ではなく、秋になって涼しくなると自然に戻ります。 病気 ゼラニウムでしばしば見られるのが、株元の茎が黒変してつぶれたようになり、やがて上部まで枯れてしまう「茎腐病(ブラックレッグ)」です。症状がある茎を付け根で切り落として処分します。過湿状態や窒素分の多い肥料を与えると発生しやすくなるので、水はけのよい土を使い窒素肥料を控えます。 芽先が委縮して本来の花が咲かなくなるのは「モザイク病」の可能性があります。ウイルス性の病気のため、治療法はなく処分するしかありません。発病した株を切ったハサミで、他の健康な株を切ると伝染するので、ハサミを使うときにはその都度消毒するようにしましょう。 害虫 夜に活動して葉を食害するヨトウムシ。ChiccoDodiFC/Shutterstock.com 害虫の被害を最小限にするためには、虫が幼齢のうちに退治することが大切。その姿を探すより、葉や鉢の周りに残った糞や、食害を見つけるほうが簡単なので、日頃からよく観察する習慣をつけましょう。 春から夏にかけて葉の一部が巻いたり、引きつったりする症状が見られるのはハマキムシが原因。また、葉にかじられた痕があるのはヨトウムシによるもので、春から初冬にかけて発生しやすくなります。幼虫は見つけ次第捕殺して、オルトラン水和剤などの殺虫剤を散布します。またアブラムシやワタカイガラムシもつくので、こちらは粒剤タイプの浸透移行性殺虫剤を鉢土の表面に撒いておくと予防になります。 ゼラニウムの詳しい育て方 苗の選び方 苗を選ぶ際は、初春から初夏にかけての生育期初期の苗を選ぶのがおすすめです。さらに、株がコンパクトにまとまり、葉は艶やかな緑色、脇芽や葉数が多いものを選ぶと良いでしょう。葉が黄色や茶色に変色しているもの、害虫が付いているものは避けましょう。 植え付け・植え替え Okrasiuk /Shutterstock.com 真夏と真冬を避ければ、いつでも植え付け・植え替えができますが、多くの品種が出揃い、コンディションがよい株が入手しやすいのは、春から初夏にかけて。枝葉が硬くしっかりと締まり、つぼみが多くついた株を選ぶのがポイントです。 1年以上植え替えをしていない株は、3月に入ったら植え替えを行います。「下葉が黄色くなった」「すぐに鉢土が乾く」「株を持っても鉢から抜けない」といった状態が見られたら根詰まりを起こしている合図。鉢から抜いて根鉢を崩したら、根を1/3程度切って1回り大きな鉢(大きくしたくない場合は同じ鉢)に、新しい培養土で植え付けます。植え付け後は水をたっぷりと与え、1~2週間程度は強い日差しや強風を避けて養生させましょう。一方、一季咲きのペラルゴニウムの植え替えは、花後の6月頃が適期。春には根詰まりがひどい株のみ、根鉢を崩さないように注意して鉢増しするとよいでしょう。 日常の手入れ ゼラニウムはたくさんの小花を咲かせるので、咲き終わった花がらは都度摘み取りましょう。花房全体が咲き終わったら、付け根から取り除きます。黄色く変色した葉や、枯れ葉は見つけ次第取り除きましょう。 剪定・切り戻し Toru Arioka/Shutterstock.com 成長しながら枝の先端に花芽をつけるゼラニウムは、植え付けて半年以上経過すると草姿が乱れてくるため、剪定を行います。枝の下のほうに新芽が出ていたら、新芽を残すように切り詰めればOK。新芽が見えないときは、葉を数枚残すように切り詰めておくと、やがて新芽が出てきます。とはいえ花芽が付く4月以降に強い剪定をしてしまうと、見頃に花を楽しめなくなるので、伸びすぎた枝を揃える程度にしましょう。センテッドゼラニウムやペラルゴニウムなど一季咲きのものは花が終わった後に剪定しておくと、新芽がよく伸びます。 また、咲き終わった花をそのままにしておくと、見た目が悪いだけでなく、灰色カビ病の原因にもなるため、花がらは適宜摘み取ります。花房の一部をピンセットなどで取り除くか、ほとんど咲き終わった花房は、花茎の付け根を押さえながらもぎ取ると簡単に取り除けます。 夏越し ChiccoDodiFC/Shutterstock.com からりと乾燥した気候を好むゼラニウムは、高温多湿の日本の夏が苦手。梅雨の時期は湿度が高く鉢土も乾きにくくなるため、水やりは控えめに。盛夏に水を切らすと株が弱るので、1日1回はたっぷりと水やりを。ただし土が乾いていないのに与えると根腐れの原因になるので、こまめなチェックを心がけましょう。 秋になっても元気がないようであれば「夏バテ」を起こしていることも。「新芽が伸びない」「鉢土が湿っているのに葉がしおれ気味」「葉の色が悪くなってきた」といった症状があれば、根腐れを起こしている可能性が大。古土と傷んだ根を落として、新しい培養土でやや小さめの鉢に植え替えましょう。蒸散を抑えるために地上部を軽く切り戻すことも忘れずに。切り取った枝から挿し穂を取り、挿し木をしておけば、「もしもの時の保険」にもなって一石二鳥です。 増やし方 Nataliamarc /Shutterstock.com ゼラニウムの繁殖は挿し芽が一般的ですが、花後に種子が付いていたら、採って播くこともできます。一代交雑種の種子からは、親とは異なる性質の株が生まれるので、我が家だけのオリジナルの花を楽しむことができます。ここでは、種まきと挿し芽の手順をご説明します。 種子から育てる Zanete /Shutterstock.com ゼラニウムの仲間の種子は、なかなかユニークな形をしています。以前の属名Geraniumはギリシャ語で鳥の「ツル」の意味、一方、現在の属名Pelargoniumは「コウノトリ」を意味します。これは、両属の植物ともに、実の先端に長い針状の突起があることから、ツルやコウノトリの長いくちばしを連想してつけられたといわれています。熟すと傘のように広がり、羽毛状の毛がついた種子を飛ばします。種子にはらせん状の突起があり、着地するとネジのようにくるくると回りながら土中に潜ります。 コウノトリやツルのくちばしのような実の中には5粒の種子が(左)。遠くに飛ぶための羽根と、土にもぐるための突起がついた種子(右)。 播種するときは、毛と突起は取り除いておくと発芽が揃います。採取したての鮮度のよいものを播くときには、つけたままでも発芽率は悪くないようです。小粒の赤玉土にバーミキュライトを等分で混ぜたもの、または市販の種まき用土に、その種子が重ならないように置き、種子が隠れるように薄く土をかけます。発芽するまで水を切らさないように。鉢皿に水を張り、鉢底をつけておく底面灌水がおすすめです。2週間程度で発芽するので、本葉が出揃ったら培養土を用いて3号程度のポリポットに鉢上げします。 播種の適期は4~5月、または9月下旬~10月にかけて。高温期の夏は適さないので、秋播きするときには採種後に冷暗所などで保管します。また、年内に播かない場合は、冷蔵庫に保管しておきましょう。 挿し木で育てる 切り口に発根促進剤をつけてから挿すと発根しやすくなります。iva /Shutterstock.com 丈夫な品種では、切り花のように水に挿しておくだけでも発根するゼラニウム。お気に入りの花を増やしたいのであれば、挿し木がおすすめです。挿し木の適期は春と秋。八重桜が咲く頃から5月が最も活着しやすく、梅雨の前まで可能です。一方秋挿しの適期は9月下旬~10月下旬にかけて。センテッドゼラニウムやペラルゴニウムは、春ではなくこの時期のみが適期となります。 挿し穂を取るのは、硬くしっかりと育った枝から。開いた葉が3~4枚ついた長さで茎頂部を切り取り、切り口を鋭利な刃物で切り戻しておきます。種まきと同様の土に、下の1節が埋まり挿し穂が倒れない程度に浅く挿します。 圧縮ピートに挿すと、鉢上げ作業が簡単にできます。 Ratda /Shutterstock.com 2~3週間程度で発根が始まりますが、この期間は日が当たらない場所に置き、水を切らさないように。根が出揃うまでは、種まきと同様の底面灌水がいいでしょう。ピートモスを原料に作られた圧縮ピートでもよくつきますが、その場合、発根後鉢上げするときには培養土にピートモスを混ぜないと新根の活着が悪くなることがあります。 芽先が伸び始めたら、根が生え揃ってきた合図。培養土を用いて4号程度の鉢に鉢上げします。作業の2日前から水やりを止め、鉢土を乾き気味にしておくと根切れを防ぐことができます。植え終わったら水をたっぷりと与え、頭頂部を切る摘心をしておくと、脇芽が伸びてボリュームのある株に仕上がります。 ゼラニウムが木質化したら HoyaEuny /Shutterstock.com ゼラニウムは古くなると株元の枝が硬くなって、木のようになる「木質化」を起こします。木質化が起きると、新芽が出にくくなり、花も付けにくくなってしまうため、定期的に切り戻して木質化しないようにしましょう。木質化してしまった株は、元気のよさそうなわき芽の上で切り戻しましょう。また、木質化した部分を深植えすることで、新たな芽が出て復活する場合もあります。保険として、春か秋に切った枝で挿し芽をしておくとよいでしょう。 大事に育てれば長く咲く! ゼラニウムの花を楽しもう Taiga /Shutterstock.com 夏越しに失敗しなければ、丈夫で育てやすいゼラニウム。数年かけて育て上げれば、たくさんの花をつけて見応えも十分な株に仕立てられます。近年人気のある低木性やアイビー系の品種は、寄せ植えやハンギングバスケットなど、季節の草花と組み合わせて植えても素敵です。お気に入りの品種を見つけてみてはいかがでしょうか。
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花と緑

季節の花の3択クイズ 秋の訪れを告げる花! シュウメイギクは次のうちどれ?
秋を感じさせる上品な花!「シュウメイギク」は次の3つのどれ? Fumeezz/Shutterstock.com シュウメイギクは中国や台湾を原産とする大型の多年草。日本には古い時代に渡来し、特に京都の貴船地方を中心に野生化したことから、「貴船菊」という別名もあります。開花期は8月中旬~11月で、秋を彩る代表的な花の1つ。花色はピンクや白です。 さて、そんなシュウメイギクには、よく似た花がいくつかあります。今回は、正しいシュウメイギクの写真を選ぶ3択クイズ! シュウメイギクは、次のA~Cのどれでしょう? A KajaHiis/Shutterstock.com B Sandi Walmsley/Shutterstock.com C PURIPAT PENPUN/Shutterstock.com ヒント シュウメイギクという名はキクに似ていることから名づけられましたが、春に咲くアネモネと同じキンポウゲ科の多年草です。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ A KajaHiis/Shutterstock.com シュウメイギクの基本データ 学名:Anemone hupehensis科名:キンポウゲ科属名:イチリンソウ属(アネモネ属)原産地:中国、台湾和名:シュウメイギク(秋明菊、秋冥菊、秋名菊)英名:Japanese anemone、Chinese anemoneなどその他の名前:キブネギク(貴船菊)、アキボタン(秋牡丹)、カンノンギク(観音菊)など開花期:8月中旬~11月花色:ピンク、白形態:多年草草丈:30~150cm 夏の終わり頃から花茎を伸ばし、ピンクや白などの花を次々と咲かせ、秋を告げる花として知られるシュウメイギク。風に揺れる楚々とした優雅な佇まいから、茶花としても人気があります。日本には室町時代またはそれ以前に中国から伝わったとされ、その後京都の貴船地方で野生化し、日本各地に広まりました。冬には地上部が枯れることが多いですが、翌年にはまた芽を出す半常緑性の多年草です。 Peace-loving/Shutterstock.com シュウメイギクの開花期は8月中旬~11月。花茎を伸ばした先に、直径5~8cmの花を咲かせます。花色はピンクや白で、花形は一重咲きのほか、幾重にも花びらが重なる八重咲き品種もあります。白花種は花にふっくらとした丸みがあり、萼片の枚数は少ない傾向があります。 八重の交配種‘パミナ’。Mariola Anna S/Shutterstock.com ローズピンクの一重花が咲く‘スプレンデンス’。michellebraga/Shutterstock.com 花弁のように見える部分はじつはガクで、花弁はありません。中心には淡いグリーンの雌しべがあり、それを囲むように多数の黄色い雄しべが付きます。花弁(ガク)の大きさは不揃いになりやすいのも特徴です。 Dimon78/Shutterstock.com 草丈は30~150cmになる大型の山野草で、地下茎を伸ばしてよく増え、花壇の背景などにも向きます。葉の縁にはギザギザとした鋸歯があります。また葉は茎につくものほかに株元から出る根生葉があり、茎から出る葉は浅く切れ込みが入り、根生葉は3出複葉になります。 Dora Zett/Shutterstock.com シュウメイギクは漢字では「秋明菊」と書き、秋に周囲を明るく彩るキクに似た花を咲かせることが由来です。中国では「秋冥菊」と書き、これは「秋に咲くこの世のものとは思えないほどに美しい菊の花」という意味。日本でも当初はその名で伝えられたようですが、日本では「冥」の字は冥土(死)のイメージから縁起が悪いと考えられたのか、後に「明」の字が当てられたとされています。 77jitka/Shutterstock.com シュウメイギクは丈夫で育てやすく、ガーデニング初心者にもおすすめ。夏は冷涼な気候のほうがよく育ちますが、耐寒性が強く耐暑性もあるので、全国で栽培できます。日なたから明るい日陰まで、さまざまな環境に適応するので、シェードガーデンの植栽にも向きます。ただし、日照が不足すると花数が少なくなるので注意しましょう。 地植えの場合、根付いた後は極端に乾燥する場合を除いて水やりもほとんど必要なく、ローメンテナンスで管理できます。鉢植えは水切れすると葉が枯れやすいので、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。高温期の多肥は株を炒めやすいので、春と夏に様子を見ながら追肥します。地下茎でよく増えるので、鉢植えの場合は毎年、地植えの場合も3~5年に1回を目安に株分けをして植え替えるとよいでしょう。 billysfam/Shutterstock.com 残りの選択肢の花は… B アネモネ Sandi Walmsley/Shutterstock.com キンポウゲ科イチリンソウ属(アネモネ属)の球根植物。古くから人々に愛されてきた花で、神話や伝説にも登場しています。シュウメイギクと同じ属の植物ですが、アネモネの開花期は2~5月と、早春から春に咲くのが大きな違い。多くの種類がありますが、アネモネといえば、アネモネ・コロナリアを指すのが一般的です。花色は白、赤、ピンク、青、紫、複色など多様にあり、春の花の中でも存在感があります。葉は細かく裂け、ニンジンやパセリのように繊細な様子が特徴です。 C キク PURIPAT PENPUN/Shutterstock.com キク科キク属の植物で、秋を代表する花の1つ。古く中国から伝えられたキクは、皇室の紋にも用いられ、また仏花としてお盆やお彼岸などにも欠かせない、日本で古くから愛され続けている花です。花径20cmを超える大菊から、仏花などに利用される中菊、花径1~3cmの小菊、切り花でおなじみのスプレー菊、鉢植えで活躍するポットマム、食用菊まであり、和風から洋風までさまざまな庭シーンによく似合います。花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、茶、複色などがあり、花形も非常に多様です。一般的な開花期は9~11月ですが、年間を通して栽培、流通しています。葉は卵形や楕円形で、縁に不規則な切れ込みが入り、濃い緑色です。 クイズ一覧はこちら!
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宿根草・多年草

植えてわずか1カ月で開花! 初心者でも大成功する秋咲き球根「ステルンベルギア」の植えっぱなし栽培術
ステルンベルギアの基本情報 Nahhana/Shutterstock.com 植物名:ステルンベルギア学名:Sternbergia英名:Sternbergia、winter daffodil、autumn daffodil、yellow autumn crocusなど和名:キバナタマスダレ(黄花玉簾)その他の名前:シュテルンベルギア科名:ヒガンバナ科属名:キバナタマスダレ属(ステルンベルギア属)原産地:ヨーロッパ南東部~アジア南西部形態:宿根草(多年草) ステルンベルギアの学名は、Sternbergiaで、学名がそのまま流通名になっています。ヒガンバナ科キバナタマスダレ属(ステルンベルギア属)の球根植物。原産地はヨーロッパ南東部からアジア南西部で、5〜8種が確認されています。暑さや寒さに強く、周年戸外で植えっ放しにしていてもかまいません。 ステルンベルギアは夏植え秋咲きの球根植物で、ライフサイクルは次の通りです。8月下旬〜9月上旬に球根を植え付けると、9月下旬〜10月頃に開花します。その後は葉を残すので、しっかり光合成をさせて球根を太らせる管理をしておきましょう。5月頃になると葉を落として休眠します。枯れたと判断して捨てたりせずに、そのまま開花期まで待ちましょう。丈夫で育てやすく、一度植え付けると毎年開花してくれる息の長い植物で、コストパフォーマンスに優れています。 ステルンベルギアの花や葉の特徴 Dina Rogatnykh/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:9月下旬〜10月草丈:10〜25cm耐寒性:強い耐暑性:普通(休眠)花色:黄 ステルンベルギアの開花期は9月下旬〜10月で、花色は黄色。花弁6枚、直径5㎝ほどのクロッカスに似た花姿で、1本の花茎の先に1つの花がつき、1つの球根から2〜3輪の花が咲きます。草丈は10〜25㎝ほどで小ぶりなので、単体で楽しむのもいいですが、まとめ植えして華やかに彩るのもおすすめです。 葉は細長く、花茎と同時に伸びて地際から茂ります。 ステルンベルギアの芽吹き。studiavit/Shutterstock.com ステルンベルギアが属するヒガンバナ科の球根は、ほとんどのものに有毒なアルカロイドなどが含まれます。ニラやラッキョウなどの食用できる植物と間違えて誤食しないよう、植栽の際は菜園とは離して植えると安心です。 ステルンベルギアの名前の由来と花言葉 Manfred Ruckszio/Shutterstock.com ステルンベルギアという名前は学名に由来し、オーストリアの植物学者カシュパル・マリア・シュテルンベルクにちなみます。キバナタマスダレ(黄花玉簾)という和名は、葉や草姿の雰囲気が白い花を咲かせるタマスダレに似て、花色が黄色であることが由来です。 7~9月に白い花を咲かせるタマスダレ。Santi4Sandhy/Shutterstock.com ステルンベルギアの花言葉は「期待」「粘り強さ」「じれったいあなた」「無駄なこと」「あなたを愛しています」など。「期待」「粘り強さ」「じれったいあなた」は、ステルンベルギアが春になっても、夏になっても開花することがなく、秋まで待ってやっと咲いてくれることに由来しているようです。 ステルンベルギアの種類 Dina Rogatnykh/Shutterstock.com ステルンベルギアは5〜8種が確認されていますが、日本で広く流通しているのは、黄色い花を咲かせるステルンベルギア・ルテア。基本的に単にステルンベルギアといえばこの品種を指し、「キバナタマスダレ」という和名も狭義にはこの種を指します。この記事では、ルテア種にフォーカスしてご紹介しています。ヨーロッパでは、フィッケリアナ種やクルシアナ種、キャンディダ種も知られています。 冬に咲くフィッケリアナ種。花姿は非常によく似ています。Ali Cebbar Dayan/Shutterstock.com ガーデニングにもぴったり CoinUp/Shutterstock.com ステルンベルギアは、草丈10〜25cmほどにまとまるコンパクトな草姿をしているので、花壇に植え付けるなら、前面や縁取りなどに向いています。1〜2球植えるのもいいですが、10球単位で群れ咲くよう植え付けると、迫力のあるシーンを演出することが可能です。 またロックガーデンに取り入れるのもおすすめ。ロックガーデンとは、傾斜地などに石組を組んで、山野草のような楚々しとした風情の植物を植え込んで、野山の景色を再現するスタイルのことを指します。ステルンベルギアは草姿が小ぶりにまとまるので、岩と岩の間のポケットのような植栽部分に植え込むとよいでしょう。ステルンベルギアは水はけのよい環境を好むので、ロックガーデンのような水が抜けやすい傾斜地は好適です。 ステルンベルギアを鉢栽培で楽しむなら、5〜6号鉢を用意して3〜5球を目安に植え付けるとよいでしょう。大鉢を用意してほかの植物と組み合わせる寄せ植えにしても素敵です。 Vera Kalyuzhnaya/Shutterstock.com ステルンベルギアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:9月下旬〜10月植え付け・植え替え:8月下旬〜9月上旬肥料:11月~翌年4月中旬 ステルンベルギアの栽培環境 Dina Rogatnykh/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】ステルンベルギアは、日当たり・風通しのよい場所を好みます。明るめの半日陰でも栽培可能ですが、葉が長く伸びてしまい、花が葉に隠れてしまってバランスの悪い株姿になることもあるようです。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。屋内で水栽培で開花させることも可能ですが、翌年も開花させるにはよく日に当てて球根を太らせましょう。 【置き場所】水はけのよい土壌を好みます。じめじめとした湿り気の多い環境を苦手とするので、水はけの悪い場所では川砂やパーライトなどの土壌改良資材を混ぜ込んでおくとよいでしょう。周囲よりも土を盛って高くしても水はけがよくなります。さらに堆肥や腐葉土などの有機質資材を混ぜ込み、ふかふかとした土をつくるとよく育ちます。 耐寒性・耐暑性 ステルンベルギアの耐寒温度はマイナス5℃程度。基本的に暑さにも寒さにも強い性質で、植えっ放しにして越年できます。ただし、霜が葉に降りると葉が傷むことがあります。 ステルンベルギアの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕して水はけのよい土壌を作っておくとよいでしょう。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 水やりの際は、花にかからないよう株元の土を狙って与えるとよいでしょう。 真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 夏は休眠するため、水やりは控えます。 【地植え】 地植えの場合はほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。 【鉢栽培】 鉢栽培では土が乾きやすいので、日頃から水やりを忘れずに管理します。とはいっても、毎日水を与えればいいというものでもありません。なぜなら、気温や湿度など天候の状況によって、土が毎日乾くとは限らないからです。動物が毎日の食事が必要なのとは異なり、毎日水を与えて土がジメジメとした過湿の状況にすると、根腐れして枯れてしまうこともあるので注意。土の状態を見てから水やりするのがポイントで、基本は、土の表面が白っぽく乾いてから、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えます。また、茎葉がややだらんと下がって勢いがなくなっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。その後は、開花が終わった後から春に休眠するまでの間、月に1度を目安に液肥を施して球根が充実するのを促すとよいでしょう。 注意する病害虫 ステルンベルギアの栽培では、病害虫が発生する心配はほとんどありません。 ステルンベルギアの詳しい育て方 球根の選び方 ステルンベルギアの球根を購入する際は、ふっくらとして重みがありもの、ハリがあって充実しているものを選びましょう。カビが生えているものや軽いものなどは避けたほうが無難です。 植え付け Vlyaks/Shutterstock.com ステルンベルギアの球根の植え付け適期は、8月下旬〜9月上旬です。ステルンベルギアは、1株のみ咲かせるというよりは、同じ品種で球根を5〜10球まとめ植えし、一斉に咲かせると華やかに演出できます。 【地植え】 腐葉土や堆肥などの有機質資材をすき込んで土づくりをしておいた場所に、深さ10cmほどの穴を掘り、球根を植え付けます。たくさん植える場合は間隔を15cmほど開けましょう。最後にたっぷりと水やりをしておきます。 【鉢植え】 5〜6号鉢を用意し、3〜5球を目安に植え付けるとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。球根は、深さ5cmほどの穴を掘り、等間隔で植え付けます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 植え替え Nataly Studio/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 ステルンベルギアは環境に合って順調に育っているようであれば、毎年植え替える必要はありません。ただし、植え付けから数年が経ち、大株になって込み合っているようであれば、5月頃に掘り上げて分球し、ネットなどに入れて日の当たらない涼しい場所で保管して、8月下旬〜9月上旬に植え直しましょう。 日常の手入れ 終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まります。 marekuliasz/Shutterstock.com 夏越し・冬越し Dina Rogatnykh/Shutterstock.com ステルンベルギアは、夏は休眠しているので暑さ対策をする必要はありません。ただし、地植えの場合は多湿な環境では球根が腐ることがあります。心配な場合は掘り上げて、ネットなどに入れて風通しのよい涼しい場所に吊るして管理するとよいでしょう。 一方、寒さには大変強く、マイナス5〜マイナス7℃までは耐えるので、一般地であれば戸外で越冬できます。マイナス7℃よりも下がる環境の場合は、掘り上げて鉢に植え替え、冬越しさせましょう。 増やし方 laenon/Shutterstock.com ステルンベルギアの球根は、植え付けてから数年経つと大きく太って充実します。込み合ってきているようなら、地上部の葉が枯れた後に、掘り上げてみましょう。大きくなった球根は自然にいくつかに分球できるので、それぞれ球根をはずして植え直すと増やすことができます。 掘り上げた球根は、まずは風通しのよい日陰に吊るして乾燥させます。乾いたら土を落とし、ネットなどに入れて直射日光の当たらない涼しい場所で管理しておきましょう。植え付け適期になったら、定植します。 ステルンベルギアは水耕栽培でも楽しめる Mucesto/Shutterstock.com ステルンベルギアは、球根植物のため水耕栽培で育てることもできます。球根には発芽・発根のための養分が蓄えられているため、植物の生育に必要な光、水、温度を適切に与えれば、用土に植え付けなくても開花を楽しむことが可能です。水耕栽培なら、球根から根を出したり、発芽したりと、日々の生育を観察することができ、そのたくましい生命力を身近に感じ取ることができるので、ぜひチャレンジしてみてください。 水耕栽培で用意するものは、水漏れしない器、球根、水、水差しなど。初心者の場合は、管理がしやすいように設計された、球根水栽培専用のバルブベースなどが販売されているので、それを利用すると便利です。基本的には水漏れさえしなければ育つので、水耕栽培に慣れてきたらおしゃれな器などを利用するとよいでしょう。 球根の芽と根が出る位置を確認し、水を入れたバルブベースに根が出るほうを下にして配置します。水の量は、球根の底に水が触れる程度にしておきましょう。球根が水に浸かった状態にしておくと、腐ってしまうことがあるので注意。器に入れた水は、毎日交換します。ステルンベルギアは夏植えで、この時期は水が腐りやすいためです。また、1〜2cmほど発芽するまでは、ダンボールなどをかぶせて遮光しておきます。発芽したら、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。根が長く伸びて充実したら、バルブベースに入れる水の量を減らして球根に水が触れないようにし、根から吸水させるようにします。水耕栽培はワンシーズンのみの楽しみとイメージされがちですが、花が終わったら鉢などに植え付けて球根を太らせると、翌年も開花を楽しめます。 ステルンベルギアの栽培に挑戦しよう Lovec1/Shutterstock.com ステルンベルギアは、病害虫がほとんどつかないうえに、暑さ寒さに耐えて周年植えっ放しにしてよいために、手間がかからない植物の一つといえます。球根を植え付けてから1カ月ほどで開花するので成功体験を得られやすく、特にビギナー向きです。ぜひ庭やベランダで咲かせてください。
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樹木

豊臣秀吉が持ち帰った樹齢400年の古木も!「ノウゼンカズラ」の意外な歴史と育て方
ノウゼンカズラの基本情報 SANGA KIM/Shutterstock.com 植物名:ノウゼンカズラ学名:Campsis grandiflora英名:Trumpet creeper(トランペットクリーパー)、Trumpet vine(トランペットバイン)和名:凌霄花(りょうしょうか)その他の名前:紫葳(しい)、ノウセウ、まかやき科名:ノウゼンカズラ科属名:ノウゼンカズラ属原産地:中国形態:つる植物 7〜8月にたっぷりとオレンジ色などの花を咲かせるノウゼンカズラ。気根を伸ばして自力でつるを這い上がらせ、旺盛に茂ります。一つひとつの花は短命ですが、次から次へと豪奢に咲き誇るので、真夏のシンボルとしておすすめのつる植物です。 ノウゼンカズラは中国から平安時代に伝えられ、薬草として利用されていたという記録が残されています。また、石川県金沢市には、豊臣秀吉による朝鮮出兵の際に持ち帰られたとされる、樹齢約400年にもなるノウゼンカズラの古木があります。 ノウゼンカズラ(学名:Campsis grandiflora)は、ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属の落葉性つる性木本です。つるを伸ばして生育し、長いものでは5〜10mにも達します。成長速度は速いほうです。 原産地は中国。暖地性の植物で暑さに大変強く、寒さにも比較的耐えます。ただし、寒冷地では鉢植えにするか、冬前に鉢上げして栽培するとよいでしょう。生命力旺盛で、つるをぐんぐん伸ばして生育します。 放任してもよく育ち、ビギナーでも育てやすい植物です。ただし、繁茂しすぎて他の植物を侵食してしまうこともあるので、年に1度は剪定して、樹形をキープするとよいでしょう。 ノウゼンカズラの花色は、オレンジ色、黄色、赤など。いずれも主張の強いビビッドカラーで、暑さで花が少なくなってくる端境期に、豊かな彩りを与えてくれます。 ノウゼンカズラの花や葉の特徴 LifeCollectionPhotography /Shutterstock.com 園芸分類:庭木・花木開花時期:7〜9月樹高:5〜6m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:赤、オレンジ、黄 ノウゼンカズラの花は、トロピカルな雰囲気が漂う赤やオレンジ色の鮮やかな花色と、ラッパ形の花形が特徴です。一つひとつの花は長もちしませんが、垂れ下がった枝に次々に新しい花をたくさん咲かせるので、夏の間中楽しむことができます。葉は、周囲が鋭いギザギザ状で、一つの茎に羽状に連なって付きます。茎の節から気根を出して壁やフェンス、ほかの木などに這い登りながら伸びていきます。花が終わると細長い豆莢状の実を付け、11月頃になると実が茶色くなって裂け、中から種子が飛び出します。 ノウゼンカズラの名前の由来と花言葉 mujijoa79 /Shutterstock.com 学名「Campsis grandiflora(カンプシス・グランディフローラ)」のCampsisはギリシャ語で「曲がる」という意味で、ノウゼンカズラのおしべの形から名づけられたとされています。grandifloraは「大きな花」という意味を持っています。 ノウゼンカズラは中国から伝えられましたが、中国名は「凌霄(リョウショウ)」といいます。日本でも中国の花名を受け継いで、漢字で表すと「凌霄花」、読み方は「りょうしょうか」です。漢字の「凌」は「しのぐ」「越える」、「霄」は「大空」「天空」といった意味があります。空に届くほどにつるをよく茂らせるといった、ノウゼンカズラの性質を表して名づけられたのかもしれませんね。日本へもこの「リョウショウ」の名前で伝えられ、『本草和名』には「乃宇世宇(ノウセウ)」の字が当てられたことが残されています。それが次第になまって「ノウゼン」と呼ばれるようになったのでしょう。ちなみに「カズラ」とは、つる植物を表す言葉です。 Yeongha son /Shutterstock.com 英語圏では「Chinese trumpet vine(チャイニーズ・トランペット・バイン)」または「Chinese trumpetcreeper(チャイニーズ・トランペット・クリーパー)」などと呼ばれています。「Chinese」は「中国」、「trumpet」は金管楽器のトランペット、「Vine」は「つる植物」、「creeper」は「這うもの」という意味。おおよそ「中国から伝えられた、トランペットのようなベル形の花を咲かせるつる植物」という意味で名づけられたと想像できます。 ノウゼンカズラの花言葉は、「名声」「名誉」など。英名には「Chinese trumpet vine(チャイニーズ・トランペット・バイン)」または「Chinese trumpet creeper(チャイニーズ・トランペット・クリーパー)」があると前述しましたが、トランペットは勝利者や表彰された人などを祝してファンファーレを演奏することから、これらの言葉が与えられたとされています。 ノウゼンカズラの種類 アメリカノウゼンカズラ Campsis radicans Dina Rogatnykh /Shutterstock.com 北アメリカに自生するノウゼンカズラの仲間。赤みの強いオレンジの花が咲き、花茎が短く、つるは下垂しません。花は小さめで、花筒がやや長くなります。つるをよく伸ばし、10mに達することも。園芸品種の‘フラバ’は、ややオレンジがかった黄色い花を咲かせます。 タグリアブアナ Campsis × tagliabuana Gurcharan Singh /Shutterstock.com ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラの雑種。花の形はノウゼンカズラ、色はアメリカノウゼンカズラの特性が出るようです。園芸品種の‘マダム・ガレン’は赤みの強いオレンジ色の花を爛漫と咲かせます。‘オランジュ・タカラヅカ’は‘マダム・ガレン’とノウゼンカズラの交配によって作出された園芸品種で、鮮烈なオレンジ色の花が特徴。比較的コンパクトにまとまるので、鉢栽培でも楽しめます。 ヒメノウゼンカズラ Tecomaria capensis crystaldream/Shutterstock.com ヒメノウゼンカズラは、ノウゼンカズラ属とは別のノウゼンカズラ科テコマリア属になります。南アフリカ原産の、半つる性低木で、高さ2.5mほどになります。花は枝の先に細長い円柱状に並んで付き、花の先は5つに分かれます。花色はオレンジまたは黄色です。枝が長く伸びるため、アーチやフェンスに絡ませたり、ポール仕立てにしたりすると良いでしょう。 ピンクノウゼンカズラ Podranea ricasoliana HannaTor/Shutterstock.com ピンクノウゼンカズラは、ノウゼンカズラ科ポドラネア属で、南アフリカが原産地の常緑つる性低木です。中国名は紫芸藤、和名はリカソルノウゼンですが、和名はあまり知られていません。花は長さ8cmほどのトランペット状、わずかに芳香があり、花色はピンク色で内側に赤紫色の脈が入ります。つるは強く、長さは3~5m、高さは10mほどになることもあります。 ノウゼンカズラの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7〜9月肥料:2月、4~5月植え付け:3月中旬〜4月中旬 ノウゼンカズラの栽培環境 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】 ノウゼンカズラは日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。つるを伸ばし、大きく育つため、狭い場所での栽培は不向きです。 【日当たり/屋内】 小型品種以外は地植えが基本です。小型品種を鉢植えで育てる場合は、水はけの良い土で、日当たりの良い場所で育てましょう。 【置き場所】 日陰では花が付きにくくなるので、日当たりの良い場所で育てましょう。また、つる植物なので、フェンスや棚など、つるを這わせることができる構造物のある場所を選びましょう。繁殖力が旺盛で根も増殖するため、隣家付近などは避けた方が無難です。 耐寒性・耐暑性 ノウゼンカズラは耐寒性、耐暑性ともに強い植物ですが、気温がマイナス5℃以下になると枯れてしまいます。寒冷地では地植えではなく、小型の品種を鉢植えで育てるのがおすすめです。一方、耐暑性は非常に強く、真夏の直射日光にも耐えられます。 ノウゼンカズラの育て方のポイント 用土 funnyangel /Shutterstock.com 【地植え】 まず、一年を通して日当たり、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた、培養土を利用すると手軽です。 水やり Vladimir Gjorgiev /Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根づいた後は、地植えの場合はほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。新梢がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は生育が止まるので、控えめにして乾燥気味に管理します。 肥料 Pawel Beres /Shutterstock.com 【地植え】 2月と4〜5月に、堆肥や腐葉土などの有機質肥料を株周りにまいて土に混ぜ込みます。 【鉢植え】 2月に緩効性化成肥料を施します。4〜10月に緩効性化成肥料を1〜2カ月に1回を目安に施しましょう。開花期間中は、液肥に切り替えるのもおすすめです。開花を促すリン酸分を多めに配合した液体肥料を10日に1回を目安に与えると、次々に花を咲かせてくれます。 注意する病害虫 schankz /Shutterstock.com 大変強健な性質で、病気の心配はほとんどありません。 害虫は、まれにアブラムシがつくことがあります。適応するアブラムシ用の薬剤をまいて土に馴染ませておくと防除が可能です。 ノウゼンカズラの詳しい育て方 苗の選び方 苗を選ぶ際は、葉に艶があり、シミや黄色い変色などがないものを選ぶようにしましょう。また、葉の裏側もチェックし、アブラムシなどの害虫がいないことも確認しておきましょう。すぐに花を楽しみたい場合は、ある程度育った状態の、蕾や花が付いている苗を選ぶと良いでしょう。 植え付け・植え替え ノウゼンカズラの植え付け適期は、3月中旬〜月中旬頃です。 【地植え】 Duet PandG /Shutterstock.com 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。つるが長ければ、フェンスや棚など、伸ばしたい方向へ誘引しておきましょう。最後にたっぷりと水をやります。 培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。支柱を設置してつるを誘引したのち、鉢底から水が流れ出すまで、十分に与えましょう。 しっかり根付いて順調に生育していれば、植え替えの必要はありません。寒冷地では寒くなる前に鉢上げし、暖かい場所に移動して冬越しさせましょう。 【鉢植え】 S_Photo /Shutterstock.com 鉢植えで楽しんでいる場合は、放置していると根詰まりしてくるので、1〜2年に1度を目安に植え替えましょう。植え替えの適期は3月中旬〜4月中旬です。 植え替えの前には水やりを控えて、鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢に、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢に植え替えます。 つるの誘引 CoinUp /Shutterstock.com 植え付け時に伸ばしたい方向へ誘引しておけば、あとはノウゼンカズラ自身が気根を出して支柱やフェンスなどにくっついて這い上がるので、ほとんど手間がかかりません。ノウゼンカズラはつるを伸ばして下垂させた枝に花芽がつく性質があり、上に伸びる枝には花がつきません。そのため、下垂するつるは上に誘引せず、自然のままに見守ってください。花は下向きには咲かず、水平方向または上方向に向くので、いったん目線より少し上の高さまでつるを誘引してから下垂する枝をたくさん出させるようにすると、効果的に視界に花が咲くでしょう。 この下に垂れた枝に花芽がつく性質を利用し、スタンダード仕立てにするのもおすすめです。1本の太い支柱を設置し、つるを頂部まで誘引した後、傘状に枝垂れさせます。 剪定 mihalec /Shutterstock.com 剪定の適期は3月頃です。春から伸びる新梢に6月頃に花芽ができて、その夏に咲く新枝咲きなので「花芽を切ってしまわないだろうか」という心配はありません。前年に伸びた枝の根元についている2〜3芽のみを残し、深く切り戻しましょう。残した2〜3芽は、春になると新梢を出してさらにボリュームを増します。つるが込み合っている部分があれば、絡んでいる枝や内向きに伸びる枝などを付け根から切り取るとよいでしょう。 増やし方 Lora_Aks /Shutterstock.com ノウゼンカズラは、挿し木で簡単に増やすことができます。挿し木の適期は6月中旬〜7月です。春に伸びた若くて勢いのある枝を選び、葉を2〜3枚つけて気根が出ている状態で切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理しましょう。発根したら黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植を。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 ノウゼンカズラの花が咲かない理由 kazutaka.Japan/Shutterstock.com 日照不足 ノウゼンカズラの栽培でもっとも気を付けたいのが日当たりです。ノウゼンカズラは、1日6時間以上の日光が当たらないと生育不良になってしまうほど、日光が欠かせません。日照時間が短い北側や、日当たりの悪い場所などでは花付きが悪くなり、まったく花が咲かなくなることもあります。植え付けの際は他の植物や建物などの陰にならない場所や、日当たりのよい南側の場所を選びましょう。鉢植えの場合は必要に応じて日当たりのよい場所へ移動すると良いでしょう。 根詰まり ノウゼンカズラは生育が旺盛な植物です。地植えであれば、それほど心配はありませんが、鉢植えの場合は根詰まりを起こしやすく、定期的な植え替えや根の整理をする必要があります。鉢底の穴から根が出ていたり、鉢中に根が回っていたりする場合は植え替えが必要です。植え替えの際は、傷んでいる根は除去するようにしましょう。 肥料の過不足 土壌の栄養バランスが崩れていることも、花が咲かない理由の一つです。養分が不足すると生育不良に陥って花付きが悪くなります。とくに、リン酸は花を咲かせるために不可欠な養分なので、不足しないように注意しましょう。逆に、肥料のやりすぎで花が咲かない場合もあります。チッ素肥料は効きすぎると、葉だけが旺盛に茂ってしまい、花が咲かなくなることがあります。花をよく咲かせるには、リン酸が高く窒素が低い肥料を開花期前に与えるようにしましょう。 ノウゼンカズラを植えてはいけないという理由は? Jason J. Hong /Shutterstock.com 大きくなりすぎる ノウゼンカズラを庭に植えてはいけないと言われることがあります。その最大の理由が、生育が旺盛過ぎてコントロールしづらくなるという点です。ノウゼンカズラは根や気根を広範囲に伸ばすため、地植えの場合は隣家や電線にまで伸びていき、トラブルを引き起こすこともあります。また、気根が家の外壁などに張り付くと、取り除いても痕が残ってしまい、塗装をやり直しても元通りにならない場合もあります。生命力が強いので除草剤が効きにくく、除去までに時間がかかるのも難点です。鉢植えの場合でも、屋外に放置しているといつの間にかつるを伸ばして繁殖してしまう場合があるので、育てる際は、良く場所を選んでトラブルにならないように注意しましょう。 毒性がある ノウゼンカズラには鎮痛や利尿作用などの薬効もありますが、弱い毒性がある成分も含まれています。この成分はラパコールといって、皮膚刺激性や消化器系に影響をもたらす物質です。観賞用として扱う分には問題ありませんが、樹液や葉、花粉などに触れると皮膚炎を引き起こす可能性があるため、手入れの際には手袋などを着用した方が良いでしょう。子供やペットの誤食には注意が必要です。 ノウゼンカズラを育てて日々の暮らしに彩りを! Grinchenkova Anzhela/Shutterstock.com この記事では、ノウゼンカズラの特徴や豆知識、育て方まで詳しく網羅しました。ノウゼンカズラが身近な存在になり、庭に取り入れたらどんな景色になりそうか、イメージが湧いてきたのではないでしょうか。 ローメンテナンスでビギナーでも育てやすいノウゼンカズラを取り入れて、夏の庭を華やかに彩ってみませんか?
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育て方

バラが開かない! 鉢から抜いて分かった原因と秋バラに向けて見直したいこと
つぼみはたくさんついたのに……一番花が開かない! 5月、春の開花シーズンを迎えた鉢植えのバラ‘シラノ・ドゥ・ベルジュラック’。枝先にはたくさんのつぼみが上がり、一見すると順調そのものでした。 ところが、待っても待ってもなかなかつぼみが開きません。ようやく開き始めた花も、本来の大きさにはならず、花弁は黒ずんでチリチリと縮れたような状態。最後まできれいに開ききれない花がいくつもありました。 本来は6〜8cmの中輪の花を咲かせるはずが、およそ半分ほどの小さな花に…。 バラのつぼみが開かない原因には、長雨や高湿度、窒素過多などによる「ボーリング」という症状、灰色かび病、アザミウマなどの害虫、肥料や水分の問題など、さまざまなものがあります。 この株も花だけを見れば原因を一つに絞ることはできません。しかし、栽培中に一つ気になっていたことがありました。水を与えても、鉢土になかなか染み込まずに、鉢縁からすぐに水があふれ出てしまうような状態だったのです。 鉢から抜いてみると、根鉢の中心がカチカチ 振り返ってみると、このバラは購入後、10号鉢に植え付けてから約3年間、一度も植え替えていませんでした。「10号鉢だから、まだ大丈夫だろう」と思っていましたが、一番花後に鉢から株を抜いてみると、想像していた以上に根鉢の状態が変わっていました。 鉢から抜いた根鉢を見ると、外側には白っぽい細根がたくさん確認できました。根鉢の表面近くまで細かな根が広がり、限られた鉢の中を根がかなり使っていることが分かります。そして、さらに気になったのが土の硬さです。根鉢の内部に棒を差し込もうとしてみると、土が硬く締まっていて簡単には入りません。水をかけてみても、中心部にはなかなか染み込んでいかず、外側へ流れてしまいます。 つまり、毎日きちんと水やりをしているつもりでも、根鉢全体に均一に水が行き渡っていなかった可能性があったのです。 つぼみを膨らませ、多くの花弁を展開させる開花期は、バラが多くの水分を必要とする時期でもあります。一番花の開花不良が根鉢の状態だけによるものだったとは断定できませんが、3年間植え替えていない鉢の中で根が広がり、古い用土が硬く締まり、水が浸透しにくくなっていたことは確かでした。そこで、一番花が終わったタイミングで植え替えることにしました。 カチカチになった根鉢。移植ゴテでは崩しにくい 植え替えでは、古い土を少しずつ落としながら根鉢をほぐしていきます。ところが、3年間植え替えていなかった根鉢は想像以上に硬く、移植ゴテのような幅のある道具を差し込もうとしても、なかなか入りません。力任せに差し込めば、根をまとめて傷つけてしまいそうです。 そこで使ってみたのが、浅野木工所の「真鍮 根カキ棒」。細身の棒を根の間から差し込み、固まった土に穴をあけるようにして少しずつほぐします。 実際に使ってみて便利だったのは、狙った場所へ細い棒を入れられること。根の位置を見ながら差す場所を変え、硬くなった部分を少しずつ崩していくことができました。 一見すると、とてもシンプルな1本の棒ですが、今回のような硬い根鉢を前にすると、移植ゴテとはまったく違う仕事をしてくれる道具だと実感しました。 古い土を落とし、新しい用土と大きな鉢へ 根をできるだけ傷めないよう注意しながら根鉢をほぐし、古い土を落としました。そして新しい用土を使い、10号鉢から12号鉢へサイズアップして植え替えました。鉢のサイズを上げることで、これから伸びる根のスペースが確保できるだけでなく、鉢土の容量も増えます。土の量が増えれば、暑い日の急激な乾燥も以前より起こりにくくなります。 植え付ける際には、根の間に大きな空洞を残さないよう、新しい土を行き渡らせることも大切です。ここでも根カキ棒を使い、根の隙間を軽くつつきながら土を入れていきました。最後に鉢底から流れ出るまでたっぷり水を与えます。今度は水が一部だけを流れるのではなく、新しく入れた土へすっと染み込んでいきました。 そして6月。二番花はまるで別のバラのように 植え替え後、株は再びつぼみを上げ、そして6月に二番花が開花しました。5月には小さく縮れ、最後まで開ききれなかった花が、今度は大きく開花。幾重にも重なる花弁がしっかり展開し、このバラ本来の豪華な花姿を見せてくれました。 二番花では、房状についたすべてのつぼみを咲かせず、つぼみを整理して咲かせたことも、花径が大きくなった一因と考えられます。また、5月と6月では気温や湿度などの環境条件も異なります。 それでも、植え替え前には水が染み込みにくかった鉢が、新しい用土への植え替え後にはスムーズに吸水するようになり、その後の花が正常に開いたことは、鉢の中の環境を見直す大切さを実感させる出来事でした。 鉢植えのバラ、植え替えの頻度は? オールドローズの‘ジャック・アミオ’。 鉢植えのバラは、一度植えれば何年もそのままでよいわけではありません。根は毎年成長し、鉢という限られた空間に広がっていきます。一方、用土も長く使い続けることで状態が変化します。ですから基本的には、1〜2年に1回、植え替えを行う必要があります。 上の写真のバラは7号鉢程度で育てて1年目の、返り咲き性のつるバラ‘ジャック・アミオ’。鉢から抜くと、わずか1年でも鉢底から側面まで白い根がびっしりと回っていました。バラの根の張り方は、品種や樹勢、鉢の大きさ、栽培環境によっても異なります。「まだ1年だから大丈夫」と年数だけで判断せず、水の染み込み方や乾き方、株の生育とともに鉢の状態を確認し、状態や鉢の大きさに応じて定期的な植え替えをする必要があります。 7号鉢で育てて1年。根が早くもびっしりに。 バラの根を整理し、古い土を落として新しい用土に植え直す本格的な植え替えは、一般にバラが休眠に向かう晩秋から冬が適期です。鉢をこれ以上大きくしたくない場合には、この時期に古い土や根の一部を整理して同じ鉢へ戻す方法もあります。 一方、生育期に株が大きくなり、どうしても鉢が小さくなった場合には、根鉢を大きく崩さずに一回り大きな鉢へ移す「鉢増し」という方法があります。 秋バラ前の鉢増しでも、根カキ棒が使える 鉢増しでは、根鉢をそのまま新しい鉢へ入れ、周囲に新しい用土を足します。ここでも問題になるのが、根鉢と鉢との間にできる細い隙間です。根鉢を崩したくないからこそ、移植ゴテを強く差し込むこともできません。 そこで根カキ棒を隙間へ差し、新しい用土を少しずつ下へ送り込みます。用土を入れ、棒で軽くなじませ、また用土を足すことを繰り返します。 本格的に古い土を落とし、根を整理する植え替えは、バラが休眠に向かう晩秋から冬に行います。秋バラを前にした今は、まず鉢の状態を確認し、必要なら株への負担が少ない鉢増しで対応。そして冬になったら、根と土の状態を改めて確認するのが安心です。 秋バラの前に「最後に植え替えたのはいつ?」を思い出そう 秋バラに向けた管理というと、夏剪定や追肥に意識が向きがちです。でも、鉢植えで育てているなら、もう一つ確認しておきたいことがあります。 「このバラ、最後に植え替えたのはいつだっただろう?」と思い返してみて、水やりの際には、与える量だけでなく、水がどのように土へ入っていくかも観察してみましょう。 水がなかなか染み込まない。土の表面にしばらく水が溜まる。一部を通ってすぐ鉢底へ流れてしまう。以前より鉢が乾きやすくなった。株の大きさに対して鉢が明らかに小さい——。 そんな気づきがあれば、鉢の中の環境が変わってきているサインかもしれません。ただし、秋バラをきれいに咲かせたいからといって、暑さの残る時期に鉢から株を抜き、根鉢を大きく崩す必要はありません。今はまず、鉢と株の状態を観察し、鉢増しだけにとどめ、冬の植え替えを忘れないよう予定しておくだけでも違います。 今回使った道具 浅野木工所「真鍮 根カキ棒」 今回、硬くなった根鉢をほぐす際に使用したのが、浅野木工所の「真鍮 根カキ棒」です。 植え替え時に根をほぐすためにつくられた真鍮製の園芸道具で、直径9.5mm、全長250mm。細身で長さがあるため、根鉢の奥にも差し込みやすい形状です。 今回の作業では、硬く締まった根鉢を少しずつほぐすほか、植え付け時に根の隙間へ新しい用土を行き渡らせる際にも使用しました。 移植ゴテのように土を大きく掘ったりすくったりする道具ではありませんが、根の間を探りながら細かな作業をしたいときに使いやすい一本です。 ガーデンストーリーウェブショップでガーデングッズ販売中! 今回ご紹介した「真鍮根カキ棒」のほかにも、ハンドフォーク・スコップなどの園芸ツールや庭を彩るガーデンオーナメント、英国伝統技法のテラコッタ鉢「ウィッチフォード・ポタリー」など、編集部がセレクトしたガーデニングアイテムを『ガーデンストーリーウェブショップ』で販売中です。ぜひチェックしてみてください。
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花と緑

「靫葛」ってどんな植物? 正解できたらすごい難読植物名漢字クイズ
密かに人気上昇中!「靫葛」ってどんな植物? Fumeezz/Shutterstock.com 実際に育てていても、漢字で表記されると案外分からない植物も多いもの。普段呼んでいるのとは違う名前があったり、意外な漢字表記があったり、植物の漢字も面白いものです。 そんな植物の漢字表記の中から、身近な植物に関するものをクイズで出題! 今回のお題は「靫葛」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか? ヒント ユニークな姿からコアなファンも多い、代表的な食虫植物。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ ウツボカズラ Benno Putro/Shutterstock.com ウツボカズラの基本データ 学名:Nepenthes科名:ウツボカズラ科属名:ウツボカズラ属原産地:東南アジアを中心とした熱帯地域和名:ウツボカズラ(靫葛、靫蔓)別名:ネペンテス英名:Nepenthes、tropical pitcher plants、monkey cupsなど開花期:6~7月花色:黄、黄緑、白、クリーム形態:つる性多年草草丈:0.5~15m 葉の先端に虫をとらえるための袋を持つ、ユニークな姿の食虫植物ウツボカズラ。ウツボカズラという名前は、ウツボカズラ属の植物全体、またはその1種であるNepenthes rafflesiana Jackを指します。低地から高地まで幅広い地域に生息し、世界で150種以上が知られていて、交配種も多数あります。 ウツボカズラの袋の中には消化液が入っていて、中に落ちてきた虫を消化して養分を吸収します。食虫植物の中では大型で、その独特のエキゾチックな姿や特徴的な性質からファンが多く、観賞用としても人気が上昇中の植物です。 Suekarsa Suchai/Shutterstock.com ウツボカズラの特徴は、なんといってもその壺のように見える捕虫袋(瓶子体)。これは葉が変形したもので、葉の中央を走る太い脈が長く伸び、その先端が膨らんで捕虫袋になります。ウツボカズラは“落とし穴式”の食虫植物で、袋の中に虫を落とし、底にたまった消化液で消化するという仕組みを持ちます。そのため、袋の入り口や内側は虫が足をかけられないようツルツルとしているのが特徴。蓋は雨よけの役割を果たすとともに、蓋の裏や袋の入り口には蜜腺があり、甘い蜜を出して虫を誘き寄せています。未熟な袋は蓋が締まっていますが、成熟すると蓋が開いて虫が捕まえられる状態になります。 ウツボカズラの捕虫袋は種類によりさまざまな形状があり、また高い場所につく袋(上位袋)と低い位置につく袋(下位袋)の形が大きく異なることもあります。 葉の先端からつながる捕虫袋。葉の脈が変化して袋になっています。Jee1999/Shutterstock.com ウツボカズラはつる性で樹木などに絡まって成長し、つるは長いもので15mにもなります。開花期は日本では主に6~7月で、十分に成長した株は、黄緑色やクリーム色などの小さく地味な花を穂状に咲かせます。雌雄異株で、雄花と雌花が別々の株に咲きます。 Jee1999/Shutterstock.com ウツボカズラには大きく分けて標高の低い土地に自生する「ローランド種(低地性種)」、標高の高い山岳地帯に自生する「ハイランド種(高地性種)」があります。また、自生地の標高や交配により、その中間的な特徴を持つものもあります。 ローランド種は暑さに強い反面、冬の寒さに弱いため冬越しに保温が必要。一方、ハイランド種は日本の夏の暑さに弱く管理が難しいため、あまり流通していません。一般に広く流通しているものは、日本の気候にも適応しやすく栽培しやすいローランド種や強健な交配種が中心となっています。 Santi P/Shutterstock.com 食虫植物というと、虫を与えなければいけないのかと考えてしまうかもしれませんが、普通の植物と同様に、水と光があれば十分に育ちます。 一般的にウツボカズラは温暖で日当たりのよい環境を好みます。ただし、強い直射日光を浴びると葉焼けすることがあるので、夏は遮光をするなど注意しましょう。高温多湿を好み、乾燥と低温が苦手です。冬越しの際は15℃以上を保つようにし、20℃を下回る頃から室内に取り込む準備をするとよいでしょう。 Suekarsa Suchai/Shutterstock.com 植え付けや植え替えは5~6月の気温の高い時期が適期。水苔のみか、鹿沼土など水はけのよい土に植え付けます。水苔で育てている場合は、毎年取り替えて植え直すとよいでしょう。水分を好みますが、過湿にすると根腐れすることがあるので注意が必要です。空中の湿度が高い環境を好み、霧吹きで株全体に水をかけると調子よく育ちます。湿度は50%以上をキープするとよいでしょう。4~10月の成長期には枝がよく伸びますが、枝が長く伸びると捕虫袋が付きにくく、また管理しにくくなるので、5月頃に下から5節くらい残して切り戻します。 Sergey Chirkov/Shutterstock.com 「靫葛」の由来とは? jessicahyde/Shutterstock.com ウツボカズラの漢字表記は「靫葛」または「靫蔓」。「靫(うつぼ)」は矢を入れて持ち運ぶための筒状の容器のこと、「葛・蔓(かずら)」はつる草のこと。ウツボカズラの捕虫袋をこの容器に見立て、つる性であることが由来となっています。 クイズ一覧はこちら!
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寄せ植え・花壇

8月下旬はまだ全部植え替えなくてOK! 晩夏から秋へ、玄関先を素敵に整える4つのコツ
この一枚に、晩夏から秋へつなぐヒントがいっぱい! まずは、冒頭の写真の武島さんの玄関まわりを少し離れたところから眺めてみましょう。玄関へ続くアプローチには、まだ元気に咲く夏の花。その奥には寄せ植えがあり、壁面やフェンスには秋の訪れを感じさせるリンドウのハンギングも加わっています。そして、写真の手前、花壇の縁をふんわりと彩っているピンクの花は、ペチュニア‘さくらさくら’です。 ここにある植物は、夏から育ててきた植物を生かしながら、手を入れるところには手を入れ、秋の気配を少しずつ加えて育てています。じつはこの一枚の中に、晩夏から秋へ庭をきれいにつなぐヒントがいくつも隠れています。1つずつ見ていきましょう。 コツ1 元気な夏の花は抜かない。まだまだ秋まで楽しめる 夏の間たっぷり花を咲かせた植物は、8月下旬になると枝が長く伸びたり、株姿が乱れたりすることがあります。 武島さんの庭で花壇の縁をやわらかなピンク色に彩っているペチュニア‘さくらさくら’も、夏から秋へつないで楽しめる花の一つ。株が元気なら、長く伸びた枝や花数が減った部分を軽く切り戻し、枯れ葉や傷んだ枝を取り除いて株姿を整えます。気温が落ち着いて新芽が伸びれば、秋に再び美しい見頃を迎えることが期待できます。 晩夏から初秋は秋雨や台風も増える時期。枝葉が混み合った株は風通しが悪くなりやすいため、不要な枝葉を整理しておくことは蒸れを防ぐうえでも役立ちます。ただし、厳しい暑さが続いているときや株が弱っている場合は、強い切り戻しは避けましょう。植物の状態を見ながら整えることが大切です。 切り戻した後は、活力剤や液肥を与えて生育をサポートしてあげましょう。 コツ2 秋らしさを「少しだけ」先取りする 夏の花を生かしながら季節感を変えたいなら、秋を感じさせる植物を一鉢だけ加えてみましょう。武島さんが選んだのは、リンドウ‘アシロブーケ アクア’。淡い青紫色の花がこんもりと咲く姿は、夏の鮮やかな花々とは少し違った、涼やかで落ち着いた雰囲気です。ここでは、いくつもの植物を組み合わせるのではなく、リンドウだけでハンギングを仕立てています。 一種類の植物でも、まとまりのあるボリュームで見せれば十分な存在感。複雑な寄せ植えをつくらなくても、季節の植物を一つ選ぶだけで取り入れられるアイデアです。 しかも玄関のように毎日目にする場所なら、その効果は大きなもの。夏の花々の中に青紫色のリンドウが加わるだけで、景色の中にひと足早く秋がやってきます。庭全体を変えなくても、一鉢から季節は変えられるのです。 スティック式のハンギングスタンドを使って、花壇の上部を華やかなハンギングバスケットで彩って。 こちらは庭に向かう扉の前の小さな花壇。白、淡いピンク、濃いピンクの花色を混ぜたニチニチソウのハンギングバスケットが華やかです。ニチニチソウは暑さに強く、長く花を楽しめる夏の草花。まだ株が元気なら、「秋になったから」という理由だけで抜いてしまう必要はありません。花がらや黄変した葉を取り除くだけでも、夏を越した植物はすっきりと見違えます。 ニチニチソウのハンギングバスケットの下には、ピンクベージュのセロシア(ケイトウ)でほんのり秋らしさをプラス。このセロシア ‘スマートルック ロマンティカ’は、夏の気温が高い時期は色が淡く、晩秋にかけて気温が低くなると色が濃く、葉色も赤味を帯びてシックな雰囲気になっていきます。夏から秋は、そんなふうに色変わりしていく植物たちの表情の変化も楽しめる季節です。 小さな花壇もハンギングをプラスするとこんなに華やか。 コツ3 花だけに頼らない。「葉」を主役にする 晩夏から初秋の玄関まわりで、もう一つ活用したいのがリーフ類です。武島さんの小さなコーナーでは、花をたくさん咲かせるのではなく、シダ類をはじめ、明るいグリーンや斑入りの葉、赤みを帯びた葉など、さまざまな観葉植物のリーフを組み合わせています。 花がなくても寂しく見えないのは、単に「緑を集めている」わけではないから。葉の色だけでなく、大きさ、形、質感、葉の向きや枝垂れ方まで異なる植物を重ねることで、花に負けないほど豊かな表情が生まれます。 長雨や台風などで花が傷みやすい季節にも、葉そのものを観賞する観葉植物を上手に取り入れると、景色を保ちやすくなります。 また、花が少なくなってくる季節ほど、リーフの存在感は大きくなります。夏から秋へ移る端境期こそ、葉を「脇役」ではなく「主役」として考えてみましょう。 玄関前で、ニチニチソウとともに強い存在感を放っているのが、大きなイモの葉のコロカシア‘ブラックマジック’。小さなニチニチソウの花に対して、まったくスケールの違う大きな葉を合わせることで、景色にメリハリが生まれています。さらに、高さのある葉が加わることで視線が上下に動き、限られた玄関前にも奥行きが感じられるようになります。 そしてもう一つ注目したいのが、鉢を一つずつ独立して考えていないこと。左右のハンギング、大きな葉の寄せ植え、そして背景となる玄関扉まで含めて眺めると、すべてが1つのコーディネートになっています。 「この鉢をどう植えるか」だけでなく、ちょっと視点を引いて「ここから見える景色をどうつくるか」。それが小さなスペースを豊かに見せるための大切な視点です。 コツ4 置く場所がなくなったら「壁」を庭にする 玄関周りのような小さなスペースでは、植物を増やしたくても、鉢を置ける場所には限界があります。そんなとき、武島さんが活用しているのが壁やフェンスなどの垂直面です。 ハンギングバスケットなら、床面積をほとんど使わずに植物を飾ることができます。しかも目線の高さに花や葉が加わることで、植物が足元だけに並んでいる場合とはまったく違う立体感が生まれます。 「何平方メートルあるか」という床の広さだけで考えず、上・中・下まで1つの空間として考えると、もう鉢を置くところがない」と思っていた場所にも、新しいガーデニングスペースが見つかります。 「狭いからできない」を、「ここにも飾れる」に変える 玄関前に1鉢。壁面に1つのハンギング。奥行きのない小さな花壇。家の脇に残った、ほんのわずかなスペース。武島さんの庭を見ていると、ガーデニングに必要なのは必ずしも広い庭ではないことに気づきます。むしろ、家のまわりにある小さな空間を見つけて、「ここなら何ができるだろう」と考える。その積み重ねが、家全体を花のある景色へと変えていきます。 ハンギングバスケットや寄せ植え、玄関まわり、奥行きのない花壇、壁面、つる植物——。武島由美子さんが長年培ってきた、限られたスペースを生かして花のある暮らしを楽しむアイデアは、今秋刊行予定の書籍でも豊富な実例とともに詳しくご紹介します。 広い庭がなくても、花のある暮らしは作れる。 この秋はまず、毎日通る玄関先を眺めて、「ここにも何かできるかな?」と考えるところから始めてみませんか。 購入者限定の動画レッスン付き! 初めてでも迷わず作れる『ハンギング&寄せ植え』バイブルが予約開始 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』 著者:ガーデンストーリー定価:2,200円(本体2,000円+税)発売:2026年10月5日半径:B5判 ページ数:160ページ発行:KADOKAWAISBN-10:4049027313ISBN-13:978-4049027310 Amazon特典「ハンギング設計シート」 作る前に花苗の種類や色、植える位置を整理できる「ハンギング設計シート」。バスケットの図に花の配置を書き込みながら、完成イメージを組み立てられます。必要な苗や資材を記入できる買い物リスト付きで、園芸店での苗選びから植え込みまでをサポート。自分だけのハンギング作りに役立つ、実用的な購入者限定特典です。 Rakuten特典「初めてでも作れるハンギング動画」 購入者限定の動画レッスンでは、ハンギングバスケット作りのポイントを実演します。花苗を選ぶときの見方や植え込む順番、全体を丸く美しく仕上げるコツなど、本の写真だけでは伝わりにくい手の動きや苗の扱い方を分かりやすく解説。難しそうに見えるハンギングバスケットを、初めての方にも気軽に楽しんでいただける特別レッスンです。 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』もくじ Chapter1 「小さな空間を華やかに彩るハンギング」 地面がなくても、花を咲かせられる「ハンギング」基礎知識ハンギングの魅魅力 ①〜⑤壁に、フェンスに、椅子の背に。飾り方いろいろハンギングバスケットの基本の作り方数種類を組み合わせて作るハンギング〈動画つき〉ハンギング作りに役立つツール Chapter2「ハンギングと寄せ植えを重ねて景色を作る」 地面がなくても、花景色を作れる「寄せ植え」武島さんの寄せ植えセオリー寄せ植えの作り方初心者でもうまくいくリースの寄せ植え Chapter3「小さな花壇を生かして景色をより立体的に」 奥行きのない花壇を立体的に見せる5つの工夫つるバラの誘引と剪定春夏秋冬の玄関の花風景 Chapter4「小さなコーナーも見違える季節のしつらえ」 春 小さな芽吹きを集めて夏 涼やかな花のコーナー秋 ハロウィンの演出冬 小さなクリスマスのしつらえ Chapter5「小さな工夫を重ねて広がる庭景色」 広い庭景色を作る6つの視点アーチと小径 / 小径と花壇 / 色や植栽で場面を分けるくつろぐ居場所を作る / 小径の先へ視線を導く日陰にも見せ場を作る / 端境期を彩る STORY いつも花のあるほうへ心を戻してSTYLE 動きやすくて、気分が上がるガーデンファッションTOOLS 機能的でおしゃれなガーデンツール Chapter6「覚えておきたい植物の基本の手入れ」 様子を見る / 掃除 / 花がら摘み / 水やり / 切り戻し / 植えどき・抜きどきハンギング・寄せ植えにおすすめの花図鑑91種WORKS 花のある暮らしを育てる場所 武島由美子さんと Anne’s Garden






















