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【今が買い時!】まるで青い妖精の庭…ネモフィラが彩る夢のガーデンの作り方

【今が買い時!】まるで青い妖精の庭…ネモフィラが彩る夢のガーデンの作り方

春の訪れとともに、ふんわりと風に揺れる小さな青い花、ネモフィラ。その姿はまるで、妖精が舞い降りたかのような幻想的な風景を生み出します。今回は、そんなネモフィラが咲く面谷ひとみさんの春のガーデン作りのアイデアをご紹介。他の植物と組み合わせる際の植えつけ方や抜きどきなど、面谷さんが実践するネモフィラ・ブルーの効果的な使い方をお聞きします。

世界中の人が夢中になるネモフィラ・ブルー

国営ひたち海浜公園の「みはらしの丘」。Spyan/Shutterstock.com

ネモフィラの最大の魅力は、幻想的なブルー。この青の世界に、毎年多くの人が心を奪われているのが、茨城県の国営ひたち海浜公園です。ネモフィラといえばこの場所を思い出す方も多いのではないでしょうか。4〜5月にかけて、約530万株のネモフィラが咲き誇る「みはらしの丘」には、GW中だけで約30万人以上の人々が訪れます。空と海、そしてネモフィラが一体となるその絶景は、まさに「空の青に包まれる奇跡の場所」として国内外で大きな話題を呼び、「一生に一度は見たい風景」として毎年注目を集めています。

この壮大なスケールの美しさを、自宅のガーデンに小さく再現できるのも、ネモフィラの魅力。光が差し込むと花びらがほんのり透け、庭全体がふんわりとした青のグラデーションに包まれます。春のやさしい青空を切り取ったかのようなネモフィラ・ブルーは、どんな庭にも清らかでロマンティックな雰囲気を添えてくれます。

ネモフィラってどんな植物?

繊細なブルーが魅力のネモフィラ。hasetetsu/Shutterstock.com

ネモフィラは、別名「瑠璃唐草(るりからくさ)」とも呼ばれる一年草。やわらかなブルーの花びらが特徴で、春になると空のように澄んだ花が一面に咲き広がります。日本の平地では、例年4月中旬から5月上旬にかけてが見頃。草丈は10〜30cmほどとコンパクトで、グラウンドカバーや寄せ植えにもぴったりです。苗が出回るのはちょうど今頃、3月中旬〜4月上旬で、植えてすぐにキレイな風景が楽しめるのも魅力。手がかからず育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめです。

ネモフィラの魅力を堪能するガーデンデザイン

ネモフィラはどんな植物とも相性がいい春の名脇役

チューリップ‘アプリコットインプレッション’とネモフィラの共演。

国営ひたち海浜公園ではネモフィラが主役ですが、私の庭では脇役として活躍してくれています。ネモフィラのブルーはどんな花色とも相性がよいので、本当に便利。毎年、春にはチューリップを植えるのですが、何色のチューリップと合わせても、上品になるのがお気に入りの理由の一つです。草丈10〜30cmというサイズ感も、チューリップの株元を彩るのにぴったり。

チューリップ‘レモンシフォン’やイエロー系のパンジーとも相性抜群。

チューリップは前年の晩秋から冬にかけて植えたものが芽を出しているので、その間にネモフィラの苗を植え付けるようにします。あまり大胆に掘り返してチューリップの球根を傷めないように注意しましょう。ネモフィラの根は浅く広がるので、少し穴を掘って植え付け、上から盛り土をするような感じでもOKです。

季節をつなぐ役目を果たしてくれるネモフィラ

4月上旬の庭。ネモフィラがチューリップの脇役として活躍。この頃はネモフィラの草丈は20cm程度。

ネモフィラは庭の主役がチューリップからバラへと交代する際、間をつなぐ役目も果たしてくれます。私の庭がある鳥取県米子市ではチューリップは4月いっぱいまでで、バラはもう少し先、5月中旬以降に見頃となります。バラが見頃となるまでの1〜2週間、わずかな端境期が生まれるのですが、その間の庭の彩りをつないでくれるのがネモフィラです。

群植・連続植えでネモフィラ・ブルーを発揮

チューリップが終わった後、草丈が30cmほどになったネモフィラが庭を幻想的に演出。

3月中旬に植えつけたネモフィラは、5月初旬には草丈も株張りも30cmほどになっています。それが春風に揺れると、まるで「花の波」のよう。ネモフィラは花の一つひとつは繊細で小ぶりなため、1株だけでは“青”の印象が淡く、その魅力が最大限に発揮できません。複数株を一定の間隔で植え続けることで、視線を引く美しいラインや面が生まれ、ブルーの魅力が際立ち、あの「ネモフィラ・ブルー」が真価を発揮します。特に春先のガーデンは、宿根草のボリュームがまだ控えめなため、ネモフィラの連続植栽がとても映えます。

花壇の手前にネモフィラを連続植栽。
<植え方のコツ>

この庭では小道の両側や花壇の縁に沿って連続的にブルーがつながるように、手前から奥までネモフィラを植栽。連続させることによって、景色の中に「青の流れ」を作るようにします。

ブルーのボリュームが出るように、1箇所に株間を10〜15cm程度とって3株程度を植えます。これを連続的に繰り返すと「青の流れ」として認識しやすくなります。

植栽帯や花壇の「手前」にネモフィラエリアを作るとブルーが目立ちます。これは抜く際の考慮でもあります。

1株では感じにくい“空を歩くような感覚”は、群れ咲くことで初めて生まれるもの。ネモフィラは「広がってこそ美しい」という特性を活かし、庭に青の物語を描くように植えてみましょう。

ネモフィラのお手入れ&終わったらどうする?

チューリップの間に咲くネモフィラ・インシグニス(左)と黒花のネモフィラ‘ペニーブラック’(右)。

ネモフィラの開花中の手入れはほとんど必要ありません。パンジー・ビオラのように、こまめな花がら摘みをせずともOK。ネモフィラは自然に次々と花を咲かせるタイプで、咲き終わった花がタネになってもすぐに見苦しくなることは少なく、花がら摘みをしなくても長く楽しめます。基本的に水はけと日当たりがよければ、放任でもキレイに育ちます。

ネモフィラは5月中旬には花が終わるので、花後は抜く必要があります。ネモフィラを抜く頃には他の宿根草が旺盛に茂っている最中ですから、抜く際に他の植物を傷めてしまうのでは? という心配が発生するかもしれませんが、次のようにすれば問題なく、他の植物との組み合わせが楽しめます。

  1. ネモフィラは草丈が低く前景向きの植物なので、宿根草の手前に、20〜30cmほど離して植えます。ネモフィラの根は浅く広がるので、このくらいの間隔があれば他の植物の根を傷める心配はありません。抜いた後は宿根草が勢いを増して茂ってくるので、隙間ができず自然にきれいな風景になります。
  2. 心配な場合はネモフィラを抜かずに、株元をハサミで切って、根は土中に残してもOK。根は分解されて宿根草の邪魔にはなりません。

寄せ植えでも活躍するネモフィラ

同じブルーのデルフィニウム‘チアブルー’の株元をネモフィラで彩った寄せ植え。枝垂れ咲くのはクレマチス・ペトリエイ。

ネモフィラは横にやさしく広がる草姿をしており、寄せ植えの中で “ふんわり感”や“抜け感”を演出してくれます。ぎっしり詰まった寄せ植えに、軽やかさを加えられるまさに名脇役。さらに、印象的でありながら派手すぎない淡い青色は、 “つなぎの色”としても優秀で、他の花色を引き立てながら全体を調和させる効果があります。

淡いピンクのラナンキュラス・ラックスともネモフィラのブルーは相性抜群。

ネモフィラを使った寄せ植えの使い方アイデア

前景・垂れ下がり役に

鉢の縁からこぼれるように咲くため、前面や鉢の縁に配置すると自然な流れが出て美しい仕上がりに。

ブルーで“抜け”を演出

濃い色の花が多い寄せ植えにブルーを加えることで、軽やかで透明感のある仕上がりになります。

単色トーンでまとめてナチュラルに

ネモフィラを中心に、ホワイト〜ブルー系の花でまとめると、シックで爽やかな寄せ植えが作れます。

ネモフィラは、ナチュラルでロマンティックな雰囲気を添えてくれる頼れる存在。他の草花とも馴染みやすく、カラーコーディネートや立体的な演出がしやすいのが魅力です。春のガーデニングに、ネモフィラのやさしいブルーを取り入れて“小さな春の物語”が始まるような庭や寄せ植えを作ってみてはいかがでしょうか?

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