スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
-
観葉・インドアグリーン

お部屋のインテリアに! 観葉植物のおすすめの種類と特徴をご紹介
観葉植物を選ぶ時のポイント 観葉植物をインテリアに取り入れるなら、これから数年、長ければ数十年一緒に暮らしていくことになります。そのため「衝動買い」は避けたいもの。室内の環境に合うものや、ピッタリのサイズ感、一年を通してどれくらいのメンテナンスが必要なのか、よく把握して迎え入れるとよいでしょう。 置き場所 観葉植物は、室内に飾ることを前提に購入しますね。ということは、たっぷりの日差しがなくても生きていける植物だということになりますが、まったく日が差さない場所では枯れてしまいがちです。一口に観葉植物といっても、数時間は日が差し込む明るい窓辺でなければ弱るもの、レースのカーテン越しの弱い光でなければ葉焼けしてしまうものなど、植物によって性格がまったく異なります。飾る場所にはどれくらいの光量が得られるかによって、育てられる観葉植物も変わってくるので、まずは置き場所の四季を通した光量を把握しておきましょう。 また、迎え入れる植物がどのような環境を好むのかも、知っておきたいもの。暑さに強く寒さに弱いのか、寒さに強く暑さに弱いのか、それだけでもずいぶん管理の仕方が変わってくるものです。そこで、原産地を確認してみましょう。原産地が分かれば、その地域の気候も調べることができますね。亜熱帯地域のジャングルなど、弱い光の中で生きてきた、暑さには強いけれど乾燥や寒さに弱い植物もあれば、乾燥した砂漠で生きてきた、寒さや多湿を苦手とする植物もあるでしょう。このように、原産地の気候から、その植物の特性と管理のポイントを知ることができます。グリーンショップの専門スタッフに、もともとどんな気候・環境で育ってきた植物なのかを相談してもよいでしょう。 サイズ 観葉植物は、小型・中型・大型と、そのサイズもさまざま。小型サイズは、テーブルや棚、シェルフなどに飾るのにちょうどよく、手軽に取り入れられるため、人気です。必要に応じてラクに日差しが届く場所に移動できるのもいいですね。中型サイズは、種類によってインテリアの印象に大きく影響を与えます。存在感のある大きな葉がトロピカルな雰囲気を持つもの、放射状に直線的なラインを伸ばすモダンな姿のもの、造形美を感じる美しい葉で魅了するものなど、合わせる鉢もそれぞれにマッチしたデザインを選びたいものです。大型サイズは、その部屋を印象づけるフォーカルポイントになります。リビングや吹き抜けのある部屋などに配することが多いので、存在感のある大きな枝ぶりを楽しめる植物を選ぶとよく映えます。 育てやすさ 観葉植物は、人が暮らす空間にあって長く共存することになります。メンテナンスの面で一番に注目しておきたいのは、生育スピードです。「どんどん葉を茂らせる姿に生命力を感じる」という方もいるでしょうが、この場合は剪定や手入れの手間が増える傾向にあります。枝葉が茂りすぎて邪魔になりがち、形が崩れて見映えが悪い、という結果になることも。こまめに手入れできないという場合は、生育スピードが遅くあまり形を変えないものや、多肉質で頻繁に水やりをしなくても丈夫に育つものなどを選ぶとよいでしょう。また、植物によってはつるをぐんぐん伸ばすもの、縦方向に伸びるもの、横張りが大きくなるものなど、成長の仕方が異なるので、空間に合うものを選ぶことも大切です。 おすすめの観葉植物【小型】 ここでは、テーブルやデスク、シェルフや窓辺を彩るアイテムとなる、比較的小型の観葉植物を取り上げます。サイズが小さいと持ち運びしやすいので、模様替えも簡単にできますよ! シュガーバイン シュガーバインは、ブドウ科ツタ属の常緑性多年草のつる植物です。学名をParthenocissus‘Sugarvine’(パルテノシッサス‘シュガーバイン’)といい、アジア〜北アメリカに分布するツタ属による交配によって、オランダで生まれた園芸品種とされています。耐陰性があるため半日陰の環境でも育ち、室内に飾ってもよくつるを伸ばして生育します。みずみずしい5枚葉が魅力的な、人気の高いインテリアグリーンです。つるは上から下へ下垂するように伸びるので、比較的高さのある場所に飾って流れるようなラインを楽しむとよいでしょう。強い直射日光を浴びると葉焼けすることもあるので、真夏の置き場所に注意を。乾燥に強いほうですが、水やりを忘れずに行いましょう。寒さには強いものの、0℃を下回るような場所は避けてください。 ハオルチア ハオルチアはツルボラン科ハオルチア属の春秋生育型の多肉植物。常緑性の多年草です。原産地は南アフリカで、約100種が確認されています。耐寒性や耐暑性は種類によって異なるので、購入苗に付いているラベルなどを参照してください。草丈は15〜20cmで、葉を放射状に展開してコンパクトにまとまるので、卓上やシェルフ、ニッチなどへのディスプレイに向いています。2〜6月頃に、白やピンクの花が開花するのも魅力の一つ。植え付けの適期は3〜5月または9〜10月で、市販の多肉植物用の培養土を使って植え付けるとよいでしょう。直射日光をあまり好まず、明るい半日陰の環境がベター。水やりは、春と秋の生育期は株の状態を見ながら与えます。夏と冬は休眠するので基本的に水やりは不要ですが、エアコンの効いた年中快適な環境では、休眠せずに生育し続けることもあるので、必要な場合は水やりをしてください。 ハートカズラ ハートカズラはガガイモ科セロペギア属の常緑性多年草のつる植物です。原産地は南アフリカ東南部。耐寒温度は3〜5℃くらいで、寒さにはやや弱い性質です。日当たりのよい場所を好みますが、レースのカーテン越し程度の明るい場所までなら室内でも生育します。1〜2cmほどの小さなハート形の葉をつけたつるは、2mくらいにまで達します。つるは下垂して伸びるので、比較的高い場所に飾って流れるようなラインを楽しむとよいでしょう。葉はやや肉厚で斑が入り、乾燥に強い性質を持っています。過湿にすると株が弱るので、水の与えすぎに注意を。6〜8月頃に、小さな筒状をした紫色の花を咲かせます。茎の節からは、ムカゴが発生することもあり、表情の変化を楽しめる植物です。株分けや挿し木で増やすことができます。 おすすめの観葉植物【中型】 ここでは、中型サイズの観葉植物をピックアップしました。ダイニングテーブル脇やソファーサイドなど、インテリアの脇役的な存在として空間をみずみずしく彩ってくれます。 ゴムノキ ゴムノキは、クワ科フィッカス属の常緑樹です。観葉植物として出回っているのは、インド〜マレーシアが原産のインドゴムノキで、自生地では樹高30mにもなりますが、鉢植えにしてインテリアグリーンとして楽しむことが可能です。人気の高い観葉植物のため品種も豊富で、葉に黄色や白の斑が入る‘デコラ・トリカラー’や‘ティネケ’、‘シルヴィー’、葉が赤褐色になる‘バーガンディー’などさまざま。植え付けの適期は生育期の5〜9月です。できるだけ日当たりのよい窓辺など、明るい場所に置きましょう。また、暑さや寒さに弱いので、快適な温度に保った室内で楽しみます。大きな葉にはホコリがたまりやすいので、時々拭き取って美しい葉をキープしましょう。 モンステラ モンステラはサトイモ科ホウライショウ属(モンステラ属)の常緑性多年草です。原産地は熱帯アメリカで、暑さに強く寒さには弱い性質があります。つる性の着生植物で、付着根によって這うように伸びていきます。葉に深い切れ込みが入る独特の造形美があり、インテリアによってはハワイアンのトロピカルスタイルや、ミッドセンチュリースタイル(20世紀半ばにモンステラが流行したことによる)、シンプルモダンなどの演出ができます。耐陰性がある植物ですが、あまりに暗いと間延びする上に軟弱になるので、できるだけ明るい場所に置きましょう。水やりは、表土が乾いたらたっぷりと与えます。草姿が乱れてきたら、適宜カットしてバランスのよいスタイルを保つとよいでしょう。 サンスベリア サンスベリアは、キジカクシ科チトセラン属(サンスベリア属)の常緑性多年草です。原産地は熱帯アフリカやアジアなどで、熱帯や亜熱帯の乾燥地に約60種が分布しています。暑さには強い一方で寒さには弱く、10℃以上の環境で越冬させることが大切です。また乾燥によく耐え、逆に過湿にすると弱るので乾燥気味に管理しましょう。日当たりのよい場所を好むため、できるだけ明るい場所に置くようにしますが、真夏に直射日光に当たると葉焼けすることがあるので、夏はレースのカーテン越しの光を当てる程度にとどめます。植え付けの適期は生育期の5〜8月。市販の観葉植物用の培養土を用いると便利です。肉厚な葉にはホコリがたまりやすいので、適宜拭き取って艶やかな葉を保ちましょう。 おすすめ観葉植物【大型】 比較的大型に育てることができる観葉植物をピックアップしました。ワンルームタイプのオープンなLDKや、吹き抜けの大空間などのフォーカルポイントとして活躍するアイテムになります。 フィカス・ウンベラータ フィカス・ウンベラータは、クワ科フィカス属の常緑樹。原産地は熱帯アフリカで、暑さに強く、寒さには弱い性質があります。10℃前後まで気温が下がると葉を落としますが、春には葉が出て再生します。大きな葉に造形美があり、室内ではゆっくりと育って美しい枝ぶりを見せてくれます。インテリアグリーンの代表的な存在で、リビングなどに一鉢あるとフォーカルポイントになってくれます。植え付けの適期は生育期の5〜9月。市販の観葉植物用の培養土を使って鉢植えにします。明るい日差しが入る窓辺付近に置くのがベストですが、真夏に直射日光に当たると葉焼けすることがあるので、この時期はレースのカーテン越しの光が当たるようにしましょう。大きな葉にはほこりがたまりやすいので、適宜拭き取ってケアします。 エバーフレッシュ エバーフレッシュは、マメ科コヨバ属の常緑樹。原産地は熱帯アメリカで、暑さには強いのですが寒さに弱い性質です。繊細な美しい葉が夜になると閉じるという特徴を持ち、1日6時間以上暗くしないと弱る傾向にあります。春から秋にかけて、ポンポン状に咲く黄色い花も魅力です。植え付け適期は5月中旬〜9月。市販の観葉植物用の培養土を使って鉢植えにし、できるだけ日当たりのよい明るい場所に置きましょう。水やりは、表土が乾いたらたっぷりと与えます。伸びすぎたり、込み合ったりしている枝は適宜切り取り、スマートな樹形を保ちましょう。植え付けてから数年経ち、根詰まりしているようなら鉢から出して根鉢を崩し、古い土を1/3ほど落として植え直します。 ブラッサイア ブラッサイアは、ウコギ科シェフレラ属の常緑樹。原産地はオーストラリア、ニューギニアの熱帯雨林地帯で、暑さには強く、寒さを嫌う性質があります。現地では30mにも達する成長の早い高木ですが、室内で鉢栽培し、剪定によって樹高をコントロールすれば人の背丈くらいで管理できます。植え付け適期は5月中旬〜9月。市販の観葉植物用の培養土を使って鉢植えにし、できるだけ日当たりのよい明るい場所に置きましょう。ただし、真夏の強光線に当たると葉焼けすることがあるので、この時期はレースのカーテン越しに光を当てるようにします。樹形が乱れてきたら、4〜6月に込んでいる部分や長く伸びている枝を適宜切り取り、スマートな樹形を保ちましょう。ブラッサイアは成長が早いので、1〜2年に1度は鉢から出して根鉢を崩し、古い土を1/3ほど落として植え直します。 好みの観葉植物を見つけよう! 意外に奥深い観葉植物の世界、いかがでしたか。多くの種類が流通しており、選ぶ楽しみもあります。ピッタリのサイズ感、造形美を感じられるものなど、ライフスタイルに沿うものを選んで、ぜひインテリアのアクセントにしてみてください。植物が身近にあると、芽吹いてくる生命力を感じ取ることができ、きっと元気をもらえますよ! Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
みんなの庭

面谷ひとみさんのクリスマスの庭演出! ツリーとクリスマスカラーの寄せ植え
冬は寄せ植えに最適な季節 山陰の冬は雪が多く、とにかく空は曇りがち。12月から翌年3月までの間は、一日中爽やかな青空をキープしている日はとても貴重です。だからこそクリニックの庭は華やかに美しく、通院してくる患者さんの心をパッと晴れやかにしたいと思い、たくさんの寄せ植えを作ります。庭の花は少なくなる季節ですが、冬は寄せ植えには最適です。パンジーやビオラ、ガーデンシクラメン、アリッサムなど、開花期が長く鉢植え向きの一年草がたくさん店頭に出るようになり、寄せ植えの花材にはこと欠きません。それに、この季節は蒸れて病気になったり、害虫の心配もないので、あまり気遣いなくきれいな状態が保てます。 私の好みは淡いソフトカラーなのですが、冬は見る人に温かさを感じてもらえるよう、オレンジや黄色、赤などの暖色を多用し、パッと華やかな寄せ植えにします。上の写真は、診察室から一番よく見える場所に置いてある八角形の大鉢です。大鉢はだいたいの希望を伝えて、作成はガーデナーの安酸さんにお任せしています。 寄せ植えと庭植え、2段階で楽しめる素材チョイス 赤紫とオレンジのビオラ、黄色のビデンス(ウィンターコスモス)、チェッカーベリー、スキミア、アリッサムを寄せ植えにしてくれました。私にはなかなか思いつかない組み合わせですが、よく見ると赤紫のビオラの花心には黄色のスポットが入っていて、安酸さんらしい繊細な花選びだなあと思いました。だからこそこんな派手な色の花を組み合わせても、全体として調和しているのだなと感心しました。プチプチとしたツボミが可愛らしいスキミアは日陰を好む常緑低木なので、春になって寄せ植えを解体する際には庭の北側へ地植えにします。低木などはあまり寄せ植えに選ばれない素材ですが、こんなふうに使った後、庭植えにすることを想定して選ぶと、楽しさも倍増します。 カラーリーフがコツのクリスマス用の赤い寄せ植え こちらは玄関前に作ってくれた横長のプランターの寄せ植えです。ビオラ、チェッカーベリー、アリッサム、スキミアの赤色の花で統一しました。赤いビオラだけでも4〜5品種入っているので、単調にならず目を楽しませてくれます。鉢縁からタランと垂れた葉はルブス。ナワシロイチゴとも呼ばれ、這って伸びる性質がある常緑低木です。一年を通して使えるとても使い勝手のいいカラーリーフで、冬は寒さでチョコレート色に紅葉します。こうした這って伸びる草やつる性の植物は、寄せ植えに有機的なラインを添え、繊細な美しさをプラスしてくれます。 こんなふうに、安酸さんが作ってくれる大鉢を見ながら勉強し、私は小さな寄せ植え作りに励みます。赤い実のチェッカーベリーは艶やかで形も愛らしく、クリスマスらしい雰囲気が出る花材です。この鉢では2品種の赤系ビオラとカルーナ、ガーデンシクラメンを合わせました。カルーナのプチプチとした小花もアクセントになってくれます。 白い横長の鉢には、チェッカーベリーと黄色と紫のパンジーを合わせてみました。合うかな? と心配したものの、ネメシアやカルーナを間に挟んだおかげでいい感じにまとまったと自分では納得しているのですが、どうでしょうか? 安酸さんがいつも上手にカラーリーフを使うのを真似して、パンジーの色に合わせて黄色のカラーリーフ、ロータス‘ブリムストーン’も入れました。 こちらはアリッサム、イベリス、ダスティーミラー‘シルバーレース’など白色の植物の中に、花心だけ赤いビオラや紅葉したルブスなど、差し色として赤を少量加えた寄せ植えです。白のワントーンもクリスマスらしい雰囲気が出ます。 肥料など植栽の基本と冬の寄せ植えのコツ どんなに組み合わせに工夫を凝らしても、植物がいい具合に育ってくれなければ寄せ植えは美しくなりません。植物が健やかに育つための基本は土づくりです。寄せ植えの土の基本は、排水性がよく、水もち・肥料もちのよいこと。硬質赤玉土などを基材とした培養土に、元肥を混ぜておきます。元肥は植物が生育するために必要な栄養分です。12月に作った寄せ植えは、来年3月いっぱいくらいまでは植え替えません。ですから、その間の栄養素として最初に必要になるのがこの元肥です。元肥の効果は約1カ月くらいなので、必要に応じて追肥したり、液肥を週1回ほど水やりの際に与えます。この頃の植物は寒さでほとんど生育が止まっており、分枝してわんさか花数が増えたり、草丈が大きくなったりすることはありませんが、この間に液肥を与えておくと花色や葉色が鮮やかに保たれ、春以降生育を開始してからの勢いが違います。 ただし、冬の間は植物のサイズはほとんど変わりません。ですから、キュッと詰めて植えたほうが見栄えがいいです。しばしば株間を10cmとか20cmとかあけてというアドバイスがなされますが、生育することを見越して株間をあけすぎると、春まで土が見えるスカスカの状態の寄せ植えになってしまいます。そこで、私は春になって植物が生育し、窮屈になってしまう前に寄せ植えをバラして庭の広い場所に植え替え、鉢には新たな寄せ植えを作ることにしています。 冬の庭の主役はクリスマスツリー 冬はどうしても庭植えの花の彩りが寂しくなるので、待合室から一番よく見える場所にクリスマスツリーを設置します。ツリーといえばモミの木ですが、クリニックの庭にモミの木を植栽しているわけではなく、根を養生したモミの木を倒れないようにタイルの上に固定して、仮置きの状態で飾っています。周りにはクリスマスプレゼントの箱をイメージして、カラフルな寄せ植えをたくさん作って飾りました。にぎやかで楽しいクリスマスの雰囲気になりました。 イルミネーションのお手本は、ディズニーランドや東京駅のクリスマスツリー。毎年、飾り付けに趣向が凝らされていて、見るたびに感動してしまうのですが、私もそんなふうに患者さんにアッと驚いてほしくて、電飾がどんな風に巻き付けてあるのか、根元はどんな風になっているのか、じっくり観察してクリニックのツリーに取り入れています。飾り付けは到底1人ではできないので、娘家族にも手伝ってもらいます。てっぺんの枝から細い枝の一本一本に電飾のコードを丁寧に這わせていくことでツリーの形がきれいに出るのですが、その作業はとても時間がかかります。 先日、80代の患者さんが、「毎年、クリスマスツリーが楽しみで、この時期に健康診断に来ることに決めているの」とおっしゃってくださり、苦労して飾った甲斐があったと、とても嬉しく思いました。クリニックの患者さんはご高齢の方が多いものです。お孫さんと住んでいれば別かもしれませんが、大人だけの家庭ではクリスマスツリーもクリスマス自体も次第に縁遠くなってしまいます。でも本当は、いくつになってもキラキラしたクリスマスツリーにはときめくものです。美しく華やかな空間は誰しも気持ちが明るくなり、そういう空間にいる自分は、大事にされているという安心感があると思います。家庭の庭にも同じ役目があると思いますが、患者さんのためにそういう場所を作っておくのが、私のクリニックの庭づくりのテーマでもあります。 ツリーを見たくて、と言ってくださった患者さんのように、なるべく何ごともないうちにクリニックを受診することで、病気の早期発見に繋がり、有効な治療が行える可能性も高いのです。私も長年看護師として働きましたが、医療に携わる者にとって一番悔しいのは、患者さんを救いたくても救えない時です。もっと早く来てくれれば、ということがないように、というのがこの庭をつくった大事な理由でもあります。だからこそ、毎年、記憶に残るようなクリスマスツリー作りをしたいと思っています。 今年も家族でワイワイ言いながら、クリスマスツリーを飾り終えました。今年はシャンパンピンクのイルミネーションとオーナメントで雰囲気を変えました。 皆様もどうぞ、楽しいクリスマスをお迎えくださいませ。 Happy Merry Christmas!
-
寄せ植え・花壇

秋に植える花って何がいい? 冬〜春に華やかな花壇にするには?
秋に植えた花はいつ咲く? papillondream/Shutterstock.com チューリップやスイセン、ムスカリ、アネモネ、ヒヤシンスなどは「秋植え春咲き球根植物」に分類されています。文字通り、秋に球根を植え付けて、春に開花する草花です。寒さにあうことで開花する性質があるので、春に球根を植えるのではもう遅く、秋に植えることがポイントです。 また、春に花を咲かせる一年草も、種まきの適期が秋であることが多いもの。これらは寒さに強い性質を持っているものが多く、種を播いて育苗し、冬を乗り越えると春の生育期には環境に馴染んで驚くほどよく茂ってくれますよ! デイジーやスイートピー、ワスレナグサ、ネモフィラなどが、この「秋まき一年草」に分類されています。 また、パンジーやビオラ、プリムラ・ポリアンサ、スイートアリッサムなどは晩秋から花苗が出回るようになります。冬から晩春まで長く咲き続けてくれる植物を植えるのもおすすめです。 「宿根草」は秋がベスト! photoPOU/Shutterstock.com 宿根草とは、一度植え付けて根付けば越年して毎年決まった時期に開花する、息の長い植物のことです。冬に地上部が枯れるタイプと、落葉せずに常緑のまま越年するタイプとがありますが、これらの宿根草は、秋に植え付けるのがベスト。秋のうちに根付かせておけば寒さへの耐性が高まり、越年後に春の生育期を迎えるとエネルギーが爆発するように生育します。春に株が充実することによって、さらには夏の暑さも乗り切るだけの体力をつけることができますよ! 秋に植えるのにおすすめの宿根草は、フロックス、ベロニカ、プリムラ、ガウラ、コレオプシスなどです。 秋に花を植える注意点 花々が爛漫と咲く春の庭を目指すなら、秋から下準備を始めるのがガーデニングの基本です。ここからは、秋に花を植える際の注意点について解説します。 残暑に注意 OlgaPonomarenko/Shutterstock.com 地球温暖化とともに日本の夏も年々厳しくなり、暑さがいつまでも残るようになってきました。以前は「暑さ寒さも彼岸まで」といわれていたように、9月下旬頃からを種まきや球根の植え付けを始める目安にしていたものです。でも、ちょっと待って! 近年は9月下旬になってもまだ30℃を超えるような日もありますよね!? 秋に種を播いたり、球根を植えたりする植物は、寒さを乗り越えて春に咲く力が備わっている一方で、夏の暑さに弱い一面もあるのです。そのため、残暑によって球根が腐ったり、蒸れて生育が悪くなったりすることも。近年では、人間も快適なくらいに涼しくなるまで待ってから、秋の庭仕事を始めるのが主流になってきています。 冬越しは万全に Neil Canon/Shutterstock.com 秋植えの植物は、寒さに強いのが一般的ですが、寒風が常に吹きつける場所や、大きな霜柱ができやすい場所に植え付けるのは、避けたほうが無難です。霜が降りるような場所では、バークチップや腐葉土などを表土にかぶせておく「マルチング」をするとよいでしょう。また、種まきした苗があまりに幼いうちに定植すると、寒さに耐えられない場合もあるので、太くてがっしりと締まった苗になるまで育苗しましょう。球根植物の場合は、寒さにあうことで開花の準備を始めるので、冬越し対策の心配はほとんどありません。 秋に植える! おすすめの花 ここでは、秋に植えてガーデニングをスタートするのに最適な植物をご紹介します。寒さにあうことで春にたっぷりと開花する植物や、晩秋から咲き始めて庭を彩る植物など、幅広くピックアップしていきます。 チューリップ PPinkaew/Shutterstock.com チューリップは、ユリ科チューリップ属の球根植物です。原産地は中央アジア〜北アフリカで、寒さに強い性質を持っています。開花期は4月頃。約15系統、5,000種以上の品種があり、花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、緑、紫、黒、複色など。色のニュアンスも、パステルカラーからビビッドカラーまで多様です。一重咲き、八重咲き、ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きのほか、個性的な花姿の品種もあります。草丈は10〜70cmほど。 球根の植え付け適期は10月中旬〜12月中旬で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を取りましょう。チューリップは球根を1〜2球植えるよりは、同じ品種を5〜10球ずつ植えるマス植えにすると見映えがよく迫力が出ます。冬の寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。球根植物ですが、温暖な地域では球根を太らせることが難しいので、一年草として扱うのが無難。寒冷地では地上部が枯れたら掘り上げて風通しのよい場所で管理し、秋に再び植え付けます。 デージー Nick Pecker/Shutterstock.com デージーは、キク科ヒナギク属の一年草です。原産地はヨーロッパ、地中海沿岸で、暑さに弱い性質があります。開花期は3月〜5月上旬です。花色は白、ピンク、赤、紫、複色があり、花姿は一重咲きやポンポン咲きなど。草丈は15〜30cm程度で、花壇やコンテナの前面に向いています。 デージーは花苗店にも多く流通し、12〜3月頃に出回るので、ビギナーなら苗を買い求めて、植え付けからスタートするのがおすすめです。日当たり、風通しのよい場所に腐葉土や堆肥などをすき込んで植え付け、土が乾いたら水やりします。3月頃から開花が旺盛になるので、10日に1度を目安に液肥を与えると株が充実してよく咲きます。終わった花がらは早めに摘み取り、株周りを清潔にしておきましょう。開花後は枯死して越年しないので、抜き取って処分します。 パンジー&ビオラ Anjo Kan/Shutterstock.com パンジー&ビオラは、スミレ科スミレ属の一年草です。原産地はヨーロッパで、暑さに弱い性質を持っています。開花期は長く、開花株を購入すれば11月頃から楽しめますが、最盛期は3〜5月です。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、紫、青、茶、黒、複色など多様。花の大きさも小輪から大輪まで幅が広く、花弁にフリルが入るものなど個性的な品種も多く出回っています。草丈は20〜40cmくらいです。 パンジー&ビオラは人気が高いこともあって、花苗店で気軽に苗を購入できるので、苗の植え付けからスタートするとよいでしょう。開花株は11〜4月頃に出回ります。日当たり、風通しのよい場所に腐葉土や堆肥などをすき込んで植え付け、土が乾いたら水やりします。3月頃から開花が旺盛になるので、10日に1度を目安に液肥を与えると、次から次に花を咲かせてくれます。終わった花がらは早めに摘み取り、株周りを清潔にしておきましょう。開花後は枯死して越年しないので、抜き取って処分します。 スイートピー perlphoto/Shutterstock.com スイートピーは、マメ科レンリソウ属、つる性の一年草です。原産地はイタリア・シチリア島で、暑さや寒さにやや弱い傾向があります。開花期は4月下旬〜5月頃で、花色は赤、ピンク、紫、白、複色など。花が咲くと甘い香りが漂います。つるを旺盛に伸ばして1.5m以上になるので、フェンスなどに這わせて管理するとよいでしょう。 スイートピーは連作を嫌うので、前年にマメ科の植物を植え付けていない場所を選びましょう。10〜11月に日当たり、風通しのよい場所に腐葉土や堆肥をすき込んで種を播き、間引きながら育成します。苗を購入してスタートする場合は、根鉢を崩さないように植え付けることがポイントです。3月頃から開花が旺盛になるので、10日に1度を目安に液肥を与えると、花数が多くなります。終わった花がらは早めに摘み取り、株周りを清潔にしておきましょう。開花後は枯死して越年しないので、抜き取って処分します。 ウインターコスモス(ビデンス) ウインターコスモスは、ビデンスとも呼ばれています。キク科センダングサ属の一・二年草、または多年草で、原産地は北アメリカ、メキシコを中心とする世界各地に分布。開花期は、品種によって幅があり、11〜5月頃。花色は黄色、白、ピンク、複色などがあります。花つきが大変よく、株いっぱいに咲いて大変華やかです。草丈は30〜100cmほど。 花苗店で開花株を購入し、苗の植え付けからスタートするとよいでしょう。日当たり、風通しのよい場所に腐葉土や堆肥などをすき込んで植え付け、土が乾いたら水やりします。開花期には10日に1度を目安に液肥を与えると、次から次に花を咲かせてくれます。終わった花がらは早めに摘み取り、株周りを清潔にしておきましょう。 クリスマスローズ Katie Kirkland/Shutterstock.com クリスマスローズは、キンポウゲ科クリスマスローズ属(ヘレボルス属)の常緑性多年草で、寒さに強い性質です。開花期は10〜3月頃で、寂しくなりがちな冬の庭をシックに彩ってくれます。花色は紫、ピンク、白、黄色、グリーン、茶色、黒、複色など。花姿も一重や八重など多様です。草丈は10〜50cm程度で、うつむくように咲く清楚な佇まいに人気があります。 11月頃から苗が出回るので、花苗店で購入して苗の植え付けからスタートするのがおすすめ。風通しのよい明るい半日陰が適地で、腐葉土や堆肥などをすき込んで植え付けましょう。開花期はまめに花がらを摘んで株周りを清潔にし、10日に1度を目安に液肥を与えて株の勢いを保ちます。大株に育ったら掘り上げて株分けし、株の若返りをはかるとよいでしょう。 スノードロップ Helena Rich/Shutterstock.com スノードロップは、ヒガンバナ科マツユキソウ属の球根植物です。原産地は東ヨーロッパで、寒さに強い性質があります。2〜3月頃に白い花が開花し、花弁に小さくグリーンがのるのが特徴です。草丈は30cmくらい。聖書にはアダムとイブがエデンの園から冬の国へ追放された時に、天使が雪をスノードロップの花に変えて2人に希望を与えたと書かれています。 スノードロップは10月頃に球根を植え付けます。深さ1〜2cmに植え、複数植える場合は5cmほどの間隔を取りましょう。開花中は花がらを摘んで株周りを清潔にし、10日に1度を目安に液肥を与えて株の勢いを保ちます。夏前には葉を枯らして、休眠に入ります。休眠中でも乾かさないほうがよいので、掘り上げずそのままにしておきましょう。大株に育った場合は掘り上げて分球し、植え直します。 ワスレナグサ ANNI Orlova/Shutterstock.com ワスレナグサ(忘れな草)は、ムラサキ科ワスレナグサ属の一年草です。原産地のヨーロッパなどでは多年草ですが、暑さに弱く日本の夏には耐えられずに枯死してしまうので、一年草として扱われています。開花期は3〜5月で、花色は青、紫、白、ピンクなど。一つひとつの花は小さく可憐ですが、花穂を上げてたっぷりと咲くので華やかさも併せ持っています。草丈は20cmくらいで、花壇のエッジなどに向いています。 ワスレナグサは人気の草花で、花苗店では安価に手に入るので、苗の植え付けからスタートするのがおすすめ。日当たり、風通しのよい場所に腐葉土や堆肥をすき込んで、苗を植え付けます。複数植える場合は15〜20cmほど間隔を取るとよいでしょう。開花期には10日に1度を目安に液肥を与えると、次から次に花を咲かせてくれます。終わった花がらは早めに摘み取り、株周りを清潔にしておきましょう。初夏になると暑さに弱って枯死するので、抜き取って処分します。 「秋に咲く花」は? 秋に咲く花の中でも、特に人気の高い植物をご紹介しましょう。冴えた花色が魅力の花、香りのよい花、花の女王と賞賛される花たちです。 リンドウ Christian Peters/Shutterstock.com リンドウは、リンドウ科リンドウ属の落葉性多年草で、古くから日本の野山に自生してきた植物です。開花期は9月下旬〜10月頃。花色はクールな青や青紫色で、花茎を伸ばしてベル形の花を複数個咲かせます。草丈は30〜50cmほど。切り花としても人気の高い花です。 花苗店で開花株を購入し、苗の植え付けからスタートするとよいでしょう。日当たり、風通しのよい場所に腐葉土や堆肥などをすき込んで植え付け、乾燥したら水やりします。開花期には10日に1度を目安に液肥を与えると、株の勢いを保てます。終わった花がらは早めに摘み取り、株周りを清潔にしておきましょう。初冬に地上部を枯らして休眠し、翌春になると再び新芽を出して生育します。 キンモクセイ Picmin/Shutterstock.com キンモクセイは、モクセイ科モクセイ属の常緑高木。原産地は中国で、やや寒さに弱い性質です。10月頃に小さなオレンジ色の花がたっぷりと開花。花が白色のギンモクセイの変種とされており、日本では雄株のみが流通しています。「千里先まで届く」と表現されるほどの強い芳香を持っており、秋の風物詩として親しまれています。樹高は5〜6mほどになりますが、毎年の剪定でコントロールすることが可能です。 庭に取り入れる場合は、花苗店やホームセンターなどで苗木を購入し、植え付けからスタートしましょう。日当たりがよい場所を選び、腐葉土や堆肥をすき込んで土づくりをしてから植え付けます。剪定は3月頃が適期です。 バラ MaCross-Photography/Shutterstock.com バラは、バラ科バラ属の落葉性の低木で、花の女王とも評されるほど、世界中の人々に愛されています。古くから品種改良されてきたこともあり、その品種数は3万種以上とされています。開花は5月頃が最盛期ですが、「四季咲き」に分類される品種は、秋にも充実した開花を見せてくれます。 秋開花した四季咲き性のあるイングリッシュローズの‘パット・オースチン’。 バラの大苗は11〜2月、新苗は5〜6月によく出回るので、お気に入りの品種を探して植え付けるとよいでしょう。日当たり、風通しのよい場所を選び、腐葉土や堆肥をすき込んだ肥沃な土壌に植え付けます。剪定の適期は落葉後の1〜2月です。 秋に植えて、冬〜春には美しい花壇にしよう! Flying object/Shutterstock.com 春に草花がたっぷりと咲くガーデンやベランダの景色を夢見て、秋に計画を立てて苗や球根を植え付けていく作業は楽しいものです。冬を乗り越えることで改めて植物に対する「気づき」もたくさん出てくるので、ステップアップにもなりますよ! ぜひ涼しく作業のしやすい秋から、春のガーデニングの準備を始めてはいかがでしょう。
-
照明・ライティング

おしゃれなイルミネーション! ‘おうちイルミ’と‘ナイトベランピング’のアイデア集
昼と夜、光の演出で異なる庭の表情を楽しもう! ここはガーデンクラフトアーティストとして活躍する原嶋早苗さんの「Sanae Garden」。庭にはたくさんのバラがあふれるように咲き、原嶋さんのモルタルデコ(モルタル造形)による蜂蜜色の石と花々が共演し、まるで英国コッツウォルズのよう。でも、この庭の美しさは昼間だけのものではありません。夜は光の演出で、昼間とは異なるメルヘンチックな世界が展開します。 カラフルな草花が夕闇に沈んでいく頃、庭の主役を引き継ぐのは「光」。暮れゆく庭に、あたたかな光が浮かび上がります。 庭の入り口のアーチを輝かせるのは、「彩プレミアム ストリングスライト(300球)」。17mのコードをアーチに2周させて、光の華やかさを強調しています。電球はLEDのため熱くならず、植物が傷むような心配もありません。 門柱の脇に堂々とそびえるのは「彩プレミアム ビッグツリーライト」。サークル状の足元の基盤に、LEDライトのコードの先についた輪ゴムを引っ掛けるだけなので、設置も簡単。飾り付け、収納も短時間でできます。LEDライトが170個も取り付けられており、この1本だけでも見応えたっぷり。 彩プレミアム ストリングスライト(300球) 8,600円(税込)全長:約17.2m/LED部:約15mLED色:シャンパンゴールド&フレンチミックス(ホワイト・ピンク・ブルー・グリーン)/LED数:300球 彩プレミアム ビッグツリーライト 21,000円(税込)約幅70×奥行70×高さ240cm(約3.5kg)LED色:シャンパンゴールド&フレンチミックス(ホワイト・ピンク・ブルー・グリーン)/LED数:170球 夜の闇に、庭の輝きはますます増していきます。 秋冬の庭も光の演出で華やかに 季節が進んで秋冬になると、庭の花色は寂しくなっていくものですが、光の演出があれば、この季節ならではの楽しみが生まれます。ガーデンハウスの前のハナズオウの木を「ひかりノベーション 木のひかり」で下からライトアップ。2灯がセットになっているので、株元の両脇に設置しました。落葉前の黄色い葉が光に輝いて、季節の終わりに美しい姿を見せてくれます。もちろんこちらもLEDなので、植物を傷める心配もありません。ローボルトで誰でも設置でき、暗くなったら自動で点灯。コントローラーで消灯時間を設定しておけば、自動消灯してくれる簡単システムです。 ひかりノベーション 木のひかり 16,280円(税込)約幅8.5×奥行8.5×高さ25cm/コード全長:5m/LED色:電球色 ガーデンハウスの扉の前には、「あかりクラシック ポストライト」(左の写真)を。ヨーロッパの街灯のようなクラシカルなデザインが庭の格調を高めてくれます。アンティークの扉のデザインともよく似合い、昼間も庭のフォーカルポイントとして活躍してくれます。木の枝にかけたのは、「あかりクラシック ルミエールランタン(テラコッタ)」(右の写真)。どちらもソーラーライト式で、太陽の光に当てるだけで充電し、暗くなると自動で点灯。最大6時間、明かりを灯し続けてくれます。 あかりクラシック ポストライト 22,400円(税込)約幅32×奥行32×高さ182cm/LED:1球(電球色)/6時間タイマー付き/ON/OFFスイッチ付き/高さは3段階調整可能 あかりクラシック ルミエールランタン 3,100円(税込)約幅15×奥行11.7×高さ35.5cm(高さは取っ手約10.5cmを含む)/LED色:電球色/LED数:1球/ON/OFFスイッチ付き/USB充電コード:約50cm/調光機能付き/カラーはブラック・キャメル・ブルーグレー・テラコッタの4色(*写真はテラコッタ) キラキラ輝く光でガーデンハウスを特別空間に ガーデンハウスの中もイルミネーションを施して、光あふれるスペシャル空間に。窓辺にイルミネーションを設置すると、光がガラスに反射してキラキラ度倍増! その向こうの庭も、いつもとは少し違って特別に見えます。いずれもローボルト仕様で屋内でも屋外でも使えます。 ローボルトLEDストレート100球(シャインレモネード) 4,620円(税込)コード全長:約12m/LED部:約10m/LED色:シャインレモネード(レモンイエロー・ホワイト)/LED数:100球 ローボルト2Dツリー L 9,800円(税込)約幅80×奥行25×高さ180cm/コード全長:約5m/組み立て式/LED色:シャンパンゴールド/LED数:153球*他にS・Mサイズあり ローボルトLEDクラスター400球(シャンパンゴールド) 7,980円(税込)コード全長:約6.8m/LED色:シャンパンゴールド/LED数:400球/コード色:グリーン 白いガーデンハウスに合わせて選んだ「ローボルト2Dツリー」は、幹も枝もすべて真っ白で、まるで雪が降り積もった樹木のよう。細い梢の先の小さな灯りが美しく際立ち、静謐な冬の森の雰囲気を室内に与えてくれます。カラフルでにぎやかなクリスマスツリーも素敵ですが、大人のクリスマスを楽しみたい方には、こんなツリーがぴったり。 窓枠に沿わせた「ローボルトLEDクラスター400球(シャンパンゴールド)」も、糸を絡めたような細いコードと線香花火のようなパッと開いた光の繊細さがおしゃれ。どちらもクリスマスに限らず、インテリアとして一年中活躍してくれます。 ハロウィンの窓辺。イルミネーションがあれば季節の演出も手軽にさりげなく、おしゃれにできます。 デザイン性の高いソーラーライトで庭にストーリーを 灯りが導く先に重厚な木の扉。「その向こうには何が…」と想像力を刺激し、ワクワクさせてくれるのも原嶋さんのガーデンクラフトの魅力です。そんなストーリーを盛り上げてくれる小道具の一つが照明。「あかりクラシック パスライト(フルール)」を小道の両脇に設置し、秘密の扉(?!)へと視線を集めます。 クラシカルなデザインが庭の雰囲気にぴったり。ソーラーライトなので、日中は太陽の光で充電し、暗くなると自然に明かりがポッと灯ります。秋の庭が温かな雰囲気に。 あかりクラシックパスライト(フルール) 3,600円(税込)約幅14cm×奥行14cm×高さ53.5cm(高さは地中杭約10.8cmを含む)/LED:1球(電球色) 『不思議の国のアリス』をモチーフにした「アリス シルエットライト」。影絵のようなデザインが昼間も庭のフォーカルポイントになってくれます。暗くなると自然に明かりが灯り、スイッチ2を設定しておくと明かりの色が青、緑、黄色、赤、紫…と揺らぎながら移り変わり、アリスの物語さながらの幻想的なムードを醸し出してくれます。 アリス シルエットライト 3,400円(税込)約幅12.8×奥行12.8×高さ54.5cm/LED:イエロー(2/ON1)・RGB(3球/ON2)/ON1/ON2/OFFスイッチ付き ひらひら舞い散る雪のように、スノーフレークが青白くきらめき動くイルミネーション「ローボルトガーデンモーションプロジェクター(スノーフレーク)」を扉に投影。夜の庭に生き生きと楽しい表情が生まれます。アミューズメントパークのようなワクワク感を自宅で演出できますよ。 ローボルトガーデンモーションプロジェクター(スノーフレーク) 4,980円(税込)約幅9.1×奥行11.4×高さ10cm、コード全長:約5m、LED色ホワイト、LED数4球 光の演出で大人な ‘ナイトベランピング’を楽しもう! ところ変わって、ここはマンションのベランダです。ベランダやテラスにローテーブルやクッション、ラグマットを持ち出して、周囲に大小のライト製品を組み合わせれば、キラキラ輝く星空の下のようなベランピング空間が簡単に演出できます。頭上に、「ローボルト ストリングパーティーライト」を垂らすことで、ほのかな明かりが食卓を照らし、傍に「あかりクラシック ルミエールランタン(ブルーグレー)」(写真内左)を置けば、キャンプ気分もアップ! 季節の植物が植わるコンテナ周辺にもソーラーライトの「フェアリー メイソンジャー」や「フェアリー ストリングライト」を飾って蓄電しておきましょう。日が暮れて、自動点灯したら、さあパーティーの始まり! ローボルト ストリング パーティーライト 11,550円(税込)全長7m/LED色:電球色/LED数:10球/付属品:取り付け用S字フック12個 コンパクトに収納できるのも嬉しい大人のツリー ベランダの左右に白い枝を広げ、キラキラ光る「ローボルト2Dツリー」は、高さ150cmのMサイズと高さ120cmのSサイズを使用。ベランダのような限られたスペースにもクリスマスの雰囲気をプラスしてくれます。枝ぶりが細かいので、飾りがなくても十分存在感のあるクリスマスツリーになりますが、オーナメントを吊したり、リボンをかけるなど、シンプルだからこそアレンジも自由自在! 飽きずに長く使えます。シーズンオフにはギュッと枝を束ねれば、80×30cmとコンパクトに収納できるのも嬉しい。 ローボルト2Dツリー M 8,800円(税込)約幅60×奥行25×高さ150cm/コード全長:約5m/組み立て式/LED色:シャンパンゴールド/LED数:115球*他にL・Sサイズあり ローボルト2Dツリー S 6,600円(税込)約幅70×奥行25×高さ120cm/コード全長:約5m/組み立て式/LED色:シャンパンゴールド/LED数:99球*他にL・Mサイズあり 日暮れとともにライトON! 植物が闇に浮かび上がる 季節の草花のそばに明かりを灯せば、葉や枝が闇に浮かび上がって、昼とは違った趣に。秋の草花の花瓶のそばには、「ルミエールランタン(ブルーグレー)」を。コンテナに挿したトレリスには、S字フックで「フェアリー メイソンジャー」を3色(ゴールド、シルバー、コッパー)ランダムに配置。植物の間に「フェアリー ストリングライト 120球」の細いコードを張り巡らせば、賑やか。どちらもソーラー式なので、電源が近くにないベランダでも手軽にライトアップが楽しめます。 あかりクラシック ルミエールランタン 3,100円(税込)約幅15×奥行11.7×高さ35.5cm(高さは取っ手約10.5cmを含む)/重量0.4kg/LED色:電球色/LED数:1球/ON/OFFスイッチ付き/USB充電コード:約50cm/調光機能付き/カラーはブラック・キャメル・ブルーグレー・テラコッタの4色 フェアリー ストリングスライト120球(シャンパンゴールド) 2,100円(税込)コード全長:約7.8m/LED色:シャンパンゴールド/LED数:120球/他にフレンチMIX(ホワイト、ピンク、ブルー、グリーン)もあり/6時間タイマー付/コード色:シルバー フェアリー メイソンジャー 1,880円(税込)約幅10×奥行10×高さ25.3cm(高さは取っ手約9.3cmを含む)/重量0.6kg/LED数:20球(シャンパンゴールド)/他にゴールド、シルバー、コッパーの3色 ベランダの片隅に、ナイトおうちカフェオープン LEDの優しい明かりは、季節を問わず、一息つける夜のカフェ空間づくりにも大活躍! 例えば、ベンチの横のつる植物に「ローボルト LED クラスター400球」の明かりをまとわせ、自動点灯するソーラー式の「あかりクラシック ポストライト」をそばに置けば、ほのかな明かりに癒やされる家族の憩いの場所に。秋冬には、フルーツをたっぷり入れたホットワインでリラックスがおすすめです。 前出の「Sanae Garden」でも、ヨーロッパの街灯のようなクラシカルなデザインで庭のアクセントになっている「あかりクラシック ポストライト」は、ポールの接続数によって182cm、147cm、112cmの3段階に高さを変えることができます。写真のように低くすれば(112cm)、ベランダに置いても圧迫感がありません。また、光があることで、夜間に植物をちょっとお手入れするのにも役立ちます。 ローボルトLEDクラスター400球(シャンパンゴールド) 7,980円(税込)コード全長:約6.8m/LED色:シャンパンゴールド/LED数:400球/コード色:グリーン あかりクラシック ポストライト 22,400円(税込)約幅32×奥行32×高さ182cm/LED:1球(電球色)/6時間タイマー付き/ON/OFFスイッチ付き/高さは3段階調整可能 『不思議の国のアリス』をモチーフに、アリスの姿が浮かび上がるランプは、テーブルに置いたり、ベンチに置いたり、お気に入りの場所に手軽に移動できるランタンタイプも。昼間は影絵のようなデザインがアクセントになり、夜には、まるでキャンドルの炎のように揺らぐ温かな色合い(スイッチ1)や、青、緑、黄色、赤、紫…と移り変わる色(スイッチ2)が楽しめます。眺めているだけで時間を忘れてしまう明かりです。 アリス シルエットランタン 3,900円(税込)約幅12.8×奥行12.8×高さ21.5cm/LED:イエロー(揺らぐLED/ON1)・RGB(3球/ON2)/ON1/ON2/OFFスイッチ付き イルミネーションを含めたライト製品は、いつもの空間を手軽に楽しく、ドラマチックに変身させるアイテムです。ご紹介した製品は「青山ガーデン」で取り扱っています。豊富なラインナップが揃い、屋内でも屋外でもコーディネートは自由自在。特別サイト「ひかりのマルシェ」でも楽しみ方を提案中。おうち時間をキラキラ輝かせませんか?
-
DIY

庭のオブジェを手作りしよう! 女性でも楽にできるモルタルデコ
英国コッツウォルズにあるような蜂蜜色の不揃いの石を積み上げたような壁に、つるバラが枝を伸ばしてたわわに花を咲かせる「Sanae Garden」。ここは長年、造園・植栽の仕事とともにガーデンクラフトを手掛けてきた原嶋早苗さんの庭です。 「レンガの石積みに見えて、じつは実際に石を積んだわけではなく、土台は、発泡スチロールの一種、スタイロフォームなんです。庭のフォーカルポイントになっている花台もモルタルデコです」(原嶋さん) モルタルデコとは、スタイロフォームという建築用の断熱材を削って形を作り、そこに薄くモルタルを塗り、色づけしてレンガや擬木のように見せるガーデンクラフトです。 「スタイロフォームは、押し出し発泡ポリスチレンの商品名で、通常の発泡スチロールと違って粒子が密なんです。防水性が高くほとんど水を吸収せず、軽くて丈夫な一方、カッターなどで簡単に切ったり削ったりできて加工性もよいので、屋外使用が前提のガーデンクラフトには最適な素材なんです」(原嶋さん)。 モルタルだけを使って作ると、重量がありすぎて取り扱いも飾るのも大変ですが、原嶋さんのモルタル造形はスタイロフォームがベースになっているため、見た目の重厚感とは裏腹に、軽量で女性にも扱いやすいのが特徴です。 「石積みやテラコッタなどの風合いは、モルタルの上から塗る水性アクリル絵の具による着色で出していきます。皆さんがよく目にするテーマパークのお城やレンガの小屋も、モルタルを加工して作られているのをご存じですか? 塗料などを駆使してエイジング加工し、時代感や風合いを演出しているのですが、モルタルデコも同様に、“らしさ”を追求していきます」(原嶋さん) つまり、着色次第でどんな素材らしさも演出できてしまうのがモルタルデコの楽しさです。また、本物の石積みは費用もかかりますが、モルタルデコなら、スタイロフォームもモルタルも千円ほどで購入でき、保ちは半永久的というコストパフォーマンスの高さも見逃せません。 「それとガーデンのオブジェって、テラコッタやアイアンや石でできているものが多くて、素敵なんですけど、ちょっと位置を移動しようにも重くて、女性1人じゃ難しいものもあるんですよね。だけど、モルタルデコで大鉢や花台を作れば、ガーデンでの取り扱いも楽にできます。モルタルデコのよさは、自分のイメージ通りのものが簡単に作れて、作った後のガーデニングも楽ですし、リメイクにも向いているんです。以前、古いブロック塀をモルタルデコでプロヴァンス風にリメイクしたことがありますが、全く雰囲気が変わって素敵でしたよ」(原嶋さん) 庭の見え方は植物の組み合わせだけでなく、壁などの背景も大事。特につるバラを仕立てるときには、背景や絡ませる構造物次第で見栄えがかなり左右されますが、モルタルデコのテクニックを使えば、自分のイメージ通りの背景を自分で作り出すことができます。例えば「Sanae Garden」の壁はモルタルデコで石積み風に作り、そこにいくつかの扉をつけています。バラの花の下、扉を開けるのを想像するとワクワクしませんか? 実際には隣家との境の目隠しで、その向こうに何かがあるわけではないのですが、大切なのは、この先に何があるのかしらと思わせること。それだけで実際の庭より奥行きを生むことができます。 「モルタルデコによるミニチュアハウスは想像力の賜物です。モルタルデコのクラフト教室では、最初はボードのような簡単なものから作るのですが、皆さんはこのミニチュアハウスが作りたいんですよね。これはガーデン版のドールハウスのようなもので、中にソーラーライトを入れておくんです。これを庭に置いておくと、夕方帰った時に小さな家々に灯りがともっていて、本当に妖精が住んでいるみたいで楽しいんですよ。庭に物語が生まれるワクワク感を、ぜひ皆さんにも体感してほしいですね」
-
ガーデン&ショップ

イングリッシュガーデン旅案内【英国】注目のガーデナーが生み出す21世紀のイングリッシュガーデン「マルバリーズ・ガーデンズ」後編
オープンガーデンで大人気 今回訪れているのは、クラシカルなガーデンデザインと表情豊かな植栽で人々を魅了する、マルバリーズ・ガーデンズ。ここは個人邸の庭ですが、英国の慈善団体、ナショナル・ガーデン・スキーム(NGS)のオープンガーデンに参加していて、年に数回、一般公開が行われます。また、庭園独自の一般公開日も設けられていますが、その人気は高く、どちらの日程も発表されるなり、あっという間に予約が埋まってしまうそう。 この大人気の庭園を作り上げたのは、2010年からヘッドガーデナーを務めるマット・リースさんです。彼は、英国王立植物園キューガーデンと、英国王立園芸協会のウィズリーガーデンという、世界最高峰の2つの庭園で経験を積んだ後に、20世紀を代表する名ガーデナー、故クリストファー・ロイドの自邸、グレート・ディクスターで7年間修業したガーデナー。生前のロイドから直に庭づくりを学んだという、貴重な経験を持つ人物です。 「マルバリーズ・ガーデンズ」前編では、マットさんが一から作り上げた、セイヨウイチイの生け垣に囲まれた美しいガーデンルームの数々をご紹介していますので、ぜひご覧ください。 では、庭巡りを続けましょう。 屋敷を彩るテラスボーダー 小さなウッドランドガーデンの木々の間を抜けていくと、アーチの先は明るく開けていました。左奥に屋敷が見え、その脇に、植栽豊かなボーダーが広がっています。 「ここは、先日発売されたガーデン誌〈The English Garden(2019年7月号)〉の表紙になったんですよ。写真は早朝ですね。4月には、別のガーデン誌〈Gardens Illustrated〉でも紹介されました」 屋敷に沿って、敷石の小道と花壇が長く伸びています。石と石の隙間にも緑がのぞいて、ナチュラルな雰囲気。黄色の穂を立ち上げるエルサレムセージ(フロミス・フルティコサ)や、オレンジの花穂のエレムルス、フランネルソウ、ゲラニウム、ユーフォルビアなどが混ざり咲いて、花々の競演は、遠く、奥まで続いています。 イタリア風のレンガ造りの屋敷は、ヴィクトリア朝時代の1870年に建てられたもの。テラスガーデンの植栽が、この屋敷をより美しく見せています。屋敷を背に立つと、花壇の先に芝生があって、その向こうには、パークランド(草原)が遠くまで広がっています。 このテラスボーダーは、マットさんにとって「実験」を行う場。植物の性質を確かめたり、植物同士の組み合わせを試したり、新しいものに挑戦する場所です。たくさんの草花が混じり合う植栽を魅力的に保つためには、頻繁に植え替えを行うなど、こまめなメンテナンスが欠かせませんが、マットさんは労力を惜しみません。さすが、「世界一、忙しい庭」と呼ばれるグレート・ディクスターで修業したガーデナーさんです。 ゲラニウムにジギタリス、バーバスカム、セリンセ、オリエンタルポピー、エリンジウムなど、たくさんの植物が混じり咲くボーダー。それぞれが自由に茂り、ラフな雰囲気が心地よい楽しい一角。左側には、パーゴラがあります。 花壇の中で、オレンジがかった明るい色を添えていたのは、一重のハイブリッドティー、‘ミセス・オークリー・フィッシャー(Mrs. Oakley Fisher)’。これは、マットさんにとって大切なバラなのだそう。なぜなら、名園シシングハースト・カースル・ガーデンを作り上げた、ヴィタ・サックヴィル=ウェストから、マットさんの師匠であるクリストファー・ロイドに贈られ、その後、ロイドからマットさんに贈られたものだから。20世紀を代表する2人の偉大なガーデナーから、新時代を牽引するガーデナーの一人であるマットさんへと託されたバラは、イギリスの庭園史の流れを象徴しているかのように思えます。 マットさんは、師匠ロイドの著書だけでなく、イングリッシュガーデンの基礎を作り上げたウィリアム・ロビンソンや、ロマンチックな植栽を得意としたヴィタ・サックヴィル=ウェストが書き残した本からも、多くを学んできたそうです。 無数の植物がコレクションされたガーデンに圧倒されてしまいますが、まだ他にもガーデンがあるとのことで、次のエリアに向かいます。 対比を楽しむトピアリーメドウ 最初、車で入ってきた時に目にしたトピアリーメドウにやってきました。真っ赤なポピーの咲くメドウに、エレガントなスタイルに刈り込まれたトピアリーがいくつも立っています。赤と緑の色彩が鮮やか! メドウにはワイルドフラワーが咲きますが、時期によっては真っ白な花が咲き広がるなど、色彩が変化するようです。 「ポピーなどが咲く自然なメドウを、人工的なトピアリーと並べることで、対比の面白さを見せているガーデンです。トピアリーの形は、鳥のようにしたいと思っています」 刈り込まれたトピアリーの頂上付近をよく見ると、まだ整形されていないよう。この部分を伸ばして、鳥を形作るのでしょうか。 グレート・ディクスターにも似たスタイルのメドウガーデンがありますが、この庭は師匠のロイドに捧げるオマージュかもしれませんね。 トピアリーメドウの奥には、柵に囲われたニワトリ用のスペースがあって、キュートな小屋が建っています。じつは、これらのニワトリもガーデナーさんたちがお世話しているとのこと。この他に、ヒツジやウシも飼われています。 クラシカルな美しさ ホワイトガーデン どんどん進んでいくと、レンガ塀でぐるりと囲われた、大きなウォールドガーデンにやってきました。扉の向こうに、ホワイトガーデンが見えます。 このウォールドガーデンの中には、英国の有名なランドスケープデザイナー、トム・スチュワート=スミスが、前オーナーのために作った庭がありました。多年草を取り入れた、モダンな要素のある、個性的なデザインの庭だったそうです。 「しかし、私たちはこの場所を、例えば、ウィリアム・ロビンソンが作ったような、ナチュラルな、イングリッシュガーデンの伝統を感じるものにしたかったので、すべて作り直しました」 ウィリアム・ロビンソンは、19世紀後半に活躍した造園家。整形式庭園全盛期の、人工的な庭園が人気を博していた時代に、植物の自然な姿を生かした庭づくりを提唱し、現代に続くイングリッシュガーデンの基礎を築きました。ミックスボーダーやメドウガーデンなど、植物が思い思いに咲き乱れる、イングリッシュガーデンのナチュラルなイメージは、ロビンソンの時代に生まれたものです。 ホワイトガーデンは作り直してから6~7年経ちますが、3年程前に生け垣を足して、エリアを拡大したそうです。人の背丈以上に伸びた白花のバラや宿根草などが、奥に建つガラス温室を覆い隠すように茂っています。 ガーデンの途中に、再び水音の演出を発見。四角く組まれた石の中心から隙間へと流れ落ちる水が底で反響して、涼しげな音が周囲に響いています。 小さな噴水は、全部で4つ。景色に静かな変化を与えています。 エレガントな雰囲気のキッチンガーデン ホワイトガーデンの隣には、野菜や果物、切り花を育てるキッチンガーデンがありました。ツゲの低い生け垣に囲まれて、季節の野菜が整然と育っています。2つの白い構造物は、果樹を育てるための大きなフルーツケージ。他の庭園にあるものを参考に、マットさん自身がデザインしたものだそう。装飾性の高い白いケージときれいに刈り込まれた生け垣が、このキッチンガーデンに優美な雰囲気を与えています。 2棟のフルーツケージの中にあるのは、サクランボの木。収穫が2度できるように、早く実る木と、遅く実る木が、それぞれ1本ずつ植えられています。果実が鳥に食べられないように、ケージはぐるりとネットで囲まれています。 訪ねた時は、ちょうど、サクランボが実っていて、足元には、イチゴが広がっていました。2段ベッドのような、効率的な空間の使い方ですね。 「2010年にここをオーナーが買い、その2~3カ月後に私は雇われ、それ以来、すべての植栽やデザインを行ってきました。これまでいろいろ手を加えてきましたが、これからももっと変えていきます。プロジェクトがたくさん待っていますが、まだまだ新しい植栽法にチャレンジして、植え込みも毎年変化させていく予定です。日本は幾度か行きましたが、北海道の庭はまだ見たことがありません。クマに遭遇しないように気をつけながら、いつか行ってみたいと思っています」 マットさんは最後に、未来の庭への思いをそう話してくれました。 ホワイトガーデンとキッチンガーデンが接する地点には、向こうまでずっと続く、緑のトンネルがありました。花は終わっていましたが、キングサリのトンネルのようです。長さを尋ねてみると「80mかな」と、あまり気にしていない様子。黄金色の花が満開の頃、ここにはどんなゴージャスな景色が現れるのでしょう。 マルバリーズ・ガーデンズの庭巡りを終えて、同行した北海道上野ファームのガーデナー、上野砂由紀さんは、このように話していました。 「マルバリーズはインスタグラムで見つけたガーデンで、書籍などでも情報を得ていましたが、これが初訪問となりました。インスタでは分からなかったことも見ることができて、非常に勉強になりました。 日本では、一年草は植え替えることが定着していますが、宿根草については、一度植えたら抜いたり移動したりしてはいけない、という意識が強いですよね。(でも、ここでは宿根草も植え替えていて)イギリスに来る度、マットさんのような、果敢にチャレンジするガーデナーたちの姿を目にして、私も多くの刺激を受けます」 「帰国したらすぐに植え替えたいもののイメージも、もう頭の中にあります。よく、宿根草は植え替えちゃいけないんですか? と訊かれますが、色合わせに失敗したなとか、もう少し色を足したいな、と思う場合は、一年草でも宿根草であっても、根がダメージを受けやすいものを除いて、春や秋のタイミングで植え替えていくのは、庭にとって非常に大切なことです。マットさんも、庭の成長とともに植栽を変えていくことが、いちばん面白いことだと話していました。ガーデン雑誌でもまだ十分に紹介されていない最新のガーデン、見せていただけてよかったです」 イギリスの庭巡り、残念ながら2020年は中止となりましたが、またいつか訪れて、ガーデナーさんたちの交流によって庭が進化していく様子を、ガーデンストーリーでお伝えすることができたらと、強く願っています。
-
ガーデン&ショップ

イングリッシュガーデン旅案内【英国】注目のガーデナーが生み出す21世紀のイングリッシュガーデン「マルバリーズ・ガーデンズ」前編
緑の壁に囲まれた美しいガーデンルームの数々 ロンドンから車で西に向かい、1時間半ほど。庭園はハンプシャー州、ニューベリーの町の近くにあって、近隣には、人気のテレビドラマ『ダウントン・アビー』の撮影が行われた、ハイクレア・カースルがあります。 車が敷地内へと進み、まず目に入ってきたのは、真っ赤なポピーがトピアリーの間を埋め尽くす、鮮やかな景色! 目が釘付けになって、庭への期待がぐんと高まります。 車を降りると、ヘッドガーデナーのマット・リースさんが出迎えてくれました。マットさんは、英国王立植物園キューガーデンと、英国王立園芸協会のウィズリーガーデンという、世界最高峰の2つの庭園で経験を積み、その後、20世紀を代表する名ガーデナー、故クリストファー・ロイドの自邸、グレート・ディクスターで7年間修業し、腕を磨きました。生前のロイドから直に庭づくりを学んだという、貴重な経験を持つガーデナーです。 マルバリーズのオーナーがこの地所を購入したのは、2010年のこと。マットさんは、それからまもなくしてヘッドガーデナーを任されました。 「私がここに来た時、敷地の西の端には、以前からのウォールドキッチンガーデンがありましたが、それ以外は、サッカーグラウンドがあるだけでした。そこから、すべてのガーデンを新しくつくったのです。1年目は何もせず(といっても、観察したり、計画したりはしていたのでしょうが)、2年目以降は、そのウォールドキッチンガーデンと、少し離れたところに建つ屋敷を繋げるために、どんな庭をつくるかという課題に取り組みました」 マットさんは、オーナーとともに数々の名園を見て回り、どんな庭をつくるべきか検討を重ねました。さまざまな庭を見るうちに、目指すべき方向性が定まります。それは、「きちんと整った構造物の中で花々が豊かに咲く、イングリッシュフラワーガーデン」でした。マットさんは、オーナーの意向に沿いながら、自ら庭をデザインし、そして、セイヨウイチイの高い生け垣という「整った構造物」で囲われ、それぞれに異なるテーマを持った、魅力溢れるガーデンルームをいくつもつくり上げてきました。その「部屋」に入るたびに、玉手箱を開けるような楽しさがあります。 現在、マルバリーズの庭は、マットさんに加えて、4人の専任ガーデナーと学生さんによって維持されています。敷地の総面積は10エーカーですが、その多くは森や草原(パークランド)で占められています。マットさんが、庭園の各エリアを一緒に巡りながら、丁寧に案内してくれました。 ネプチューンに守られる水の庭 まず最初に入ったのは、コッツウォルドストーンを使った、優美なデザインの石塀に囲まれたエリアです。緑の芝生が広がり、その中央に、細長い池のような窪みが見えます。近づくと、チョロチョロと水の音が聞こえてきます。 窪みの中は細長い水路になっていました。左右から細く噴き出す水が、カーブを描きながらその中に注がれ、静かな水音が、窪みの空間に反響して聞こえてきます。 「この庭は6年前に、何もないところからつくられました。他のガーデンとは異なるスタイルで、植物の数を抑えて、構造物を生かしたウォーターガーデンとなっています。中央の長方形のスペースの下には水が流れていて、この水位を調整すると、反響する音が変わるようになっています」 「海洋の神ネプチューンの彫像と、グロット(少し窪んだ石組みの壁部分)のデザインは、2年前に追加しました。彫像は現代のもので、友人の彫刻家スティーブン・ペティファーが手掛けました」 芝生や木の葉の緑が主体の庭ですが、グロットの壁面や石塀には、‘メグ’や‘ニュー・ドーン’といったバラによって、ささやかな色が添えられています。 「庭のデザインに水を用いるアイデアは、京都に4週間滞在した時に出合った、小さな滝といった、水の音の演出から得ました。静かな空間にさらさらと水が流れる、そのサウンドに惹かれたのです」 マットさんは知日家で、京都をはじめ、日本各地を何度も訪れているそうです。 一方、細長い水路のデザインは、スペインのアルハンブラ宮殿の庭にインスピレーションを得たものだそう。 「いずれ、水辺の両側に植えた樹木は、丈高く、空を隠すくらいまで伸びて、枝葉のトンネルの中に水が流れているような景色になる予定です。これらの樹木は‘白普賢(シロフゲン)’という、日本の八重桜。アーネスト・ウィルソンが1910年に日本から輸入した桜です」 グロットの周辺には多少の色があるものの、緑を基本に構成されたシンプルな庭です。低く仕立てられた木々の下で、繊細に弧を描く水のラインが、緑に引き立ちます。それは、初めて目にする景色でした。サクラが満開の頃や、花散る頃の景色も、きっと幻想的で、美しいのだろうなと、想像が膨らみます。 いつまでも水の音に耳を傾けていたいところですが、次のエリアに進みましょう。 炎の色彩 ホットガーデン 先ほどとはテイストが変わって、こちらは植栽豊かなエリア。長方形の庭の2つの長い辺に沿って、奥行きのある花壇が伸びています。この花壇は、盛夏に向けて、トリトマ、ルピナス、ヘレニウムなど、赤やオレンジの鮮やかな色の花がどんどん咲いていくので、「炎の花壇(フレイム・ボーダー)」と呼ばれているそう。訪れたのは6月で、まだ少しおとなしい色彩でした。夏真っ盛りの様子も見てみたいものですね。 「ここは完全なミックスボーダー(混植花壇)で、樹木もあれば、灌木や宿根草、一年草もあります。そして、このポピーのように、勝手にこぼれ種で生えてくるものもあって、それらも生かしています。花壇を目にした時に面白いと思ってもらえるように、隣り合う植物が対照的な姿になるように計算して。例えば、尖った葉の横には丸い葉を、というように。形も色も対比させて、楽しめるようにしています」 「花壇の植物はどんどん育っていきますから、全体的なバランスが悪くならないように刈り込んでいます。また、花が咲き終わったら、スポットごとに次のシーズンの花へと変えていきます。例えば、ここには4月はチューリップが植わっていましたが、6月の今はルピナスがあって、次はダリアとなります。植え替えをする時は、宿根草でも多年草でも、完全に抜いてしまいます。抜いたものは、株分けすることもあれば、捨ててしまうこともあります」 銅や紫、ライムグリーン、赤……。色や形のさまざまな植物が隣り合って、生き生きと茂っています。 さて、先を見ると、小道が別の庭へと続いていて、奥のほうに置かれた彫像が見えます。 振り返ると、先ほどのウォーターガーデンから通ってきた小径があって、奥にネプチューン像が見えます。 左を見ると、遠くに可愛らしいニワトリ小屋が。 そして、右を見ると、これから向かう、池のある庭があります。 このホットガーデンは、いわば、十字の交差点の上に置かれている庭。四方向に小道が伸びて、それぞれ別の庭へと繋がっています。背の高い生け垣で囲われている庭ですが、四方向にある開口部は遠くまで視線が抜けて、メリハリのあるデザインとなっています。 水面を楽しむポンドガーデン さて、ホットガーデンから次の庭へ進むと、静かな水面が広がっていました。大きな長方形の池のある、ポンドガーデンです。 「ここも、大きなカシノキ以外は何もない、まっさらな場所でした。この庭の見どころは、池の水に映る影。水面に映り込む、周囲の植物の姿を楽しむ庭です」 池は四方を豊かな植栽で囲まれていて、その変化に富む植栽が水面に映ります。風がなく、艶やかな水面に映る草木のシルエット。ガーデンには静けさが漂います。 池の畔では、水の妖精、ニンフが水面を見つめていました。 さて、ぐるりと池を一周したら、隣のエリアへ向かいましょう。 オーナー夫人好みのクールガーデン 「ここは、清涼感のある寒色でまとめた、クールカラーガーデンです。オーナーは暖色(ホットカラー)が好きで、夫人は寒色(クールカラー)が好き。そういうわけで、先ほど見ていただいたホットガーデンと、このクールガーデンがつくられました」 「ここの花壇も、先ほどと同じように、樹木、灌木、宿根草などが混じり合った、ミックスボーダーです。また、ここでも、このルピナスが終わったら、次はサルビアという風に、植物を植え替えています」。 マットさんは、植え替えの労力を惜しまず、ベストの状態の美しい花壇を保とうとします。その姿勢は、おそらくグレート・ディスクター仕込みでしょう。師匠のクリストファー・ロイドも、美しい植栽を求めて頻繁に植え替え、「実験」を繰り返した人物でした。 株全体が青く染まるエリンジウムやサルビア、ゲラニウム、アリウムなどが青紫の色を添え、優しいトーンでまとまっていました。その他に、この庭では、アイリスやカンパニュラ、デルフィニウム、フロックス、アザミ、ワレモコウの仲間、カラマツソウの仲間などが使われています。 「花壇には、日本のカエデ ‘獅子頭(シシガシラ)’も植わっています。秋になるときれいに色づきますよ」。 心穏やかに、一つ一つの植物をじっくり眺めていたいエリアです。 太古の森のようなスタンプリー 砂利道をしばらく行くと、巨木が葉を伸ばし、濃い影を落としています。小さなウッドランドガーデンへと入っていきます。 進んでいくと、木の切り株がワイルドな雰囲気を醸し出す、スタンプリーがありました。スタンプリーとは、19世紀のヴィクトリア朝時代に生まれた庭園スタイル。切り株(スタンプ)を置いた、いわば「切り株園」で、プラントハンターによって英国に持ち込まれた、シダ類を栽培するのに適していました。 「この切り株には苔が生えていますが、これは屋久島のイメージです」 屋久島まで足を伸ばしたことがあるという、マットさん。ここは、イギリスにいながら、遠い日本での旅の記憶が蘇える場所なのかもしれませんね。このスタンプリーがつくられ始めたのは2015年ですが、もう苔が広がって、太古の森のような、長い時間が経過した雰囲気があります。苔がきれいに生えているのは、ミストシャワーが設置されていて、湿度が適度に保たれているからなのでしょう。 幹や根が折れていたり、曲がっていたり。そのワイルドなフォルムに、クサソテツやシダなどの緑が着生して、エキゾチックなイメージです。シダの中には、マットさん自身がヒマラヤで採取した、貴重なものもあるそうです。 さらに進むと、なんと大きな白い花でしょう。おばけモクレン? 「葉っぱの裏がビロードみたいに美しいね。ホオノキの仲間だよ、ほら見てごらんよ」と、マットさんが木を引き寄せたら、花茎が折れてしまいました。 同行していた、北海道・上野ファームのガーデナー、上野砂由紀さんのお顔より大きな花! 「すごいおっきいね!」日本にはない植物に、庭散策は盛り上がりました。 *『マルバリーズ・ガーデンズ』後編に続きます。
-
一年草

カラフルな花を楽しもう! サルビアの特徴・花言葉・育て方をご紹介
サルビアとは サルビアは、シソ科サルビア属(アキギリ属)の非耐寒性多年草で、原産地は南米など。本来は多年草ですが、寒さに弱く、日本の厳しい冬を乗り越えられないので、国内では一年草として扱われています。セージとも呼ばれ、その種類は900種以上に及び、ハーブや観賞用として利用されるものなど、じつに多様です。それら全てをご紹介するとなると紙幅が尽きるので、ここでは日本で観賞用の園芸種として広く普及しているサルビアに絞ってご紹介していきます。日本で主に流通しているのは、赤花で最もポピュラーなスプレンデンス、ブルーサルビアの名称で知られるファリナセア、長い穂状の花が咲き続けるコクシネアなどです。 名前の由来 サルビアの名前は、ラテン語で「健康でよい状態」という意味の「salvas(サルバス)」が由来となっています。それというのも、サルビアにはヘビの噛み傷に効くなど、さまざまな薬効があるとされ、ローマ時代から一部のサルビアが薬草として用いられてきたからです。現在、日本ではサルビアとセージの名前が入り混じって、どうにもややこしくなっていますね。それは「salvas」がフランスに渡って「sauge(ソージュ)」と呼ばれるようになり、さらにイギリスに伝えられると「sage(セージ)」の名で普及したため。国によって名前が異なっているものの同じ植物で、日本では種類によってサルビアと呼ばれたり、セージとして利用されたりしています。 どんな花を咲かせる? サルビア・スプレンデンスは、赤が最もポピュラーですが、園芸品種が多く、オレンジ、ピンク、紫、白など多様です。花穂が立ち、下から順に咲き上がっていきます。 ブルーサルビアの名前で親しまれているサルビア・ファリナセアは、ラベンダーに似た青い花穂を多数つける姿が魅力。白花や2色咲きの品種もあります。 トロピカルセージとも呼ばれるサルビア・コクシネアは、花色に赤、ピンク、白などがあります。やや長めの穂を上げて咲き、開花期間が長いのが特徴です。 サルビアの花言葉 サルビア全般の花言葉は、「尊敬」「知恵」「良い家庭」「家族愛」など。サルビアの一部は、古くから薬用として利用されてきたことから、使いこなせる人を思い浮かべて「知恵」や「尊敬」という言葉を重ねたのかもしれません。「良い家庭」「家族愛」はサルビアを手元に置くことで、体調不良時やケガへの備えとなることからでしょうか。 それぞれの花色に限定した花言葉としては、赤花はその情熱的な花姿のイメージから「燃える思い」、青や紫の花は「尊敬」「永遠にあなたのもの」などです。 サルビアの見頃はいつ? サルビアの開花期は6〜11月です。開花期が初夏から晩秋までと長いのが特徴で、花が少なくなりがちな真夏も元気に乗り切ってくれます。昼夜の気温差が大きくなる秋には、花色が深く冴え冴えとし始め、その表情の変化も楽しめます。真夏に草姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまで切り戻してもOK。再び茎葉を伸ばして、秋に充実した花姿を見せてくれます。 サルビアは幻覚を見せる? 数あるサルビアの種類の中には、幻覚作用を持つものも含まれていることをご存じでしょうか? メキシコ原産種の中には、標高300〜1,800mの限られた地域で生育する「幻覚性サルビア」(Salvia divinorum)と呼ばれる種類があります。これには人間の脳の中枢に働きかける「サルビノリン・A」という成分が含まれており、摂取すると浮遊感、幻聴、めまいなどの症状が現れ、幻覚を見せる作用があるそうです。メキシコの先住民は、このサルビアを宗教的儀式に使用していたとされています。ただし、日本で一般にホームセンターや花苗店で出回っている園芸用サルビア品種には、このような成分が含まれているものはないので、安心してくださいね。 サルビアの育て方 これまで、サルビアの特性や魅力について触れてきました。では、ここからは育て方の実践編です。ビギナーでも分かりやすいように、庭植え・鉢植えの管理の仕方について、詳しく解説していきます。 栽培環境 日当たりがよく、風通しのよい場所を好み、水はけ・水もちのよい、ふかふかとした土壌でよく育ちます。弱酸性で有機質肥料を施した肥沃な土壌が理想です。 生育適温は15〜25℃。暑さに強い一方で、寒さに弱い性質です。本来は多年草ですが、日本ではうまく冬越しできないために、一年草として扱われています。ただし、霜や凍結にあわない5℃以上の環境であれば冬越しが可能です。気に入った品種があれば、抜き取って処分せずに草丈の半分くらいまで切り戻して鉢に植え替え、日当たりのよいベランダの軒下や、室内の日当たりのよい窓辺などで管理してみましょう。翌春の成長期を迎えると、再び生育し始めます。 土づくり 【庭植え】 サルビアは丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付け前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。 【鉢植え】 草花の栽培用にブレンドされた、市販の園芸用培養土を使うと便利です。 種まき コンテナやハンギングバスケットに寄せ植えとして少し植える程度なら、花苗店で苗を購入するのがおすすめですが、広い敷地にたくさん植えたい場合は、種まきからスタートすると経済的です。 種まきの適期は、4月下旬〜6月中旬。サルビアの発芽適温は20〜25℃と高温性なので、十分気温が上がった頃に行うと失敗が少なくなります。まず、種まき用のトレイに、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。サルビアのタネを条まきか、ばらまきにし、培養土を厚み5mmくらいかけて軽く押さえます。最後に霧吹きで水やりしましょう。種まきから10日前後すると発芽します。 発芽後は日当たりのよい場所で管理。込んでいる場所があれば、苗が徒長しないように間引きます。本葉が出始めた頃に、一度液肥を少量混ぜて水やりをし、生育を促しましょう。 本葉が2〜4枚ついたら、鉢上げのタイミングです。直径6cmの黒ポットを準備し、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。種まき用のトレイから苗の根鉢を崩さないように取り出して、ポットに植え付けます。緩効性肥料を置き肥し、最後にたっぷり水やりを。その後は、1週間に1度を目安に液肥を施して育苗します。 植え付け サルビアの苗の植え付け適期は、6月中旬〜7月中旬です。タネから育てている場合は、鉢上げした黒ポットの底まで根が回った頃が、定植に適したタイミングです。花苗店で苗を購入した場合は、早めに定植しましょう。 【庭植え】 腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入して土づくりをしておいた場所に、植え付けます。草丈が20〜30cmのスプレンデンスなどは、株間を約25cm取り、ファリナセアやコクシネアなど80〜150cmに及ぶ種類は、30cm以上は取りましょう。植え付け後は、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。鉢の大きさは、5〜7号鉢に1株を目安にするとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。サルビアの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 水やり 【庭植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。真夏は朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、涼しい時間帯に行うことが大切です。 肥料 ビギナーの場合、緩効性化成肥料を常備しておくのがおすすめです。植物への汎用性が高く、ニオイがしないため扱いやすいのがメリット。開花期に与える液肥は、開花促進を目的とした配合の製品を選ぶのがおすすめです。 庭植え、鉢植えともに、5〜7月と9月〜11月中旬の期間は、定期的に緩効性化成肥料を株の周囲にまいて株の勢いを保ちます。鉢植えの場合は、花茎が上がってきた頃から開花が終わるまで、10日に1度を目安に液肥を与えるとよいでしょう。夏の高温期に肥料成分が残ると株が弱ることがあるので、夏は肥料を切らして管理するのがポイントです。 病害虫 成長期には、アブラムシやヨトウムシがつきやすくなります。早期の対策が大切で、定植する際に土中に混ぜる粒剤タイプの薬剤を使うと効果的です。用法・用量を守って使うようにしましょう。また、真夏の乾燥期はハダニが発生しやすくなります。乾燥が続く時は、葉裏など全体に水を噴霧して防除するとよいでしょう。雑草が繁茂していたり、花がらや枯れ葉をそのまま放置したりしていると、病害虫が発生しやすくなります。こまめにメンテナンスをして、株まわりを清潔に保ちましょう。また、成長とともに茎葉が茂って込み合いすぎると、風通しが悪くなって病害虫が発生しやすくなるので、適宜枝葉を間引いてスマートな姿を保つことも予防のポイントです。 きちんとメンテナンスをしていれば、病気が発生する心配はほとんどありません。 増やし方 サルビアは、挿し芽で増やすことが可能です。挿し芽の適期は6月か9月。勢いのある茎葉を切り取り、清潔な挿し木用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した茎葉(挿し穂)を挿しておきます。摘心したり、切り戻す際に切り取った茎葉を使ってもOKです。水切れしないように管理すると、しばらくして発根するので、黒ポットなどに植え替えて育苗しましょう。株が大きくなったら、植えたい場所に定植します。挿し芽のメリットは、採取した株のクローンになることです。 タネを採取して保存しておき、翌シーズンに種まきして増やすこともできます。ただし、タネをつけると株が消耗して次々と花を咲かせなくなるので、開花期前半は花がら摘みをして長く楽しみ、そろそろ終わりを迎える頃に花がら摘みをやめて、タネをつけさせるとよいでしょう。種がはじける頃に莢ごと採取して、よく乾燥させてからタネを取り出します。密封容器に入れて、花名と採取した日を書き入れたラベルをつけ、次の種まきシーズンまで冷暗所で保存しましょう。 サルビアの寄せ植えを楽しもう! ここまで、サルビアの特性や育て方について、細かく解説してきました。サルビアの魅力について分かっていただけたでしょうか? 花色や花姿の豊富さが魅力のサルビアは、夏の暑さに強く、初心者でも簡単に育てられる草花です。さまざまな種類のサルビアを組み合わせて、初夏から秋まで長く楽しめる寄せ植えを作ってみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
果樹

たくさんの栄養素が含まれるキウイフルーツの育て方とは?
キウイフルーツとは? キウイフルーツは、マタタビ科マタタビ属のつる性落葉樹で、原産地は中国南部です。暑さに強い性質で、真夏もぐんぐんつるを伸ばして生育します。一方で寒さがやや苦手で、栽培の北限は関東北部から東北南部です。雌雄異株の植物のため、果実を実らせるには、雄木と雌木を植える必要があります。 一年のライフサイクルは、以下の通りです。3月頃から新芽を出し、5月中旬〜6月中旬に開花。旺盛に枝葉を伸ばし、夏には涼しい緑陰をもたらします。10月中旬〜11月中旬に果実を収穫でき、11月下旬には落葉。12〜2月に休眠します。一年を通して表情を変えていくため、季節の移ろいを強く感じさせてくれる果樹といえるでしょう。 キウイフルーツの樹高は約1.5m、株張りは3mほど。つる植物のため、家庭で栽培するなら広めの棚仕立てにするとよいでしょう。棚は2mくらいの高さで、3〜4m四方ほどを用意。つるや果実の荷重がかかるので、しっかりと支える丈夫な資材を用いて設置します。雌木は棚に仕立てて、枝葉をたっぷりと伸ばしましょう。雄木は授粉樹として開花させるのが目的となるので、コンパクトに仕立てても構いません。鉢栽培にしてもOKです。 キウイフルーツの果実は、果実の色みで青系と黄色系に分類することができます。青系より黄色系のほうが実つきがよいようです。また、青系は黄色系に比べて花が遅い傾向にあります。雄木と雌木のカップルは、受粉が順調に進むように開花期が揃う品種同士を選ぶとよいでしょう。 キウイフルーツの歴史 キウイフルーツの原種は、中国のサルナシだといわれています。サルナシは日本にも古くから自生してきた馴染み深いつる植物で、果実は2〜3cmくらいのミニサイズ。果皮はキウイフルーツのように毛で覆われておらず、つるんとした緑色ですが、味も果肉もキウイフルーツにそっくりです。 このサルナシがニュージーランドに渡り、20世紀初頭に品種改良されてキウイフルーツが生まれました。キウイフルーツという名称は、ニュージーランドからアメリカへ輸出されるにあたって、国のシンボルとなっている鳥のキウイから名づけられたといいます。今や人気のフルーツとして、全世界に普及しています。 キウイフルーツに含まれる栄養素 キウイフルーツには、多様な栄養素が含まれています。まず、ビタミンCの含有量はミカンのおよそ22。風邪予防や疲労回復などに効果があります。食物繊維も豊富で、青系のキウイはバナナの3本分の含有量があるとされ、腸内環境を整える効果が。抗酸化作用のあるビタミンEはリンゴのおよそ7倍。血行を促す働きもあるとされています。ほかにも塩分の排出を促す効果のあるカリウム、細胞に働き、造血ビタミンともいわれる葉酸、抗酸化作用のあるポリフェノールなども多く含まれ、大変栄養価の高いフルーツです。 また、キウイフルーツの属名「Actinidia」から名づけられたアクチニジンはタンパク質の分解酵素で、キウイフルーツに多く含まれる成分。魚や肉を食べた後、消化促進や小腸への吸収率をアップさせる効果が期待できます。キウイフルーツは、食後のデザートとしてぴったりのフルーツなのです! 代表的なキウイフルーツの品種 キウイは人気のフルーツだけに、品種改良は日進月歩で進んでいます。その中から青果店で人気の高い品種はフルーツ業界にお任せするとして、ここではガーデニング用の苗として出回っている、入手しやすい品種をピックアップ。雄木と雌木のおすすめペアをご紹介します。 雌木の‘ヘイワード’はキウイフルーツの代名詞ともいえるもので、病気に強い品種。パートナーには、雄木の‘トムリ’がおすすめです。雌木の‘ゴールデンイエロー’は糖度が高く適度に酸味が乗って濃厚な味わいが魅力。果実は大きめで1本に100個ほど実ります。雄木には‘孫悟空’または‘ロッキー’と相性が抜群です。‘レインボーレッド’はやや小玉で種子の周辺が赤くなる果実が特徴。甘みが強く、酸味が少なく香りがよくてジューシー。開花期が早いので、ペアには極早生の雄木を選びましょう。‘ミンキーゴールド’は3〜4cmの小さな果実が多数実ります。つるが伸びすぎずに節間も短いため、鉢栽培などでコンパクトに仕立てることができる品種です。雄木には‘ミンキーメール’が向いています。 キウイフルーツの育て方 キウイフルーツは樹勢が強く、病害虫もつきにくい果樹です。放任しても丈夫に育つので、ビギナーにおすすめ。なんといっても、秋には豊かな実りをもたらしてくれ、収穫の喜びを味わえるのもいいですね。ここでは、植え付けから日頃の管理、収穫、追熟の仕方まで、詳しく解説していきます。 栽培環境 キウイフルーツの栽培にあたっては、日当たりがよく、風通しのよい環境を選びましょう。水はけのよい土壌でよく育ち、土壌酸度は微酸性から中性付近がよいとされています。 キウイフルーツは雌雄異株の果樹です。収穫には、必ず開花期が近い雌花と雄花の両方を植え付ける必要があります。また、旺盛につるを伸ばして生育するので、つるを誘引するための棚を設けておきましょう。雌株を棚仕立てにして枝葉を広げて育成します。雄株には果実が実らず、花を咲かせて授粉を促すのが役割なので、近くに植えて行燈仕立てにし、コンパクトに仕立ててもかまいません。 土づくり 【庭植え】 苗を植え付ける1カ月前の10月下旬頃に、土づくりをしておきます。100cm四方、深さ40〜50cmの植え穴を掘り、掘り上げた土に苦土石灰約200g、熔リン約200gと土壌の状態に合わせた適応する堆肥をよく混ぜ込みます。植え穴に戻して、少し高めに盛り上げておきましょう。1カ月ほどで分解が進んで土が熟し、植え付けに適した土壌になります。 【鉢植え】 果樹栽培用にブレンドされた、市販の園芸用培養土を利用すると便利です。 植え付け 【庭植え】 植え付けの適期は、11月下旬〜12月中旬です。土づくりをしておいた場所に、入手した苗の根鉢より一回り大きな植え穴を掘ります。植え穴に根を広げて苗を入れ、根の間にも土を入れて密着させますが、深植えにならないようにしましょう。最後にたっぷりと水やりをします。 【鉢植え】 8号鉢を用意します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから果樹用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出るまで、十分に水を与えましょう。 水やり 【庭植え】 地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、乾燥には弱いので、梅雨明け以降から収穫期までは、日照りが続く場合は水やりをして補いましょう。大きな葉が朝露を持たない時や、新梢が垂れ下がっている場合は、水を欲しがっているサインです。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がってすぐお湯になってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。新梢がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって木が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。 追肥 【庭植え】 7月、9月、11月に堆肥などの有機質肥料と緩効性肥料を株の周囲にまき、土壌にすき込んでなじませます。 【鉢植え】 2月下旬〜6月中旬に、木の状態を見て勢いがないようであれば、適宜緩効性肥料を施します。9月下旬〜10月中旬に、有機質の固形肥料を与えます。 人工授粉 風や昆虫によって自然に受粉しますが、人工授粉を行うと確実です。開花直後の雄花から花粉を採取し、やわらかい筆などにとって雌花の柱頭につけていくとよいでしょう。 摘果 品種によって異なりますが、たくさん実がつきすぎているようなら、葉4〜5枚につき1個の結実を目安に、摘果します。ほかよりも小さい実や、形が悪い実を選んで摘み取りましょう。 収穫 10月下旬〜11月に実が充実してきたら、ハサミで切り取ります。果皮に傷をつけると長く保存できなくなるので、取り扱いに注意しましょう。 追熟の仕方と食べ頃 キウイフルーツは収穫したてを味わうフルーツではなく、しばらく置いて追熟させることが必要です。デンプンを多く含む果実なので、リンゴなどエチレンを発するフルーツと一緒に置いておくと、デンプンが糖へと分解され、甘みが増します。リンゴやバナナなどと一緒に、密閉できる袋に入れて20日くらい置いておくと、糖度が増して食べ頃になりますよ! 長期保存しておきたい場合は、冷蔵庫などに入れておき、必要な時に室温で追熟させて食べるとよいでしょう。 ふっくらとして弾力があり、少し柔らかくなってきたら食べ頃。押さえて確認する場合は、真ん中あたりの腹の部分ではなく、頂部と下部の軸を挟むようにしましょう。 病害虫対策 病害虫の心配はほとんどありません。一般家庭では、無農薬で栽培できます。 仕立て方 【庭植え】 キウイフルーツはつる性植物のため、庭植えの場合は棚仕立てにしましょう。一年生苗の場合は、植え付け直後に地際から50〜60cmの高さで切り取って摘芯し、仮支柱を立てて主枝を誘引します。主枝が棚の天井部まで達したら仮支柱をはずして棚上に主枝を出し、90度曲げて棚の頂部に誘引していきます。主枝を棚で屈曲させた部分の葉腋から、副梢が発生するので、これを第2主枝として育成し、主枝とは反対方向へ棚上で一直線に誘引していきましょう。棚の下から発生する枝があれば、すべて元から切り取ります。主枝・第2主枝からは、さらに新しい枝が出てきます。枝が伸びるごとに棚に仕立てて、やがて棚全体を覆うようにします。込んでいる場所があれば、枝を元から切り取って透かし、風通しよく管理しましょう。 【鉢植え】 一年生苗の場合は、植え付け直後に地際から30cmの高さで切り取って摘芯し、仮支柱を1本立てて誘引します。その年の5〜6月に、伸びた新梢の先端を切り取って摘芯しましょう。翌年(栽培2年目)の3月頃に仮支柱を撤去し、鉢にリング支柱を設置して、芽吹く前の枝を支柱に沿わせてあんどん仕立てにします。以降は、伸びる枝葉をバランスよく支柱に誘引して育成していきましょう。 剪定 キウイフルーツは樹勢が強く、徒長枝は年に5〜6mも伸びることがあります。放任すると棚がつるで覆い尽くされてジャングルのようになってしまうことも。基本的には、棚面から地面に木漏れ日が落ち、晴れたら土壌が乾くくらいの光量を保つことを目安にするとよいでしょう。剪定の適期は1〜2月頃です。枝の先端を切り戻す剪定を中心にします。ただし、古い枝があれば元から切り取って若い枝に切りかえ、不要な徒長枝も元から切り取りましょう。込み合っている部分も光量や風通しを保つために、間引き剪定をして全体のバランスを取ります。 増やし方 挿し木で増やせます。挿し木の適期は6月頃です。勢いのある枝を選んで切り取ります。園芸用培養土を育苗トレイなどに入れて、採取した枝葉を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理を。発根したら黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 キウイを家庭菜園で育ててみよう キウイフルーツの特性や魅力、育て方まで幅広くご紹介してきました。「キウイフルーツってどんな植物?」とあまり馴染みのなかった方には、理解が深まったのではないでしょうか。収穫できる植物が庭にあると、家族の会話のきっかけにもなり、何より美味しく味わえて、暮らしを豊かにしてくれます。生食にして美味しく、タルトやケーキの飾りにも活躍するキウイフルーツを、ぜひ自宅で育ててみてはいかがでしょう。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/1) Mattis Kaminer 2) Oksana_Konotop 3) hal pand 4) Ana Brettas 5) itaci 6) T.Kai 7) wavebreakmedia 8) noranoranamona 9) Akin Ozcan 10) 1New Africa 11) DGSHUT 12) Srdjan Delic 13) Climber 1959 14) Pavlo Baliukh 15) Andrea Ravasio 16) Tienuskin 17) Emmily 18) Filippo Cogotti /shutterstock.com 参考文献: 『決定版 はじめてでも簡単 おいしい家庭果樹づくり』 著者/大森直樹 発行/講談社 2010年11月28日第1刷発行 『はなとやさい』2015年9月号/タキイ種苗
-
ガーデン&ショップ

イングリッシュガーデン旅案内【英国】「グレイブタイ・マナー」〈後編〉イングリッシュガーデンの源流を訪ねる
緑の丘に広がるワイルドガーデン ロンドンから南へ50km。ウェスト・サセックス州の美しい田園風景に囲まれたグレイブタイ・マナーは、現在は高級カントリーサイドホテル、そして、ミシュランガイドの一つ星を獲得したレストランとして知られています。屋敷の周りに広がる35エーカー(約14万㎡)のガーデンは、宿泊かレストランのゲストのみ見学ができます。 ウィリアム・ロビンソンについては、『グレイブタイ・マナー』前編にて詳しくお話しているので、ぜひご覧ください。この後編では、屋敷の周りに広がるガーデンを散策していきます。歴史的なキッチンガーデンで採れる食材を使った、美しいお料理もご紹介しますよ。 それでは、ガーデンツアーを始めましょう。16世紀の屋敷は南を向いた丘の斜面にあって、屋敷前には、芝生と花壇からなるフラワーガーデンがあります。その外周には、屋敷を囲むようにメドウと果樹園が広がっていて、そして、丘のてっぺんに、大きなキッチンガーデンが待っています。 グレイブタイのヘッドガーデナーを務めるのは、名園グレート・ディクスターで腕を磨いた、トム・カワードです。彼は、園芸史に名を残す文化遺産、グレイブタイの管理者として、「ロビンソンにも満足してもらえるような」進歩的な庭づくりを行っています。 屋敷を囲む塀の外側には、赤いポピーやヤグルマギク、フランネルソウ、バーバスカムなどが植わっています。後ろのほうには、丈高いアーティチョークや黄花のディルなどがあって、ダイナミックな、動きのある植栽です。このような、宿根草や灌木などいろいろな種類の植物が混在するミックスボーダーのスタイルを生み出し、一般に広めたのも、ロビンソンです。 ここがメドウガーデンの始まり 塀を背に南側を向くと、眼下にメドウが広がり、その先には湖と森が見えます。100年以上前のこと、ロビンソンは周辺の森や牧草地、1,000エーカー(約4㎢)を所有していました。現在、その土地は慈善団体によって管理されていますが、おそらく、ここに見える草原や森までも彼のものだったのでしょう。 ロビンソンは、森のはずれや森の中の空き地、牧草地や湖の周りに、耐寒性のある外来種の球根花や植物を植え、それらを帰化(野生化)させて、イギリスの在来種と一緒に、自然で美しい景色を作ることを試みました。彼が「ワイルドガーデン」と名付けた庭づくりで、それは当時の園芸に対立する、全く新しい概念のガーデニング法でした。ロビンソンは、この湖の周りにも、イベリア半島原産の小さなスイセンを10万球植えたと伝えられますが、春になると、それらは今も咲くのでしょうか。 こちらは、もう少し丘を上った、果樹園の区画に広がるメドウです。これらのメドウは、グレイブタイのワイルドガーデンを形作る、最も大切な要素です。ロビンソンの著書を参考に植栽が考えられ、2月のスノードロップとクロッカスから始まり、3月は黄色いラッパズイセンと青いシラー、4月は野生種のチューリップや北米原産のカマシア、その他の球根花が花開いて、5月になると、イギリスの野生の花々が夏の終わりまで咲き続けます。私たちが訪れた2019年6月は、ワイルドフラワーが咲く景色でしたが、春の球根花の群生も見てみたいものですね。 フラワーガーデンの西の端にある小道から、遠くに屋敷と芝生が見えました。 上ってきた道を振り返ると、左手に、先ほど立っていた、パーゴラの連なる小道が見えます。ロビンソンはその昔、パーゴラに日本原産のフジや、クレマチスを絡めていました。それに倣って、現在、このパーゴラにもフジを這わせています。春になると、頭上から白い花房が垂れ下がり、両脇にブルーのアイリスと紫のアリウムが咲くという、夢のように美しい取り合わせが見られるそうです。 こちらは果樹園のメドウ。広さ2エーカー(約8,000㎡)の区画には、リンゴを中心とする果樹が点在しています。100年以上前にロビンソンが植えた第1世代の木々は、1987年の大嵐でほぼ倒されてしまい、今ある果樹は、1980年代に植えられた第2世代と、現在のオーナーによって2011年に植えられた第3世代の50本だそう。歴史を感じますね。果実はレストランの料理に使われるほか、ジュースにして保存され、ホテルの朝食で提供されます。 丘の中腹に、バラの絡まる、石塀で囲われたベンチがありました。ひと休みできるこのスポットは、そのうちバラで覆われるのでしょう。もう少し丘を上ると、ガラスの温室がいくつか見えてきました。 背の低い温室はコールドフレーム(冷床)と呼ばれる、苗を寒さから守るものです。苗を保管するバックヤードもおしゃれな雰囲気。 中で育てているのはハーブでしょうか。ガラス屋根をずらして通気できるようになっています。 背の高いほうの温室は、ちょっとレトロな雰囲気です。出番を待つ苗が並んでいます。 その先にあるのは、ピーチハウス。桃専用の温室のようで、実がなっているのが見えます。桃を露地で育てるにはきっと涼しすぎるのですね。 広い敷地の中を、パブリック・フットパスが通っていました。パブリック・フットパスとは、イギリスの丘や川辺、牧場などを抜ける公共の遊歩道のことで、このように私有地を通っている場合もあります。私有地は勝手に入ることができませんが、遊歩道上なら歩いてもよいことになっています。こんな美しい緑の中で、ゆっくりウォーキングを楽しんでみたいですね。 丘の上のキッチンガーデン さて、さらに上へ登ると、石塀に囲まれたキッチンガーデンのゲートが見えてきました。ウィリアム・ロビンソンが1898年に建設を始めたというキッチンガーデンです。 これまで英国の庭をいくつか見てきましたが、その中でも最大級のキッチンガーデン! 広さは堂々の1エーカー半(約6,000㎡)。丘のてっぺんの、南向き斜面につくられています。 地面に立っているとよくわかりませんが、上空から撮った写真を見ると、このキッチンガーデンは木の葉のような楕円形という、とても珍しい形をしています。通路は、中央を貫く通路が一本と、そこから左右に枝分かれして、ぐるりと一周できる大きな楕円の通路があって、それらの通路と、野菜の植わる畝の線が、まるで葉脈のように見えます。ロビンソンが木の葉をイメージしたかどうかはわかりませんが、緑の丘に抱かれるようにつくられた菜園に、四角が似合わないと思ったことは確かでしょう。 石塀には、地元サセックス州で切り出された砂岩が使われていますが、当時、この石塀を建ててガーデンを完成させるのに、3年を要したそうです。斜面に建てられているので、階段状の塀になっています。 イギリスの大きなお屋敷では、かつてこのようなキッチンガーデンが必ずあって、屋敷で消費される食料をまかなっていました。しかし、当時の菜園で、今も実際に使われているものはあまりありません。100年前と同じように、同じ手法を用いて作物を収穫できているのは特別なことだと、ヘッドガーデナーのトムは言います。昔ながらの方法でこのキッチンガーデンを使い続けることも、保全活動の大切な一部です。 2012年に、キッチンガーデンの大規模な修復作業が行われて、通路などがきれいに手入れされました。 エスパリエ仕立ての果樹と、菜園には、ハーブや切り花用の花も植わっています。 石塀に誘引されているのはレッドカラントでしょうか。ここでは四季を通じて収穫があり、それらはすべて、レストランの料理に使われます。まさに採れたての鮮度と、風味豊かな食材の魅力を存分に生かすべく、料理は考えられています。野菜などの栽培計画は、レストランのシェフとヘッドガーデナーが話し合って決めていて、シェフも毎日ここに足を運ぶそうです。 この壺のようなものは、ルバーブの遮光栽培をするための、ルバーブ・フォーサーでしょう。使いこまれているので、古いものかもしれませんね。果樹は鳥よけのケージの中に植えられています。 果樹のエスパリエ仕立てには、省スペースや日光を効率よく浴びるといった実用的な側面もありますが、古い石塀を背に枝を広げる姿はただ美しいものですね。さて、キッチンガーデン散策はこれで終わりです。 ゲートを出て、鬱蒼とした木々の間の小道を進むと… 一転して、開けた場所に出ました。丁寧に芝刈りが行われている、クロッケー用の芝生です。ここでは、バドミントンやショートテニスを楽しむほか、読書をしてゆっくり過ごしてもよいとのこと。静けさの漂うクリーンな空間は、ワイルドガーデンとコントラストをなす、ガーデンデザインの上でも大切な要素です。 屋敷周りのフラワーガーデン そのまま進むと、屋敷を見下ろす場所に出ました。見晴らしがよく、遠くまで見渡せます。 屋敷に続く石段を下りていきます。階段脇にもいろんな草花が植わっていて、楽しい! 階段を降りると、突然、古い建物に挟まれる形で、現代的なガラス張りの増築部分が出現しました。レストランに使われている新しい区画で、とってもおしゃれ。 この増築部分を設計した建築家は、30年にわたってレストランの常連客だったそう。だからこそ、素敵な庭のことがよくわかっていて、庭を存分に味わえるように考えたのでしょう。 レストラン脇の斜面は、グラス類やルピナスを使った、他の区画よりモダンで軽やかな印象の植栽。レストランのガラスや新しい白い敷石のテラスによくマッチしています。 レストランのテラスからは、昔からの敷石の小道が続いていて、途中にパラソルのあるテーブル席が用意されています。 庭で草花に囲まれながら、お茶や飲み物を楽しむこともできます。とても贅沢な時間の過ごし方ですね。 ウィリアム・ロビンソンが暮らしていた当時、芝生の生えている4つの区画は、低い生け垣に囲われた大きな花壇になっていて、いろいろな植物が植えられていました。海外からやってきた新しい植物がイギリスのどんな環境に合うのか。どんな植物同士を合わせると美しいのか。ロビンソンはそんなガーデニングの実験を繰り返し、花壇は日々、変化していたそうです。 芝生の中央には、ロビンソンの頃からのものでしょうか、古い石造りの日時計が、素朴なエリゲロンに彩られています。 フラワーガーデンの芝生は、見晴らしがよく、開放感のある空間です。カントリーサイドホテルの醍醐味ですね。 軽やかな明るい花色の中で、渋めの赤が効いた、とても美しい植栽です。春の植栽は、オレンジや赤のチューリップが主役だそう。 これぞ21世紀のコテージガーデン・スタイル。植物が自然に生い茂るような、ナチュラルな植栽ですが、花色に立ち姿、開花期間など、きっと計算されつくしているに違いありません。 ミシュラン一つ星の優雅なランチ 庭めぐりを終えて、いよいよランチの時間です。漆喰の天井飾りが美しい、二階の一室に通されると、イギリスの貴族ドラマに出てくるような長テーブルが私たちを待っていました。お庭からちらりと見えた、一階のガラス張りのお部屋にいた皆さんは、とても優雅な雰囲気で楽しんでらっしゃいました。誕生日や結婚記念日など、特別の機会に訪れるお客様も多いそうです。 窓から庭の緑が見えます。さて、キッチンガーデンで採れる野菜はどんなお味でしょう。料理が楽しみです。 こちらは、特製スモークサーモンに、サワークリームのようなクレム・フレーシュをミルフィーユ状に挟んだもの。上品な甘さのビートと、爽やかな苦味のクレソンが添えられています。 メインディッシュは、マッシュポテトとスプリンググリーンの上に載った子牛のステーキ。肉や魚は地産の最高級のものが使われていて、しっかりとした味わいです。マッシュポテトはぽってりとして、少し苦味のあるスプリンググリーンがアクセントに。デザートのカラメルホワイトチョコレートムースのカカオニブ添えは、地産のハチミツの繊細な甘みが美味しく感じられました。 美しいガーデンと、ミシュラン一つ星のおもてなしに、心もお腹も満たされた、とても幸せな時間でした。



















