一鉢の中にいくつかの草花を一緒に植えこむ方法を「寄せ植え」と言います。花の色合わせや形の違い、「枝垂れる」・「這う」など生育の違いを上手に活かして組み合わせることで、素敵なワンシーンを作ることができます。植物を熟知したガーデンデザイナーの手による素敵な寄せ植えの見本をご紹介します。

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ごく普通の花をエレガントに変身させる「葉使い」

テーマカラーをイエローにした、輝くような明るい色の寄せ植えです。白い花はペチュニアで、近づいてみるとライムグリーンとホワイトの2色になっています。黄色の八重咲きの花はマリーゴールド。ペチュニアもマリーゴールドも暑い最中によく咲いてくれる夏の一年草。カスミソウのような白い小花はユーフォルビア‘ダイアモンド・フロスト’。ライムイエローの葉を茂らせているのはメギ。花と花の間をチラチラとした小さな葉がつなぎ、寄せ植えに繊細で複雑な印象を生み出しています。ちょっと指でメギを隠してみてください。急に平凡に見えませんか? 花だけを合わせるよりも、このように葉の美しい植物を加えることで、一気に完成度が高くなることが分かります。使われている花はどれも特別珍しいものではありませんが、合わせ方次第でこんなに素敵な寄せ植えができるのですね。

ふんわり優しい雰囲気に「個性をプラス」する花のチョイス

淡い紫色でまとめた優しい印象の寄せ植えです。手前の丸い紫色の小花はブラキカム、ふんわり全体を覆うように咲くのはペラルゴニウム‘ラベンダーラス’、春から咲き残っているネメシアも入っています。鉢からあふれ咲く群花の中からスッと茎を伸ばし、星を散りばめたような花を咲かせているのはアリウム・クリストフィー。ネギ科の球根花です。この花がなくても十分キレイな寄せ植えですが、この2輪が入ることによって個性と変化が生まれ、寄せ植えに見応えを与えています。玄関ポーチに置かれていますが、お客様を迎えるのにふさわしい上品な一鉢に仕上がっています。

寄せ植えを置いた「空間の完成度」へのこだわり

セージグリーンのロングポットは英国の王立植物園キューガーデンでつくられているオリジナルポットで、日本でも手に入ります。自然の花色に似合うように微妙なカラーリングが特徴の陶器鉢で、サイズもカラーもいろいろあります。背後の壁のモーブ色に合わせて鉢も花色も選ばれているため、一鉢を置いたワンシーンとして美しく完結しています。寄せ植えをつくる際は、まず置き場所をよく観察し、周囲の色や素材との調和を考えるようにすると、一鉢でも美しい風景を生み出すことができます。八重咲きの花はペチュニア、星型の小花はイソトマ、白い花はミニバラの‘グリーンアイス’、明るい緑の葉を枝垂れさせているのはキイチゴの仲間のルブス。ロングポットの長さを生かして、エレガントな雰囲気を演出する植栽です。

寄せ植えを複数置いた「コンテナガーデン」の提案

寄せ植えの鉢を並べた玄関ポーチ。土のない場所では、こんな風にいくつかの鉢植えを並べることで花と緑で空間を彩ることができます。こうしたスタイルを「コンテナガーデン」と呼びます。コンテナガーデンの利点は、地植えにできない場所にも庭をつくれることと、レイアウトを自由に変えて楽しめることです。鉢植えの高さに変化をつけることで、奥行きのある風景をつくることができます。テラコッタの鉢は英国ウィッチフォード・ポタリー製。台座に載せた鉢は、クラシックなデザインの「アーン」を復刻させたものです。台座と組み合わせて使うことで、より格式高い雰囲気が生まれます。

<今回ご紹介した寄せ植えをつくった人>

寄せ植えデザインはガーデンデザイナーの安酸友昭さん。鳥取県米子市の面谷内科・循環器内科クリニックと面谷邸の庭用に制作しました。日々の水やりや花殻摘みなどは、面谷ひとみさんが行っています。熱心な手入れのおかげで、寄せ植えはいつもきれいな姿を維持しています。

安酸友昭さんのお店「ラブリーガーデン」の店内。ご紹介したキューガーデンのオリジナルプランターやウィッチフォード・ポタリーの鉢以外にも、素敵な植木鉢やガーデングッズ、おしゃれな寄せ植えがつくれる季節の花苗が揃っています。素敵な見本ガーデンも別ページで紹介予定です。お楽しみに。

Information

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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