【簡単】毎年満開! シャスタデージーの育て方 白い花を庭いっぱいに咲かせよう

Tony Baggett/Shutterstock.com
初夏に可憐な白い花をたくさん咲かせる宿根草のシャスタデージー。マーガレットによく似た姿で、庭を明るく彩ります。丈夫で育てやすくあまり手間がかからず、庭に植えれば毎年美しい花を楽しむことができます。定期的な株分けを行えば、ずっと育て続けることも可能です。この記事では、シャスタデージーの特徴と品種、多く花を咲かせるための育て方や、“毎年満開!”を実現するためのポイントなどを、分かりやすく栽培のプロが解説します。
目次
シャスタデージーの基本情報

植物名:シャスタデージー
学名:Leucanthemum × superbum
英名:Shasta daisy
別名:シャスタギク、レウカンセマム、シャスターデイジー
科名:キク科
属名:レウカンテマム属
原産地:園芸種
形態:多年草
マーガレットによく似た白い花を初夏頃に咲かせる多年草(宿根草)で、茨城県から青森県の太平洋沿岸に自生するハマギクと、ヨーロッパ原産のフランスギクの交配によって作られた園芸種です。19世紀のアメリカで、著名な育種化のルーサー・バーバンクによって作られました。名前はカリフォルニアにあったバーバンクの農場から見えたシャスタ山に由来しています。シャスタ山は山頂付近が氷河と万年雪に覆われた、美しく神聖な白い山として知られています。
現在も育種が行われており、黄色の花色の品種も登場しています。流通する品種も徐々に増え、ネット通販などでいろいろな品種を入手することができます。
蝶が羽を休めているシャスターデージーが満開の花壇。Santorihan/Shutterstock.com
シャスタデージーの特徴・性質

園芸分類:草花
草丈:30~80cm
開花時期:5~7月
耐寒性:強い
耐暑性:やや弱い
花色:白、黄色
1m近くまで背が高くなる品種から、鉢植えに適した30cmほどの矮性品種まであります。
冬はロゼット状で越冬します。寒さに強く、冬も常緑です。春になると背が高くなって5月頃から花を咲かせます。多くは夏までの開花ですが、品種や管理によって秋も開花します。よく分枝してたくさんの花を咲かせるので、ホワイトガーデンなどの主役になります。
花色のバリエーションは少ないですが、さまざまな花形があります。一重咲きや二重咲き、八重咲き、丁子咲き、フリンジ咲きなどがあります。
背が高くなる品種は切り花用にも栽培され、茎が丈夫で花もちがよいです。
シャスタデージーの品種
‘アラスカ’ Leucanthemum × superbum ‘Alaska’

花径7~10cmの大輪で、草丈90cmほどになります。風当たりの強い場所では、支柱を立てるとよいでしょう。一株に数十本の花茎がつき、花付きのよい品種です。茎が長いので、切り花にも最適です。タネも販売されています。
‘ゴールド・フィンチ’ Leucanthemum × superbum ‘Goldfinch’

半八重咲きのレモンイエローの花は珍しく人目を引き、鮮やかな美しさです。咲き進むにつれて花色はアイボリーホワイトに変化します。草丈50~60cmほどのコンパクトな大きさで、花もちがよいです。
‘オールド・コート’ Leucanthemum × superbum ‘Old Court’

ヒモ状の花びらがユニークな品種で、丈夫です。
‘マカロン’ Leucanthemum x superbum ‘Macaroon’

八重咲きの花は、花色がクリームからレモン、最後に白へと変化します。草丈30cmほどのコンパクトで花付きのよい品種です。
‘リアル・ニート’ Leucanthemum x superbum ‘Real Neat’

ユニークな形の二重の花が咲き、草丈40~50cmほどのコンパクトな品種です。
シャスタデージーの栽培12カ月カレンダー
開花時期:5~7月
植え付け:3月中旬~6月、9~10月
植え替え:3月中旬~4月、9月下旬~10月中旬
肥料:3月中旬~4月
シャスタデージーに適した環境・置き場所

日向の風通しと水はけのよい場所を好みます。半日陰でも比較的よく育ちます。ただし日照が不足すると害虫類がよく発生し、花付きも悪くなります。
夏は厳しい暑さを嫌うので、鉢植えは午前中だけ日光が当たる半日陰に移動するとよいでしょう。地植えした場合は、夏に背が高くなる植物を株の西側に植えると、西日を遮ることができます。
冬越し
寒さに強いので、越冬は容易です。地植えした小苗は強い霜に当たると傷みます。株の周囲に敷き藁などでマルチングするとよいでしょう。
シャスタデージーの育て方・日常の手入れ

水やり
鉢植えは、鉢土の表面が乾いてから水やりします。地植えした株は、水やりはほぼ必要ないでしょう。
肥料
3月中旬から4月の生育初期に、肥料の3要素であるチッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)が等量の緩効性化成肥料を与えてください。地植えした株は、同時に株の周囲に堆肥を敷き詰めると生育がよくなります。
病害虫

枝先部分の柔らかい部分などにアブラムシがよく発生するほか、葉を食害する害虫類も発生します。よく観察して、早めに薬剤等で防除してください。鉢植えは、オルトラン粒剤などを株元に撒くと予防効果があります。
シャスタデージーの植え付け・植え替え

植え付け
春と秋に、日当たりと排水のよい場所に植え付けます。雨が降ると水がたまりやすい場所は避けてください。やや水はけのよくない場所では、専用のガーデンフレームなどを使って周囲より土を高く植えるとよいでしょう。
植え付ける際は、植え土に堆肥などの有機物と化成肥料を混ぜて苗を植えます。株間は矮性の品種で20~30cm、大きくなる品種は30~40cmくらいとるようにしてください。
植え替え
2年に1回、株分けを兼ねて植え替えます。春の3月中旬から4月、または秋の9月下旬から10月中旬に長い茎を切り詰め、2~3個芽を付けて切り分けます。
短命な多年草とされますが、株分けすれば若返ります。
用土
肥沃で水はけのよい用土が適します。水はけがよければ、比較的用土を選びません。草花に広く使える一般的な培養土か、赤玉土小粒7と腐葉土3を混ぜた用土を使います。
シャスタデージーの手入れと作業

花がら摘み
咲き終わった花は、こまめに摘み取るとよいでしょう。タネがつかなくって見栄えもよくなり、花が長く咲きやすくなります。
切り戻し
梅雨どき頃の時期に、花が咲き終わった茎を株元近くから切り戻すと、再び花を咲かせることがあります。
増やし方
梅雨の季節に切り戻した茎は、10cmほど切って挿し芽でふやすことができます。赤玉土小粒などの清潔な用土にさし、明るい日陰で管理してください。
シャスタデージーを育てるポイント

- 日当たりから半日陰で育てる
- 水がたまるような場所に植えない
- 夏の高温多湿にやや弱い
- アブラムシに注意
育てやすい宿根草としてアメリカやヨーロッパでも広く親しまれているシャスタデージー。あまり手間がかからず、毎年美しい花が楽しめます。黄色の品種も花色が変わって美しく、観賞価値が高いです。定期的に株分けすればずっと育てることができます。たくさんの花を毎年手軽に楽しめるシャスタデージーを、庭に迎えてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -

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