手作りで理想の庭を目指す!① 小さな庭のDIY〜テラス前編 パーゴラ作り〜

庭づくりは、自分の手で少しずつ理想の形に近づけていくのも楽しみのひとつです。これまでガーデニング雑誌で幾度も紹介されてきた庭を持つ千葉在住の橋本景子さんは、長年の庭づくりを通りしてDIYの腕も上げ、毎年ひらめきと手仕事で庭のクオリティーをアップさせています。ここでは、橋本さんが実際に行った庭づくりのプロセスをご紹介。庭づくり初めの一歩についてご紹介します。
目次
ガーデニングの第一歩は植物収集から

大きく胸を張って「ガーデニングが趣味です!」と答えられるようになって、まだ10年ほどでしょうか?
園芸歴という言い方をすれば30年をはるかに超えていますが、社宅暮らしの頃は、ベランダに置いた幾つかのプランターに色鮮やかな一年草を植えて楽しんだり、花壇とも呼べないほどの小さなスペースに手当たり次第に植物を植え込んだり……。やがて頻繁に園芸店巡りをするようになると、買っては植え込む鉢の数が100個を超え、それでも植えきれず、買い込んだままのポット苗があちこちに並んでいたり。それはガーデニングとはいえない、ただの植物の収集でした(笑)
地植えスペースを得て、DIYで庭づくり
現在住んでいる戸建て住宅に移ってからは、ずらりと並べていた鉢植えの植物たちを「せめて地面に植えてあげようか」と思ったことがきっかけで、私の庭づくりは本格的に始動しました。その頃から今もずっと変わらない庭づくりの基本は、『Do It Yourself 』。そう、私の庭は、ほとんどすべてがDIYなのです。

庭づくりを始めた頃、まず地元のガーデニングクラブに入会しました。そこでは、センスが良くって庭歴も長い、器用な先輩達に恵まれて、たくさんのアドバイスを受けました。そして、作業を手伝ってもらうことができたおかげで、施工業者さんなどのプロに一切頼ることもなく、しかも経費を節約しながら、少しずつ自分で作り上げていくという一石二鳥のDIYが身についたのだと思います。今でも毎年行うメンテナンスは、すべて自分の手で行っています。
こうして楽しく続いている私の庭のDIY歴史。まずはバラのテラスについて、2回に分けてご紹介したいと思います。
2000年から極小敷地をバラが咲くパーゴラのテラスに変える

自宅の敷地の一番奥は、現在「バラのテラス」と呼んでいるところです。ここは、横幅が最大で220cm、奥行き240cmという極小の場所で、畳にして約3畳分しかありません。

一般の家庭の建物で説明すると、ここは擁壁とフェンスの間にある、”ただの隙間”です。
この頃、知り合いが開いていたバラの教室に通い始めていましたが、バラや宿根草を地植えしたかったこともあり、ただやみくもに‘つる アイスバーグ’を植え込み、「つるバラにはアーチが必要よね!」と、市販のアーチを置いただけの初心者のガーデンでした。
当然、周囲には草は生え放題だし、バラだけが目立っていて、それを見かねた友人たちが、「ここにパーゴラを作れば、バラを何株も植えられるよ!」と、本格的な庭づくりの助っ人を申し出てくれたのです。
当時夢中になっていた「バラの庭を持つ」という夢が叶いそうだということで、DIYの経験が全くなかったこの私が、友人たちの言葉にうっとり。DIYが得意な友人のアシスタントを懸命にしながら、狭い狭いこの場所にパーゴラを建てることになったのです。その作り方手順をご紹介しましょう。
初めての手作りパーゴラをDIY

まずは庭として整地し、脚立を立てるだけでも狭すぎて一苦労する土地に、足手まといな素人の私と友人との2人の作業が始まりました。

まず基礎を地中に埋めて柱を立てて。

「できればいいよね」と言いながら、DIY の知識が一切ないまま、柱を立て、ドライバーでビスを打ち……。おぼつかない私が手伝ったパーゴラは、厳密にいえば水平も垂直もちゃんと取れていない、適当な仕上がりでした。それでも、パーゴラができたことで、グンと庭がランクアップして大満足でした。
パーゴラのあるスペースはDIYで年とともに変化

パーゴラを備えたあと、今度は地面にレンガを敷き詰め、手前の通路は芝生の中にレンガを埋め込んで、歩きやすくしました。

さらに、敷き詰めたレンガとレンガの間に玉竜を植え込んだり、パーゴラの入り口付近を手すり風にしたりと、細かな細工にも挑戦しました。


公道から見上げたパーゴラの全貌。何もなかった殺風景な場所が、DIYのおかげで立体的な構造物が目を引く庭に変わりました。頭上につるバラを絡める屋根のようなパーゴラが付き、おしゃれになりました。パーゴラが完成すれば、バラを育てるための準備は万端です。
憧れを実現させるためプチリニューアルを重ねてパーゴラは進化

「あとは植物の成長を待ち、年月が庭を育ててくれるはず」。
と思っていたものの、DIYの楽しさに目覚めてしまった私は、毎年少しずつ、どこかしらマイナーチェンジをするのが恒例となりました。


2012年には、フェンスの隙間から隣家が見えるのが気になっていたので、スノコを利用して手作りで用意したフェイクの窓をはめ込み、レースのカーテンをつけて目隠しに。憧れだった“バラが咲く窓辺”を庭で実現させました。
当時憧れていた「パリの街中の小さなお庭のイメージ」に少しでも近づけて嬉しかったことを思い出します。

しかし、たくさんのバラを植えたことで植物が育ちすぎ、狭い庭が暗くうっそうとなってきたのです。ここでまた「何とかしたい!」と、私のDIY本能に火がついたのでした。
木材はペンキ塗りなどで持久性を保つメンテナンスが必要ですが、どんなに頑張っても10年ほどで腐ります。ある日、パーゴラの脚の傷みに気がつき、台風時の危険性も考えて、全面的にパーゴラを建て替えることに。
経験値がアップして自由なDIYスタイルに

おそらくプロは、ちゃんとした設計図を書いてから作業を始めるところでしょうが、右脳人間の私たちは、いつも「こんな感じ〜〜」で作業に踏み切ってしまうのです(笑)。
そう、すべてが現場合わせ。材料もだいたい買っておいて、物置に眠っている大量のストックを使ったり、腐る心配が無い場所ならば、前に屋外で使っていた材料を使い回したりして。これぞ主婦的感覚のDIY。
もちろん途中で気が変わったり、作ってみたけれども気に入らなくってやり直しをするのも想定内の、自由なDIYなのです。
『手作りで理想の庭を目指す!② 小さな庭のDIY〜テラス後編 パーゴラ作り〜』へ続く。
併せて読みたい
・「私の庭・私の暮らし」DIYでオリジナルの庭デザインを叶えた香川県・秋友邸
・センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた植栽アイデア
・手作りで理想の庭を目指す!② 小さな庭のDIY〜テラス後編 パーゴラ作り〜
Credit
写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも3.1万人に。大好きなDIYで狭い敷地を生かした庭をどう作ろうかと日々奮闘中。花より枯れたリーフの美しさに萌える。
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
インスタグラム kay_hashimoto
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