【季節の花】雨に映える白い花を集めて 梅雨どきに爽やかなアレンジを楽しもう
しっとりとした雨空や曇り空が続く梅雨どきは、清々しい白い花がひときわ輝く季節。初夏から夏にかけては、美しいさまざまな白花が開花期を迎えます。旬の白い花を集めて、梅雨どきに飾りたい爽やかなアレンジを作りましょう。教えてくれるのは、フラワー&フォトスタイリストの海野美規さん。ジューンブライドともいわれる白い花が似合う6月にぴったりのアレンジをご紹介します。
目次
白い花
雨のシーズンです。ジメジメと蒸し暑い日も多いですが、雨の日も爽やかに過ごしたいですね。
この時期は、アジサイやアガパンサス、クレマチスなど、青い花が目にも涼しくほっとします。これらに加え、白い花も多く咲くシーズンです。
例えば、白いアジサイ、アナベル、ユリ、芍薬、クチナシ、シモツケ草、レースフラワー、ホワイトスターなど。庭もフラワーショップの店頭も、白い花が清々しく並んでいます。
そして、6月といえばジューンブライド。白い花が似合う月でもありますね。私は白い花、特に初夏から今頃の季節の白い花が一番好きです。前回ご紹介した白いゼラニウムに引き続き、今回も白い花のアレンジにお付き合いください。
白いウエディングブーケとブートニア
ウエディングブーケといえば、なんといっても白い花。
ウエディングブーケが白を基調としているのは、白は「魔除けの色」とされ、悪いものから新婦を守るという意味が込められているからだそう。ヨーロッパでは、ハーブを束ねたタッジーマッジーを花嫁が持ったのが、そのはじまりとされています。香りのよいハーブも、抗菌作用があることから、疫病から守るものと考えられていました。
そもそもブーケは、中世のヨーロッパで、男性がプロポーズをするときに、野の花を束ねて贈ったのが由来です。女性は「イエス!」の意味を込めて、送られた花束の花一輪を、男性の胸のポケットに挿しました。それがブートニアの起源といわれています。
アレンジに使った花とベース
- 芍薬
- アジサイ(白)
- レースフラワー
- シモツケ草
- 利休草
- ナンテンの葉
暑い季節には、やはりガラスのベースがより涼しく映えますね。今回は、壺形のガラスのベースを選びました。口がきゅっとしまった形なので、花束を手で握ったようにまとめることができて活けやすいです。
サイズは、胴体φ11.5cm(つぼ口φ7.5cm)×高さ16.5cmです。
アレンジの手順
アレンジをする前に、花材の準備として、ガラスのベースの中に入る部分の葉は、すべて取っておきます。葉がついたままだと、口が小さなベースではすぐに混み合ってしまいます。また蒸れ防止のためにも、葉は剪定しておきましょう。
① ガラスのベースに水を入れます。
② 大きな花である芍薬とアジサイを3カ所に入れます。
③ 花と花の間に、レースフラワーや利休草など残りの花を入れて完成です。
花は入れすぎず、全体をふんわりとしたシルエットになるようにしましょう。
ジューンブライド
6月は、ローマ神話では結婚や出産を司る女神ユノが守る月。ユノは古代ローマの人にとって最高位の女神で、ユノが守る月の6月は、結婚式にふさわしく、ジューンブライドは女神ユノの加護を受けて幸せになれるといわれています。ユノは「Juno」と書き、英語の6月を表す「June」由来でもあります。
そして、ヨーロッパの6月は一年で一番過ごしやすく、花もたくさん咲いて美しい季節ということもありますね。結婚式にぴったりです。
梅雨のある日本では、6月の結婚式は少し迷うこともあります。当日雨降りだと…。
やはり日本の婚礼は、春と秋に多いそうです。特に秋が人気で、9、10、11月に集中するそうで、これはお天気が安定していて過ごしやすい、計画がたてやすいからということでしょう。春はというと、4、5月の結婚式の数を6月と比べてみると、意外にもそれほど差がないそうです。
6月の雨に濡れた植物の緑はとてもきれいで、生き生きとしています。アジサイを見ると、私は雨の季節もいいなと思えてきます。青いアジサイは、「この結婚が幸せなものになりますように」というおまじないの、まさに「サムシングブルー」です。
ジューンブライド、日本の6月も素敵ですよね。
Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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