セントポーリアという植物をご存じでしょうか? 室内の彩りとしてよく育てられ、室内花の女王とも呼ばれる植物です。現在でも品種改良が盛んで多くの品種が存在するためたくさんの見た目があり、生長の仕方も品種によって異なるので、自分の好みに合わせたものを探すことも楽しみ方の一つです。この記事では、たくさんの魅力をもつセントポーリアの基本情報から詳しい育て方までをご紹介します。

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セントポーリアの基本情報

セントポーリア
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セントポーリアは、和名をアフリカスミレと呼ぶ、イワタバコ科 アフリカスミレ属(セントポーリア属、Saintpaulia 属)の植物です。園芸分類では草花にあたり、原産地は熱帯アフリカ東部にある山岳地帯です。

耐寒性、耐暑性はどちらもあまりなく過酷な気温には弱い植物ですが、人が心地よく過ごせる温度であれば通年元気に育ち、弱い光でも育てることができます。常緑性の植物で比較的開花期は長く、鉢植えの場合は室内のみで栽培することができる特性から、前述の通り”室内花の女王”と呼ばれています。

その姿は茎が短い「ロゼット型」、茎が這うように伸びて横に広がって育つ「トレイル型」が存在します。園芸品種ではセントポーリア・イオナンタやセントポーリア・コンフューサなどロゼット型を中心に品種改良されてきました。

セントポーリアはどんな特徴を持つ植物なの?

セントポーリア
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セントポーリアの園芸品種は無数に存在し、花の形や色、葉の形は非常に多様です。室内の人工照明の光でも十分に育てることができるので、室内にワーディアンケースを置き照明器具を設置して栽培することもできます。

開花時期は盛夏を除く通年となっており、非常に長い期間花を楽しむことが可能です。品種改良により、さらに花が落ちにくく長く楽しめるようになっています。かわいらしい小さな花を咲かせることから、花言葉は「小さな愛」や「細やかな愛」、「小さな心」などがあります。また別名として、窓から離れた日陰でも美しい花を咲かせる姿に由来して「深窓の美女」とも呼ばれています。

セントポーリアという名前の由来は、タンザニアのウサンバラ山地でドイツ人のフォン・セントポール・イレール男爵が発見したことから名付けられたそうです。

セントポーリアの主な種類とは?

セントポーリア
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最もよく流通している種類に「オプティマラ」という園芸品種群があります。これは広い範囲の品種を一つのグループとして名付けたもののため数が多くなっています。室内で楽しむために開花株が生産され、セントポーリアの中では比較的大型のタイプです。このグループの原種として有名なものにイオナンタがあります。イオナンタは現在のロゼット型園芸品種のもとになった原種で、タンザニアの丘陵に自生しています。花色は紫でセントポーリアのなかでは大型です。

さらに、コンフューサもセントポーリアの原種であり、標高1,050メートル付近の森林の岩上に自生しています。青紫色の花をもち、イオナンタとの交雑で生まれたといわれています。

セントポーリアの育て方

セントポーリア
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かわいらしい見た目とたくさんの品種があるという魅力をもつセントポーリアですが、実際に育てる際はどのような事に気を付けて育てればよいのでしょうか。

セントポーリアは人間が過ごしやすいと感じる環境でよく育つと言われていることから、初心者の方でも整えやすい環境で育てることができます。

ここからはセントポーリアの詳しい育て方についてご説明していきます。

栽培環境

セントポーリア
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セントポーリアの置き場所は、一年を通して直射日光が当たらずレースのカーテン越しの光が当たるくらいの明るさのところがベストです。強い光を当てすぎると葉焼けを起こしてしまい、逆に光が弱く日照不足になると花付きが悪くなってしまうので、花の状態をみて程よい明るさの場所に置くようにしましょう。

植える用土は、水はけと水持ちのバランスのよい有機質を多く含むものがよいのですが、有機質を使うとキノコバエが発生することがあります。室内栽培ならにおいが少なく軽めの、バーミキュライトとパーライトを1:1で混合した土がおすすめです。パーライトを少し減らして、バーミキュライト5、パーライト4、小粒の鹿沼土1などの配合用土でもよいでしょう。さらに、根腐れ防止に鉢底にケイ酸塩白土を敷いておくとよりよい環境で育てることが出来ます。

気温は冬は最低でも10℃以上を保ち、夏は直射日光が当たらないよう西向きの窓の近くは避け、北側の部屋など涼しい場所を選ぶようにします。

水やり

水やり
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水やりのタイミングについてご説明していきます。

春と秋には用土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまでたっぷりと水やりをします。

夏場は高温で生育が停滞するため、乾燥気味にしておきます。室温が30℃以上になったら水を与えて、その後は鉢が軽くなったら水を与えます。冬場は10℃以下になった場合は夏場と同様に水やりを極力控えて乾燥気味で育てます。しかし、冬場でもさかんに生育している株には水を十分に与えましょう。

水やりの際、葉に水がかかってしまうと葉全体に斑点模様が出来てしまうことがあるため水が葉にかからないよう注意して水やりをします。また水が切れた状態が長く続くと、下葉が落ちていってしまいます。こうしたことを避けるために、鉢受け皿にパーライトを薄く敷いて、その上に鉢を置いて管理するとよいでしょう。水やりの水に鉢が浸からないように気をつけながら、常に鉢受け皿に水がある状態にしておくと、用土が適度な湿度になるため、葉が落ちるのを避けることができます。

肥料・追肥

セントポーリア
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肥料を与えるタイミングは、真夏と真冬を除いて9~5月の間に液体肥料を月に1、2回ほど施すのが基本です。株の大きさや成長の程度を見ながら随時追肥をして生育管理をしましょう。液体肥料はお使いの肥料で指定されている使用濃度の最も薄めの倍率で、回数を多く与えることがうまく育てるコツです。一般的な液体肥料であれば水やり代わりに5,000〜1万倍に薄めたものを与えてもよいでしょう。さらに、10~11月には緩効性肥料を施すとよいでしょう。

植え付け・植え替え

植え替え
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植え付けや植え替えの適期は6月下旬です。

植え替える際は毎年古い用土を落としてから植え替えるようにします。

セントポーリアを数年栽培していると下葉が落ちて、腰高の株になってしまいます。こうなった場合は根を切って挿し木をし、株を更新する必要があります。根腐れで弱っている株の場合は腐敗した部分を切り取って挿し木するか、葉を葉挿しして仕立て直すようにしましょう。

増やし方

セントポーリア
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セントポーリアの増やし方には、一般的に葉挿しと挿し芽の2種類の方法があります。

葉挿しの方法からご説明します。まずしっかりと育った葉を1~2cmほど葉柄を付けたまま切り取ります。葉柄はなくても構いません。葉の切り口から1/3のところまでが土に埋まるように、市販の挿し木、タネまき用土に挿していきます。自分で配合するならピートモス、バーミキュライト、パーライトを等量ずつ配合した土などでもいいでしょう。葉挿しの際はまっすぐ挿すのではなく、少し斜めにして埋めるとよく育ちます。まっすぐ挿すと葉が安定せずに根が出にくいのですが、葉をやや寝かせて挿すことで安定し、根が出やすくなります。適期は3~5月か8~9月です。

花にストライプが入った「縞花」と呼ばれる品種は葉挿しで増やすと縞の入らない花が咲く株になってしまいます。こうした品種は、挿し芽で増やします。縞花品種の花芽やつぼみが伸びてきたら、葉と花芽、つぼみがつくように茎を切ります。この茎を挿し木、タネまき用土などに挿しておきます。なるべく乾燥しないように、挿し芽をした鉢を容器に入れ、ラップフィルムなどで覆っておくと成功率が高くなります。適期は葉挿しと同様に3~5月か8~9月です。

注意すべき病害虫

害虫
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特に注意が必要な病気は灰色かび病です。これは11月から7月にかけて花びらに水が染みたような斑点が現れる病気です。花がらをこまめに摘み取り株の隙間に落ちた花弁などもしっかり排除することで予防できます。風通しが悪く湿度の高い環境で発生しやすいので、日ごろから風通しのよい環境で育てるようにしましょう。

また、注意すべき害虫としてアブラムシやホコリダニがいます。

アブラムシは肥料が多すぎる場合や風通しが悪い場合に発生しやすく、茎葉や新芽に寄生して食害をもたらすので、見つけ次第すぐにガムテープなどに貼り付けて駆除し、大量に発生した場合は薬剤を散布して駆除します。

ホコリダニは高温で乾燥した環境が続くと発生しやすい害虫です。発生すると芽や花の鵜粟原会場所から食害を与え、また非常にサイズが小さいので実際に被害が出るまで寄生されていることに気づかないこともあります。予防には軽石や砂を敷いた鉢をおいてしっかりと水を含ませることで湿度を保っておく方法があります。

セントポーリアの栽培に挑戦して一年中楽しもう

セントポーリア
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この記事ではセントポーリアの魅力や育て方などについてご紹介いたしました。セントポーリアを楽しむにはまずは数ある品種の中から好みの種類を探してみることが大切です。お気に入りの品種が見つかったらぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。室内でも育てることができ、環境作りが簡単ですので園芸初心者の方にもおすすめです。この記事を参考にしてセントポーリアの美しい花を楽しんでみてはいかがでしょうか?

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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