プロが教える【ルッコラ(ロケット)の育て方】種まきから収穫、育て方を一挙解説
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ルッコラは、イタリア野菜として近年人気です。古くから利用されてきたハーブでもあり、豊富な栄養が含まれています。美肌効果など、さまざまな効能が期待でき、生育が早く、家庭菜園にも最適です。この記事では、ルッコラの基本的な情報や性質、効能や利用方法、詳細な育て方を栽培のプロが解説します。
目次
ルッコラの基本情報

植物名:ルッコラ
学名:Eruca vesicaria
英名:Rocket、Garden Rocket、Arugula
和名:キバナスズシロ(黄花蘿蔔)
科名:アブラナ科
属名:キバナスズシロ属
原産地:地中海沿岸~中国、アラビア半島
形態:一年草
イタリア料理には欠かせない野菜で、日本ではイタリア語に由来するルッコラの名で主に知られています。またハーブとしても古代ローマ時代から利用され、古くはエルーカ、現在は英名のロケットとも呼ばれます。
葉は肉厚でダイコンの葉に似ており、栄養豊富です。クレソンのようにピリッと辛く、ほのかにゴマのような香ばしい風味があり、サラダにもよく使われます。一年草ですが、こぼれダネでよく増えます。丈夫な性質で、家庭での栽培も簡単です。
ルッコラの特徴・性質

園芸分類:野菜
収穫時期目安:春まきで約30~40日後、秋まきで約60日後から収穫
3月中旬~6月に播種の場合、5月~8月中旬
9月中旬~10月に播種の場合、10月中旬~12月
草丈:40~80cm
耐寒性:普通
耐暑性:やや弱い
花色:クリーム
春まき、または秋まきの一年草です。生育は早く、春まきで1カ月後、秋まきで2~3カ月後くらいから収穫できます。秋から冬はロゼット状の姿で越冬し、春に茎を伸ばして背が高くなります。春~初夏に咲く白い花は十字形で、ダイコンに似ています。花後にナバナのようなタネができ、株は枯れます。
涼しく湿度の高い環境では苦みは少ないですが、強い日光に当たると葉が硬くなり、苦みも出ます。
夏の猛暑には弱いですが、関東の北部でも冬越しできるほどの耐寒性があります。
ルッコラの栄養・効能

ホウレン草の約2倍のビタミンCやほかのビタミン類、カルシウムや鉄分などのミネラル、βカロテンなどが含まれています。またワサビやカラシ、ダイコンの辛味成分であるアリルイソチオシアネートを含み、強い抗酸化力や殺菌力があります。
これらの成分が含まれていることから、メディカルハーブとして利用され、葉は消化不良や健胃、強壮などの薬効があることで知られています。そして、ビタミンCとβカロテン、アリルイソチオシアネートの抗酸化作用により美肌効果が期待できます。
ルッコラの利用方法

若く柔らかい葉はサラダに最適で、おひたしや油炒め、汁物の具など、用途は多彩。またイタリア料理には欠かせない野菜で、オリーブオイルやチーズなどと相性がよく、ピザやパスタ、サンドイッチなど、さまざまな料理に使われます。
クリーム色の花もエディブルフラワーとして利用でき、サラダの彩りになります。
タネを使ったお茶は、強壮薬としての効能が期待できます。お茶の淹れ方は、砕いたタネ5gをカップに入れ、熱湯を注いで10分蒸らしてから飲みます。
ルッコラのつぼみ菜

ルッコラは花やつぼみも食べることができます。またトウが立ち始めた頃の柔らかい先端部分の茎葉も食べられ、野菜売り場で「ルッコラのつぼみ菜」などとして売られていることがあります。火を通せばくせもなく、炒め物やパスタ、ピザ、スープの具材などさまざまに使うことができます。
ルッコラの栽培12カ月カレンダー
種まき・植え付け適期:3月中旬~6月、9月中旬~10月、
肥料:4~6月、9月中旬~11月中旬
ルッコラに適した環境や土壌・置き場所

日なた~半日陰の場所が適します。ただし夏に日なたで育てると、葉が硬くなります。鉢植えやプランターは明るい日陰に移動し、地植えでは遮光ネットを張るとよいでしょう。
腐葉土など、有機物の多い肥沃で水はけのよい土壌でよく育ちます。水がたまりやすい場所は避けてください。酸性土壌を嫌うので、石灰などで酸度調整します。またルッコラのほか、アブラナ科の野菜との連作は避けたほうがよいでしょう。
生育温度
生育温度の目安は15~25℃です。春と秋に生育が最も盛んになります。
冬越しの最低温度はマイナス10℃です。関東の多くの地域では、冬にビニールを張ってトンネル栽培すると、葉を収穫することができます。
ルッコラの種まき・苗の植え付け

ルッコラは種子がよく市販されています。種子は比較的大きくて扱いやすく、直まきで発芽しやすく育てやすいです。
ポット苗もよく流通しています。野菜苗というより、ハーブとして販売されていることが多いです。
種まきと苗の植え付けの適期
春の3月中旬~6月、秋の9月中旬~10月が適期です。生育の衰えがちな夏と冬は避けます。
発芽温度は15~20℃です。3月に種まきする場合、室内の暖かい場所などで管理するとよいでしょう。
地植えで育てる場合の準備
2~3週間前に、1㎡あたり苦土石灰100g、完熟堆肥1kg、有機配合肥料70gを施して耕し、土づくりをしておきます。
種まきの方法
畑では、条間15cmで播きます。プランターでは線2本を引き、条まきします。鉢植えは、全体にまんべんなく播きます。2~3mm覆土し、発芽まで乾かさないようにしてください。
発芽後、株間が6~8cmぐらいの間隔になるよう、混んだ部分から間引いていきます。間引いた芽は柔らかく、サラダなどに最適です。間引き後は株がグラつかないよう、株元に軽く土寄せするとよいでしょう。
苗の植え付け
地植えの場合、土づくりをした後に15cm間隔で苗を植えます。標準的な65cmのプランターでは、4~5株植えてください。鉢植えは2回り大きな鉢に植え替えます。根詰まりしたら、さらに1~2回り大きな鉢に植え替えてください。
用土
肥沃で水はけのよい用土が適します。さまざまな植物に使える一般的な培養土が手軽に利用できます。または赤玉土小粒7、腐葉土3の割合で混ぜた用土を使います。
ルッコラの育て方・日常の手入れ

水やり
地植えの場合、根付けばほぼ水やりしなくても育ちます。ただし乾燥させると葉の苦みが強くなり、風味は悪くなります。美味しい葉を収穫するには、土壌が乾いたら水やりしたほうがよいでしょう。ただし土壌が湿っているのに水やりすると、過湿で根腐れするので注意してください。
鉢植えやプランターは、用土の表面がしっかり乾いてから水やりします。
肥料
4~6月、9月中旬~11月中旬に肥料を与えます。チッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)の3要素がおおよそ等量の液体肥料などを1週間に1回、規定の倍率で与えてください。植え付け後は元肥が3~4週間効いているので、その後に追肥してください。
病害虫
春頃からアブラムシやアオムシが発生することがあります。不織布などをトンネル状にかけて栽培すると、予防できます。
ルッコラの収穫

春まきで30~40日後、秋まきで60日後くらいから収穫できます。株全体を抜かずに、下のほうの葉から適宜切り取れば長期間収穫できます。葉が10cmくらいの大きさになったら、ハサミなどで切ります。
春に花茎が伸びてきたら、早めに株元近くの位置で切ってください。柔らかい花茎は食べることができます。花を咲かせないようにすると、葉を収穫できる期間が長くなります。
ヘルシーなルッコラを育てて収穫しよう!

<ルッコラ栽培の成功のポイント>
- 日なた~半日陰で育てる
- 夏は強い直射日光を避ける
- 葉が硬くなり苦みが出るので、強光線や乾燥を避ける
- 肥料を十分与える
ルッコラは丈夫で生育が早く、初心者でも栽培しやすいのでおすすめです。プランターや鉢でもよく育ち、ベランダでも栽培できます。採れたての新鮮な葉を使えば、料理も格別な味になることでしょう。栄養豊富でヘルシーなのも魅力です。ぜひ庭や家庭菜園、ベランダでルッコラの栽培にチャレンジしてみてください!
Credit
文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -

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