植物が成長をせず、枯れてしまうこともガーデニングのよくある失敗ですが、抜き取っても抜き取っても、いつまでもなくならない植物があったら、それも困りますよね。これまでガーデニングを楽しんできた先輩たちを悩ませた、一度植えたら増えて困る植物を5つご紹介。失敗を極力減らして、楽しいガーデニングライフを楽しみましょう!

増えたら困るとは、どういうこと?

写真は、街中ではびこっているのをよく見かけるヒメツルソバです。野生化してどんどん広がる生育旺盛な植物ですが、増えすぎれば抜き取ってなくすこともできます。でも、これからご紹介する5つの植物は、抜いても抜いてもどこからか生えてくる“地下茎(ちかけい)”で広がる困った植物です。地下茎で増えるとは、地面の中で根を横に広げながら伸びていくという意味。その根はどこまで伸びているか目で確認ができないため、思いがけないところから芽を出します。また、地面を掘り起こして根をすべて除去できたと思っていても、5㎜でも地中に根が残っていたら再び芽を出すという生命力を持っています。

これから登場する5つの植物は、花や緑を楽しみたいガーデンには、極力植えないほうがよいと覚えておきましょう。

はびこる植物1つめは、竹・笹

寒さに強く、春にはタケノコの味覚の楽しみをもたらしてくれる竹。日本でも古くから親しまれてきた植物ですが、新たに住宅街のガーデンに植えるのはやめましょう。竹や笹など竹の仲間は成長力が強く、1日で1m以上伸びるともいわれています。竹林の近くにある民家の敷地に竹が侵入して、困ったという事例が多くあります。

はびこる植物2つめは、ミント類

葉を揉むと爽やかな香りが立ち上り、ハッカとしても馴染みがある代表的なハーブの一つ、ミント。切った茎をコップの水に挿しておくだけでも根が出るほど丈夫で、こぼれダネや地下茎で繁茂します。ミントの仲間はとても多く、ペパーミントやスペアミント、モロッコミント、アップルミント、グレープフルーツミント……と書き出すときりがありません。バリエーションが豊かなので、いろんな品種をコレクションしようと、何種か一緒に花壇に植えると、地下茎同士で交雑してしまい、品種の区別もつかなくなってしまいます。もしミントを育てるなら、品種ごとに鉢植えにしましょう。そして、鉢は地面から離すことが肝心。地下茎が鉢底穴から伸びて、気がついたら地面に這って伸びていたということもあります。

「レモンバーム」と名前がついていても、ミントの仲間です。苗を買う時、何の仲間か見ても分からない時は、札をよく見て選びましょう。お店の人に教えてもらうのも一案です。

はびこる植物3つめは、グレコマ

別名、カキドオシと呼ばれ、名の通り垣根を通り越してお隣さんの敷地にまで伸びていく、生育旺盛な植物。葉が白く縁取られた、カラーリーフとしてもよく目にする植物です。茎を伸ばし、小さめの葉がアクセントになることから、寄せ植えの脇役としても人気です。「鉢植えなら広がって困ることはないでしょう」と思ったら大間違い。成長スピードが速いので、鉢の縁から伸び出た茎が地面に到着。そして、根を下ろして地面を這って広がってしまうのです。グレコマを鉢植えにしたら、地面に届かない場所かテラスなどに飾りましょう。

はびこる植物4つめは、ラミウム

グレコマと同様に小ぶりの葉をつけ、20〜40㎝ほど茎を立ち上げながら地下茎でどんどん増えるラミウム。道端でも見かける日本の自生種、ホトケノザやオドリコソウの仲間です。環境に適した場所だと、どこまでも伸びていく生育旺盛な性質。ハンギングバスケットや寄せ植えのカラーリーフとしてよく使われています。また、庭植えのグラウンドカバーとしての役目を果たしますが、思いがけない場所に生えてしまうので注意が必要です。

ラミウムには、葉に入る白い斑模様にいくつかバリエーションがあります。5〜6月には黄色や紫などの花が咲きます。姿は可愛らしく、ガーデンにも似合いますが、広がることを知ったうえで取り入れるとよいでしょう。

はびこる植物5つめは、ドクダミ

道端や空き地などでも群生し、独特な香りを放つドクダミ。お茶などでも馴染みがあり、抗菌作用があるといわれています。半日陰の湿った場所が好みですが、生育に適した環境だとどんどん広がっていきます。家の影になって、他の植物が育ちにくいデッドスペースに育っている分には特に気にならない、というならば恐れなくても大丈夫です。

ドクダミと認識していなかったのに、いつのまにか鮮やかなカラーリーフがドクダミに占領されていたら驚きますよね。ハート型の斑入り葉の周囲が赤く染まり、一見カラーリーフとして目を引く写真の植物は「ゴシキドクダミ」。別名、カメレオン、フイリドクダミ、トリカラーなどとも呼ばれるドクダミの園芸品種です。これもドクダミと同様に地下茎で増えるのですが、日照りが続いて水が切れたりすると原種にかえり、いつのまにか鮮やかな斑がない緑葉のドクダミへと変わってしまうという事例があります。お気に入りの植物を育てる場所としてガーデンを楽しんでいるところに、植えた覚えのないドクダミが取っても取っても生えてくる。思いがけない地下茎のワナにはまらないためにも、ゴシキドクダミは地植えにするのは避けましょう。

Credit

アドバイス/阿部容子

ガーデンデザイナー・造園家。岐阜県可児郡「かたくり工房」に所属。モデルガーデンのガーデンカフェ「ガズー(Garzzz)」を拠点とし、公共、企業、個人の庭を全国各地でデザイン、施工。ぎふ国際バラコンクール審査員として岐阜県「花フェスタ記念公園」でも活動。アメリカ園芸療法協会会員として米国のカンファレンスで学んだ知識や技術を活かし、病院のガーデンも施工しています。

かたくり工房/岐阜県可児郡御嵩町伏見747 TEL:0574-67-6633

http://www.katakuri.co.jp/

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