スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
3and gardenの記事
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宿根草・多年草

夏の庭に個性をプラス! 花形が面白い宿根草「エキナセア」
色も形もさまざまなエキナセアたち イガグリのようなまん丸でトゲトゲとした大きな花心に、細い花びらを持つエキナセア。咲き始めは控えめなイガグリも、咲き進むにつれ盛り上がり、花びらは徐々に下を向いてきて、ロケットみたいなユニークな姿になります。6月中旬頃から咲き始め、暑い夏の盛りに元気よく庭を彩ってくれます。いくつかの種類があり、主に栽培されているのは和名でムラサキバレンギクと呼ばれるプルプレア種で、多くの園芸品種があります。草丈は品種により30〜80cm。 花心も花びらもピンク色でキッチュな印象のエキナセア・プルプレア‘ラズマタズ’。草丈80cm前後。 美しい緋色のエキナセア・プルプレア‘エキセントリック’。ポンポンのような花心に細い花びらが個性的。草丈60cm前後。 白から淡いグリーンのグラデーションが美しいエキナセア・プルプレア‘グリーン・ジュエル’。草丈50cm前後。 エキナセアと夏の草花の素敵なコンビネーション エキナセアは花の少なくなる夏に元気に咲いてくれるほか、寒さにも強く容易に冬を越して年々株が太ります。単体だけでもカラフルな色の塊をつくってくれますが、同じ時期に咲くさまざまな夏の花と合わせると、より面白い景色になります。例えば、上の写真はアプリコットカラーのエキナセアと同系色のアキレアの組み合わせ。アキレアのツブツブ状の群花の中から突き出すように咲く、エキナセアのフォルムがより際立って印象的です。 赤紫色のストライプが美しい大きな葉はカンナ。カンナも真夏に咲く宿根草で、エキナセアとの相性はバッチリ。黒っぽい葉がスクリーンのような役目を果たし、エキナセアの細い花びらを浮き立たせて見せてくれます。色合いもよく似合いますね。 白、オレンジ、ピンク、黄色。色とりどりのエキナセアを咲かせた賑やかな組み合わせも、ゴールドのふわふわのグラスの中から咲かせると、とってもおしゃれ。ふわふわのグラスはイネ科のスティパ・テヌイッシマ。ちょうどエキナセアと同じくらいの草丈になり、風になびく様子が涼しげで、夕日に輝くさまが美しい名脇役です。 モコモコとした素材感が共通点のエキナセア・プルプレア‘ミルクシェーキ’とアガスターシェ。アガスターシェはシソ科の宿根草で、暑さにとても強く初夏から晩秋まで咲き続けてくれます。エキナセアと他の植物を組み合わせる時は、エキナセアがユニークな花姿をしているので、フォルムの違いを意識して組み合わせるとうまくいきそうです。 育て方のコツ 春か秋に、日当たりの良い場所に元肥を施して花苗を定植します。鉢植えの場合は月1回くらいのペースで液肥を与えるとよいでしょう。花がらはこまめに切り取ります。花がらをつけたままにすると美観上もあまりよくありませんし、タネができると花が咲かなくなるので、長く花を楽しむためには大切な作業です。開花期間が一通り終わったら、株元からバッサリ切ります。 3年以上経ると株が太ってきて中心が蒸れることがあります。中心の葉が黄色くなるようであれば、株分けをしましょう。 日当たりがよく、水切れしなければ栽培にほとんど苦労しないとても丈夫な宿根草です。一度植えれば何年も楽しめるので、ぜひ夏の庭の彩りに取り入れてみてくださいね。
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観葉・インドアグリーン

ゴムの木って育てるの難しい? ゴムの木育て方入門!
ゴムの木とは ゴムの木は、クワ科フィカス属に分類される植物の総称です。 観葉植物として一般に「ゴムの木」と呼ばれるのは、インドゴムノキFicus elastica の園芸品種であるデコラゴムノキFicus elastica 'Decora'を指す場合が多いです。 観葉植物売り場に行くと「ベンジャミン」という樹木が売られていることがありますが、これもフィカスの一種Ficus benjaminaです。 ゴムの木と呼ばれるフィカス属は非常に多様な仲間で、世界中におよそ800もの種類が存在するといわれています。 果物として馴染みのあるイチジクもフィカス属で、ゴムの木の仲間です。 ゴムの木の特徴 日本では園芸植物として見られるゴムの木ですが、野生では熱帯地域の広範囲に分布しています。 現地では高さが約30mにまで成長し、幹から根が生える、「気根」をたくさん出します。 また、観葉植物としてのゴムの木にもさまざまな種類があり、定番となっている大葉タイプのデコラゴムノキのほか、葉が細長いショウナンゴムノキ、葉がくるくると丸まっている‘バロック’など、非常に多様な種類・品種が流通しています。 ゴムの木は名前の通り、天然ゴムの原料となる植物で、白い樹液からゴムが作られます。 ラテックスアレルギーを持っている方は、ゴムの木の樹液に触れるとアレルギー反応を起こす場合があるので、育てる際は取り扱いに注意が必要です。 ゴムの木から出る樹液の注意点 前項でもお話しした通り、ラテックスアレルギーのある方は、ゴムの木の樹液に対しアレルギー反応を起こす場合がありますが、取り扱いに注意すれば過剰に恐れる必要はありません。 ラテックスアレルギーのある方はもちろんですが、特にアレルギーのない方も、剪定や植え替えなどで植物が傷つき樹液に触れる可能性がある場合は、ビニール手袋などで手を保護してから作業するようにしましょう。 ゴムの木を育てる環境 ここまではゴムの木という植物そのものの基本情報をお伝えしました。 種類が多く魅力的なゴムの木ですが、ここからは育てる環境について詳しく解説します。 ゴムの木を育てる場所 ゴムの木は、日当たりのよい場所を好みます。 屋内で育てる場合は南側の窓辺など、日当たりのよい場所に置きましょう。 光の弱い場所にも適応できる耐陰性も持ちますが、本来は明るい場所を好む植物ですので、光の弱い屋内では徒長や根腐れを起こすこともあるので注意が必要です。 屋外で育てるときは、買ってきたばかりの株や長期間屋内で育てていたゴムの木をいきなり屋外に出すと、春や夏の強い日差しに負けて葉焼けを起こす場合があります。 いきなり直射日光に当てず、軒下の明るめの日陰などで日光に慣らしてから日なたに出すようにしましょう。 ゴムの木が育つ温度 ゴムの木は温暖な地域の植物です。 暖かい地域で霜にあたらないようであれば屋外で越冬することもできますが、観葉植物として育てる場合は、最低気温が10℃を下回るようになったら屋内に取り込むようにしましょう。 春頃になり、また暖かくなれば屋外で育てることもできます。 ゴムの木を育てる土 ゴムの木は、水はけのよい土を好む植物です。一般的に「観葉植物用の土」として販売されている土でも育てることができます。または、多肉植物用の土に腐葉土を少量混ぜ込んだものや、赤玉土と鹿沼土を混ぜたものでも育てられます。 水はけの悪い土に植えてしまうと根腐れの原因になるので、土はなるべく水はけのよいものにし、水やりの回数を調節することで株が乾燥しすぎないように管理しましょう。 用土に腐葉土などを入れると土壌環境がよくなりますが、キノコバエなどの虫の発生の原因になることがあります。 虫が気になるようであれば、赤玉土のみ、あるいは赤玉土と鹿沼土を同量混ぜたものなど、有機質を含まない用土で育てることもできます。こうした用土には肥料分がないので、定期的に肥料を与える必要があります。 ゴムの木を育てる時のポイント 前項ではゴムの木を育てる環境についてご紹介しました。ここからは、水やりや剪定などゴムの木を育てる時のポイントについて詳しく説明します。 水やり ゴムの木を育てるときに、水やりは重要なポイントです。夏の生長期には土の表面が乾燥したら水やりをします。反対に生長のスピードが遅くなる冬場には、水やりの頻度を減らします。 目安として、表面の土が乾燥してから2~3日経った頃に水やりを行います。屋外で水はけのよい土を使っている場合は、毎日水やりしても大丈夫です。 水やりをしすぎると根腐れの原因となるので、乾燥気味に育てましょう。 肥料 ゴムの木に肥料を与える際は、植え付け前の土に緩効性肥料を少量混ぜ込んでおくか、植えた後に緩効性肥料を施すにします。 また、夏の成長期には規定倍率に薄めた液体肥料を10日に1回ほどの頻度で水やりの代わりに与えるとよいでしょう。 しかし、肥料を与えすぎると株が細長く伸びてしまう「徒長(とちょう)」の原因となります。肥料はあくまでも、ゴムの木が自身の力で成長する時のサポートとして用いる程度にしましょう。 ゴムの木の植え付け ゴムの木の植え付けは、3~9月の暖かい時期に行うのがおすすめです。 真夏に植え付け・植え替えを行うと傷む原因となるので注意。夏に植え付け・植え替えを行う場合は、35℃以上の猛暑日は避けるようにしましょう。 植え付ける時にゴムの木の苗に根が出ていない場合は、根が張るまでは常に土が湿っているようにします。 植え替え 買ってきたばかりのゴムの木や、植え付けてから1~2年経ったゴムの木は、鉢の中で根詰まりを起こしている場合があります。 根詰まりを起こしていると根が水を吸えなくなり、根腐れにつながります。また、根が張りすぎていると土が乾きやすくなり、水切れで枯らす原因ともなります。 もともと植わっていた鉢にそのまま植え替える時は、根鉢を軽くくずして根を全体の2/3ほど切り、新しい土を加えて植え直します。 大きな鉢に植え替える場合は、鉢の直径を3cmほど大きくする程度にとどめます。 植え替え時に大きすぎる鉢に植え込んでしまうと、根が水を吸う量と土に含まれる水の量とのバランスが崩れ、土が常に湿っている状態になって根腐れを起こしてしまうからです。 剪定 ゴムの木が育ってきたら剪定をします。剪定は非常にシンプルで、切りたい部分を切るだけです。 枝の途中で切ってしまうと切り口が目立つので、枝のつけ根や分岐部で切ると自然な仕上がりになります。 切り口から出る樹液には直接触れないよう、ビニール手袋などで手を保護して作業しましょう。もし樹液に触れてしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。 剪定した切り口から樹液が出たままにしておくと、床を汚してしまうことがあります。 切り口には縦横3cm程度にちぎったティッシュペーパーをくっつけておくと、樹液がしたたり落ちるのを防ぐことができます。 剪定した枝は挿し木をして、新たな株を増やすことも可能です。 ゴムの木の夏越し・冬越し 夏の高温期は、日中に水やりをすると土の中が高温多湿になって根が傷むことがあります。 朝のうちに水やりをして、正午頃までにほどよく水が抜けるようにするか、夕方以降に水やりをするとよいでしょう。 また夏には活力剤を1,000倍に希釈して、水やりのときに2~3回に1度のペースで与えると、夏バテを防止できます。 寒くなったら、紅葉が始まる頃を目安に室内に取り込んで暖かい場所で育てるようにします。 育てている地域が暖地で霜に当たらなければ、屋外越冬も可能です。 基本の育て方を覚えよう! この記事では、ゴムの木の基本的な情報から詳しい育て方まで説明しました。ゴムの木を育てるには意外と細かい部分に気を配る必要がありますが、基本的な育て方に慣れてしまえば難しくはありません。観葉植物としても人気の高いゴムの木を、これを機に育ててみてはいかがでしょうか? Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1) Ashley-Belle Burns 2) Felix Hobruecker 4) Daimond Shutter 5) Zapylaieva Hanna 6) Anan_R 7) Alicja Graczyk 8) funnyangel 9) ilona.shorokhova 10) Tatiana Foxy 11)vladdon 12)Switlana Sonyashna 13) Anastasiia Lieonova 14) Supaleka_P 15) Tanya49 16)Ann Bulashenko /Shutterstock.com
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土作り

【保存版】赤玉土とは? 特徴や使い方、鹿沼土との違いまで徹底解説します
赤玉土について知ろう 赤玉土は、ガーデニングをする際に最もよく使われる土です。 その特徴を知っておきましょう。 赤玉土ってどんなもの? 赤玉土は、いわゆる「関東ローム層」と呼ばれる地層からとれる土のことです。 関東ローム層は関東平野一帯に見られる地層で、栃木県にある男体山から噴出した火山灰が長年降り積もってできたものです。やや赤みがかった色をしていることから、赤土とも呼ばれます。これを掘り出して乾燥させたり砕いたりして、粒状にしたのが赤玉土です。 地中に長年堆積していたため清潔で、病原菌の心配もほぼないことから使い勝手がよく、ガーデニングでよく利用されます。また、肥料分を含まないので、どのくらい肥料を効かせるかを自分でコントロールできるのもよいところです。 一般的に園芸用土は比重が0.4〜0.6程度が適正といわれますが、赤玉土の重さは約0.8なので、やや重い土といえます。 園芸用土は植物を支える役割もあり、あまりに軽い用土に植え付けると株が不安定になったり倒れやすくなりますが、逆に重すぎる土でも扱いにくくなってしまいます。赤玉土は比較的重い土なので、このあとで説明するように、腐葉土や植物性堆肥などの有機物を混ぜむと、バランスのよい培養土になります。 赤玉土のpHは5~6前後の弱酸性。植物の多くは弱酸性の土を好むため、赤玉土を基本用土にすると、いろいろな植物に使えて便利です。 肥料もちもよく、さまざまな環境の変化を緩やかにする働きもあるため、植物がよく育つ、扱いやすい土として利用されています。 赤玉土の成分 赤玉土の主な成分は、ケイ酸とアルミニウム、鉄です。 この中で問題になるのが、アルミニウムです。アルミニウムは肥料成分であるリン酸と結びつきやすく、リン酸肥料を赤土にまいても、植物が利用できるのは、そのうち20%程度になってしまうのです。 リン酸は肥料の三大要素の一つで、組織ができ始めるときのエネルギーの材料になるため、不足すると新しい根や芽、花や果実の発生、発達が悪くなってしまいます。 あとで詳しく説明しますが、植物性堆肥や家畜糞の堆肥、粘土鉱物などを混ぜ込むことで、アルミニウムに吸着されたリン酸を、植物が利用できるようになります。 例えば、植物性堆肥に含まれる腐植酸は、アルミや鉄とリン酸が結合するのを防いでくれます。また、ゼオライトや珪酸塩白土などの粘土鉱物は、リン酸と結びつくことで、植物が利用しやすいリン酸カルシウムの状態になります。 赤玉土の特徴・効果 赤玉土自体は肥料分をほとんど含みませんが、植物を育てる上で重要な性質をいくつか持っています。 ・通気性 粒状になっているため、用土の中に空間ができ、根の周りに空気が供給されやすくなります。 根は土の中で呼吸しているため、酸素が必要になります。あまり粘土質の強い土だと植物が育ちにくいのは、根が吸うことができる酸素がないためです。 赤玉土は粒になっており、根の周りに酸素を供給することができます。根が呼吸すると二酸化炭素が排出されますが、たっぷりと水やりをすることで根の周りの空気が入れ替わり、酸素を供給することができます。 赤玉土からはみじんと呼ばれる細かな土の粉が出て、これが粒の間に目詰まりを起こすことがあります。あらかじめ目の細かいふるいでみじんをふるい分けておくことで、より通気性、排水性をよくすることができます。 ・排水性 通気性同様、粒の間を水がさっと抜けるので、排水性がよいのも赤玉土のよいところです。赤玉土は、いわゆる「水はけのよい土」といえます。水はけがよいと根の周りに酸素が多く供給され、十分に呼吸できるので、根の張りがよくなります。 また、常に水浸しのままだと「根腐れ」を起こすことがあります。あらかじめ細かな土の粉をふるい分けておくことで、そうした弊害を避け、排水性をより高めることができます。 ・保水性 水はけがよいと同時に、適度に水気を保つことができるのも赤玉土のよいところ。水は赤玉土の粒の間をサッと抜けていきますが、一粒一粒は水を吸うため、根が乾ききってしまうのを防ぐことができます。 赤玉土を用土として使うときには腐葉土などを混ぜますが、腐葉土や堆肥などの有機質を加えると、さらに保水性が高まります。 乾燥に強い植物や、根の周りが湿りすぎているのを嫌う多肉植物などを育てる場合には、軽石や川砂など、保水性が低い用土を加えることで、水もちを調整することができます。 ・保肥性 保肥性とは肥料分を用土にとどめておく力のことで、この能力が高い土のことを「肥料もちがいい」といいます。 土の中の肥料分は、ほかの物質や用土にイオンの力でくっついています。赤玉土は肥料分を引き寄せる力が強いので、せっかく与えた肥料が水で流れにくく、土の中に保持されます。 こうした特徴のほか、赤玉土事態には肥料分がないため菌が少なく、病気が発生しにくいのもメリットです。このメリットを生かして、切り口から病原菌が入りやすい挿し木の用土としても使われます。 赤玉土と鹿沼土の違いを知ろう 鹿沼土も赤玉土(赤土)と同様、火山からの噴出物が堆積してできた土で、ガーデニングでよく使われます。いずれも清潔な無機質の土で、肥料分を含みません。園芸用土として販売されているものは粒状で、保水性と通気性がいいのも共通点です。 赤玉土はpH6程度の弱酸性で、多くの植物の栽培に適しています。また、保水性と排水性に特に優れているため、さまざまな植物を育てやすい性質を持っています。一方で比較的潰れやすく、潰れて粉状になると目詰まりを起こして、排水性や通気性が悪くなってしまいます。 しかし、使う前に粉状の土をふるい分けて取り除いたり、植物を植え付けたときにたっぷりと何度も水を与えて、みじんを流すことで、ある程度対処できます。また、高温で赤玉土を焼いて硬度を高めた硬質赤玉土、焼き赤玉土などを使えば、粉が出にくいでしょう。 鹿沼土は赤玉土よりもやや酸性で、pHは4〜5程度です。赤玉土同様、通気性と排水性に優れます。比較的粒が潰れにくいので、排水性が落ちにくいという特徴があります。また、水を含んだ時と乾いた時で色が変わるので、土の乾き具合を判別しやすいのもメリットです。 酸性の用土なので、ツツジやサツキ、ブルーベリーのような酸性土壌を好む植物の栽培や、メダカの飼育に向いています。逆に、ヨーロッパ原産のハーブ類など、あまり酸性土壌を好まない植物の栽培には向きません。 このように赤玉土は多くの植物が好む弱酸性で、鹿沼土は酸性の用土です。 そのため赤玉土のほうが使える植物の幅が広く、一般的なガーデニングでは利用頻度が高い用土です。鹿沼土は酸性の土壌を好む植物には、うってつけの用土といえます。 双方の欠点を補うために、混ぜて使うこともあります。 赤玉土の種類と選び方 赤玉土はホームセンターなどでは粒の大きさや硬さで分けられて販売されています。性質によって適した使い道があるので、それぞれの用途を覚えておくとよいでしょう。 粒の大きさ 赤玉土は、掘り上げた赤土を乾燥させた後に、粒の大きさごとにふるい分けたものが販売されています。 粒の大きさは1mm程度から2cm程度までさまざまですが、「大粒」「小粒」などの表示には明確な基準はなく、メーカーや販売者によって呼び名が違うこともあります。 赤玉土は粒が大きいほど水はけがよくなり、乾きやすくなります。逆に、粒が小さいと水もちがよくなります。 赤玉土は使っているうちにみじんとなって流れ出したり、砕けたりします。そのため植え替えの際に土をほぐし、粒の大きさごとにふるい分けたり、粉みじんを取り除く必要があります。 粒の大きさごとの大まかな特徴や用途は以下のようになります。 大粒 直径1cm以上の粒。 大粒のみを使うと粒の間の空間が大きくなり、水の滞留が少なく、根が乾きやすくなります。鉢底石の代わりに使うと、水はけをよくすることができます。庭であれば、庭土に混ぜ込んでもよいでしょう。 中粒 直径7mm〜1cm程度の粒。 最も利用範囲が広い大きさです。小さな鉢植えであれば、鉢底石の代わりに使うこともできます。適度に水もちのよい粒です。 小粒 直径5〜7mm程度の粒。 3〜5号程度の鉢で使いやすい大きさです。水やりをするとサッと水が抜けますが、粒の間に多少水が残りやすいので、水もちはよいです。 極小粒 直径2〜5mm程度の粒。 庭に使うにはやや小さすぎ、鉢植えでの利用に適した大きさです。水もちがよく、小粒と混ぜて使ってもよいでしょう。 細粒 直径2mm以下の粒。 水もちはよいですが、長く湿った状態になるのを嫌う植物には向きません。テラリウムの用土や3号以下の小さな鉢植えに向きます。また、芝の目土として使うこともできます。 粒の硬さ 一般的な赤玉土よりも少々値段は高くなりますが、「硬質赤玉土」などの商品名で売られているものがあります。 これは赤玉土を600℃から900℃の高温で焼き固め、硬度を高くした土のことです。 硬質赤玉土という名前のほか、焼き赤玉土、超硬質赤玉土、上質赤玉土などの商品名で売られていることもあります 焼き固められているため粒が潰れにくく、みじんも出にくいという特徴があります。赤玉土はみじんが出ることで目詰まりを起こし、排水性や通気性が悪くなることがありますが、硬質赤玉土はこうしたことが起きにくいというメリットがあります。 硬質赤玉土は鉢植えで利用した際にメリットが大きいといえます。盆栽や多肉植物のマニアに好まれる傾向がありますが、一般的な草花であっても使い勝手のよい用土です。 赤玉土の使い方 ここでは、赤玉土の基本的な使い方を用途別にご紹介します。 基本用土として 一般的な植物を栽培するための用土を作るときベースとして最もよく使われます。使用する赤玉土は小粒がおすすめですが、鉢が大きい場合、また根が太い植物に使う場合は中粒など、やや大きめの粒を使ってもよいでしょう。 最もシンプルな使用方法は赤玉土7:腐葉土3を混ぜ合わせること。 この用土に、緩効性の化成肥料や有機質肥料を適量混ぜ込んでおくと、多くの植物栽培に使える万能用土となります。赤玉土自体に肥料分は含まれていないので、用土を作る際に適宜肥料を加えたり、植えつけ後に固形肥料や液体肥料を追肥するようにしましょう。 多肉植物を育てるのであれば赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1などの配合がよいでしょう。 土の乾きが早すぎるようであれば赤玉土の割合を増やし、土がなかなか乾かないようであれば1割程度軽石を加えてもよいでしょう。多肉植物は株分けや葉挿しで増えやすいので、あらかじめ大きな容器に多肉植物用の培養土を作り置きしておくのもおすすめです。 鉢底石として 鉢に植物を植えるときには、水はけをよくするために鉢底に大粒の軽石などを入れることがありますが、これを鉢底石といいます。大粒の赤玉土を鉢底石にすると、植え替えの際により分けなくてよいというメリットがあります。 しかし、何年も植えっぱなしにしておくと、鉢土のみじんと鉢底石にした赤玉土が塊になって、鉢底穴を塞いでしまうことがあります。こうなると水はけが悪くなるので、早めに植え替えをする必要があります。 挿し芽・挿し木用の土として 植物を増やす方法として挿し芽や挿し木がありますが、普通の培養土だと挿し穂が枯れてしまい、うまくいかないことがあります。 これは、培養土に含まれている肥料分を餌にする雑菌が増え、挿し穂を傷めてしまうためです。 こうしたことを避けるには、挿し木や挿し芽をする際に、肥料分が入っていない土を使う必要があります。その点、赤玉土は肥料分を含んでいないので、挿し木・挿し芽に向いている用土だといえます。硬質赤玉土など、熱処理してあるものであれば、より清潔です。 ホームセンターなどでは挿し木用の土が売られていますが、少量しか挿し木しないのであれば持て余してしまいます。 赤玉土のストックがあれば、挿し木に使ってみてはどうでしょうか。 水もちのよい極小粒〜小粒がおすすめです。 金魚やメダカの飼育用として 一般的に赤玉土は園芸用の土として売られていますが、金魚やメダカの飼育にも使うことができます。弱酸性の赤玉土を使えば、水質もやや酸性に傾いて、緑色のフワフワした藻が発生しにくくなるメリットがあります。また、水も濁りにくくなります。 袋から出した赤玉土をそのまま使うとみじんが舞い上がってなかなか水が透明になりません。軽くふるってみじんを抜いたら、たっぷりの水をかけて土を洗ってから水槽に入れましょう。 赤玉土は底から2cm程度入れるのが適量ですが、水草を植える場合は5cm程度と、やや多めに入れます。 赤玉土を活用してガーデニングを楽しもう! この記事では、赤玉土の性質や活用方法についてご紹介してきましたが、赤玉土がガーデニングでどれだけ頼れる資材かお分かりいただけたでしょうか? 手に入りやすい赤玉土を使いこなして、毎日のガーデニングをさらに楽しんでください。 Photo/ 2) Ratthaphong Ekariyasap 5) Maria Sbytova 7) milart 8) GalapagosPhoto 9) optimarc 10) stephenkirsh 11)SutidaS 12)Evgenyrychko 13) Floki 14) yuri-ss 15) Alexander Raths /Shutterstock.com
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野菜

家庭菜園初心者におすすめ! 真っ赤でおいしくおしゃれな野菜「ビーツ」
ビーツとは ロシアの代表的料理の「ボルシチ」。食べたことはなくても、映画や小説に出てきてなんとなく知っている料理名ですね。そのボルシチを真っ赤に染める野菜がビーツです。ビーツは、ヒユ科フダンソウ属の根菜。カブ(蕪)のような形状をしていますが、アブラナ科であるカブとは別の種類。ほうれん草と同じ仲間なんです。ほうれん草の根も赤いですよね。砂糖の原料になるテンサイとも仲間で、ショ糖を含んでいるため、甘さはイチゴと同じくらい。 ビーツの原産地は、地中海沿岸から西アジア。ヨーロッパでは昔から健康によいことで知られ、中世には広く栽培されていました。日本にも18世紀に渡来しましたが、根菜類では大根やカブがメジャーだったため、これまでほとんど普及しませんでした。でも、育てるのは初心者でも簡単、プランターでもOKなんです。タネから育てて2〜3カ月で収穫できますよ。 ビーツの特徴的な赤色は、赤い色素「ベタシアニン」、黄色の色素「ベタキサンチン」によるもの。この色素「ベタシアニン」はポリフェノールの一種。強い抗酸化作用を持っています。人が活動することで発生する活性酸素を取り除き、老化を防ぐとともに、細胞がガン化するのを防いでくれます。ビーツは、「食べる輸血」「奇跡の野菜」と呼ばれるにふさわしい、アンチエイジングの旗手なのです! ビーツの栄養素とその効果 栄養素は、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄などのミネラル成分。 ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸などのビタミン群。食物繊維。植物色素ベタレイン。さらに近年注目されているNO(一酸化窒素)など。カロリーは100gあたり41kcal。 ビーツの栄養効果について、簡単にご紹介しましょう。 むくみや高血圧の予防 カリウムは血圧の調節や、細胞の代謝に関わる栄養素です。不足すると食欲不振や倦怠感、むくみを招く原因になります。ビーツに多く含まれるカリウムが補ってくれます。 骨形成とリラックス効果 ビーツに含まれるマグネシウムやカルシウムは歯や骨を丈夫にし、骨粗しょう症の予防にも効果的。神経興奮を抑制するリラックス効果もあります。 血流改善と冷え性・動脈硬化の予防 ビーツに豊富に含まれる硝酸塩は、体内でNO(一酸化窒素)に変換されます。NOは血管の筋肉を緩め、これによって血管が広がり血圧の降下に役立つのです。 血流の改善は、冷え性や動脈硬化の予防につながり、さらに認知症予防への効果も期待されています。 これらの働きの解明は1998年ノーベル医学生理学賞を受賞した、3人の博士によってなされました。 抗酸化作用によるガンの予防 前にも述べたように、ビーツの赤い色素「ベタシアニン」はポリフェノールの一種で強力な抗酸化作用を持つことで知られています。ガンの予防に効果が期待できます。 腸内環境を整える 食物繊維は腸内細菌のエサになるので、腸内フローラの働きが活発になります。便秘を解消し、お肌の調子を整えます。 以上のように、ビーツの栄養効果は非常に優秀であることが分かります。 ビーツ栽培の基本ポイント 栽培時期 ビーツの生育温度は15〜21℃。涼しい栽培環境を好みます。暑さに弱いので、春、秋に種を播いて育てます。 次に、寒冷地、中間地、暖地における種まき時期、収穫時期の目安を示します。 寒冷地 種まき 4月半ば/8月 収穫 7月〜8月半ば/ 10月〜11月半ば 中間地 種まき 3月半ば〜5月/8月半ば〜10月半ば 収穫 6〜7月/ 11〜12月 暖地 種まき 3月半ば〜5月半ば/9月〜10月半ば 収穫 5月半ば〜7月半ば/ 11月半ば〜1月半ば 品種 代表的な4つの品種をご紹介します。 デトロイトダークレッド ビーツの中でも強健で育てやすい品種。茎も根も鮮やかな紫紅色になり、料理の彩りに美しい。肉質も柔らかく、緻密で甘みが強く、ビーツの栽培が初めての方に最適です。 ゴルゴ 別名「渦巻きビーツ」とも呼ばれ、断面が赤と白の渦巻き模様。とてもおしゃれで可愛い。ビーツの中で最も甘く、「ビーツはちょっと‥‥」という方にもおすすめです。 ソーレ イタリア語で太陽を意味する‘ソーレ’。根も茎も葉まで濃赤紫で、インスタ映えすると人気上昇中。ゆでてサラダ料理が定番です。 ルナ ‘ルナ’は他の品種とは異なり、根の表皮がオレンジ色、断面が黄色の渦巻き模様。茎も黄色です。ビーツ特有の香りが少ないため、薄くスライスしてサラダの彩りにするのがおすすめです。 ビーツを育ててみましょう ビーツは日本ではまだ珍しい野菜なので、近くの園芸センターに苗やタネは置いてないかもしれません。そんな時は、ネットで注文しましょう。 ① 土作り 野菜栽培に一番大事なのが土作りです。植え付け2週間前にはよく耕し、苦土石灰をまいておきます。苦土石灰は土の酸性を中和します。ビーツは酸性を嫌うので必ずまきましょう。 1週間前には、牛フン堆肥、有機化成肥料をまいて耕します。 それぞれの量は1㎡あたり、牛フン堆肥200g、苦土石灰80g、有機化成肥料80gが目安です。 さらに黒マルチを張れば万全。雑草の抑制、保湿、地温上昇に効果的です。 ベランダなどの限られたスペースでビーツ栽培を思い立った方は、まずプランターを用意しましょう。幅30cm、高さ30cmほどのプランターで十分です。酸度が調整された野菜用の土が園芸センターで販売されていますので、それを用意してください。 ② 種まき タネは播く前に、一晩水につけておきます。ビーツの外皮は硬いので、発芽しやすくするためです。 種まきは、点まきをおすすめします。間引きの回数を減らすことができて省エネになります。 幅30cm、高さ20cmくらいの畝を作り、中央にタネのまき穴を作ります。ペットボトルの蓋で、15cm間隔にまき穴を作るといいでしょう。黒マルチを張っている場合は、スジ状にカットして切れ込みを入れ、まき穴を作ります。 まき穴に3〜4粒ずつタネを播きます。 最後に、土を1cmほど薄くかぶせて軽く押し、タネを土に圧着させます。そして、タネが流れないように静かにたっぷり水を与えます。 ③ 間引き 約2週間ほどで発芽します。この間、土を乾かさないように水をやってください。 発芽したら2回、間引き(生育の悪いものを取り除く作業)をします。 1回目は、本葉4〜5枚の時に、まき穴から発芽した元気な2本を残して、ほかは抜き取ります。 最後に15cm間隔に1本の苗を残します。その時、追肥として化成肥料を与えます。 間引きは、日当たりや風通しがよくなり、株の生育が促進されるメリットがあります。よく太ったビーツを収穫するために欠かせない作業です。 ④ 病害虫 ビーツは比較的病害虫に強いですが、ほうれん草と同じ仲間なので、ほうれん草に発生しやすいヨトウムシがつくことがあります。こまめに観察して、見つけ次第取り除いてください。 防虫ネットでトンネルにしておけば安心ですね。 ⑤ 収穫 種まきから2〜3カ月余り。スクスク育って草丈が30cm以上になり、土から出た根の直径が5cm以上になったら、いよいよ収穫! 1株おきに収穫すると、最後は12cmほどまで育った立派なビーツを手にすることができます。 さあ、いろいろな料理で楽しみましょう。 ビーツを使ったおすすめ簡単料理 簡単で、おいしく、見た目もおしゃれ。友人たちとのランチに出せば、盛り上がること間違いなしの料理を紹介します。 ① ホイル焼き アルミホイルに包んでオーブンで30〜40分焼くだけ。大きなビーツの場合は1時間ほどじっくり焼いてください。ホクホク甘い味と真っ赤な色が気分を盛り上げてくれます。 ② 生でサラダに 断面が渦巻き模様の‘ゴルゴ’や‘ルナ’は、サラダを可愛く彩ってくれます。なるべく薄く切り、5分ほど水に晒してアクをとってから使いましょう。独特の土くささが気になる方は、レモン汁をタップリ入れたソースをかけるといいですよ。 ③ ボルシチ ビーツ料理の定番、「ボルシチ」。マイナス30℃にもなるロシアの冬を乗り切るために欠かせない料理です。 まず、ビーツを丸ごと茹でます。皮をむくと色と栄養が流れ出てしまうので注意しましょう。 鍋に水を入れて沸騰させ、洗ったビーツを入れたら弱火にして10分以上茹でます。中まで柔らかくなったらOKです。 4人分の材料 ・牛スネ肉300g ・ニンジン1本 ・タマネギ1個 ・ビーツ(大)1個 ・トマト缶1/2 ・コンソメ2個 ・ベイリーフ1枚 ・サワークリーム大さじ4 <作り方> ニンジン、タマネギを適当な大きさに切り、牛スネ肉とともに炒めます。 牛スネ肉を圧力鍋に入れ、トマト缶、ベイリーフ、かぶるくらいの水を加えて15~20分ほど加圧します。 (スネ肉を短時間で柔らかくするため、圧力鍋を使用。もちろん時間をかけて、コトコト煮てもOK) ニンジン、タマネギ、適当に切ったビーツ、コンソメを入れて、さらに3分加圧します。 火を止め、圧力が抜けたら皿に盛り付けます。サワークリームをのせたら完成。 付記 ビーツの赤い色素は衣服に付くと落ちにくいので、調理の際に注意しましょう。切る時、まな板の上にクッキングシートを敷くと安心です。 ビーツ栽培に挑戦してみよう! 種まきから収穫まで2〜3カ月余り。小さな芽が出た時の喜び。間引きなどの世話をしつつ、ぐんぐん育っていく過程を楽しみましょう。真っ赤な茎と濃い緑の葉との対比も鮮やかです。 そして、収穫。いま手の中にあるのは「食べる輸血」といわれる血のように赤いドラマチックなビーツ。 さて、今晩はどんなビーツ料理を作りましょうか? 明日は、免疫力いっぱい! 元気モリモリで目覚めることでしょう。 ビーツ栽培の「A〜Z」をマスターした皆さん! ビーツ栽培に挑戦してみませんか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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一・二年草

ヒマワリはどんな花? 特徴や花言葉、育て方について
ヒマワリの特徴について ヒマワリはどんな花姿で、どんな特性を持っているのでしょうか。ここでは、花姿のバラエティーやおすすめの品種、花名の由来や花言葉、ヒマワリのライフサイクルなどについてご紹介します。 ヒマワリの見た目と特徴 ヒマワリはキク科ヒマワリ属の一年草で、原産地は北アメリカ。1茎に1花が咲き、草丈は2〜3mに達する姿が最もポピュラーです。近年は品種改良が進み、背丈がやや低めの中高性種やコンパクトにまとまる矮性種など、草丈が30〜150cmの品種も多く出回るようになりました。しかも1茎1花ではなく、よく分枝して小さめの花を多数咲かせる品種も多くなり、狭い庭や鉢栽培でも楽しめるヒマワリの人気が高まっています。 また、ヒマワリは黄色というイメージが強い花ですが、花色はオレンジ、赤、白、複色もあり、花心も黒のほかにグリーン、黄色などがあります。花弁が多数重なる八重咲きの品種もあり、こちらは豪華な咲き姿が魅力です。 ヒマワリの代表的な種類 ガーデニングで人気の高いヒマワリの品種は、「サンリッチ」シリーズです。バラエティー豊富で、種まきから45日(草丈80〜120cm)ほどで開花が始まる早咲き種のほか、50日(草丈90〜140cm)、55日(草丈100〜170cm)で咲くタイプがあり、それぞれ草丈が異なるので、スペースに合わせて選べるのもメリット。花色は黄色、オレンジ、複色、花心も黒、緑、オレンジがあります。花弁が多数重なる八重咲きを育ててみたいなら、‘サンキング’、‘オレンジサン’がおすすめ。庭に個性を演出したいなら、赤花の‘F1ルビー’、白花の‘ホワイトライト’をセレクトしてはいかがでしょうか。 ヒマワリのタネについて ヒマワリは、タネの収穫ができるのもメリットですね。1cmほどのタネが1輪から500個以上も採取できます。ヒマワリのタネを食用として収穫したいなら、‘ロシア’や‘タイタン’などの品種を選ぶとよいでしょう。ヒマワリのタネにはオレイン酸やリノール酸、葉酸、ビタミンEなどが含まれ、ナッツとしても利用できます。 ヒマワリの別名 ヒマワリは、漢字で「向日葵」と書きます。太陽の方向に向かって咲く花という意味です。他にも「日車(ひぐるま)」「日輪草(にちりんそう)」「天蓋草(てんがいそう)」「天蓋花(てんがいばな)」「天竺葵(てんじくあおい)」「日向葵(ひゅうがあおい)」「照日葵(しょうじつき)」「西蕃葵(さいばんき)」「羞天花(しゅうてんか)」などがあります。いずれも太陽が煌くような花姿や、光や天に向かって顔を上げて咲く姿などをイメージして名付けられたようです。英名では「サンフラワー」と呼ばれています。 ヒマワリの花言葉 ヒマワリの花言葉には「憧れ」「あなただけを見つめている」「愛慕」「熱愛」などがあります。いずれも光の差す方角や天に向いて咲く姿が由来となっているようです。 ヒマワリの開花時期と見頃 ヒマワリのライフサイクルは次の通りです。4〜6月頃にタネを播くと、1週間ほどで発芽。茎葉を広げて旺盛に生育し、開花期は7〜9月です。花が終わると枯死してしまうので、抜き取って処分しましょう。半年ほどで生命を終える、ライフサイクルの短い一年草です。 ヒマワリの育て方 ここまで、ヒマワリのプロフィールや特性、種類、ライフサイクルなどについて細かくご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、ヒマワリの育て方について詳しく解説していきます。 適した栽培環境 日当たり、風通しのよい場所を選びます。日当たりの悪い場所では花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意。水はけ、水もちのよい土壌を好むので、地植えする場合は植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。 土づくり 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。土づくりから植え付けまで時間をおくことで、分解が進んで土が熟成します。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 種まき ヒマワリはこぼれダネでも増えるほど強健な性質で、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。 ただし、ヒマワリの苗は初夏から花苗店に出回ります。手軽に始めたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、次項に進んでください。 ヒマワリの発芽適温は20〜25℃くらい。種まきの適期は、4〜6月頃です。ヒマワリは移植を嫌う性質があるので、育てたい場所に直まきするのがおすすめです。しかし、植える場所を決めていない場合は、黒ポットにタネを播いて育苗してもかまいません。 【直まき】 土づくりをしておいた場所に、周囲よりも少し高く土を盛って水はけのよい環境に整えます。ヒマワリの性質が高性種であれば30〜40cm、中高性種、矮性種であれば約20cmの間隔を取り、穴をあけて種を2〜3粒ずつ播きます。1cmほど土をかぶせ、手のひらで押さえましょう。はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流でたっぷりと水を与えます。 【ポットまき】 3号の黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れます。中央に穴をあけて種を2〜3粒ずつ播き、1cmほど土をかぶせましょう。最後にたっぷりと水を与え、日当たりのよい場所で管理します。発芽までは水を切らさないように注意しましょう。 間引き 【直まき・ポットまきともに】 タネまき後、1週間ほどすると発芽します。本葉が出始めた頃に、勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びて弱々しい苗や葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。 ポットまきの場合は、定植まで3週間ほど育苗します。 苗の植え付け 花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗をポットから出して根鉢を崩さずに植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、ヒマワリの性質が高性種であれば30〜40cm、中高性種や矮性種であれば約20cmの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 鉢の大きさは、草丈が高くなる高性種では7〜8号鉢、中高性種や矮性種では5〜7号鉢を準備しましょう。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ヒマワリの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出して根鉢を崩さずに植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。矮性種であれば、寄せ植えの素材として大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 摘心 【地植え・鉢植えともに】 1茎に1花が咲くタイプのヒマワリには、不要な作業です。 中高性種や矮性種の多花性タイプのヒマワリを育てる場合は、本葉が4枚ほどついた頃に、その上に出ている新葉2枚ほどをつけた茎の下で切り取る「摘心」を行います。するとわき芽が出て、姿よくまとまり、花数も多くなります。 支柱の設置 【地植え・鉢植えともに】 1茎に1花が咲くタイプの高性種のヒマワリを育てる場合は、強風による倒伏を防ぐために、早めに支柱を設置して茎を誘引しておきましょう。支柱は地中深く差し込んで、しっかり支えられるようにしておくことが大切です。 水やり 株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【地植え】 しっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになると、水を欲しがります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。 肥料 【地植え】 やせ地でもよく育つので、十分に土づくりをしてあれば不要です。開花期に株の勢いがない場合には、液肥を与えて様子を見るとよいでしょう。チッ素成分を多く含んだ肥料を施すと、茎葉ばかりが茂ってあまりよい花が咲かなくなるので、開花を促す成分配合の液肥を選ぶようにします。 【鉢植え】 2週間に1度を目安に、液肥を与えます。チッ素成分を多く含んだ肥料を施すと、茎葉ばかりが茂ってあまりよい花が咲かなくなるので、開花を促す成分配合の液肥を選ぶようにします。 花がら摘み 1茎に1花が咲くタイプの高性種のヒマワリで、タネを採取したい場合は、不要な作業です。 中高性種や矮性種の多花性タイプのヒマワリを育てる場合は、次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 切り戻し 1茎に1花が咲くタイプの高性種のヒマワリで、タネを採取したい場合は、不要な作業です。 中高性種や矮性種の多花性タイプのヒマワリを育てる場合は、ある程度花が咲き揃って株姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまで切り戻すとよいでしょう。再び茎葉を伸ばして盛り返し、開花も充実します。 病気や害虫など注意点 【病気】 ヒマワリの栽培ではそれほど病気の心配はありませんが、ベト病が発生することがあります。 ベト病は、長雨が続いて多湿の環境で発生しやすくなります。主に下葉から発症しやすく、淡い黄色の斑点から始まり、症状が進むと黄褐色の病斑が全体に広がります。庭植えの場合は多湿にならないように少し土を盛って高畝をつくり、植え付けるとよいでしょう。また、表土にバークチップなどのマルチングを施しておくと、降雨時の泥の跳ね返りによる土壌からの感染を防ぐことができます。病気の兆候が見られたら、早期に適応する殺菌剤を散布しておきましょう。 【害虫】 ヒマワリの栽培で注意したい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、乾燥が続くと発生しやすい小さな虫で、葉裏などについて吸汁します。大発生すると株が弱るので、葉の表や裏にシャワーを勢いよくかけましょう。小さな虫なので、水の勢いで押し流すことができます。 タネの採取 涼しくなって茎葉が黄色く枯れ込み始めてきた頃に、花を切り取って日当たりと風通しのよい場所に置いて乾燥させます。茶色くなって十分に乾いたら、揉みしだいてタネを取り出しましょう。保存袋などに入れて、翌年の種まき適期まで冷暗所で保存します。 家庭でヒマワリを育ててみよう ヒマワリは人気の高い花だけに品種改良が進んで、コンパクトにまとまる品種や、たくさんの花を次々と咲かせる品種、赤や白の花色、八重咲きの個性的な品種などが登場し、バラエティー豊かになっています。「どんな品種を植えようかな」と選ぶ楽しみがあるのもヒマワリの魅力です。わが家にぴったりの雰囲気のヒマワリを選んで、ぜひ育ててみてください。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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「中之条ガーデンズ」のバラが特別に美しい理由とは? 7つのローズガーデンで過ごす至福のとき
7つの表情を持つローズガーデン仕掛けも楽しく、新鮮な驚きが 四季折々に多くの花で彩られる「中之条ガーデンズ」。初夏と秋に絶対に見逃せないのが、ローズガーデンです。約400種、1,000株を超えるバラたちが、一斉に咲き揃う6月、息を呑むような美しい景色で迎えてくれます。 植栽を担当したのは「横浜イングリッシュガーデン」のスーパーバイザーも務めるバラの専門家、河合伸志さん。ローズガーデンは、7つのセクションに分かれ、エリアによって花色も趣向もガラリと変化、歩を進めるごとに新鮮な驚きがあります。 来園者がローズガーデンで最初に目にするのは、ピンクのバラと淡い色彩の小花で彩られたロマンチックな小道。カーブする園路を進むと、白、黄色、赤と花色が変わり、スタンダード仕立てのバラが滝のように枝垂れる流麗な姿は、圧倒される美しさです。 雨の日には、しっとり、生き生きと咲くバラに出合えます。 園路が石畳へと変わり、続いて現れるのは、バラのイメージを覆す“和”のガーデンです。壁面には深紅のバラと紫のクレマチス、足元は空間を生かしつつ黒い玉砂利を配置。大胆でシンプルな構成は“禅”の精神を表現。正面には、黒御影石の水鏡に、中央が四角く切り取られた真っ白な壁が。この壁を額縁に見立て、遠景に広がる庭園を一幅の絵として観賞する仕掛けで、思わず写真を撮りたくなるスポットです。 モダンジャパニーズ風のガーデン。水面の鏡にバラ咲く景色が映り込み、絵画のように美しい。 ロマンチックなデザインが楽しめるガーランドのコーナー。* 和の庭を抜けると、再びパステルカラーのバラで埋め尽くされたガーランドのコーナーです。奥の八角形のエリアは、監修の河合さんが「一番の見どころ」と言う絶景ポイント。サークルベンチに座ると、四方から芳しいバラの香りに包まれ、至福のひとときが味わえます。 次は、一転して鮮やかな青い壁面に黄色のバラが調和する、ポップな空間が登場。7つのローズガーデンの中でも色彩のインパクトが強い、キュートな庭です。ベンチのコーナーやパーゴラ、ドームにバラが咲き競う、カラフルな世界を楽しんだ後は、白バラが輝くホワイトガーデンへ。その先は、シックな花色のバラを集めた、アンティークカラーの庭が。周囲を赤紫色の常緑樹トキワマンサクと黒葉のコクリュウが縁取り、スタイリッシュな色彩の調和を楽しめます。 噴水を中央に、白いバラや草花で360度包まれるホワイトガーデン。 世界でも類を見ないラゼット(赤みを帯びた茶褐色)とモーヴ(赤紫色)のバラで表現されたノットガーデン。河合さんが手掛けた最新の庭デザインも注目です。 最後のエリアは、豊かな香りを持つバラを集めたローズガーデン。赤いバラを中心に、紫、濃いピンクから淡い色へと花色がグラデーションを描くように植栽され、さまざまな色と香りで満たされた、夢のような空間が待っています。カフェスタンドとガーデンチェアもあり、飲み物を片手にバラに囲まれて優雅に過ごしていると、時間が経つのを忘れてしまいます。 遠くに山を望み、香るバラが周囲を彩る特等席で、カフェタイム。 標高480mという冷涼な気候が色濃く、香り高いバラを育てる * このように、次々と変化する庭の組み合わせは、中之条ガーデンズ全体のランドスケープを担当した空間デザイナーの吉谷博光さんと河合さんが考案。あえて入り口から全体を見渡せないようにしたことで「次はどんな景色が待ってるかな?」と、ワクワクしながら園路を進むことができます。まるで、美しい絵本を1ページずつめくるような期待感とともに、散策が楽しめるのです。また、アーチやフェンスなどバラと合わせる構造物は、すべて吉谷さんのオリジナルデザインというこだわりも。こうして、「美味しい料理(バラ)は美しい器に美しく盛りつける」という河合さんの信条通り、「中之条ガーデンズ」は、唯一無二の“バラの楽園”となっています。 実は、「中之条ガーデンズ」のバラの美しさには、もう一つ秘密があります。それは、標高480mという立地。平地よりも冷涼な気候のため、花色が濃く鮮やかで、香りも豊かになるのです。また、春バラの開花時期もやや遅め。平地での最盛期が終わった6月あたりから見頃を迎えるため、「一番美しいバラを見逃してしまった」という場合でも、まだ間に合うのも嬉しいポイント。 ローズガーデンからナチュラルガーデンとスパイラルガーデンを望む。 「中之条ガーデンズ」の見どころは、バラだけではありません。英国園芸研究家でガーデンデザイナーの吉谷桂子さんが植栽を担当した「スパイラルガーデン」と「ナチュラルガーデン」、樹木医の塚本こなみさんが手がけた大藤棚のほか、陶芸や草木染めの体験施設、地域の特産品がそろうショップも充実。植物を見るだけでなく、実際に触れたり体を動かしたりと、五感をフルに活かしてアクティブに楽しむことができます。 花咲く最盛期とともに、枯れゆく姿もその植物の表情として見せる。そんな新しい見方を提案するナチュラリスティックガーデン。 園のある中之条町には、四万温泉や沢渡温泉があり、同じ群馬県内の伊香保温泉までは車で30分程度。日中は広い庭園をゆったり散策して、夜は温泉でのんびり…なんていう計画もおすすめ。そんな贅沢な時間の過ごし方が似合うのが「中之条ガーデンズ」です。楽園気分を味わえる新名所「中之条ガーデンズ」へ、足を運んでみませんか? こちらも併せてお読みください。●『「中之条ガーデンズ」の魅力、苦労話、メンテまでバラの専門家・河合伸志さんにインタビュー!』 ●『7つの景色が楽しめる新ローズガーデン誕生!「中之条ガーデンズ」に行ってみよう!』 Information 中之条ガーデンズ(旧花の駅美野原)所在地:群馬県吾妻郡中之条町大字折田2411TEL:0279-75-7111https://nakanojo-g.jp/アクセス:関越自動車道渋川・伊香保I.C.下車、約50分。国道17・353号線経由で「中之条ガーデンズ」または、上野駅から「特急 草津号」で約2時間、中之条駅下車。タクシーで約20分。見頃の開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)休園日:年末年始(園内メンテナンスのため不定期休園はこちらでご確認ください)料金:■一般/大人(高校生以上)300〜1,000円、小・中学生200〜500円、小・中学生未満 無料*入園料は「花の見ごろ」に合わせた変動制です。団体の方、障害者手帳をお持ちの方は割引があります。詳しくはこちら駐車場:乗用車300台、大型バス10台(無料) 取材協力/中之条ガーデンズ 写真(*)/今井秀治
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ガーデンデザイン

メドウ風ガーデンづくりの秘密と風に揺れるおすすめ草花17選
今年の庭のテーマは「メドウ」 クリニックの庭は、訪れる患者さんを飽きさせないようにと、毎年テーマを変えて庭づくりをしています。今年のテーマは「メドウ」。メドウとは自然の野原のことです。もちろん、庭は全くの自然ではないので、人が植栽によって「野原風」の風景を作り出すわけですが、メドウガーデンは最もハイテクニックな造園の一つとされています。安酸さんに「メドウ風にしたい」と言うと、「うーん…」と首をかしげながらも、花のセレクトや苗の養生の仕方を「メドウ仕様」にするなど、いろいろと知恵を絞ってくれました。 メドウ風ガーデンのポイントは「混ざり合って咲く花々」と「風に揺れる草花」。株が横に広がって大きな一塊になる草花ではなく、線の細いさまざまな草花がそこかしこで立ち上がり、それらが入り混じって咲くような構成です。どれか一つの植物だけが際立って目立つのではなく、いくつもの植物が織りなすハーモニーがメドウ風ガーデンのポイントです。さて、どんな植物たちがメドウ風ガーデンで活躍してくれたのか、ご紹介しますね。 サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’(宿根草)/草丈約60cm 濃い青紫色で直線的なフォルムの花が庭に引き締まった印象を与えてくれます。3年前に植えた当初はそれほど印象に残る花ではありませんでしたが、株の成長に伴い魅力を発揮してくれるようになりました。ふわふわチラチラと咲く花ばかりだと、庭が散らかったように見えてしまうことがありますが、カラドンナを要所要所に配置すると、適度に整った感じが出ます。 線が細く風に揺れて咲いてくれるにもかかわらず、デルフィニウムなど同様の形状の草花と異なり、カラドンナは自立してくれるので、支柱を立てる必要がないのは、私としてはとてもありがたいところです。花期も長く、5月初旬から色づき始め、いったん切り戻すとまた花穂が上がってきて、夏の庭に涼しげな彩りを提供してくれます。 また、花茎の間も適度に空いているので、他の花が入り混じって咲くことができます。間に咲いているのは、宿根リナリアの‘アプリコットチャーム’。淡いクリーム色とピンクパープルの可愛い花です。 こちらは白花のサルビア・ネモローサ‘スノーヒル’。 バーバスカム‘サザンチャーム’(宿根草)/草丈約60cm カラドンナに入り混じって咲かせているもう一つの花が、このバーバスカム‘サザンチャーム’です。5弁の丸い梅のような花が下から徐々に咲き上がってくるのですが、プチプチとした丸いつぼみの様子も愛らしく、花色は淡いアプリコットカラーで、花心とつぼみが紫色。紫色のカラドンナと好相性です。このように、2つの花の中に何か共通点を見つけるという方法は、組み合わせを考えるときにとても有効です。 このバーバスカムは私の庭では、咲き進むにつれクネっと曲がってしまうので、支柱を立てています。今年は特に梅雨入りが早く、花の最盛期に打ちつけるような激しい雨が降ったので、支柱を必要とする花々は特に心配でした。もしかしたら、もっと涼しく乾燥した地域のお庭では支柱は必要ないかもしれません。 リシマキア・アトロプルプレア‘ボジョレー’(宿根草)/草丈約40〜50cm これも前述のように、「赤紫」という共通点のある2つの花の組み合わせです。シュルシュルと細長い花がリシマキアで、クリーム色で花心が赤紫色に染まる花はフロックス‘チェリーキャラメル’です。 リシマキア・アトロプルプレア‘ボジョレー’は、ご覧のように細長いフォルムですが、こちらは自立して咲いてくれるので支柱がいりません。赤ワインのようなシックな色合いがとても魅力的な花です。 面白いことに、植えた時期で花の形状が少し異なります。上の写真はどちらもリシマキア・アトロプルプレア‘ボジョレー’ですが、左は昨年の秋に苗を植えたものです。花が上のほうへキュッと詰まって咲いています。右は今年の春に植えたもので、下から上まで長く花がついています。草丈はどちらも同じくらい。庭づくりをしていると、こんなふうに思わぬ発見があり、とても楽しいです。 リナリア・プルプレア(宿根草)/草丈約80cm 宿根性のリナリアで、何年も10cm程度のわずかな隙間から毎年咲いてくれる丈夫な花です。細い茎に紫色の小さな花をたくさん咲かせます。風に揺れても折れたり曲がったりすることもなく、本当に手間がかかりません。 ピンクのバラともとても好相性。バラはつる性の‘モーティマー・サックラー’です。 サルピグロッシス‘キューブルー’(一年草)/草丈約60cm 5月はたくさんのバラが庭を彩ります。私はバラはピンク色が好みなので、草花はバラにはないブルーや紫を選ぶことが多いです。サルピグロッシス‘キューブルー’は思わず見入ってしまうような深い紫色です。 ベルベットのような質感の花弁は、やや雨に弱いようで、激しい雨に打たれると穴があいてしまいます。それでも残って咲いてくれた一輪ですが、存在感抜群。もうちょっと穏やかに降ってくれたらいいのになぁと思う今年の梅雨です。 デルフィニウム(宿根草) デルフィニウムも「青色」を代表する宿根草で、花弁にはデルフィニジンという青い色素のもとが含まれています。さまざまな品種があり、花色も青、パープル以外にもピンクや白色などがあります。草丈も2mはある大型種から、近年は膝丈以下のコンパクトなタイプも出てきています。今年の庭づくりでは他の草花との調和を考え、あまり草丈が高くなりすぎない60〜100cm程度の品種を植えています。 こちらは、ほんのりピンクがかった紫色のデルフィニウム。デルフィニウムはこの庭では支柱が欠かせません。ガーデナーの安酸さんは、あくまで支柱が目立たぬようにといつも言います。ですから、生育に合わせて何度も長さの違う支柱に立て替えてやらないといけないので、なかなか苦労しますが、音符のようなつぼみがだんだん開いていく様子の可愛らしさには勝てず、毎年常連の花です。 カンパニュラ ‘涼姫’(一年草)/草丈60〜80cm 星のような淡いブルーの花が穂状に咲きます。花と花の間に適度な隙間があくように咲き、名前のごとく涼しげで可愛らしい可憐な花です。 メドウガーデンの特別な苗づくり 今回のメドウガーデンでは、本来は株が横に張って大きくなる草花も、秋から春まであえてポット苗のまま管理し、ヒョロヒョロとした姿に仕上げました。アグロステンマやヤグルマギク、ギリア・レプタンサといった一年草は、いつもなら晩秋から冬にかけて植え付けます。そうすると5月には立派な大株になり、庭を見事に彩ってくれます。特に、この庭はバラもたくさん植えられており、肥料もたっぷり使っているので生育旺盛な草花は、予想以上に大型になることがあるのです。ただし今回は、1株がそれぞれ大株になると「入り混じって咲く」というメドウの様子が再現できないので、ポットのままで晩秋から春先まで育て、あえて太らせないように管理しました。そして、4月半ば以降になってから庭に植え付けることで、細い株姿の草花同士が入り混じり、メドウのような雰囲気を演出しました。 4月半ばに植え付けたアグロステンマとヤグルマギク(白い背の高い花)。ヒョロッとした姿ですが、本来はもっと株が張る一年草です。 ところで、海外からの種子で「メドウミックス」というものがありますが、そこにもヤグルマギクなどの種子が入っています。ただし、これを限られた庭空間で播いてみても、なかなかメドウのような雰囲気にはならないのです。それは、草花同士が空間を競い合い、強いものが大株になって残るという生存競争があるからです。本当のメドウのような、見渡す限りの広い空間があれば叶うかもしれませんが、限られた庭では、ただ「メドウミックス」を播いたからといって、メドウを再現するのは、なかなか難しいことなのです。 メドウの雰囲気に憧れていた私は、野原に咲いているような素朴な花々を植えればメドウガーデンができると簡単に考えていましたが、それは大きな間違いでした。ガーデナーの安酸さんから「このポット苗を大切に春まで育ててくださいね」とたくさんのポット苗を昨秋渡されたときは、その意味がさっぱり分かりませんでした。「なんで植えたらいけんの?」と聞いても「まあ、春になったら分かりますがん。メドウができるかどうかは、面谷さんの管理にかかっとうですよ」と言われ、不思議に思いながら、たくさんのポット苗の管理を始めたのですが、それが本当に一苦労。まるで盆栽を育てているのと同じような状態で、数カ月間、3〜4号ポットの苗たちを根腐れさせたり、水切れしたりしないように慎重に水やりをするのはとても神経を使いました。本来は、園芸店から苗を買ってきたらすぐに植え付けるというのがセオリーです。ビニールポットのまま窮屈そうに生育している苗を見ていると、かわいそうで植えたくなってしまうもの。「ねえ、まだ植えたらいけん?」「まだです」というやりとりを何度繰り返したか分かりませんが、我慢に我慢を重ねたのは草花たちのほうですよね。 普段のガーデニングでも、株分けをしたり切り戻しをしたり、植物の生育をコントロールすることはありますが、このメドウ作りでは、植物たちの生存競争をコントロールすることがいかに難しいかを思い知らされました。そして、自然のメドウがどのようにして作られるのか、草花や、そこに訪れる虫や鳥や動物たち、風、光、雨という自然の絶え間ない営みの末にあの風景ができるのだと思うと、自然の素晴らしさや偉大さに改めて気づきました。 患者さんを飽きさせないようにと毎年、こんな風にテーマを変えて庭づくりをしていると、私自身たくさんのチャレンジができ、気づきもたくさんあるのです。 アグロステンマ(一年草)/草丈60〜90cm 白い五弁の花がアグロステンマです。ムギナデシコという素朴な名前もあり、麦の穂が揺れるがごとく、ゆったり揺れます。強い雨風に当たると倒れることがあるので、支柱が必要です。ピンクの花はハイブリッドジギタリス。入り混じって咲く姿がとても可愛らしいです。 アリウム(球根) 庭には何種類かのアリウムを植えていますが、真ん丸のこぶしより大きなアリウム・ギガンチウムは、アクセントとして大活躍してくれます。球根は1球千円以上するのですが、数年は咲いてくれますし、庭でのオーナメント的な活躍ぶりはその価値があります。 安酸さんは咲ききった時よりも、つぼみからだんだん紫に色づいていくなんともいえない色合いがアリウムの魅力だと言います。うん、確かに何色ともいえない感じ。植物だけが持っている魔法のパレットで色づいていきます。 こちらはアリウム・クリストフィー。星形の花で、ギガンチウムと同じくらいの大きさですが、草丈は30〜40cmでより淡い紫色です。空色のニゲラともぴったり。球根を植え付けてから、もう何年も経ちますが、毎年よく咲いてくれます。 ニゲラ(一年草)/草丈50〜60cm ニゲラもピンクのバラとよく似合う一年草です。糸のような細い葉を持ち、ふわふわとした緑の葉の中に花が咲く様子から、英語では「ラブインナミスト」というロマンチックな名前で呼ばれています。とても育てやすい花で、ちょうどバラの頃に咲いてくれるので、庭には欠かせません。 ジギタリス(宿根草) ベル形の花が連なって咲く様子がメルヘンチックなジギタリス。品種によっては、見上げるような高さにまで伸びるものもありますが、今年の庭のテーマ「メドウ風ガーデン」には、小さいタイプを選びました。上の写真のアプリコット色のジギタリスは、原種系のオブスクラ‘サンセット’。本当に夕焼けのようなグラデーションに見惚れてしまうオレンジの花です。 こちらも原種系のジギタリス・ルテアで、小さな、ごく淡い黄色の花を咲かせます。とても繊細な雰囲気ですが、他のジギタリスと比べてとても丈夫で、夏越しして何年も咲いてくれています。 これはジギタリス・プルプレア‘ピンクシャンパン’。園芸品種は夏越しが難しく、本来は宿根草ですが、二年草扱いとされることが多いです。本来は草丈70〜80cmほどありますが、今年は膝丈程度の小さな姿で咲いてくれました。そんな控えめな雰囲気が今年のメドウガーデンにはぴったりでしたが、来年はもっと草丈が高くなるかもしれません。 オンファロデス・リニフォリア(一年草)/草丈10〜40cm スーッと伸びる草花の足元で、ふわふわとカスミソウのような白い花を咲かせるのはオンファロデス。ベールをかけたように地面に咲き広がって、軽やかでロマンチックな雰囲気を演出してくれます。一年草ですが、こぼれダネでよく増え、毎年きれいに咲いてくれます。 ブルーに白の縁取りが可愛いオンファロデス・リニフォリア‘スターリー・アイズ’。 セントランサス(宿根草)/草丈60〜70cm 小花が集まって咲く様子がレースのような繊細な雰囲気ですが、とても丈夫な宿根草です。株自体も年々大きくなっていきますが、種子も飛んで思わぬところから生えてきます。植えてから数年経ったら間引いたり株分けして、引き算をしながら育てています。 ここまでご紹介した草花は、地植えにしている植物です。庭には要所要所に寄せ植えも置いてあり、それも庭の彩りに欠かせません。
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みんなの庭

患者さんのためにつくったバラ香る庭 面谷内科・循環器内科クリニック
患者さんのためにつくられたバラ香る癒やしの庭 一見すると病院とは思えないこの庭は、院長の面谷博紀さんと妻のひとみさんが、患者さんやスタッフの癒やしにとつくったものです。 「患者さんの辛さや不安が少しでも和らぐようにと思いましてね。というのも、私は医師として日々、診療をしたり検査をしたりして、患者さんの不調や不安を改善するのが職務なわけですが、果たしてそうした医学的な治療だけで自分の仕事は十分なのかな、という気持ちがあったんです」(面谷医師) 面谷医師は、大学病院など複数の医療施設でさまざまな患者さんに接する中で、医学的な知見からは何も問題がないケースも多く見てきたと話します。 「もちろん、そうした診断結果を伝えて不安が解消される患者さんもいらっしゃいますが、逆に、なんでもないですよ、と医師から言われることで、かえって不安が募ってしまったり、孤独感を感じてしまうケースもあるんです」(面谷医師) そうした処方箋の出せない患者さんにも寄り添い、不安を少しでも軽くしてもらえるように。また、「怖い」「痛い」という病院への固定観念を払拭し、快適な時間を過ごしてもらえるように。庭はそのための大切な空間演出です。 「だから、この庭はいつも、めいっぱいきれいである必要があるんです。具合の悪い方に、しおれた花なんか一本も見せたくないですから」と話すのは、庭づくりを担当している妻のひとみさん。毎朝早くからクリニックの庭を訪れ、花がら摘みや水やりを欠かしません。また、この庭では病害虫に対しても薬品を使わないため、4月からは虫とりも加わります。 ひとみさんも長年、看護師として働いてきましたが、医療現場の空間は、患者さんにもスタッフにも、必ずしも心地よいものではなかったと言います。 「白い蛍光灯の下で、真っ白な壁に囲まれて、外の天気も分からない状態で、一日に100人近くの患者さんと接するんです。その緊張感とストレスを身をもって知っていますから、医療従事者にとっても心地よい職場環境をつくりたいと思っていました。ですから、新しいクリニックをつくることになった時、どの窓からも緑が見えるように、というのをコンセプトにしたんです」(ひとみさん) 「そして庭は、患者さんにとっては癒やしと同時に、アッと驚くような感動を与えられるようなものにしたいと思いました。実は私、ディズニーランドが大好きで娘とよく行くんです。ディズニーランドって、あの空間に入った途端、思わず現実を忘れてしまいませんか。ディズニーマジックっていうんでしょうか。そういう高揚感や感動って、病を抱えた人にとっても、とても大事だと思うんです。具合が悪かったのを、思わず忘れてしまうくらいの圧倒的な美しさで、ガーデンマジックにかかってもらうのがこの庭の役目です」(ひとみさん) そうした要望を形にしたのが、ガーデンデザイナーの安酸友昭さん(ラブリーガーデン)。実はこの庭は、県道と生活道路が鋭角に交差する角地にあります。しかし、ひとたび庭の中に入ると、まるで別世界が広がるのは、そのデザインのおかげです。待合室に面したこの庭は建物から地面が数段低くつくられた、サンクンガーデン(沈床式庭園)のスタイルになっています。そして、住宅街が立ち並ぶ生活道路側には高い壁を設けつるバラを這わせ、県道側にはいくつかの樹木を植栽。それらが育つにつれ、緑が柔らかに視線を遮って、県道を行き交う車が気にならないようになっています。 角地の突端にはバラが這い上るモーブ色のコテージを配置し、コテージまでの通路の両脇には色彩豊かなバラと草花をたっぷり植栽。壁側にはレイズドベッドを、もう一方の植栽帯は石のペイビングを所々食い込ませ、道路側にいくに従ってなだらかに盛り土がしてあります。そうした高低差やペイビングの食い込みによって生まれる適度な空間が、バラや宿根草、一年草などたくさんの鮮やかな花が咲いた時にも、繊細で風通しのよいナチュラルな風景をつくり出しています。 「病院の待合室って、患者さんたちの間で病談義が繰り広げられることがよくあるじゃないですか。でもうちのクリニックでは、それが花談義なんです。この花キレイだね、とか、あれは私の庭でも育てたことある、とか。そういうのを聞くと、今はお身体の不安を忘れられているのかな、と嬉しくなりますね。お子さんも庭で花びらを集めて遊んだりしていて、具合が悪くなくても来たいと言ってくれたりするんです」(ひとみさん) 面谷医師の患者さんへの思いと、それに応えることのできる安酸さんの確かなデザイン力、そしてひとみさんの日々の丹念な手入れ。3つの力によって生まれたガーデンマジックは、その効力を庭の成長とともに強める一方です。
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育て方

【初めてのバラ栽培】鉢植えのバラの夏越し
「バラって本当にきれいで憧れの花。わたしも育ててみたいけれど、わからないことだらけで尻込みしちゃう」。そんな人たちに声を大にして伝えたい「人生は一度きり! バラを育ててみようよ」。今、自宅の庭で何種類もバラを育てているベテランマダムだって、最初は一株のバラからスタートしています。そうしてバラに魅了されて、いつしかバラ色の人生を歩んでいるんですよ。さあ、あなたのバラを育てる初めの一歩をお手伝いしましょう。 写真は四季咲き〜返り咲き性のつるバラ‘コーネリア’。5月の中旬に一番花が咲き終わりました。鉢を大きく植え替えて1カ月も経つと株が落ち着き、8月上旬には二番花が楽しめます。真夏に咲く花は、春と比べて少し小ぶりですが、再び咲く姿にうれしくなります。夏は株に負担がかからないように、房咲きの花が半分くらい開き始めたら、房ごと切って部屋に飾るとよいでしょう。ちなみに、完全なつぼみのままで切ってしまうと、花瓶に挿しても開花しないことがあります。 左は、6月中旬に大きめの鉢へ植え込んだ直後。右は、8月上旬。成長したことは一目瞭然ですね。鉢の左側に植え込んだのは、樹高2mになるつるバラの‘コーネリア’。1本1mを越すつるが伸びてきました。少しつるが伸び始めていたため、オベリスクに添わせて植えたのは‘紫玉(しぎょく)’です。図鑑によると樹高1.5×1.2mになる半つるバラです。 日に向かってつるが随分と伸びました。この長く伸びたつるのことを「シュート」と呼び、来年の花数アップに貢献してくれる大切な枝です。 シュートは自然と日を求めて伸びていきます。冬までは、伸びるに任せておきましょう。でも、ベランダでは台風の強風などでつるが傷むので、誘引紐やクリップで少し支えをしてあげましょう。 つるを支える方法の一つとして、誘引紐で2〜3本のつるを軽く束ねて、オベリスクに固定します。 オベリスクなどのような支えがないのにシュートが伸びてきたら、支柱をそばに立ててクリップや誘引紐で軽く固定しましょう。この段階でしっかりした誘引場所がなくても大丈夫。仮の支柱でつるの伸び具合の様子を見て、冬までにオベリスクなどを用意するとよいでしょう。 夏の水切れは株のダメージが大きいので、水切れしないように毎日朝夕しっかりジョウロで水やりを忘れずに。水やりをしながら、株の様子を見て、枯葉があったら取り除きます。真夏は日が当たっている日中に水をやると、熱せられた鉢の中で水はお湯になり、根にダメージを与えてしまいます。夕方以降、鉢の中にこもった熱をクールダウンさせるためにも、鉢底から水が流れ出るのを確認できるまでたっぷり水をやると、暑いベランダでも調子よく育ちます。
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園芸用品

基本の植木鉢の種類とその特徴
素材で選ぶ植木鉢 一口に鉢やコンテナといっても、素焼きの鉢からプラスチック、金属製のものまで、その材質はさまざま。それぞれの素材によって、鉢の性質は大きく変わります。育てたい植物や利用したい場面に合った鉢を選ぶためにも、それぞれの性質をおさらいしてみましょう。 植木鉢といったらまずはコレ<素焼き鉢> 粘土を700℃程度の低温で焼いた素焼き鉢は、誰もがイメージする定番の植木鉢。多孔質で通気性・透水性がとてもよく、土が乾きやすいのが特徴。根に必要な空気を供給して余分な水を排出するため、植物を育てやすく、どんな植物にも利用できます。見た目の印象もナチュラルで使いやすく、価格が安いのも魅力です。 エレガントで植物との相性も存在感も抜群<テラコッタ> 粘土を1,000℃以上の高温で焼いてつくるテラコッタ鉢。素焼き鉢ほどではありませんが、水はけ・通気性のよいのが特徴で、どんな植物にも使えます。また、模様が浮かび上がるような装飾がほどこされているものも多く、デザイン性の高い鉢も多いです。どっしりと、大きいテラコッタ鉢は、存在感があり、庭や玄関先などでフォーカルポイントとしても活躍します。生産国や材料の土によって、性質に違いがあります。 軽くて手軽で扱いやすい ポップでカラフルな<プラスチック鉢> プラスチック製の鉢は、軽量で割れにくく、持ち運びやすいのが大きなメリット。カラーやデザインが豊富で安価なのも特徴です。通気性・透水性がない素材のため、乾燥や水切れを嫌う植物を育てるのにオススメですが、底穴の形によって通気性・透水性が良いものもあります。鉢内の温度が上がりやすいため、観葉植物など根が温かい状態を好む植物に向く一方、夏場の管理には注意が必要です。 観葉植物など、室内での観賞用にもぴったり<化粧鉢(陶器鉢)> 素焼き鉢に釉薬をかけ、高温で焼いた化粧鉢は、きれいな色と艶やかな表面の質感が特徴。デザイン性が高く、室内での観賞用にもぴったりです。釉薬がかかっているため、素焼き鉢よりも通気性・透水性が劣るので、水はけのよい土を使うなどして調整します。 ナチュラルな印象で保温性も高い木製の鉢<ウッドコンテナ> チーク材などの木材やつるを編んでつくるウッドコンテナは、通気性や透水性に加えて保温性も高い容器です。木の優しい質感は、植物との相性も抜群。地面に直接置いたりすると腐りやすいので、鉢台などに載せて使用し、ときどき鉢の状態を確認しましょう。 クールな存在感があり、デザイン性も高い<金属製> アルミやステンレス、真鍮などでつくられた金属製の鉢は、形が豊富でデザイン性の高いのが特徴です。すこしさびついてくれば、アンティークな雰囲気が生まれてまた違った雰囲気に。通気性・透水性は低いので、水はけのよい土を使いましょう。鉢カバーとして使用するのもオススメです。 覚えておきたい 用途に合わせた容器の種類 植物を育てる容器の中には、用途に合わせてちょっと変わった形をしているものもあります。ここでは、植木鉢と言われてイメージする丸や四角のものだけではない、目的に合わせた容器をご紹介します。 植物の飾り方が広がる 吊り下げて使える<ハンギング鉢> 高い位置で植物を観賞でき、立体的に空間を飾れるハンギングのための専用容器。吊り下げ型と壁掛け型の2タイプがあります。ハンギングの鉢には、軽量で衝撃に強い素材が使われ、プラスチックやワイヤー製などさまざまなものがあります。乾燥しやすい環境になるので、水切れしないように水やりは多めに行いましょう。 水はけ抜群! 植物に合わせて使いたい<スリット鉢> 鉢底だけでなく、側面までスリットが続くスリット鉢は、クリスマスローズなどの根量の多い植物の栽培に欠かせません。鉢の中で根が回りにくく、まんべんなく根を成長させることができます。スリットが大きいため、通気性や水はけが非常に良くなるのも特徴。土が乾いていないかをこまめに確認し、水切れしないように注意しましょう。 寄せ植えを植えると絵になる<バスケット> 土が流れ出ないように、鉢底にビニールなどを敷けば、藤やアイアンのバスケットも鉢として活用できます。天然素材でできたバスケットは、草花に似合うナチュラルな雰囲気で人気です。土を入れる前に内側にビニールシートを敷き、適当な数の穴を目打ちなどで開ければ排水はOK。風通しの良い場所に置くなどしてバスケットが傷まないように工夫しましょう。 リース型の寄せ植えをつくるときの必需品<メッシュプランター> リング状の容器に花苗や多肉植物を植えこむだけでリースをつくることができるメッシュプランター。玄関先のウェルカムフラワーなどとしても人気があります。内側にヤシガラマットや麻布や、穴を開けたビニールシートなどを敷いてから、土を入れて植え込みます。 参考文献/「『土・肥料・鉢植え』の基本とコツ」(井上昌夫著、大泉書店刊)Photo/ 1)mindfullness/ 2)Perfect Lazybones/ 3)Galina Grebenyuka/ 4)Vietnam Stock Images/ 5)LiliGraphie / 6)NerdPhoto/ 7)manfredxy/ 8)Goldution/Shutterstock.com




















