スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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家庭菜園

愛するニャンコに新鮮な猫草を! 窓辺で簡単に育つ猫草自家栽培
ビタミン、ミネラル豊富なイネ科の植物 AllaSaa/Shutterstock.com 愛猫家の間ではよく知られている「猫草」。実は猫草という草があるわけではなく、猫が好んで食べるイネ科の若葉のことを総称してそう呼んでいます。猫がなぜこの草を好んで食べるのかには諸説あるようですが、一般的にはグルーミングした際の毛玉を吐き出すために、また便秘解消、栄養補給のためといわれています。 イネ科の植物にはイネ(米)はもちろん、小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ、キビ、アワ、ヒエなどがあります。これらは人類が主食としている穀類です。猫は本来、肉食動物なので穀類の炭水化物を必要としませんが、イネ科の植物にはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が多く含まれているため、それらの栄養素が必要な場合に猫草を食べると考えられています。ですから、猫草を食べないからといって心配することもありません。ちなみに道端の雑草にもイネ科の植物が多いので、犬も同様の理由で散歩の際に食べることがあります。 猫草を育ててみよう! ホームセンターや園芸店では猫草の苗も販売されていますが、タネから育てればコンスタントに新鮮な猫草を与えることができます。タネ播きから収穫までの10日間の経過を追ってみました。 <使ったタネ>イタリア原産の小麦のオーガニック種子。 オーガニック種子は、化学農薬・化学肥料を使用せず、遺伝子組み換えなしで栽培・採種されたオーガニックのタネのことで、採取後のタネにも消毒を施していません。 ねこ草(小麦)有機種子・固定種30g(約580粒)339円/グリーンフィールドプロジェクト <使った道具>水耕栽培用のプラスチック容器。タネを播く上段と水を入れる下段に容器が分離できるので、水替えの管理が楽にできます。 キッチンファーム 0.45L 330円(参考価格)/大和プラスチック ホームセンターやネット通販で入手可能。 <準備>タネを容器の下に入れて、一晩水につけておきます。水を切って、上段にタネ同士が重ならないように並べ、下段に上段の底ギリギリくらいまで水を張ります。スプラウト類と異なり、イネの発芽には光の明暗は関係しないので、そのまま日当たりのよい窓辺に置きます。穂を形成するまでは育てないので、10℃以上あれば発芽し、若葉までは十分育てられます。5℃以下では発芽しないので、冬場の置き場所には配慮しましょう。 <3日目>芽が1cmほど、水中に根も1cmほど伸びてきました。毎日水を替えます。 <6日目>よく日の当たる窓辺で、緑の若葉がスクスク伸びています。上段を外して水を替えるだけなので、管理はとても楽。 <7日目>前日と比較しても伸びているのが分かります。すごい成長力です。もう十分収穫できます。 <10日目>モヒカンのように伸びた小麦若葉。根がいっぱいになっているので、この器で育てるにはもう限界です。ペットが食べてくれない場合には、自分でいただいてしまいましょう。じつは、小麦若葉はスーパーモデルも注目する美容フードです。詳しくは『ミランダ・カーも愛飲! ウィートグラスジュースのつくり方』をご参照ください。 水耕栽培でなくても、鉢植えでも育てられます。猫だけでなく、モルモットさんもよく食べます。
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ガーデン

「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園 」ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート!
彩り豊かな庭をつくるためにガーデナーが踏まえておく条件とは 2023年、画期的な試みとして大注目を浴びた「第1回 東京パークガーデンアワード」。2回目となる今回は、神代植物公園のプロムナード両脇の植栽エリアを活用して、コンテストガーデンが設けられました。以前ここはツツジや笹が列植する緑一色だったという場所だけに、花でどんな彩りがプラスされるのか期待が高まります。 北側に並ぶ日向の花壇(写真左)と、南側に並ぶ日陰の花壇。どちらの背後にもシラカシが列植されている。 コンテストガーデン区画(花壇)は、事務局にて既存地盤の上に盛土(厚さ40cm)を行い、土留め用の木材で囲った状態で引き渡しされました。基礎土壌は(上層20㎝が多孔質人工軽量土壌/下層10cmが黒土)が用いられていますが、ガーデナーは自身が表現したい植栽が健全に育つために、ガーデン制作時に土壌改良・施肥などをすることは可能です。 【ガーデン制作にあたり、デザイナーが踏まえておくこと】 ◼️ガーデンのテーマは「武蔵野の“くさはら”」とし、多年生植物をメインとしたガーデンを制作すること。◼️国内市場で流通している植物のみ使用可能(採取した植物は使用できません)。◼️主たる植物は多年生植物を使用。容易に制御が可能な、草本類に近い木本類は使用可能(全ての植物は高さ2m以内に限る)。◼️構造物やガーデンオーナメント等の設置は不可。植物のみで構成すること。 「第2回 東京パークガーデンアワード」【12月】第1回作庭 各ガーデナーの植え込みの様子をチェック。ガーデナーの経験値が頼りになる5者5様の土壌づくりにも注目を! コンテストガーデンAGrasses and Leaves, sometimes Flowers ~草と葉のガーデン〜 古橋 麻美さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:完熟堆肥(ガーデンプレミアムコンポ)、バーク堆肥排水確保:燻炭(ピノス)マルチング:杉皮バーク堆肥(ガーデンモス)元肥:有機肥料バットグアノ ◆土壌を整える◆ 土壌中の有機物を増やし微生物を活性化するために、バーク堆肥と完熟堆肥(ガーデンプレミアムコンポ)の2種類を混ぜながら耕す。 日向・日陰それぞれの花壇に水抜き穴を15カ所あけ、燻炭を入れる。 デザインに基づいて、溝や起伏を作る。 ◆植え付け◆ 苗を配置確認してから植える。 カマッシアやダッチアイリス、シラー、クロッカス、スイセンなどの球根を植え、グラス類以外の宿根草を植える場所に、有機元肥としてバットグアノを軽く混ぜ込む。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 左/杉皮バーク堆肥で全体にマルチングをする。右/植えつけた場所にそれぞれの植物名を書いたネームプレートを挿す。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 左/日向・日陰とも花壇の後方に剪定枝で形作ったバイオネストを設置。右/雑草や切り戻した植物は、溝部分にも混ぜ込んでいく予定。 切戻しなどで出た病気にかかっていない枝葉は、なるべく細かくしてマルチングとして利用します。もしくは後方にバイオネストを作り、夏の間堆積し発酵を促した後、土壌に漉き込みを行う予定です。雑草も同様で、一年草は後方へ堆積。宿根性の雑草(ヤブガラシ、ドクダミ、ササなど)が出てきた場合、根は処分したいと考えています。 コンテストガーデンB花鳥風月 命巡る草はら メイガーデンズ、柵山 直之さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:腐葉土、もみ殻燻炭、バーミキュライト、ピートモスマルチング材:腐葉土、一部に剪定生チップ溝に入れ込むもの:鉢底石元肥:発酵腐葉土ぼかし、一部に有機肥料バイオゴールド ◆土壌を整える◆ 左/トラックから荷物を降ろして、自身の区画に運ぶ。右/デザインに基づいてラインを引き、位置確認をする。 左/保水性・通気性を高めるための資材(腐葉土:微生物の餌でありミネラルの元となる、もみ殻燻炭:アルカリ性ミネラルで微生物の住処になる、ピートモス:酸性ミネラルを補う、バーミキュライト:保肥力を高める)を投入する。右/水を注いで排水状態を確認。 左/1㎡単位水糸を張り、デザインに基づいて溝や起伏をつける。右/土壌全体に発酵腐葉土ぼかしを混ぜる。 ◆植え付け◆ 左/苗を置いて全体のバランスを確認してから苗を植える。右/水はけのために、溝の端部を深く掘り、鉢底石を敷きこんだ。 植えた苗の間に、スイセン、原種チューリップ、ダッチアイリス、カマッシアなどの球根を植える。 ◆マルチング◆ 花壇全体の表面を腐葉土で覆う。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 ・雑草や剪定残渣は粉砕し、マルチング材として花壇に使用する。 ・簡易なインセクトホテルを制作し、今後刈り取ったイネ科の茎を詰め込んだテントウムシの冬越し場所を設けたい。 コンテストガーデンC草原は、やがて森へ還る。 吉野 ひろきさん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:真砂土、バーク堆肥(炭入りコンパ)、竹炭、燻炭、もみがら、パーライト(ネニサンソ、ホワイトローム)マルチング材: バーク堆肥、落ち葉、杉皮樹皮バーク(しらさぎ難燃マルチバーク)溝に入れ込むもの:剪定枝葉竹、落ち葉、竹、稲藁、元肥:牛ふん、汚泥発酵肥料(タテヤマユーキ1号)、バークその他:プランツタグ、草花固定誘引ワイヤー ◆土壌を整える◆ 左/デザイン図に基づいて線を引いてから、起伏をつける。右/パサパサしている土壌の質を変えるため、関西で使われることが多くてやや重みのある真砂土、排水効果を高めるパーライト、団粒構造を作りながら維持するバーク堆肥、保水性や通気性を高めるもみ殻や燻炭を混ぜ込む。 左/溝に、空壁があって微生物が住み着きやすい竹炭を敷いてから樹木の枝を入れ込む。枝はモミジやカナメモチ、マキ、ウメなどで、これらを敷きつめることで空気や水が通りやすくなる。太さ・長さ・落葉性・常緑性にさまざまなタイプを投入することで腐食時間がまちまちになり、さまざまなバクテリアが発生しやすくなる。また、こうすることでこの溝に向かってまわりの植物の根が動き、土中環境を活性化させる。右/植え付ける場所に、肥料分として汚泥発酵肥料(タテヤマユーキ)、牛糞、バーク堆肥を混ぜる。 ◆植え付け◆ 配置図を確認しながら苗を配置し、1ポットずつ順に植え付ける。 原種チューリップやクロッカス、スイセンなどの小球根や大きめのアリウムの球根を、苗の合間に植える。 ◆マルチング◆ バークを敷きならしたのち、落ち葉、杉皮樹皮バーク(しらさぎ難燃マルチバーク)でカバーする。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 ・ガーデン内の草花の各群落の間、地形の緩やかな起伏に合わせて、その間を縫うように深さ10~20cm、幅は10cm程度の溝を張り巡らせ、水や空気が通る道を作った。溝や穴には、主に有機物植物の枝葉が絡みつくように寝かせ、そこに落ち葉や竹炭、燻炭、微生物活性汚泥、バーク堆肥などを混ぜておく。こうすることで、ガーデン内の土壌の保水性・通気性・透水性を高め、土壌微生物の増殖をも促すので、植物の根系の成長が活性化されるものと考えている(作庭当初はこの溝が多少目立つが、やがて草花が覆い隠すので、気にならなくなる)。 ・メンテナンス時に発生した花がらや枯草、剪定枝、除草した草などは溝に漉き込むほか、落ち葉などとともにマルチング材としても再利用する。森の地面が落ち葉で深く覆われているように、表層を自然の野山と同じ状態にする。 ・発生有機物をすべてガーデン内で循環利用し、やがて土へ還り植物たちの栄養へと再び還元されるゼロエミッションな計画を考えている。 コンテストガーデンDfeeling garden ~伝え感じる武蔵野の新しい風景づくり~ 藤井宏海さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:腐葉土マルチング材:腐葉土元肥: 食品リサイクル有機質堆肥(ミラクルバイオ肥料FDS)、鶏糞有機発酵堆肥(アミノ有機)その他:樹名板(間伐材を加工した花名板を設置予定) ◆土壌を整える◆ 既存の土が肥性に優れた黒土と透水、通気性に優れた改良土(エコロベースソイルCAプラス)だったため、腐葉土を混ぜ込んで耕運機で耕うんして微生物の働きで団粒構造のあるフカフカな土にする。 黒土はリン酸が欠乏しやすそうなので、鶏糞を発酵させた有機発酵堆肥(アミノ有機)を耕運機でまんべんなく混ぜ込む。 水糸を張ってグリッドを作り、デザインに基づいて溝や盛り上がりを作る。グラス系の植物を植えこむ場所を盛り上げ通気性、排水性をよくする。花を植える部分には食品リサイクル有機質堆肥(ミラクルバイオ肥料FDS)を混ぜ込む。 ◆植え付け◆ 左/グリッドを生かして苗を配置し、植えていく。右/アリウム、チューリップ、オーニソガラムなどの球根を植え込む。 ◆マルチング◆ 武蔵野の黒土の色をイメージして、溝も含めて全体的に腐葉土で覆う。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 ガーデン管理で出た剪定くずは、堆肥ヤードで堆肥化しマルチング材として活用し、ガーデン内で資源の循環を図る。微生物がより活発に活動がしやすい環境を作るために、枝や葉をヤード内に混合させる。 コンテストガーデンE武蔵野の“これから”の原風景 清水一史さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:完熟落ち葉堆肥(五段農園/岐阜県)、鹿沼土(刀川平和農園/栃木県)マルチング材:バーク堆肥(上田林業/滋賀県)、腐葉土(岡部産業/東京都) ◆土壌を整える◆ 左/既存の人工土壌と黒土の層が混ざり合うように、耕運機で念入りに耕してから均す。右/人工土壌がややアルカリ性なので、在来の野草がよく育つ弱酸性に傾けるために鹿沼土を一面に投入し、粒がつぶれないように軽く耕うん。 左/完熟落ち葉堆肥を最後に投入し、軽く攪拌、築山を造成していく。右/完熟した落ち葉堆肥(五段農園)。パッケージは培養土化した商品のもので中身は異なる。 ◆植え付け◆ 水糸を張ってグリットを作り、デザインに基づいて苗を植える。植物1種あたり0.5〜1.5㎡ほどをまとめて植えるブロックプランティングを採用。レイアウトを決めるマーキングにはスプレーなどを使わず、完熟落ち葉堆肥を線上に撒いて行った。 ◆マルチング◆ 目の細かなバーク堆肥を2cm、葉の形がやや残った腐葉土を2cm敷いた。土と植物の本来の姿を見届けるべく施肥は予定していない。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 ・植物ゴミ等の現場発生資材を集めて、堆肥とするため“バイオネスト”を設置する。剪定した植物ゴミを投入、巡回時に天地返し。マルチング材として使用する”刈草堆肥”を作成する。 ・バイオネストに資材を投入し、巡回時に天地返しするだけでは“完熟”せずに雑菌や雑草種子、病原菌などの混入が懸念されるため、土壌への鋤きこみには使用せず、マルチングとして活用することを想定している。 ・将来的には、現場発生資材と神代植物公園内で発生する落ち葉を利用し、“完熟”落ち葉堆肥にするコンポストプログラムなども妄想し、ガーデンと公園で資源循環を実現できないかと考えている。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 東京都・神代植物公園を舞台に行われている「第2回 東京パークガーデンアワード」。5人のガーデンデザイナーが日向と日陰のガーデンづくりにチャレンジし、趣の異なる10のガーデンを鑑賞することができます。いつでも自由に見学可能。日々表情を変えていくプロによる植栽を見に、ぜひ訪れてください。 都立神代植物公園(正門手前プロムナード[無料区域])所在地:東京都調布市深大寺元町5丁目31-10https://www.tokyo-park.or.jp/jindai/電話: 042-483-2300(神代植物公園サービスセンター)開園時間:9:30~17:00(入園は16:00まで)休園日:月曜日(月曜日が祝日の場合、翌日が休園日、年末年始12/29~翌年1/1)アクセス:京王線調布駅、JR中央線三鷹駅・吉祥寺駅からバス「神代植物公園前」下車すぐ。車の場合は、中央自動車道調布ICから約10分弱。
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暮らし

啓蟄(けいちつ)は時季を指す言葉! 旬の食べ物や見頃の花も解説
啓蟄の意味や二十四節気・七十二候について candy candy/Shutterstock.com 啓蟄という言葉は、もともとは陰暦で用いられるもので、二十四節気の一つ。まずは啓蟄という言葉の意味や、二十四節気、七十二候について解説します。 啓蟄の意味とは Konstanttin/Shutterstock.com 啓蟄の「啓」には「ひらく」「開放する」「夜が明ける」という意味が、「蟄」には「冬ごもりの虫が土の下にこもる」という意味があります。この漢字が示すとおり、啓蟄とは、冬ごもりしていた虫が外に這い出してくる頃をいい、二十四節気ではその日を指します。ただし虫だけでなく、ヘビやトカゲ、カエルなど、冬眠から覚めるすべての生き物が含まれます。 二十四節気とは Kwangmoozaa/Shutterstock.com 二十四節気とは、1年を24等分し、季節を表したもので、太陽の黄道上の動きを15度ずつに分けて決められています。1年を4つの季節に分け、その4つの季節をさらにそれぞれ6つに分けて、「節または節気」と「気(中または中気とも)」が交互にくるようになっています。 二十四節季では、春は「立春」から始まり、3番目に「啓蟄」がきます。啓蟄は太陽暦の3月の、5日か6日頃にあたります。5日か6日頃とあいまいになる理由は、二十四節気は、年によって1日程度前後することがあるためです。また、特定の日ではなく次にくる「春分」までの期間を指すこともあり、その場合は3月5日頃~3月20日頃にあたります。 七十二候とは Nitr/Shutterstock.com 七十二候(しちじゅうにこう)とは、1年を72等分したもので、二十四節気をさらに3分割したものです。それぞれの二十四節気には初候・次候・末候の3つの候があり、それぞれ草花や鳥、虫の様子などで表しています。 例えば、啓蟄も以下のように初候・次候・末候に分けられます。 初候は「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」で、すごもりしていた虫たちが外に出てくる時期です。次候は「桃始笑(ももはじめてさく)」で、桃がその年はじめて咲く時期です。末候は「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」で、冬を越した蝶の蛹が羽化してはばたく時期です。 啓蟄の頃の気候 rainsoop/Shutterstock.com 啓蟄の頃は雨が多く、この時期の雨を「菜種梅雨」や「催花雨」と呼びます。「菜種梅雨」は菜の花が咲く頃の雨で、「催花雨」は開花を促すような雨という意味です。 また、春の雷は「春雷」といい、特に啓蟄の頃の雷を「虫出しの雷」といいます。季節の変わり目で、気象の変化が激しく、風が吹く日もあります。この頃の穏やかな風を「春風」といい、強い風や激しい風を「春疾風」といいます。 啓蟄の頃を旬とする食べ物 Luca Santilli/Shutterstock.com 季節の変化に目を向けるなら、同時に季節の恵みを目いっぱい味わいたいものですね。それでは、啓蟄の頃に旬を迎える食べ物にはどのようなものがあるのでしょうか。野菜や魚介類について、種類ごとにご紹介します。 うど YUMIK/Shutterstock.com 啓蟄の頃になると、スーパーなどで山ウドが出回り始めます。 ウドは部位別に調理すると、1本まるごと使いきることができます。穂先は炊き込みご飯の具材にしたり、天ぷら、すまし汁などに。茎は生のまま和え物やサラダにするほか、煮物や炒め物にも。皮は厚めにむいて千切りにし、きんぴらなどにするのもおすすめです。 山菜 sakura r/Shutterstock.com わらびはシダ植物の仲間で、葉が広がる前の、くるくると巻いている新芽を食べます。ちょっとした山や野でもたくさん採れる身近な山菜です。 ぜんまいもシダ植物で、時計のゼンマイのように渦巻き状に先が丸まった状態で発芽します。食べられる部分は丸く巻いた若い葉の茎です。 たけのこ Aomas/Shutterstock.com たけのこは、竹の新芽の部分です。竹には70種類ほどありますが、そのうち芽が食べられるのは数種類です。竹の成長は非常に早いため、収穫できる期間はわずかです。 天ぷらやたけのこご飯などにして美味しく頂けます。 菜の花 karins/Shutterstock.com 菜の花は特定の種ではなく、アブラナ科アブラナ属の花やつぼみの総称です。店頭で菜の花として販売されているものの多くは、食用に開発された菜花(なばな)の花芽ですが、ハクサイやダイコンの花芽も同じように食べることができます。 ゆでて辛し和えやかき揚げ、菜の花ごはんなどにするのがおすすめです。 さより Taro_since2017/Shutterstock.com 魚介類では、さよりが旬を迎えます。啓蟄頃は産卵前のため、脂がのって味のよいものが流通します。 うま味があるため、お刺身や塩焼きなどにすると美味です。 はまぐり HikoPhotography/Shutterstock.com はまぐりの旬は2~4月です。はまぐりは2枚の殻がぴたりと重なることから、「夫婦和合」の意味で結婚などの祝い事の食材としても用いられてきました。また、ひな祭りの膳として定番のはまぐりのお吸い物は、食べると良縁を招くとされます。 お吸い物や酒蒸し、網焼きなど、いろいろな調理法で楽しめます。 啓蟄の頃の花 LFO62/Shutterstock.com ここからは、啓蟄の頃に見頃を迎える花についてご紹介します。 ジンチョウゲ Brookgardener/Shutterstock.com ジンチョウゲは、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木で、原産地は中国です。 早春に小さな花が毬状になって枝先に咲き、よい香りを放ちます。 モモ Moni.ka/Shutterstock.com モモは、バラ科モモ属の落葉高木です。春に花を咲かせ、夏に果実を実らせます。たくさんの品種があり、花の美しい品種は特にハナモモと呼ばれ、観賞用として愛されています。 ひな祭りにはモモの花を飾りますが、飾る理由はいくつかあります。まずは、ちょうどこの時期に咲く花であること。また、モモは中国では霊力のある木とされていたこと。さらに、実がお尻の形に似ていることから、安産や多産の象徴とされたことなどです。 スミレ zikko2020/Shutterstock.com スミレは、スミレ科スミレ属の多年草の総称で、春先に紫色の小さな花を咲かせます。日本にも数多くの種類が自生しており、野山や街中でも見かけます。 カタバミ Natalka De/Shutterstock.com カタバミは、カタバミ科カタバミ属の植物の総称で、ハート形の葉に黄色い小さな花を咲かせます。晴れた日の午前中に花が開き、夕方には花弁を閉じ、葉も折りたたみます。日本でも道端や畑などあちこちに自生しています。 啓蟄は生き物たちが動き出す季節 oliver magritzer/Shutterstock.com 啓蟄は寒い冬から少しずつ暖かくなって、冬眠していた生き物たちが動き出す頃を指します。この時季に旬を迎える食べ物や花もたくさんありますので、ぜひ季節の移ろいを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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イベント・ニュース

よりかわいく! 育てやすく! 楽しくなった「クリスマスローズの世界展2024」
2月23日(金)〜24日(土)開催「クリスマスローズの世界展2024」 新品種を紹介する「新花コンテスト」入賞・出品作品展示や日本クリスマスローズ協会会員が育てた美しい花々など、クリスマスローズの魅力が堪能できます。イベントの目玉であるクリスマスローズマーケットには人気の生産者や園芸店、園芸資材のお店が勢揃い。今年出展するクリスマスローズナーセリーの中から「横山園芸」と「クリスマスローズ ふみ屋」に、今年の一押し品種について伺いました。 愛らしさが進化した‘プチドール®︎’をご覧ください! 今や日本のクリスマスローズは精緻な美しさと圧倒的なバリエーションで世界を驚嘆させるほど。そんなクリスマスローズの育種の第一人者が、横山園芸の横山直樹さんです。 横山さんが作出した花弁数が247枚もある‘プリマドレス®︎ ルナソラ’(非売品)。 横山さんは、英国アシュウッドナーセリーで育種のノウハウを学び、これまでクリスマスローズにはなかった小輪で多花性、コンパクトな株姿に小さい葉っぱが特徴の‘プチドール®︎’や、花弁数が40枚以上になる大輪で華やかな‘プリマドレス®︎’、H.チベタヌス交配の‘ヨシノ’など、数々の名花を誕生させてきました。 横山園芸の代表品種の一つで希少種の‘ヨシノ’。 「100年後にも残る花を作りたいと思って、日々育種に取り組んでいます。整った形、品のある美しさ、可愛らしさだけでなく、丈夫に成長してくれる引き締まった株づくりをすることを大事にしています」と語る横山さん。なかでも今回のクリスマスローズ展で注目してほしいのは、‘プチドール®︎’だといいます。 小花がたわわに咲きコンパクトな株姿にまとまる‘プチドール®︎’。 「‘プチドール®︎’は日本の栽培環境に合わせて、狭いスペースでも楽しめることや育てやすさを課題にし、2001年に育種に取り組んで以降、今に至るまでどんどん進化させてきました。その結果、非常に可愛らしい花になってきました。花の色も明るくクリアーになり、花の大きさもより小ぶりな子たちが増えてきました。そしてダブル八重咲きタイプも少しずつお目見えしています。‘プチドール®︎’を使った寄せ植えのワークショップもありますので、ぜひ会場で新しい魅力に触れて、皆様で早春の花の楽しみを共有していただけたらと思います」。 左/‘プチドール®︎ ラウンドブーケ’、右/‘プチドール®︎ ライスシャワー’(ともに非売品)。 幻の花、チベタヌス交配の多彩なカラーバリエ ベインと呼ばれる赤色の筋が美しいチベタヌス交配品種。 幻のクリスマスローズ、チベタヌスの交配ナーセリーとして知られる「クリスマスローズ ふみ屋」で注目なのは、やはりチベタヌス交配の最新品種。 チベタヌスとはクリスマスローズの原種の一つで、ほとんどの原種が欧州に分布するのに対し、中国の四川省〜甘粛省の山奥に隔離分布します。幻といわれる所以は、1869年にフランス人宣教師のダヴィッド神父が発見して以降、100年以上も行方知れずとなったことから。その後、日本人の荻巣樹徳氏が神父の日記を頼りに中国の山奥へ分け入り、標高2,100m地点でチベタヌスを再発見。1世紀ぶりの空白を埋めたこの大発見は、日本のみならず欧州にも一大センセーションを巻き起こしました。さらにチベタヌスとの交配により数々の美しい園芸品種を生み出し、クリスマスローズの世界をより多様にしました。 チベタヌスは比較的早く芽を出し、冷たい空気の中で透き通るように薄い和紙のような質感の淡桃色の花を咲かせます。植生豊かなアジアでただ一種生き残ったチベタヌスは、ほかにはない美しさが魅力。「クリスマスローズ ふみ屋」では、そのチベタヌスを花粉親にほかのクリスマスローズを交配し、赤花や黒花など、新しいタイプのチベタヌス交配クリスマスローズを作出。個性豊かな花が会場に多数お目見えします。 こうした希少品種をゲットしたいなら、1時間早く入れるアーリーチケットがおすすめです。さらに、15時以降から入場できるお得なレイトチケットもありますので、ランチやお買い物の後に寄って、新しいお花をぜひ楽しんでください! クリスマスローズの世界展2024〜魅惑の花・新たなステージへ〜 開期:2月23日(金)〜24日(土)時間:10時〜19時(*アーリーチケットは9時〜)会場:東京池袋・サンシャインシティ文化会館ビル2F 展示ホールDHP:https://crsekai.com
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家庭菜園

じゃがいも入門! 自分でじゃがいもを育ててみよう!
じゃがいもとは じゃがいものレシピは多岐にわたっており、おかずにおつまみ、おやつにと、食卓に頻繁に登場する人気の野菜です。でも、その出身地や性質については、意外と知られていないもの。ここでは、じゃがいものプロフィールや栄養価、食べ方・保存法など、多岐にわたって取り上げます。 根菜類に分類されるじゃがいも OlegDoroshin/Shutterstock.com じゃがいもは、ナス科ナス属の植物。普段食べているじゃがいもは丸い形に肥大した地下茎の先端部分で、根菜類として分類されています。じゃがいもは種イモの植え付けからスタートしますが、これには必ず花苗店やホームセンターで入手できる、検査に合格したウイルスフリーの種イモを使うことが大切です。菜園で自家採取したものや、青果店で購入したじゃがいもは、ウイルス病を広げる原因にもなるので、使用できません。 じゃがいもの原産地 Vadim Zignaigo/Shutterstock.com じゃがいもの原産地は、南米アンデス山脈地方。スペイン人によって16世紀にヨーロッパへ渡り、日本には1600年頃に、インドネシアのジャワ島を経て長崎に持ち込まれたとされています。じゃがいもは南米の高冷地が原産のため、冷涼な気候を好みます。北海道での栽培が盛んで、最大の生産地になっているのもうなずけますね。生育適温は15〜20℃で、温暖な地域では、春と秋の2回作ることができます。痩せ地でも栽培しやすい野菜の一つで、収穫量は、なんと種イモの10倍以上! 栽培効率のよい野菜です。 じゃがいもは栄養たっぷり! Anna Kucherova/Shutterstock.com じゃがいもは、穀物に迫るほどデンプンの含有量が多く、栄養価の高い野菜です。また、ビタミンCを多く含むため、フランスでは「大地のリンゴ」と呼ばれています。加熱によるビタミンCの損失が少ないのも特徴です。体内の塩分を排出するカリウムも豊富に含み、利尿作用があるとされています。 一方で、意外にカロリーは低く、100gで約70キロカロリー。これはお茶碗1杯のご飯の半分のカロリーに値します。 じゃがいもの調理と保存法 Matthew J Thomas/Shutterstock.com じゃがいもは、調理の幅が広いのも魅力ですね。シンプルにじゃがバターにして素材そのものの味を楽しむほか、煮物やスープの具材にも重宝。炒め物やポテトサラダ、コロッケなどにも利用できます。素揚げしたフライドポテトは、おやつやおつまみに大人気ですね。 また、じゃがいもは長期保存ができるのもメリットの一つ。ただし、保存中に光線が当たると皮が緑化してえぐみが発生するので、できるだけ光を通さない冷暗所で保存しましょう。新聞紙などでしっかり包んで冷蔵庫などに入れてもかまいません。また、イモの芽には有毒物質のソラニンが含まれ、食べると食中毒を起こすことがあるので、芽が出ている場合は深くまでえぐり取ってから調理に使うようにします。 じゃがいもの品種 Mink Supawatee/Shutterstock.com じゃがいもは品種が多く、それぞれに形や色、食感などが異なるので、いろいろな品種を栽培して食べ比べをしてみるのも楽しいもの。ここでは、家庭菜園に向く品種を取り上げてご紹介します。 男爵薯 ふっくらと丸く、表面はややゴツゴツとした形をしています。早生種で収穫量が多いのも特徴で、果肉は白く、ほくほくとした食感。デンプンを多く含み、粉質で、じゃがバターや粉ふきいもに向いています。煮込むとくずれやすいタイプです。 メークイン 長めの楕円形で、ゴツゴツ感は少なく、すべすべとした手触り。果肉はやや黄みがかった白色で、肉質はねっとりとして緻密です。やや甘みがあり、低温貯蔵すると甘みが増します。粘質で、コトコト弱火だと煮くずれしにくく、煮込み料理に向いています。 キタアカリ 北海道生まれで、早生種のため家庭菜園でも栽培しやすい品種です。丸みのある形で表面は少しゴツゴツしています。果肉はやや黄色みが強く、ほくほくとした食感です。粉質で火の通りが早く、粉ふきいもやじゃがバター向き。強火だと煮くずれしやすいので、調理は弱火で。 デジマ 暖地での栽培に向き、名前は長崎の出島にちなんでいます。楕円球形で芽が浅くつき、皮はなめらかな質感。果肉は黄みがかった白色で、やや粉質のほくほく感が楽しめます。強火だと煮くずれしやすいので、弱火にかけてほどよい煮くずれ感を楽しむカレーや肉じゃがに。 ニシユタカ 長崎で生まれた品種です。西南の暖地でよく育ち、収穫量も多いことが名前の由来。新ジャガとして春に出回ることが多いようです。楕円球形で、表皮はやや荒いのが特徴。果肉は淡い黄色で、やや粘質の食感です。煮くずれしにくいので、おでんなどの煮込み料理向き。 アンデス赤(アンデスレッド) なんといっても表皮が赤いのが、最大の特徴です。休眠期間が短いため、春と秋の二期作ができますが、長期保存には向かず、芽が出やすい特性があります。ふっくらとした球形で、表皮はややなめらか。果肉の明るい黄色は、βカロテンを多く含む証拠です。ほくほくとした食感を楽しめ、煮くずれしやすいので、マッシュポテトやコロッケなどに向いています。 じゃがいもの植え付け時期 Photos box/Shutterstock.com じゃがいもは、暖地なら春植えと秋植えの、年に2回の栽培ができる野菜です。 春植えでは2月下旬〜3月中旬に植え付けて、梅雨明け頃に収穫。秋植えでは9月に植えて11〜12月に収穫するのが一般的です(関東基準)。 春植えと秋植えでは、植え付けに適した品種が異なるので、品種の選定がポイントになります。春植えに向くのは、男爵薯、メークイン、キタアカリなどで、秋植えに向くのは、デジマやニシユタカなどです。アンデス赤は、春・秋両方に向いています。 春植え、秋植えに向く品種のキーポイントは、休眠の深さ(長さ)が関わっています。秋に植える種イモは、春植えして収穫したイモを使うので、休眠から早く目覚める品種を使う必要があるのです。そのため、秋植えでは休眠の浅い(短い)品種を選ぶのがポイントになります。 ただし、縦に長い日本では気候が多少異なるため、二期作に向かない地域もあります。東北・北海道などの寒冷地では、夏に植え付けて秋に収穫するのがよく、九州・沖縄地方では、冬の終わりに植え付けて梅雨入り前に収穫するのがおすすめ。土地の気候に合った栽培をするとよいでしょう。 育てるための事前準備と注意点 プランターで栽培する場合と、菜園で栽培する場合とに分けて、事前に準備しておくことを解説します。菜園の場合は特に、植え付けの2〜3週間前に土づくりをし、分解が進んで土が熟した頃に植え付けるように、あらかじめ準備をしておくことが大切です。 プランター nkula/Shutterstock.com じゃがいもは根菜類で、太らせた地下茎を収穫します。そのため、プランターで栽培する場合は、深めの大型容器を準備します。深さは30cmほど、容量では25ℓ以上あるとよいでしょう。じゃがいもの栽培に適した土壌酸度はpH5.0〜6.0の弱酸性なので、市販のじゃがいも用の培養土を準備します。 畑の土づくり Stivog/Shutterstock.com まず、植え付け場所の選定について。じゃがいもは連作を嫌うので、前作にナス、トマト、ピーマンなど、ナス科の植物を植えていた場所は避けましょう。日本は雨が多く、土壌が酸性に傾きがちなため、野菜用の土づくりの際に苦土石灰を散布するイメージがありますが、じゃがいもの場合は必要ありません。なぜなら、じゃがいもの栽培に適した土壌酸度はpH5.0〜6.0で、弱酸性の状態を好むからです。 植え付け場所が決まったら、種イモを植える2〜3週間前のタイミングを見はからって、土づくりを行います。そうか病の予防のために、米ぬかを1㎡当たり約30gを目安に、全体に散布。クワでよく耕して土全体に行き渡るように混ぜ込んでおきます。 じゃがいもの栽培管理のポイント では、いよいよじゃがいもの栽培管理のポイントを解説していきます。植え付けから収穫まで、約3カ月という短い期間なので、ビギナーに向く野菜といえるでしょう。 植え付け rodimov/Shutterstock.com 植え付けの2〜3日前に、種イモの準備をします。芽の数が均等につくように、1片50〜60gに切り分け、風通しのよい場所に置いて、切り口を乾かしておきましょう。 プランターで栽培する場合は、深型プランターに鉢底石を底が隠れる程度に敷き詰め、培養土を半分くらいまで入れます。プランターに入れた土を5cmほど掘って、種イモの芽を上にして植え付け、軽く覆土しましょう。最後に、水を鉢底から流れ出すまでたっぷりと与えます。 菜園に植え付ける場合は、畝幅は60〜70cm取って、よく耕します。畝の中央に、クワで深さ15cmの溝を掘り、株間を約30cm取って、切り口を下にして種イモを配していきます。種イモ同士の間に、堆肥300〜400gと化成肥料(N-P-K=8-8-8、以下同)を約30g置き、土を埋め戻して、周囲より5cmほど高い畝に整えましょう。 芽かき Nikolay Antonov/Shutterstock.com 発芽して、草丈が20〜30cmになったら、元気のいい芽を2〜3本残し、ほかの芽は取り除く「芽かき」を行います。芽をたくさん残すと、養分が分散されて小さなイモばかりになってしまいますが、芽かきをすると、数は絞られるものの、大きくてどっしりとしたイモを収穫することができるのです。芽かきの際は、勢いがあって丈夫な芽を残し、ほかは付け根からかき取ります。この時、種イモが一緒に上がってこないように、根元をしっかりと押さえておきましょう。最後に、1㎡当たり約30gの化成肥料を株元にまき、軽く耕して土に混ぜ込んで株元に寄せておきます。 追肥と土寄せ FotoDuets/Shutterstock.com 開花前後からイモが太り始めます。開花しそうになったら、1㎡当たり約30gの化成肥料を株の周囲にまいて追肥をします。軽くクワで耕して混ぜ込み、株元にしっかり土を寄せておきましょう。収穫するイモは、種イモよりも浅いところにできます。そのため、土寄せが足りないと、イモが地表に出てきてしまうので注意しましょう。じゃがいもが太陽に当たると緑化して有毒なソラニンが発生し、食べると食中毒を起こしてしまいます。以後は1〜2週間おきに株の状態をチェックして、必要であれば土寄せをして、イモが地表に出るのを防ぎましょう。 プランター栽培の場合は、同様に追肥のタイミングで鉢の縁までたっぷりと培養土を足し、増し土をします。 病気・害虫 MU Studio/Shutterstock.com じゃがいもにつきやすい害虫は、アブラムシやテントウムシダマシなど。見つけ次第捕殺して、発生初期に対処することが大切です。 じゃがいもの土壌酸度はpH5.0〜6.0が適しており、弱酸性の環境を好みます。土壌がアルカリに傾いている場合、そうか病にかかりやすくなるので、土づくりの際に注意しましょう。また、ナス科の植物を連作すると生理障害が発生しやすくなるので、必ず輪作することが大切です。 収穫 FotograFFF /Shutterstock.com 春植えでは5月下旬〜梅雨明け前、秋植えでは11月下旬〜12月が収穫のタイミングです。葉や茎が枯れて黄ばんできたのを目安に収穫します。雨の日に収穫すると、掘り上げたじゃがいもが腐りやすくなるので、晴れた日が2〜3日続いた頃に行うとよいでしょう。 収穫の際は、地中のじゃがいもを傷つけないように、株元から20〜30cm離れたところからスコップの刃をさします。周囲の土をゆるめてから、株元を手で持って引き上げます。地中にじゃがいもが残っていないか手で探り、残さずに収穫しましょう。 土を落として表面が乾いたら、遮光ネットをかぶせた冷暗所で保存を。10〜14日ほど追熟させると糖分が増して甘くなります。日光はもちろん、蛍光灯の光でも緑化してしまうので、保存時の管理には注意しましょう。 収穫後の畑は、枯れた葉や根を処分し、クワで表土をならして整地しておきます。 台所に欠かせないじゃがいも Val_R /Shutterstock.com 青果店やスーパーでは、一年中手に入る常備野菜のじゃがいも。調理法がさまざまで毎日の食卓を彩ってくれるうえ、保存もきくという、台所には欠かせない存在です。そんなじゃがいもが、じつは初心者でも簡単に育てられる野菜だということをご紹介しました。ぜひ家庭菜園やプランターで育ててみてはいかがでしょうか。
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レシピ・料理

食べられる春の野草を摘みに行こう
意外とたくさん 食べられる野草 普段は雑草として気にもとめないような身近な草花の中にも、食べられるものはたくさんあります。栽培品種ではない野草は、アクや癖の強いものが多いのですが、アク抜きなどの下処理をすると、野の香りと野趣あふれる風味が楽しめ、普段の野菜とはまた違うおいしさが味わえますよ。 ここでは、身近な場所でもよく見かける、代表的な食べられる野草を5種類ご紹介します。 ツクシ 春の野の楽しみといえば、代表的なものがツクシ。春の一時しか見られない姿なので、土手などにツンツンと伸びる可愛らしい光景を見て、春の訪れを実感する人も多いのではないでしょうか。ツクシはスギナの胞子茎で、両者の姿は全く違いますが、地中で根はつながっています。 美味しいツクシは胞子が飛ぶ前の、穂先が締まった状態のもの。収穫したら、まずは「はかま」を取り除きましょう。茎の周囲についている「はかま」は葉が退化したもので、かたくて食べられません。下茹でして炒め物や卵とじ、つくだ煮、ツクシご飯などにして、春の味覚を楽しみましょう。 ナズナ ナズナという名前より、ぺんぺん草という別名のほうが通りがよいかもしれません。茎の周囲に小さなハート形の実がたくさん並び、実を少し引っ張ってから茎をくるくると回すと音が鳴るので、子どもの頃に遊んだ人も多いはず。春になると、道端や野原などのあちらこちらで白い小花を咲かせている姿が目に留まります。春の七草の一つでもあり、とても身近な野草です。 ナズナを食用にする時は、冬から早春にかけての柔らかい若葉を摘みましょう。ナズナは癖やアクが少なく、ほろ苦くて美味しい野草です。さっと茹でてお浸しや卵とじに、また味噌汁の実などにもよく合います。 タンポポ Photo/Spdy/Shutterstock.com 明るい黄色の丸い花が、元気をくれるタンポポ。子どもから大人まで誰もが知っている、代表的な春の花の一つですが、都会で見かけるタンポポは外来種のセイヨウタンポポやその交雑種が多く、カントウタンポポなどの在来種を見かけることは少なくなりました。よく似た両者ですが、花が咲いている時期にガクが外側に反り返っているのがセイヨウタンポポの特徴です。 漢方では「蒲公英」として活用されていることが知られていますが、ヨーロッパでは食用の品種が栽培されているほど一般的な香味野菜として扱われています。苦みが強いので、下茹でした後に水にさらしてしっかりとアクを抜き、和え物やソテーなどに。天ぷらにしてもほろ苦さと香りがあり、春らしい味わいが楽しめます。 ヨモギ 濃い緑色と豊かな香りが、草餅や草団子などの春の和菓子に欠かせないヨモギ。切れ込みが深く入るひらひらとした葉は、裏面は綿毛で覆われて銀白色なのが特徴です。日本だけでなく、世界各地でも古くから薬草として使われており、ヨモギ属の学名Artemisiaは、ギリシア神話の狩猟と月の女神アルテミスにちなんだものだそうです。 ヨモギは、出始めたばかりの新芽や、柔らかい先端部分を収穫して食用とします。下茹でしてしっかりアク抜きをしたのち、フードプロセッサーやすり鉢などで細かくしたものを、団子やパンの生地に加えれば、香り豊かな春の味わいに。アクが強い場合は、下茹での際に重曹を加えるとよいでしょう。 ヨメナ Photo/F_studio/Shutterstock.com 野菊の一種であるヨメナは、秋には薄紫や白の花を咲かせる可愛らしい野草で、ノコンギクとよく似た姿をしています。ノコンギクには葉に細かい産毛が生えているのに対し、ヨメナはほとんど産毛がなく、ツルツルした手触りが特徴です。古くから若菜を摘んで食用としていたようで、万葉集にもヨメナの古名「ウハギ」が登場します。 食用にするのは春先に出る柔らかな若芽。ヨメナはアクが強いので、下茹でしてアク抜きをしてから調理します。香りがよく、和え物や味噌汁の実、菜飯などにすると季節の味と香りを美味しくいただけます。 *野草を食べるにあたって野草は食用として栽培されたものではありませんので、安全性の確保されたものを採取するようにしましょう。道端の草花は排気ガスや動物の糞尿で汚れていたり、食用に認可されていない農薬などがかかっている恐れがあるので、十分注意してください。また、毒性の強い植物もあるので、食べられる確信のないものは口にしないこと。野草にはアクの強いものが多く、食べすぎにも注意が必要です。
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育て方

ウメ(梅)を剪定するには? 最適な時期を知り必要な道具を揃えてウメを正しく剪定しよう!
ウメの特徴を知ろう! 「梅雨」や「塩梅」などの言葉があるように、古くから日本人の生活に密着して親しまれてきたウメ。花も美しく、実も楽しめるうえ、日本の気候風土にも適した庭でも栽培しやすい果樹です。ところで、ウメ、と一口にいっても、さまざまな品種があります。上手に育てるには、まず、ウメの種類や特徴を知ることが大切。ウメにはどんな種類があるのか、また、ウメを育てるうえで適している環境をご紹介しましょう。 ウメの種類 一説には、世界に1,000種以上あるとされるウメの品種ですが、大きく分けて次の2種類があります。 ・花梅花を観賞する目的で作られた品種。花の色は赤、ピンク、白など多彩で、花形も一重咲きから八重咲きまで幅広くあります。開花時期にも幅があり、1~3月頃に開花しますが、果実は小さく、実付きもあまりよくありません。日本には約400種類あるといわれています。代表的な品種としては、‘思いのまま’や‘鹿児島紅’など。 ruiruito/Shutterstock.com ・実梅実を食用として収穫する品種。花の色はピンクと白があり、花形も基本的にシンプルな一重咲き。花後に大きな実や品質のよい実を付けます。開花時期は2~3月。日本には約100種類あるといわれています。‘南高’、‘白加賀’、‘豊後’などの品種が有名。 KPG_Payless/Shutterstock.com 花梅は花色が幅広く、絞りや覆輪が入るものや二色咲きのもの、華やかな八重咲きのものなど、美しく魅力的な花が楽しめるさまざまな品種があります。一方の実梅もシンプルながら可愛らしい花が楽しめます。花梅は実の収穫は期待できないので、もしウメの実の収穫を楽しみたいのであれば、実梅の品種を選んで栽培しましょう。 ウメの栽培に最適な環境 LunarTank/Shutterstock.com ウメは寒さや暑さに強く、国内の広い地域で栽培することができます。また、品種にかかわらず、庭植え、鉢植えのどちらでも育てることができ、管理のポイントをいくつか押さえれば、初心者でも栽培しやすく、たくさんの収穫が楽しめる果樹です。ウメを育てる際に最適な環境として、次のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。 ・日当たりがよく、水はけがよい場所を好みます。枝葉や果実が雨に当たると黒星病(黒点病)が発生することがあるので、鉢植えの場合は、雨のかからない軒下に置くのもよいでしょう。 ・年の平均気温が7℃以上になるような場所でよく育ちます。 ・−15℃程度まで耐えられるとされるように耐寒性が高く、極端な寒冷地を除いて屋外でも栽培することができます。ただし、-4℃を下回ると、低温障害をおこし、実が付かなくなることがあります。室内などに取り込む場合、常に7℃以上あるような場所に置くと休眠せず、翌年に花が咲かないことがあるので注意しましょう。 ウメの苗木の植え付け期は、成長が緩慢なために根を傷めにくい、11月中旬~12月頃。ウメは自家不結実性が強いため、実の収穫を目的としている場合は、1本だけ育てるよりも、品種の異なる2本以上を一緒に栽培すると実付きがよくなります。また、根が浅めに広がるため、乾燥にはやや弱い傾向にあります。庭植えにした場合は、水やりはほとんど不要ですが、夏場に乾燥が続く時はたっぷりと水を与えましょう。鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。 ウメは庭植えにした場合、水やりなどの手間がかからず、丈夫に育って実や花付きもよくなる一方で、大木に成長するので注意が必要。鉢植えにすると、管理の手間は少しかかりますが、コンパクトに生育するので省スペースでも栽培できます。庭の環境や目的に合わせて栽培方法を選びましょう。鉢植えにした場合は、根詰まりしないよう、生育に応じて1~3年に一度植え替えをしましょう。 ウメの剪定時期はいつ? ueuaphoto/Shutterstock.com ウメは切られることによく耐え、ガーデニング初心者でも剪定にチャレンジしやすい樹木です。切ることによって枝が自由につくれて整枝がしやすく、また短い枝によく実を付けるので、適切な剪定を行うのがウメの栽培では大切。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」なんて言葉もありますね。 ウメの剪定を行うのに適した時期は、基本的に冬と夏の2回。一般的に剪定といわれるのは冬の剪定ですが、芽かきや摘心など、夏にも剪定が必要です。また、花梅の場合は、冬剪定を行って枝の数を減らすと早春に咲く花の数も減ってしまうので、12~1月頃は大まかな剪定にとどめ、花後に本格的な剪定をするなど、冬剪定も2回に分けて行うとよいでしょう。 剪定は、それぞれの時期ごとに目的が異なり、それに応じた方法が必要です。それぞれの時期の剪定の目的と方法を確認しましょう。 ウメの冬剪定 ウメの冬剪定を行う時期は、11月中旬~1月頃。冬剪定の目的には、ウメの樹形をコントロールすることや、枝を整理して日当たりや風通しよく育てること、樹形を整えて見た目をよくすること、実付きをよくすること、古くなった枝を更新することなどがあります。周囲の環境を確認して、木の大きさや樹形を考え、さらに全体の枝ぶりを整え、細部を剪定します。ウメの冬剪定の方法をご紹介する前に、いくつか押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。 剪定のポイント 剪定の際には、成長した姿をイメージしながら切ることが大切です。そのためにも、まず花芽と葉芽の違いを見分けられるようにしておきましょう。冬のウメの枝には2種類の冬芽が付いています。大きくぷっくりとした芽は花芽といって、一つの花芽が一輪の花になります。小さな芽は葉芽で、今後新梢となって枝葉を茂らせていきます。この違いを見分けられると、剪定後、どのように花が咲いて成長していくかをイメージしやすくなります。 ウメの実の収穫を期待したい場合は、枝の長さにも注意しましょう。ウメは花が咲いてもその全てが果実になるわけではありません。一般に30cm以上の太くて長い枝(長果枝)には実がなりにくく、10cm以下の短い枝(短果枝)や、その中間程度の長さの枝(中果枝)にはよくなるとされています。短果枝にはよい花も付くため、ウメの剪定の際には、短果枝や中果枝を多く発生させるように切り、剪定時には短果枝や中果枝を切らずに残すのがポイントになります。 枝を切るときの注意点 ウメの枝を切るときに注意しておきたいのが、基本的に外側に向かって付いた芽(外芽)のやや上で切るということ。内側に向かって付いた芽の上で切ると、伸びるにつれて枝が込み合ってしまうので、外側に向かって伸びていけるように外芽の上で切るようにしましょう。枝垂れ梅の場合は、上向きの芽の上で切ります。 ウメの樹形を整える際は、光がよく当たるよう、上部の枝を短く、下部の枝を長めにしてピラミッド形になるようにするのが一般的です。日当たりや風通しをよくするため、同方向に伸びて重なった枝や、交差した枝をつくらないように剪定しましょう。1カ所から3本以上の枝が伸びているものは車枝と呼ばれ、枝が裂けやすくなるなどの問題があるため、こちらもつくらないように気を付けます。 太い枝を切る際は、あまり長く枝を残さないよう枝元から切り取ります。切り口には癒合剤を塗って保護し、枯れ込みや病原菌の侵入を防ぎましょう。 ウメの冬剪定の方法 Kozub Vasyl/Shutterstock.com 冬剪定では、まずウメの大きさを考えましょう。ウメを大きくしたい場合は、先端付近の長果枝を生かし、1本に間引くとよいでしょう。生かした長果枝は先端を1/5~1/4程度切り詰め、短果枝や中果枝の発生を促します。その際、外芽の上で切るようにしましょう。一方、ウメをコンパクトにしたい場合は、剪定ノコギリを使って枝の分岐部まで切り戻します。切り戻す枝の長さは、庭植えなら50cm、鉢植えなら30cm程度にとどめましょう。切り戻した分岐部から発生している長果枝は、大きくしたい場合同様に先端を切り詰めて短果枝の発生を促します。 ウメの大きさが決まったら、徒長枝を間引き、衰弱した枝や枯れ枝、強い枝など不要な枝も剪定しましょう。夏に芽かきや摘心を行っていれば徒長枝は出にくいですが、夏剪定を行っていない場合や樹勢が強い場合には徒長枝が発生します。枝が多いと日当たりや風通しが悪くなり、また養分が枝に取られてしまうので、適切な量に減らすことが大切です。幹や太い枝から直接伸びた徒長枝を中心に間引き、不要な枝は枝元から切ります。太い枝は勢いが強く、短果枝や中果枝が発生しにくいので、枝の先端についたものを除いて枝元から切り取ります。また、幹や太い枝から伸びた徒長枝であっても、それを利用して枝をつくりたい場合は残しましょう。残した枝は、先端を1/5~1/4程度切り詰めます。 ウメの枝は古くなってくると、花や実の付きが悪くなります。品種や木の状態によっても異なりますが、3~6年ぐらいを目安に、枝を更新させるとよいでしょう。枝を更新させる時は、将来を見越して事前の準備が必要。更新したい枝の周囲に発生する長果枝を間引かずに残し、先端を切り詰めて養生しておきます。枝が充実して結実し始めたら、古い枝を枝元から切り取って更新しましょう。 ウメの夏剪定 夏剪定の目的は、樹形を整えて、日当たり、風通しよく育てること。徒長枝を中心に、込み合った枝を軽く間引き、樹形を乱すような長い枝があれば多少切り返します。ウメは成長が早く、新梢の発生も多いため、適切な冬剪定を行っていても、夏には枝葉が茂りすぎて、風通しが悪くなったり、アブラムシなどの害虫が発生することがあるので、夏剪定も忘れずに行いましょう。 ウメの夏剪定は、7~8月頃に行う剪定のことを指しますが、広くは4月以降に適宜行う芽かきや摘心を指すこともあります。芽かきは幹から出た芽を中心に不要な芽をかき取ること、摘心は必要な芽の先端を摘むことで、どちらも樹形を整えるのに効果的な作業ですが、これらの作業ができなかった場合にも夏剪定で補うことができますので、あまり神経質にならなくても大丈夫。逆に、芽かきや摘心を適宜行い、枝がよく整理されていれば、夏剪定を行う必要はありません。摘心を行った場合、摘心をしたところから芽が出る二度伸びが起こりやすく、二度伸びした枝は花芽が付きにくいため、余分な養分を使わせないようこまめに芽をかき取ることが大切です。 剪定の目的に応じて、剪定の方法も変わってきます。ウメを健全に育てるためにも、それぞれの季節に応じた方法で剪定しましょう。 ウメの剪定方法は、ウメの年数によって異なる! graphbottles/Shutterstock.com ウメの剪定と一口にいっても、木の状態によって剪定の方法は異なります。また、剪定方法はウメの樹齢によっても異なるため、注意が必要。例えば、枝を切り詰める切り返し剪定は、剪定後に新梢が強く伸びやすく、樹勢が強くなりすぎることがあるので、株が若いうちは、枝元から切る間引き剪定を中心に行いましょう。老木の場合は切り返し剪定を中心に行います。 ここでは、植え付けた後の樹齢に応じた剪定の方法をご紹介します。 1年目 一般的にウメの苗木としてよく流通しているのが、1~2年生の苗です。1年生の苗は、まっすぐな枝が1本伸びた棒苗の状態。ウメは初結実までに3年ほどがかかるため、このような苗の場合は実を付けるまでに少し時間がかかりますが、自分の思う樹形に仕立てやすいというメリットもあります。1年生の苗の剪定は、9~12月頃に行います。植え付けの際に、目標とする仕立ての姿に合わせ、30~80cmほどの高さに切り詰めましょう。これによって苗木の成長を促す効果もあります。 2年目 2年生の苗木は、幹の先端付近から枝が数本伸びた状態。2年目の剪定は12~1月頃に行い、幹から伸びる枝のうち、上に伸びている枝の中から状態のよい枝を3本ほど選び、他の枝を枝元から切り落とします。残した枝からさらに何本も枝が伸びている場合は、1枝に3本ほどを残して整理しましょう。 3年目 3年目の剪定は、基本的に一般の剪定と同じような作業を行いますが、行うのは冬剪定のみでOK。12~1月頃に行います。伸びた枝の中から、交差している枝や下向きに生えている枝が出てくるので、伸びすぎている場合は枝元から切り落とします。枝全体が上向きに生えていくように樹形を整えましょう。 4年目以降 4年目以降の剪定は、通常の剪定として先に解説した要領で行います。剪定を行うのは冬と夏。7~8月頃に行う夏剪定では小枝を軽く切り落とし、内側に伸びている枝を根元からきれいに切り落とすなど、樹形を整える軽い剪定にとどめます。1年間で1m以上伸びた枝は、翌年に実を付けないので枝元から切り落としましょう。一般的に剪定と呼ばれる冬剪定は、樹形を整え、花や実の付きをよくするための剪定。複雑に込み合っている枝は枝元から切り落とし、花芽を確認しながら切り戻します。剪定の際に太い枝を切り落とした場合は、切り口に癒合剤を塗り、雑菌の侵入を防ぎましょう。 ウメの剪定に必要な道具は? JustinVa/Shutterstock.com ウメを実際に剪定するにあたっては、次のような道具を用意するとよいでしょう。 剪定バサミ Yganko/Shutterstock.com 剪定の際には剪定バサミが必要です。梅の木は硬いので、普通のハサミや生け花で使用するハサミで切るのは危険。必ず樹木用の剪定バサミを使いましょう。剪定バサミには、主に180mm、200mm、225mmの3種類のサイズがありますが、手が大きい人は225 mm、普通または小さめの人は180 mmなど、それぞれの手の大きさに応じて扱いやすいサイズのものを選んでください。目安として、自分の手の平の大きさと同じくらいのものを選ぶとよいでしょう。 また、剪定バサミは切れ味のよいものを使用しましょう。切れ味が悪いものだと、切り口がつぶれて樹木がダメージを受けることも。また、無理な力を加えて切らなければならないため、思わぬケガの原因にもなりかねません。ただし、切れ味のよいハサミで手などを切ることもありますので、取り扱いにはご注意ください。使用後は適切な手入れをしてから片付け、切れ味を保ちましょう。 剪定ノコギリ Ocskay Mark/Shutterstock.com 剪定バサミでは切れないような硬い枝や太い枝は、剪定ノコギリを使います。目の細かいものだと奥まで切り込みが入れられないので、普通の目のノコギリがよいでしょう。 脚立 高い場所の枝を切り落とすときは、脚立があると便利です。脚立の上で作業をするため、安定して倒れにくい三脚タイプの脚立がよいでしょう。ウメの木の高さに合ったものを選びます。脚立を使用する際は、しっかりと安定していることを確かめ、安全をよく確認して作業しましょう。 高枝切りバサミ 手の届きにくい場所の枝を切る時には、高枝切りバサミがあると便利です。高い枝を切る場合や、足場が悪い場所にあるウメの木は、高枝切りバサミで剪定しましょう。持ち上げて使うので、なるべく軽く扱いやすいものがオススメです。これも剪定バサミと同じように、自分に合った大きさのものを選びます。 手袋 剪定の際は、切った枝やハサミの刃などでけがをしないよう、手袋をして行うとよいでしょう。しっかりと手を保護できるよう、厚みのあるものや頑丈なものなど、作業に適した手袋を選びます。手袋に滑り止めがついているものだと、道具を持つときも滑りづらくなるので安全に作業ができます。ただし、細かな作業をする際には、薄手の手袋のほうが手先の自由がきいて作業がしやすいので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。 ウメの剪定をする際の注意点は? ウメの剪定をする際には、次のようなことに注意して行いましょう。 ケガをしにくい服装で作業する ウメの枝は硬く、剪定には力が必要です。剪定の際は、刃物を扱うことに加え、枝の切り口が鋭く尖った枝が地面に落ちている場合があり、注意をしないとケガをする危険があります。ケガをしないように長袖、長ズボン、底が厚い靴を履くようにしましょう。また、必ず手袋を着用して剪定しましょう。 ウメは定期的な剪定が必要 TOMO/Shutterstock.com ウメの木は成長が早いこともあり、剪定せずに放置していると枝や葉が伸び放題になってしまい、樹形が乱れて見た目に悪いだけでなく、日当たりが悪くなったり、風通しが悪くなって病害虫が発生しやすくなる可能性もあります。花付きのよいきれいな姿を楽しむためにも、毎年定期的に剪定するとよいでしょう。少し失敗してもすぐに枝が伸びてくれるので、あまり神経質にならなくても大丈夫。ちょっと失敗したかな、と思っても、翌年にまたチャレンジしてみましょう。 正しく安全にウメの剪定を行い、美しい梅を育てよう! ウメの剪定方法は時期によって異なるため、その時々に応じた剪定方法を確認して行いましょう。剪定の際には、ケガをしないような服装を心掛け、自分に合った道具を使うことが安全のためにも大切です。正しいウメの剪定方法や注意点を理解し、美しいウメを育てましょう!
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樹木

早春に咲くコブシは美しい花が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
コブシの基本情報 Judith Lienert/Shutterstock.com 植物名:コブシ学名:Magnolia kobus(Magnolia praecocissima)英名:Magnolia kobus和名:コブシ(辛夷)その他の名前:田打桜、種蒔桜、田植桜科名:モクレン科属名:モクレン属原産地:日本、韓国(済州島)分類:落葉性高木 コブシの学名は、Magnolia Kobus(マグノリア・コブス)。モクレン科モクレン属の落葉樹です。原産地は日本、韓国。昔から日本の山野に自生していることから分かるように暑さや寒さに強く、育てやすい花木の一つです。放任してもよく育つことから、公園や街路などにもよく植栽されています。樹高は8〜10mで高木に分類されますが、毎年の剪定によって樹高をコントロールすることが可能です。 コブシは葉を展開する前に、大きな花が爛漫と咲き、早春を告げるシンボルツリーとして人気が高い花木です。また、花が咲くと、爽やかな甘い香りを楽しめます。花は香料の素材として、つぼみは漢方薬、樹皮は油に利用され、古くから人々の暮らしの傍にあった樹木です。 コブシの花や葉の特徴 tamu1500/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:4月上旬樹高:8〜10m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 コブシの開花期は4月上旬で、花径10cmほどの白い6弁花を咲かせます。開花時に1枚だけ葉をつけますが、目立たないので、満開になると木が雪をかぶったような姿を楽しめます。また、香料にも利用される甘やかな香りも魅力です。 開花後は、長さ5〜10cmの集合果をつけます。白い果実はだんだんピンクになり、さらに熟すと中から種子が出てきます。 コブシの葉は卵形で、10cm前後の大きさ。枝に互生につきます。 コブシの名前の由来や花言葉 Drop of Light/Shutterstock.com コブシの名前の由来は、果実が握りこぶしのような姿をしていることから。漢字で書くと「辛夷」ですが、これは中国の漢方からきています。開花によって農作を始める時期を告げる花木として、「田打桜」「種蒔桜」「田植桜」などの和名も持っています。 コブシの花言葉は「信頼」「愛らしさ」「友愛」「友情」「歓迎」など。 コブシと似た花とその見分け方 コブシには、似た花を咲かせる花木がいくつかあります。ここでは、特によく間違えられるハクモクレンとタムシバを取り上げ、見分け方についてご紹介します。 ハクモクレン Atiger/Shutterstock.com ハクモクレンは、コブシと同じモクレン科モクレン属の花木で、花姿が似ています。見分けるポイントは、花のサイズが10〜15cmほどと大きく、上向きに咲くことです。また、花弁はガクを含めて9枚で厚みがあり、チューリップのようにぽってりとした咲き姿を見せます。コブシの花弁は6枚でやや薄く、ぱっくりと開ききること、開花時に花の下に小さな葉が1枚つくことが相違点です。 タムシバ(ニオイコブシ) fotorince/Shutterstock.com タムシバもコブシと同じモクレン科モクレン属の花木です。コブシよりやや開花期が遅く、白い花弁が6枚つき、花姿はコブシによく似ています。しかし、コブシは開花するときに葉が1枚つきますが、タムシバにはつきません。また、葉もコブシが卵形なのに対して、タムシバはもっと細長く先端が尖っているのが見分けるポイントです。 コブシの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4月上旬植え付け・植え替え:1月〜3月上旬肥料:1月、5月種まき:9~10月 コブシの栽培環境 SnowMannn/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しのよい場所を好みます。あまり日当たりがよくない場所では、花つきが悪くなるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外で栽培します。 【置き場所】コブシは水はけ・水もちがよく、有機質に富んでふかふかとした土壌を好みます。樹高が高くなるので、枝葉を伸ばしたときに邪魔にならないような場所をあらかじめ確保しておきます。根が粗くて細根が少ないため、成木になると移植を嫌うので、植える場所はよく考えてから選びましょう。 耐寒性・耐暑性 日本の気候に馴染みやすく、暑さ寒さに強いので、一年を通して戸外で管理でき、冬越し対策なども特に必要ありません。 コブシの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、直径・深さともに約50cmの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで穴に戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。 水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水やりをすると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また真冬は、気温が低くなる夕方に水やりをすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付けてしっかり根付いたら、その後は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期や真夏は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。木がまだ若いうちは5月と9月中旬〜下旬、1月に緩効性肥料を株の周囲にばらまき、スコップなどで軽く表土を耕し、土に馴染ませます。 木が十分に大きく育ったら、毎年1〜2月と5月に緩効性肥料を追肥します。 注意すべき病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 コブシに発生しやすい病気は、うどんこ病、すす病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、樹勢が衰えます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気です。葉に発生すると表面につやがなくなります。病状が進み。黒いすすが全体を覆っていくと見た目が悪いだけでなく、光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因で発生するので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば剪定し、日当たり、風通しをよくして管理します。 【害虫】 カイガラムコブシに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、カミキリムシの幼虫などです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物からすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 カミキリムシは、主に夏から秋に発生しやすくなります。カミキリムシの幼虫が幹に穴をあけて中に侵入し、木質部を旺盛に食い荒らすので注意。被害が進むと木が弱るうえ、中が空洞化して枯れてしまうこともあります。成虫が飛来して卵を産み付けるので、成虫や卵は見つけ次第捕殺しておきましょう。また、木の株元などにおがくず状のフンを見つけたら、木の内部で活動していると推測できます。おがくずが出ている穴があれば、穴に細長い針金状のノズルを差し込むタイプの薬剤散布をして駆除してください。 コブシの詳しい育て方 苗の選び方 苗木を選ぶ際は、虫食いや病気の痕がなく、幹ががっしりとして株元がぐらついていないものを選びましょう。葉がしおれたり変色しているものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com 植え付けの適期は1月〜3月上旬です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根を切らないように根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。苗木が若いうちは、支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 コブシを鉢で栽培する場合は、10号以上の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。コブシの苗木を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根を切らないように根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。苗木が若いうちは、支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。コブシの植え替え適期は開花が終わった頃の4月下旬〜5月上旬です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、あまり根鉢をくずさずに、新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 Opas Chotiphantawanon/Shutterstock.com 剪定適期は花後すぐで、新葉が出る前に行います。一般家庭では、樹高3〜4mまでに抑える剪定を行いましょう。コブシは比較的樹形が自然に整うので、それほど剪定には手がかかりません。地際から出てくるひこばえは付け根から切り取り、枯れ枝や木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」なども元から切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、日当たり、風通しがよくなるように、透かし剪定をします。勢いよく長く伸びている徒長枝は、下から3〜4節残して切ると、花芽をつける短枝が出やすくなります。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com コブシは、種まきで増やすことができます。 コブシは開花後に果実をつけ、熟すと中から種子が出てきます。種子が出てくる前に切り取って陰干しし、数日後に果実が裂けて出てきた種子を採取します。果肉を取り除いて流水できれいに洗い流し、そのまま種まきしましょう。 黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。コブシの種子を黒ポットに数粒まいて軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。春に発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 コブシは花や実が食用になる tamu1500/Shutterstock.com コブシのつぼみや花は、酢のものや揚げもの、サラダなどにして食べることができます。開花直前のつぼみを採って、陰干しした後にティーにしてもOK。つぼみまたは果実を、氷砂糖を入れたホワイトリカーにつけた後に取り出し、熟成させると花酒・果実酒が楽しめます。食用にする場合は、農薬の散布に注意しましょう。 コブシの花が咲かないときの原因と対処法 Irina Borsuchenko/Shutterstock.com コブシの花がうまく咲かないというケースもあるようです。ここでは、その原因と対処方法についてご紹介します。 隔年開花が起こったから 隔年開花とは、満開になった次の年はほとんど花が見られなくなり、開花する年と開花しない年が交互にやってくる現象をいいます。これは、花の咲きすぎが原因。過剰な開花によって木が消耗し、エネルギー不足になって翌年は咲かなくなってしまうのです。隔年開花の傾向がある場合は、秋から冬にかけて花芽を確認し、多すぎるようであれば花芽を摘んで減らしておくとよいでしょう。 剪定時期が悪かったから コブシは4月上旬に開花した後に枝葉をぐんぐん伸ばし、7月頃には翌年に咲かせる花芽を形成します。そのため、7月以降に剪定するとせっかくついた花芽を切ってしまうことになり、開花が少なくなるので注意します。したがって、剪定は開花後すぐに行うのがよいのです。もしくは、11月〜翌年3月には花芽がはっきり分かるようになるので、その時期に花芽を落としすぎないような剪定をするとよいでしょう。 コブシを植えて春に花を楽しもう tamu1500/Shutterstock.com 白い花を爛漫と咲かせて春を告げるコブシは、高木になるため庭のシンボルツリーとしてもおすすめです。もともと日本に自生してきた樹木なので、放任してもよく育ち、手間いらずでビギナーにもおすすめです。ぜひ庭に植栽して、見応えのあるシーンを演出してはいかがでしょうか。
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アレンジ

春のインテリアに飾りたい! ミモザのリース。作り方&花を長持ちさせるテクニック
可愛い花が人気のミモザ 早春に、明るい黄色の花を咲かせるミモザ。ガーデンで育てるミモザのお話は、『オージーガーデニングのすすめ 春を告げる「アカシア(ミモザ)」』をお読みいただくとして、ここでは、花屋さんで見つけたミモザを長持ちさせる「水揚げ」方法と、一枝使ったリースの作り方を2タイプご紹介します。 花瓶に飾る前にやっておきたい、ミモザの「焼き揚げ」 ミモザは樹木なので、ほかの草花よりも水の吸い上げが弱く、切ってそのまま水に入れておくだけでは、花がしおれることが多くなります。そこで、花を買ったらまず「水揚げ」をしっかりして、花を長持ちさせましょう。まず、枝の切り口を斜めにカットし、次に、2〜3回縦に切れ込みを入れます。もし小槌などがあれば、切った部分の枝の繊維を少し崩すイメージで叩きます。 次に、水がたっぷり入る花瓶に、あらかじめ水を入れたら、キッチンのガスコンロなどで切った枝の先端を軽く炙って、すぐ水の中へ。枝の先端を焼いて水揚げすることを「焼き揚げ」といい、バラやアジサイ、ピオニー(ボタン)などの枝や茎が太い花などの水揚げに効果的な方法です。 ミモザの枝を使って、簡単リース作りに挑戦! 花瓶に活けていたミモザは、何日かすると次第に花がしぼんできます。そのまま水に活けていても枯れてしまうので、今度はリースにして、ミモザのドライを楽しみましょう。 作り方は簡単! ワイヤーや太めの紐で枝の両端を結び、ミモザを輪っか状にします。枝をとめたワイヤーで輪を作り、壁のフックなどに吊るしましょう。 ふわふわの花は次第にしぼんできますが、空気が乾燥しているこの時期は、きれいにドライになるので、1カ月ほどミモザのかわいさを身近に楽しむことができますよ。 花穂をたっぷり使った黄色のリース作り 上でご紹介したひと枝のリースになるような長い枝がない場合は、ミモザの花穂だけを切り取ってリースにするのも素敵です。用意するのは、ミモザの枝、藤やつるなどで輪になったリースベース、細いワイヤー、ペンチ、ハサミです。 1.仕上がった後に壁などに飾るために輪っかを1カ所作ります。 2.ミモザの枝から花穂(小花が並んで咲いている茎のこと)を1本1本切り取ります。 3.お皿などに同じ向きで花穂を並べて、リースベースに足りる程度の本数(直径10cm程度のリースベースに対して50本以上が目安)を用意します。ミモザの銀色の葉も最後にアクセントとして使うので、切り取っておきましょう。 4.ワイヤーの端をリースベースに一度結びとめたら、花穂を2〜3本リースベースに載せて、ワイヤーを巻きます。 5.先にとめた花穂のワイヤーが隠れるように意識しながら、次の花穂を載せてはワイヤーで巻くことを繰り返します。 6.リースベースが隠れるように作業を進めましょう。 7.リースベースが隠れるまで花穂をとめ終わった裏側。ワイヤーを巻く間隔は1.5〜2cmにすると、花穂の密集度がほどよくおすすめです。 8.間に葉っぱを挟み込んでも、変化が出てよいですよ。 9.部屋のドアや壁、絵のフレームの角にひっかけるなどして、飾りましょう。見慣れた室内が、ミモザの黄色でパッと明るくなります。 ミモザは、ベランダなどで鉢植えにしても育てることができます。自分で育てれば、咲いた分を好きなだけリースやスワッグにすることができます。たくさん咲いたら、お友達にもリースをプレゼントしませんか? 花がある暮らしの楽しみを知る仲間が増えますよ。
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ガーデン

吉谷桂子さんのガーデン「the cloud」から学ぶ“ナチュラリスティックな庭づくり”③ 〜おすすめプランツ〜
適地適草でレイアウトを植物の性質を調べておこう 「the cloud」は西向きの庭で、背後は神宮の森がそびえて朝日がまったく当たらない。夏の太陽がもっとも厳しくなる左側のエリアは西日や乾燥に強い植物で、黄色やオレンジの花が咲くものが多い。高木の北側にあって日照時間が短い右側のエリアは、半日陰を好む日本の在来種で、ピンクや白の花が咲くものが多い。 ロングライフ・メンテナンス・フレンドリーを目標とした、今までにないガーデン制作を行っている吉谷さん。これまでの経験を活かし、高温多湿に耐えられる日本の在来種を取り入れているのもこのガーデンの特徴です。ただ、長生の植物はゆっくりと育つので、見応えと順応性が最終的に分かるのは3年後と考えて、作庭から1〜2年目は、華やかさが出る短命の宿根草や、初年度からたくさん花が咲く一年草も加えています。 上左/ややしっとりとしたエリアを彩る、ヒオウギとカラマグロスティス‘ゴールドタウ’ (7月)。上右/ベンチ+パーゴラ裏で視線が抜けるのをストップ。ルドベキア・マキシアとヒヨドリバナ(7月)。下/シードヘッドになったペンステモン‘ダコタバーガンディ’の銅葉が植栽に深みを与えつつ、引き締め役として活躍(11月)。 また、吉谷さんにとって丈夫で絶対確実な植物だけでなく、ヨーロッパなら大丈夫だけれど、ここではちょっとどうかな? というチャレンジングなものも入れています。 「全体の約2割がチャレンジプランツです。植物の魅力を知るには常にトライ&エラー。環境への順応は試してみないと分からないし、 ガーデニングは自然との共存について学べる大切なチャンスです。 失敗は決して無駄にはならないはず。いろいろと可能性を考えてトライしてみて」。 最大の合い言葉は「適地適草」まずは、植物の性質を調べておこう! 「植物のセレクトとその配置には理由があり、好きな植物をなんとなく植えてはダメ。簡単ではないかもしれないけれど、エコロジーとデザイン両面の適地適草を前提に、美を備えながら気候の変動にも耐えて長生、行儀のよい植物を見極めて」と吉谷さん。 美しい自然な風景を作るには、「植える場所の環境」と「植物の特性」を把握し、『RIGHT PLANT, RIGHT PLACE (適材適所・適地適草)』で花壇に落とし込むことが大切です。 【チェックポイント】 ・丈夫で風土環境に合っているか?(ただし侵略的でないこと)・四季を通して行儀がよいか?(暴れにくい、倒れにくい、花枯れ後の姿が汚くない・シードヘッドも魅力的であること) ① なるべく長期間生きて、その地に順応するか、花が咲くか?(翌年以降も持続して美しい草姿で、花が咲くこと)② 生物多様性、蜜源植物としても役立ち、病害虫に強いか?(命の循環、病害虫に侵されてもまあまあ復活できること。益虫もやってくるとよい) ふわっとして、エアリーなグラスや、蜜源花の代表、バーベナ・ボナリエンシス。その少し下で花後のアガパンサスやエキナセアのフォルムがアクセントに。その下方手前でアガパンサスの葉群やベンケイソウが植物の株元をしっかりガード/9月 ‘the cloud’で重宝した代表的な植物 36選 ガーデンでさまざまな役割を担った、メンバーの一部をご紹介します。ここで取り上げていない植物たちも、それぞれにいい役割を果たしています。 ■細い葉が魅力のグラス類 透け感抜群。軽やかな穂が風に揺れ、植栽の上部分(奥)で、表情豊かなナチュラル感を強めてくれます。 左/ディスカンプシア‘ゴールドタウ’ 中/ミューレンベルギア・カピラリス 右/パニカム‘ヘビーメタル’ 左/ディスカンプシア‘ゴールドタウ’イネ科草丈:約80cm特徴:穂の観賞期は初夏から。たくさん穂を上げ、細かい黄褐色となる。秋には穂が乾いて色が抜け始めるが、冬も楽しめる。ほかのグラスとは異なり多湿を好む。常緑~半常緑性。 中/ミューレンベルギア・カピラリスイネ科草丈:60~90cm特徴:夏~秋にかけて丈のあるピンクの花穂が大人気。初めはつややかだが、冬には色あせる。丈夫で大きく育つので根の張るスペースが必要。日照・風通し、根張りの場所が制限されると倒れやすく、花穂も上がりにくくなることも注意。 右/パニカム‘ヘビーメタル’イネ科草丈:約160cm特徴:葉がまっすぐに直立する姿はオーナメンタルな存在感がある。葉色は、夏まではメタリックなブルーグリーン、秋に上がる繊細な穂と葉は黄金色に変化して直立性も高い。 左/メリニス‘サバンナ’ 中/カラマグロスティス‘カールフォースター’ 右/カラマグロスティス・ブラキトリカ 左/メリニス‘サバンナ’イネ科草丈:約50cm特徴:ブルーグリーンの葉と秋に葉や穂が赤くなるのも魅力的。丈が高くならず、株もコンパクトにまとまるので狭小地でも楽しめるが、こぼれ種で増えるので、コントロールが多少必要なことも。 中/カラマグロスティス‘カールフォースター’イネ科草丈:100~150cm特徴:葉茎、穂が直立する、ナチュラリスティックガーデン代表のグラス。5月頃から上がるすっきりとしてスリムな穂が魅力。穂が出たあと徐々に黄金色に変わり、冬枯れの姿もオーナメンタルな趣がある。 左/カラマグロスティス・ブラキトリカイネ科草丈:約80cm特徴:日本名はノガリヤス。葉はグリーンで柔らかく扇状に弧を描く。羽根のように膨らむ穂は、はじめは明るいグリーンで徐々にシルバー~クリーム色へと移ろう。倒れにくく丈夫。 ■ボールドで頼りになるアガパンサス 巨大花からコンパクトものまで多種あるヒガンバナ科の球根植物。高温化の夏に負けない頼もしい植物で、‘the cloud’では8種類も植えています。美しい花を咲かせることに加え、常緑の葉が低い位置(花壇の手前)をがっしりカバーする役割も。 左/アガパンサス‘クイーンマム’ 中/アガパンサス‘サマーラブ’ 右/アガパンサス‘ポッピンパープル’ 左/アガパンサス‘クイーンマム’草丈:50~70cm花期:初夏特徴:超巨大多花性タイプで、白花を咲かせる花房は約25cmにもなる。ボリュームたっぷりに花をつけるので華やかな印象。 中/アガパンサス‘サマーラブ’ 草丈:約50cm花期:初夏~秋特徴:葉が細く花首がさほど伸びないコンパクトな品種。花色は白と青があり、春から秋まで咲く四季咲き性タイプ。 右/アガパンサス‘ポッピンパープル’草丈:30~60cm花期:初夏~初秋特徴:ほかの品種よりも株はコンパクトで半常緑性。花色は濃紫で花つきがよく、大人っぽい雰囲気が漂う。 ■日陰気味・湿り気味の場所を彩る植物 ほかの場所とは異なる、しっとりとした趣も出してくれます。 左/アネモネ‘アンドレア・アトキンソン’ 中/シュウメイギク‘パミナ’ 右/アスチルベ 左/アネモネ‘アンドレア・アトキンソン’キンポウゲ科草丈:80~120cm花期:夏~秋特徴:アネモネの仲間でシュウメイギク系のハイブリッド品種。純白の花を夏から秋と長期にわたり咲かせる。耐寒性は強く半日陰向き。土壌が肥沃すぎると徒長して倒伏する場合がある。 中/シュウメイギク‘パミナ’キンポウゲ科草丈:約80cm花期:秋特徴:華奢に見えるが花穂は高くならず、株はややコンパクトで倒れにくく丈夫。発色のよい濃いピンクの花は半八重咲き。 右/アスチルベユキノシタ科草丈:90〜120cm花期:初夏特徴:春に白やピンクの細かい花を穂状につける。夏以降に茶色く枯れた花穂をそのまま残しておくと、オーナメンタルな姿が楽しめる。 ■日本在来種、もしくは古くから親しまれてきた植物 日本の風土に合っていて、とにかく丈夫! 左/ミソハギ 中/オミナエシ 右/ヒヨドリバナ 左/ミソハギミソハギ科草丈:50~100cm花期:7~9月特徴:日本各地の湿原や田の畔などに生えている植物で、湿り気のある土地を好む。やや木質化する茎に、鮮やかなマゼンタピンクの花を穂状にたくさんつける。 中/オミナエシオミナエシ科草丈:60~100cm花期:8~9月特徴:秋の七草の一つで、黄色い小花を平らな散房状にたくさん咲かせる。低い場所で葉を広げるので、雑草が広がりにくい。 右/ヒヨドリバナキク科草丈:40~120cm花期:8~10月特徴:茎の上部の散房状花序に、白色または淡紅紫色の頭花を密につける。山地の林縁に多く自生。野趣にあふれる。 ■銅葉が美しいもの ダークな葉色がナチュラルな植栽をぐっと引き締めてくれます。 左/ベルゲニア‘ダークマージン’ 中/ペンステモン‘ハスカーレッド’ 右/ペンステモン‘ダコタバーガンディ’ 左/ベルゲニア‘ダークマージン’ユキノシタ科草丈:約40cm花期:春特徴:革のような質感で光沢のある厚い常緑葉。春~秋は葉縁に赤い縁取りが入り、晩秋以降は葉全体に赤みが濃くなる。花色はピンク。 中/ペンステモン‘ハスカーレッド’オオバコ科草丈:80~100cm花期:初夏特徴:ブロンズ色の葉がカラーリーフとして楽しめ、白花とのコントラストが魅力。春の芽吹きはより濃色で、花後は暗い緑色になる。タネもシックな印象。 右/ペンステモン‘ダコタバーガンディ’オオバコ科草丈:約60cm花期:初夏~秋特徴:光沢のある赤みがかったダークな葉に、濃ピンクがにじむ花をつける。ペンステモン‘ハスカーレッド’よりも葉が赤黒く、コンパクトな品種。 ■彩りが寂しい春先に毎年咲き続ける小球根 一度植えれば、毎年グラウンドカバーとしても活躍しながら、愛らしい花色で春の到来を告げてくれます。 左/イフェイオン‘アルバートキャスティロ’ 左/シラー・シビリカ 右/スイセン‘テタテート’ 左/イフェイオン‘アルバートキャスティロ’ユリ科草丈:10~20cm花期:早春特徴:可憐な白い星形の花をいっぱいに咲かせる。植えっぱなし可能でグラウンドカバーにも最適。細い青々とした葉は初冬から展開して花後に休眠し、地上部は枯れる。 左/シラー・シビリカユリ科草丈:10~15cm花期:早春特徴:ベルのように下垂した花は非常に可憐で房状に咲く。花色は白と青紫。緑の細い葉は開花前に展開する。 右/スイセン‘テタテート’ユリ科草丈:20cm花期:早春特徴:鮮やかな黄色の愛らしい花を咲かせるコンパクトなスイセン。早春の植栽ににぎやかさを与えてくれる。 ■シードヘッドが楽しめるもの ユニークな造形が、秋の風情を深めてくれます。 左/エキナセア‘マグナススーペリア’ 中/ヒオウギ 右/ルドベキア‘リトルヘンリー’ 左/エキナセア‘マグナススーペリア’キク科草丈:60~150cm花期:初夏~初秋特徴:ライラックピンクの花弁×赤い花心の組み合わせが鮮やか。花径が大きく、夏の植栽に元気な存在感を与えてくれる。花心が乾いて残る。 中/ヒオウギアヤメ科草丈:40~100cm特徴: 夏特長:夏の花も扇形に立ち上がる葉姿も、どちらも美しい。また、秋に風船のような種袋ができ、それが割れると中から真っ黒なタネが現れるところも非常に魅力的。万葉の昔はそれを‘ぬばたま’と呼んだ。 右/ルドベキア‘リトルヘンリー’キク科草丈:60~90cm花期:初夏~夏特徴:筒状の細長い花弁がユニークで、茶色い花心とのコントラストが愛らしい。半日陰でも咲く丈夫な小型種。蝶を呼ぶ。 ■オーナメンタルに花が楽しめる球根 細い柄に花房がつき、風に揺れる浮遊感も楽しめます。 左/アリウム‘パープルレイン’ 中/アリウム・シューベルティー 右/トリテレイア‘シルバークイーン’ 左/アリウム‘パープルレイン’ネギ科草丈:約60cm花期:春特徴:鮮やかな赤紫の星形の花を放射状につける、植えっぱなし可能な丈夫なアリウム。早咲き種。 中/アリウム・シューベルティーネギ科草丈:30~50cm花期: 初夏特徴:ネギ坊主が花火のようにパッと広がる巨大輪のピンクのアリウム。放射状に広がる花柄はそのままの形で乾いて残る。 右/トリテレイア‘シルバークイーン’ ユリ科草丈:30~40cm花期:初夏特徴:針金のように細い茎に、ラッパ形の白い花をたくさん咲かせる。掘り上げなくても毎年植えっぱなしでよく開花する。 ■暑さと干ばつにも強いストレスフリーな宿根草 昨今の酷暑を乗り越える性質を備えながら見応えがある頼もしい種類です。 左/アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’ 中/アリウム‘サマービューティー’ 右/セダム(ハイロテレフィニューム)‘オータムジョイ’ 左/アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’シソ科草丈:約80cm花期: 夏~秋特徴:シソの穂を細かくしたような花穂をたくさん上げ、淡いブルーの花を長期にわたり咲かせる。花後は花穂がシードヘッドになり、秋から冬の間も見応えたっぷり。 中/アリウム‘サマービューティー’ネギ科草丈:20~40cm花期:夏特徴:小型のアリウムで、球形・ピンク色の花をつける姿はチャイブに似ている。厚めの葉をたくさん展開し、グラスのよう。暑さに強い。 右/セダム(ハイロテレフィニューム)‘オータムジョイ’ ベンケイソウ科草丈:30~60cm花期:晩夏~秋特徴:丈夫な茎が立ち上がり、多肉質な葉を広げながらこんもりと育つ。花はピンクからローズピンクに移ろい美しい。ほぼ水やりは要らず、肥えていない土=貧しい栄養環境だとうまく育つ。また、西日の厳しい場所に植えるのに向いているが、少し湿り気があるところだと巣蛾(すが)でダメージを受ける場合がある。 ■グラウンドカバーで活躍する宿根草 表土を隠し、雑草防止や乾燥予防に役立ちます。 左/セラトスティグマ 中/エリゲロン・カルビンスキアヌス 右/リッピア・カネスケンス 左/セラトスティグマ(ルリマツリモドキ)イソマツ科草丈:30~60cm花期:夏~秋特徴:1~2cmのコバルトブルーの花が次々と長い間咲き続け、茎葉をこんもりと密生させながら、株は横に広がるように成長する。秋には紅葉も楽しめる。 中/エリゲロン・カルビンスキアヌスキク科草丈:10~30cm花期:春~秋特徴:小輪多花性で、長期間咲き続ける。咲き始めは花弁が白く徐々に赤みを帯びていくので、2色咲いているように見える。性質も強い。 右/リッピア・カネスケンスクマツヅラ科草丈:10~30cm花期:春~秋特徴:地面を這うように成長して広がり、各節から根を根付かせながら密に地面を覆う。また、白やピンク色の花を次々に咲かせる。 ■ふわりと間をつないでくれる一年草(一年草扱いの宿根草) 一年草や短命な宿根草は、春の庭に早くから花を咲かせます、成長が早く、しかもこぼれ種で増えるので、侵略的ではないタイプを選んで(オルラヤなどは増えすぎた場合のコントロールが大変なので場所を選ぶとよい)。 左/ニゲラ・ダマスケナ 中/セントランサス・コキネウス アルバ 右/バーベナ・ボナリエンシス 左/ニゲラ・ダマスケナキンポウゲ科(一年草)草丈:40~90cm花期:春特徴:白や青、ピンクなどの花弁のような萼片も、ふわふわとした糸状の葉も花後の風船形のシードヘッドも魅力的。一年草ながら開花前から開花後まで見頃が長い。こぼれ種から出る糸葉の新芽は雑草との見分けがつきやすいので、コントロールがしやすい。 中/セントランサス・コキネウス アルバオミナエシ科(一年草扱いの宿根草)草丈:約60cm花期:春特徴:ベニカノコソウの白花種で小花が集まって咲く。花つきが非常によく、こんもりと茂ると見応えたっぷり。宿根草で、環境に合えば温暖地の場合は常緑で冬越しする。短命だがこぼれ種で増える。 右/バーベナ・ボナリエンシスクマツヅラ科(一年草扱いの宿根草)草丈:70~100cm花期:初夏~秋特徴:強健で自立性が高く細長い茎が分岐した先に、紫の小花を咲かせる。昆虫たちにも人気が高くタネもできやすいので、適度に軽めの剪定をして、花を長く咲かせながら株の状態を保つとよい。日当たりがよく、少し乾き気味な環境を好み、条件が合えばこぼれ種でよく増える。冬越しした株は翌年も開花する。 『ガーデン・メリット』がある植物を選ぶ意味 「“花の美しさや愛らしさ”はガーデンプランツを選ぶ上で重要な選択肢となりますが、それにプラスして、芽出しの時期から枯れるまで、ずっと庭景色に魅力を与えてくれる『ガーデン・メリット』がある植物を選ぶことも大切です。 それを見極めるには、一度やってみる。失敗しながらも発見を楽しむ。“トライ&エラー”の精神で挑んでください。年を追うごとに経験値を積んでいけば、人生はきっと充実するはず。エコロジーにあった、強く美しい植物の存在を知ることは、私たちの心を癒やし、人生を豊かにしてくれる“庭”の可能性を広げてくれますよ」と吉谷さん。 連載4回目となる次回は、「ガーデン環境整備」についてご紹介します。






















