猛暑に強い! タイタンビカス(アメリカフヨウの園芸品種)で叶える、豪華な夏花壇
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猛暑が続く日本の夏。多くの植物が元気をなくす中でも、ひときわ輝くのがアメリカフヨウ。特に人気の園芸品種がタイタンビカスです。ハイビスカスに似た豪華な大輪の花を次々と咲かせ、その強い耐暑性で夏の暑さにも負けず、鮮やかな花が旺盛に咲き続けます。丈夫で育てやすく、鉢植えで育つコンパクトサイズから巨大サイズまでバリエーションも豊富にあります。栽培のプロが、タイタンビカスを中心としたアメリカフヨウの魅力や育て方を詳しく解説します。
目次
アメリカフヨウの基本情報

植物名:アメリカフヨウ
学名:Hibiscus moscheutos
英名:Rose Mallow
和名:クサフヨウ(草芙蓉)
科名:アオイ科
属名:フヨウ属(ヒビスクス属、ハイビスカス属)
原産地:北アメリカ(カナダ、アメリカ、メキシコ)
形態:多年草(宿根草)
アメリカフヨウは、大きな花が夏を中心に長期間開花する宿根草です。以前は草丈1~2mにもなる大型の植物として知られていましたが、現在は鉢植えでも育てやすい草丈60cmほどの品種もよく流通しています。
近縁の種類と交配が可能で、モミジアオイ(H. coccineus)やソコベニアオイ(H. militaris)などとの交配種があり、そのような交配種も含めてアメリカフヨウと呼ばれています。
ハイビスカスに似た大きな花は存在感があり、花径30cmにも達する品種もあります。数ある園芸植物の草花類の中では最大レベルの大きさです。
以前はあまり多く栽培されることはなかったのですが、近年は園芸品種の「タイタンビカス」の普及により名前も知られるようになってきました。
アメリカフヨウの特徴・性質

園芸分類:草花
草丈:0.5~2.5m
開花時期:6~41月
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:白、ピンク、赤、複色
全国で栽培可能な宿根草です。原種の葉は主に卵形ですが、交配種のタイタンビカスの葉は3裂です。
4~5月に新芽が伸び出し、夏までに大きく育ちます。休眠期は12~翌年3月で地上部は枯れますが、暖地では茎などが生き残ることがあります。
朝に咲いた花は夕方までにしぼむ一日花で、初夏から秋まで断続的に長期間開花します。
花色は赤やピンク、白色などで、複色の品種もあります。また中心部が濃色になる品種が多く、白い花弁に中心が赤色のものもあります。
アメリカフヨウの品種
タイタンビカス Hibiscus Titanbicus Group

アメリカフヨウを代表する人気の品種で、モミジアオイとの交配によって日本で作られました。花付きが非常によく、200輪近くの鮮やかな花が夏の猛暑でも弱らず、旺盛に咲きます。
大きさは、3タイプ。鉢植えに適する草丈50~60cmのコンパクトタイプ、草丈80~100cmの手頃なタイプ、2m以上まで大きく育つタイプの中から、好みや用途に応じて選ぶことができます。
‘ルナ・ピンク・スワール’ Hibiscus moscheutos ‘Luna Pink Swirl’

花径15〜20cmで、種子で増やすF1品種です。矮性で草丈60cmほどの高さになり、よく分枝してコンパクトにまとまります。ルナシリーズは、他にレッド、ローズ、ホワイトがあり、類似した品種にディスコベルシリーズがあります。
アメリカフヨウの栽培12カ月カレンダー
開花時期:6~10月
植え付け:3~6月
植え替え:12~翌年3月
肥料:5~10月
アメリカフヨウに適した環境・置き場所

日当たりのよい場所が適します。最低でも、半日以上日光が当たる場所で育ててください。日照が不足すると花付きが悪くなり、病害虫も発生しやすくなります。
古い品種は湿り気のある場所を好みますが、タイタンビカスなど近年の品種は、比較的場所を選ばず生育します。
背が高くなる品種は、強風で茎が折れることがあります。吹きさらしのような場所は避け、植え付け時などには支柱を立てるようにします。ただし生育が早いので、ひもをきつく縛ると食い込むことがあるので注意してください。
生育温度
20~30℃の高温時に生育が最も盛んになります。暑さにも強く、夏に弱ることはありません。
冬越し
ほぼ全国で栽培可能です。ただし冬に土壌が強く凍結する地域では、腐葉土などを厚めにかぶせて防寒するとよいでしょう。
アメリカフヨウの育て方・日常の手入れ

水やり
鉢植えは、表土が乾いてから水やりするのが基本です。ただし初夏の頃に大きく育った株は非常に乾きやすいので、晴れた日は毎日水を与えるとよいでしょう。開花している株などは、朝夕2回の水やりが必要な場合も多いです。水切れしないよう、しっかりと与えてください。
地植えの場合は、水やりはほぼ必要ありません。鉢植えは夏の水やりが大変なので、地植えのほうが手軽に育てることができます。
肥料
肥料は5~10月に、3要素が等量の緩効性化成肥料か、骨粉入りの油かすなどを規定量与えてください。
病害虫
ハマキムシが発生します。薬剤が効きにくいので可能な限り捕殺するか、被害のある葉を摘み取ります。または葉の中の虫に薬剤がかかるように、たっぷりと散布します。
アブラムシが発生した場合は、薬剤散布が効果的です。
摘心
6月頃の生育初期に摘心すると、わき芽が伸びてきます。背丈は低くなりますが強風に強くなり、分枝が増えて花もたくさん咲きます。
アメリカフヨウの手入れと作業

植え付け
夏の7~9月以外は、いつでも植え付けることができます。直径・深さ各30cmほどの植え穴を掘り、植え土に化成肥料100gと堆肥などの有機物を3割程度混ぜて植え付けます。根元がやや隠れるくらい深植えにすると、株がよく根付きます。
植え替え
購入したポット苗は、すぐに2回りほど大きな鉢に植え替えます。夏頃までに10号鉢(直径30cm)以上の大きさの鉢に植え替えます。矮性の品種は8号鉢に植えてもよいでしょう。鉢が小さいと、夏に水切れしやすいので注意してください。
用土
肥沃で水はけのよい用土が適します。いろいろな植物に使える一般的な培養土か、赤玉土小粒7・腐葉土3の割合で混ぜた用土などがよいでしょう。
増やし方
アメリカフヨウは、挿し芽で増やすことができます。ただしタイタンビカスは、農林水産省品種登録制度における登録品種です。無断で増殖して販売・譲渡することは法律で禁止されているので注意してください。
また種子をとって増やすことはできますが、現在流通している品種のほとんどは、厳しい選抜を重ねて作られています。種子からの繁殖では親の形質を受け継がないので、多くは花が小さくなり、花色もぼやけたものになります。
アメリカフヨウの栽培ポイント

- 日なたで育てる
- 生育が早いので注意
- 花を多く咲かせるには、肥料を十分与える
- 大きく育つタイプは支柱を立てる
- 風当たりの強い場所は避ける
- アブラムシやハマキムシに注意
アメリカフヨウは、鮮やかな大きい花を毎年楽しめます。多くの植物が弱る夏にビビッドな花をたくさん咲かせる姿はひときわ美しく、小苗からぐんぐん大きく育つ様子は、ガーデニングの醍醐味を味わうことができます。まずは初心者でも育てやすいタイタンビカスを、庭やベランダに迎えてみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -

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