小川恭弘 -園芸研究家-
小川恭弘 -園芸研究家-の記事
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宿根草・多年草

猛暑に強い! タイタンビカス(アメリカフヨウの園芸品種)で叶える、豪華な夏花壇
アメリカフヨウの基本情報 Brian Woolman/Shutterstock.com 植物名:アメリカフヨウ学名:Hibiscus moscheutos英名:Rose Mallow和名:クサフヨウ(草芙蓉)科名:アオイ科属名:フヨウ属(ヒビスクス属、ハイビスカス属)原産地:北アメリカ(カナダ、アメリカ、メキシコ)形態:多年草(宿根草) アメリカフヨウは、大きな花が夏を中心に長期間開花する宿根草です。以前は草丈1~2mにもなる大型の植物として知られていましたが、現在は鉢植えでも育てやすい草丈60cmほどの品種もよく流通しています。 近縁の種類と交配が可能で、モミジアオイ(H. coccineus)やソコベニアオイ(H. militaris)などとの交配種があり、そのような交配種も含めてアメリカフヨウと呼ばれています。 ハイビスカスに似た大きな花は存在感があり、花径30cmにも達する品種もあります。数ある園芸植物の草花類の中では最大レベルの大きさです。 以前はあまり多く栽培されることはなかったのですが、近年は園芸品種の「タイタンビカス」の普及により名前も知られるようになってきました。 アメリカフヨウの特徴・性質 園芸分類:草花草丈:0.5~2.5m開花時期:6~41月耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白、ピンク、赤、複色 全国で栽培可能な宿根草です。原種の葉は主に卵形ですが、交配種のタイタンビカスの葉は3裂です。 4~5月に新芽が伸び出し、夏までに大きく育ちます。休眠期は12~翌年3月で地上部は枯れますが、暖地では茎などが生き残ることがあります。 朝に咲いた花は夕方までにしぼむ一日花で、初夏から秋まで断続的に長期間開花します。 花色は赤やピンク、白色などで、複色の品種もあります。また中心部が濃色になる品種が多く、白い花弁に中心が赤色のものもあります。 アメリカフヨウの品種 タイタンビカス Hibiscus Titanbicus Group tamu1500/Shutterstock.com アメリカフヨウを代表する人気の品種で、モミジアオイとの交配によって日本で作られました。花付きが非常によく、200輪近くの鮮やかな花が夏の猛暑でも弱らず、旺盛に咲きます。 大きさは、3タイプ。鉢植えに適する草丈50~60cmのコンパクトタイプ、草丈80~100cmの手頃なタイプ、2m以上まで大きく育つタイプの中から、好みや用途に応じて選ぶことができます。 ‘ルナ・ピンク・スワール’ Hibiscus moscheutos 'Luna Pink Swirl' Predrag Lukic/Shutterstock.com 花径15〜20cmで、種子で増やすF1品種です。矮性で草丈60cmほどの高さになり、よく分枝してコンパクトにまとまります。ルナシリーズは、他にレッド、ローズ、ホワイトがあり、類似した品種にディスコベルシリーズがあります。 アメリカフヨウの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6~10月植え付け:3~6月植え替え:12~翌年3月肥料:5~10月 アメリカフヨウに適した環境・置き場所 tamu1500/Shutterstock.com 日当たりのよい場所が適します。最低でも、半日以上日光が当たる場所で育ててください。日照が不足すると花付きが悪くなり、病害虫も発生しやすくなります。 古い品種は湿り気のある場所を好みますが、タイタンビカスなど近年の品種は、比較的場所を選ばず生育します。 背が高くなる品種は、強風で茎が折れることがあります。吹きさらしのような場所は避け、植え付け時などには支柱を立てるようにします。ただし生育が早いので、ひもをきつく縛ると食い込むことがあるので注意してください。 生育温度 20~30℃の高温時に生育が最も盛んになります。暑さにも強く、夏に弱ることはありません。 冬越し ほぼ全国で栽培可能です。ただし冬に土壌が強く凍結する地域では、腐葉土などを厚めにかぶせて防寒するとよいでしょう。 アメリカフヨウの育て方・日常の手入れ t50/Shutterstock.com 水やり 鉢植えは、表土が乾いてから水やりするのが基本です。ただし初夏の頃に大きく育った株は非常に乾きやすいので、晴れた日は毎日水を与えるとよいでしょう。開花している株などは、朝夕2回の水やりが必要な場合も多いです。水切れしないよう、しっかりと与えてください。 地植えの場合は、水やりはほぼ必要ありません。鉢植えは夏の水やりが大変なので、地植えのほうが手軽に育てることができます。 肥料 肥料は5~10月に、3要素が等量の緩効性化成肥料か、骨粉入りの油かすなどを規定量与えてください。 病害虫 ハマキムシが発生します。薬剤が効きにくいので可能な限り捕殺するか、被害のある葉を摘み取ります。または葉の中の虫に薬剤がかかるように、たっぷりと散布します。 アブラムシが発生した場合は、薬剤散布が効果的です。 摘心 6月頃の生育初期に摘心すると、わき芽が伸びてきます。背丈は低くなりますが強風に強くなり、分枝が増えて花もたくさん咲きます。 アメリカフヨウの手入れと作業 APugach/Shutterstock.com 植え付け 夏の7~9月以外は、いつでも植え付けることができます。直径・深さ各30cmほどの植え穴を掘り、植え土に化成肥料100gと堆肥などの有機物を3割程度混ぜて植え付けます。根元がやや隠れるくらい深植えにすると、株がよく根付きます。 植え替え 購入したポット苗は、すぐに2回りほど大きな鉢に植え替えます。夏頃までに10号鉢(直径30cm)以上の大きさの鉢に植え替えます。矮性の品種は8号鉢に植えてもよいでしょう。鉢が小さいと、夏に水切れしやすいので注意してください。 用土 肥沃で水はけのよい用土が適します。いろいろな植物に使える一般的な培養土か、赤玉土小粒7・腐葉土3の割合で混ぜた用土などがよいでしょう。 増やし方 アメリカフヨウは、挿し芽で増やすことができます。ただしタイタンビカスは、農林水産省品種登録制度における登録品種です。無断で増殖して販売・譲渡することは法律で禁止されているので注意してください。 また種子をとって増やすことはできますが、現在流通している品種のほとんどは、厳しい選抜を重ねて作られています。種子からの繁殖では親の形質を受け継がないので、多くは花が小さくなり、花色もぼやけたものになります。 アメリカフヨウの栽培ポイント Alex Manders/Shutterstock.com 日なたで育てる 生育が早いので注意 花を多く咲かせるには、肥料を十分与える 大きく育つタイプは支柱を立てる 風当たりの強い場所は避ける アブラムシやハマキムシに注意 アメリカフヨウは、鮮やかな大きい花を毎年楽しめます。多くの植物が弱る夏にビビッドな花をたくさん咲かせる姿はひときわ美しく、小苗からぐんぐん大きく育つ様子は、ガーデニングの醍醐味を味わうことができます。まずは初心者でも育てやすいタイタンビカスを、庭やベランダに迎えてみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

【簡単】毎年満開! シャスタデージーの育て方 白い花を庭いっぱいに咲かせよう
シャスタデージーの基本情報 meunierd/Shutterstock.com 植物名:シャスタデージー学名:Leucanthemum × superbum英名:Shasta daisy別名:シャスタギク、レウカンセマム、シャスターデイジー科名:キク科属名:レウカンテマム属原産地:園芸種形態:多年草 マーガレットによく似た白い花を初夏に咲かせる多年草(宿根草)で、茨城県から青森県の太平洋沿岸に自生するハマギクと、ヨーロッパ原産のフランスギクの交配によって作られた園芸種です。19世紀のアメリカで、著名な育種家ルーサー・バーバンクによって作出されました。名前はカリフォルニアにあったバーバンクの農場から見えたシャスタ山に由来しています。シャスタ山は山頂付近が氷河と万年雪に覆われた、美しく神聖な白い山として知られています。 現在も育種が行われており、黄花の品種も登場しています。流通も徐々に増え、ネット通販などでいろいろな品種を入手することができます。 シャスタデージーの特徴・性質 k.katsustudio/Shutterstock.com 園芸分類:草花草丈:30~80cm開花時期:5~7月耐寒性:強い耐暑性:やや弱い花色:白、黄色 1m近くまで背が高くなる品種から、鉢植えに適した30cmほどの矮性品種まであります。 寒さに強く、冬も常緑で、ロゼット状の姿で越冬します。春になると背が高くなって5月頃から花を咲かせます。多くは夏までの開花ですが、品種や管理によって秋も開花します。よく分枝してたくさんの花を咲かせるので、ホワイトガーデンなどの主役になります。 花色のバリエーションは少ないですが、花形はさまざまで、一重咲きや二重咲き、八重咲き、丁子咲き、フリンジ咲きなどがあります。 茎が丈夫で花もちがよいため、背が高くなる品種は切り花用としても栽培されています。 シャスタデージーの品種 ‘アラスカ’ Leucanthemum × superbum ‘Alaska’ Stoniko/Shutterstock.com 花径7~10cmの大輪で、草丈90cmほどになります。風当たりの強い場所では、支柱を立てるとよいでしょう。1株に数十本の花茎がつき、花付きのよい品種です。茎が長いので、切り花にも最適です。種子も販売されています。 ‘ゴールド・フィンチ’ Leucanthemum × superbum 'Goldfinch' Walter Erhardt/Shutterstock.com 半八重咲きのレモンイエローの花は珍しく、人目を引く鮮やかな美しさです。咲き進むにつれて花色はアイボリーホワイトに変化します。草丈50~60cmで、花もちがよい品種です。 ‘オールド・コート’ Leucanthemum × superbum ‘Old Court’ Helen Pitt/Shutterstock.com ひも状の花びらがユニークな品種で、丈夫です。 ‘マカロン’ Leucanthemum x superbum 'Macaroon' Walter Erhardt/Shutterstock.com 八重咲きの花は、クリーム色からレモン、最後に白色へと変化します。草丈30cmほどのコンパクトで花付きのよい品種です。 ‘リアル・ニート’ Leucanthemum x superbum 'Real Neat' Walter Erhardt/Shutterstock.com 草丈40~50cmでユニークな形の二重の花が咲きます。 シャスタデージーの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5~7月植え付け:3月中旬~6月、9~10月植え替え:3月中旬~4月、9月下旬~10月中旬肥料:3月中旬~4月 シャスタデージーに適した環境・置き場所 weha/Shutterstock.com 日なたの風通しと水はけのよい場所を好みます。半日陰でも比較的よく育ちます。ただし日照が不足すると害虫類がつきやすくなり、花付きも悪くなります。 夏の厳しい暑さを嫌うので、鉢植えは午前中だけ日光が当たる半日陰に移動するとよいでしょう。地植えの場合は、夏に背が高くなる植物を株の西側に植えると、西日を遮ることができます。 冬越し 寒さに強いので、越冬は容易です。地植えした小苗は強い霜にあたると傷むので、株の周囲を敷き藁などでマルチングするとよいでしょう。 シャスタデージーの育て方・日常の手入れ Bellpcn/Shutterstock.com 水やり 鉢植えは、鉢土の表面が乾いてから行います。地植えの場合は、ほぼ必要ないでしょう。 肥料 3月中旬から4月の生育初期に、肥料の3要素であるチッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)が等量の緩効性化成肥料を与えてください。地植えの場合は、同時期に株の周囲に堆肥を敷き詰めると生育がよくなります。 病害虫 IvaD23/Shutterstock.com 枝先の柔らかい部分などにアブラムシがよく発生するほか、葉を食害する害虫類も発生します。よく観察して、早めに薬剤等で防除してください。鉢植えは、オルトラン粒剤などを株元にまくと予防効果があります。 シャスタデージーの植え付け・植え替え 植え付け 春と秋に、日当たり・水はけのよい場所に植え付けます。雨が降ると水がたまりやすい場所は避けてください。水はけのよくない場所では、専用のガーデンフレームなどを使って周囲より土を高くして植えるとよいでしょう。 植え付ける前に、土壌に堆肥などの有機物と化成肥料を混ぜておきます。株間は矮性の品種で20~30cm、大きくなる品種は30~40cmくらいとるようにしてください。 植え替え 2年に1回、株分けを兼ねて植え替えます。春の3月中旬から4月、または秋の9月下旬から10月中旬に長い茎を切り詰め、2~3個芽を付けて切り分けます。 短命な多年草とされますが、株分けをすれば若返ります。 用土 肥沃で水はけのよい土壌が適します。水はけがよければ、比較的土質を選びません。草花に広く使える一般的な培養土か、赤玉土小粒7と腐葉土3を混ぜた用土を使います。 シャスタデージーの手入れと作業 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 花がら摘み 咲き終わった花は、こまめに摘み取りましょう。種子がつかず見栄えもよくなり、花が長く咲きやすくなります。 切り戻し 梅雨の時期に、花が咲き終わった茎を株元近くで切り戻すと、再び花を咲かせることがあります。 増やし方 梅雨の時期に切り戻した茎は、挿し芽に利用できます。10cmほどに切って、赤玉土小粒などの清潔な用土に挿し、明るい日陰で管理してください。 シャスタデージーを育てるポイント Leucanthemum x superbum 'Engelina' Tony Baggett/Shutterstock.com 日なた~半日陰で育てる 水がたまるような場所に植えない 夏の高温多湿にやや弱い アブラムシに注意 育てやすい多年草としてアメリカやヨーロッパでも広く親しまれているシャスタデージー。あまり手間がかからず、毎年美しい花を咲かせてくれます。黄色の品種も花色が変わって美しく、観賞価値が高いです。定期的に株分けをすれば、ずっと育て続けることができます。たくさんの花を毎年手軽に楽しめるシャスタデージーを、庭に迎えてはいかがでしょうか。
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観葉・インドアグリーン

【吊るして飾る】おしゃれな観葉植物「リプサリス」の育て方完全ガイド
リプサリスの基本情報 Guta Timmen/Shutterstock.com 植物名:リプサリス学名:Rhipsalis英名:Rhipsalis和名:イトアシ(糸葦)その他の名前:森林サボテン、ヒモサボテン科名:サボテン科属名:リプサリス属原産地:アメリカやアフリカの熱帯・亜熱帯地域形態:多年草 森林性のサボテンで、熱帯のジャングルの樹木や岩などに着生します。耐陰性と耐乾性が強いので室内で育てやすく、病害虫の被害も少ないので手間がかかりません。初心者や忙しい人にもおすすめの観葉植物です。 主に小型の観葉植物として流通し、葉が垂れ下がるようになった株は吊り鉢にも最適です。近年は流通する種類も増え、選ぶ楽しさがあります。 リプサリスの特徴・性質 WildRoots/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物、熱帯植物開花時期:1〜6月草丈:10~50cm(種類による)耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:ピンク、白 サボテン科の植物ですが鋭いトゲはなく、触れても痛くありません。細い茎がよく分枝しながら伸びる姿がユニークです。多肉質の茎は細いひものような形状や扁平状のものもあり、また種類によっては柔らかい産毛や硬い産毛があります。 花は主に冬から春に咲きますが、他の時期に咲くことも珍しくはありません。花色は白が多いですが、ピンク色の花もあります。開花後に結実することも多いです。 森林性の着生種とされますが、コケや有機物などに根を伸ばして生育することもあります。土壌の乾燥には比較的強いですが、空気中の湿度を好みます。 寒さには強くないので、室内で越冬させます。冬は断水することができるので、冬越しは比較的簡単です。 リプサリスの仲間 リプサリスの仲間は、45種類が、ブラジルを中心に熱帯・亜熱帯アメリカに広く分布します。一般にサボテン科の植物はアメリカ大陸が原産ですが、リプサリスには例外的にアフリカなどに分布する種類があります。ただし、これは野鳥などによって伝播された二次的な分布とされます。 リプサリス・バッキフェラ Rhipsalis baccifera(= Rhipsalis cassutha ) Danny Hummel/Shutterstock.com 熱帯および亜熱帯アメリカ、熱帯アフリカ、マダガスカルなど広い地域が原産で、イトアシ(糸葦)の和名があります。茎が長く下垂し、自生地では1m以上に達することもあります。ただし栽培下では、おおよそ40~50cmまで伸びます。 リプサリス・ホリダ Rhipsalis horrida ( =Rhipsalis baccifera subsp. horrida ) Yulia_B/Shutterstock.com マダガスカル原産で、茎は比較的太くひものようです。マウステールカクタスという英名があり、その株姿はネズミのしっぽにも例えられます。白い毛に覆われていますが、バッキフェラの亜種とされます。 リプサリス・メセンブリアンテモイデス Rhipsalis mesembryanthemoides Volddy/Shutterstock.com ブラジル原産で、「千代の松」という和名があります。茎の周りに短い茎が密に付き、よく気根を出します。茎の長さは40cmほどまで伸びます。 リプサリス・ピロカルパ Rhipsalis pilocarpa motorolka/Shutterstock.com ブラジル原産で、茎は生育初期には直立していますが、徐々に下垂し、長さは50cmほどになります。よく分枝する茎は硬く短い産毛で覆われ、濃い緑色から紫がかった色まで変化します。茎の先端に白い花が咲き、花後に赤い実が付きます。 リプサリス・セレウスクラ Rhipsalis cereuscula Danny Hummel/Shutterstock.com ボリビアからブラジル、アルゼンチン原産で、「青柳」という和名があります。茎の長さは10~30cm。生育初期は茎が立ちますが、徐々に垂れてきます。 リプサリス・ヘテロクラダ Rhipsalis heteroclada(= Rhipsalis teres ) ブラジル原産で、生育初期は枝がよく立ってボリューム感があります。また枝が分枝する様子が線香花火に例えられる人気の品種です。 リプサリスの栽培12カ月カレンダー 開花時期:12月〜6月植え付け:5~9月植え替え:4~5月、10月肥料:5~10月入手時期:4〜10月 リプサリスの栽培環境 TYNZA/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 森林に自生する植物なので、明るい日陰でも問題なく育ちます。丈夫で引き締まった株姿にしたい場合は、夏以外は日光に当てて育てるとよいでしょう。適度に明るい場所に置くと、生育も早くなります。また夏の強い直射日光に当てると葉焼けするので注意してください。 置き場所の目安として、室内では春〜秋は明るい日陰、冬は室内の日なた〜半日陰で管理します。戸外では春と秋は日なた、夏は半日陰〜明るい日陰、冬は室内の日なたに置いてください。 生育温度 10~25℃が生育適温で、春と秋に生育する春秋型のサボテンです。 冬越しは、乾かし気味に管理すると0℃近くまで耐えます。しかし、よい状態で冬越しさせるには5℃以上を保つようにしてください。室内であれば、比較的容易に越冬します。日当たりのよい場所に置くと、冬でも成長することも珍しくありません。 リプサリスの育て方・日常の手入れ AHatmaker/Shutterstock.com 水やり 鉢土が完全に乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり水やりします。ですが、受け皿に水をためたままにしないでください。 冬は乾かし気味に管理するとよいでしょう。5℃以下に下がるようなら断水します。 肥料 夏と冬は肥料を断ち、春の4~5月、秋の10月に肥料を与えます。肥料の3要素であるチッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)が等量の緩効性化成肥料などを規定量与えてください。 早く成長させたくない場合は、規定量の半分程度肥料を与えればよいでしょう。また、植え替えした株や購入したばかりの鉢植えは、1年くらい肥料を与えなくても問題ありません。 病害虫 病害虫の被害は少ないですが、茎が密生するとカイガラムシが発生することがあります。見つけ次第小さなブラシなどでこすり落としてから、薬剤で防除してください。 リプサリスの作業 Natalia Lebedinskaia/Shutterstock.com 植え替え 頻繁に植え替える必要はありません。やや小さめの鉢のほうが生育がよくトラブルも少ないです。2~3年に1回、一回り大きな鉢に植え替えてください。 生育期の4~5月、10月が植え替えの適期です。古い土を半分程度落とし、新しい用土で植えます。増やしたい場合は、株分けしてもよいでしょう。分けた株を大きすぎる鉢に植えるのは避けてください。 用土 清潔で水はけのよい用土が適します。多肉植物用、または観葉植物用の培養土などを使うと手軽です。水を与えすぎる人は、多肉植物用の培養土がおすすめです。 自分で用土を作る場合は、赤玉土小粒6・ピートモス2・パーライト2などの割合で配合します。 増やし方 春の4~5月、秋の10月に挿し芽で増やすことができます。茎を10cmほどに切り分け、切り口を日陰で乾燥させてください。川砂などの清潔な用土に枝を直立するように挿し、4~5日すぎてから水やりします。その後乾かし気味に管理すると1カ月ほどで発根するので、多肉植物用の培養土などで鉢上げしてください。 剪定 特に必要ありません。ただし茎が密生してカイガラムシなどが発生したら、見つけ次第剪定したほうがよいです。 茎を間引くように切り、風通しをよくしてください。 リプサリスの栽培ポイント Totokzww/Shutterstock.com 夏の直射日光は避ける 耐陰性があるので、明るい日陰で育てられる コンパクトに引き締まった株に育てるには、夏以外は日光に当てる 冬の温度が低い場合は断水する 水やりや肥料を多く与える必要はない 植え替えの手間や病害虫の発生が少なく、明るい日陰でも育つリプサリスは、室内で育てるのに最適な観葉植物です。 サボテンの仲間で乾燥に強く、ユニークな株姿も魅力です。大きく育ってきたら、吊り鉢などにして下垂させると見応えがあります。種類もさまざまあるので、ぜひお好みのリプサリスを見つけてインドアグリーンとして楽しんでください。
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宿根草・多年草

猛暑でも花いっぱいの品種が注目の宿根草!ニーレンベルギアの育て方【プロ直伝】
ニーレンベルギアの基本情報 植物名:ニーレンベルギア学名:Nierembergia英名:Cup Flower和名:アマモドキ科名:ナス科属名:アマモドキ(ニーレンベルギア)属原産地:メキシコ、南アメリカ形態:多年草、低木 ニーレンベルギアの仲間は、ブラジルやアルゼンチン、コロンビアなどの南アメリカとメキシコに、約20種類が分布する多年草、または低木です。カップ形の花は、青や紫、白のほか複色のものもあり、中央に黄色い目が入ります。背が低くまとまった株姿で、花壇や寄せ植えの前面、ハンギングバスケットなどに最適です。 園芸植物として栽培されるのは、こんもりとドーム状に茂る「セルレア」や匍匐(ほふく)性でマット状に広がる「レペンス」、直立性で背がやや高くなる「スコパリア」などです。近年は交配種の「オーガスタ」が登場して多く流通し、ニーレンベルギアの代表的な存在になっています。 ニーレンベルギアの特徴・性質 islavicek/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5〜10月草丈:3~80cm耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:白、青、紫、複色 多年草ですが短命で、多くは2~3年で枯れてしまいます。葉は小さく細い茎はよく分枝して茂り、繊細な株姿をしています。径2~3cmの花が多数咲き、多くは初夏から秋まで開花しますが、夏に暑さが厳しいと、開花が少なくなる傾向があります。 乾燥に弱い反面、高温過湿下では根腐れしやすいですが、「オーガスタ」は高温多湿に耐えるように改良され、夏も花が咲きやすい品種です。 ニーレンベルギアの仲間・品種 「オーガスタ」シリーズ Nierembergia Augusta Series 丈夫で育てやすく、連続開花性に優れる交配種です。春の早い時期から咲き始め、こんもりとドーム状に茂ります。グラウンドカバーにも最適です。耐寒性は最低温度がマイナス3℃が目安なので、霜がほとんど降りない地域では簡単な防寒対策で越冬します。越冬した株はさらに大きく充実した姿になり、たくさんの花を咲かせます。 育成者は、サフィニアやカリブラコア、ラグランジアなどを開発した、日本を代表する育種家の坂嵜 潮氏です。今後のさらなる普及が見込まれます。 ニーレンベルギア・セルレア ‘パープル・ローブ’ Nierembergia caerulea ‘Purple Robe’ 線状の細い葉をつけ、草丈15~20cmになります。茎はよく分枝し、紫色の花をたくさん咲かせます。過湿に弱いので注意してください。冬はマイナス3℃以上を保つように管理すると冬越しします。 ニーレンベルギア・レペンス(ギンパイソウ) Nierembergia repens 草丈3cmほどの多年草です。茎は地を這うように伸びてマット状に広がるので、グラウンドカバーに最適です。寒さにも比較的強く、マイナス9℃程度まで耐えます。根が深く伸びないので、乾燥が続く場合は水やりしたほうがよいでしょう。 ニーレンベルギア・スコパリア(アマモドキ) Nierembergia scoparia ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ原産です。茎はよく分岐して亜低木状になり、草丈80cm程度の高さに育ちます。矮性で白い花を咲かせる‘モンテブランコ’ などの品種があります。 ニーレンベルギアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜10月植え付け適期:4~6月植え替え適期:4~7月肥料:4~10月挿し木:4~6月と9月 ニーレンベルギアの栽培環境 islavicek/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日当たり・風通しのよい場所が適します。最低でも半日以上日光が当たる場所で育ててください。 地植えする場合は、水はけのよい場所に植えるようにしてください。 株の調子が悪い鉢植えは、暑さが厳しい時期は半日陰か明るい日陰の涼しい場所に移動するとよいでしょう。 生育温度 15~30℃がよく生育する温度の目安です。種類や品種によりますが、夏の猛暑時は弱ることがあります。 冬越し 種類によって耐寒性が異なります。人気の交配種「オーガスタシリーズ」は、マイナス3℃を目安としてください。他の種類は寒さに強く、マルチングや不織布で覆うなどの簡単な霜よけ程度で越冬します。 ニーレンベルギアの育て方・日常の手入れ nissia/Shutterstock.com 水やり 鉢やプランターに植えている場合は、用土の表面が乾いたら水やりしてください。過湿にすると、立ち枯れ病にかかることがあります。地植えの場合は、ほぼ必要ありません。 肥料 生育期の4~10月に、緩効性化成肥料などを規定量与えてください。 病害虫 アブラムシが発生することがあります。見つけ次第、薬剤などで防除してください。 ナメクジやカタツムリなどに食害されることがあります。見つけ次第捕殺するか、専用の薬剤で防除します。 立ち枯れ病が発生しないように、風通しよく栽培し、高温多湿にならないよう注意してください。 ニーレンベルギアの手入れ作業 SHAWRANJAN/Shutterstock.com 植え替え 購入したポット苗は、5~6号鉢に植え替えます。あまり大きな鉢に植え替えると、過湿で立ち枯れ病になりやすく、成長も遅くなるので注意してください。最終的に10号くらいの鉢に植え替えます。底が深いタイプの鉢を使う場合は、鉢底石をやや多く入れて水はけをよくしてください。 植え付け 地植えの場合は、4~6月に植え付けます。腐葉土などの有機物をすき込んでから植え付けましょう。 用土 肥沃で水はけのよい用土が適します。赤玉土中粒6:腐葉土2:酸度調整済みピートモス2の割合で混ぜた用土を使います。小株を植え付ける場合、赤玉土は小粒を使ってください。 切り戻し 夏頃に、茎が伸びて花が咲かなくなったら切り戻してください。風通しがよくなり、新しい芽が伸びて花が勢いよく咲き出します。 増やし方 4~6月と9月に、挿し芽で増やすことができます。茎葉を5cmほど切り取って、赤玉土や川砂などの清潔な用土に挿します。 ※「オーガスタ」は種苗登録法に基づく登録品種です。無断で増殖、譲渡するのは禁止されています。 ニーレンベルギアの栽培ポイント 日向で育てる 高温多湿に注意 夏頃に伸びたら切り戻す 「オーガスタ」は霜にあてなければ越冬する 魅力的な性質を備えた「オーガスタ」は、今後もっと人気が高まると予想されます。可愛いカップ形の花がたくさん咲き、こんもりした株姿は庭の風景作りにも役立ちます。この記事の情報を参考にして、新しい植物を取り入れ、ワンランク上のガーデニングを楽しんでください。
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一年草

【プロが解説!】シレネの幅広い種類と育て方のコツ
シレネの基本情報 Brookgardener/Shutterstock.com 植物名:シレネ学名:Silene英名:campion科名:ナデシコ科属名:マンテマ属(シレネ属)原産地:亜熱帯から温帯形態:一年草、多年草 シレネの仲間はナデシコ科で最も多く、900近くの種類が知られています。世界の亜熱帯から温帯に広く分布しますが、北半球に多く自生種があります。近年分類が変わり、リクニスやビスカリアがシレネ属に統合されています。この記事では、以前リクニス属やビスカリア属だった種類は扱いません。 秋まき一年草としては、シレネ・ペンデュラとムシトリナデシコが以前からよく栽培されています。またペンデュラの八重咲き品種やペンデュラに似た多年草のカロリアナ、多年草のユニフローラとその斑入り品種なども流通しています。 国内で野生化しているブルガリスは、イタリア野菜として知られるようになってきています。 また、ほかにハーブとしても栽培される種類が多く、葉や花が食用になったり、薬用植物として利用されています。 シレネの特徴・性質 Maleo Photographyr/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:4〜6月草丈:10~80cm耐寒性:強い耐暑性:弱い花色:白、ピンク、赤 園芸植物として栽培される種類は、海辺や高山の乾燥した砂礫地などに多く自生しています。マット状、またはクッション状に広がるものは、ロックガーデンに最適です。 茎が直立するタイプの園芸種は、世界各地で野生化するほど丈夫です。日本では北海道や本州に多く帰化しています。 花は春~初夏に開花します。花色は白が多く、ほかにピンクや赤などがあります。種類によっては粘液を分泌し、葉や茎がべたつきます。 日当たりや風通し、水はけのよい環境を好みます。寒さには強いですが、夏の高温多湿には弱い傾向があります。砂質の痩せた土壌でもよく生育し、病害虫も少ないです。 シレネの仲間 ムシトリナデシコ Silene armeria Brookgardener/Shutterstock.com ヨーロッパ中南部原産の一年草です。最も一般的なシレネの代表種で、丈夫で初心者でも育てやすい品種です。茎は直立して伸び、高さ50~60cmになります。茎がべたつくので虫を捕らえそうですが、食虫植物ではありません。こぼれ種でよく増え、国内で野生化しています。 花色は主にピンクですが、白花もあります。‘サクラコマチ’は桜色の花が咲く魅力的な品種で、切り花としても栽培されます。 シレネ・ペンジュラ(フクロナデシコ) Silene pendula Picmin/Shutterstock.com 地中海沿岸原産で、秋まきの一年草です。開花後に萼(がく)が袋状になることから、フクロナデシコの和名があります。 地際からよく分枝し、高さ20~30cmのマット状の草姿になります。 ‘ピンク・クラウド’や八重咲きの‘ピーチ・ブロッサム’などの園芸品種があり、満開時はたくさん花が咲いて見事な美しさです。 シレネ・ユニフローラ Silene uniflora semper-scifi/Shutterstock.com ヨーロッパ、マカロネシア原産の多年草で、海岸沿いや砂地の場所などに自生します。シーキャンピオン(sea campion)という英名、ホテイマンテマという和名があります。 高さ20cmほどでマット状に広がり、ロックガーデンなど風通しと水はけのよい場所に最適です。花は白色のほか、ピンクや八重咲きの品種もあります。 植物からの抽出物は、化粧品などの原料に使われます。 シレネ・ユニフローラ斑入り Silene uniflora 'Druett's Variegated' cristo95/Shutterstock.com 葉に白斑が入り、おしゃれで美しいカラーリーフとして楽しめます。 シレネ・カロリニアナ Silene caroliniana midfield man/Shutterstock.com ピンクパンサーやスパニッシュフラメンコという流通名で知られています。アメリカ東部原産の多年草ですが、日本では夏に枯れやすく、一年草として扱われます。茎は這うように広がり、4~6月に小花をたくさん咲かせます。 シレネ・ブルガリス Silene vulgaris Sue Robinson/Shutterstock.com ヨーロッパやアジア、北アフリカの広い地域が原産の常緑多年草です。こぼれ種でよく増え、北アメリカなど世界の温帯で広く野生化し、日本にも帰化しています。花の形からシラタマソウ(白玉草)という和名があります。 高さ50cmほどになり、夏頃に白い花を咲かせます。寒さに強いですが高温多湿には弱いので、北海道に多く野生化しています。 Scisetti Alfio/Shutterstock.com イタリアやスペインなどでは葉が食用に使われ、若い葉はサラダになります。日本でもイタリア野菜の「ストリドーロ」の名で、種子や苗が流通しています。またハーブとしては、ブラダーキャンピオンの英名で流通しています。 シレネ・ディオイカ(レッドキャンピオン) Silene dioica (Red campion) Dragoncello/Shutterstock.com ヨーロッパ、モロッコ原産で、レッドキャンピオンという英名、アケボノセンノウという和名があります。草丈40~80cmになる多年草ですが、こぼれ種でも増えます。 たくさんのピンクの小花を、春の5~6月に咲かせます。直立した花茎の先に花がまとまって咲くので、人目を引きます。花色はピンクのほか、赤紫、白などがあります。 ハーブとしても知られ、若い葉や花が食用になります。 シレネ・ラティフォリア Silene latifolia weha/Shutterstock.com ヨーロッパ原産の多年草です。こぼれ種でよく増え、日本だけでなくアメリカなど他の地域でも広く野生化しています。春から夏に白花を多く咲かせ、ホワイトキャンピオンという英名があります。またハーブとして花や葉が食用に、根は洗濯石鹸の代用や薬用などに利用されてきました。 シレネの栽培12カ月カレンダー 植え付け適期:3~5月、9~10月植え替え適期:6月株分け:6月肥料:10~翌年4月挿し芽:4~5月種まき:9月中旬~10月 シレネの栽培環境 PeoGeo/Shutterstock.com 日当たりのよい場所が適します。ただし多年草タイプは高温多湿に弱いので、梅雨から夏までは、鉢植えは午前中だけ日光が当たる半日陰の涼しい場所に移すとよいでしょう。明るい日陰でも育ちますが、日照不足では茎が間のびしやすくなります。 生育温度 生育に適した温度は15~25℃で、5月や10月頃の、人間にとっても過ごしやすい時期が目安となります。 寒さには強いですが、多年草は夏越しが育てるのに重要なポイントになります。 シレネの育て方・日常の管理 COULANGES/Shutterstock.com 水やり 鉢植えは、鉢土の表面が乾いたら行います。花や葉に水がかからないように、株元に水をかけるとよいでしょう。常に用土が湿っているような水の与え方をすると、過湿で根腐れします。 地植えの場合は、特に必要ありません。 肥料 地植えの場合は、肥料は必要ありません。 鉢植えは、10月~翌年4月に、窒素・リン酸・カリの3要素が等量の緩効性化成肥料を控えめに与えます。 病害虫 春以降、暖かくなるとアブラムシが発生しやすくなります。薬剤などで防除してください。 シレネの手入れ作業 James xxx/Shutterstock.com 花がら摘み 咲き終わった花をこまめに摘むと、花が長く咲くようになります。 切り戻し 背が高くなる種類は、花後に半分程度まで切り戻します。切り戻すことで蒸れを防ぎ、夏越ししやすくなります。 増やし方 多年草の種類は挿し芽で増やします。適期は4~5月で、茎を3節ほど切り、赤玉土小粒などの清潔な用土に挿します。 種子もよくつくので、9月中旬~10月に種まき用の土などに播きます。覆土は種子が少し隠れる程度に。かけすぎると発芽しません。 シレネの植え付け・植え替え 植え付け 適期は3~5月と、9~10月です。土壌改良と水はけをよくするために、腐葉土とくん炭をすきこんでから植えてください。専用のガーデンフレームなどを使って、周囲より20cmほど高めに植え付けるのもおすすめです。 地植えの植え替え 多年草の種類を植えたままにすると、立ち枯れしやすくなります。2~3年に1回、株分けを兼ねて植え替えてください。 鉢植えの植え替え 多年草の種類は、花後の6月頃に古い土を落として新しい用土で植え替えます。株が大きい場合は、2~3株に分けてください。 用土 水はけがよければあまり用土は選びませんが、弱アルカリ性を好みます。一般には赤玉土小粒4、腐葉土3、川砂3を混ぜたものを使いますが、過湿を特に嫌う種類は、山野草用の培養土を使うのもよいでしょう。 シレネを育ててガーデニングから料理まで楽しもう! Maurese/Shutterstock.com マット状に広がる種類は花付きがよく、満開時は見事な美しさです。丈夫で病害虫の被害も少なく、人気が高まっています。 ブルガリスは花だけでなく、野菜としても楽しむことができます。摘み取った葉は、リゾットやスープ、卵料理などに。またハーブとして食用にしたり、生活に役立つ種類もあります。ご紹介したシレネの仲間をいろいろ育てて、ガーデニングから暮らしの楽しみを広げてみませんか。
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宿根草・多年草

【プロが解説】モフモフの赤い花が魅力! キャッツテールの育て方
キャッツテールの基本情報 Hikko.ne/Shutterstock.com 植物名:キャッツテール学名:Acalypha chamaedrifolia (=Acalypha hispaniolae、=Acalypha reptans)英名:Red Cat's Tail別名:キャットテール科名:トウダイグサ科属名:アカリファ(エノキグサ)属原産地:西インド諸島、フロリダ南部形態:多年草 常緑の多年草で、主に小型から中型の鉢植えとして栽培されるキャッツテール。猫のしっぽに似た赤い花穂を枝先にたくさん付け、春から秋の長期間、愛らしい花姿が楽しめます。 寒さには意外と強く、霜に少し当たる程度なら耐えます。また、屋外でも関東南部や都心部の条件のよい場所では地上部はほぼ枯れますが、越冬して春に再び芽を出して花を咲かせます。 葉に白斑が入った品種や、花穂が濃い赤色の品種などがあります。 キャッツテールの特徴・性質 Camila Pereira Perico/Shutterstock.com 園芸分類:熱帯植物、草花草丈:10~50cm耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:赤 茎は細くて直立せず、横や斜め上方向などに伸びます。地面に接した茎からは根が出て広がり、群落を作るようになります。鉢からあふれ落ちるように茎が伸びるので、吊り鉢やスタンド鉢などの栽培にも適します。卵形の葉には産毛が密生し、葉の縁には鋸歯があります。 花は四季咲き性で、温度を保てば一年中開花する嬉しい性質も。花穂の長さは5~10cm。地植えすると赤い花穂が直立して目立ちます。 キャッツテールの品種と仲間 アカリファ属は、アメリカ大陸を中心に世界の熱帯から亜熱帯、北米などに約440種が知られています。斑入りの品種は白斑と赤い花穂が対比して美しいですが、葉焼けに注意してください。 ‘メメ’ Acalypha chamaedrifolia ‘Meme’ 赤紫ともいえる濃い赤色(RHSカラーチャート46A)の花穂が特徴の品種です。 ※RHSカラーチャートとは、RHS(英国王立園芸協会)のカラーチャートのことで、花や葉など植物の色を特定する際に使われる色基準です。 ベニヒモノキ Acalypha hispida Camila Pereira Perico/Shutterstock.com ビスマルク諸島原産で、2~4mほどの熱帯花木です。花穂は最大50cmほどの長さになり、人目を引きます。寒さには弱いですが、適温が保たれていれば周年開花します。観賞価値が高いので、植物園などではよく見られます。 アカリファ・ウィルクシアナ Acalypha wilkesiana AnnaNel/Shutterstock.com 観葉植物として栽培される種類で、ビスマルク諸島からソロモン諸島、フィジーにかけての地域が原産です。3m以上にもなる常緑低木で、ヒモ状の花穂がつきますが目立ちません。鮮やかな斑が入る品種が沖縄などの熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されています。鉢植えが流通することがあります。 キャッツテールの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜11月植え付け(地植え):5~6月植え替え:4~6月肥料:5~10月切り戻し:4~5月、11~12月挿し芽:6~9月 キャッツテールの栽培環境 Young Swee Ming/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日当たりのよい場所が適しますが、半日陰でも十分育ちます。明るい日陰でも育ちますが、花付きや花色が悪くなります。 屋外の日なたで吊り鉢にして育てると風通しがよく、元気に育ちやすいです。コンクリートの上などに鉢を置くと、夏に蒸れて調子が悪くなることがあるので注意。高い場所に鉢を置くか、午前中だけ日光が当たる半日陰に移動してください。風通しの悪い場所では、夏は半日陰で育てたほうがよいでしょう。 生育温度 20~30℃が適温です。夏に暑さで弱ることは少ないですが、35℃以上の猛暑が続く場合は半日陰に移動してください。 冬越し 室内の日当たりのよい場所に置けば、越冬は容易です。 四季咲き性が強く、冬でも室内の暖房が効いた部屋の日当たりのよい場所に置くと、花が咲き続けるのは珍しくありません。 温度が0℃近くに下がると茎葉が傷みますが、小株でなければ地下部は生存しています。5~6月には新芽が出てくるので、あきらめずに育ててください。新芽が伸び出せば気温の上昇とともに成長が早くなり、夏までには花を咲かせます。 キャッツテールの育て方・日常の手入れ Falah1486/Shutterstock.com 水やり 鉢土の表面が乾いたら、たっぷり水やりしてください。花がよく咲いている場合は乾きやすいので、水切れに注意してください。夏の晴れの日は毎日水やりするほか、朝夕2回の水やりが必要な場合があります。 冬は乾かし気味に管理します。 肥料 5~10月に、肥料の3要素であるチッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)が等量か、リン酸が多めの緩効性化成肥料を規定量与えてください。液体肥料を月に3回程度与えるのもよいでしょう。 病害虫 夏などの乾燥時にハダニが発生することがあります。葉にかすれ模様が見られたら、早めに薬剤で防除してください。 茎葉が茂るなどして風通しが悪くなると、まれにカイガラムシが発生することがあります。切り戻してから薬剤で防除してください。 手入れ 咲き終わって黒ずんできた花穂は、見つけ次第切るようにしましょう。 キャッツテールの作業・剪定と増やし方 Susanne Castillo/Shutterstock.com 剪定 伸びすぎた茎や、込みすぎた部分は、随時切っても問題ありません。全体を切り戻したい場合は、4~5月の春か、冬前の11~12月に行うとよいでしょう。 増やし方 6~9月に、挿し芽で増やすことができます。茎葉を7~10cmほど切り、下葉を切って葉を3枚程度残して挿し穂とします。赤玉土小粒などの清潔な用土に挿し、明るい日陰で乾かさないように管理してください。1カ月ほどで発根したら、3号ポット鉢などに3本くらいずつ鉢上げします。 キャッツテールの植え替え Hikko.ne/Shutterstock.com 購入したばかりの株で鉢が小さく乾きやすい場合は、そのまま1回り大きな鉢に植え替えてください。 冬越しさせた株は、1~2年に1回、4~6月に植え替えるとよいでしょう。花をよく咲かせるには、毎年植え替えするのがおすすめです。 植え替えは、古い土を1/3程度落とし、1回り大きな鉢に植え付けます。その際、伸びすぎた茎葉を剪定して株姿を整えるとよいでしょう。 鉢を大きくしたくない場合は、全体を半分程度まで切り戻し、古い土を半分程度落としてから同じ鉢に植えます。半分に株分けすることもできます。 用土 草花用の一般的な培養土が使えます。配合する場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3を混ぜた用土などを使います。 地植えもおすすめ! キャッツテールのモフモフの花をいっぱい楽しもう Panisara manosila/Shutterstock.com 寄せ植えや吊り鉢にも最適なキャッツテール。寒さに弱いと紹介されていることが多いようですが、軽い霜程度なら耐えるので、暖地では手間のかからない宿根草のように育てられます。グラウンドカバーにすれば、ユニークな美しさと愛らしさで人目を引くことでしょう。霜がよく降りる地域で地植えしても、冬前に掘り上げて室内に移動すれば冬越しも容易です。ガーデニングでキャッツテールをもっと活用してみてください。
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野菜

プロが教える【ルッコラ(ロケット)の育て方】種まきから収穫、育て方を一挙解説
ルッコラの基本情報 reisezielinfo/Shutterstock.com 植物名:ルッコラ学名:Eruca vesicaria英名:Rocket、Garden Rocket、Arugula和名:キバナスズシロ(黄花蘿蔔)科名:アブラナ科属名:キバナスズシロ属原産地:地中海沿岸~中国、アラビア半島形態:一年草 イタリア料理には欠かせない野菜で、日本ではイタリア語に由来するルッコラの名で主に知られています。またハーブとしても古代ローマ時代から利用され、古くはエルーカ、現在は英名のロケットとも呼ばれます。 葉は肉厚でダイコンの葉に似ており、栄養豊富です。クレソンのようにピリッと辛く、ほのかにゴマのような香ばしい風味があり、サラダにもよく使われます。一年草ですが、こぼれダネでよく増えます。丈夫な性質で、家庭での栽培も簡単です。 ルッコラの特徴・性質 Orest lyzhechka/Shutterstock.com 園芸分類:野菜収穫時期目安:春まきで約30~40日後、秋まきで約60日後から収穫 3月中旬~6月に播種の場合、5月~8月中旬 9月中旬~10月に播種の場合、10月中旬~12月 草丈:40~80cm耐寒性:普通耐暑性:やや弱い花色:クリーム 春まき、または秋まきの一年草です。生育は早く、春まきで1カ月後、秋まきで2~3カ月後くらいから収穫できます。秋から冬はロゼット状の姿で越冬し、春に茎を伸ばして背が高くなります。春~初夏に咲く白い花は十字形で、ダイコンに似ています。花後にナバナのようなタネができ、株は枯れます。 涼しく湿度の高い環境では苦みは少ないですが、強い日光に当たると葉が硬くなり、苦みも出ます。 夏の猛暑には弱いですが、関東の北部でも冬越しできるほどの耐寒性があります。 ルッコラの栄養・効能 Sea Wave/Shutterstock.com ホウレン草の約2倍のビタミンCやほかのビタミン類、カルシウムや鉄分などのミネラル、βカロテンなどが含まれています。またワサビやカラシ、ダイコンの辛味成分であるアリルイソチオシアネートを含み、強い抗酸化力や殺菌力があります。 これらの成分が含まれていることから、メディカルハーブとして利用され、葉は消化不良や健胃、強壮などの薬効があることで知られています。そして、ビタミンCとβカロテン、アリルイソチオシアネートの抗酸化作用により美肌効果が期待できます。 ルッコラの利用方法 SosnaRadosna/Shutterstock.com 若く柔らかい葉はサラダに最適で、おひたしや油炒め、汁物の具など、用途は多彩。またイタリア料理には欠かせない野菜で、オリーブオイルやチーズなどと相性がよく、ピザやパスタ、サンドイッチなど、さまざまな料理に使われます。 クリーム色の花もエディブルフラワーとして利用でき、サラダの彩りになります。 タネを使ったお茶は、強壮薬としての効能が期待できます。お茶の淹れ方は、砕いたタネ5gをカップに入れ、熱湯を注いで10分蒸らしてから飲みます。 ルッコラのつぼみ菜 photographyfirm/Shutterstock.com ルッコラは花やつぼみも食べることができます。またトウが立ち始めた頃の柔らかい先端部分の茎葉も食べられ、野菜売り場で「ルッコラのつぼみ菜」などとして売られていることがあります。火を通せばくせもなく、炒め物やパスタ、ピザ、スープの具材などさまざまに使うことができます。 ルッコラの栽培12カ月カレンダー 種まき・植え付け適期:3月中旬~6月、9月中旬~10月、肥料:4~6月、9月中旬~11月中旬 ルッコラに適した環境や土壌・置き場所 BearFotos/Shutterstock.com 日なた~半日陰の場所が適します。ただし夏に日なたで育てると、葉が硬くなります。鉢植えやプランターは明るい日陰に移動し、地植えでは遮光ネットを張るとよいでしょう。 腐葉土など、有機物の多い肥沃で水はけのよい土壌でよく育ちます。水がたまりやすい場所は避けてください。酸性土壌を嫌うので、石灰などで酸度調整します。またルッコラのほか、アブラナ科の野菜との連作は避けたほうがよいでしょう。 生育温度 生育温度の目安は15~25℃です。春と秋に生育が最も盛んになります。 冬越しの最低温度はマイナス10℃です。関東の多くの地域では、冬にビニールを張ってトンネル栽培すると、葉を収穫することができます。 ルッコラの種まき・苗の植え付け Denis Shitikoff/Shutterstock.com ルッコラは種子がよく市販されています。種子は比較的大きくて扱いやすく、直まきで発芽しやすく育てやすいです。 ポット苗もよく流通しています。野菜苗というより、ハーブとして販売されていることが多いです。 種まきと苗の植え付けの適期 春の3月中旬~6月、秋の9月中旬~10月が適期です。生育の衰えがちな夏と冬は避けます。 発芽温度は15~20℃です。3月に種まきする場合、室内の暖かい場所などで管理するとよいでしょう。 地植えで育てる場合の準備 2~3週間前に、1㎡あたり苦土石灰100g、完熟堆肥1kg、有機配合肥料70gを施して耕し、土づくりをしておきます。 種まきの方法 畑では、条間15cmで播きます。プランターでは線2本を引き、条まきします。鉢植えは、全体にまんべんなく播きます。2~3mm覆土し、発芽まで乾かさないようにしてください。 発芽後、株間が6~8cmぐらいの間隔になるよう、混んだ部分から間引いていきます。間引いた芽は柔らかく、サラダなどに最適です。間引き後は株がグラつかないよう、株元に軽く土寄せするとよいでしょう。 苗の植え付け 地植えの場合、土づくりをした後に15cm間隔で苗を植えます。標準的な65cmのプランターでは、4~5株植えてください。鉢植えは2回り大きな鉢に植え替えます。根詰まりしたら、さらに1~2回り大きな鉢に植え替えてください。 用土 肥沃で水はけのよい用土が適します。さまざまな植物に使える一般的な培養土が手軽に利用できます。または赤玉土小粒7、腐葉土3の割合で混ぜた用土を使います。 ルッコラの育て方・日常の手入れ flauma/Shutterstock.com 水やり 地植えの場合、根付けばほぼ水やりしなくても育ちます。ただし乾燥させると葉の苦みが強くなり、風味は悪くなります。美味しい葉を収穫するには、土壌が乾いたら水やりしたほうがよいでしょう。ただし土壌が湿っているのに水やりすると、過湿で根腐れするので注意してください。 鉢植えやプランターは、用土の表面がしっかり乾いてから水やりします。 肥料 4~6月、9月中旬~11月中旬に肥料を与えます。チッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)の3要素がおおよそ等量の液体肥料などを1週間に1回、規定の倍率で与えてください。植え付け後は元肥が3~4週間効いているので、その後に追肥してください。 病害虫 春頃からアブラムシやアオムシが発生することがあります。不織布などをトンネル状にかけて栽培すると、予防できます。 ルッコラの収穫 VH-studio/Shutterstock.com 春まきで30~40日後、秋まきで60日後くらいから収穫できます。株全体を抜かずに、下のほうの葉から適宜切り取れば長期間収穫できます。葉が10cmくらいの大きさになったら、ハサミなどで切ります。 春に花茎が伸びてきたら、早めに株元近くの位置で切ってください。柔らかい花茎は食べることができます。花を咲かせないようにすると、葉を収穫できる期間が長くなります。 ヘルシーなルッコラを育てて収穫しよう! Peter Turner Photography/Shutterstock.com <ルッコラ栽培の成功のポイント> 日なた~半日陰で育てる 夏は強い直射日光を避ける 葉が硬くなり苦みが出るので、強光線や乾燥を避ける 肥料を十分与える ルッコラは丈夫で生育が早く、初心者でも栽培しやすいのでおすすめです。プランターや鉢でもよく育ち、ベランダでも栽培できます。採れたての新鮮な葉を使えば、料理も格別な味になることでしょう。栄養豊富でヘルシーなのも魅力です。ぜひ庭や家庭菜園、ベランダでルッコラの栽培にチャレンジしてみてください!
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樹木

【人気上昇の樹木】花や実も楽しめる「ソヨゴ」の育て方
ソヨゴの基本情報 植物名:ソヨゴ学名:Ilex pedunculosa英名:Longstalk Holly和名:ソヨゴ(冬青)別名:フクラシバ科名:モチノキ科属名:モチノキ属原産地:日本、台湾、中国形態:常緑高木 ソヨゴは、国内の関東地方以西に自生する常緑の高木です。植える場所を比較的選ばず、丈夫で育てやすいです。生育がゆるやかで樹形がまとまりやすく、メンテナンスが容易。生育旺盛で持て余したシマトネリコを撤去した後などに、ソヨゴは最適な樹木です。 濃い緑色の葉は革質で光沢があり、縁は滑らかで波打ちます。葉の縁があまり波打たない系統もあります。雌雄異株で、春の5~6月に白い花が咲きます。雌株には、秋に赤い実が付きます。 幹が1本の単幹仕立てと、3本以上の幹がある株立ち仕立てが流通しています。生育に時間がかかり人気があるため、ほかの樹種より高額な傾向があります。 ソヨゴの特徴・性質 Guppy2416/Shutterstock.com 園芸分類:庭木樹高:10m開花時期:5~6月耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 高さ10mにもなる高木ですが、一般の庭などでは2~5mほどの大きさにとどまります。根が浅いので、樹高が高くなると台風などの強風で倒れやすくなります。 生育は特筆すべきほどゆるやかです。枝が横に広がりにくく、狭い場所に適します。樹高が高くなりにくい木を植えたい場合は、株立ちに仕立てたソヨゴが適しています。 新葉が展開する前に、古い葉が多く落ちることがあります。葉が落葉するなどのトラブルがあった場合、復活まで時間がかかります。 雌株の花は、数が少なくひっそりと咲く雰囲気です。一方、雄株は花の数が明らかに多く、花が比較的目立ちます。花を観賞したい場合は、雄株を選びましょう。 ソヨゴの仲間 ソヨゴが含まれるモチノキ属の仲間は、約560種類が世界の熱帯から温帯に広く分布します。葉や果実が美しい種類が多く、栽培されている代表的なものに、モチノキやイヌツゲ、クロガネモチ、アオハダ、セイヨウヒイラギなどがあります。 キミソヨゴ Ilex pedunculosa f. aurantiaca 果実が黄色の変種です。 クロソヨゴ Ilex sugeroki 本州中部以西の太平洋側、四国が原産で、ソヨゴに外観や性質が似ています。ソヨゴと比較すると、樹高は2~5mほどとより低く、生育も遅いです。また葉は小さく、幹や枝が黒っぽいです。ソヨゴと同様に雌雄異株で、雌株に赤い実が付きます。流通量は少なく、庭木としては比較的珍しいです。 ソヨゴの栽培12カ月カレンダー 植え付け適期:4~5月肥料:2月剪定:7月入手時期:通年挿し木時期:9月 ソヨゴの栽培環境 tamu1500/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日なたから明るい日陰で育てることができます。ただし夏に高温になり乾燥が激しいと、葉色が悪くなることがあります。 西日がよく当たって乾燥しがちな場所は避けてください。また水がたまりやすい場所は、根腐れして枯れることがあります。 明るい日陰でも葉数が減少しにくく、環境適応性が高いです。ただし暗すぎる場所は避けてください。 冬越し、耐寒性 寒さに強い、貴重な常緑樹です。北海道南部より南の地域で栽培できます。強い寒さに当たると、葉が黄色っぽくなることがあります。 ソヨゴの育て方・日常の手入れ Honki Kumanyan/Shutterstock.com 水やり 庭などに植え付けてから1~2年は、春から秋に土壌の表面が乾燥したら水やりしてください。根付けば水やりは不要です。 鉢植えで育てている場合は、用土の表面が乾いたら水やりしてください。 肥料 地植えの場合は2月に油かすなどの有機肥料を、株の周辺に浅く埋めておきます。早く大きくしたい場合は、5~6月に追肥してもよいでしょう。 鉢植えは、3月に緩効性化成肥料などを規定量与えてください。 病害虫 ルビーロウムシなどのカイガラムシの発生に注意してください。薬剤が効きにくいので、見つけ次第ブラシなどでこすり落とします。植え付け後に根が周囲に張るまでの1~2年は、特に注意してください。 ソヨゴの植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com 植え付け 4~5月が植え付けの適期です。油かすなどの肥料と腐葉土などの有機物をよくすき込んでから、株を植え付けてください。根が張るまで時間がかかるので、支柱を必ず立てて固定するとよいでしょう。 雌株の実付きをよくするために、雄株と雌株の両方を植える場合が多いです。 鉢植えの植え替え 根鉢をくずさず1~2回り大きな鉢に植え替える場合は、4~10月の生育期にいつでも行えます。 鉢の大きさを変えたくない場合は、4~5月に根鉢を1/5程度落とし、枝葉を1/4~1/5程度切って減らしてください。 用土 肥沃で水はけのよい一般的な用土が適します。赤玉土小粒7、腐葉土3を混ぜた用土を使います。または樹木用の培養土などが気軽に利用できます。 ソヨゴの手入れ Guppy2416/Shutterstock.com 剪定 ひんぱんに剪定する必要はありません。年に1回程度の剪定で、ほぼ問題ないでしょう。生育が遅いため、強い剪定は避けてください。 徒長枝は見つけ次第付け根から切りますが、すぐに伸びて樹姿を乱すほどではありません。株立ち仕立ての場合、枝が重なりあうなどして込み合った場所は、適宜間引いてください。 剪定の適期は、新しい枝が充実し始める7月頃です。対生した枝は、互生するように間引くと形が整いやすいです。 増やし方 挿し木で増やすことができます。9月頃に今年伸びた充実した枝を10cmほど切り、下葉を取って葉を3枚程度残して挿し穂とします。小粒の赤玉土などの清潔な用土に挿し、明るい日陰で乾燥させないように管理します。鉢上げしたばかりの小苗は寒さに弱いので、室内などの暖かい場所に置くと安心です。 植え場所を選ばず手間のかからないソヨゴを育てよう ソヨゴは、寒さや日陰にも強い貴重な常緑樹です。和風・洋風を選ばず、さまざまな雰囲気の場所になじみます。濃い緑の葉は存在感があり、シンボルツリーにも最適です。周囲にカラーリーフの植物を植えると、お互いの色合いが引き立ちます。入手する際は高額ですが、その後のメンテナンスを考えれば経済的でしょう。住宅事情で狭い場所や日当たりのよくない場所だからと樹木を植えるのを諦めていた人にもおすすめですので、ソヨゴの栽培をぜひ検討してください。
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樹木

【人気の庭木】トキワマンサクの育て方
トキワマンサクの基本情報 Federico Magonio/Shutterstock.com 植物名:トキワマンサク学名:Loropetalum chinense英名:Chinese Fringe Flower和名:トキワマンサク(常盤万作)科名:マンサク科属名:トキワマンサク属原産地:日本、中国、アッサム州(インド)、タイ、台湾形態:常緑低木 春に、リボンのような小花が株全体を覆うように咲く花木です。葉は常緑で、カラーリーフや斑入り葉の品種は、花がない時期も楽しめます。小さな葉は密に茂るので目隠しの効果が高く、生け垣にもよく利用されます。病害虫の被害も少なく、初心者でも育てやすい樹木です。 トキワマンサクの仲間は、中国や東南アジア、日本に4種が知られています。従来の白花のほか、赤い花の変種のベニバナトキワマンサクが出回るようになって人気が上昇しました。近年は魅力的な園芸品種が多く作り出され、銅葉や斑入り葉、2色の咲き分けの品種などもあります。また樹形は直立性のものから、鉢植えやグラウンドカバーになる矮性の品種までさまざまあります。品種や用途が非常に広いのもトキワマンサクの魅力です。 トキワマンサクの特徴・性質 Scisetti Alfio/Shutterstock.com 園芸分類:花木、庭木開花時期:4~5月樹高:3~4m耐寒性:普通耐暑性:強い花色:ピンク、赤、白 葉に産毛があり、軍手などに付きやすいです。花芽は夏にでき、翌年の4~5月に開花します。開花期は株いっぱいに花が咲き、見事な美しさです。ただし開花後にたくさん花が落ちて目立ちます。 温暖な気候を好むので寒さにはやや弱く、寒冷地の植栽には向きません。日照や乾燥には適応性が高く、比較的場所を選ばず植えることができます。 剪定しなくても樹形は自然にまとまりやすいです。ただし樹勢が強いので、強めに剪定しないと肥大しやすい傾向があります。剪定に強く、刈り込んでさまざまな形に仕立てることができます。 トキワマンサクの用途・楽しみ方 従来の白花のトキワマンサクとベニバナトキワマンサクは、花色や葉色が違うので印象も変わります。白花種とベニバナ種に分けて解説します。 トキワマンサクの白花種 simona pavan/Shutterstock.com 黄緑色の明るい葉色と白い花の対比が爽やかな印象です。和風の庭をはじめ、いろいろな雰囲気の庭に調和しやすいでしょう。ナチュラルで明るい庭にしたい場合にもおすすめです。 ベニバナトキワマンサク Primi2/Shutterstock.com 紅色の花が美しく、人目をよく引きます。存在感のある美しさで人気が高く、目立つ場所でのシンボルツリーにも最適です。多く流通している銅葉の品種は、花のない時期でも大人っぽいおしゃれな雰囲気があります。秋には葉が部分的に紅葉する美しい姿も楽しむことができます。洋風の庭によく似合います。 白花種に比べると、寒さにやや弱い傾向があります。 トキワマンサクの品種 七彩 ベニバナトキワマンサクの園芸品種で、緑の葉に白や桃色、紫色などの斑が入ります。季節により葉色の変化も楽しめます。ほかに葉色が楽しめるものとして、美しい紅色の斑が入る「紅彩」という品種もあります。 花吹雪 白と赤の異なる花色が一緒に開花する、咲き分け品種です。株が小さなうちは白色が出やすい傾向があります。 紅姫 ベニバナトキワマンサクの極矮性品種で、葉は銅葉です。枝が這うように横に伸びるので、グラウンドカバーにも利用できるでしょう。 ‘ルビースノー’ 樹高50cmほどの矮性品種で、花は白花です。葉も若いうちは、強く赤みを帯びます。 トキワマンサクの栽培12カ月カレンダー 植え付け:4~5月、9~10月植え替え:4~5月、9~10月肥料:2月、9月入手時期:通年挿し木時期:6~8月 トキワマンサクの栽培環境 tamu1500/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日当たりのよい場所が適しますが、明るい日陰でも育ちます。乾燥しやすい場所でも、比較的よく育ちます。 日陰では花が咲かなくなり、葉の艶は増しますが葉数は少なくなります。また樹形も乱れがちで、病害虫も発生しやすくなります。カラーリーフの品種は、日陰では葉の発色が悪くなります。 生育温度 温暖な気候が適し、厳しい寒さは嫌います。15~30℃が生育に適した気温です。夏の暑さで弱ることは少ないです。ただし鉢栽培の場合、日当たりがよいコンクリートの上などに直接置いてしまうと、夏には40℃以上の高温になって葉焼けすることがあります。 冬の耐寒温度はマイナス5~マイナス7℃なので、関東地方北部から東北地方や北海道などの寒冷地の地植えには向きません。寒冷地では、冬は鉢植えにして室内で越冬させます。 トキワマンサクの植え付け・植え替え Itsunfotos/Shutterstock.com 庭への植え付け 春の4~5月、秋の9~10月が、植え付けの適期です。花を多く咲かせたい場合は、日当たりのよい場所に植えます。冬の冷たい北風がよく当たる場所は避けてください。 腐葉土などの有機物を十分すき込んで植え付け、支柱を立てて支えます。細い枝は折れやすいので、若い苗木は取り扱いに注意してください。秋に植え付けた場合は株元に敷き藁を施すなど、防寒対策をするとよいでしょう。 鉢植えの植え替え 2年くらいで根詰まりしたら、植え替えてください。春の4~5月か、秋の9~10月に1回り大きな鉢に植えます。 用土 赤玉土小粒7、腐葉土3の一般的な配合の用土を使います。 トキワマンサクの育て方・日常の手入れ simona pavan/Shutterstock.com 水やり 地植えの場合、根付けば水やりは不要です。ただし公道沿いの南側など、乾燥しやすい場所では、夏に過度の乾燥が続く場合は水やりするとよいでしょう。 鉢植えは、表土が乾いたら水やりします。 肥料 地植えの場合は、2月に寒肥として骨粉入り油かすなどを規定量与えるとよいでしょう。成長させたい場合や鉢植えは、9月にも追肥してください。 病害虫 日なたでは、病害虫の発生は比較的少ないです。ただしハマキムシの被害が発生する場合があります。また日照不足の場所ではカイガラムシが発生することがあります。 強い寒さにあうとシミのような傷みが出ることがありますが、病気ではありません。 トキワマンサクの手入れ Kirkam/Shutterstock.com 剪定 放任しても樹形は整いやすいですが、一定の美しい姿を保つには刈り込みなど、適切な手入れが必要です。剪定の適期は、花後の4~5月です。大きくしたくない場合は、強めに刈り込んでください。枝が込み入った場所は、間引いて風通しをよくしてください。 地際から出るひこばえや徒長枝などの直立した太い枝は、根元から随時切るようにしてください。そのまま放っておくと樹形が乱れて密生状態になり、ほかの枝を枯らすことにもなります。 増やし方 6~8月に挿し木で増やします。枝を10cmほど切り、上の部分の葉を2~3枚残して挿し穂とします。小粒の赤玉土などの清潔な用土に挿し、明るい日陰に置いて乾燥させないように管理してください。 多彩な楽しみ方ができるトキワマンサク Photo/小川恭弘 寒さには強くないので寒冷地の植栽には向かない 花後に剪定する コンパクトに保ちたい場合は、強めに剪定する 樹形を保つには、徒長枝やひこばえを見つけ次第切る トキワマンサクは、美しい花や紅葉、カラーリーフなどさまざまに楽しめます。日なたでよく咲きますが、明るい日陰でも育ちます。乾燥にも比較的強く、場所を選ばず育てやすいのも魅力です。 矮性の品種は、鉢植えで育てるのもおすすめです。またスタンダード仕立てにした木の根元に、グラウンドカバーとして矮性の銅葉品種を植えてもよいでしょう。花やカラーリーフが美しいおしゃれな雰囲気の赤花種と、爽やかでナチュラルな美しさの白花種があるので、好みによって使い分けてください。
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宿根草・多年草

【プロが解説】洋ラン「デンドロビウム・ノビル系」の育て方
デンドロビウム・ノビル系の基本情報 PAUL ATKINSON/Shutterstock.com 植物名:デンドロビウム・ノビル系学名:Dendrobium科名:ラン科属名:セッコク属原産地:東南アジア、インド、ネパール、中国南部形態:多年草 デンドロビウム・ノビル系は日本で育種が盛んに行われた洋ランで、その素晴らしさは世界に誇るレベルです。節のある太い茎のようなバルブはほぼ直立して伸び、バルブ全体を覆うようにたくさんの花を咲かせます。 冬から春に開花株が流通し、豪華で美しい花を咲かせる多くの品種があります。ギフトにも選ばれるボリュームのある大株から、テーブルの上に気軽に置けるコンパクトなサイズまで大きさも幅広くあります。花色はピンクや赤紫、白、黄、オレンジ、緑のほか、さまざまな色合いの複色もあり、多様です。花もちがよく、1~2カ月以上美しい花を楽しめます。 洋ランの中では特に寒さに強いほうで、家庭でも十分育てられます。近年は日本原産のセッコク(Den. moniliforme)との交配により、コンパクトで寒さに強い品種が増えています。 デンドロビウム・ノビル系の特徴・性質 Nakornthai/Shutterstock.com 園芸分類:ラン開花時期:2~5月草丈:20~60cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:ピンク、赤紫、白、黄、オレンジ、緑、複色 樹上で根が付着して育つ、着生ランです。原種のノビル(Dendrobium nobile)は、東南アジアの山岳地帯などが原産です。樹木の高い位置によく着生し、十分な日光と風通しのよい環境で生育します。自生地では冬は3℃くらいまで気温が下がり、夏は40℃まで上昇することもあります。また乾季には2カ月ほど雨が降らないことがあり、長期間の乾燥に耐えます。 光沢のある楕円形の葉を左右交互につけ、1年ほどで落葉します。通常育てた場合、主に春に開花します。花は落葉した古い茎に咲くものと、葉をつけた状態の新しい茎に咲くものに分かれます。現在の品種は、新しい茎に咲くタイプがほとんどです。咲き終わった茎に再び花が咲くことはありませんが、新芽の成長に蓄えた栄養分が使われます。 デンドロビウムの仲間 熱帯アジアから太平洋諸島、オセアニアなどに約1,600種が知られています。種類が多く、栽培されているデンドロビウムには以下のタイプがあります。 デンファレ 7th Son Studio/Shutterstock.com 茎の先端から花茎を伸ばし、コチョウラン(ファレノプシス)のような花を付けるタイプです。直射日光を好み、高温性で最低温度を15℃以上に保つ必要があります。タイなどから輸入された切り花がよく流通しています。 キンギアナム系 Flower Studio/Shutterstock.com オーストラリア原産で、性質が強く丈夫で育てやすいです。花色はピンクや白、紫、黄などがあります。関東地方南部や都心部などでは屋外でよく越冬します。ノビル系とほぼ同じ管理で育てます。 デンドロビウム・ノビル系の品種 ピンク・ビューティー ‘クィーン’ Dendrobium Pink Beauty ‘Queen’ FIFTYONE by Athi/Shutterstock.com 濃いピンクに黄色の目が入った大輪の品種です。花付きがよく、丈夫です。 オリエンタル・スマイル ‘バタフライ’ Dendrobium Oriental Smile ‘Butterfly’ gimi.petals/Shutterstock.com 花びらの色が変化する美しい花が咲きます。ピンクや黄色の花は、あかね色に色づきます。 スプリングドリーム ‘アポロン’ Dendrobium Spring Dream ‘Apollon’ Ole Schoener/Shutterstock.com 白に薄緑の目が入る清楚な美しさが魅力の品種です。非常に花付きがよく、育てやすいです。 ‘スイートキャンディ’ Dendrobium ‘Sweet Candy’ PAUL ATKINSON/Shutterstock.com 以前から流通している定番の品種です。原種の特徴をよく受け継いだ美しい花がたくさん開花します。 デンドロビウム・ノビル系の栽培12カ月カレンダー 植え替え適期:4~6月肥料:5~7月入手時期:12~5月 デンドロビウム・ノビル系の栽培環境 Dale Lorna Jacobsen/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 葉焼けしない範囲の明るい場所で育ててください。また風通しのよい環境を好みます。 4月~11月上旬は、屋外で育てるとよいでしょう。4月と10月以降は直射日光に当てますが、葉焼けの心配がある5~9月は、30~50%程度の弱めの遮光をしてください。 また地面から離した高い位置に鉢を置くようにします。コンクリートの上などに直接置くと、照り返しによる蒸れなどで株が弱ります。 生育温度 13~25℃が生育に適した温度です。夏は遮光して水分が十分なら、暑さで弱ることはありません。 冬越し 寒さに強く、関東南部や都心部の条件のよい場所では屋外で越冬することもあります。よく花を咲かせるには、室内に置いて7℃以上を保つとよいでしょう。窓の近くの日当たりのよい場所に置いてください。 デンドロビウム・ノビル系の育て方・日常の管理 SandroSalomon/Shutterstock.com 水やり 4~9月は、植え込み材の表面が乾いたらたっぷり水やりしてください。過湿にすると根が腐りますが、特に春の気温が低い時期に根腐れが起こりやすいので注意してください。また受け皿に水をためると過湿になるので、避けてください。 7~9月の晴れた日は乾燥が激しいので、1日1~2回の水やりが必要なことがあります。夏に水分が不足すると葉焼けしやすくなり、株も弱ります。一方、水分が十分な状態なら40℃近くの高温にも耐えます。 花芽を付けるために、10月からは乾燥気味に管理します。水やりは3~4日に1回を目安としてください。最低気温が10℃以下になったら、7日に1回、水やりします。与える量も、夜までに乾く程度を心がけてください。 肥料 肥料は控えめに与え、与える時期を間違えないようにすることが大切です。 最低気温が10℃以上になる5~7月に肥料を与えます。8月以降に与えると、かえって花が咲きにくくなるので注意してください。 3要素が等量、または洋ラン用の液体肥料を月に2~3回与えます。鉢花や観葉植物、シンビジュームなどより薄い倍率で、商品により異なりますが1,000倍程度を目安に薄めて施します。 また根が傷んだ株に与えるとさらに傷むので、肥料は与えないでください。 病害虫 新芽やつぼみなどがナメクジに食害されます。屋外で発生しやすいので注意してください。 冬に購入した開花株の管理 温度の低い場所(5~10℃)に置くと、花が長もちします。日照不足解消のために、窓際の日当たりのよい場所に置く必要はありません。暖房機の近くや風の当たる場所には、鉢植えを置かないようにしてください。 水やりは冬の通常どおりでよく、7~10日間隔で少量与えます。与えすぎると根を傷めて、花も早く終わってしまいます。 デンドロビウム・ノビル系の植え替え joloei/Shutterstock.com 購入した鉢植えは、すぐに植え替えなくても大丈夫です。1~2年後くらいでほぼ問題ありません。 用土と鉢 ①ミズゴケと素焼き鉢②ベラポン(ヤシガラの植え込み材)とプラスチックまたは陶器製の鉢③バークとプラスチックまたは陶器製の鉢 以上の組み合わせで植えます。 ①のミズゴケは生育に定評がありますが、植えるのにコツが要ります。 ②と③の組み合わせは植えるのが簡単ですが、③は乾きすぎる欠点があります。 鉢のサイズは、根が収まる範囲で小さめのものを使います。鉢が大きすぎるとかえって通気性と水はけが悪くなり、根が傷みやすくなります。 植え替え 4~6月が植え替えの適期です。根が成長して鉢の中に伸びるスペースがなくなる2~3年くらいの間隔で、1回り大きな鉢に植え替えるようにしてください。また根がびっしりと張っているミズゴケやベラポンは無理にくずさず、鉢増しします。無理にくずすと根の損傷が激しくなるので避けてください。腐っている根は、部分的に取り除きます。 根鉢が水分を含み、根が柔らかい状態で植え替えましょう。長い根は切らずに鉢の内側に巻きつけるようにします。底穴に鉢底ネットを敷き、発泡スチロール片を用土の1/4程度入れます。新しい植え込み材料をやや多めに足して、1回り大きな鉢にやや固めに植えます。植える際は、深植えにならないように注意してください。 植え替え後の管理 植え替え直後は、水やりを控えます。明るい日陰に置き、水やりは少量を与えます。2週間くらいは乾かし気味に管理してください。その後は徐々に水やりを多くしていきます。 植え替えて1カ月後くらいから日光に当てます。肥料は2~3カ月の間は与えないようにしてください。 デンドロビウム・ノビル系の日常の手入れ RHJPhtotos/Shutterstock.com 花後の手入れ 花が咲き終わったら、花茎を付け根から切り取ってください。 花が咲き終わった茎は、切らずに1~2年ほどはそのままにしてください。栄養を蓄えているので、新芽の成長に役立ちます。2年経って茎にしわが寄ったら、地際から切るとよいでしょう。 鉢から根がはみ出ることがありますが、切る必要はありません。根が多いほうがよく生育します。 増やし方 バルブの上方に「高芽(たかめ)」といわれる子株ができます。高芽を育てることで、容易に増やすことができます。高芽の根が伸びたら摘み取り、小さな鉢にミズゴケで植えます。 株分けは、根を著しく傷めることが多いため、栽培上級者以外は避けたほうがよいでしょう。 デンドロビウム・ノビル系の栽培ポイント joloei/Shutterstock.com できるだけ日光に当てる 春から夏は水を十分に与える 10月から水やりを控える 5~7月に肥料を与える。時期を間違えないように注意 洋ランの中でも、デンドロビウム・ノビル系は強健な性質で育てやすく、初心者におすすめです。花色やサイズが豊富で、好みの1鉢を見つけることができるでしょう。株いっぱいに豪華な花が咲くので、開花株を部屋に置けば見事な華やかさです。育てるのに慣れてきたら、板付けすればおしゃれな雰囲気で楽しめます。手頃な価格で流通することも多いので、気軽に栽培に挑戦してみてください。





















