クリスマスローズの寄せ植えで、美しい春を迎えましょう。ヨーロッパの自生地の自然をイメージした寄せ植えを、クリスマスローズのナーセリー「花郷園」の野口貴子さんが解説します。春はムスカリやプリムラとともに愛らしく、初夏以降、花が終わってもヒューケラやセダムが涼しげに彩ってくれます。ベランダや玄関先など地植えができない場所でも、野趣あふれる一鉢が春をキラキラ運んでくれますよ。
目次
何年も楽しめるクリスマスローズの寄せ植え

クリスマスローズは早春、まだ空気に冷たさが残る2月から咲き出し、いち早く春を告げてくれる宿根草です。宿根草とは、何年も繰り返し花を咲かせてくれる植物のこと。寄せ植えは主に一年草を組み合わせ、季節ごとに花を植え替えることが多いですが、クリスマスローズの寄せ植えは、何年も続けて楽しめるのが魅力です。宿根草の多くは冬に地上部がなくなりますが、クリスマスローズは常緑でいつも大きな美しい葉を展開しています。ですから、葉の組み合わせも意識して植物をセレクトすると、花後の初夏以降も美しい鉢が楽しめます。
寄せ植えにできるクリスマスローズは?

寄せ植えにする場合、どんなクリスマスローズを選んだらよいかといえば、ポイントは茎の長さです。クリスマスローズの株元に他の草花を配置したいので、ゴールドネクタリーなど、元来茎の短い品種は寄せ植えには向きません。また、クリスマスローズの草丈が鉢の高さと1対1以上で、少し高くなるほうがグッドバランス。品種によって草丈は異なりますが、多くは30〜40cm程度あるので、寄せ植えにできます。花の咲き始めは茎が短いこともありますが、暖かくなるにつれスッと花茎が伸びてきます。本来は茎が伸びる品種なのになかなか伸びない場合は、葉に栄養を取られていると考えられるので、葉っぱを切って花茎に栄養を集中させるといいでしょう。葉っぱは花後に必ず展開してきますので、切っても大丈夫です。
クリスマスローズに組み合わせる植物は?

組み合わせる植物は、自生地の植物が参考になります。クリスマスローズはヨーロッパ全域から地中海沿岸、バルカン半島、黒海沿岸に自生しています。私が訪れた場所では、野生のクリスマスローズがクロッカスなどの小球根とともに咲いていたり、プリムラの花とも一緒によく咲いていました。小さな花々とお喋りをするように、うつむいて咲く姿のなんと愛らしかったことでしょう。自生地で一緒に育つものは、鉢の中でも仲よく育ちます。また、クリスマスローズは半日陰を好むので、夏は特に直射日光を避けて管理する必要があります。同じ半日陰の環境で育つヒューケラやティアレラなどを合わせると、クリスマスローズの花後は次の花が楽しめます。

クリスマスローズと小球根の寄せ植え

優しいピンク色のクリスマスローズに、淡いブルーのムスカリを合わせました。ムスカリは植えっぱなしで何年も繰り返し花が咲いてくれる春の小球根で、来年も同じようにクリスマスローズと一緒に咲いてくれます。今年の春に植えるなら開花している小球根を買いますが、来年からは植えっぱなしで咲いてくれます。秋以降、クリスマスローズの鉢に球根を植え込んでもいいでしょう。

鉢の縁には、赤紫色の葉のヒューケラを入れました。クリスマスローズには赤紫色の模様が入る花が多く、同じ葉色をもつヒューケラも好相性です。5〜7月にかけて、赤いプチプチとした可愛い花を咲かせます。表土を覆うように育つライムグリーンの葉はセダム。クリスマスローズの花とバトンタッチで、4月以降、黄色の小さな花を咲かせます。表土を覆うように這って広がるので、夏に鉢の乾きを防いでくれる役目も果たしてくれます。ヒューケラもセダムも宿根草ですから、植えっぱなしで来年も咲いてくれます。
クリスマスローズとプリムラの寄せ植え

グリーンの爽やかなクリスマスローズに合わせて、ホワイト&グリーンの原種チューリップと、小型のスイセン、ブルーのプリムラ・ジュリアンを合わせました。プリムラ・ジュリアンは品種数が豊富で、華やかなものからアンティークカラーまで幅広く揃うので、花の個性が豊かなクリスマスローズとの組み合わせで楽しみは無限大に広がります。プリムラは暑さに弱く夏越しが難しいので、一年草扱いになることが多いですが、春先には園芸店に多くの品種が並びます。

花ばかりでなく、葉の組み合わせも大事です。クリスマスローズの葉は常緑なので、葉の組み合わせも考えて選ぶと花後の楽しみが長くなります。シュッと細長い葉はミスカンサス。ミスカンサスのようなフォルムの違いが際立つものやシルバーリーフ、ブロンズカラーなど色の美しい葉も名脇役として寄せ植えで活躍してくれます。


クリスマスローズの寄せ植えの花後の管理

クリスマスローズは3月には花盛りを迎えます。花と呼んでいる部分は本来ガクなので、4月になっても散ることなくついたままです。しかし、ずっと茎についたままの状態にしておくとタネができ体力を消耗してしまうので、4月から遅くとも5月には花茎をカットしましょう。タネをつけるのに体力を使ってしまうと、夏越しが難しくなります。花後は葉が展開してきて、光合成をして株に栄養を送ります。西日の当たらない場所に置いて、涼しく過ごさせてあげましょう。水は、表土が乾いてからたっぷり与えます。夏は基本的に休眠期になるので、施肥はせずに秋以降、固形肥料を与えましょう。
植え替えは2〜3年に1度でOK
株が生育して太ってくると、根が詰まって花数が少なくなってくることがあります。根張りの状態を見て、秋に植え替えをしますが、目安は2〜3年に1度くらいの頻度です。同じ鉢に植え替える場合は株分けをし、リサイズしてから植え付けます。大きく育てたい場合は、それまでよりも1回り大きな鉢に植え替えましょう。
協力

野口貴子(花郷園)
Credit
取材&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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