一年で最も夜が長い日、冬至。寒い季節になると、今年の冬至はいつなのか、冬至に向けてどのような準備が必要なのか、気になる人もいるでしょう。ここでは、2019年の冬至の日程や、日程の決まり方、冬至にまつわる風習や雑学をご紹介。この記事を読んで、冬至の過ごし方をイメージしてみませんか?

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冬至とはどんな日?

みなさんは、冬至とはどのような日かご存じですか? まずは、冬至の意味や日程の決まり方をおさらいしてみましょう。

冬至の意味

冬至は、夏至や春分、秋分などと同じく、「二十四節気」の一つです。二十四節気とは、一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもので、季節を表す言葉として使われています。その中で、北半球では一年を通じて一番夜が長い日が冬至に当たります。日照時間が一年でもっとも短く、この日を境に再び日が長くなることから、太陽の力がもっとも衰える日や太陽が生まれ変わる日として捉えられ、世界各地でさまざまな風習が伝わっています。

季節変化
Designua/Shutterstock.com

さて、このように、日照時間が季節によって異なる理由は、地軸の傾きにあります。地球は自転軸が傾いた状態で太陽の周りを公転しているため、季節によって太陽からの光を受けられる時間が異なり、夏や冬の変化が生まれます。北極側が太陽のほうを向く夏には、北半球で昼が長くなり、南極側が太陽のほうを向く冬は南半球で昼が長く、北半球で夜が長くなるのです。

ちなみに、新暦の6月頃に訪れる夏至は、一年を通じてもっとも昼が長い日。日本でも、冬至と夏至を比較すると、昼間の時間はなんと5時間ほども異なるのだそうです。

冬至の日程の決まり方

そんな冬至の日ですが、毎年同じ日というわけではなく、12月22日前後で年によって異なります。冬至の日程は、「定気法(実気法)」という計算式を利用して決められています。これは、天保暦から採用された二十四節気の定め方で、太陽の天球上の通り道である黄道を、15°ごとに24等分する方法です。時間で24等分する「平気法 (恒気法/常気法)」とは異なり、地球と太陽の位置関係から決定されるため、節気間の間隔は一定ではありません。

今年、2019年の冬至は12月22日にあたります。

冬至にまつわる風習は?

かぼちゃの煮物
sasaken/Shutterstock.com

先述の通り、冬至の日には、世界各地でさまざまな風習が行われています。まず、日本の主な風習をご紹介しましょう。冬至は一年で一番日が短いことから、もっとも死に近い日とされ、厄除けの行事が多く行われてきました。同時に、この日を境に運気が上昇に転じる縁起のよい日でもあります。

冬至にまつわる風習1
【ん】がつく食べ物を食べる

冬至には、運気が上がる「ん」がつく食べ物を食べるという風習が、日本各地にあります。特に、名前に「ん」が2回含まれる食べ物は、運気が2倍になって縁起がよいとされています。「ん」が2回つく食材7種類、すなわち、なんきん(かぼちゃ)、にんじん、れんこん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどん(うどん)を指して「冬至の七種」と呼ぶこともあります。特にうどんは、出世に必要とされる運(うん)・鈍(どん)・根(こん)に通じることから、出世に通ずる食材としても広く親しまれています。

ところで、なぜ「ん」が縁起がよいとされているのでしょうか。「ん」の音は「運(うん)」に通じることから、語呂合わせで「ん」がつくものは「運」がつくとして定着しました。また、「ん」はいろは唄でも50音でも一番終わりの音にあたり、この日を境に陰から陽に状況が転じるとされる冬至に、いったん区切りをつけるという意味で「ん」がつく食材は縁起がいいとされるという説もあります。

冬至にまつわる風習2
かぼちゃを食べる

さて、前述の「ん」のつく縁起のよい食べ物の中でも、冬至に特によく食べられるのがかぼちゃ(なんきん)。冬至にかぼちゃを食べる風習は江戸時代からあるそうです。かぼちゃは夏野菜ですが、保存性にすぐれ長期保存がきき、江戸時代でも冬に食べられる野菜として重宝されてきました。冬至にかぼちゃを食べることで、昔から「中風(脳卒中)」「しもやけ」「風邪」などの病気を避けることができると考えられていたそうです。

かぼちゃ粥や煮物など、地域によって冬至に食べるかぼちゃのレシピは異なり、それぞれの味が愛されています。緑黄色野菜が少なくなる冬の時期に、ビタミンEやビタミンAが豊富に含まれるかぼちゃを食べることは、現代の栄養学から見ても風邪の予防に効果的なので、冬至の日にはぜひ積極的に口にしてほしい食材です。

冬至にまつわる風習3
ゆず(柚子)湯につかる

ゆず湯
ゆず湯につかるカピバラたち。Kathy Matsunami/Shutterstock.com

冬至の日のお風呂といえば、ユズを浮かべたゆず湯ですね。この風習も江戸時代から始まったものです。江戸時代には現代のように頻繁にお風呂に入る習慣はありませんでしたが、特別な日である冬至に合わせ、香りの強いユズを浮かべ、厄除けのための禊(みそぎ)として入るようになったのが始まりとされています。また、「ゆず」と「冬至」を、「融通(ゆうずう)」と「湯治」にかけているという説もあります。

ユズの皮には、代謝を円滑にして疲労回復効果のあるクエン酸や、ビタミンCが豊富に含まれていて、ゆず湯には血行促進や冷え性改善の効果があるとされ、その効能は科学的にも証明されています。香りもよいので、冬至の日には、ゆっくりゆず湯につかってリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

冬至にまつわる風習4
冬至粥を食べる

冬至にまつわる風習として、もう一つ、冬至粥を食べる風習もご紹介しましょう。冬至粥とは、冬至の朝に食べる小豆粥のこと。この冬至粥にも厄除けの意味があり、小豆の赤が邪気払いに効果があるとされています。また、お粥の材料となる小豆は栄養価が高く、疲労回復、肩こりなどに効果があり、解毒作用もあることから、二日酔いにも効果があるとされています。この冬至粥についても地域によって作り方は異なり、かぼちゃや餅を入れる地方もあります。

冬至に関する雑学は?

いろいろな風習がある冬至ですが、ここでは、冬至に関するちょっとした豆知識をご紹介しましょう。

冬至に関する雑学1
一番日没が早いのは冬至ではない

冬至は一年で一番夜が長い日ですが、じつは日没の時間が一番早いわけでも、日の出が一番遅いわけでもありません。日本では、日の出がもっとも遅い日は冬至の後、日の入りがもっとも早い日は冬至の前にやってきます。これらは太陽の高さや動き方によって決まります。ちなみに、太陽が真上にくる「南中」時刻も、毎日正午というわけではないんですよ。

冬至に関する雑学2
一番寒い時期は冬至付近ではない

また、一番日照時間が少ない日であっても、冬至の頃がもっとも寒い、というわけではありません。冬至は12月22日前後にあたりますが、一年で一番寒いとされる時期は1~2月頃で、実際に1月26日から2月4日頃の間に最低気温を更新することが多いのです。これは、気温変化が太陽の動きよりも遅れる傾向にあるためと考えられます。例えば、一日の中でもっとも気温が高くなるのは、太陽が真上に来る正午ではなく、昼の2~3時頃が一般的。この一日の気温変化と同じように、一年の気温変化も日照時間がもっとも長い夏至の頃よりも、少し遅れた7~8月頃に一番気温が上がり、日照時間の短い冬至より少し後の1~2月頃にもっとも冷え込むことになるのです。地球全体の温度変化には膨大なエネルギーが必要となるため、太陽の動きをすぐに反映できず、結果として冬至を過ぎたあとの1~2月に冷え込みが厳しくなるのです。

冬至に関する雑学3
冬至は年に一度の強力開運日である

この日を境に、それまで短くなっていた日照時間が長くなるように転ずる冬至。そのため、冬至の日は運気が上昇に転じる縁起のよい日だと考えられてきました。冬至は別名「一陽来福」とも呼ばれ、風水的には強いパワーを持つ日だとされています。

海外の冬至の過ごし方は?

ブッシュドノエル
Elena Veselova/Shutterstock.com

【アジア】

中国では冬至はとても大切にされていて、餃子や餡入り餅、小豆を煮たぜんざいのようなものを食べる風習があるのだそう。台湾や中国の南部では「湯圓」(たんゆえん)というお団子のような料理を食べるのが伝統。韓国では日本と同様に、悪い気を払う効果があるとされる小豆粥を食べる風習があります。

【ヨーロッパ】

現在では、冬至だけのイベントというよりも、クリスマスとまとめて祝われる傾向にあります。クリスマスの起源の一つは、かつて古代ローマ帝国で信仰されていた太陽神、ミトラ教の冬至にあるとされています。ミトラ教では、冬至で死んだ太陽の復活を祝うお祭りが12月25日に行われていました。冬至に死と復活を繰り返す太陽の誕生日とキリスト教が結びついて、現在のイエス・キリストの生誕を祝うクリスマスになったのだそうです。また、北欧諸国でも「ユール」という冬至祭が行われ、ユールで薪を燃やして悪霊を払う行事が行われていた名残が、現在でもおなじみのクリスマスケーキ、ブッシュ・ド・ノエル(薪の形のケーキ)となって残っています。

冬至に欠かせない果樹・ユズを育ててみよう

ユズ
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ゆず湯につかる冬至の日には、ユズは欠かせない存在。また、ゆず湯というと、甘ずっぱいホットドリンクのゆず茶を指すこともあります。どちらも体を芯から温めてくれる、寒い冬に嬉しいものですね。

ユズをはじめとする柑橘類は、じつは栽培しやすく、ガーデンで育てるのにおすすめの果樹でもあります。鉢植えでも栽培でき、地植えの庭がないガーデナーでも栽培を楽しむことができます。一株のユズを育てておけば、収穫したばかりのユズをゆず湯にたっぷり使ったり、料理の仕上げにユズの香りをプラスしたり、なんていうちょっとした贅沢ができてしまいます。ユズは実生の場合、実がなるまでに長い時間がかかるので、すぐに実を楽しみたい方は、苗から育てるのがおすすめですよ。

柑橘類の基本的な育て方については、こちらの記事をご参照ください。

初めてでも庭で育てられる! かんきつ類の育て方とおすすめの種類をご紹介

昔からの風習を大切に! 冬至に向けて準備を始めよう

一年で一番昼が短くなる日、冬至。この日を境に日照時間が再び長くなっていくことから、太陽が力を取り戻す重要な日とされています。昔から伝わってきた冬至の風習には、今みても健康の維持などに効果のあるものが残っています。ぜひ今一度古くからの風習を見直し、少し特別な冬至の一日を過ごしてみませんか?

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

参考:
「国立天文台 暦Wiki」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/
「国立天文台」https://www.nao.ac.jp
「日々是活き活き 暮らし歳時記」http://www.i-nekko.jp
「世界史の窓」https://www.y-history.net/index.html

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