長期間にわたって開花し続ける草花のバコパ(ステラ)は、寄せ植えの名脇役として欠かせない存在。主張しすぎずに、他のどんな植物とも相性よくまとまるのも特徴の一つです。この記事では、バコパの基本情報や特徴、詳しい育て方について解説します。

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バコパの主な特徴とは

バコパの基本情報や花の特徴について、詳しく解説してます。

基本情報

バコパ
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バコパはオオバコ科ステラ属の常緑性多年草です。原産地は南アフリカで、高温多湿を苦手とし、冬に凍結する環境では冬越し対策が必要です。草丈は10〜30cmほどで、這うようにして伸びる性質があります。そのため、ハンギングバスケットや寄せ植えの縁取りなどに植栽し、流れるようなラインを楽しむのも一案。多湿の環境を嫌うので、花壇の場合はやや土を盛って高畝にしたレイズドベッドなどに縁どりとして植栽し、枝垂れさせるのがおすすめです。

花の特徴

バコパ
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バコパの開花期は、3〜7月、9月〜11月上旬頃。花色は白、パステルピンク、パステルブルー、複色などがあります。花径は1cm前後で小さいのですが、花つきがよく次々と咲いて長く楽しめるのが特徴。5弁花で、一重咲き、八重咲きがあります。楚々とした愛らしさで主張しすぎないため、寄せ植えなどで脇役として活躍する花です。

バコパの育て方のポイント7つ

ここまで、バコパの基本情報や花の特徴などについてご紹介しました。ここからはガーデニングの実践編として、バコパの栽培方法について、詳しく解説します。

栽培環境

バコパ
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バコパは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。ただし、夏の暑さを苦手とするので西日の当たらない場所がベター。午前のみ日が差す東側などがおすすめです。土壌は、水はけ、水もちのバランスがよく、有機質に富んだふかふかの状態を好みます。

バコパは高温多湿を嫌うため、夏は株が蒸れないように風通しよく管理するのがポイントです。鉢栽培では涼しい半日陰の場所に移動するとよいでしょう。冬の寒さには強いほうですが、凍結する地域では、鉢植えにして冬は日当たりがよく暖かい軒下や室内などに入れ、冬越しさせるのがおすすめです。

用土

土
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【地植え】

植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕してください。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

植え付け・植え替え

ガーデニング
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バコパの植え付け・植え替えの適期は、3〜5月頃か、9〜10月頃です。ただし、植え付け適期以外にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20〜40cmくらいの間隔を取ってください。

庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。バコパの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に入れて仮置きして高さを決めます。少しずつ土を入れて、植え付けていきましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大きな鉢にほかの草花と一緒に植え込んで、寄せ植えを作っても素敵です。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。

水やり

水やり
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水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを見はからってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は用土が乾きにくくなるので、状態を見ながらやや控えめに与えるようにしましょう。

肥料

肥料
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【地植え】

元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない時などがあれば、液肥を与えて様子を見てください。

【鉢植え】

3〜11月頃、月に1度を目安に緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性タイプの肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えて株の勢いを保ちます。

日常のお手入れ

【摘心】

バコパは、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂ります。枝葉が増えることで、花数も増えるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。

【花がら摘み】

バコパは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【切り戻し】

6〜9月に、草姿が乱れてきたらそのつど切り戻して株の若返りをはかります。草丈の半分〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。

【夏越し・冬越し】

  • 夏越し

高温多湿を嫌うので、早めに切り戻しをして風通しをよくしておきましょう。地植えで湿気が多く強光線が照りつける環境の場合は、鉢に植え替えて養生させるのも得策です。鉢栽培では、風通しがよく涼しい半日陰などに移動します。

  • 冬越し

寒さには強いほうですが、戸外で冬越しできるのは凍結しない暖地のみと捉えるのが無難。霜が降りたり、霜柱ができたりする地域では、鉢に植え替えて凍結しない軒下や、日差しが届きやすい室内などに移動して管理しましょう。

注意すべき病害虫

アブラムシ
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【病気】

バコパは病気を発症する心配はほとんどありませんが、まれに炭疽病にかかる場合があります。

炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点ができるのが特徴です。その後、葉に穴が開き始め、やがて枯れ込んでいくので早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。

【害虫】

バコパに発生しやすい害虫は、アブラムシやコナジラミなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

コナジラミは、植物の葉裏について吸汁する害虫です。体長は1mmほどで大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいです。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので要注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜んで春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉を残さずに処分しておきましょう。大発生した時はスプレータイプの適用薬剤を散布して対処してください。

バコパの増やし方

種まき
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バコパは、種まき、株分け、挿し芽で増やすことが可能です。ここでは、それぞれの方法について詳しくご紹介します。

種まき

バコパの種まきの適期は3〜5月頃で、発芽適温は20〜25℃くらいです。

種まき用のセルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。土はかぶせずに、水を張った容器にセルトレイを入れ、底から給水させます。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたら黒ポットに鉢上げします。さらに育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。

株分け

バコパの株分けの適期は、3〜5月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げて4〜5芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。

挿し芽

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽で増やせるものとそうでないものもありますが、バコパは挿し芽で増やせます。

バコパの挿し芽の適期は、4〜6月か9〜10月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴を開け、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら黒ポットに植え替えて育苗し、十分に育った頃に植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

バコパの代表的な品種

バコパ
‘スノーフレーク’ M. Schuppich/Shutterstock.com

バコパは品種改良された園芸品種もいくつか出回っています。ここでは、代表的な品種をご紹介しましょう。

スノーフレーク

バコパの園芸品種のうち、最もポピュラーな品種です。花色は白で、草丈は20cm前後。這うように横へ増え広がる性質を持っているので、グラウンドカバーやハンギングバスケットの寄せ植えなどにも利用できます。

グレートピンクリング

基本種よりも花のサイズが大きめで、ピンクの花を咲かせます。花弁の中央にやや濃いピンクがのるのが特徴で、満開時には大変華やかです。草姿が乱れてきた頃に切り戻すと、数週間以内に盛り返して開花し始めます。

ライムバリエガータ

葉にライムイエローの斑がランダムに入る品種で、開花期以外にはカラーリーフプランツとして重宝します。花色は白で、清楚な雰囲気。草丈は10cm前後で、這うように広がります。

くせがなく合わせやすいバコパを花壇や鉢にお迎えしよう

バコパ
Sergey Bezgodov/Shutterstock.com

這うように増え広がる草姿で、流れるような茎葉のラインが美しく、寄せ植えなどで動きを出すアクセントになってくれるバコパ。草姿が乱れても切り戻せば、若返った姿を取り戻せるのもいいですね。どんな花とも組み合わせやすいバコパを、ぜひ庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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