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バコパ(ステラ)は寄せ植えやハンギングにもおすすめ! 特徴や育て方のポイントとは

バコパ(ステラ)は寄せ植えやハンギングにもおすすめ! 特徴や育て方のポイントとは

COULANGES/Shutterstock.com

長期間にわたって開花し続ける草花のバコパ(ステラ)は、寄せ植えの名脇役として欠かせない存在。主張しすぎずに、ほかのどんな植物とも相性よくまとまるのも特徴の一つです。この記事では、バコパの基本情報や特徴、詳しい育て方について解説します。

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バコパの基本情報

バコパ
vaivirga/Shutterstock.com

植物名:バコパ
学名:Sutera
英名:Bacopa
その他の名前:ステラ 
科名:オオバコ科
属名:スーテラ属
原産地:南アフリカ
分類:宿根草(多年草)

バコパはオオバコ科ステラ属、季節を問わず葉が緑のままである常緑性多年草です。原産地は南アフリカ。暑さや湿度が苦手ですが、密集して葉が繁るので、風通しや鉢の湿度管理が大切です。

草丈は10〜30cmとコンパクトで這うように伸びる性質があるので、寄せ植えやハンギングなどでも好んで用いられます。花壇に植える場合は、土をやや高めに盛って、周囲をレンガや木枠で囲んで植える場所が高くなるレイズドベッドがおすすめ。レイズドベッドは通気性に優れており、高さがあるのでバコパの垂れ枝がよく映えます。

開花時期になると、緑の葉の間に小ぶりな花が目立ち、いっそう華やかな姿に。育てやすいこともあり、人気の高い園芸植物です。

バコパの花や葉の特徴

バコパ
photoPOU/Shutterstock.com

園芸分類:草花
開花時期:1〜6月、9〜12月
草丈・樹高:約10〜20cm ※枝垂れさせる場合は30cm以上
耐寒性:弱い
耐暑性:少し弱い
花色:青、紫、ピンク、白、複色

バコパ(ステラ)の花や葉は、小ぶりで丸みを帯びた可愛らしいシルエットが特徴です。花色は白、パステルピンク、パステルブルー、紫、複色など。花径は1cm前後で小さく、5弁花で、一重咲きや八重咲きがあります。八重咲きの品種は夏になると花弁が少なくなり、一重咲きに近い状態になることも。また、品種によっては葉に白い斑が入るものもあります。

バコパの開花期は、3〜7月、9月〜11月上旬。花つきがよく、次々と咲いて長く楽しめるのが特徴です。

楚々として愛らしく主張しすぎないため、寄せ植えなどで他の植物とも調和しやすく、脇役として活躍する花です。

バコパの名前の由来と花言葉

バコパ
Kabar/Shutterstock.com

バコパの名前は、近縁種であるバコパ属が由来です。本来はステラ属なので、ステラとも呼ばれています。

バコパには、可愛らしい小さな花をつけることから「愛らしい」、開花期にたくさんの花が集まるように咲くことから「家族」などの花言葉がつけられました。

また、可憐な姿にもかかわらず、開花期が長く丈夫な植物であることから、「小さな強さ」という花言葉もあります。

バコパの代表的な品種

バコパ
‘スノーフレーク’ M. Schuppich/Shutterstock.com

バコパは品種改良された園芸品種もいくつか出回っています。ここでは、代表的な品種をご紹介しましょう。

スノーフレーク

バコパの園芸品種のうち、最もポピュラーな品種です。花色は白で、草丈は20cm前後。這うように横へ増え広がる性質を持っているので、グラウンドカバーやハンギングバスケットの寄せ植えなどにも利用できます。

グレートピンクリング

基本種よりも花のサイズが大きめで、ピンクの花を咲かせます。花弁の中央にやや濃いピンクがのるのが特徴で、満開時には大変華やかです。草姿が乱れてきた頃に切り戻すと、数週間以内に盛り返して開花し始めます。

ライムバリエガータ

葉にライムイエローの斑がランダムに入る品種で、開花期以外にはカラーリーフプランツとして重宝します。花色は白で、清楚な雰囲気。草丈は10cm前後で、這うように広がります。

バコパの栽培12カ月カレンダー

開花時期:1〜6月、9〜12月
植え替え適期:5〜8月
肥料:3〜11月
植え付け:3〜5月、9〜10月
種まき:3〜5月

バコパは春・秋に育ちやすい植物なので、3〜5月および9〜10月が植え付けの適期です。秋から春にかけて花が見ごろになります。

バコパの栽培環境

バコパ
Yulia_B/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

バコパは、日当たりのよい場所を好みます。屋内・屋外どちらでも育てられますが、いずれも日光が十分に当たる場所がおすすめです。

また、バコパは多湿を嫌います。夏は特に株が蒸れやすいので、置き場所を選ぶ際は風通しにも注意しましょう。茎が柔らかく這うように育つので、釣り鉢やハンギングバスケットなどに植え付けたり、高所に置いたりすることで、垂れ下がった枝にもしっかりと風を通せます。

なお、土壌は、水はけ・水もちのバランスがよく、有機質に富んだふかふかの状態が良いでしょう。

耐寒性・耐暑性

バコパは日光を好む一方で、暑さが弱点です。夏場は、強い日差しを避けられる場所に移動しましょう。1日のうち一定時間だけ日光が差す、半日陰と呼ばれる場所がおすすめです。

バコパは寒さにはある程度強い植物ですが、気温が氷点下まで下がる環境では凍結によって傷んでしまう恐れがあります。冬に寒さが厳しくなる地域では、室内や屋外の日当たりが良い場所など、ある程度寒さをしのげる環境が必要です。

バコパの育て方のポイント

用土

土
blueeyes/Shutterstock.com

【地植え】

植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

水やり

水やり
cam3957/Shutterstock.com

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は用土が乾きにくくなるので、状態を見ながらやや控えめに与えるようにしましょう。

肥料

肥料
New Africa/Shutterstock.com

【地植え】

元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えて様子を見てください。

【鉢植え】

3〜11月頃、月に1度を目安に緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性の肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えて株の勢いを保ちます。

注意すべき病害虫

アブラムシ
nechaevkon/Shutterstock.com

【病気】

バコパは病気を発症する心配はほとんどありませんが、まれに炭そ病にかかる場合があります。

炭そ病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点が現れるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので、早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発病しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。

【害虫】

バコパに発生しやすい害虫は、アブラムシやコナジラミなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第、こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

コナジラミは、植物の葉裏について吸汁します。体長は1mmほどで大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいでしょう。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので要注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜み、春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉を残さずに処分しておきましょう。大発生した時はスプレータイプの適用薬剤を散布して対処してください。

バコパの詳しい育て方

苗の選び方

バコパは、苗から育てるのが一般的です。流通時期は春〜秋で、園芸店やホームセンターなどで手に入ります。

バコパの苗を選ぶ際は、葉や茎、根の状態に注目しましょう。葉の色が良く、茎がしっかりとしていて、根元から葉が良く茂っている苗がおすすめです。

植え付け・植え替え

ガーデニング
AlenKadr/Shutterstock.com

バコパの植え付け・植え替えの適期は、3〜5月か、9〜10月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20〜40cmの間隔を取ってください。

地植えの場合、環境に合えば植え替える必要はありません。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。バコパの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大きな鉢にほかの草花と一緒に植え込んで、寄せ植えを作っても素敵です。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。

日常のお手入れ

【摘心】

バコパは、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂ります。枝葉が増えることで花数も増えるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。

【花がら摘み】

バコパは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

剪定・切り戻し

剪定
mihalec/Shutterstock.com

6〜9月に草姿が乱れてきたら、その都度切り戻して株の若返りをはかります。草丈の1/2〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。

夏越し・冬越し

【夏越し】

高温多湿を嫌うので、早めに切り戻しをして風通しをよくしておきましょう。地植えで湿気が多く強光線が照りつける環境の場合は、鉢に植え替えて養生させるのも得策です。鉢栽培では、風通しがよく涼しい半日陰などに移動します。

【冬越し】

寒さには強いほうですが、戸外で冬越しできるのは凍結しない暖地のみと捉えるのが無難。霜が降りたり、霜柱ができたりする地域では、鉢に植え替えて凍結しない軒下や、日差しが届きやすい室内などに移動して管理しましょう。

増やし方

種まき
Montana Isabella/Shutterstock.com

バコパは、種まき、株分け、挿し芽で増やすことが可能です。ここでは、それぞれの方法について詳しくご紹介します。

【種まき】

バコパの種まきの適期は3〜5月で、発芽適温は20〜25℃です。

種まき用のセルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。土はかぶせずに、水を張った容器にセルトレイを入れ、底から吸水させます。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたら黒ポットに鉢上げします。さらに育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。

【株分け】

バコパの株分けの適期は、3〜5月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜5芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。

【挿し芽】

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、バコパは挿し芽で増やせます。

挿し芽の適期は、4〜6月か9〜10月です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら黒ポットに植え替えて育苗し、十分に育った頃に植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

他の草花と組み合わせやすいバコパを花壇や鉢に咲かせよう

バコパ
Sergey Bezgodov/Shutterstock.com

這うように増え広がる草姿で、流れるような茎葉のラインが美しく、寄せ植えなどで動きを出すアクセントになってくれるバコパ。草姿が乱れても切り戻せば、若返った姿を再び見せてくれるのもいいですね。どんな花とも組み合わせやすいバコパを、ぜひ庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか。

【かわいい】寄せ植えやハンギングにも!バコパ(ステラ)

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