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【鉢花におすすめ】サイネリアは冬を彩る華やかな花! 綺麗に咲かせる育て方

【鉢花におすすめ】サイネリアは冬を彩る華やかな花! 綺麗に咲かせる育て方

pisitpong2017/Shutterstock.com

寂しくなりがちな冬に、室内の窓辺でもたくさんの花を咲かせるサイネリア。花期が長く、豪華な花姿に元気をもらえると、選ばれている草花の一つです。この記事では、冬を彩る鉢花として人気の高いサイネリアについて、基本情報や育て方、品種など幅広くご紹介します。

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サイネリアの主な特徴

冬を彩る花鉢として愛されているサイネリアは、どんな特徴や性質を持っているのでしょうか。ここでは、サイネリアの基本情報についてガイドします。

基本情報

サイネリア
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サイネリアは、キク科ペリカリス属の一年草です。本来、原産地では多年草に分類されていますが、高温多湿に弱く日本の酷暑を乗り切れずに枯死することが多いので、国内では一年草として扱われています。草丈は20〜60cmで、基本的に鉢花として利用される草花です。

サイネリアは交配によって作出された園芸品種で、カナリア諸島原産のペリカリス属の草花を数種類掛け合わせた結果、花つきがよくドーム状にこんもりと茂る草姿になりました。日本に伝わったのは明治初期で、冬を彩る室内用鉢花として大事にされてきた歴史があります。

花や葉の特徴

サイネリア
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サイネリアの開花期は、11~5月。花色は豊富で、青、紫、ピンク、黄、白、茶、複色などがあります。花のサイズは大輪〜小輪まで揃い、花径は2〜7cm。花茎を伸ばした先に分枝して花房ができ、見頃の時期は茎葉を覆い尽くすほど豪華に咲くのが特徴です。地際から生えるみずみずしいグリーンの葉はやや大きく、互生につきます。

サイネリアの名前の由来や花言葉

サイネリア
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サイネリアの名は、以前に分類されていた旧属名のキネラリアに由来し、シネラリアという名前で流通していました。これは、ラテン語の「cinerarius」からきており、「灰の」という意味を持っています。葉にグレーの産毛が生える特性に因んでいるとされていますが、日本では「死ね」という言葉を連想させることから、園芸界では「サイネリア」と呼ばれるようになりました。

サイネリアの花言葉は色によって異なり、西洋では白、赤、紫の花は「喜び」、黄、青、ピンクは「いつも愉快」。日本では、白い花は「望みある悩み」、黄色は「希望」、赤は「純愛」などの花言葉が与えられています。

サイネリアの育て方のポイント7つ

サイネリアは、基本的に冬の鉢花として出回っており、寒さに弱いために庭植えではなく、鉢栽培で楽しみます。ここでは、サイネリアの鉢栽培での管理のポイントについて、詳しくご紹介します。

栽培に適した環境

サイネリア
Skyprayer2005/Shutterstock.com

サイネリアは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では花色や葉色が冴えずに花つきも悪くなり、徒長して軟弱な株になるので、日光不足に注意してください。冬は雨や霜にあたると株が傷むので、雨に濡れず凍結しない軒下やベランダなどへ移動しましょう。

種子や苗から育てた場合は環境に順応しやすく、ある程度寒さには耐えてくれます。11月くらいまでは戸外に置いても耐え、12月以降は霜や強風が吹き付けない軒下やベランダなら越冬できます。しかし、贈答用などの開花株を入手した場合は、開花調整のために温室などで温度管理して育てられているケースが多く、いっそう寒さを苦手とするため、室内の窓辺に置いて管理したほうがよいでしょう。

用土

土
Wstockstudio/Shutterstock.com

贈答用の鉢花を入手した場合は、そのまま植え替えずに開花を楽しみましょう。ポット苗を入手した場合は、市販の草花用培養土を利用して植え替えると手軽です。または、自身で培養土をブレンドする場合は、赤玉土中粒5、腐葉土3、酸度調整済みのピートモス2の割合で用いるのがおすすめ。さらに元肥としてリン酸分を多めに含む緩効性肥料を施しておくとよいでしょう。

植え付け・植え替え

ガーデニング
Nataly Studio/Shutterstock.com

サイネリアの植え付けの適期は、9〜4月です。

まず、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にあふれ出さないよう、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。水やりや降雨時の泥はねによって病気が発生するのを防ぐために、表土にバークチップなどを敷いておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。

サイネリアはライフサイクルの短い一年草なので、植え替えの必要はありません。開花後に枯れ込んできたら抜き取って処分しましょう。

水やり

水やり
ITP Media/Shutterstock.com

サイネリアは鉢栽培が基本で、乾燥しやすいために日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期間中は水を欲しがるので、水切れしないように管理しましょう。

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。特に花弁に水がかかると、傷みやすくなるので注意が必要です。また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

肥料

肥料
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9月から翌年の4月まで、緩効性肥料を月に1度を目安に与えます。肥料が切れると花が咲かなくなるばかりか、せっかくついていたつぼみが落ちてしまうこともあるので、肥料切れに注意して管理しましょう。ただし、窒素成分の多い肥料を与えると、花が咲かずに葉ばかりが茂ってしまうので、成分表をチェックし、リン酸分を多く含む肥料を与えるようにしてください。旺盛に開花し始めたら、緩やかに長く効く粒状タイプの肥料から、速効性の液肥に切り換えるのもおすすめです。開花促進を目的に配合された液肥を、10日に1度を目安に与えます。

日常のお手入れ

はさみ
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【花がら摘み】

サイネリアの終わった花は、早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【切り戻し】

開花が進み、花数が少なくなって株姿も乱れているようなら、伸び上がっている花茎の節の上で切り取り、コンパクトにまとめましょう。すると、再び花芽を上げて開花し始めます。

注意すべき病害虫

アブラムシ
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【病気】

サイネリアが発症しやすい病気は、うどんこ病や灰色かび病などです。

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は間引いて、風通しよく管理しましょう。

【害虫】

サイネリアに発生しやすい害虫は、アブラムシ、コナジラミなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

コナジラミは、植物の葉裏について吸汁する害虫です。体長は1mmほどで大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいでしょう。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生して二次被害を呼びやすいので要注意。大発生した時はスプレータイプの適用薬剤を散布して対処してください。

増やし方

種まき
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サイネリアは、種まきと挿し芽で増やすことができます。ここでは、2通りの増やし方について、詳しく解説していきます。

種まき

サイネリアは、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。

開花した株から種を採取する場合は、花が終わった後に花がら摘みをせず、種をつけさせます。種を採取したら、密閉袋に入れて種まき適期まで保管しておきましょう。ただし、品種によっては種ができないこともあり、また採取した種が親株と全く同じ花を咲かせるとは限らないことも知っておいてください。

サイネリアの発芽適温は15〜25℃くらいで、種まきの適期は9月頃です。種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、種を播きます。サイネリアは好光性種子といって、発芽に光を必要とするので、覆土はしないでください。種が流れないように、トレイより一回り大きな容器に浅く水を張り、トレイを入れて底面から吸水させます。乾燥しないように管理すると、1週間ほどで発芽します。

発芽したら、日当たり・風通しのよい場所で管理しましょう。しかし、暑いと成長できないこともあるので、涼しい場所で管理することがポイントです。

本葉が4〜5枚ついたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に、液肥を与えると生育がよくなります。本葉が5〜6枚つくまで管理し、ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。種から育てると、開花時期はやや遅くなりますが、寒さに強くなるメリットがあります。

挿し芽

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、サイネリアは挿し芽で増やせます。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。気に入った花色があれば、挿し芽にチャレンジしてみるのもいいですね。

挿し芽の適期は、5月頃です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を植えて土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽で増やす場合は、暑さに弱いサイネリアに夏を乗り切らせることが最大の難関となります。風通しのよい涼しい場所で管理しましょう。

サイネリアの主な品種

サイネリア
‘セネッティ’。Cedarkae B/Shutterstock.com

サイネリアは冬の鉢花として愛されてきた歴史を持つことから、品種が多様に出回っています。ここではポピュラーな品種をご紹介していきます。

ケイカ

サイネリアに再度野生種を掛け合わせて作出された木立ち性の品種です。草丈は40〜60cmで、野趣感を漂わせるのが特徴。寒さに強く、マイナス2℃まで耐えるため、凍結しない場所であれば戸外での越冬も可能です。

セネッティ

サイネリアの中でも高性種のほうで、草丈が40〜50cmになります。花が次々に咲き、満開の状態が長く続くのが特徴。シリーズ化されており、花色はレッド、ブルー、ブルーバイカラー、ラベンダーバイカラーがあります。2月頃に切り戻すと、二番花を楽しめます。

アーリーパーフェクション

極早生の矮性種のため、葉も小さくコンパクトにまとまります。花径は3cmほどとやや小ぶりで、可憐な表情を楽しめます。大変花つきがよく、豪華な花姿が魅力的。寒さに弱いので、5℃以上の環境で管理します。

サイネリアで冬の庭やベランダを明るく彩ろう!

サイネリア
ASGOLD/Shutterstock.com

花色が豊富に揃い、カラフルな咲き姿を見せてくれるサイネリア。室内用の鉢花として人気が高い草花です。凍結しないように、管理に注意すればビギナーでも簡単に育てられますよ! ぜひサイネリアを迎え入れて、冬の窓辺を明るく彩ってはいかがでしょうか。

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