スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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クラフト

【花の保存法】押し花をラミネート加工して思い出を残そう!
透明なシートで草花や押し花を挟んでラミネート ラミネート加工は、主にカフェのメニューや会員書などをフィルムでコーティングすることで、水濡れなどから保護する目的で使われますが、押し花の保存にも活用できます。ラミネーターの機械は以前に比べて安価になり、大体2,500円から購入することができます。フィルムは、A4やハガキ、カードサイズなどさまざまにあるので、挟むものによって選びましょう。 庭で四つ葉のクローバーを発見! 本に挟んだままにしていたら、いつか薄い葉や細い茎が切れてしまいそう。そんな時は、ラミネート加工して保存しましょう。ラミネートして長方形にカットすれば、この世に1つのオリジナルのしおりの出来上がり! では、以下から作り方の基本をご紹介します。 押し花をラミネート加工する方法 大きな葉っぱや、すっと伸びた長い茎を保存する場合は、A4サイズのラミネートフィルムを使いましょう。小ぶりな葉っぱや花だけなら、コンパクトなハガキやカードサイズのフィルムを用意します。 2枚のフィルムが接着されている部分を上にして、植物をバランスよく置きます。フィルムからはみ出しそうな部分はカットしましょう。挟み込む植物は、なるべく薄いものが仕上がりがきれいです。ラミネーターの機種にもよりますが、推奨されている厚みは、フィルムを含んで0.4㎜以下です。また、水分が多い植物はあらかにめ押し花にして、乾いてから挟みましょう。 ラミネーターの準備が整ったら、2枚のフィルムが接着されている部分から挿入します。フィルムが機械の中に送り込まれ、温められ密着して排出されます。排出されたら、フィルムの凸凹を抑えるために本などの重しをしばらく載せておくと仕上がりがきれいです。コツをつかめば、やり方はとっても簡単! ラミネート加工した押し花のバリエーション 紅葉した葉っぱは、数年の間なら色が鮮やかに残ります。ラミネート加工することで変色が抑えられます。 小型の植物なら、根っこも一緒にラミネートしても可愛い標本になります。 アジサイや朝顔、紅葉、花びら単体も絵になります。ラミネート加工するために、植物を採取し、形よく押し花をつくるのも楽しい時間ですよ。また、ラミネート加工したカードを、季節に合わせて額に入れて飾るのも素敵ですね。 ラミネートした押し花は、草花の思い出コレクションに ラミネート加工したカードが集まると、まだ育てたことがない植物への興味が湧いたり、またこの花を咲かせてみたいなと、ガーデニングへの刺激にもなるので、ぜひチャレンジしてみてください。
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ガーデン

イングリッシュガーデン旅案内【英国】ヒドコート
ヒドコートの庭は、20世紀前半に、園芸家のローレンス・ジョンストンによってつくられました。ジョンストンはアメリカの裕福な資産家に生まれ、フランスや英ケンブリッジ大学で教育を受けた人物。その後、軍役で赴いた南アフリカの植物に強く惹かれ、園芸に興味を持つようになったと言われます。ジョンストンは30代半ばにヒドコートに移り住むと、独学によって庭づくりを始めます。そして、ガーデナー達と力を合わせて、屋敷の周りに広がる農地を次々と、独創的な美しい庭に変えていきました。20世紀、そして、現代の庭づくりに大きな影響を与えたと言われるこの庭は、現在は英国ナショナル・トラストによって管理されています。 コッツウォルド地方を巡るガーデンツアーでは、ヒドコートと、ここから歩いて10分程の距離にあるキフツゲイトの2つの庭を、よくセットにして訪れます。ヒドコートの主人ジョンストンと、キフツゲイトの女主人ヘザー・ミュアは、実際に花友だちだったそうで、一世紀近くが経った今も2つの庭が美しく保たれているのは、嬉しいことです。 さて、今回の訪問は、7月の中旬。バラが咲き始め、色とりどりの宿根草も丈高く伸び始める季節でした。ヒドコートの庭には、庭づくりのヒントがたくさん。細かいところにも注目しながら、庭を巡っていきましょう。 エントランスの建物を抜けると、緑の生け垣で仕切られたメイプルガーデンとホワイトガーデンから庭散策がスタートします。 緑の生け垣がつくる背景に、白のカンパニュラや優しい色のバラが引き立つホワイトガーデン。庭はきっちりと刈り込まれた生け垣によって、部屋のように仕切られています。生け垣や構造物を使って庭園を部屋のような小さめの空間に仕切り、それらの小さな「部屋」をつなげていくというスタイルは、ここヒドコートで生み出されました。 ホワイトガーデンの奥へ進むと、次にあるのはオールドガーデン。蜂蜜色のコッツウォルドストーンで建てられた屋敷を背景に、愛らしいピンクのバラや花穂を伸ばすジギタリス、紫花のゲラニウムが元気に茂っています。 特に支柱もなくナチュラルに茂って咲くパステルカラーの花々の競演に、目を奪われます。柔らかな日差しを受けて、花色がとても美しく見えます。写真にも花色がきれいに再現され、カメラの腕が上がったようで嬉しくなります。庭巡りには絶好のお天気です。 フーシャガーデンとベイジングプールガーデンをつなぐ階段は、鳥のトピアリーで飾られています。石造りの階段の手すりにはつる性植物が這わせてあるため、石材が庭になじんで見えます。 この階段を降りると、目の前に大きく丸い池が現れて、鏡のように周囲の緑を映し出します。 左は、複数の花色が混ざり合って美しい調和を見せる、群植のコーナー。右は対照的に、黄色いユリという単一の植物が、背景の緑の中に美しく引き立つ例です。 歩を進めるたびに出合う花々の美しい姿に、思わずため息が出ます。 日本では、大型のポピーのほとんどは栽培禁止になっているので、この美しい大きな花を愛でることができるのは、イギリスならではの貴重な機会です。ポピーに限らず、日本では流通していない草花もたくさん植えてあって、初めて見る植物を前に、これはいったい何の仲間だろうと、新たな興味が広がります。 小径や階段といった構造物のデザインも、英国ガーデンを観賞するポイントです。シンプルな緑の生け垣や植え込みなどで、周囲をすっきりとまとめている場所では、その分、構造物のデザインが凝っています。小径の丸いペイビングや、小口積みの階段の石など、オリジナリティがあって、庭づくりの参考になりますね。 ヒドコートの中でも、特に有名なレッドボーダー。サルビア、ダリア、バーベナといった赤い花々や、銅葉の植物を集めたこの庭は、盛夏に見頃を迎えます。7月はまだメンテナンス中で、残念ながら入ることはできませんでした。入り口付近には柵が設けられ、来園客の侵入を防ぐスタッフの姿もあります。パーフェクトな植栽を目指す、ガーデナーたちの強い想いが感じられました 高山植物が集められた、アルパイン・テラス。石垣で縁取られたひな壇状の花壇に、繊細な植物の数々がコレクションされています。このようなひな壇状の花壇だと、小型の植物が大きな植物に埋もれることがなく、また、近づいてその繊細な姿をよく鑑賞することもできます。用土には砂利が混ざっているようで、水はけがよさそうです。 ジョンストンが生きた時代、英国では、富裕層の支援を受けたプラントハンターが世界中に出向いて、珍しい植物を集めていました。ジョンストン自身も植物の蒐集に熱心で、資金を提供するほか、自らもスイス・アルプスや中国などに植物採集の旅に出かけています。彼の庭づくりの資料はほとんど残されていないのですが、この庭には、彼のその手で採集された高山植物が、そのまま残されているのかもしれません。 木々がつくる木陰の中を抜ける小径。足元には、ピンクやブルーのゲラニウムやアストランティアがふわふわと咲いています。道幅は狭いものの、草丈が低い花壇なので、ゆったり歩けます。この先はピラーガーデンです。 背の高い、いくつもの柱状のトピアリーがリズミカルな雰囲気をつくっているピラーガーデン。そのトピアリーの間を、フクシアやピオニーなどが明るい花色で彩ります。整然としたトピアリーと、ナチュラルで軽やかな植栽がよいコントラストを見せる、ジョンストンの独創性が感じられる庭です。 人がやっとすれ違うくらいの細い小径と、対照的な広々とした空間が交互に現れる、ヒドコートの庭。それぞれの空間で、植物の持つ色合いや形、質感が異なっていて、飽きることがありません。夢中になって歩いていると、今どこにいるのか、どれだけ時間が経ったかも忘れてしまいます。 キッチンガーデンにある小屋の中。ドライフラワーが天井から下がり、摘んだばかりの花々が活けられていました。黒板には、今年のカッティングガーデンの草花リストが書かれています。このような広い庭では、雨や太陽を避けられる小屋があると、作業がはかどりそうです。 キッチンガーデンでは、枝や竹を組んださまざまなタイプの支柱があり、害獣からの防除の工夫も見られました。 ヒドコートは、本当に広いガーデンです。すべてのコーナーをじっくり見るには1日かけることをオススメします。今回、1時間半と限られた時間での見学でしたが、一番印象に残ったエリアは、ハイドランジア・コーナーの奥でした。腰丈ほどまで葉を伸ばすシダの間に、アストランティアが混ざり咲くという、初めて目にする光景。木々の間を抜ける風でふわふわと葉が揺れ、鳥の声がしたその瞬間、心がほどけました。 ヒドコートは、ガーデンショップも充実。ナショナル・トラストのマークが入ったガーデングッズをはじめ、書籍やお菓子、ウェアなど、自分のため、花友だちのためのお買い物が楽しめます。 併せて読みたい ・イングリッシュガーデン旅案内【英国】ジーキル女史のデザインがよみがえった「マナーハウス、アプトン・グレイ村」 ・イングリッシュガーデン旅案内【英国】21世紀を代表するガーデンデザイン「ブロートン・グランジ」 ・イングリッシュガーデン旅案内【英国】王侯気分でアフタヌーンティーを! ハートウェル・ハウス
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ガーデン&ショップ

花好きさんの旅案内【フランス】モネの庭
モネの庭は、池を中心としたエリア〈水の庭園〉と、モネが晩年までを過ごした家の前に広がる、〈クロ・ノルマン〉と呼ばれる庭で構成されています。さあ、タイプが異なる2つの庭を散策してみましょう。 入園すると、まず右手の地下道をくぐって、水の庭園に向かいました。竹が生い茂る、少し狭い通路を抜けると、絵にも描かれた、太鼓橋のような日本風の橋と、大きなしだれ柳が水面に葉を垂らす姿が見えます。訪れたのは7月の中旬。朝方は小雨が降っていましたが、ときどき晴れ間がのぞく穏やかな天気に変わったことで、池の水面には空と雲が映り、植物もみずみずしく見えました。 モネがジヴェルニーの美しい田園風景に一目ぼれし、移り住んだのは、1883年、43歳の時でした。モネは画家ならではの色彩センスで、田舎家を愛すべき我が家へと変身させ、また、家族総出で前庭をつくり始めました。そして、その10年後には、道の向こうの土地を買い増し、近くを流れるエプト川から水を引いて、この水の庭園をつくり出したのでした。 池の周りをぐるりと巡る散策路を行くと、進むにつれ景色が変わっていきます。柳の葉が池を隠すかと思えば、次は開けた場所に出ます。足元付近には、ホタルブクロやアスチルベ、ニコチアナなど、小さくて鮮やかな赤、白、ピンクの素朴な植物が、緑の中で一際引き立っていました。 池には、睡蓮を手入れするために船に乗ったガーデナーの姿がありました。モネの作品に、たくさん描かれてきた睡蓮。この角度からは白花のほとんどが閉じていましたが、いっせいに花が開く頃の素晴らしさが容易に想像できました。 モネははじめ、ただ楽しみのために睡蓮を植え、手入れをしていました。しかし、ある日突然、啓示を受けたかのように睡蓮の池が持つ魅力に気づき、パレットを手にしたのだそうです。それ以降、モネはほぼ睡蓮だけを描き続けました。毎朝、池のほとりに数時間立って、池の上に広がる空や、流れる雲を眺めていたといいます。 モネが晩年に制作し、フランス国家に遺贈した『睡蓮』の作品は、彼の亡くなった翌年となる1927年に、友人で政治家のジョルジュ・クレマンソーの尽力によって、パリ、オランジュリー美術館で公開されました。当初、世間の反応は控えめなものでしたが、第二次世界大戦後に、パリにいたアメリカ人画家たちにより再評価されたことで、『睡蓮』は美術史に残る傑作となったのでした。 水の庭園では、モミジやツツジ、竹など、日本の雰囲気を醸し出す植物がたくさん育ち、竹を組んだ柵もありました。大木の幹を伝い上るように誘引されたバラも、迫力のある仕立てです。バラのガゼボの近くに、モネの自画像が撮られたのは、もしやここ? と思われる緑のベンチを発見! モネと同じポーズで座り、記念写真を撮りました。 水の庭園を一周した後は、モネの住まいの前に広がる庭、クロ・ノルマンに向かいます。園内の散策路は、どこもカラフルな花でいっぱいでした。 ジヴェルニーを心から愛したモネは、1926年に86歳で亡くなるまでの43年間、ここで庭づくりと創作を続けました。モネの亡き後、義理の娘で画家のブランシュが家と庭を維持しますが、彼女が亡くなると住む人もいなくなり、地所は荒れるがままになっていきました。 ジヴェルニーとモネの遺した数々の作品は、次男ミシェルによりフランス芸術アカデミーに遺贈されます。ジヴェルニーに関心が集まり、家と庭の修復作業が始まったのは、1977年のこと。その時、家は荒れ、クロ・ノルマンは雑草だらけの草地となり、水の庭園も泥の川と化して、橋も朽ち果てていました。また、モネが世話した当時の植物は何も残っておらず、庭の修復作業は難航を極めました。しかし、修復チームは彼が描いた何枚もの庭の絵や、アーカイブに残されていた植物の種の注文書などを読み解きながら、2つの庭を構築し、その3年後に一般公開にこぎ着けました。 現在の庭は、モネの庭の完全なる再現ではありません。しかし、資料の綿密な考証や科学的アプローチによって、モネの世界観は十分に再現されています。 クロ・ノルマンの中央には、家の正面へと抜ける、大きなアーチのかかった小径があります。小径は残念ながら入ることはできませんが、地際にナスタチウムが茂り、頭上にちらほら咲き始めたバラが絡む様子を見ることができます。夏の終わりになると、ここはナスタチウムの鮮やかなオレンジ色の花に溢れ、バラやコスモス、ダリアなどの、明るい花色と混じり合います。 もし、小径がたくさんの来訪者で混雑していたら、この景色をじっくり眺めるのを諦めてしまったかもしれませんね。 アーチのかかる中央の小径に並行する小径を歩きながら、立体的に花が咲く、個性的な庭デザインを楽しみました。ダリアやポピー、クレマチス、オダマキ……。黄色のエリア、紫花のエリア、ピンクのエリア、そして、花色が混じり合うエリアなど、モネの色彩がここにあふれていると感じました。 モネは、まるで色調の異なる絵を並べるように、整然と並ぶ四角い花壇を、花で埋めていきました。 モネの庭は、初期は簡素なものでしたが、次第に複雑な構成を持つようになります。モネは数カ月にわたって庭全体に色が満ちるように植栽を計画し、より複雑な色の調和を求めました。そのために、庭師頭を雇って、自らも園芸の知識を深めていきました。 フランスの作家、マルセル・プルーストは、ジヴェルニーの庭を考察して、「花よりもさらに色調や色を主体とした」「いわば、花の庭というよりも色の庭」と評しています。この庭は、モネの絵画に多く描かれていますが、単なる絵画の題材ではなく、彼の芸術作品の一つである。そのような解釈の下に、ジヴェルニーの庭は日々手入れされています。 さて、家の近くまでやってくると、建物の外壁の色に呼応した、ピンク色のスタンダード仕立てのバラが、平行して咲いています。株元には、赤とピンクのゼラニウムが鮮やかです。 家の中も見学できるので、行ってみましょう。 建物の中からも、モネの気分で庭を眺めてみましょう。部屋ごとに窓が必ずありますが、部屋の雰囲気に合わせたカーテンの違いにもご注目ください。美しい窓辺のつくり方の参考になります。 1階には壁一面にモネの作品(複製)が飾られている、彼の最初のアトリエがあります。この部屋は後に、友人や画商に絵を見せるためのサロンとして使われました。大きな窓から柔らかな光が差し込み、天井が高い素敵な空間です。部屋のレイアウトはモネの暮らしていた当時と同じで、花模様の布張りのソファやカウチも当時のままに再現されています。壁にかかる絵はどれも、彼が手放そうとしなかったもの。それらは、モネにとって大切な思い出でした。 青と白のタイルが貼られた近代的なキッチンのほか、友人や印象派の若手画家の手による作品が飾られたモネの寝室、鮮やかな黄色で統一されたダイニングなど、どの部屋も見学することができます。部屋ごとに異なるテーマカラーや、インテリアの変化など、見どころがいっぱいです。モネの優れた色彩感覚に、改めて驚きます。 また、1階のいたるところに飾られている浮世絵(複製)もお見逃しなく。日本の美術を愛したモネは、歌麿や北斎、広重など、浮世絵の巨匠による231点もの版画コレクションを持っていました。 庭では、ガーデナーが手入れする様子も見られました。世界中からたくさんの見学者が訪れるモネの庭。維持管理も大切な仕事です。多くの人にとって、人生で一度きりのジヴェルニー来園を印象深いものにしようと、ガーデナーは常にベストの状態を目指しています。 モネの庭を実際に訪れてから、また改めて作品を見たいと思いました。庭に接するようになった自分が、モネの作品にどんなことを思うのか。新しい楽しみができました。 出口にある建物は、ショップになっていて、傘やTシャツ、お菓子などが並んでいます。モネの作品集や絵葉書はもちろん、絵画をイメージした草花の種のセットなど、オリジナルグッズもありました。 じつは、この建物は、『睡蓮』のアトリエと呼ばれる、モネが『睡蓮』を描くためにつくった3番目のアトリエです。天窓から降り注ぐ柔らかな光の中で、キャンバスに向かうモネの姿を想像してみてくださいね。 参考文献: 『ジヴェルニーのモネ』アドリアン・ゲッツ著 Gourcuff Grandinigo出版 併せて読みたい 『松本路子の庭をめぐる物語 フランス・パリの隠れ家「パレ・ロワイヤル」』 『最も歴史あるバラのナーセリー「フランス・ギヨー社 GUILLOT」』 『世界のガーデンを探る旅6 フランス「ヴェルサイユ宮殿」前編』
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宿根草・多年草

秋から冬に咲かせたい豪華花、フォーチュンベゴニア
秋の植え替えシーズンに、ジャストタイミングで店頭に苗が並ぶフォーチュンベゴニア。長雨や台風などの雨に強く、低温、短日期にも花をつけやすい性質も魅力。また、12月頃までの長期間咲き続けるため、秋冬のガーデニング植物として注目されています。気温が下がるにしたがって、株の状態がよくなり、より鮮やかに大輪の花を咲かせるフォーチュンベゴニアをご紹介します。 大輪で色鮮やかな豪華な花を咲かせる球根ベゴニア。特に八重咲き品種の場合、八重咲きの雄花と一重の雌花があるため、一株で2種類の花を寄せ植えたような咲き姿が楽しめます。鮮やかな花色が豊富で、きれいに整った花形と、人目を引く華やかさが人気の球根ベゴニアですが、原産地は亜高山帯で、直射日光や低温・高温に弱く、温度管理が難しい植物とされてきました。これまでは、ガーデニングに慣れた人が温室で栽培しないと、うまく咲かせられなかったのですが、近年、屋外の栽培で簡単に綺麗に咲き続くよう改良されたのが、フォーチュンベゴニアです。 色の組み合わせも楽しめるフォーチュンベゴニアを、寄せ植えで花壇に取り入れて、秋冬のガーデニングをぜひ楽しみましょう! フォーチュンベゴニアの品種育成元:サカタのタネ Credit 取材&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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宿根草・多年草

10月に植えたい秋植え球根16選! 来春の庭を可愛く彩ろう!
春の庭をイメージして開花のバトンタッチが楽しめる球根をセレクトしよう! 春に咲く球根花にはたくさんの種類があります。早いものだと、2月頃から咲き始めます。どんな花があるか、開花の順を追って見ていきましょう。いろんな種類をあちこちに植えておけば、春に開花リレーが楽しめますよ。 2月中旬から開花する春の球根花 スノードロップ 「雪の雫」という名の通り、まだ周囲に雪が残る頃から咲き始めます。白のベル型の花には、八重咲き品種などもあります。草丈10〜25cm キバナセツブンソウ ケープを着たような花姿が愛らしい花です。彩りの少ない2月の庭で、日に向かって開く黄色の花がよく目立ちます。草丈10〜25cm 2月下旬から開花する春の球根花 チオノドクサ 花心が白に抜けるブルーの花は、一度球根を植えると植えっぱなしでも毎年繰り返し咲いてくれます。ピンクや白花もあります。草丈15cm前後 クロッカス ぷっくりとした花を咲かせます。紫や白、黄色など豊かな花色があります。品種によって開花期に2カ月ほどの幅があります。草丈10cm前後 ミニアイリス アヤメを小さくしたような造形が美しい花が咲きます。ブルーや紫、黄色、白、ピンクなど花色のバリエーションが豊富です。草丈10〜20cm プシュキニア 透明感のあるアイスブルーの小花を咲かせます。花びらにブルーのラインが入るのが特徴です。草丈10〜15cm スノーフレーク スノードロップによく似ていますが別の種類です。花びらの縁に淡いグリーンのドットが入る可愛い花です。草丈20〜40cm 3月上旬から開花する春の球根花 スイセン 何百という園芸品種がある春の代表的な球根花。早生種は1月頃から咲き始めます。香りのよいものも多数あります。草丈20〜50cm ムスカリ ブルーの小さなつぶつぶの花を咲かせます。とてもよい香りがします。紫色が代表的ですが、白やピンクなどもあります。草丈10〜25cm アネモネ・ブランダ 原種系のアネモネで白や紫の小さな花を咲かせます。切り花で人気が高い、大きな花のアネモネ・コロナリアは5月頃から咲き始めます。草丈15cm前後 シラー・シビリカ 星形の可愛らしい花にはブルーや白があります。植えっぱなしでよく増え、次第に群生して咲くようになります。草丈15cm前後 3月中旬から開花する春の球根花 チューリップ 春を代表する球根花で、何千種類という園芸品種があります。早生種は3月中旬から、晩成種は5月いっぱいまで咲きます。草丈15〜50cm ヒヤシンス クルンと反り返る花をたくさん咲かせます。ブルーやピンクに加え、オレンジや黒などの新品種も。甘い香りを振りまきます。草丈20〜30cm 4月上旬から開花する春の球根花 フリチラリア・メレアグリス 細い茎にランプのような花を咲かせます。花色には赤紫色の市松模様や白色があります。草丈25cm前後 イフェイオン ハナニラの別名でも知られます。星形の愛らしい花を咲かせます。自然の林床で自生している白花もあります。草丈10〜20cm ラナンキュラス 切り花でも人気のラナンキュラス。写真は地植えで丈夫に育つと注目を浴びているラックスシリーズです。草丈30〜40cm Illustaration/Lisla Photo/ 1)Sarycheva Olesia/ 2)prdyapim/ 3)Kennerth Kullman/ 4)mizy/ 5)StudioPortoSabbia/ 6)Vitalijus Satilovskis/ 7)Fede.F/ 8)skyfish/ 9)Flower_Garden/ 10)Neirfy/ 11)Tamara Kulikova/ 12)Gosza Wlodarczyk/ 14)Aleksey Stemmer/ 15)Keith Hider/ 16)Peter Turner Photography/ Shutterstock.com
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おすすめ植物(その他)

味と育てやすさで選ぶ おすすめのベリー類6選
No.6 ラズベリー バラ科キイチゴ属【1本で結実・花も楽しめる】 パティスリーのメニューにしばしば登場する‘フランボワーズ’です。野性味溢れる味、香りは世界中のパティシエたちの折り紙付き。繊細な果実とは裏腹に地下茎で増え、あらぬところからひょっこり生えてくる繁殖力旺盛な果樹なので、鉢植えのほうが管理が楽です。お隣さんとの境界線などに地植えにするのは避けたほうが無難です。酸味がかなり強めなので、生食よりも砂糖と煮詰めてジャムにするか、お菓子作りにオススメ。一気に全部が赤くはならないので、赤くなった順に摘んで冷凍保存しておき、ある程度たまったら使います。 No.5 ボイセンベリー バラ科キイチゴ属【1本で結実・花も楽しめる】 ラズベリーとブラックベリーの交雑種で、ベリーの中では大粒の果実です。つる性でよく枝を伸ばし、夏には枝がたわむほど黒い果実をたくさん実らせます。冬に枯れ込んだ枝を剪定する程度で、ほとんど手がかかりません。ラズベリーとは異なり地下茎では増えないため、生け垣などにも向いています。トゲもなく扱いやすいのもオススメポイント。生食でも食べられる甘さがあります。 No.4 ブルーベリー ツツジ科スノキ属【2本以上で結実・花も楽しめる】 完熟ブルーベリーは甘くて想像以上の美味しさ! お菓子作りではチーズとの相性が抜群です。ブルーベリーは他のベリー類と異なり、栽培に必須の条件が2つあります。1つは異品種を2本以上揃えること。1本では受粉、結実しにくく収穫が楽しめません。2つめの条件は、土を酸性にしてあげること。土にピートモスなどを混ぜ込んでブルーベリー専用に改良する必要があります。この2つの条件が整えば、枝が暴れることもなく、育てるのにそれほど苦労しません。春には小さな鈴のような白い花が、秋には真っ赤な紅葉も楽しめます。 No.3 ジューンベリー バラ科ザイフリボク属【1本で結実・花も楽しめる】 6月頃に実をつけることから、ジューンベリーの名で知られています。白い花、生で食べても甘い実、秋の紅葉と、楽しみの多い木です。ただし、この甘い実は鳥たちも大好物。ちょうど実が熟した頃にいろいろな鳥がやってきます。防鳥ネットをかけるという手もありますが、たくさん実るので、おすそ分けするというスタンスでいたほうが気が楽です。高木タイプは2階の窓やベランダから手が届く場所に植えると、収穫がいっそう楽しめます。大きな実がなる‘バレリーナ’も人気。スーパーなどでは購入できる機会が少ない果実。育ててこそ味わえる美味しさ! No.2 サワーチェリー バラ科サクラ属【1本で結実・花も楽しめる】 日本では生で食べる甘いサクランボがメジャーですが、こちらは調理用のサクランボ。生ではとても酸っぱいのですが、火を入れると素晴らしい香りを放ち、果肉まで赤く美しいため、お菓子作りに重宝する果実です。「佐藤錦」などに代表される甘いサクランボは、摘果や葉摘みといった作業が必要になるプロの領域ですが、サワーチェリーはそうした必要がなく、1本で結実するため庭で育てやすいのが魅力。酸が強いので病虫害の心配はあまりありませんが、鳥よけだけはしておいたほうがよいでしょう。サクラのような春の花も素敵です。 No.1 カラント類 スグリ科スグリ属【1本で結実】 フランス語ではカシス。レッドカラント、ブラックカラント、ホワイトカラントなどの種類があります。ツヤツヤの小粒の実が房状になっている様子は、まさに宝石。その姿がとても美しいので、ケーキやお菓子に房ごと使われることも少なくありません。生食よりもお菓子作りの材料として本領を発揮してくれます。地植えの場合はほとんど手をかけなくても大株に育ち、人間よりずっと長生きです。成長すると高さ、幅ともに150㎝くらいになります。栽培に難しいルールは一切なく、冬季に邪魔な枝を適宜カットする程度でOK。病虫害や鳥害の心配もありません。 Photo/ 1)Kozub Vasyl/ 2)Carol Mellema/Grezova Olga/ 3)N.Minton/alexkar08/ 4)Maria Dryfhout/Michele Paccione/ 5)Makoviychuk Ekaterina/Dudakova Elena/ 6)HaiGala/Przemyslaw Muszynski/ 7)Jurga Jot(右) /Shutterstock.com
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樹木

秋に美しい木の実「オータムベリーズ」の種類
Dog rose ドッグローズ ヨーロッパに自生する原種のバラで、学名ロサ・カニナ。花は淡いピンクか白色で、野バラを大きくしたような一重。秋にローズヒップ(ドッグローズベリー)と呼ばれる赤い実をたくさん実らせます。この実は古くからローズヒップティーとして飲用されてきました。ビタミンCが豊富に含まれており、美肌効果が期待され女性に人気。 ローズヒップティーのつくり方 収穫した実をよく洗います。 半分に切って中のタネと細かい毛を丁寧に取り除きます。 重ならないようにザルなどに広げ、直射日光の当たらない風通しのよい場所で1カ月自然乾燥させるか、低温のオーブンで様子を見ながら焦がさないように水分を抜きます。 お茶をいれる時は、乾燥したローズヒップを一人前でティースプーン1杯ほどポットに入れ、熱湯を注ぎます。3分ほど蒸らしてカップに注いでいただきます。お好みでハチミツを加えても。 Arrowwood ガマズミ スイカズラ科の落葉低木で、2〜4mほどの樹高なので庭でも育てやすいサイズです。5〜6月に白い花を咲かせた後、秋に赤い艶やかな実を枝先にたくさんつけます。霜が降りる頃になると実は熟して甘くなります。熟れた実は生でも食べられますが、ジャムや果実酒としても楽しめます。 Hawthorn サンザシ 中国原産の落葉低木で、秋の実は古くから漢方薬として利用されてきました。ヨーロッパではセイヨウサンザシが野原で大きく育っており、5月に咲く花はメイブロッサムという別名も。花は白とピンクがあり、バラ科なのでバラをごく小さくしたような可愛らしい花をたくさん咲かせます。マルセル・プルーストの小説ではピンクのサンザシが特別な存在として登場。 Rowan ナナカマド 寒さに強く、しばしば寒冷地の街路樹として利用されます。樹高5〜10mほどの高木で、初夏に咲くフワフワとした白い花もとてもきれいです。秋に赤い実をたわわにつけ、次第に葉も紅葉して艶やかさを増します。落葉した後も実はそのまま残り、彩りの少ない季節にいっそう美しさが際立ちます。冬になると野鳥たちが集まる姿も楽しいものです。 Black chokeberry アロニア セイヨウカマツカ、チョコレートノキなどの別名があります。北アメリカを原産とする落葉低木で樹高2m前後。庭木や大鉢でも育てやすいサイズです。春に白い小さな花を房状に咲かせた後、黒い果実を実らせます。秋に熟した実は収穫してジャムやジュース、果実酒などで楽しむことができます。生育が早く丈夫で育てやすい樹木です。 Photo/2,6,9,11,13)Mageon/ 3)Andrey Tau/ 4)Peter Hermes Furian/ 5)Lampas Azami/ 7)pticelov/ 8)Helena Zolotuhina/ 10)ElenaBukharina/ 12)petrovichlili/ 14)2Ban/ 15)Krzycho/ Shutterstock.com
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樹木

紅葉を楽しみたい4つの樹木。美しい紅葉が生まれる理由
紅葉の美しい樹木を活かす 四季のある日本だからこそ紅葉を楽しむ 秋になると紅葉をする植物を、もっと活かしましょう。日本は四季がはっきりとしているので、もともと美しく紅葉する植物がたくさんあります。短い期間ですが、ガーデンの秋らしい景色として、花の少ない時期にこの色彩はより楽しさを増すことになります。 紅葉はどのようにしてできる? 秋が深まり、夜と昼間の温度差が大きくなると、葉のつけ根に水分や養分が詰まり、離層ができます。すると、葉に合成された糖分がどんどん蓄積され、この糖分から赤い色素のアントシアンが新たに合成されていきます。そして緑色のクロロフィルは、どんどん分解されてしまいます。結果として、緑色の色素がなくなり、赤い色素が増えていきます。これが一般にモミジなどが色づく「紅葉」とよばれる現象です。 カラーリーフプランツの活用 カラーリーフプランツとは、一般に葉色の美しい植物をさします。欧米ではさらに、葉の形の面白さを楽しむ植物を含めフォリッジプランツと呼び、美しい花とともに組み合わせることが一般的になっています。晩秋より紅葉する植物も、ある意味カラーリーフプランツといえます。 赤・オレンジ色の紅葉が美しい樹木 黄色の紅葉が美しい樹木
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ガーデン&ショップ

花好きさんの旅案内【英国】ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・キュー
ロンドン郊外にあるキュー・ガーデンは、1759年にオーガスタ皇太子妃によって創設された、英国の王立植物園。植物コレクションの多様性においては世界一と言われ、また、植物と菌類に関する最高峰の学術機関として、世界をリードしています。2003年には、ユネスコの世界文化遺産の指定を受けました。 さて、広さ120万㎡、見どころは100を超えるという、広大な園内。一日ですべてを見て回るのは至難の業ですが、とにかく、歩き始めましょう。 地下鉄キュー・ガーデンズ駅からアクセスのよい、ヴィクトリア・ゲートから入場して、まずは、キュー・ガーデンを象徴するガラス温室、〈パーム・ハウス(Palm House)〉へ向かいます。温室前の芝生の広場には、無数のアリウムが列植された季節の花壇が。この花と温室のコンビネーションは、思わずカメラを向けてしまう、絵になる風景でした。 パーム・ハウスは、ヴィクトリア朝時代のプラントハンターが熱帯雨林から持ち帰った植物を育てる場として、1844年に建てられました。建造には当時の造船技術が応用されましたが、鉄製のフレームとガラスによって、こんなにも美しい曲線を描けることに感心します。屋外も汗ばむ初夏の陽気でしたが、温室内は熱帯雨林と同じ環境。入った瞬間から、むわっとした暖かい空気と、360度の熱帯の緑に囲まれました。 パーム・ハウスを出ると、南西側に、ブッシュローズとシュラブローズによるローズガーデンがあります。植物園らしく、それぞれのバラに品種名が書かれたプレートが添えられているので、好みのバラを探すのにもよい庭です。日本でオールドローズがブームになった頃によく耳にした、少し懐かしいオーソドックスな品種にも多々出合えました。 バラは、低く咲くものから、背丈以上に枝を伸ばして、重そうに花首を垂らして咲くものまで、品種ごとの樹形を生かしたナチュラルな仕立てになっていました。バラの茂みとパーム・ハウスの風景も、やっぱり絵になります。 この温室は、ヴィクトリア朝の園芸家を魅了した、アマゾン原産のオオオニバスを育てる目的で、1852年に建てられたというもの。珍しい植物を世界中から集めて栽培しようとする英国人の情熱には、本当に驚いてしまいます。 建物の中は、直径約10mの丸池でほとんど占められていて、池の周りをぐるりと一周しながら、水面に浮かぶスイレンの類や、ふわふわしたパピルス、吊るされたヒョウタンの類といった、熱帯植物を見ることができます。 池では今もオオオニバスが栽培されていますが、葉が大きすぎるため、現在は、それより小ぶりなサンタクルス・ウォーターリリーを多く育てているのだそうです。 道の両側に、ずっと先まで続いていく、ゆったりと幅の広い花壇です。全長320m、3万株の宿根草が植わる花壇は、英国最長のダブル・ハベーシャス・ボーダー(小径を挟んで対になってつくられる宿根草花壇のこと)。この道は元々、パーム・ハウスに至る散歩道でしたが、2016年の春に、現在のような形になりました。 リーガルリリーが今にも咲きそうにつぼみを膨らましていたかと思えば、アルケミラモリスが、まるで絨毯のように広がっています。そして、トリトマやバーバスカム、イヌラ・マグニフィカといった、オレンジや黄色の元気な色の花が、鮮やかに園路を彩ります。花壇に見とれて歩くうちに、あっという間に長い距離を進んでいました。 カモミールなど34種の植物からなるメドウに囲まれて建つのは、17万個のアルミ製パーツと1,000個のLED電球からなる「巣」を、ハチになった気分で体感するという、高さ17mのインスタレーション・アート。2015年ミラノ万博の英国館展示品として、アーティストのウォルフガング・バットレスによって作成されたものが、移築されました。 ハチの研究にインスピレーションを受けてデザインされたというこのアート作品は、人間が食べる食物の受粉を担っているハチの重要性を訴えかけるものです。キュー・ガーデンでは、ハチの食糧となるさまざまな植物を確保するなど、近年危惧されるハチの減少を食い止めようと、対策を試みています。 ロックガーデンは、1882年に、3,000株の高山植物の寄付を受けたことをきっかけにつくられました。ピレネー山脈の生息環境を模して、階段状に砂岩を組んだ花壇の中に、草丈30㎝もないような、小さな高山植物が植えられています。普段なら見落としてしまいそうな、小さな花の繊細な咲き姿が、ここではよく観察できます。綿のような花や針のような花など、これまで見たことのない植物にもたくさん出合えるコーナーです。 ロックガーデンを眺めながら歩くと、いつのまにか、鮮やかなバラに彩られた、ローズパーゴラの入り口に到着していました。長いパーゴラには、数多の花を咲かせるつるバラが何種類も絡んでいて、豪華な回廊を形作っています。 ここは、〈プラント・ファミリー・ベッド(Plant Family Beds)〉と呼ばれる一画。102に区分けされた花壇には、シソ科やナデシコ科というように、さまざまな植物が93の科に仲間分けされ、紹介されています。学術的な花壇ですが、ガーデンとしての見応えも十分の美しい場所です。 その昔、ここはキュー・パレスに住まうジョージ3世のために食物を育てた畑でしたが、現在は、BBCのテレビ番組のためにつくられた、新しいキッチンガーデンがあります。有名フレンチシェフのレイモンド・ブランが案内役となって、250種の野菜や果物を一年を通じて収穫しながら、料理や食の歴史を紹介する番組で、このキッチンガーデンはテレビを通じてとても人気があるのだとか。 小さな実をつけた、エスパリエ仕立てのリンゴやナシの仲間、これから支柱に絡まるであろう、まだ小さな苗のインゲン類、それから、花茎を立ち上げ始めたラベンダー。ハーブも野菜も、花も実も、一緒に楽しめるガーデンになっています。 支柱の先端には、作業中にかがんでも怪我をしないようにと、小さな植木鉢がかぶせてあります。そんなところからも、「本当に庭づくりを長年続けた国の植物園だなぁ」と、実感させられます。 〈プラント・ファミリー・ベッド〉の一角には、デザインの異なるハチの巣箱が3タイプ並んでいました。これは、マルハナバチやミツバチの巣箱。メドウに囲まれていて、近くに寄ることはできません。キュー・ガーデンでは、近年危惧されている、受粉を担うハチの減少を食い止めようと、ハチの好む植物を植えるなど、生育環境を整えています。ここで待っていれば、ころんとした可愛らしいマルハナバチを観察できるそうですよ。 あ、あの花、私が好きな花だ! あ、あんなところにバラが咲いている! なんて言いながら、次から次へと歩くうちに、広い広いガーデンの北の端近くまで来ていました。ヴィクトリア・ゲートを入ってから、あっという間に2時間。今回巡ったのは、植物園の北の方面ですが、まだ敷地の8分の1も見ていないかもしれません。 ゲートまで戻っていくと、パーム・ハウスの南側で、高さ3mほどの大木に絡まった、一重のつるバラが満開となって、驚きの花景色を見せていました。名札には「‘HIMALAYAN MUSK ROSE’ Rosa brunonii」とありました。 さて、これで庭巡りもおしまいです。 またの機会に恵まれたなら、庭の南側にある〈テンペレート・ハウス(Temperate House)〉にもぜひ訪れてみたいもの。パーム・ハウスの2倍の広さを持つ、ヴィクトリア朝に建てられた中で世界最大の温室です。温帯気候の植物が集められていて、その中には、希少種や絶滅危惧種もあるのだとか。現在修復中ですが、2018年に再びオープンの予定です。 もし、春の桜の頃に訪れる機会を得たら、テンペレート・ハウス近くのチェリー・ウォークを歩くのもオススメです。英国に暮らす日本人が故郷を思い出すという、サクラの素晴らしい景色が待っています。 〈ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・キュー〉 庭園情報 ロンドンの中心地から、公共交通機関を使って30分ほどという、旅行者には嬉しい立地にあります。最寄り駅、地下鉄ディストリクト・ラインのキュー・ガーデンズ駅(Kew Gardens)から植物園のヴィクトリア・ゲートまでは徒歩約6分。 12月24日、25日を除いて、毎日10:00に開園。 閉園時間は8月までは、月~木が18:30(最終入場18:00)、金~日、祝日は20:30(最終入場20:00)。9月は、月~木が18:30(最終入場18:00)、金~日、祝日は19:00(最終入場18:30)。 10月以降は、季節によって閉園時間が変わります。冬場はかなり早く閉園するので、詳しくはHPで要確認。入園料は£15.50(寄付込み)。*2017年現在の情報です。
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ライフスタイル

バジルのレシピと育て方&世界の料理「オープンサンドとガパオライス」
Menu.1 ペストと卵のオープンサンド ペストはイタリア、ジェノヴァで発祥したバジルを原料とする調味料で、起源は古く9世紀まで遡るといわれています。しばしば‘ペースト’や‘パスタ’と混同されますが、実は「ペスト」という固有の調味料名。さまざまな料理に使われますが、シンプルな食べ方がバジルの風味を味わうには最適です。 How to cook 材料:ペスト(バジルの葉、ニンニク2〜3片、松の実1/4カップ、パルメザンチーズ3/4カップ、塩小さじ1/4、オリーブオイル150cc *全ての分量は味を見ながらお好みで加減してください)、パン、卵 ペストの全ての材料をブレンダーで混ぜます。 卵を茹でます。半熟は7〜8分が目安。 パンにペストを塗り、半分に切った卵をのせて完成。 Menu.2 ガパオライス ガパオライスはタイの食卓の定番メニュー。ひき肉と夏野菜、バジルを炒め、目玉焼きをのせていただく、いわばタイ風炒飯。バジルがたくさん採れる夏に食べたいちょっとスパイシーな料理です。本場タイでは香りの強い‘ホーリーバジル’という品種を用いますが、日本で一般的に栽培されている‘スイートバジル’でも美味しくつくれます。 How to cook 材料(4人分):鶏ひき肉400g、バジルの葉20枚位、パプリカ1〜2個、ピーマン1〜2個、タマネギ1個、ニンニク1片、赤唐辛子3本、調味料(ナンプラー大さじ3、オイスターソース小さじ2、砂糖大さじ1、醤油小さじ2、鶏ガラスープの素小さじ1)、ご飯、卵4個、サラダオイル適量 タマネギ、ピーマン、パプリカを1㎝角位に切ります。赤唐辛子は小口切りに。ニンニクはみじん切りに。調味料は全て混ぜ合わせておきます。 フライパンにサラダオイルを敷き、赤唐辛子とニンニクを炒め、香りが出てきたら、ひき肉を加えて炒めます。 ひき肉におおよそ熱が入ったら野菜を加えてさらに炒め、調味料を入れてよく混ぜます。最後にバジルをちぎって入れたら火を止めます。 目玉焼きを作ります。 お皿にご飯、3のひき肉、目玉焼きの順番で盛りつけ完成。 How to grow バジル栽培にチャレンジ バジルはとても育てやすいハーブの一つ。葉を摘むことで枝が分かれ、そこから新しい葉が再び生えてくるため、夏から晩秋までたっぷり収穫を楽しむことができます。生葉はサラダやピザに。使いきれない分は、レシピで紹介した「ペスト」で保存できます。 調理で使われるバジルには主に、 ‘スイートバジル’と‘ホーリーバジル’の2種類があり、スイートのほうはサラダやペストなど生で食べられることが多いようです。一方、より香りが強く刺激的な‘ホーリーバジル’は魚や肉料理とともに熱を通して使われます。どちらもシソ科メボウキ属の植物ですが、このメボウキは「目箒」と書きます。実は日本に導入されたのは古く江戸時代。種子を水に浸けると水分を吸ってゼリー状になりますが、それで目を洗っていたことに由来しています。現代では「バジルシード」の名にピンとくる方も少なくないでしょう。美容やダイエット効果を期待できるスーパーフードとして女性に大人気です。バジルシードを収穫する場合には、夏以降の花穂を摘まずに残しておきます。しかし、花穂を残すと葉っぱは、それ以上茂らなくなるので、目的に合わせて作業しましょう。 Photo/ 1)sarsmis/2)NC_1/3)ranmaru/4)Kriang kan/ Shutterstock.com




















