スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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宿根草・多年草

オキザリスは丈夫で増えて育てやすい! 特徴と育て方を解説
オキザリスとは、どんな植物? 日本では雑草としておなじみのカタバミ(Oxalis corniculata)。 カタバミ科カタバミ属(Oxalis属)の植物の総称で、おもに熱帯アメリカや南アフリカ原産の球根性の種類が園芸的に流通しています。 日本では、耕地や道端に生える山里植物として知られるカタバミ(Oxalis corniculata)が全土に分布しています。匍匐性の茎は、よく分枝して広がり、花後につく蒴果(さくか)は成熟するとはじけて勢いよく種子を飛ばします。発芽も早いため、繁殖力は極めて旺盛。「駆除しにくい雑草」として扱われますが、この繁殖力にあやかって、特徴的な葉の形が家紋のモチーフになるなど、日本人にとっては親しみのある植物の一つです。 「片喰紋(かたばみもん)」は、日本10大家紋の一つ。武家好みの「丸に剣片喰」など、派生形が120種類ほどあります。 属名はギリシャ語で「酸い」を意味するオクシス(oxys)に由来。葉や茎にシュウ酸を含み、噛むと酸味を感じるためです。前出のカタバミにも、「鏡草(鏡を磨いたことから)」「スイモノグサ」「ショッパグサ」といった別名があります。 シュウ酸を含むカタバミの葉でこすると、黒ずんだ10円玉がピカピカに。お子さんと一緒にやってみては? オキザリスの花言葉は? オキザリスにはいくつかの花言葉があります。 まずは、「輝く心」。古代に、シュウ酸を含む葉や茎で金属の鏡や神具を磨いていたことに由来します。復活祭の時期に咲くことから、スペインやフランスなどではカタバミのことを「ハレルヤ」(キリスト教で「主をほめたたえよ」の意味)と呼ぶことも。そこから「喜び」「母の優しさ」という花言葉が派生したようです。一方で、丈夫で庭に植えるとどんどん増える生命力の強さから「決してあなたを捨てません」という花言葉もあります。 花色も姿もバラエティー豊富で、集めたくなる! 左/Oxalis variabilis ‘Sun-Luck’ 右/Oxalis adenophylla 南アフリカや南中米を中心に、世界中に800種類以上が分布しているオキザリスの仲間。多くは宿根草ですが、それらの形状は、草本、ロゼット状になるもの、地中に球根をつくるもの、木質化するもの、多肉植物に近いものなどさまざまです。花色も、桃、黄、橙、紫、白と豊富で、日の光を浴び咲き揃う姿はとても華やか。特徴的な筒状の花は、日が陰ると閉じてしまいますが、くるくると傘を畳むように回旋した姿もご愛敬。葉はハート形の3つ葉が一般的ですが、細葉や卵形、短い毛が生えていたり、多肉質だったりとじつに多様で、コレクター心がくすぐられます。 ここでは、栽培品種として流通しているものを中心にご紹介します。 ハナカタバミOxalis bowiei 長い花茎に大きなピンク色の花が特徴的なハナカタバミは、南アフリカのケープ地方原産。江戸時代末に観賞用に輸入され、庭植え用に広く普及しています。寒冷地以外は路地植えで越冬するため、河原などで野生化したものも見かけます。 ミヤマカタバミOxalis griffithii 低山帯の林床に生えるため、湿り気のある、半日陰の環境を好みます。本州の東北南部から中国、四国地方まで広く分布。白もしくは淡いピンクの花弁に赤紫の条が入った花を、花茎の先に一輪ずつつけます。 イモカタバミOxalis articulate 南アメリカの標高の高いエリアを中心に広域で分布。日本には第二次世界大戦後に観賞用として持ち込まれて以降、全国に帰化しています。花色は紫桃色からピンク、淡いピンク、白など。ムラサキカタバミと似ていますが、イモカタバミはイモのような塊茎で増えます。 オキザリス・バーシカラーOxalis versicolor 南アフリカのケープ地方原産。裏側に赤~濃ピンク色の縁取りが入る覆輪の白花が特徴。つぼみや、花が閉じた状態のときに、紅白の縞模様が現れる姿が、理容室の看板やクリスマスツリーに飾られるキャンディを連想させます。 ‘桃の輝き’Oxalis glabra‘Momono-Kagayaki’ O.glabraの園芸品種。秋から冬にかけて、中心部が黄色の桃花を咲かせます。春に地上部が枯れて、夏場は休眠、秋に再び芽を出します。丈夫で寒さにも強く、地下茎が伸びて爆発的に増えるので鉢植えがおすすめ。 ‘スプリング・チャーム’Oxalis comosa ‘Spring Charm’ O. comosaの園芸品種でピンク、オレンジ、黄などいろいろな花色があります。早春から花をつけ、大輪の多花性なので開花期はとても華やか。 オキザリス・トライアングラリスOxalis triangularis 南アメリカ原産。濃い紫色で大きな三角形の葉が特徴。別名「紫の舞」。春から秋にかけて、淡いピンク色の花をつけます。 オキザリス・プルプレア(フヨウカタバミ)Oxalis purpurea 南アフリカ原産。明治時代中頃に観賞用として導入され、日本各地に逸出しています。花は直径4cmほどでカタバミ属の中ではやや大輪。紫紅色、ピンク、白、藤色、紫色、黄色など花色も豊富。 うまく組み合わせれば一年中楽しむことができる オキザリスは多くの種類が出回っているため、それぞれの開花時期は異なります。春夏秋冬それぞれに咲くものがあるほか、長い期間楽しめる四季咲き種もあり、上手に集めると一年中楽しむことができます。 栽培環境 それなりに合う環境であれば、むしろ“増えすぎて困るほど”に生育旺盛なオキザリス。乾燥に強く、日当たりと水はけのよい環境を好みます。とくに夏場に休眠する種類の場合、過湿や多肥は、球根が腐りやすくなる要因に。多くは耐寒性もあり、寒冷地でなければ屋外で越冬が可能です。日当たりが悪い環境では、花つきが悪くなりますが、夏の直射日光や西日は嫌うので配慮を。夜間や曇天時には花を閉じてしまいますが、機嫌を損ねたようにくるくるとすぼんだ様子も可愛いものです。 用土 オキザリスが好むのは、水はけのよい土。基本的には丈夫で繁殖力が旺盛なものが多いので、地植えの場合はあまり気にしなくても OK。水はけが悪い場所ならば、植え付ける前に腐葉土や堆肥、赤玉土などを混ぜ込んで耕しておくとよいでしょう。 鉢植えにするならば、赤玉土7に腐葉土3程度を混ぜた土か、市販の草花用培養土を使うこともできます。山野草として扱われるものは、鹿沼土や山砂などを加えるとよいでしょう。 植え付け方法 オキザリスは苗か球根で入手します。花がついた状態で鉢に植えられているものは1~2シーズン程度そのまま栽培してもOK。ポット苗は庭植えや1回り大きめの鉢に植え付けを。プランターなど大きめの鉢に複数の株を植えるときは、成長後のスペースを考えて、20cm以上株間をとるようにしましょう。 オキザリスの球根は、春植えのものと秋植えのものがあり、春植えなら3~4月、秋植えなら8~9月が植え付けの適期です。1年目はあまりボリュームが出ず花数も少ないので、地植えよりは鉢やポットで養生するのをおすすめします。間隔を2~4cm程度とり、深さは1~2cmで植えるようにしましょう。4号鉢なら小球で2~3球、大きい球根なら1球のみで植えます。 水やり・肥料 過湿になると球根が腐りやすくなるため、水やりは用土が完全に乾いてから。表面の土が乾いてから1、2日経ったタイミングがよいでしょう。与えるときは鉢底から余分な水が出るくらいに、たっぷりと。休眠期のある種は、茎葉が枯れて地上部が完全になくなった後は水を与えません。春植え球根は冬に休眠、秋植え球根は夏に休眠します。 肥料はあまり必要とせず、多肥になると根腐れを起こし成長が悪くなることも。植え付けのときに緩効性肥料を施しておく程度で十分です。 病害虫 病害虫の心配もほとんどありませんが、高温時には葉の裏にダニがつくことも。防除するには、葉の裏に水をかけるように。増えてしまったときには殺ダニ剤を散布します。鉢植えでは、地下部にネコナカイガラムシがつきやすいので、オルトランDXなどの粒剤をまいておくとよいでしょう。 増やし方 オキザリスの球根は自然に分球して増えるため、鉢植えの場合、窮屈になり地上部の生育が悪くなることも。2~3年に1度は、植え替えを兼ねて、株分けをしてあげましょう。球根の状態で保管するなら、休眠期に入ってから掘り上げ、土を落として、ネットなどに入れて風通しのよい冷暗所に吊しておきます。 さまざまな種類のオキザリスを楽しもう! 太陽の光を浴びてご機嫌な様子で開くパラソル形の花が可愛らしいオキザリス。カラーリーフが楽しめる品種もあり、花壇や鉢植えはもちろん、寄せ植えに使ってもアレンジの幅が広がるはず。丈夫で手間いらずのものが多いので、花色や草姿、性質の違いなどを楽しみながら、いろいろ育ててみてはいかがでしょうか。 Photo/ 1) ry0_803 2) Iva Villi 3) aryunet 5) Sunwand24 6) Teresa Design Room 7) Wiert nieuman 8) R. Maximiliane 9) Iva Villi 10) KPG Payless2 13) Fenlin 14) Teresa Design Room 15) RukiMedia 16) ChetnaC 17) Jacomo 18) Khaled El-Ashra 19) RYBAK NADEZHDA 20) Carlos Huang 21) Wattlebird 22) Molly Shannon /Shutterstock.com
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一・二年草

ヤグルマギクの魅力と育て方 切り花やドライフラワーにおすすめ!
ヤグルマギクとは ADELART/Shutterstock.com ヤグルマギクは、キク科ヤグルマギク属の一年草。原産地は地中海沿岸で、寒さには強いほうですが、日本の高温多湿の気候は苦手です。草丈は30〜100cmほどで、ガーデニングでは花壇の中段〜後段に向く素材です。 ヤグルマギクのライフサイクルは、以下の通りです(暖地基準)。秋にタネを播いて育苗し、晩秋に定植して冬越しさせます。翌春の生育期に入ると、ぐんぐん伸びて茎葉を広げ、4〜5月に開花。夏の暑さは乗り切れずに枯死してしまうので、比較的ライフサイクルの短い植物といえます。栽培は容易で、こぼれダネで増えるほど強健なので、ビギナーにも育てやすい草花の一つです。 ヤグルマギクは、もともとヨーロッパで麦畑などに現れる雑草として扱われていましたが、花が美しいので園芸用に品種改良され、観賞用として愛されるようになり、今ではドイツやフランス、エストニアなどの国花にもなっています。日本へは明治の中頃に伝えられました。徐々に普及し、ガーデニングの素材としても、切り花としても流通しています。 名前の由来 Zabed Alam/Shutterstock.com ヤグルマギクは、花弁の先端に切れ込みが入る小さな花を中央から放射状に咲かせます。その花姿が、風を受けてクルクル回る「矢車」に似ているところから名づけられたものです。 西洋で「コーンフラワー」と呼ばれるのは、かつてはトウモロコシ畑や小麦畑に出没して繁茂し、収穫量を少なくしてしまう雑草だったから。 ヤグルマギクの学名はCentaurea Cyanus(セントーレア・サイアナス)。Centaureaはギリシャ神話に登場する半人半馬のケンタウロス、Cyanasは青色という意味です。これは、ケンタウロス族のケイローンが負傷した際に、ヤグルマギクを使って傷を治癒したことにちなんでいます。ちなみに、近年は学名からセントーレアと呼ばれることも多くなっています。 どんな花を咲かせる? Scisetti Alfio/Shutterstock.com ヤグルマギクの開花期は4〜5月で、花茎を立ち上げた頂部に直径4〜5cmの花を咲かせます。実際は、小さな筒状花が中心から外に向かってたくさん放射状に咲いて一輪に見えるもので、これを「頭花」といいます。中心には花弁の目立たない小さな花があり、多数のおしべをつけるのが特徴です。 花色は、青、紫、ピンク、白、黒赤、複色など。品種によって色幅にバリエーションがあります。また、楚々とした一重咲きと、豪華な八重咲きがあります。 ヤグルマギクの花言葉 Vitalii M/Shutterstock.com ヤグルマギクの花言葉は、「繊細」「優美」「教育」「信頼」などで、「繊細」「優美」は、薄い花弁を何枚も重ねる花姿をイメージしたもの。ドイツでは「希望をあきらめない」という花言葉もあります。これは、ナポレオンがプロシア(現ドイツ)に侵攻した際の逸話から。王子たちとともに麦畑に逃げ込んだ王妃が、不安そうにしている王子たちにヤグルマギクを摘んで冠を作り、王族としての覚悟や誇りある振る舞いを諭し、希望をあきらめないことを伝えたというものです。「教育」や「信頼」という花言葉も、この逸話から生まれました。また、「独身生活」という花言葉もあります。これは、イギリスの独身男性はヤグルマギクを胸にさす習慣があり、「婚活中」であることをさりげなく示していたことにちなむものです。 ヤグルマギクの品種 Edita Medeina/Shutterstock.com シルバーがかった葉色を持ち、シックな黒赤の花を咲かせる‘ブラックボール’は、人気の高い品種です。また、‘ファイヤーワークス’は、ややコンパクトにまとまり、カラフルな花色が魅力。‘フロステッドクイーン’は、放射状に咲く白い小花の中央がピンクまたはブルーになり、大変目を引きます。 さまざまな用途がある! Kaichankava Larysa/Shutterstock.com ヤグルマギクはドライフラワーに加工しやすい草花です。たくさん咲いたら風通しのよい場所に吊り下げておくと、簡単にドライフラワーになります。退色も少なく、リースやスワッグ、アレンジメントなどに長く利用できますよ! また、収れん作用や消炎作用に優れ、咳止めに効くハーブとして、古代エジプト時代から魔除けや薬用に利用されてきた歴史があります。現在でもハーブティー用に販売されていますが、香りや味は弱いので、紅茶とブレンドして飲まれることが多いようです。 ヤグルマギクの育て方 ここまで、ヤグルマギクのプロフィールや魅力、花言葉や名前の由来、品種など、多岐にわたってご紹介してきました。そろそろヤグルマギクに親近感が芽生えてきたのではないでしょうか。ここからは、ガーデニングの実践編としてヤグルマギクの育て方にスポットを当て、詳しく解説していきます。 栽培環境 Marina Demidiuk/Shutterstock.com ヤグルマギクは日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所と花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりします。 寒さには比較的強いほうで、暖地なら地植えして越冬できますが、寒風が吹きつけない場所が望ましいでしょう。日当たりのよい室内の暖かい場所で越冬させるより、ある程度寒さにあわせたほうが丈夫な株になり、越年して春を迎えてからの生育が旺盛になります。寒さが厳しい地域では、春まで待ってからタネを播くか、苗を植え付けるほうが無難です。 夏の高温多湿の気候には弱いので、暖地では夏越しできず、夏前にライフサイクルを終えて枯死してしまいます。ただし、寒冷地では越年して毎年開花することもあるようです。また、品種によっても耐暑性に差があります。 ヤグルマギクは、酸性に傾いた土壌を嫌うので、苦土石灰をまいて土壌改良しておくとよいでしょう。 土作り Monkey Business Images/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に、酸性土壌を改善するために苦土石灰をまき、さらに腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておきましょう。土壌改良資材や肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用に配合された培養土を利用すると便利です。 植え付け 秋に種まきして育苗した場合、植え付けの適期は温暖地で10〜11月頃です。フラワーショップで苗を購入してスタートする場合は、春先まで苗が出回っているので、手に入り次第植え付けます。 【地植え】 土作りをしておいた場所に、根を傷めないようにポットから苗を出し、植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、約30cmの間隔を取りましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 鉢の大きさは、入手した苗の2回りほど大きいものを準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。ヤグルマギクの苗を鉢に仮置きして高さを決めてから、根を傷めないようにポットから出して植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 水やり Zoom Team/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために、茎葉株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。 【地植え】 根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理しますが、多湿を嫌う性質なので、水の与えすぎに注意します。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイントです。 肥料 Vitalii Stock/Shutterstock.com 【地植え】 あまり多肥を好まないため、植え付け時に十分な土づくりをしていれば、肥料は不要です。逆に与えすぎると徒長して倒れやすくなり、病害虫も発生しやすくなります。 【鉢植え】 晩秋〜冬に植え付けた場合は、生育が盛んになる少し前の3月上旬頃に、緩効性化成肥料を施すとよいでしょう。春に植え付けた場合は、元肥を施してあれば十分です。ただし、生育が悪いようなら速効性のある液肥を与えて様子を見ましょう。 花がら摘み Tohuwabohu1976/Shutterstock.com 開花期間が長いので、終わった花があれば早めに花茎の元から切り取りましょう。株周りを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなるので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして長く咲き続けてくれます。 病害虫 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 ヤグルマギクは、うどんこ病や立ち枯れ病が発生しやすい傾向にあります。 うどんこ病は、多湿で風通しが悪い環境で発生しやすくなります。葉の表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。発症したら病気の葉を摘み取って処分し、適応の殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 立ち枯れ病は土壌から感染しやすく、連作障害によって発生しやすい病気です。根や地際の茎から発症しやすく、黄色く枯れ込んできて、放置すると茎葉全体が茶色く変色し、やがて立ち枯れてしまいます。連作を避ければ回避できるので、前年にキク科の植物を植えていない場所で育てるようにしましょう。 【害虫】 ヤグルマギクに発生しやすい害虫は、アブラムシやヨトウムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁します。株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなり、見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじき落としたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、夜に活動して葉を食い荒らします。食欲旺盛で、一晩のうちに丸裸にされてしまうことも。葉の裏に卵を産み付けるので、孵化直後のうちに退治するのがポイントです。または、植え付け時に土に混ぜ込むタイプの殺虫粒剤を使っても防除できます。 増やし方 ヤグルマギクは一年草として扱われているので、増やし方は種まき一択です。 容易に種まきして栽培でき、しかも「採りまき」ができます。「採りまき」とは、花が終わった後に花がらを摘まずにそのままにしておき、実ったタネを採取し、翌シーズンに種まきすることです。タネを採取したら密閉袋に入れて保存しておき、適期に播けば、毎年開花を楽しめるので、コストパフォーマンスが高い草花だといえますね。 ヤグルマギクの発芽適温は15〜20℃です。種まきの適期は、温暖な地域では9月下旬〜10月頃。寒い地域では、4〜5月頃にタネを播いて、6月下旬〜8月頃に開花させるとよいでしょう。 ヤグルマギクは種まき用のセルトレイを準備し、市販の草花用培養土を入れて、タネを1〜2粒ずつ播きます。タネが隠れる程度に土をかぶせ、たっぷりと水やりをしましょう。発芽までは新聞紙などをかぶせておき、乾燥させないようにします。発芽したら日当たり、風通しのよい場所に置き、多湿にならないように水の管理をしましょう。本葉が2〜3枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに草花用培養土を入れて、苗を周りの土ごと抜き取って植え付けましょう。根を傷めないように、丁寧に取り扱うことがポイントです。日当たりのよい場所に置き、多湿にならないように、表土が乾いたら水やりして育成します。7〜10日に1度を目安に、液肥を与えて生育を促しましょう。本葉が8枚くらいまで出揃ったら、植えたい場所に定植します。 ヤグルマギクの花を楽しもう! frantcuzova svetlana/Shutterstock.com この記事では、ヤグルマギクの魅力や育て方など、幅広くご紹介してきました。主役にも脇役にもなるヤグルマギクは、春の花壇で大活躍する草花です。次から次に花を咲かせるので、切り花やドライフラワーなどに利用するのもおすすめ。利用の幅が広いヤグルマギクを、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
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おすすめ植物(その他)

春を知らせる花を探そう! 3月に咲く人気の花20選
スミレスミレ科多年草/主な花色:紫・ピンク・白/開花期:3~5月 ikwc_exps/Shutterstock.com 春になると、愛らしい紫色の小さな花を咲かせるスミレ。毎年スミレを見るのを春の楽しみにしているという人も多いことでしょう。日本では北海道から沖縄まで自生し、その地域でしか見られない変種などもあり、海、山、街と、じつにさまざまな場所で見ることができます。アスファルトの割れ目からたくましく顔をのぞかせていることも。種子を飛ばして移動していくので、大切な品種は採種しておくと安心です。水はけのよい中性の土を好みます。軽石などを混ぜ込んだり、通気性のよい鉢を選ぶなどして水はけよく育てましょう。スミレの花言葉は「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」などです。 ●野山や家々の庭を彩る春の可憐な使者! スミレの特徴や種類、育て方、意外な一面をご紹介 スイセンヒガンバナ科多年草/主な花色:白・黄・オレンジ・複色/開花期:11月中旬〜4月 写真/前田満見 早春にラッパのような形の花を咲かせ、庭を明るく彩ってくれるスイセン。一度植え付ければ毎年開花してくれる息の長い球根植物で、濃厚な香りも楽しめます。品種によって開花期が異なり、早咲きのものは11月中旬から、ラッパズイセンなどは3~4月に開花します。球根の植え付けの適期は10〜11月です。花後は葉が枯れるまでそのままにしておき、球根を太らせましょう。スイセンの花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」などです。 ●スイセンの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します チューリップユリ科多年草/主な花色:赤・ピンク・白・黄・オレンジ・紫・黒・緑・複色/開花期:3月~5月上旬 Olena Z/Shutterstock.com 春のガーデンを彩る代表的な花、チューリップ。八重咲きやユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなどさまざまな花形があり、花色も豊富で、子どもから大人まで年代を問わず広く愛されています。最近では植えっぱなしで咲く原種系のチューリップも人気があります。ガーデニング初心者にも育てやすく、地植えでも鉢植えでも育てられます。球根の植え付け適期は秋、10~11月。紅葉を目安にするとよいでしょう。1月中頃から芽出し球根も出回ります。植えっぱなしで翌年も咲きますが、園芸品種の場合は花がきれいに咲かないことも多いので、確実に咲かせたい場合は、毎年植え替えるとよいでしょう。チューリップの花言葉は「思いやり」です。 ●チューリップの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します ムスカリキジカクシ科多年草/主な花色:青・紫・白・黄・ピンク/開花期:3月~5月中旬 svetlanabalyn/Shutterstock.com ムスカリは代表的な球根花の一つで、「グレープヒヤシンス」という英名の通り、ブドウの実のように鈴なりに壺状の花を咲かせます。ブルー系の花はチューリップなど春の花と相性がよく、花壇の縁取りや春花壇の名脇役として欠かせない存在。丈夫で育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめ。日当たり・水はけのよい場所を選べば、植えっぱなしで毎年可愛い花が楽しめます。定番の紫のほかに、白やピンク、ブルーのグラデーションなどの花色もあります。早めに球根を植えると葉が長く成長してしまうので、11月上旬~中旬に植え付けるとよいでしょう。ムスカリの花言葉は「失望」「失意」などです。 ●ムスカリの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します パンジー&ビオラスミレ科一年草/主な花色:赤・ピンク・オレンジ・黄・白・紫・複色 /開花期:10月下旬~5月中旬 冬の花壇や寄せ植えの定番のパンジー&ビオラですが、暖かな春になるとより生育が盛んになり、こんもりと茂って次々に花が咲いてきます。非常に種類が豊富で、また可愛らしい新品種が登場するので、毎年育てていても飽きることなく楽しめます。一年草ですが、丈夫で育てやすく、晩秋から初夏までたっぷり楽しめてコストパフォーマンスも高い植物。長く楽しむために、こまめに花がらを摘み、必要に応じて追肥をするとよいでしょう。摘心すると、よりこんもりと花数多く楽しめます。パンジーの花言葉は「もの思い」「私を思って」などです。 ●パンジー・ビオラの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します コブシモクレン科高木/主な花色:白/開花期:3~4月 Irina Borsuchenko/Shutterstock.com 春先に花付きよく純白の花を咲かせるコブシは、春の訪れを知らせてくれる里山の花木です。昔から日本で自生してきた植物で、暑さや寒さに強く、放任してもよく育ちます。同じ頃に花を咲かせるハクモクレンと似ていますが、肉厚で上を向いて咲くハクモクレンに対し、コブシは花びらが大きく開いてバラバラの方向を向き、また花の付け根に1枚だけ葉が出るのが特徴です。植え付けの適期は1月〜3月上旬で、剪定の適期は開花後の4月下旬。大きくなるので、鉢植えではなく地植えで育てるのがおすすめです。コブシの花言葉は「希望」「慰め」などです。 マグノリアモクレン科高木/主な花色:白・赤紫・ピンク・黄・複色/開花期:3~4月 Ulrike Adam/Shutterstock.com マグノリアはモクレン属の園芸品種の総称で、白やピンクなど柔らかな色合いのボリュームのある美しい花を一面に咲かせ、春を彩ってくれる花木です。基本的に大きく育つので、小スペースでの栽培なら、小型の園芸品種、ガールマグノリアの系統がおすすめ。それ以外のものは基本的に大きくなるので、スペースを十分にとって育てましょう。大木に育てれば、庭の主役としても存在感たっぷりです。しっかり寒さに当てないと花が咲かないことがあります。マグノリアの花言葉は「自然への愛」「持続性」「華麗」「壮大」などです。 ●春を告げる純白の花! 憧れのハクモクレン(マグノリア・デヌダータ)の特徴を知って育ててみよう ミモザ(ギンヨウアカシア)マメ科高木/主な花色:黄/開花期:3月~4月上旬 写真/遠藤昭 フワフワした黄色いポンポン状の花がたわわに咲き、切り花やリース、スワッグ、ドライフラワーとしても人気のミモザ。銀灰色の葉色も美しく、観賞価値の高い花木です。成長が早く、大きく育ちますが、幹は太くなっても柔らかく、茂りすぎると重みや風で大きく曲がることもあるので、適宜剪定をしてコンパクトに保ちましょう。花芽は7月頃には作られるので、剪定は花の直後に行います。日本ではあまり長寿ではなく、夏に突然枯れてしまうこともあるので注意します。ミモザの花言葉は「秘密の恋」「感受性」「思いやり」などです。 ●【ミモザ】庭に春を呼ぶ!育てやすい種類と挿し木・タネ播き・育て方 ユキヤナギバラ科低木/主な花色:白・ピンク/開花期:2~4月 Optimarc/Shutterstock.com 真っ白な花を枝垂れた枝一面に咲かせ、まるで雪が降り積もったかのような美しい姿が人気のユキヤナギ。剪定や管理がしやすく育てやすいので、花壇や公園など、街中で見かけることも多い花です。開花期間が2~3週間ほどと比較的長く、さまざまな春の花とのコラボレーションを楽しめます。純白の花のイメージがありますが、最近では花弁の外側がピンクの園芸品種も登場しています。秋に花芽ができるので、花後に剪定を。地際から刈り込んでも、よく枝が伸びて翌年も花が咲くので、数年に1度地際から刈り込んで剪定するとよいでしょう。ユキヤナギの花言葉は「愛らしさ」「気まま」「殊勝」などです。 ●【無数の白花】ユキヤナギを庭木に! 上手な育て方と剪定のコツ レンギョウモクセイ科低木/主な花色:黄/開花期:3月中旬~4月中旬 Cristina Ionescu/Shutterstock.com 輝くような黄色の小花をいっぱいに咲かせるレンギョウは、春に鮮やかな景色を見せてくれる花木です。丈夫な性質で刈り込みにも耐え、暑さ寒さに強く、日本の気候によく馴染んで旺盛に生育することから、道路や公園などの公共空間、生け垣、盆栽としても利用されます。地際から直接枝を立ち上げて、放射状に伸ばす株立ちになり、自由で繊細な枝姿も魅力です。日当たり・風通しのよい場所で育て、西日が強く当たる場所は避けましょう。レンギョウの花言葉は「期待」「希望」「集中力」などです。 ●鉢植え・庭木どちらでも楽しめる「レンギョウ」の育て方や剪定のコツを解説 ラナンキュラスキンポウゲ科多年草/主な花色:黄・白・赤・ピンク・紫・緑・オレンジ・複色/開花期:3~5月 Nnattalli/Shutterstock.com 薄い花弁が幾重にも重なるゴージャスな姿が人気のラナンキュラスは、春を彩る花々の中でも主役級の球根花。近年は、花びらの光沢が美しいラックスシリーズなど、個性あふれる品種が次々と生み出され、選ぶ楽しみも増えています。球根から育てる場合、植え付け適期は10月頃。そのまま植えると急激に吸水して球根が腐ることがあるので、植え付け前に軽く湿らせたバーミキュライトに球根を埋め、冷蔵庫で1週間程度保管するなど、吸水処理を行っておくとよいでしょう。春先に出回る苗を購入しても育てられます。多湿が苦手なので、日当たりや風通し、水はけのよい環境で育てましょう。ラナンキュラスの花言葉は「とても魅力的」「晴れやかな魅力」「光輝を放つ」などです。 ●ラナンキュラスの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します ストックアブラナ科一年草/主な花色:白・ピンク・赤紫・青紫・黄/開花期:11〜5月 Yui Yuize/Shutterstock.com 茎を立ち上げてふんわりとしたカラフルな花を咲かせ、甘い香りも楽しめるストック。切り花としても人気の高い花です。11月頃から少しずつ咲きますが、最盛期を迎えるのは3~5月。暑さや蒸れに弱く、日本では基本的に一年草として扱われます。種まきからでも育てられ、温暖な地域では8月下旬〜9月上旬、寒地では4月頃が種まきの適期です。移植を嫌うので、定植の際は根をいじらないよう注意しましょう。ストックの花言葉は「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」などです。 ●色とりどりで楽しいストック! 庭に植えて楽しむためのポイントは? 菜の花アブラナ科一年草/主な花色:黄/開花期:3~4月 masa44/shutterstock.com 菜の花はアブラナ科アブラナ属の植物の総称で、春に黄色の花を咲かせます。日本では各地に菜の花畑があり、カーペットのように一面を黄色に染める景色は見応え十分で、観光地にもなっています。菜の花は品種により食用や観賞用、菜種油用に利用され、菜花(なばな)とも呼ばれる食用のものは、若い茎やつぼみをおひたしなどにして春の味覚として味わえます。こぼれ種で増えていくほど生命力が強く、寒さにも強いので、とても育てやすい植物です。菜の花の花言葉は「快活」「豊かさ」「明るさ」などです。 カタクリユリ科多年草/主な花色:紫・白・ピンク・黄/開花期:3月下旬~4月 backpacking/Shutterstock.com くるりと反り返った透き通るようなピンクの花を咲かせるカタクリ。「春の妖精=スプリング・エフェメラル」とも呼ばれるカタクリは、春の落葉樹林で花開き、初夏には休眠に入って地上から姿を隠してしまう儚い存在です。また自生のカタクリは、絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。ガーデニングでは、より丈夫で育てやすい、アメリカやヨーロッパを原産とする品種がよく使われています。カタクリの植え付け時期は休眠中の根が出る前。7~10月に植え付け、適度に木漏れ日が当たる落葉樹の下などで育てるとよいでしょう。また、地上部がある間は乾燥に注意します。カタクリの花言葉は「初恋」「寂しさに耐える」などです。 ●春の妖精 スプリング・エフェメラル「カタクリ」を咲かせよう シラーキジカクシ科多年草/主な花色:白・ピンク・青・紫・複色/開花期:3月~6月上旬 PHOTOARTDESIGN/Shutterstock.com シラーは春を彩る小球根の一つで、涼しげな色合いの星形や釣鐘形の小さな花を咲かせます。さまざまな種類がありますが、多くが植えっぱなしでも毎年咲くので、ガーデニング初心者にもおすすめ。ややアルカリ性の土壌を好むので、植え付け前に苦土石灰などをまくとよいでしょう。日当たりと水はけのよい場所で育てますが、夏場は休眠するので日に当てる必要はなく、また暑さに弱い種類もあるので、涼しいところで管理しましょう。シラーの花言葉は「寂しさ」「哀れ」「多感な心」「変わらない愛」などです。 ●ナチュラル or オーナメンタル、どちらの植栽にも似合う! 秋植え球根「シラーの仲間」10選【乙庭Styleの植物39】 ジンチョウゲジンチョウゲ科低木/主な花色:白(外側は赤紫)/開花期:2月下旬~4月中旬 janken/Shutterstock.com 三大香木の一つとされ、春に芳しい香りを放つジンチョウゲ。紅紫色のつぼみから白い花を咲かせます。その上品な香りから庭木として人気があり、道端に植えられている風景を見かけることもよくあります。常緑で半日陰でも育ち、コンパクトにまとまる姿など、花以外にも魅力の多い庭木です。植え付け時期は3月下旬~4月と、9月下旬~10月。移植を嫌うので、植える前に場所をよく検討しましょう。根を深く張らないため、水切れには注意が必要です。ジンチョウゲの花言葉は「野生」「元気」「内縁の妻」などです。 ●春を告げる上品な香りの花木 ジンチョウゲ ハナニラ(イフェイオン)ネギ科多年草/主な花色:白・ピンク・青紫・黄/主な開花期:3~4月 scott mirror/Shutterstock.com 春に可愛らしい星形の花を咲かせるハナニラは、その名の通り、葉などにニラのような香りがあります。秋に花冠状の白花を咲かせる「花ニラ」とは、近縁種ですが別種。分球やこぼれ種で増えて野生化するほど生命力旺盛で、植えっぱなしでも毎年開花し、道端や花壇などでもよく目にする球根植物です。球根の植え付け適期は10〜11月。春の開花が終わったら花首で切り取りましょう。大株に育って込み合ってきたら9月頃に掘り上げて分球し、植え直します。ハナニラの花言葉は「悲しい別れ」「耐える愛」などです。 ハナカンザシ(ローダンセ)キク科多年草/主な花色:白(中心部は黄色、つぼみは赤紫)/開花期:3~5月 写真/遠藤昭 まるでドライフラワーのようなカサカサとした質感のハナカンザシは、コンパクトに育つので、寄せ植えの花材として人気。東オーストラリア原産の植物で、日本では一般的に一年草として扱われます。花弁に見える部分はじつはガクで、花もちよく長期間楽しめ、赤紫のつぼみから白い花が開花する変化も魅力。12月頃から温室栽培の苗が出回り、3~5月には次々に花が咲きます。花後、梅雨前に1/3程度に刈り込み、風通しをよくすると、夏越ししやすくなります。ハナカンザシの花言葉は「変わらぬ思い」「終わりのない友情」などです。 ●耐寒性もある春の花「ハナカンザシ」【オージーガーデニングのすすめ】 フリージアアヤメ科多年草/主な花色:白・黄・赤・ピンク・オレンジ・紫・複色/開花期:3月中旬~5月上旬 monstrose/Shutterstock.com すっきりとした花茎の先から甘い香りの花を咲かせ、春の訪れを告げてくれるフリージア。花色や花形、香りもさまざまな種類があります。フリージアという名は、19世紀にこの花を発見した植物学者のエクロンが、親友のフレーゼ医師に敬意を表して名づけたものだそう。球根の植え付け適期は9月下旬〜11月上旬。日当たり・風通しのよい場所を選びましょう。夏前に地上部を枯らして休眠し、生育期になると再び新芽を伸ばします。冬は3℃以下にならない場所で管理するとよいでしょう。フリージアの花言葉は「あどけなさ」「純潔」「慈愛」「憧れ」などです。 ●フリージアの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します サクラバラ科高木/主な花色:白・ピンク/開花期:3~4月 555hot8p10 /shutterstock.com 日本の春といえば、誰もが思い浮かべるであろうサクラ。一斉に咲く満開のサクラは、まるで夢のような景色を作ってくれます。代表的な品種である‘染井吉野’を含め、サクラは野生種や300以上もあるとされる園芸品種を含めたサクラ属の総称で、種類によっては10月頃から咲き始めるものもあり、また緋色や緑などの珍しい花色もあります。種類により大きく育つのでスペースを十分に確保し、日当たりのよい場所で育てます。剪定の適期は12~3月上旬。成長期に強い剪定をすると長期間開花しなくなるので、強剪定をしなくて済むよう、小さな時から樹形を整えながら育てましょう。サクラの花言葉は「精神の美」「優美な女性」などです。 ●あなたが知らないサクラの一面があるかも? 美しいサクラの品種をご紹介 3月に見頃を迎える人気の花を育てよう! 今回は、3月に咲くガーデニングで人気の花を20種類ご紹介しました。ここで取り上げた花以外にも、まだまだたくさんあります。ぜひお気に入りの花を見つけて、春のガーデニングを楽しんでみてくださいね。
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イベント・ニュース

家庭菜園の病害虫対策を徹底解説!『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』(1,980円相当)をプレゼント
野菜に発生しがちな虫と病気のトラブル解決に役立つ『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』 自分の手で野菜やハーブ、果物を育て、栽培と収穫の楽しみを味わえる人気の家庭菜園。そんな家庭菜園ですが、虫や病気について心配している方もいるかもしれません。2023年3月20日に発売された『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』(草間祐輔著/家の光協会)は、そんな不安を解消してくれる家庭菜園を楽しむガーデナー必携の書籍です。家庭園芸薬品や肥料を製造販売する住友化学園芸に在籍し、植物全般の病気や害虫を知り尽くした病害虫防除のプロが、野菜に発生しやすい病気や害虫のメカニズムと、その対処法を詳しく解説しているので、家庭菜園の病害虫トラブルにしっかり対処できます。 病害虫の対策時期や対処法、野菜ごとに気をつけたい種類まで網羅 『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』では、1章「病害虫が発生するメカニズムとは」で病害虫発生のメカニズムや発生時期などを詳しく解説。2~4章では、家庭菜園でよく栽培される野菜について、それぞれに発生しやすい病気や害虫の発生時期、特徴、対処法などをまとめています。ガーデニングビギナーが戸惑いやすい農薬については、基本情報から選び方や使い方、具体的な種類まで、5~6章で解説しています。野菜作りの病害虫対策に、余すことなく丸ごと活用しましょう。 『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』をガーデンストーリークラブ会員様にプレゼント! 家庭菜園の病害虫対策の強い味方、『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』を、ガーデンストーリークラブ会員2名様にプレゼントします。お守り代わりの1冊をお手元に置いて、野菜栽培に挑戦してみませんか? プレゼント商品提供/一般社団法人 家の光協会 http://www.ienohikari.net 【ご応募方法】 ガーデンストーリークラブ(以下をクリック!)にご入会いただき、クラブ会員専用サイト内の「イベント」からご応募ください。 ●プレゼント応募締め切りは、3月31日(金)! ご応募お待ちしております。 庭仲間が集まるガーデンストーリークラブ新規会員募集中! 『ガーデンストーリークラブ』は、全国の花ファン・ガーデニングファンが集う会員制度です。チャットを通じて植物を育てる楽しみを分かち合ったり、最新の植物情報やショップ情報を交換し合ったり、ガーデニングライフを充実させるオンラインコミュニティです。専門家によるオンラインサロンやレッスンの他、さまざまな園芸業界の企業様にご協賛いただき、毎月素敵なプレゼントも実施。 ただいま新規会員募集中。クラブ内の交流や活動は事務局がサポートしますので、どうぞ安心してお楽しみください。
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宿根草・多年草

【人気の花】ホタルブクロってどんな花? 名前の由来は? 育て方も詳しく解説
ホタルブクロの主な特徴 ホタルブクロは名前に風情がある花ですが、「どんな花が咲くんだっけ?」とピンとこない方も多いかもしれませんね。ここでは、ホタルブクロの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉についてご紹介します。 基本情報 Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com ホタルブクロは、キキョウ科ホタルブクロ属の多年草です。原産地は、東北アジア、朝鮮半島、日本。古くから野山に自生してきたので、環境に馴染みやすく育てやすい草花です。日当たりのいい場所を好みますが、真夏の強い日差しにさらされると弱ることがあり、一方で寒さには強い性質を持っています。草丈は30〜80cmです。 ホタルブクロは、一度植え付ければ越年して毎年開花する、息の長い植物です。春になると生育期を迎えて新芽を出し、初夏から開花し始めます。秋になると落葉して地上部がなくなりますが、枯れたわけではありません。休眠して越冬し、翌春になるとまた新芽を出して生育をし始める……というライフサイクルで、コストパフォーマンスに優れています。 花や葉の特徴 photowind/Shutterstock.com ホタルブクロの開花期は5〜7月。花色には紫、ピンク、白などです。花茎を長く立ち上げて5cmほどのベル形の花を下向きに咲かせるのが特徴。一重咲きがほとんどですが、ダブル咲きもあります。花茎に花をいくつか連ねるので、縦のラインが強調でき、立体的なシーンを作ることが可能です。 ホタルブクロの葉は細長い卵形で、長さは5〜7cm。薄い質感の濃い緑色の葉が互生につきます。 名前の由来や花言葉 Happy Dragon/Shutterstock.com ホタルブクロは、別名にトウロウバナ、チョウチンバナ、フクロバナ、ツリガネソウなどがあります。ホタルブクロの花名の由来は、昔の子どもたちは花の中に蛍を入れて遊んでいたことからなど、諸説あります。トウロウバナやチョウチンバナなどの別名は、花の見た目が灯籠や提灯など、それぞれの姿に似ているからとされています。 ホタルブクロの花言葉は「忠実」「誠実」「正義」「貞節」など。教会の鐘に似ているために、このような言葉が与えられたようです。 育て方のポイント ここまで、ホタルブクロの基本情報や特徴、花言葉、名前の由来などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、植え付けや水やり、施肥、花がら摘みや病害虫対策など、育て方について詳しく解説します。 栽培に適した場所 Greens and Blues/Shutterstock.com 【地植え】 ホタルブクロは、日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰の場所でも育ちますが、あまりに暗いようだと茎葉が細くなって頼りなく伸び、花つきも悪くなるので注意しましょう。 水はけがよい環境を好むので、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cm土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。 また、真夏の強烈な日差しがやや苦手なので、午前だけ日が差すような東側か、木漏れ日がチラチラと差す落葉樹の足元など、半日陰の涼しい場所で夏越しさせるのがおすすめです。一方で寒さには強く、地上部を枯らして休眠するので植えっ放しにしてかまいません。 【鉢植え】 基本的に、日当たり・風通しのよい場所に置いて管理します。真夏は暑さに弱ってしまうことがあるので、風通しのよい半日陰など涼しい場所に移動してください。寒さには強いので、戸外に置いて越冬できます。 土壌 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んで、よく耕しておきます。水はけのよい環境を好むので、粘土質など水はけの悪い状態であれば、川砂を投入して腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cm土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。このように土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 植え付け・植え替え Vlyaks/Shutterstock.com ホタルブクロの植え付け・植え替えの適期は、2〜3月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。苗を選ぶ際は、節間が短くがっしりと締まって勢いのあるものを。黄色く傷んだ葉がついているものや虫食い痕のあるもの、ヒョロヒョロと茎葉が長く伸びて弱々しいものは避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、30〜50cmの間隔を取っておきます。 庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。しかし、大株に育って窮屈になっているようであれば、掘り上げて株分けし、植え直します。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、5〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢の中に仮置きして高さを決めたら、ポットから取り出して軽く根鉢をくずし、少しずつ土を足して植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないよう、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。 真夏は、気温の高い昼間に水をやると、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に水をやると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬に地上部が枯れて休眠期に入っても、カラカラに乾燥させることのないように、控えめにしながら水やりを続けてください。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。その後は、真夏をのぞいた生育期に液体肥料を10日に1度を目安に与えましょう。山野草のような楚々とした草姿を楽しみたい場合、追肥は控えめにして株の状態を見ながら与えるとよいでしょう。 必要な作業 Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 ホタルブクロの終わった花は、適宜摘み取りましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをこまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。種を採取したい場合は、開花が終わりそうな頃に花がら摘みをやめて、種をつけさせましょう。 【切り戻し】 開花期が終わった後、草姿が乱れてきたら切り戻して株の若返りをはかります。地際から草丈の半分くらいまでを目安に、深めにカットしましょう。梅雨頃からの高温多湿の時期に株が蒸れやすくなるのを防ぎ、風通しよく管理することができます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ホタルブクロは、種まき、株分け、挿し芽で増やすことができます。 【種まき】 ホタルブクロを種まきから増やしたい場合、開花後に種を採取して播くとよいでしょう。日本に古くから自生してきた種類なら、ビギナーでも種まきから簡単に育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。 開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、秋口に果実が熟したら採取。日陰で乾燥させた後にサヤの中から種を取り出し、種まきの適期まで密閉袋に入れて冷暗所で保存しておきます。 種まきの適期は2〜3月です。3号の黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、数粒ずつ種を播いて軽く土をかぶせます。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後に間引いて元気のいい苗を1本のみ残し、その後は日当たり・風通しのよい場所で管理します。本葉が4〜5枚ついたら根鉢を傷めないように苗を取り出し、植えたい場所に定植しましょう。苗の育成には時間がかかり、開花し始めるのは2年目以降と捉えてください。 【株分け】 ホタルブクロの株分け適期は2〜3月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて、地下茎から増えている子株を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、ホタルブクロは挿し芽で増やせます。 ホタルブクロの挿し芽の適期は、10月頃です。新しく伸びた茎を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらいに切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて乾燥させないように管理し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 病害虫 Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com 【病気】 ホタルブクロは、病気が発症する心配はほとんどありません。 【害虫】 ホタルブクロに発生しやすい害虫は、ヨトウムシなどです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書き、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩で株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を察したら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の痕を見つけたら、夜にパトロールして捕殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。 夏越し・冬越し Happy Dragon/Shutterstock.com 【夏越し】 地植え 真夏の強烈な日差しがやや苦手なので、真夏のみ午前だけ日が差すような東側か、木漏れ日がチラチラと差す落葉樹の足元など、半日陰の涼しい場所で夏越しさせるのがおすすめです。または、植えている場所の上部に遮光ネットをかけて日差しを弱めるのも一案です。 鉢植え 半日陰で風通しのよい涼しい場所へ移動し、夏越しさせてください。 【冬越し】 冬の寒さには強いので、地植え、鉢植えともに戸外で越冬できます。 ホタルブクロの種類 Hakkousei/Shutterstock.com ホタルブクロの変種について、ご紹介します。 ヤマホタルブクロ ホタルブクロの変種。ほとんど見分けがつきませんが、花をよく見ると顎裂片の間に付属片がないのが特徴です。草丈は30〜60cmで、野山で多く見られます。 イシダテホタルブクロ 四国地方の石立山に自生するホタルブクロ。草丈30cmほどと小さめで、花も小ぶりなのが特徴です。 シマホタルブクロ 伊豆諸島に多く見られるホタルブクロの変種。花色は真っ白で、斑点が入らないのが特徴です。花のサイズは3cmぐらいで、やや小さめ。草丈は30cmくらいです。 育てやすく可憐なホタルブクロは初心者にもおすすめの花 Elena Odareeva/Shutterstock.com 古くから日本の野山に自生してきたホタルブクロは、環境に馴染みやすく放任してもよく育つ植物です。楚々とした花がそよ風にゆらゆらと揺れる様子は野趣感があり、ナチュラルガーデンなどで大人気。ビギナーでも育てやすいので、ぜひ庭に取り入れてはいかがでしょうか。
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ストーリー

春の庭を歩いて摘んで、野の花ハーブのほっこりお昼ごはん
春は黄色から始まる 「これはクロモジの花。枝にいい香りがあって高級楊枝の材料として有名ですけど、うーん、花には香りがないですね〜。でもこの黄色の花を見ると、春だなあってうれしくなります。ほら、あっちはトサミズキの花」と春の庭を楽しそうに歩くのは、鈴木さちよさん。ハーブを利用した茨城県の化粧品メーカー「鈴木ハーブ研究所」の社長で、社屋の隣に500種以上のハーブが育つ庭をつくっています。 「この庭はハーブを利用して化粧品を作る私たちが、実際のハーブがどのような姿形をして、どんな香りがするのかを観察したり、実際に食べたり利用したりするためのサンプルガーデンなんです」 トサミズキの輝くような黄色の花。 山菜は代謝を促す春のハーブ 春の庭では、フキノトウやコゴミ、ウルイなどが顔を出し始めました。山菜は春のハーブ。独特の苦味には、植物性アルカロイドが含まれており、腎臓や肝臓の機能を高め、冬の間に低下した代謝を促し、老廃物を体外へ排出する作用があります。 「ハーブというと西洋の文化と思われがちですが、日本の野山にも昔から暮らしの中で利用されてきた植物、つまりハーブがいっぱいあります。山菜は春のハーブです。私は幼い頃、春になるといつも祖母と山菜を摘みに行っていたんですが、そういう体験を子どもたちや社員にもしてほしくて、この庭にはフキノトウやコゴミ、アシタバなど山菜もいっぱい植えているんです」 落ち葉をかき分けると、フキノトウが。 庭を歩きながら、フキノトウやヨモギ、菜の花、クコの若芽、カラスノエンドウなどを摘んでいく鈴木さん。ひと回りすると、手の中が摘み草でいっぱいになりました。 「カラスノエンドウって雑草として嫌われることも多いですが、若芽を湯がいていただくと豆苗みたいなコクがあっておいしいんですよ。クコの若芽も栄養たっぷり。杏仁豆腐にのってるあの赤いクコの実は、ビタミンやポリフェノールが豊富に含まれることで知られていますが、葉っぱも漢方やお茶などで古くから利用されているんです。結構、野山に自然に生えているんですよね」 庭の縁に生えていたカラスノエンドウを摘んで。 クコの葉おにぎり、フキノトウ味噌、カラスノエンドウのお浸し クコの若芽はサッと湯がいてごはんと混ぜ、おにぎりにしました。フキノトウはフキノトウ味噌に、カラスノエンドウはお浸しにして柚子味噌のタレでいただきます。凝った料理にしなくても、今しがた庭から摘んだばかりの野のハーブは香り豊かで野趣あふれる味わいです。 フキノトウはサッと塩茹ですると、こんなに鮮やかな緑に。刻んで柚味噌と和えます。 春の花の彩りサラダ カレンデュラやスイートバイオレット、菜の花など、春の花はエディブルフラワーとしてサラダの彩りに。花の基部はやや苦味があるので、花びらをちぎって散らします。カレンデュラは皮膚のガードマンとも呼ばれ、外用では湿疹や火傷、日焼けに効果があります。内服では胃の不調や喉の炎症などに用いられ、古くから使用されるハーブの代表です。甘い香りのスイートバイオレットは鎮静作用やデトックス作用があり、お茶でも利用されます。また、ハプスブルク家の皇妃エリザベートが愛したスミレの砂糖漬けも有名です。菜の花はつぼみをいただくのが一般的ですが、黄色のかわいい花も美味しく、料理の彩りとしても重宝します。 春になると必ず庭に顔を出すスイートバイオレット。 ハーブバターと春の花のクラッカー チャイブやイタリアンパセリを細かく刻んでバターと混ぜれば、香りのよいハーブバターがすぐ完成します。これにニンニクを混ぜたものはエスカルゴバターとしてフランス料理でよく使われますが、今回は入れずに軽やかに仕上げました。クラッカーに塗って、エディブルフラワーを飾ったら、見た目も可愛い一口おやつです。 クラッカーにはフキノトウ味噌もよく合います。 植物の力を借りて、楽しく強く 毎週火曜日は庭の手入れを担当するスタッフとともに、庭でお昼ごはんが定例に。この日は社屋から社員も呼んで、野の花ハーブを味わうお昼ごはんです。「フキノトウ味噌、いい香り!」「その香りには胃腸の働きをよくする成分があるんだよ」「作り方教えてください!」「カラスノエンドウも食べてみて」と、にぎやかで穏やかな時間が流れます。 「この庭は化粧品を作る私たちが素材を理解するための場でもあるのですが、若い人たちに普段の暮らしの中でも上手に植物の力を借りる方法を伝えたいとも思っているんです。はっきり病気というわけではないけれど、ちょっと変だな? って心身に違和感を感じたり、不安感が強くなったりすることって、誰にでもあるものです。そういうときに、庭や野山の身近な植物を使って、自分で自分をケアできたら、右往左往しなくて済みますよね。予期せぬ事態というのは、どんな時代にも誰の人生にも起きると思いますが、そういうときにただ動揺するだけでなく、どうしたらいいかという術(すべ)を知っていたら心強いですよね。そういうことをこの庭を通して、若い人たちに楽しく伝えていければなと思っています」
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寄せ植え・花壇

【春の寄せ植え】おしゃれカラー満載のオステオスペルマムの寄せ植え6実例
おしゃれカラー満載のオステオスペルマム 左上から時計回りに/‘3D バナナシェイク’ ‘セレニティ ロジータ’ ‘3D バイオレットアイス’ ‘3D ナヌーク’ ‘フラワーパワー ローズサイプラズ’。 オステオスペルマムは、早春から初夏まで咲き継ぐキク科の花。草丈は品種にもよりますが、多くは20〜50cmで、寄せ植えでも扱いやすいサイズです。パッと開いた上向きの花姿は、鉢の中でも存在感抜群。春から初夏まで次々に花を上げ、丈夫で育てやすいオステオスペルマムですが、一番の魅力は、なんといっても多彩でユニークな花色です。 左/咲き進むにつれ黄色から赤色に変化する‘マスカレード’。右/パープル&オレンジの‘ピンクアイビューティー’。 おしゃれなくすみレッドや桜貝のような淡いピンク色、チョコレート&アプリコットカラーの2色咲き、咲き進むにつれ色が変化するものなど、目を奪われる花色ばかり。オステオスペルマムだけでも見応えのある1鉢になりますが、寄せ植えで花色の組み合わせを考えるのは、クリエイティブで楽しい時間です。 花言葉は「元気」! 春の門出の贈り物にもぴったり お星さまを散りばめたような花心がかわいい‘3D 268’。 オステオスペルマムの花言葉は「元気」「無邪気」「変わらぬ愛」。ポジティブな言葉と、笑いかけるように咲く上向きの丸い花は、春の門出のお祝いにもぴったりです。入園、入学、入社など、新生活を始める人にオステオスペルマムの寄せ植えを贈ってあげましょう。元気で愛らしい花が、大切な人のそばで新しい暮らしを応援してくれることでしょう。 オステオスペルマムの寄せ植えのコツ 左はアネモネ。右はオステオスペルマム。どちらも主張が強い花なので、小さな鉢の中ではどちらか一つを主役にしたほうがまとまりやすい。 オステオスペルマムは、寄せ植えの花材の中でも花径が比較的大きい花です。さらに、全ての花が上向きで一斉にこちらを向いて咲くため、主張も強く寄せ植えの中では間違いなく「主役」級。ですから、組み合わせる植物は「脇役」として活躍してくれる小花やリーフが向いています。例えば、オステオスペルマムと同じくらいの花径で色も鮮やかなアネモネを小さな鉢内で組み合わせると、どちらも主張して見所のわからない寄せ植えになってしまいます。1鉢に主役は1つが基本です。 桜貝色のオステオスペルマムの寄せ植え 桜貝のような淡いピンク色のオステオスペルマム‘セレニティ ロジータ’を中央に配し、同系色のアルメリア ピンクを後方両サイドへ。花と花の間にオレガノ‘ミルフィーユリーフ’を入れて、2つの花色が際立つようにしています。鉢縁に配した細かなリーフはキンギョソウ‘ムーンライトオブトリニティ’。クリーム色の斑が入り、起毛してふわふわの感触がオステオスペルマムのやさしい雰囲気にぴったりです。暖かくなってくるとミルキーホワイトのかわいい花が咲きます。手前中央には次第に枝垂れ咲いてくるスイートアリッサムを、後方中央には白色のネメシアを。鉢色もやさしい水色を選んでトータルコーディネート。 それぞれの花が咲き進むにつれ全体的にボリュームがアップし、華やかさが増してきます。 花心がブルーグレーのオステオスペルマムに合わせて、やや青みがかったアルメリアをセレクト。 プーさんカラーのかわいい寄せ植え 花心がチョコレート色で花弁が黄色というコントラストがおしゃれなオステオスペルマム‘3D バナナシェイク’を主役にした寄せ植えです。オステオスペルマムは、このように花色に2色入っているものが多くあります。この場合の色合わせはとても簡単。脇役の植物に、チョコレート色か黄色を選べば失敗はありません。くまのプーさんのような愛らしい雰囲気の1鉢が出来上がりました。 ここでは、葉色がチョコレートカラーのプリンセスクローバー‘エステル’とヒューケラ、クリームイエローの斑入り葉のシレネ・ユニフローラ、黄色の花のプリムラ・ジュリアン‘キャンディマジック’を組み合わせました。全体的に丸くこんもりとしたフォルムに、ハゴロモジャスミンのつるで動きを与えて軽やかさをプラスします。 サンセットカラーのおしゃれな寄せ植え 水平線に沈む夕日のようなサンセットカラーのオステオスペルマム‘ピンクアイビューティー’。自然の発色の美しさに見惚れるバイカラー(2色咲き)の花を際立たせるために、小花のブラキカム・ブラスコバイオレットとライムイエローのリーフ、リシマキア‘リッシー’、オレガノ‘ミルフィーユリーフ’を合わせました。 円形の鉢に、上の図のように植物をそれぞれ3株ずつ三角形を組み合わせるように配置します。花と花の間に入れたリーフ類は、緩衝材のような役目を果たし、花をより際立たせて美しく見せる効果があります。 発色の鮮やかなオステオスペルマムとブラキカムには、発光するようなライムグリーンのリーフ類が似合います。 オステオスペルマムの花色を生かす鉢を選んで 黒のブック形プランターに白花を集めたシックな寄せ植え。 オステオスペルマムの最大の魅力である花色を生かすには、鉢の色もトータルで考えると寄せ植えの完成度が格段に上がります。植木鉢は赤茶色のテラコッタカラーが一般的ですが、近年はブリキや樹脂製で、カラフルでユニークなデザインのものも増えています。ブリキや樹脂製の鉢は比較的安価で軽量なので、扱いやすいのも魅力です。ただし真夏は、ブリキだと高温になり植物の根を傷めるため、別の素材を使ったほうがよいでしょう。オステオスペルマムの咲く3~5月は、ブリキの鉢でも安心です。暑い日が続くときは、少し日陰に移動してあげるといいでしょう。 ブリキ製のアンブレラプランターに寄せ植え。鉢色に合わせてブルーとイエローで組み合わせ、メルヘンチックな雰囲気に。持ち手があり移動も楽。 オステオスペルマムの赤い花色に合わせて、同色のブリキの鉢でコーディネート。 多彩な花色が魅力のオステオスペルマムで春の寄せ植えを楽しんでくださいね。次回はオステオスペルマムをより可愛く見せる植え方のコツをご紹介します。
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家庭菜園

アブラムシやコガネムシ…家庭菜園で気をつけたい病害虫と対策は?
啓蟄を過ぎたら虫たちの季節! Zoran Kompar Photography/Shutterstock.com 春が近づくと、日を追うごとに植物たちもエネルギーを増し、成長を始めます。さまざまな草木が葉を伸ばし、花を咲かせる春は、ガーデナーにとっては嬉しい季節。ですが、この時期に活発に動き出すのは植物だけではありません。二十四節気では、3月6日頃を「啓蟄(けいちつ)」といい、冬ごもりをしていた虫たちが地上に出てくる季節とされています。庭でもアブラムシやテントウムシなどが動き始める時期ので、きれいな庭を保つためには、病害虫対策が欠かせません。特に、これから植え時を迎える家庭菜園では、病害虫が発生すればそれだけ収穫できる量が少なくなってしまうので、病害虫対策は避けては通れない問題です。そんな病害虫の被害を防ぐためには、まずは相手を知ることが大切です。 虫や病気が発生する理由と被害を防ぐポイント PHATTARAWATOUM/Shutterstock.com 本来、植物が生育している自然環境では、生態系の中で一定のバランスが保たれているため、特定の病害虫が大発生することはあまりありません。しかし、庭や家庭菜園で植物を栽培すると、特定の植物に偏って生態系が崩れた状態になったり、また同じ科のものを続けて栽培することで起きる連作障害などにより、病気や害虫が発生しやすい状態になってしまいがち。そのため、庭や菜園で病害虫が発生してしまうのは、ある意味必然なのです。 病害虫の被害を防ぐには、まずは病原菌や害虫を庭に持ち込まないことが大切。苗や種を購入する際は、病害虫の被害が出ていないか、状態を確認し、健全で丈夫なものを選びましょう。また、間引きや剪定で風通しよく栽培することも、病害虫の活動を抑えるポイントです。 病害虫の予防にはタイミングが重要! Kent Sievers/Shutterstock.com 害虫や病気は、季節によって発生しやすいものが異なります。害虫はそれぞれのライフサイクルを知ることで、効率的に予防することができます。例えばバラの害虫としても名高いコガネムシ。コガネムシにもいろいろな種類がいますが、基本的に成虫は葉を食べ、幼虫は根を食べる厄介な害虫です。このコガネムシの成虫が現れる時期は6~9月。この時期に成虫を寄せ付けなければ、その後の幼虫による被害も防ぐことができますね。捕殺するほか、有機質の多い土を好む成虫が寄り付かないよう堆肥などの使用を減らしたり、土壌に適応する殺虫剤を混ぜ込むことも有効です。同じように、病気もその発生サイクルを知れば、被害が発生する前に対処したり、病気の発生初期の部分を取り除くことで被害が深刻になるのを防ぐことができます。 家庭菜園で発生しやすい害虫と病気 Jennifer Wallace, AJCespedes, Algirdas Gelazius, Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com 家庭菜園ではいろいろな害虫や病気が発生します。よく発生する害虫は、植物の汁を吸うアブラムシや、葉を食べるアオムシやヨトウムシ、ナメクジなど。葉に穴があいたり、線状の模様が現れたり、葉がかすり状になったりしていたら、害虫発生のサインかもしれません。虫が付いていないかを確認し、見つけたら捕殺するか適応する殺虫剤で対処しましょう。害虫は葉の裏側に潜んでいることが多いので、裏面の確認も忘れずに。また、ナメクジやヨトウムシなど、夜間に活動する害虫もいるので、夜にパトロールをするのもおすすめです。 野菜に発生しやすい病気では、葉が白く粉が吹いたようになるうどんこ病や、花弁や果実に灰色のカビが生える灰色かび病などがあります。症状に気づいたら、発症した部分を取り除き、適応する薬剤で対処するとよいでしょう。また、ウイルスを原因とし、葉にモザイク状の斑が入るモザイク病も発生しやすい病気ですが、治療する薬剤がないため、発症した株は抜き取って処分します。 家庭菜園の必携本! 病害虫のライフサイクルや対処法がまるごと分かる『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』 2023年3月20日発売の『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』(草間祐輔著/家の光協会)は、こうした野菜に発生しやすい病気や害虫のメカニズムや、その対処法が分かる、家庭菜園を楽しむガーデナー必携の書籍です。家庭園芸薬品や肥料を製造販売する住友化学園芸に在籍し、植物全般の病気や害虫を知り尽くした病害虫防除のプロが、野菜の病害虫に特化して解説しているので、家庭菜園で起こりやすい病気や害虫のトラブルは、この1冊でバッチリ対応できます。 1章「病害虫が発生するメカニズムとは」では、病害虫の発生のメカニズムやライフサイクル、病害虫のサインなどを、分かりやすいイラスト付きで詳しく解説。病害虫が発生する原因や基本的な対処法から、虫や病気が発生しにくい菜園づくりのコツを知ることができます。病害虫の予防時期が一目で分かる「病気と害虫の発生カレンダー」は、実際の野菜の栽培でお世話になること間違いなし! 2~4章では、家庭菜園でよく栽培される野菜について、それぞれに発生しやすい病気や害虫の発生時期や特徴、対処法などについて種類ごとに詳しくまとめています。収録されている野菜は、イチゴやトマトなどの果菜類18種、コマツナやミントなどの葉菜類・ハーブ20種、カブやジャガイモなどの根菜類7種の計45種。身近な野菜や果物が網羅されているので、栽培時の病害虫対策の手引きとして大いに活用しましょう。 5章「栽培の工夫と薬剤の使い方」では、ガーデニング初心者が不安に思いがちな農薬について、目的に応じた選び方や上手な使い方を解説。農薬は正しく使えば家庭菜園の強い味方になってくれるので、ぜひ選び方や使い方のポイントを押さえておきましょう。次の6章「野菜に使える主な薬剤」では、具体的な農薬のデータや特徴が解説されているので、薬剤選びの参考に役立てて。より環境や体にやさしいオーガニック栽培(有機JAS規格)に対応した自然派薬剤も紹介されています。 野菜の病害虫を知るにはこの1冊を! 家庭菜園では、病気や害虫によるトラブルが発生することもあります。でも、その特徴や対処方法を知っておけば、不安に思う必要はありません。病害虫対策のプロの知恵が詰まった『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』を片手に、家庭菜園にチャレンジしてみませんか? 著者/草間祐輔 1960年長野県松本市生まれ。千葉大学園芸学部卒業。園芸研究家。千葉大学園芸学部非常勤講師。ロサンゼルス郊外のガーデンセンターに勤務したのち、家庭園芸用薬品・肥料を製造販売する住友化学園芸に在職。家庭園芸での薬剤の使い方について研鑽を積み、講習会などで広く実践的な指導を行っている。テキスト『NHK 趣味の園芸』(今月の管理・作業)の執筆も担当。『最新版 植物の病気と害虫 防ぎ方・なおし方』(主婦の友社)、『別冊 NHK 趣味の園芸 植物別ですぐわかる 病気と害虫ハンドブック』(NHK出版)ほか、著書多数。 協力/一般社団法人 家の光協会 http://www.ienohikari.net
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育て方

【果樹栽培のコツ】果樹の成長には適切な新梢管理が必要! 樹木別に具体的な方法を解説
新梢(しんしょう)の意味と管理する目的 Galina Mokhnatkina/Shutterstock.com 多くの果樹はしっかりと収量を確保するために、新梢管理が大切です。ここでは新梢とは何か、また新梢を管理する意味と目的について解説します。 新梢とは Sergei Leto/Shutterstock.com 新梢とは、その年の春以降に新しく伸びた枝を指します。次の春までは、この枝のことを、一年枝、一年生枝、当年枝ともいいます。その中で頂芽から出た新梢を頂生枝、側芽から出た新梢を側枝ともいいます。いずれも、健全に成長していれば、ほぼ毎年必ず出てきます。 新梢を管理する必要性や目的 Happy Lenses/Shutterstock.com 新梢を必要に応じて残したり、剪定したりすることを新梢管理といいます。新梢管理をすることで、全体の成長や結実のバランスが整い、果実の品質向上に繋がります。また、それぞれの枝を充実させることにもなります。新梢をそのままにしておくと徒長枝となり、生育期には繁りすぎてしまいます。繁りすぎた枝は光を遮り、果実の結実などを阻害することに加え、全体のバランスも悪くなって、病害虫を呼び寄せたり、農薬の効果の低下を招いたりもします。新梢管理によって、それらの問題を防ぐことができます。 落葉果樹の新梢管理をするときの主な方法 Roman023_photography/Shutterstock.com 落葉果樹の新梢管理には、成長の段階に合わせたいくつかのステップがあります。ここではその主な方法について解説します。 芽かき Alexander Knyazhinsky/Shutterstock.com 芽かきとは、不要な芽を伸びる前にかきとることです。枝になるよりも早い段階で新梢管理をすることで、植物への負担も少なく、枝ぶりをすっきりさせることができます。必要な枝だけに水や養分を行き届かせることができるので、木を充実させることにもつながります。芽かきの場所は主枝や亜主枝の上や背面、剪定箇所付近から発生した不要な芽の部分。元の枝や樹木全体に対して枝が多くなりすぎるようなときも、あらかじめ芽かきをするとよいでしょう。かきとる際は、基部から綺麗に取り除くようにしましょう。 捻枝 Vladdon/Shutterstock.com 捻枝とは、茎や枝の根元を捻って曲げ、成長を抑えたり、果実の充実をはかるために行う作業です。枝は上に伸びるときは枝自体の伸長に力を使ってしまうため、花や果実がつきにくくなります。しかしこうした枝も、横倒しにしたり下に向けて引っ張ったりすることで勢いが削がれ、花や実の数を増やすことができます。捻枝作業は、茎や枝の根元が木質化すると折れてしまうため、枝が柔らかい時期に行いましょう。リンゴやナシなどの果樹農家では、上に伸びる枝を切り落としたり横に誘引して収穫量を増やしています。つるバラを上に伸ばさず、横に誘引したり蛇行させて誘引するのも同様のテクニックです。 摘心 Bits And Splits/Shutterstock.com 摘心とは、新梢の先端部を切除することです。摘心によって成長をコントロールし、花穂に向かう養分をより多くする効果があります。摘心は、芽かきをせず、伸ばした新梢の中で徒長して過繁茂の状態になった部分に対して行います。例えばウメの木であれば、横に向けて強く伸びる枝を1/3〜1/4ほど切り詰めることで先端から複数の枝が出て、枝全体の勢いを抑えることができます。枝の生育の勢いが抑制されることで、花や果実へとエネルギーが振り分けられ、実つきがよくなります。 夏季剪定 PhotoJuli86/Shutterstock.com 果実の多くは日が当たることで色付きもよくなります。そのため果樹の多くは樹冠内部や果実に日が当たるように、基部から生えている勢いの強い新梢を剪定する必要があります。具体的な方法として、樹冠内部の新梢であれば、基部から20cmあたりを中心に剪定します。モモやスモモは収穫前の6月上旬に行い、ウメは収穫後の7月上旬から中旬に行いましょう。ただし、果樹の場合は果実1つあたりに何枚の葉があればよいかという適切な比率があります。この比率のことを「葉果比(ようかひ)」といいます。それぞれの果樹によって葉果比は異なるので、自分が育てている果樹の葉果比を調べておき、十分な葉が残るように剪定しましょう。 果樹別の新梢管理 leonori/Shutterstock.com 果樹によって新梢の管理方法は異なります。ここでは、果樹に応じたそれぞれの具体的な方法について解説します。 モモ・スモモ Africa Studio/Shutterstock.com 幼木や若木は新梢の勢いが活発で、放っておくと樹冠内部が過繁茂になりやすいため、内部を中心に、基部から20cmほど残して剪定したり、捻枝を行いましょう。主枝に競合するような新梢も捻枝や剪定をしましょう。また成木や老木は太陽光が木全体に効率よく当たるように摘心し、枝が下垂しているようであれば、支柱を添えて立て直します。強い枝を摘心することで、果実が実る短い枝がつきやすくなります。 ミカン Cegli/Shutterstock.com ミカンはその年にできた新梢の先端部に翌年花を咲かせ、結実します。そのため、春に伸びた新梢は切らないようにすることで、実付きがよくなります。新梢の剪定は、充実している新梢の横にある弱い新梢を間引く程度にしましょう。春以降の夏枝、秋枝は先端部から1/3程度まで切り戻し剪定を行い、花芽の付く新梢の発生を促しましょう。 ブドウ mythja/Shutterstock.com 1つの節から新梢が2〜3本出てくるので、初めに動き出した新梢以外はかき取ります。芽かきの時期は、新梢が8cmほど伸びた頃と、新梢を誘引する前がよいでしょう。1新梢に1房のほうが実付きがよくなるため、花穂が開花する5~7日前、新梢から伸びる葉が6~8枚になったら摘心を。その際、巻きづるは切り取ります。また、果房に日が当たらないと黒ブドウ品種は色付きが悪くなるので、日が当たるように葉を適宜取り除きましょう。 サクランボ Nitr/Shutterstock.com 5月頃に新梢が活発に伸び始めます。この新梢を放置すると来年の花付きが悪くなり、また果実に十分な日が当たらず色付きも悪くなってしまうため、主枝の後ろから生えている新梢は剪定します。その際、各枝に葉が3~5枚残るように切り取りましょう。また、サクランボは成長とともに樹勢が弱まります。この時期に勢いのない木や老木は剪定しなくても大丈夫。7月になったらコンパクトな形にしたいなど、樹形を整える目的で新梢の剪定や摘心を行います。 リンゴ Evgeny Karandaev/Shutterstock.com 早期の収穫を目的とした矮化品種の台木を用いた矮化栽培の場合、樹勢の強い品種は茂りすぎになりやすいため、注意が必要です。主枝の背面から出てくる新梢については、剪定して整理しましょう。枝の生育が旺盛なため、夏場は摘心や捻枝などを含め適度に新梢を切り詰め、花芽の生育を促す必要があります。しかし、新梢から出た枝を頻繁に切り詰めすぎると花芽が付かなくなるため注意しましょう。枝を下向きに誘引したり、夏季剪定を行って成長を抑えることで花芽を付けるようになります。冬季に、株元から直径1mほど離れたところを、ぐるりと深さ20cmほど耕すと、樹勢を抑えることができます。 果樹の新梢に付きやすい害虫 David Moreno Hernandez/Shutterstock.com ここでは、果樹の新梢に付きやすい害虫と対処法について解説します。 ナシヒメシンクイムシ Kritchai7752/Shutterstock.com ウメやモモ、リンゴに発生しやすい害虫です。孵化した幼虫は新梢先端の茎から枝の内部を食害しながら成長します。その枝は、食入部から枯れて折れ曲がり、「芯折れ」と呼ばれる被害を出します。また果実も食害し、穴をあけてしまいます。早期の対応が必要で、芯折れや被害果は発見したらすぐに取り除き、土の中深くに埋めるか、水につけるなどして殺虫しましょう。幼虫は樹皮の間や枝などの隙間で越冬するため、予防策としてそのような箇所の粗皮を削り、越冬できないようにしておきましょう。 リンゴワタムシ Kazakov Maksim/Shutterstock.com 体が綿状の蝋物質で覆われるアブラムシで、リンゴに付く害虫として古くから知られています。枝や幹の間で越冬した幼虫が、5月頃に新梢の基部や剪定後の切り口などに移動して樹液を吸います。加害部はこぶ状に膨らみ、養水分の流れを妨げて樹勢が衰えてしまうことがあります。予防は、徒長枝や茂りすぎた枝を剪定し、風がよく通るように整理することです。また発生が多い場合は、薬剤散布で防除しましょう。 クワコナカイガラムシ Protasov AN/Shutterstock.com ブドウやリンゴ、柑橘類に発生します。発生の防除が難しい害虫です。体は白い蝋物質で覆われ、雌は4mm程度。一回り小さな雄には羽根があって飛ぶことができ、一見すると、アブラムシに似ています。集団で発生し、新梢や葉柄の基部、葉裏、果房内など、特に日の当たらない場所を好み、さまざまな場所で害を及ぼします。また余剰な糖分を含んだ排泄物がベトベトとしており、付着するとすす病を誘発する原因にもなります。すす病にかかった植物は、枝や幹、葉が黒いすすのようなもので覆われ、美観や品質が大きく損なわれるだけでなく、すすに覆われた葉は光合成が阻害されるため、生育にも影響があります。防除には薬剤散布を行いますが、体の表面に付いている蝋物質により薬剤がはじかれ、効果が低下する場合があります。 ミカンハモグリガ Kritchai7752/Shutterstock.com 柑橘類に発生し、幼虫は葉の内部に潜り込み、食害しながら葉の中を進んでいきます。そのため葉の表面に食害痕が筋となって残り、被害は容易に判明します。被害が多発すると葉が巻かれたようになり、また食害部から雨水などが浸入するとかいよう病を誘発し、新梢の生育が著しく悪くなるため、早めの対処が必要です。早期であれば食害された葉ごと幼虫を除去し、多発している場合は指定の薬剤散布で防除しましょう。 果樹の新梢に発生する病気 Tunatura/Shutterstock.com 果樹の新梢や葉に発生する病気には、斑点性病害、うどんこ病、炭疽病、すす病などがあります。病気を誘発する害虫の防除や、樹冠剪定による風通しや日当たりの改善、土壌の状態を定期的に調べるなど環境面を整えることが大切です。また予防の目的や早期の発病であれば、薬剤散布が効果的です。日頃から様子を観察し、病気の正確な診断が必要です。対象の病気に対して予防効果のある薬剤を使用しましょう。被害が進んでいる箇所は切除し、入念に薬剤散布を行ってください。 適切な新梢管理で果樹の生育促進を Mythja/Shutterstock.com 新梢を適切に管理することで樹木は健全に育ち、実付きや味もよくなります。樹種によって管理方法が違うため、家庭菜園などでいろいろな果樹を育てている場合、それぞれに合った剪定や病害虫の防除に努めましょう。
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公共ガーデン

第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園【舞台裏レポ】5つの庭づくり大公開
コンテストの舞台は都立代々木公園の花壇 コンテストガーデンが作られる以前のオリンピック記念宿舎前広場。2022年10月中旬の様子。 都市公園を新たな花の魅力で彩るプロジェクトとしてスタートした「東京パークガーデンアワード」。第1回の舞台となるのは、都内でも屈指の利用者数がある「都立代々木公園」の中です。アクセスがとてもよく、JR山手線「原宿」駅から徒歩3分の原宿門から入ってすぐ右手の「オリンピック記念宿舎前広場」に、5つのコンテストガーデンと吉谷桂子さんによるモデルガーデン「the cloud」があります。 通路に沿った細長い敷地を花壇に変え、A〜Eの5つの植栽スペースが設けられました。1エリアにつき広さは72〜85 ㎡。 コンテストガーデンが作られる以前、この場所は通路に沿ってハナミズキやオリーブが植わり、地面は芝生に覆われていましたが、2022年10月には今回のコンテスト開催に先駆けて、5つのエリアが同じ土壌条件になるように花壇スペースが整地されました。 10月、花壇スペースを縁取る木枠を設置する様子。 花壇の整地は、既存の表土にある雑草とその種子を駆除する意味から厚み5cm分取り去ったあと、花壇用土には人工軽量土壌を厚み20cm客土し、ベースの土壌として整えられました。 木枠で縁取られた花壇内に所々ある四角い石は、既存の照明設備。灰色に見える土が人工軽量土壌。 「第1回 東京パークガーデンアワード」第1回作庭【12月】 「持続可能なロングライフ・ローメンテナンス」をテーマに、各ガーデナーが提案するガーデンコンセプトは、各人各様。それぞれが目指す庭のコンセプトに沿って、2022年12月5日から9日まで行われた第1回目の庭づくりの様子をレポートします。 *コンテスト開催の概要や各庭の月々の様子は、こちらをチェック! コンテストガーデンAChanging Park Garden ~変わりゆく時・四季・時代とともに~ 畑や かとうふぁーむ 渡部陽子(新潟県新潟市)さん率いる作庭チーム。 Aエリアは、培養土と肥料(かんとりースーパー緑水)を全体に敷き詰め、表面をならして基本の用土づくりは完了。この段階で耕さないのは植え付け時に耕すことを想定したためで、手間を最小限にしています。 平らにならした表土に、次々と苗が配置されて、あっという間に地面が隠れるほど数々の植物で埋め尽くされました。Aエリアは、大苗に仕立てられた根張りのよい丈夫な宿根草を用意。品種によって異なりますが、圃場で1~3年以上育てられた苗なので、一般で販売されているサイズの何倍も大きな株ばかりです。 大苗は育成管理に時間がかかりますが、その分株が充実しているといいます。大苗を使う利点は、4つ。① 既存植物とのバランスがとりやすく、周囲の環境にすぐに馴染む。② 植えた年から植物本来の個性が発揮され、しっかり開花する。 ③ イメージがすぐにカタチになるので、庭施工の際もお客様の満足度が高い。④ 大苗なら1ポットで十分ボリュームがでる場合も、市販の小さなサイズの苗だと数多く植栽しがちで、経済的にも苗の生育環境的にもよい。さらに、見頃を迎えた大苗は、ショーガーデンでも活用されることからも、この花壇には大苗が多数使われています。 配置が終わったら、端から順に次々と植え付けを開始。苗は、現地の土壌にスムーズに活着できるよう根の処理(根をほぐしたり、根きりをするなど)を事前に施していたため、現場では、ポットから抜いてすぐに植栽でき、作業時間短縮とストレス軽減になりました。 選ばれた植物は、春から秋に次々とバトンタッチして花を咲かせるものや、風に揺れるグラス類、雑草抑制が期待できるグラウンドカバープランツなど。どれも、特徴や性質を見極めることができる花卉生産者により選ばれているので、ロングライフでローメンテナンスでありながら、美しい花壇となる組み合わせ。 苗を植え付けたあと、原種チューリップやアリウム、カマシア。エレムルスなど、1,500球の球根も植え付けられました。 中段左から/スティパ・イチュー/ストケシア・ラエヴィス/スタキス・ビザンティナ(ラムズイヤー)/ユーフォルビア・ウルフェニー 下段左から/オレガノマルゲリータ/エリムス・アレナリウス/スタキス・オフィシナリス/ペンステモン‘ハスカーレッド 配置にこだわり、交互や列植、斜めなど、ほどよい距離感で植わる小さな植物は、小さいながらも青みがかった緑や銀がかった緑、赤や黄など彩り豊か。合計84種の植え付けが完了しました。 1回目の作庭が終了して1週間後、12月中旬の様子。 コンテストガーデンBLayered Beauty レイヤード・ビューティ 鈴木 学(宮城県伊具郡)さん率いる作庭チーム。 Bエリアは、作庭前の花壇の土壌を独自に検査した結果、pH調整用として無調整ピート(ラトビア産ピート)をまいた上に、肥料もちを高めたい理由から培養土(ベストブレンド)を追加して耕運機で攪拌。 平坦な花壇を山状に盛り上げるためにも、40ℓ200袋という多くの用土が追加されました。結果、元の地表よりも15〜10cm高い土壌が完成。植物を配置するガイドとして、グリッド状に水糸が張られました。 上写真の白く囲まれた部分(図内A)に、パニカム、ユーパトリウムやアガスターシェなどが配置されている。 「さまざまなレイヤーを組み合わせて美しさを構築する」という考えのもと、季節を感じる宿根草ガーデンを作庭。背の高いグラス類と宿根草で作る4つの島(図内A)が通路から眺めた時に奥行きを感じられるような視覚効果も狙って配置されました。 上左/用意された苗の一部。上右/花壇の中には、天然石のステッピングストーンを配置。下左/植物の配置が記された図面。下右/多くの苗がどんどん配置されていきます。 3月から10月まで、月ごとに見頃が移り変わるように選ばれた植物は、合計142種。丈夫な植物、持久性のある植物、病害虫予防、密植に耐える植物、耐陰性の高い植物、観賞期間の長い植物などを考慮して選ばれています。また、こぼれ種で増えたり、宿根草の生育の邪魔にならない一年草も入っています。 球根は、拳以上の大きなアリウムから、小さなクロッカスまで、全部で約5,200球。小球根は、器に小分けしてから配置したことで、植え付け位置の手直しや微調整がしやすい効果がありました。写真左上のオレンジ色の器具は、アリウムやフリチラリアなどを深く植える際に穴を掘るホーラー。フリチラリアは、高温の影響を受けずに長生きさせるため、通常より一段深く植えられました。 3月までに咲くフリチラリアとクロッカスなどの小球根、遅れて咲くアリウムやカマッシアを置いた後、最後にチューリップ、スイセン、アリウム‘パープルセンセーション’をばらまきし、配置具合を確認したあと植え付けられました。アリウム‘サマードラマー’のみ、このタイミングで植え付けると翌年(審査のある2023年)に開花しないと予想して、芽出しのポット苗を植え付けています。 球根の植え付けがすべて完了した後、表土に有機質肥料の「グアノ」と「モルト滓」を散布。どちらも長期的な効果を狙ったもので、グアノはリン酸とカルシウムで植物を丈夫にする目的、モルト滓はチッソ分の補給と土壌の微生物環境の改善を目的としています。最後にバーク堆肥でマルチングをして終了。所々にラベルがついた小枝が刺さっているのは、2月末に行われる2度目の作庭で植え付ける予定の植物の場所を示しています。 1回目の作庭が終了して1週間後、12月中旬の様子。 コンテストガーデンCGarden Sensuous ガーデン センシュアス GreenPlace(埼玉県朝霞市)代表の高橋三和子さんと山越健造さん(山越健造デザインスタジオ、宮城県仙台市)率いる作庭チーム。 園路を挟んで、対になったL字形のCエリアは、黒土と小粒の軽石、バーク堆肥、木酢液入り木炭を表土にまいたあと、耕運機で耕して基本の用土づくりは完了。基本用土は乾燥すると砂状になり、マウンドや窪みといった高低差を付けるのが難しそうだったため、造形をしやすいように黒土を追加。軽石は、黒土を加えたので通気性の向上のために、木炭と堆肥は保水性をよくし、有機物を足すことで土中微生物を増やすために加えられました。 丸の中に印を。「−(マイナス)」が書かれている場所は穴を掘り、「+(プラス)」の場所は盛り上げる。 土を攪拌してフカフカにしたあと、山越さん自ら有機石灰が入ったボトルを手に、図面を見比べながら花壇に数カ所、丸印が描かれました。これは、多様な植生と生物の場を創出するために作られる「マウンド(築山)」と「低地(レインガーデン)」、「フラット(平地)」という、凹凸のある地盤作りのためのガイドラインとなります。 この庭でいう「マウンド(築山)」とは、Hugel mound(Mound culture:ドイツなどが発祥の農法)と雑木林の循環管理方法を融合させたもので、土中に剪定枝などを埋めてから土を盛り上げて山のようにします。このマウンドを作ることで、① ゴミを焼却することにより、発生する二酸化炭素を削減する。② 保水性を高めることにより、水の使用を軽減。③ 微生物など生き物の棲処になる。④ 高さを出すことで周囲の低地に水が集まり、植生の異なる豊かな植栽が可能になるという4つの効果を狙っています。 窪ませた場所の底には、さらに軽石、木炭を入れて透水性を高める。 「低地」は、窪ませることで ① 降雨時の急激な下水道への排水を緩和。② 植栽や土壌によって水質を浄化。③ ヒートアイランド現象の緩和という3つの効果が期待できるレインガーデンとしてのデモンストレーションになっています。 起伏のある地盤が完成すると、全体にニームケーキ(植物性土壌改良材)と元肥をまいて、植物を配置するガイドに沿ってポット苗を配置し、1株ずつ植え付け。 図は審査時に対象だったBエリアの現状分析をベースにした植生ゾーニング例。実際に施工したCエリアに合わせたゾーニングで配置された。 植物は、地表面の形状や湿度、日照などを考慮したA〜Eの5つのエリアに区分され、それぞれに適したものを配置。 上左/築山とその周辺部分。下左/低地とその周辺部分。上右/用意された苗の一部。下右/小さな苗の生育を補うため、木酢液(キクノール)と天然活性液(バイオゴールドバイタル)を希釈した液を仕上げに散布。 盛り上がった築山には、乾燥に耐え、あまり背の高くならないレモンバームやオレガノなどを。窪んだ低地には、アスチルベやユーパトリウムなど、湿度や水に耐性のある種類が選ばれています。また、平地には、築山と低地との緩衝地帯としても機能する安定した植栽スペースとして、多様な表情が見られるようにと、エキナセアやイトススキ、ガウラ、バーベナなどが選ばれ、2〜3月の最終植え付けまでに合計65種が植えられます。 1回目の作庭が終了して1週間後、12月中旬の様子。 コンテストガーデンDTOKYO NEO TROPIC トウキョウ ネオ トロピック 西武造園 永江晴子 (東京都豊島区) さん率いる作庭チーム。 Dエリアは、植物性完熟堆肥(黒い堆肥)と赤玉土、ピートモスを表土にまき、しっかりスコップで耕して基本の用土づくりが行われました。有機質を混ぜ込む土壌改良を行って保水力や保肥力を高め、根を生育させることで、翌年からの灌水を抑える効果を狙っています。 レイズドベッドの枠に使うヤマハギの枝を仕分ける作業を行いながら、枠作りも進行。 また、土づくりと同時進行で、自然素材を使った「ウィービングレイズドベッド」作りもスタートしました。レイズドベッドとは、枠を設けて地面より高い位置に植える場所を作る手法で、ここでは地温を確保し、冬の寒さによるダメージを軽減する目的や、花壇をリズミカルに表現する目的で設置されました。 今回、この「ウィービングレイズドベッド」のイメージに近づけるためには、曲がりが少ない枝を見つける必要がありました。現場での枝選びの後、さらに事前にモックアップ制作。施工の手順やイメージ通りの仕上がりになるように太さの確認をしてから、実作業に臨んだといいます。レイズドベッドやコンポストの位置を決める角棒が枠の四隅に立てられたあと、黒竹を等間隔で挿し、その間を縫うようにヤマハギの細い枝を下から順に編み上げながら縁取りを作ります。手作業でレイズドベッドが1つ、また1つと組み上がっていきます。 レイズドベッドの枠を自然素材にしたことで、周囲の植物とも馴染み、通気性や排水性を確保。枠の内側に防草シートを張り、底には約10〜20cmほど軽石を敷き詰めてから用土を入れていきます。 高さや形状が異なるレイズドベッドが9個完成。金網の枠(写真上右)はコンポスト用で、この花壇から出る枯れ葉や枯れ枝、花がらなどを堆肥化するために設けられます。レイズドベッドの上とその外側などに苗と球根を配置。高低差がある花壇の中に次々と植え付けられました。 選ばれた植物は、ローメンテナンス・ロングライフであるコンセプトに合わせた宿根草を中心に、サブトロピカルな植物をポイントにしています。個性豊かな植物が東京の地で力強い姿を見せてくれるのを予想し、アロカシア、パンパスグラス、カンナ、アスパラガス、アガベなど合計40種超の植物が選ばれました。昆虫の棲処にもなるバイオネストの設置や一部のサブトロピカルの植物、芝生などは2月の作業で追加されます。 通常、亜熱帯系の植物は、暖かい時期に植栽すれば問題なく越冬するものですが、今回指定された施工時期(12月、2月)は亜熱帯系植物の植栽時期としてはベストなタイミングではありませんでした。そこで、屋外での植え付け時に植物がなるべくダメージを受けないようにと、養生も温室から無加温の温室に移動するなどの配慮がされました。 仕上げに、針葉樹の樹皮(バーク)を粉砕加工したリサイクルマルチング材(ランドアルファ)を表土全体に敷き、金網の内側に不織布が設置されたあと、レイズドベッドを作る際に出た不要な枝などをコンポストに投入して、作業は完了しました。 1回目の作庭が終了して1週間後、12月中旬の様子。 コンテストガーデンEHARAJUKU 球ガーデン 平間淳子(東京都目黒区)さん率いる作庭チーム。 コンテストガーデンのエリアで一番奥に位置し、「オリンピック記念宿舎」の前にあるエリアE。初日は雑草を丁寧に取り去ったあと、根が伸びやすくなるように、また、排水性を高めるためにシャベルで全体を掘り起こしました。それから日頃の庭づくりで使い慣れているという赤玉土と腐葉土を40ℓずつ各12袋を投入。少量のくん炭と元肥もプラスして、基本の用土づくりは完了。 ずらりと揃った植物を前に、どの場所に何を配置するか、段取りを整理しながら、傷んだ部位を切除するなど、苗の手入れも同時進行しました。 多数の植物の中から、まず骨格となる植物を選び、その配置からスタートします。このガーデンの作品タイトルは「HARAJUKU 球ガーデン」。某超有名ガーデンを原宿ならではの遊び心でもじったタイトルで、初夏にはまん丸の花が咲くアリウム、そして秋にポンポン状の花がダイナミックに咲くダリアまで、球状の花を多数組み合わせました。ポップに楽しく見せる植物が選ばれています。 配置図を頼りに、まず苗を配置。離れて見たり、角度を変えて眺めたりしながら、育った姿を想像して位置を微調整。植え付けて半年で見応えが出るように、骨格となるニューサイランやディエテスなどは、一般的なサイズよりも大きな株が用意されました。また、これらの草丈が高く大きな縦のラインとなるニューサイランやディエテス、グラスなどを多めに入れることで、メインとなる丸い花々を引き立てる効果を狙っています。 地面に置かれたレンガは、植え付け時の足場として。植え付けるまでに苗がいたずらされないようにと、一時的にカラス除けのCDが吊されました。 霧のような穂を立ち上げているのは、ミューレンベルギア・カピラリス。ほかにもディスカンプシア‘ゴールドタウ’など、秋にダリアが咲いた頃、幻想的に調和する効果を狙ったグラスが選ばれました。普段は“甘やかさず育てる派”ですが、テーマ通りの庭に最短で仕上げるため、1つずつ植え穴に肥料を入れながら植え付けています。また、植物によっては排水性を高めるために、パーライト、軽石などを植え込みました。 最終日は、全体に球根を配置して一気に植え付け。仕上げにバーク堆肥でマルチングして冬に備えます。特に多くの種類を植えたのがアリウムで、開花期間が少しでも長くなるようにと、球根で16種、苗は2種の合計18種が植えられました。 長く伸びていたディスカンプシアなどは短く切り戻し、常緑のニューサイランやカレックス‘エヴェレスト’などは、そのまま越冬させます。 1回目の作庭が終了して1週間後、12月中旬の様子。 日々成長するコンテストガーデンに注目を ご紹介の「第1回 東京パークガーデンアワード」は、5つの庭の魅力を競うコンテストですが、参加するガーデナーたちは、仕上がっていく互いの庭を見て刺激を受けたり、人手が足りないチームの植え付けを助ける場面もありながら、期間内に無事1回目の作庭が完了しました。 代々木公園を舞台に行われた「第1回 東京パークガーデンアワード」。5つの庭を一度に見学できるこの場所は、公共ガーデンに新しい息吹を吹き込むことが期待された2023年において東京の最新のガーデンでした。2023年11月からは舞台を神代植物公園(東京・府中市)に移し、「第2回 東京パークガーデンアワード」が開催されています。






















