「うちの敷地は狭いから」と庭づくりを諦めていませんか? ガーデニングの本場、イギリスでは住宅街の限られたスペースを生かして、小さな場所でも花と緑を育てて、我が家らしい雰囲気をつくっています。ほんのわずかな場所でも、季節の花が咲いたり、緑が茂っていると、道行く人の癒しにもなりますね。小さな庭づくりのヒントを7つ、ご紹介します。

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玄関扉の色をアクセントに鉢植えをプラス

緑と相性がいい爽やかなブルーグレーの玄関扉が目をひく建物の前には、アイアンのベンチを置き、その左右にグレーのコンテナを配置。白い外壁に植物が引き立って、飽きのこないコーディネイトです。窓の前にはラベンダーが花茎を立ち上げ、スクエアのポットには、赤花が咲き始めたチェリーセージがこんもりと茂っています。イギリスでよく見かけるつげのトピアリーよりも、四季の変化が楽しめる植栽です。左右に並んだスクエアのポットは、ゆるい斜面に配置されているため、左よりも右のポットのサイズを少し小さくしていることで、景色のバランスがとれています。

ポップな赤をアクセントにした玄関のコーディネイト例。玄関扉と窓の花台を真っ赤にペイントし、鉢やハンギングには、赤花のゼラニウムを主役に、こぼれるように下垂する白花のバコパとワインレッドのサフィニアを寄せ植えています。しっかり水やりさえしていれば、お手入れがラクな色数を絞った花のある風景。白いフレームの窓には蝶の柄が浮き立つカーテンがかかり、窓前に咲くゼラニウムの花にまるで蝶がやってきているようなチャーミングな演出も見られます。ここに住む人の植物センスが伝わってきます。

こちらは、白を基調にしたコーディネイトで爽やかな印象です。植栽スペースは、窓前のプランターと2つのハンギング、地面に置かれたコンテナの5カ所。すべての鉢は外壁のレンガに馴染む控えめな色にしていることで、たっぷり植えられた白花のペチュニアが引き立っています。花びらに濃いピンクが差すバーベナ‘ピンクパフェ’が可愛らしさをプラス。

目の高さで花が咲くハンギングを活用

しっかりした吊り下げる場所を用意するだけで、空中に花が咲く風景がつくれるハンギング仕立ては、小さな庭の救世主。季節の移り変わりに合わせたタイミングで、1年に2度植え替えをすると、イメージをがらりと変えることができます。例えば、秋の植え替えで、晩秋から早春に花が咲き続けるビオラとパンジーを植え、5月の連休を利用して、初夏から晩秋まで咲き続けるペチュニアとカリブラコアを植えれば、花がら摘みと水やりの定期的なお手入れで、いつも花が咲く風景を維持することができます。

ビオラやパンジー、ペチュニアやカリブラコアは、日本の気候で花が咲き続けるように品種改良された種類が多いグループなので、毎年の花選びに飽きないのもいいところ。ガーデニング初心者さんにオススメの季節の一年草です。

淡いピンクのペチュニアとピンクのカリブラコア、紫のバーベナを寄せ植えたハンギング仕立てに、背景の壁面にはクレマチスが花盛り。クレマチスも壁面やフェンスなどに絡めて花を咲かせるので、地面は少なくても花いっぱいにできる、小さな庭にオススメの植物です。

石塀を花壇にしたアイデア植栽

家を囲む石塀の上面にくぼみをつくり、土を入れれば、石塀から花が咲いているような、可愛らしい風景になる好例です。石塀は手が届きやすいように少し低めにするのもポイント。

白からピンクと花色に幅があり、石塀の側面にも根を下ろしてよく咲いているのは、エリゲロン・カルビンスキアヌス。ロックガーデンのような岩場を好んで自然と広がり、適した場所ならば、毎年、春から夏頃まで咲いてくれる多年草です。フェンスの上面を利用した花壇なら、エリゲロンのように小花が咲き、葉も小さくふんわり軽やかな印象の植物を。這って広がるヒメイワダレソウやヒメツルソバなども石塀に育ちやすい植物です。

奥行き1m前後の空き地を庭に

公道と建物の間のわずかなスペースでも、地面があれば愛らしい風景がつくれます。家の壁面を誘引場所として活用し、左側には真紅のバラを、右側には斑入り西洋ツゲを沿わせて、立体感のある庭風景の骨格にしています。窓前の空間は、ユーフォルビアやキャットミント、ゲウムが丈高く茂り、手前にはゲラニウムやキンギョソウ、アルケミラ・モリスなどが混ざり咲いています。間に置いたベンチとカップ形のコンテナがアクセントになって、小さなスペースなのに見所が多い植栽です。

もし、公道と建物の間に地植えができそうな空き地があったら、掘り返して石やゴミを取り除き、用土をよく耕すか、新しい土と入れ替えるて花壇にすることができます。その際は、水はけも要チェック。水がなかなか引かない場合や、硬くて掘り返せない場所なら、鉢植えを並べる方法で花と緑を育てることをオススメします。

掘り返せない場所でのガーデニングの始め方は『一鉢の鉢植えから始める「寄せ鉢」ガーデニング』も参考にしてください。

奥行き2mの変形した空き地を庭に

ジグザグと変形した建物沿いに、高低差のある植物をぐるりと植えて、一体感のあるガーデンにしている住宅街の一角。壁を伝うつるバラがリズミカルに立ち上がり、間に紫花のデルフィニウムとピンク花のジギタリスが彩りを添えています。変形した敷地全体を芝生で覆うことで、明るい雰囲気に。右端に置かれたカップ形のコンテナも、小屋の色に合わせたグレ―にペイントしたことで、より統一感が生まれています。

敷地をどう生かして花と緑を育てるか、ご紹介の7つのアイデアを参考に、我が家らしい庭づくりにチャレンジしてみてください。工夫を重ねることで、いつも過ごしやすい空間がきっと生まれますよ。

 

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Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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