スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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樹木

あなたが知らないサクラの一面があるかも? 美しいサクラの品種をご紹介
桜色だけじゃない! さまざまな特徴を持つサクラたち 日本人の心の情景として、多くの人に愛されているサクラ。ひと口に「サクラ」といっても、じつはたくさんの品種があります。ここではそんなサクラの中から、代表的な品種や特徴的な品種を8種ご紹介します。 ‘ソメイヨシノ(染井吉野)’ 日本でサクラといえば、この‘ソメイヨシノ’が代表的な品種。葉が展開するよりも前に、木を覆い尽くすように薄紅色の花を満開に咲かせるその姿は、まるで夢のような美しさです。江戸時代に作出されたと考えられ、サクラの名所、吉野山にちなんで吉野桜と呼ばれていましたが、吉野山のサクラはヤマザクラであることから、その後「ソメイヨシノ」と名づけられました。 ‘カワヅザクラ(河津桜)’ 他のサクラよりも一足早く、3月上旬頃に満開になるピンク色の早咲き品種。2月上旬頃から徐々に咲き始め、開花期が長いのも特徴です。名前の由来となった静岡県河津町の町の木でもあり、毎年2月10日前後~3月10日には河津桜まつりが開催されます。 ‘カンザン(関山)’(別名:セキヤマ) 4月中旬~5月上旬にかけて、濃い桜色の八重花を咲かせる‘カンザン’は、ボリュームのある花姿が特徴です。サトザクラの仲間の一つで、桜の花の塩漬けに使われているのも主にこの品種。丈夫で育てやすいので、街路樹や公園の植木として活用され、イギリスなどでも街路樹としてよく見かけます。 ‘ギョイコウ(御衣黄)’ 4月下旬頃から咲く‘ギョイコウ’は、花に葉緑体を持ち、緑色の花を咲かせる珍しい桜。花弁の数が10~15枚程の八重咲き品種です。咲き進むにつれて次第に黄色みを帯び、中心部から赤みが差していきます。 ‘ウコン(鬱金)’ 淡い黄色の花を咲かせる‘ウコン’。花に葉緑体を持つことや、咲き進むにつれて中心に赤みが差し、上品なピンク色に移ろう性質などは‘ギョイコウ’とよく似ていますが、淡い黄色の色合いであることが特徴です。美人桜という別称もあり、人気の高いサクラですが、なかなか見られない珍しい品種です。 カンヒザクラ(寒緋桜)(別名:ヒカンザクラ) サクラの原種の一つで、まだ寒さが厳しい早春に、緋色や濃い桃色の釣鐘状の花をうつむき加減に咲かせます。中国南部から台湾にかけて分布するほか、沖縄県でも野生化している姿が見られ、沖縄県ではサクラといえばこの‘カンヒザクラ’を指す、というほど一般的なサクラです。 シダレザクラ 柔らかく流れる枝に花を咲かせるエドヒガンの枝垂れ品種。花の滝のようにあたりを彩る満開の景色は見事なものです。‘ヤエベニシダレ’や‘ベニシダレ’などの紅花品種のほか、白い花を咲かせる‘キヨスミシダレ’などの品種が有名です。 ジュウガツザクラ(十月桜) その名の通り、春の開花のほかに10月頃にも花を楽しめるジュウガツザクラ。狂い咲きではなく、毎年花が楽しめます。春に比べて花は小さくなりますが、冬の間もポツポツと白い花を咲かせ続ける姿は、けなげでとても愛らしいものです。 併せて読みたい ・【二十四節気】桜咲く春分。目だけでなく舌でも季節を感じる桜とは? ・サクラ(桜)のドライフラワーを作る方法!シリカゲルで生花のように保存 ・日本の春を彩る美しい花 桜の名所 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/1)Marie C Fields/ 2)Kazu Inoue/ 3)skyfish/ 4)Yoshihide KIMURA/ 5)Hosi Zin/ 6)Key Kwok/ 7)islavicek/ 8)yoko_ken_chan /Shutterstock.com
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樹木

触りたくなるチュルふわ感! 春を知らせるネコヤナギの育て方
ネコヤナギは低木なので庭木にもおすすめ! ネコヤナギは、ヤナギ科ヤナギ属の落葉性低木。中国、朝鮮半島のほか日本でも、山間部の渓流から平地の水辺にまで自生し、春の訪れを知らせてくれます。 ヤナギといえば、街路樹として植栽されている大木で、枝が枝垂れて揺れている「シダレヤナギ」を思い浮かべる方も多いでしょう。「ネコヤナギ」は枝が枝垂れず、天を向き、樹高は1〜3mほどとそれほど高くならないので、庭木にも向いています。 ネコヤナギは、ほかのヤナギに先駆けて、春を告げる猫のしっぽのようなふわふわした可愛い花穂をつけます。フラワーアレンジメントなどでもよく利用されますし、イースターの飾り付けなどでも活躍します。 このふわふわの花穂の構造はどうなっているのでしょう。早春、葉を出す前に、まず枝先に白銀の綿毛に覆われた花穂を作ります。このふわふわの白い綿毛は、とても滑らかな手触りです。 その中からやがて花びらのない無数の糸のような雄しべ、雌しべを出します。ネコヤナギは雄木と雌木に分かれていますので、雄木には雄しべ、雌木には雌しべの花が咲きます。見た目はどちらもあまり変わりません。花期は3〜4月。不思議な構造ですね! 葉は細長い楕円形で互生し、枝がよく分岐するので、夏季は涼しげな樹形を楽しめます。 ネコヤナギは耐寒性、耐暑性に優れているので育てやすい植物ですが、自生地が水辺なので乾燥を嫌います。その点に気をつけて育てれば、たくさんの美しい花穂を咲かせることができます。 白だけじゃない! ネコヤナギの種類 ネコヤナギは銀白色の花穂が特徴的ですが、ほかの花色もあります。主な品種をご紹介しましょう。 ギンネコ 一番馴染みがある、白いネコヤナギ。 ピンクネコヤナギ 愛らしいピンク色の花穂を咲かせる品種。開花が進むと黄色い花粉を持つしべが現れます。 クロネコヤナギ 花穂が黒い品種。花穂はギンネコのようにふわふわした感じではなく、小さめです。白いネコヤナギの中に混じると存在感があります。 シマントネコヤナギ 四万十川の川辺に自生する品種。花色はクリーム色で、盆栽用としてよく使われています。 ネコヤナギの育て方 植え付け場所 水辺に自生するネコヤナギは、日光と水を好みます。乾きすぎず、かつある程度日が当たる場所に植え付けます。 地植えの場合、根鉢の2倍ほどの穴を掘り、腐葉土をたっぷり混ぜた土に植えます。植え付け後は水をしっかり与え、棒などでつついて根と土を馴染ませておきます。 鉢植えの場合、赤玉土7、腐葉土3の一般的な配合土を使います。 植え付け時期 植え付け・植え替え共に、落葉期の11〜3月に行います。 肥料 ネコヤナギは多くの肥料を必要としない植物です。 地植えの場合、生育が悪いようなら2月頃に固形の油粕と骨粉を混ぜたものを株元に埋め込みます。順調に育っているようなら、肥料を与える必要はありません。 鉢植えの場合、冬の2月頃に寒肥として緩効性化成肥料を株元にばらまきます。 肥料を与えすぎると、枝が伸びすぎて樹形が乱れてしまうので注意しましょう。 剪定 剪定の適期は、花後すぐです。ネコヤナギの花芽は夏には形成されます。遅くとも5月中には終わらせるようにしましょう。 枝が込み合ってきたら、不要な枝を切り落としても樹勢には影響しません。しかし、毎年強い剪定を行っていると樹勢が衰えるので注意してください。3〜5年に1回くらいで十分です。 病害虫 ネコヤナギがかかりやすい病害虫は、アブラムシ、うどんこ病などです。 アブラムシは、春先に発生して新芽につき吸汁します。窒素分の多い肥料の与えすぎや密植状態だと発生しやすいです。木酢液やニームオイルを塗布して、アブラムシを引き寄せないようにすることが大事です。 うどんこ病は梅雨時に発生しやすく、葉が白い粉のようなカビに覆われてネコヤナギを弱らせます。葉が込み合っていると感染しやすいため、風通しをよくしておきましょう。被害を受けた葉は速やかに取り去り、焼却してください。 ネコヤナギの増やし方 ネコヤナギは、挿し木によって増やすことができます。 3月上旬に、前の年に伸びた枝を20〜30cm切り取り、挿し穂にします。先端に3枚くらい葉を残します。挿し穂を1、2時間水につけたのち、用土に挿します。挿し木用土として、赤玉土(小粒)を入れた鉢を準備しておいてください。水をたっぷり与え、土が乾かないように管理します。1カ月くらいで発根します。根が十分に生えたら鉢や地面に植え替えます。 ネコヤナギと一緒に育てたい庭木 一年を通して花や緑を楽しめる庭はガーデナーの理想です。そんな庭を目指して、ネコヤナギと共に育てたい庭木をご紹介します。 ツツジ ツツジはネコヤナギの花と入れ替わるように、初夏の頃、紫、赤、朱、ピンク、白など色とりどりの華やかな花を咲かせます。ふんわりした低木の樹形は、すらりと伸びるネコヤナギの足元をカバーするのにぴったり。日当たりを好み、乾燥を嫌うなどネコヤナギと同じ性質ですから、一緒に育てやすいです。 また、挿し木で簡単に増やせます。 ナンテン ナンテンは常緑低木で、一年中緑を楽しめます。そして、彩りの乏しくなった冬に、真っ赤な小さな実を房状にたくさんつけてくれます。その枝を切り取って、クリスマスやお正月の飾りとして利用できます。 半日陰でも十分育ちますので、家のあまり日の当たらないところに植えても大丈夫。半日陰を積極的に活用できます。 ナンテンは「難を転ずる」に通じるところから、厄除け、魔除けとして古くから庭に植えられてきたそうです。きっとあなたの庭にも幸運をもたらしてくれるでしょう。 まとめ 生け花の花材として利用した枝をそのまま土に挿しても発根するほど生命力が強く、育てやすいネコヤナギ。ガーデニング初心者だけれど、庭木にも関心がある方にぴったりの樹木です。手入れが簡単で、初心者でも十分剪定ができますよ。 庭に奥行きと変化を与えてくれ、白、ピンク、黒といろいろな種類の花穂があるネコヤナギ。ぜひあなたのお好きな色のネコヤナギを見つけて楽しんでください。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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観葉・インドアグリーン

エアプランツでガーデニングデビュー! 初心者向けの品種や手入れをご紹介
エアプランツの基礎知識 まず、エアプランツとは何なのかについて解説します。エアプランツというのは通称で、正式には学名をチランジア(Tillandsia)といい、パイナップル科ハナアナナス属の植物です。種類は700種以上あり、その中の、主に葉から水分を吸収する一部のグループがエアプランツとして流通しています。管理のしやすさから、最近は100円ショップなどでも販売されており、手に入れやすい植物といえるでしょう。 原産地は北〜南アメリカ大陸や西インド諸島など。自生地では木の幹や枝、岩などに引っかかったり、くっついたりして生育しています。雨や霧の水分を葉から吸収するため土を必要とせず、時に根のようなものが出ても、それは自身が吹き飛ばされたりしないように着生するためのもので、水分は吸収できません。市販のエアプランツは着生のための根が切られていることが多く、そのため水やりの必要がないと思われがちですが、雨の降らない屋内で育てるためには、代わりの水やりは必要不可欠です。 また、エアプランツは形態的なことと管理方法の違いから、大きく2グループに分けられます。一つは葉に産毛のようなものがあり白っぽく見える銀葉種、もう一つは緑色で光沢がある緑葉種です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。 銀葉種の特徴とは 銀葉種の産毛のようなものは、水分を効率よく吸収するための器官。トリコームと呼ばれ、雨や霧などの空中の水分を吸収します。トリコームがあることで葉の表面から水分を吸収できるだけでなく、強光から身を守っているとされています。比較的乾燥に強いですが、反面、夏の高温多湿には弱いという特徴があります。水やり後は風通しよく管理することが大切です。 緑葉種の特徴とは 緑葉種はトリコームが少ないため、表面が白くはならず、緑っぽい見た目となります。夏の高温多湿による枯死の心配はあまりありませんが、トリコームによる吸水量が少ないため乾燥しやすく、室内管理はしやすい分、銀葉種よりも水やりの回数は多くなります。 エアプランツをインテリアに生かそう! おすすめの飾り方 用土や植木鉢での管理の必要がないというエアプランツの特徴を生かした飾り方をしてみましょう。ワイヤーなどでハンギングにすれば、部屋のさまざまな場所にお洒落に飾ることができます。無機質な空間にグリーンが浮かんでいるだけで、だいぶ印象が変わります。またコルクやヘゴ、流木などに活着させることで、自生地風のインテリアとしても楽しむことができます。自分の好みの種類をたくさん着生させれば、世界に一つだけの素敵なインテリアになるはず。ほかにも、ガラスや耐水性のある器にのせると、スタイリッシュなインテリアとして可愛く活用できます。好きな小物の近くに置くだけでも、雰囲気はかなり変わりますよ。生育適性を考えると、銀葉種はハンギング、緑葉種はガラス製のコップやテラリウムのような透明の容器で育てるほうが管理しやすいでしょう。 初心者にも育てやすい! おすすめのエアプランツ エアプランツにはたくさんの種類があり、その中には育てやすい種から気難しい種までさまざまなものがあります。ここでは初心者でも気軽に育てられる、難易度低めの種類をご紹介します。 カプトメドゥーサエ 壺形のでっぷりとした形と、くねくねと伸びる葉が特徴的な銀葉種です。その姿がギリシャ神話に登場するメデューサに似ていることから名付けられました。丈夫で乾燥にも強く、赤紫の可愛い花を咲かせます。流通も多いため、エアプランツの中でもメジャーで人気のある種です。育てる上での注意点は、壺形なので葉と葉の間に水が溜まりやすく、夏は蒸れて腐りやすいこと。水やりは夜間に行い、その後は風にしっかりと当てて乾かしましょう。 イオナンタ エアプランツといったらコレ! というくらいに普及していて、おそらく一番簡単に入手できる種です。100円ショップなどでも購入できます。見かける機会は多いですが、同じ種でもさまざまなバリエーションがあるため、好みの形や花色のものをたくさん集めても楽しいでしょう。銀葉種なので乾燥に強く、丈夫です。蒸れに対しても他の種より耐性があり、水やり後の管理もさほど気をつかわず、日の当たる場所であれば、通年室内で管理しても問題がありません。花芽が上がってくると同時に葉も紅葉し、とても綺麗な姿になります。その際は、しっかりと日光に当てることが大切です。 ブルボーサ 壺形で葉がうねることからカプトメドゥーサエに似ていますが、この種は緑葉種で、トリコームが少なく艶のある緑色をしていることで区別できます。イオナンタ同様流通量が多く、100円ショップや園芸店、雑貨店などでも売られています。紫色の花を咲かせますが、その際、花芽の上がってくる茎の部分(花序)が赤く染まり、紫、赤、緑と段階的なコントラストがとても鮮やか。乾燥に弱い緑葉種のため、こまめに水やりをしましょう。 ストレプトフィラ 乾燥すると長くてやや幅広の葉がクルクルとカールする、印象的なエアプランツです。曲線を描く優美な姿や大ぶりな花から「チランジアの女王」と呼ばれています。銀葉種のため乾燥に強く、また乾燥すればするほどカールが強くなります。水やりのサインが分かりやすいので、初心者向けといえるでしょう。強光には弱いため、夏場に外に出す場合は遮光の必要があります。また室内で管理する場合も、窓からの直射日光で葉焼けする場合があるので、レースのカーテン越しの光が当たる場所などに置きましょう。 テクトラム ツンツンした細長い葉を多数つけ、ふわふわのトリコームで覆われた姿はどこか小動物的でとても可愛らしく、人気がある種です。銀葉種のため乾燥にも強いほうですが、涼しく、空中湿度が高いほうが綺麗に育ちます。夏の直射日光や蒸し暑さには弱く、水のやりすぎで葉が濡れた状態が続くと腐りやすいので、水やり後は風通しのよい場所でしっかり乾かしましょう。 初心者でも簡単! エアプランツの手入れ方法 種類によって水やりの頻度が違い、また生態も他の植物と異なるため、どう手入れをしたらいいのか分からないという方もいるかと思います。ここではエアプランツの管理の仕方について、ポイントを交えてご紹介します。 水やりは霧吹きとソーキングを組み合わせて エアプランツの水やりの基本は霧吹きです。最低週に2回、種によっては毎日、全体にまんべんなく水がかかるように行いましょう。また、栽培環境が特に乾いている場合や水切れを起こした場合は、水をためた器にエアプランツを浸し、1~2時間ほどそのままにするソーキングを行います。ただし、種類によってはソーキングをすると水分過多になる可能性があるので気を付けましょう。 水やりのポイントは、全体をしっかり濡らしたら、しっかり乾かすこと。特に壺形のエアプランツは葉と葉の間に水がたまって抜けにくいため、逆さに吊すなどして水をよく切りましょう。また夏場などは水やり後にたまった水が熱くなり、蒸れによる枯死の原因となります。夜間に水やりをするか、水やり後は日陰に移すなど、温度上昇を防ぐ工夫をすることが大切です。反対に、冬は暖かい日中に水やりをすることで水切れも早くなり、寒さによるダメージも軽減できます。 エアプランツを増やすには? エアプランツは通常開花後に親株は枯れ、その後周りに子株が数個出てきます。生育が順調だと開花前に子株を出して増えることもあります。その子株を外さずそのまま生育させ、群生させてボリュームのある株にするのも素敵ですし、別株として増やしたい場合は、子株を親株の2/3ほどの大きさまで生育させたあと外すことも可能です。 エアプランツに肥料を施すには? 適度な施肥はエアプランツの生育を促すのに効果的です。生育期の春と秋に週に1回程度、2,000倍に薄めた液体肥料を霧吹きで与えましょう。濃度や頻度によって肥料焼けする場合があるため、様子をよく観察しながら行いましょう。 エアプランツで心安らぐインテリアを作ろう エアプランツは「水やりが不要」というわけではありませんが、コツをつかめば手入れの手間も少なく、初心者でも育てやすい植物です。土を必要としないため植木鉢の必要がなく、スペースを取らず、また衛生的に植物を育てることができます。そのままシェルフに置いたり、お気に入りの容器や雑貨と合わせたりすることで、素敵なインテリアとして、おうち時間をさらに心安らぐものにしてくれることでしょう。まずは一株育ててみて、管理に慣れたら徐々に増やしていき、ナチュラルな癒やしのある部屋を目指してみてはいかがでしょうか?
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宿根草・多年草

モナルダ(ベルガモット)はどのようにして育てる? 特徴・育てる際の注意点についてもご紹介!
モナルダとは? モナルダという植物名は学名のMonardaからきており、和名のタイマツバナ(松明花)やヤグルマハッカ(矢車薄荷)などとも呼ばれます。シソ科ヤグルマハッカ属に分類される植物で、北アメリカが原産です。 モナルダの特徴 モナルダは夏に花を咲かせるハーブです。最もポピュラーなのは赤色の花ですが、現在では品種改良が進み、さまざまな色の品種が存在します。花びらがほっそりとして繊細そうにも見えますが、じつは暑さ寒さのどちらにも強く、育てやすい植物です。また、モナルダの葉は香りがよく、ハーブとしてお茶やお香、アロマオイルなどに使用されています。 モナルダの生育サイクル モナルダの開花時期は初夏から夏。6月から咲き始め、9月頃まで花を楽しむことができます。春から初夏にかけての開花前が生育期で、一年草扱いの一部品種を除き、秋に落葉すると冬は根だけになって休眠する宿根草です。 春先に苗が出回ることが多いので、植え付けは3〜4月に行います。鉢で育てているものが根詰まりしたときや、大きくなったために株分けするときは、植え付けと同時期の3〜4月か、暑さが落ち着いた9月下旬~10月中旬に植え替えます。 モナルダの花言葉 モナルダの花言葉は「柔らかな心」「安らぎ」「火のような恋」「燃える思い」など。これらの花言葉は、モナルダの花に赤色が多いことからつけられました。 モナルダの種類 モナルダには数多くの種類がありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。 モナルダ・ディディマは、タイマツバナと呼ばれる種類です。ハーブとしてのベルガモットというと、この種を指します。丸みのある集合花は、赤やピンク、白、オレンジ、紫など、さまざまな花色があります。 モナルダ・フィスツローサは、ヤグルマハッカと呼ばれる種類で、ワイルドベルガモットとも呼ばれ、薄紫や薄桃色の花を咲かせます。北アメリカに多く分布し、ネイティブアメリカンの多くの部族で薬草として使われています。 モナルダ・ディディマ‘ケンブリッジスカーレット’は、ディディマの一品種ですが、ひときわ目を引く濃い赤色の花が特徴的な品種です。 モナルダ・シトリオドラは、レモンベルガモットとも呼ばれる種類です。花の形が特徴的で、赤紫の花の丸い塊が縦に連なり、段状に咲きます。 モナルダの育て方・育てるコツ ここまで可愛らしい花やハーブとしての香りが魅力のモナルダの特徴についてご紹介しました。ここからは、魅力的なモナルダを家庭で育てる際のコツについて詳しく解説します。 植え付け 植え付けは3〜4月か9月下旬〜10月に行います。風通しと日当たりのよい場所を選びましょう。腐植質が豊富な土を好むので、植え場所の土や用土に、腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質を、1㎡あたり10〜20ℓほど混ぜ込んでおきます。成長した後も風通しがよくなるよう、間隔をしっかりとあけて植え付けましょう。地下茎で増えるタイプは、周りに植物が込み合っていない場所に植え、意図しない場所に広がらないように注意しましょう。 剪定 植えっぱなしで放任栽培でも楽しめますが、4月に摘心(てきしん/茎や枝の先端を摘み取る作業。ピンチとも)を行うと芽数が増えて、花もたくさん咲くようになります。また、咲き終わって散った花びらが葉の上に落ちていたら取り除いておくと、カビや病気が発生しにくくなります。秋になって枯れた地上部は株元で切りましょう。 植え替え モナルダは、とても根を張る性質があります。鉢植えの場合は1〜2年で植え替えをしましょう。大きな鉢に植え替えてもよいのですが、よく増えるので、必要な分だけ株を残して元の鉢に植え直してもよいでしょう。 バラの下草などとして植えている場合も、株が広がりすぎたら、春先に掘り上げて整理すると株姿がまとまります。 増やし方 モナルダの増やし方にはさまざまな方法がありますが、最も手軽な方法が株分けや挿し芽(挿し木)です。 株分けは春か秋に行います。地下茎を適度な大きさに切って株分けしましょう。挿し芽も春か秋が適期で、切った茎を用土に挿して育てます。 株が込んできたら植え替えてもいいですが、株分けでもそれほど手間は変わらないので、いっそ株分けして株をリフレッシュさせるのもいいかもしれませんね。 肥料 春と秋に緩効性肥料を与えると、生育がより旺盛になります。地植えの場合も、春と秋に緩効性肥料をまくとよく生育します。成長期から開花期までは、液体肥料を月に3回程度与えるとよいでしょう。 水やり 鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に成長期から開花期までは水切れに注意し、こまめに水を与えるようにしましょう。地植えの場合は水やりの必要はありません。 病害虫 モナルダは病害虫に強いといわれる植物ですが、蒸れなどにより被害を受けることもあります。病気ではうどんこ病や灰色かび病になりやすいため、風通しよく管理するなどして予防します。害虫ではアブラムシやヨトウガの食害を受けることがあるため、見つけ次第取り除きましょう。 初心者でも育てやすいモナルダを育てよう! モナルダは初心者の方にも育てやすく、可愛らしい花が咲き、さらにハーブとしても楽しむことができる人気の植物です。この機会にぜひ、モナルダを育て始めてみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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宿根草・多年草

栽培歴15年以上の愛好家が教えるクリスマスローズを庭でかわいく咲かせるコツ
花のバリエーションは無限! 多彩な花色・花形が魅力 クリスマスローズを育てるようになって、かれこれ15年ほど。ありとあらゆる種類を育ててきましたが、私のクリスマスローズへの情熱はまだまだ冷めることがありません。それほどクリスマスローズは多彩な魅力を持つ花です。とにかく花のバリエーションがとても豊富。えんじ、ピンク、白、黒、黄、緑、グラデーション、花びらの縁が糸のように別色で縁取られるピコティ、花形もシングル(一重)、ダブル(八重)、セミダブル (半八重)とじつに個性豊か。写真のようにクリスマスローズだけを集めても華やかでユニークなブーケが楽しめます。 冬の庭に立体感を出すのに最適 冬から早春にかけては、庭で咲いている花はまだまだ多くありません。わずかに咲いている花も原種シクラメンやビオラなど、地際で小さく咲いているものがほとんどなので、庭が平面的に見えがち。そんななか、クリスマスローズは草丈が30cmほどあり、花も比較的大きいので、この季節の庭では存在感抜群。ペタッと見えがちな冬の庭にボリュームを出してくれる貴重な存在です。ですから植栽エリアの中〜後方へ配置して、手前の小さな花々と共演させることが多いです。写真のクリスマスローズはセミダブル (半八重咲き)で、花びらの縁が糸でかがられたように色づく「ピコティ」と呼ばれる花色です。 早春の庭の小径です。クリスマスローズが花の小径にボリュームを出してくれています。地植えにして2〜3年すると株が太って、ブーケのように花をたっぷり咲かせてくれるようになり、フラワーアレンジメントの花材としても活躍してくれます。花が終わった後も緑の葉が残るので、夏の庭もみずみずしく見せてくれます。 クリスマスローズと早春の花々との共演で個性を引き立てて 私はクリスマスローズが小さな花々と共演する風景が大好きです。それぞれの花の個性が引き立ち、どれもこれもいっそう魅力的に見えます。クリスマスローズは宿根草なので、毎年ここから出てきて咲いてくれます。原種シクラメンやアネモネ、クロッカスも季節になれば何年も咲いてくれる球根花です。一年草のパンジーやビオラは、毎年植え替えて組み合わせの変化を楽しんでいます。これらの花とクリスマスローズは好相性です。 これはクリスマスローズと春の球根花の寄せ植えです。中央にクリスマスローズを配置し、周辺にピンク色のムスカリやアネモネ・フルゲンスなどの淡い花色の小球根を、鉢縁はベロニカで彩りました。 クリスマスローズは落葉樹がある庭にぴったり ウワミズザクラの下で咲く大株に育ったクリスマスローズ‘プチドール’。 クリスマスローズを上手に育てるコツは、生育の特徴を理解することです。といっても、とても簡単。クリスマスローズは多くの花が生育旺盛になる初夏には半休眠状態になり、逆にほかの花々が眠りにつく晩秋から翌年春までの寒い季節に生育します。眠りについている時はできるだけ涼しく、生育期間中は光合成を促すために日光を浴びられる場所が最適です。その条件にぴったり合うのが落葉樹の下です。落葉樹は、夏は葉を茂らせて日陰を作ってくれますし、冬は葉を落として日光を遮りません。私はベイリーズセレクト(ベニバスモモ)やウワミズザクラなどの落葉樹の下にクリスマスローズを植えています。またオリーブは常緑ですが、葉が小さく冬も木漏れ日がちょうどよく届くので、その下にも植えています。 オリーブの木陰で育つクリスマスローズ。色が濃く草丈の高い種類は、庭の隅など目立たない場所の彩りとしても活躍してくれる。 北側の庭の木陰で花を咲かせるクリスマスローズ。寂しくなりがちな北側の庭も、クリスマスローズが好む条件です。ピンクの花は原種シクラメンで、クリスマスローズと同じ環境を好むので、共演の相手にぴったりです。 この花壇は隣家との間のごくわずかなスペースで、コンサバトリー(温室)の窓下にあります。日が当たる時間は限られていますが、冬は太陽が低く日が差し込むので、クリスマスローズはきれいに咲いてくれます。うつむいて咲く花が多いので、窓のそばで間近に見られるのが気に入っています。 場所さえ合っていればどんどん増えるクリスマスローズ 基本的に、多くの種類はとても丈夫で、上記のように場所さえ合っていればあまり手間なく大きく育ち、そしてよく増えます。クリスマスローズは株が太っていくだけでなく、じつはこぼれ種でもよく増えるのです。写真のクリスマスローズもここに植えたのではなく、こぼれ種でいつの間にか石の間から咲いたもの。こういう自然のサプライズはとても嬉しいものですし、人の手では生み出せないナチュラルな雰囲気が庭に生まれるのも気に入っています。 こんなレンガの隙間にも、こぼれ種で育ったクリスマスローズが。陰になり涼しいところを選んでいるのですね。その下で咲いているピンクの花は、ユキワリソウです。この花もクリスマスローズと同じ環境を好みますが、山陰の夏の暑さはこの花には過酷。こうして残って咲いているのは、とても貴重です。 クリスマスローズとの上手な付き合い方 クリスマスローズの花苗は数千円から希少種になると数万円という価格帯です。花苗のなかでは少し高めに感じられるかもしれませんが、前述の通り何年もよく咲き、こぼれ種でも増え、病害虫の被害もあまり心配することがないので、とてもコスパのよい花です。とはいえ、失敗したくはないですよね。一番の心配は夏の暑さで枯れることで、種類によって夏の暑さがとても苦手なものもあります。ですから、私は新しい種類はいきなり地植えにせずに、一年目は鉢植えで様子を見るようにしています。通気性のよい素焼きの鉢に植え替え、季節によって場所を移動しながら様子を見て、よく株が太るようなら地植えにします。希少種といわれる流通量が少ないものは大事に鉢で育てられることが多いようですが、育てにくいかというとそうとも限りません。意外と地植えにすると株が太って見事な花付きを見せることがあるので、あまり怖がらずに庭で楽しんでいます。 希少種の‘ヨシノ’も地植えで大株に育ってきている。 クリスマスローズの季節のお手入れ 【花がら切り】 クリスマスローズは先ほど言ったように、夏は半休眠状態になります。花は遅くとも5月までには切って株の体力を温存します。「花」といっていますが、じつはクリスマスローズの花に見える部分はガク片なので、「花びらが落ちる」ことがありません。段々と色があせてはいきますが、散ることがないのでなんとなくそのままにしてしまいがち。ですが、放っておくと中心部に種をつけます。種取りをしたい場合にはそのまま成熟させるとよいのでしょうが、種をつけると株は種のほうに栄養を注ぎ込んでしまい、夏を越す体力がなくなってしまいます。ですから、花が色あせてきたなと思ったら、花がらをなるべく早く切るようにしています。切った花はフラワーアレンジメントにして楽しみます。 【肥料】 肥料は、とりわけクリスマスローズのためだけに与えるというわけではありませんが、庭にはバラもたくさん植わっているため、秋や冬、早春の庭の花の植え替え時に定期的に庭全体に肥料をまいています。鉢植えの場合は、生育期間中に定期的に緩効性肥料を施し、時々液体肥料を混ぜて水やりをします。 【葉切り】 クリスマスローズは葉が大きくこんもりとよく茂りますが、秋に十分涼しくなったら古い葉は切り取り、こうして新しい葉と交代させます。そのままにしておくと株元の花芽に日光が当たらず、春になっても花が上がってこなくなってしまうことがあります。全部とってしまうと庭の自然な雰囲気が損なわれるように思うので、いくらかは残そうと思うのですが、どれを残してどれを切るか、目下の私の課題です。 【病害虫】 夏の蒸れや加湿に注意すれば、あまり病害虫にも悩まされることなく丈夫に育ちますが、「ブラックデス」という葉や株元が黒く変色する病気には注意が必要です。クリスマスローズがかかるウイルス病ですが、薬剤がなく伝染するため、見つけたら残念ですが速やかに抜き取ります。ほかのクリスマスローズも感染していないかよく周辺を確認し、ブラックデスを触った手でほかの花に触れないようにします。ブラックデスの株を抜き取ったり切ったりした園芸ツールも消毒が必要です。 ブラックデスは数カ月間の潜伏期間があるようで、病気が発生するまで気付くことができません。潜伏期間中にほかの株にウイルスが伝染しないようにするためにも、新しく買ってきた株は、いったん鉢植えで育てて様子を見るのが無難です。 今、注目のクリスマスローズ ほとんどの花形・花色を育ててきたので、何か新しいものが育てたいなと思っていたところに、近年出会ったのが‘レッドサン’(左)と‘パピエ’(右)。花郷園というクリスマスローズのナーセリーの品種ですが、花が上向きに咲いているのが他のクリスマスローズとは異なる特徴です。華やかでエレガントな雰囲気なのと、バラのようなつぼみの姿も気に入っています。 ニゲルはクリスマスローズの原種で、クリスマスローズがクリスマスローズといわれる所以の花です。多くのクリスマスローズはクリスマスには咲かず、翌年2月以降になって咲きますが、ニゲルはまさにクリスマスの時期に咲きます。定番中の定番ですが、雪の中で咲いている姿には特別な美しさがあります。 また、何度か挑戦しては枯らしてしまっているのに、どうしても育てたくなる魅惑のクリスマスローズがチベタヌスという原種のクリスマスローズです。クリスマスローズらしいうつむいて咲く姿と、ちりめんのような花びらの繊細な質感がたまらなく魅力的です。原生地では小川のほとりのような涼しい場所に咲いていて、水をとても好みます。山陰は夏に40℃近くになり、いくら木陰とはいえチベタヌスには過酷なので、鉢植えで育てているのですが、なかなかうまくいきません。今年は生育6年目の充実した株を奇跡的に手に入れたので、どうにか頑張って夏越しをさせたいと思います。
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樹木

カナメモチとは? 赤い新芽が美しく育てやすい庭木「カナメモチ」を育てよう
カナメモチの概要 赤い新芽が特徴的なカナメモチは、どんな性質を持った植物か、ご存じでしょうか。栽培していくうえでは、その植物の特徴を把握しておくことが大切です。まずは、カナメモチの基本情報についてご紹介します。 基本情報 カナメモチは、バラ科カナメモチ属の中高木で、自然樹高は3〜10m。ガーデニングの初心者は「10mも伸びるの!?」と驚くかもしれませんが、剪定によって樹形をコントロールすることができます。家庭で育てるなら1〜2mくらいに樹高を抑えて管理するとよいでしょう。また、常緑性で冬も葉を落とさずにみずみずしい葉姿を楽しめるのも長所の一つ。そのため目隠しなどを目的に、生け垣としてよく利用されています。カナメモチの原産地は日本、中国南部、東南アジアで、暑さには強いものの、寒い気候はやや苦手とし、栽培適地は東北南部以西です。 特徴 カナメモチはツヤのある肉厚な葉を持ち、3月下旬〜4月にかけて一斉に新芽を出します。この新芽が鮮やかな赤色なので、まるで花が咲いたかのように豊かな彩りをもたらすのが特徴。葉が赤いのは新葉のうちだけで、成長するにしたがって緑色に落ち着いてきます。開花期は5月〜6月中旬で、花色は白。小さな5弁花が頂部に集まって咲く姿には清楚な魅力があります。ちなみに、このカナメモチの花言葉は「にぎやか」。開花後には小さな丸い実がつき、秋には赤く熟した姿を楽しめます。 カナメモチとレッドロビンの違いは? 人気が高くてあまりにも有名になったために、「レッドロビン」の名前がカナメモチの代名詞にもなっているようですが、この「レッドロビン」は植物名ではなく、園芸品種名です。‘レッドロビン’はカナメモチと近縁種のオオカナメモチを掛け合わせて作出された、フイゼリ種の一つ。‘レッドロビン’はカナメモチよりも葉が大きくて萌芽力も強く、新芽の赤もより濃く発色する特性があります。 カナメモチの育て方は? ここまで、カナメモチの基本情報や特性などについてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、カナメモチの育て方について、詳しく解説します。 栽培環境 カナメモチの栽培には、日当たり、風通しのよい場所が最適です。半日陰の場所でも生育しますが、新芽の赤い発色が悪くなるようです。また、水はけ、水もちがよく、腐植質に富んだふかふかとした土壌を好みます。 カナメモチの栽培適地は東北南部以西で、やや寒さに弱い性質。雪がよく降る寒冷地での栽培には向いていません。一方、暑さには強い性質を持っています。 用土 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質などの水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込んで土壌改良し、土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。このように肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。自身で配合土を作りたい場合は、赤玉土中粒、鹿沼土、腐葉土を等量ずつ用意し、よく混ぜ合わせたものを利用します。 植え付け・植え替え カナメモチの植え付け・植え替えの適期は3月〜4月中旬、9月下旬〜10月中旬です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。しっかりと根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後に、たっぷりと水を与えます。 カナメモチは、一年を通して地植えにしたままで構いません。あまり移植を好まず、植え付けから数年がたってしっかりと根が張るまでに生育すると、掘り上げる場合に根回しが必要になるため、植え場所はあらかじめよく吟味しておくとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。カナメモチの苗木をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて、植え付けていきましょう。水やりの際にすぐあふれ出ないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぎましょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えましょう。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から木を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を整理して小さくし、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。 水やり 水やりの際は、木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。また、茎葉がややだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 【地植え】 カナメモチを地植えにした場合、肥料を与えるのに適したタイミングは、生育期に入る少し前の2月頃です。有機質肥料を株元から少し離れた周囲にまいて、クワかスコップで軽く耕して土に馴染ませましょう。 【鉢植え】 鉢栽培の場合は、3月頃に緩効性化成肥料を株の周囲にまきます。スコップで軽く表土を耕して土に馴染ませましょう。チッ素成分が多く含まれた肥料を与えると、新葉の発色が悪くなることがあるので、N-P-K(チッ素・リン酸・カリ)が等量に配合された肥料を選んでください。 剪定 【生け垣】 カナメモチは萌芽力が強く、刈り込みに耐えるので生け垣に向く庭木です。 生け垣に仕立てる場合、剪定の適期は5月中旬〜6月中旬、8月下旬〜9月中旬とされています。しかし枝が伸びやすく樹形が乱れやすいので、一年を通し必要に応じて剪定してもかまいません。 メインは5月中旬〜6月中旬に行う剪定で、赤い新芽が成長とともに緑色に変わってきた頃に、乱れた樹形を整えます。長く伸びすぎている枝、込み合っている部分の枝、枯れ込んでいる枝を選んで切り取りましょう。生け垣が膨らみすぎているようであれば、刈り込みバサミで輪郭を刈り取って形を整えます。同様に、8月下旬〜9月中旬にも伸びた枝を剪定すると、10月半ばから新芽が吹き、冬も赤い葉を楽しむことができます。生け垣の形を美しくキープするには、樹形が乱れきった頃に一気に深く切り戻すことをせずに、頻繁に軽く切り戻しを重ねて行うのがポイントです。 【庭木】 カナメモチを生け垣とせずに自然樹形を楽しみたい場合は、透かし剪定を基本とします。剪定の適期は5月中旬〜6月中旬頃です。込んでいる部分があれば、内側に向かって伸びている枝や交差している枝、垂直に立ち上がっている枝、下へ向かって伸びている枝など、樹形を乱す枝を選んで間引いていきましょう。 増やし方 カナメモチは、挿し木で増やすことができます。挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、カナメモチは挿し木が可能で、適期は6月上旬〜7月中旬です。 その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の植え穴をあけ、穴に挿し穂を植えて土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所にで育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 注意すべき病害虫 【病気】 カナメモチに発生しやすい病気は、褐斑病、うどんこ病などです。 褐斑病は、カビによる伝染性の病気です。主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。発症した葉を見つけたら、すぐに切り取って処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。適用する薬剤を葉の表と裏に散布して、防除します。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、木が弱ってしまいます。チッ素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 【害虫】 カナメモチに発生しやすい害虫は、アブラムシ、アザミウマ、カイガラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 アザミウマは花や葉につき、吸汁する害虫です。スリップスの別名を持っています。体長は1〜2mmと大変小さく、色は緑や茶色、黒の昆虫で、群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに刺して吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 カナメモチを上手に育てて美しい生け垣を作ろう 生命力旺盛で、手をかけずともよく育つカナメモチは、生け垣にもおすすめの庭木です。刈り込みに耐えるので、剪定の際も「どの枝を切るべき?」と悩む必要もありません。春に一斉に芽吹く赤い新芽、初夏の楚々とした白い花、秋につける小さな赤い実と、季節が移ろうとともに表情が変化するのも魅力です。ぜひ庭木として取り入れてはいかがでしょうか? Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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採りたての風味を楽しむために育ててみたい! 料理の名脇役サンショウを上手に育てるコツをご紹介
名前の由来は「辛く、香りのよい実」 Japanese pepperとの英名が示すように、日本を代表する香辛料であるサンショウ。その利用の歴史は古く、縄文時代の遺跡からもサンショウの実が見つかり、古事記では神武天皇が詠んだ歌に登場しています。古くは「ハジカミ」と呼ばれていましたが、これはニラの古名「カミラ」に、熟した実がはじける様を表す言葉が合わさったものと考えられています。さらに、「ハジカミ」は生姜の別名でもあったことから、両者を区別するために、サンショウは「ナルハジカミ(成椒)」と呼ばれるようになったそうです。中世以降は現在の山椒の名が使われるようになりました。「椒」の字には「芳しい」という意味があり、「山で採れる薫りの高い実」と、その特徴を表しています。その名の通り、爽やかな香りや痺れるような辛さに殺菌や防腐効果があるとされ、薬や食材として古くから使用されてきました。 サンショウってどんな植物? サンショウ(Zanthoxylum piperitum)はミカン科サンショウ属の落葉低木。原産地は日本から朝鮮半島にかけてといわれ、日本では北海道から本州、四国、九州まで広く分布しています。山地の雑木林などに自生し、樹高は1~3m、小葉が葉軸の左右に鳥の羽のように並んだ羽状複葉で、長さは5~15cm、葉柄の基部には鋭い棘があります。樹皮は灰褐色で、棘やいぼ状の突起があるのが特徴。堅く香りがよいので、すりこぎ(擂粉木)に利用されます。4~5月に直径5mmほどの小さな黄緑色の花を多数つけますが、雌雄異株のため、実がなるのは雌株のみ。「花山椒」として流通しているのは、つぼみの状態の雄花。雌株は、初夏には緑色の果実をつけます。 【サンショウの基本データ】 学名:Zanthoxylum piperitum 科名:ミカン科 属名:サンショウ属 原産地:日本列島および朝鮮半島 和名:山椒、ハジカミ(古名) 英名: Japanese pepper 開花期:4~5月 花色:黄緑色 樹高:1~3m 爽やかな芳香の葉、痺れる辛さの果実 ミカン科の植物には薬や香辛料として利用されるものが多くありますが、なかでもサンショウは日本人にとっては最も馴染み深い香辛料の一つ。果実だけでなく、葉や花、樹皮などほとんどの部分が食用や薬用に利用されています。香り成分は、フェランドレン、オイゲノール、シトロネラールなどで、葉の縁に散在している「油点」に精油成分がたまっています。新芽や若い葉は「木の芽」と呼ばれ、春の料理を引き立てる食材として使われますが、使うときに、手で挟んで「パン」と叩くのは、この油点を潰して、細胞組織の中から芳香成分を出すためです。 一方、舌が痺れるような刺激は、サンショウオールやサンショウアミドなどの辛み成分によるもの。ピリピリと焼けつくような痛みをともなうトウガラシの辛みとは異なり、麻痺作用があるため、局所麻酔をかけられたときのように“しびれた”感覚になります。かつては、宮沢賢治の童話『毒もみのすきな署長さん』にもあるように、山椒の皮を川や池の水中で揉み出し、魚を麻痺させて捕まえる「毒もみ」「毒流し」という漁法もありました(現在は水産資源保護法により禁止されています)。 中華料理の「花椒」は近縁種 「痺れる辛さ」ブームで話題となっている「花椒(ホアジャオ)」は、日本の山椒とは種が異なります。華北山椒(カホクザンショウ)の熟した実を乾燥させて、その果皮を挽いて使用します。「四川山椒」「中国山椒」とも呼ばれ、四川料理には欠かせない香辛料で、日本の山椒とは香りが異なり、辛味が強いのが特徴です。中国では古くから漢方の生薬としても利用されてきました。 胃腸の機能を高め、新陳代謝も活発に サンショウの刺激的な辛みや芳香は、肉や魚などの臭みを消し、料理の油っぽさを緩和してさっぱりとした味わいに変えてくれます。鰻の蒲焼きに粉山椒が欠かせないというのも納得です。 さらにサンショウは薬用植物として、漢方や民間薬などの分野で古くから利用されてきました。ピリリとした辛さの成分でもあるサンショウオールは、脳を刺激して内臓の動きを活発にする作用があり、消化不良や胃もたれ、吐き気などを緩和する働きが。また、新陳代謝を活発にして、発汗作用を高めるため、冷え性の改善も期待できます。一方、香り成分であるシトロネラールには脳の働きを活性化させて、集中力アップや疲労回復といった効果があります。 サンショウを育ててみよう 購入すると割高な印象の「木の芽」。身近にあれば、使いたいときに使う量だけ収穫できて便利ですね。とはいえ、サンショウは日本各地に自生する植物ながら、栽培するとなると“なかなか気難しい”樹木。ホームセンターなどで苗木が販売されていますが、実の収穫までとなると、購入後数年はかかります。「せっかく入手したのに枯れてしまった」とならないように、育て方のコツを知っておきましょう。 植え付け 種から育てることもできますが、苗木のほうが入手しやすく、収穫までに要する期間を考えても苗木からのスタートがよいでしょう。一般にサンショウは雌雄異株の植物ですが、流通している品種は、朝倉山椒やブドウ山椒といった雌雄同株の品種が多く、1株でも実が収穫できます。 植え付け適期は落葉期にあたる12~3月ですが、厳寒期は避けたほうがベター。サンショウの根は繊細で弱いため移植が困難なので、移動しなくてもすむように適した場所を選びたいものです。日当たりのよい場所を好みますが、地植えの場合は、やや日陰でも十分に育ちます。地面が乾燥するのを嫌うので、強い西日が当たるような場所は避けましょう。耐寒性は高いので、特別な防寒対策は必要ありません。植え付ける場所に腐葉土などの有機質肥料をすき込んでおくとよいでしょう。 移植はおすすめしませんが、どうしても行う必要があれば12~3月の休眠期に。移植に先駆けて、9月頃に株元の数カ所にスコップを入れて太い根を切っておく「根切り」処理をするのも手。太い根が切られることで、細かい根の発根が促され、移植後の根づきがよくなるからです。葉がすっかり落ちたら、大きめに掘り上げて移植します。このとき、できるだけ根の周りの土を落とさないように気をつけましょう。 鉢植えでも栽培はできますが、植え替えを嫌うため、深くて大きめの鉢を用意します。用土は粘土質でなく水はけのよいものを。市販の培養土も使えますが、自分で配合するのであれば、赤玉土5:腐葉土4に川砂やパーライトを1程度混ぜるとよいでしょう。鉢底石を敷き、用土を入れ、鉢の中央に苗を配置したら、ウォータースペースを確保して用土を入れていきます。苗木をポットから取り出すときには根を崩さないように注意を。作業が終わったら、たっぷりと水をやりましょう。 増やし方 収穫までの時間はかかりますが、播種も可能です。10月以降に完熟した実から種を採取して播く「取り播き」か、乾かさないように保存しておいて春になってから播く「春播き」になります。育苗ポットに小粒の赤玉土や種まき用土を入れ、1cmほどの深さに穴をあけ数粒落とします。4月には発芽するので、丈夫な芽を残すように間引きします。播種で育てた場合、花が咲くまで雌雄の判別ができないので、ご注意を。 挿し木で増やす場合の適期は6月か、9~10月頃。前年に伸びて硬くなった枝を10~15cmに切り、上の方の葉を3枚ぐらい残して挿し穂を作ります。1時間ぐらい吸水させた後、小粒の赤玉土かバーミキュライトなどに挿します。直射日光の当たらない場所に置き、用土を乾かさないように管理します。新芽が出てきたら、6号程度の鉢に植え替えましょう。 水やりと肥料 サンショウは根の張りが浅く土壌の乾燥には弱いので、とくに夏の水切れに気をつけましょう。鉢植えの場合、土の表面が乾いていたら、鉢底から水が流れるまでたっぷりと与えます。地植えなら、株元に藁などを敷いておくと乾燥を防げます。とはいえ、梅雨など雨量が多い時期の過湿にも注意。株元に水がたまらないよう注意が必要です。 肥料は年に1度、休眠期の1~2月頃に与えます。株の周りに深さ20cmほどの溝を掘り、油かすなどの有機肥料をまきます。葉や実を収穫した後に、株が弱っているようであれば、収穫後の夏~秋にも与えます。 剪定 樹形が乱れにくいため、樹形を整えるというよりは、混み合った枝を整理して風通しをよくする目的で行います。幼木の数年間は、落葉する冬場に、弱い枝の剪定を行います。成木になってからは、間のびした枝や混み合って重なる枝を、同じく冬場に剪定すればOK。強すぎる剪定を行った翌年は、収穫量が減ってしまうので注意を。成長期に伸びた枝の中で短いものには花芽がつくので、よく観察して切りましょう。 病害虫 ミカン科につく害虫といえば、なんといってもアゲハ類の幼虫です。サンショウにはナミアゲハやクロアゲハなどがよく卵を産みつけます。アゲハの幼虫の食欲は旺盛で、幼木であれば「一晩にして丸坊主」にされてしまうので、見つけ次第駆除を。枝葉の広がる足元あたりにふんが落ちていないかをチェックすると、早期発見につながります。 極端に湿度の高い環境では、白絹病が発生することがあります。株元に白いカビが生え、腐って枯れてしまう病気で、一度かかってしまうと治療は難しいので、株を処分するしかありません。 収穫 若芽でも実でも、サンショウの芳しい香りを楽しむなら、なんといっても採りたてが一番。育てているからこその特権といえるでしょう。 「木の芽」としての旬は、春先から初夏にかけて。艶のある若い新芽が香り高く、大きくなると香りが落ちてしまうので、ちょうどよいタイミングで摘み取っておきましょう。木の芽は冷蔵・冷凍保存も可能。冷蔵の場合は、湿らせたキッチンペーパーにはさみ、保存袋に入れて密閉し冷蔵庫に。冷凍の場合は、さっと茹でたあと、冷水にさらし、水気を切ってから小分けにし、ラップに包んで保管します。 熟す前の緑色をした実は「青山椒」と呼ばれます。青山椒の収穫期は5~6月。佃煮や醤油煮などにして楽しめますが、適期を逃すと皮がかたくなり美味しくありません。柔らかいうちに収穫したら、あく抜きをして冷凍しておけば、翌シーズンまで保存できます。あく抜きの方法は、塩を加えてたっぷりの湯で5分ほど湯がき、その後1~2時間ほど水にさらします。保存する場合は、水気をしっかりと切ります。 11月頃まで採らずにおくと、実は赤茶色に熟して割れ、中から黒い種子が飛び出します。これが「実山椒」。かたくて苦い種子は食べませんが、茶褐色の果皮を乾燥させて粉にしたものを「粉山椒」にして使います。 いずれの収穫でも、枝にある棘には注意を。指先のケガ防止のためにも、手袋をして作業するのをおすすめします。 身近にあると重宝するサンショウを育てよう サンショウの基本情報から栽培のポイント、健康効果についてご紹介してきましたが、その魅力を感じていただけたでしょうか。 サンショウの葉や実は、季節の料理のアクセントとして活躍する食材。とはいえ、スーパーなどで買うと意外と高価……。大量に使うものではないだけに、身近にあって収穫できれば、重宝すること間違いなしです。 植え替えが難しく、乾燥に弱いなど、やや育てにくい点はありますが、環境さえマッチすれば、すくすくと育ちます。市販されている苗の多くは一株でも収穫できる雌雄同株の品種。数年後の収穫を楽しみに、挑戦してみてはいかがでしょうか? Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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おすすめ植物(その他)

バレンタインに再認識! チョコレートカラーの花をコレクション
シックな装いが魅力 チョコレートカラーの花々 口に入れると豊かな風味を残してとろけるチョコレート。日々のティータイムのおともから、ちょっと高級な自分へのご褒美まで、さまざまな場面にフィットする人気のスイーツです。チョコレートの味わいはもちろん、あのまろやかなブラウンカラーは色としてもシックでとても魅力的。花壇や寄せ植えの彩りとしてはもちろん、花屋で偶然並んでいるのを見つけたらバレンタインの贈り物に添えても素敵。花や葉にはチョコレートカラーもあることを、バレンタインにちなんでご紹介します。 チョコレートコスモス チョコレートの名を持つこのコスモスは、その名にふさわしい濃厚なチョコレートブラウンの花を咲かせます。さらにその花からはチョコレートを思わせる甘い香りが漂うというおまけつき。バレンタインの季節には切り花としても出回るので、手に入れやすく贈り物に添えるのにもぴったりです。丈夫で育てやすいので、ガーデンにも向いています。 バラ 数ある花の中でも、愛の告白という場面で最もよく登場する花が、バラ。バラの中には、チョコレートカラーのものもあります。色や花姿のバリエーションが豊富なバラは、茶色系の色合いも幅広く、‘チョコフィオーレ’はミルクチョコレートのような柔らかいココア色のミニバラ、‘テラコッタ’はレンガのような赤茶色のシックなつるバラと、好みに合わせて選ぶことができます。 オダマキ 花色、花姿が豊富で育てやすく、初夏に可愛らしい花を咲かせるオダマキ。シックな茶色の花をつける西洋オダマキ‘ビリディフローラ’は、そのユニークなカラーとナチュラルな雰囲気が魅力です。日向でも半日陰でもよく育ち、こぼれダネでも増えるので、ガーデニングにも取り入れたい花の一つです。 チューリップ 明るく鮮やかな色彩の多いチューリップにも、ブラウンカラーを持つ品種があります。写真は珍しい茶色系のチューリップ‘ブラウンシュガー’。咲き進むにつれて次第に淡い色へと変化していきますが、咲き始めの頃はオレンジを帯びた茶色のシックな色合いで、春の花々との相性もよく、ガーデンの彩りとしてオススメです。 カレンジュラ カフェオレのようなブラウンカラーのつぼみから、柔らかなクリーム色の花を開かせるカレンジュラ‘コーヒークリーム’は、そのアンティークな印象のニュアンスカラーと、つぼみから花への色の変化の面白さから、とても人気の高い植物。寄せ植えや花壇の彩りにオススメしたい可愛らしい花です。 大胆な存在感 チョコレート色のカラーリーフ さまざまな色合いが魅力のカラーリーフの中には、チョコレートカラーを持つものもあります。観賞できる期間が長く、株全体が色づくのでインパクトが強いカラーリーフは、ガーデンのコーディネートに使うと全体の印象がぐっとレベルアップ。形の可愛いクローバーなどは、贈り物に添えてもいいですね。 ヒューケラ カラーリーフとして人気の高いヒューケラには、もちろんチョコレートカラーの葉を持つものも。コンパクトな草姿でカラーバリエーションが豊富、手をかけなくても育ち、日陰でも栽培できるので、ガーデナーにとってはとても頼りになるカラーリーフ。耐寒性が強く、耐暑性もあるので、一年中楽しむことができます。 クローバー 誰でも一度は経験がある四つ葉のクローバー探し。可愛いラッキーチャームである四つ葉のクローバーは、プレゼントに添えるのにもぴったりです。最近では、クローバーの園芸品種が豊富に出回っていて、ココアを振りかけたような茶色の葉を持つ品種も。生育旺盛で背が低いクローバーは、グラウンドカバーとしても人気があります。個性豊かで育てやすいので、ガーデニングビギナーにもオススメ。 カンナ エキゾチックな印象のカンナの大きな葉は、ガーデンでのインパクト抜群! カンナ‘トロピカーナ’のように艶のある濃厚なブラウンカラーのほか、季節の変化につれて色が変わる品種もあり、個性的なカラーリーフとして活躍します。ほかの植物の元気がなくなる夏にも美しい姿を保ち、鮮やかな花を咲かせるのも嬉しいところ。 ニューサイラン 幅広で長く鋭い葉を伸ばし、迫力のある印象を与えるニューサイランは、寄せ植えや花壇で存在感を発揮すること間違いなしのオススメ植物。多彩な葉色の中には濃厚な銅葉もあり、フラワーアレンジに利用すれば、シックでモダンな印象に。大きめの鉢に単独で植えるだけでも、目を引き付けるフォーカルポイントになります。 カラー(オランダカイウ) 紫がかったような濃厚な色合いのカラー‘ホットチョコレート’。なかなか目にする機会のない、珍しい色合いのこのカラーは、スタイリッシュで独特の雰囲気を持ち、アレンジメントの材料として人気があります。湿り気のある土壌を好むので、栽培するときは水もちのよい土を使うのがポイントです。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1)flowermedia/ 2)seramo/ 3)Oliveshadow/ 4)Ivanita2017/ 9)Elena Rostunova/ 10) Peter Turner Photography/ Shutterstock.com
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ガーデンデザイン

自分だけの緑の世界を作ろう! テラリウムの作り方と注意点
テラリウムとは? DIGITAL_RED/Shutterstock.com テラリウムは「テラ(土地)」と「アリウム(場所)」の2つの言葉から作られた言葉です。広い意味では植物園もテラリウムですが、一般には水槽や透明のガラス、ボトル容器の中に自然の風景を再現し、植物や小動物を育てることを意味します。テラリウムなら、植物を育ててみたいけれど庭がない、ベランダが狭い、日照条件が悪いと諦めていた人も、室内の一角で楽しむことができます。テラリウムは、今、グリーンインテリアとしても人気の高いジャンルです。 テラリウムの種類 Chun photographer/Shutterstock.com テラリウムにはさまざまなスタイルがありますが、容器の設置方法では、主に「置き型」と「ハンギング型」に分けられます。最もポピュラーなのは、置き型のテラリウム。魚を飼育するための水槽やシリンダー型の花器など、さまざまなガラス容器を使って作ることができます。ハンギング型はフックで吊り下げるタイプです。吊り下げられるようなデザインのガラス容器を利用したり、植物用のハンガーを利用して吊します。テラリウムは湿らせた用土を使うことから重量があるので、ハンギング型の容器は小さめで軽量のものが向いています。 一般的なテラリウムは地上部分だけを作ることが多いですが、一部に水辺の風景を作るアクアテラリウムというスタイルもあります。最近は「パルダリウム」と呼ばれることもありますが、イモリやカエルなどの両生類や爬虫類を飼育しながら楽しめる新しいスタイルです。 テラリウムを作る準備をしよう ivan_kislitsin/Shutterstock.com テラリウムを作る準備では、まずどのようなテラリウムを作りたいか、置く場所や大きさ、作りたい風景をイメージします。それに合わせた容器や道具、中に入れる植物や用土などを事前に用意しましょう。 器具と資材 ventdusud/Shutterstock.com テラリウム作成に必要なものを用意しましょう。印象を決める容器は、見た目の好みはもちろん、管理のしやすさ、置く場所、使用したい植物などを考慮して決めます。一般には、浅型ガラス水槽、アクリル水槽、ガラス瓶、花瓶などを利用しますが、育てたい植物によっては密閉できる容器にする必要があります。 植物を植える用土は、カビの原因になる有機物を含まないものがよいでしょう。テラリウムに使う用土には、以下のようなものがあります。 アクアリウム用のソイル…天然土を粒状に焼き固めて作られたもの ハイドロボール…粘土を高温で焼成して発泡させた植え付け資材 セラミス…粒の細かい粘土を焼成した粒状の植え付け資材 砂利…大磯石などのアクアリウム用資材を流用 赤玉土、鹿沼土…一般の園芸に使う用土 異なる色の用土を使うと地層のような演出をすることも可能です。 植物の光合成に欠かせない光は、部屋の中では不足しがち。そのため、インテリア要素も兼ねて植物育成ライトも用意しましょう。容器のサイズが大きいほどライトの数も多く必要になります。植物を植える作業を効率よくするために、ピンセット、割り箸、園芸用ハサミ、水挿し、スプーン、じょうごなども事前に用意しておきましょう。 アクアテラリウムを作る場合は、水草用おもりも。生き物を入れる場合は、冷暖房器具、サーモスタット(温度調節装置)、水質の調整剤、シェルターなども必要です。 テラリウムに適した植物 iMarzi/Shutterstock.com 部屋でテラリウムを楽しむ場合、弱光、高湿度を好む植物が向いています。具体的にはコケ、シダ、アナナス、ベゴニア、ランなど。アクアテラリウムの場合は、ウィローモスをはじめとする水草類も使えます。植物は園芸店やアクアリウムショップ、通販などで購入できます。購入品には植物の名前が明記されているので、育てる際の参考にしましょう。 植物を選ぶ際には、どのようなタイプのテラリウムを作りたいか、どこに置くかを決め、その場所に合ったものを選びます。その際、メインとなる植物を決め、それに似た性質の植物を合わせるとよいでしょう。容器より大きく育つ植物、成長が早い植物は、植え替えたり、トリミングでサイズを調整する必要があります。植物の性質が分からない場合はネットや図鑑などで調べ、適した環境で管理します。 アクアテラリウムに適した生き物 SunflowerMomma/Shutterstock.com アクアリウムと合わせたアクアテラリウムでは、植物に加え、一般的に生き物も飼育します。多くの場合、飼育には小型のテラリウムは不向きです。生き物に合わせたサイズの水槽を準備し、飛び出さないよう深めの水槽を使用しましょう。アクアテラリウムに向いている生き物は、イモリ、メダカ、ミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビ、カエルなど。頻繁に清掃が必要な生き物は向いていません。アクアテラリウムの場合、生き物の生息地を再現するような植物を選ぶと、生き物も元気に育ち、より自然に見えます。生き物を飼育する場合は、責任をもって健全に生育できる環境を整えてあげることが大切です。 レイアウト素材 tarapong srichaiyos/Shutterstock.com 容器、用土、育てる植物や生き物が決まったら、自然な風景を演出するレイアウト素材を準備します。レイアウト素材には、風山石や溶岩石などのアクアリウム用の石材を使うことができます。そのほか流木やコルク、木の枝や落ち葉などの植物性の素材も風景になじみます。また、作った風景の中に動物や人形などのフィギュアを配置して、臨場感のあるシーンを演出しても楽しいでしょう。こういった資材は園芸店やアクアリウムショップ、通信販売などで入手できます。天然素材の中でも植物性の素材は、虫やカビの発生源になることもあるので、必要があれば煮沸消毒などをしてから利用するようにしましょう。 テラリウムの作り方 Marina Varnava/Shutterstock.com テラリウムに必要な道具や植物が準備できたら、いよいよテラリウムを作ります。順を追って作成していきましょう。 1:植物・レイアウトを決める Dirk Ercken/Shutterstock.com ここまで、どのようなテラリウムを作りたいかイメージし、それに合った植物や生き物、容器を準備してきました。レイアウト素材も含め、材料が揃った時点で、より具体的にどのようなレイアウトにしたいかを考えます。植物やレイアウトが明確でないと、バランスが悪く違和感のあるテラリウムになることも。レイアウトが浮かばない、どのような組み合わせがよいか分からない場合は、準備した植物が生息している場所を参考にしてみましょう。より自然な雰囲気のテラリウムを作ることができます。 2:洗浄・殺虫を行う Thanes Pruttivanichakul/Shutterstock.com 一度テラリウムを組み上げた後は、細かいところまで手入れをするのは難しくなるので、事前に害虫や病気を予防することが大切です。入手した植物についている土や余計な生物をケースに持ち込まないように水でしっかり洗浄し、もともと付いている土は可能な限り洗い落とします。虫がいた場合、植物だけの場合は駆除に適した薬剤を使用します。生き物がいる場合は、テラリウムに入れる前に二酸化炭素を使って駆除します。その際、空気漏れのない袋に虫が発生している岩や流木を入れ、二酸化炭素を注入して殺虫します。植え付ける植物は、枯れている部分があると腐ったりカビが生えたりする原因になるので取り除きましょう。生き物を入れない場合は、植物やレイアウト素材を消毒してから使うと、ある程度カビの発生を抑えることができます。 3:レイアウトの仮組みをする Evgenya Moiseeva/Shutterstock.com いよいよ準備した容器や水槽にレイアウト素材を入れていきます。まずは全体の印象を決めるメイン素材から組み立てていきます。例えば、大きな溶岩石などはメインとなる素材なので、最初に配置を決めましょう。テラリウムを作る際は、下から上の方向で組み上げていきます。一方向からだけでなく、いろいろな方向から自然に見えるか、安定しているかを確認します。大きいサイズのテラリウムを作る場合、レイアウト素材やソイル(用土)の重さで底面が割れる危険があります。その場合は、ソイルで見えない部分には発泡スチロールなどの軽い素材を使うなどの工夫が必要です。 4:ソイルを入れて植物を植える Piti Tan/Shutterstock.com 植物やレイアウト素材のおおまかな位置が決まったら、ソイルを底に敷きます。ソイルは隙間のないように入れることが大切です。隙間があると植物の給水がうまくいかなかったり、レイアウトの崩壊の原因になります。完成後に隙間や空間があると修正しにくいので、ソイルを投入しながら、適宜、細い割り箸やピンセットなどを使って隙間なく入れていきます。 ソイルを入れ終えたら、レイアウトのイメージに合わせて植物を植えていきます。正面からだけでなく側面や上部からもチェックし、違和感がないようにしましょう。植物がグラグラしていると根張りが悪くなるので、しっかり固定します。用土が足りないと水切れしやすくなるので注意します。また、植物は成長するので、隙間なく植えるとすぐに窮屈になってしまいます。ある程度スペースの余裕を持って植えましょう。 大きなテラリウムの場合、ソイルを入れた後は重くて動かせなくなる可能性があるので、入れる前に設置予定の場所に移動しておくようにしましょう。 5:養生・メンテナンスを行う olsim photo/Shutterstock.com 完成したテラリウムをよりよい状態で長く楽しむには、定期的なメンテナンスと養生が必要です。 水分補給は、朝夕に霧吹きで行うとよいでしょう。枯れた葉は取り除き、病気予防に努めます。育ちすぎて密集した場合は、蒸れないようにトリミングします。肥料が多いと病気やカビの原因になるので、成長期にごく少量与えるようにしましょう。また、生き物を飼育する場合は、レイアウトの完成から1カ月程度経過して、植物が根付いたタイミングで入れるようにします。 テラリウム作成時の注意点 dushkovladimir/Shutterstock.com テラリウムを作成する際に注意するポイントをご紹介します。 植物やレイアウト素材を他人の私有地、公共の土地などで採取しない iMarzi/Shutterstock.com 日本の土地は基本的に所有権が存在するので、無許可で植物の採取をしてはいけません。土地の所有者に事前に許可をとりましょう。また、国、地方自治体が管理している場所では、原則的に植物や石の採取は禁止されているので注意が必要です。採取は自分が所有する土地でのみ行い、それ以外は園芸店やアクアリウムショップなどから購入するようにしましょう。また、戸外で採取した植物には病原菌や虫が付着している可能性があるので、十分処理してから使用するようにしましょう。 口が狭い容器の使用は避けたほうが無難 Hasret Sonmez/Shutterstock.com 容器は好みや植えたい植物に合わせて選びますが、口が狭い容器は、植える時やその後のメンテナンスに手間がかかり技術を要するケースが多いです。植物やピンセット、手などが入れやすい、口が広いものを選ぶと管理しやすいでしょう。ただし、口が広いほど乾燥しやすくなるので、植える植物の性質を考慮したうえで容器の形を考える必要があります。 植物を詰め込みすぎない Timof/Shutterstock.com 初めてテラリウムを作る時は、いろいろな植物、レイアウト素材を入れたくなりますが、詰め込みすぎると窮屈な印象になってしまいますし、密集していると病気の原因にもなります。さらに植物は時間経過とともに成長するため、スペースを確保しておく必要があります。どのような風景を作りたいのか、全体のバランスやレイアウトのイメージを明確にし、思い浮かばない場合は、メインの植物の自生地の風景や、テラリウム作品を見て参考にしましょう。レイアウトしてみて、植物が多すぎる場合は、減らしてバランスを見てみましょう。 テラリウム維持の注意点 Timof/Shutterstock.com 完成したテラリウムを長く良好な状態で保つための置き場所や管理方法についてご紹介します。 直射日光が当たる場所で育てない qnula/Shutterstock.com 直射日光に当たると葉が焼けてしまうことがあります。また、密閉した空間に日光が当たると急激に温度が上昇し、蒸れたり、水がお湯のようになって枯れてしまうことがあります。テラリウムは直射日光の当たらない明るい日陰に置きましょう。光が不足する場合は植物用の人工ライトを設置します。また、窓際は温度変化が大きいので、窓から離してできるだけ温度が一定の場所に置きましょう。 水のやりすぎは控える ivan_kislitsin/Shutterstock.com 水のやりすぎは、根腐れの原因になります。密閉容器で根腐れを起こすとカビや病気の原因になり、健康な植物にまで被害を及ぼします。根腐れしないよう、基本的に根元が乾いてから給水し、湿度は霧吹きで補うようにしましょう。特に冬は温度が下がり、植物の成長が緩慢になる時期です。よく観察し、あまり乾いていないようならば水やりを控えるように気を付けましょう。 好きな植物や生物でテラリウムを作ってみよう! qnula/Shutterstock.com テラリウムは、コケなど身近な植物と、空き瓶や花瓶など身近な道具を利用して気軽に始められます。好みのデザインで作って、グリーンインテリアとして飾ることもできます。大型のものは、インテリアとしてもインパクト抜群。今回ご紹介した作り方や注意点を参考にして、ぜひテラリウムに挑戦してみましょう。
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観葉・インドアグリーン

観葉植物として人気の高いサンセベリア! 育てるメリットと育て方
サンセベリアとは サンセベリアは、サンスベリアとも、また一般的な種はトラノオやチトセランなどと呼ばれて流通することもあります。そのほとんどの種が棒状、あるいは扁平状の細長い形をした葉を、ロゼット状に展開させます。種類によって、草丈10cm程度のコンパクトなものから1mを超すような大きなものまでさまざまです。また、広く流通している一般的な品種から稀少品種までたくさんの品種があり、園芸初心者からマニアックなコレクターまでを魅了している植物です。 サンセベリアの基本情報 多年草でリュウゼツラン(キジカクシ)科チトセラン属(サンセベリア属)に分類され、英名はSnakeplantといいます。原産地は熱帯アフリカ、南アフリカ、マダガスカル、南アジア、アラビアの乾燥地で、広く自生しています。開花期は8~10月。栽培環境が合うと、毎年白色の香りのよい花を咲かせ、成熟するとランナーを出して増殖します。最も一般的に流通しているサンセベリアはサンセベリア・トリファスキアタ(Sansevieria trifasciata)で、とても栽培しやすい入門種です。 サンセベリアの特徴 サンセベリア・トリファスキアタは斑入り種(ローレンティー)があり、葉に縞状の模様が入ることから虎模様を連想させます。そのため「虎の尾(トラノオ)」とも呼ばれます。種類によって葉の形や大きさが異なりますが、肉厚な葉を持ち、多肉植物として扱われることも。自生地の環境から、乾燥に強く、寒さに弱い性質です。また葉の寿命が長いことから長寿の験を担ぎ、千歳蘭(チトセラン)と呼ばれることもあります。 サンセベリアの人気品種 サンセベリアは原種だけでも60~70種ほどあり、品種を含めるととても多様なグループです。その中でも栽培管理がしやすく、人気のある品種について解説します。 ローレンティー(Sansevieria trifasciata 'Laurentii') ‘ローレンティー’はサンセベリアの代表選手と呼んでよいくらい、とてもポピュラーな品種です。一般的にサンセベリアと聞いてイメージするのは、この品種ではないでしょうか。‘ローレンティー’は前述の通り、サンセベリア・トリファスキアタの斑入り品種。幅広で肉厚の斑入り葉がとても美しく、耐陰性もあることから観葉植物として人気です。水切れに強く、頻繁な水やりが必要ないので育てやすい品種です。草丈は40cmほどになりますが、葉が縦方向に伸びるため、あまり場所を取りません。草丈が高くならないサンセベリア'ローレンティーコンパクタ'(Sansevieria trifasciata 'Laurentii Compacta')という品種もあり、こちらはよりコンパクトに育てることができます。 スタッキー 先端にいくに従って細くなる棒状の葉を付けます。よく園芸店でスタッキーとして売られているサンセベリアを見かけますが、それは商品名としてのスタッキーであり、実際は別種のサンセベリア・シリンドリカ(Sansevieria cylindrica)の葉挿しである場合が多いようです。丈夫で乾燥にも強く、とても育てやすいです。葉挿しのため新しい葉はなかなか出てきませんが、長期間栽培すると棒状の葉を扇形に広げた見事な株になります。ちなみに、サンセベリア・スタッキー(Sansevieria stuckyi)は市場にはなかなか出回りません。本物のスタッキーを育てたい場合は、よく確認してから購入するようにしましょう。 ゼラニカ サンセベリア・ゼラニカ(Sansevieria zeylanica)は、サンセベリア・トリファスキアタとほぼ同種といわれています。幅広で肉厚の葉を多数出し、葉色が濃く、白い縞模様が入るのが特徴です。性質もトリファスキアタ同様に強健です。 可愛いだけじゃない!サンセベリアを育てるメリット 育てやすく、可愛いサンセベリア。観葉植物として置いてあるだけで、その部屋の雰囲気を変えてくれます。しかし、サンセベリアの魅力はそれだけではありません。この植物には空気の浄化作用があるのです。過去に行われた実験で、植物を密閉空間に入れ、ホルムアルデヒドなど有害な気体である揮発性有機化合物(VOC)に晒したところ、サンセベリアはほかの植物よりも多くの有害物質を吸収、分解するという結果が出たことがあります。そのため、サンセベリアは空気の浄化作用が高いといわれています。また、一般に観葉植物は二酸化炭素を吸収し、酸素を放出してくれることからも室内環境の改善が期待できるというメリットも。寝室などに置いておくと、気持ちもすっきりしてよく眠れるかもしれません。もっとも、実際のところ、空気清浄機並みの効果を出すためには、部屋の床いっぱいにサンセベリアの鉢植えを並べる必要があるようです。 サンセベリアの基本的な育て方 ローメンテナンスなサンセベリアですが、ポイントを押さえておくと、よりうまく育てることができます。ここでは、基本的な育て方について解説します。 日当たりのよい場所に置く 「耐陰性」という、日陰でも育つことができる性質が強いサンセベリアですが、自生地は強い日差しに晒された場所。本当は日差しが大好きです。ずっと暗い室内に置いておくと肉厚の葉がペラペラと薄くなり、自立できなくなってしまうこともあります。水やりの頻度を少なくし、乾燥気味に育てつつ、可能なときは明るい場所に移してあげましょう。春から秋にかけてなら外に出すのも一つの方法。ただ暗いところから外の直射日光にいきなり晒してしまうと、環境の変化に耐えられず葉やけを起こしてしまうので注意しましょう。 またサンセベリアは寒さに弱いので、最低気温が10℃を下回る時期は室内などに取り込むようにしましょう。 水やりは土が乾いてから行う サンセベリアは、もともと乾燥した地域の植物。そのため、用土が常に湿っている環境は苦手です。根が長時間湿ったままだと傷むこともあるので、水やりは用土がしっかり乾いてからたっぷりとあげましょう。気温が高く盛んに生育している時期はあまり神経質になる必要はありませんが、生育が鈍る晩秋から早春は、用土がなかなか乾きません。水やりの頻度が高いと、根を傷める原因となります。寒い時期にはm極力、用土がしっかり乾いてから水やりするように心がけましょう。取り込んだ部屋の室温が15℃を下回る場合は水やりを控え、断水してしまってもかまいません。水やりをしないでいるとサンセベリアは休眠状態となり、耐寒性が増します。葉にしわがよってきて元気のない姿になりますが、暖かくなってから水やりを再開すると、また元気になりますよ。 生育期に肥料を与える 肥料は気温が18℃を超える春から秋に与えます。もともと荒れ地に育つ植物なので、多くの肥料は必要としません。春先に緩効性肥料を規定量より少なめに与えておく程度で十分です。早く大きくしたい場合などは、必要に応じて規定量より薄めの液体肥料を月に2回ほど与えると元気に育ちます。 2年に1度は植え替えをする サンセベリアは葉が頻繁に生え変わるわけではないので、生育の遅い植物と感じることもありますが、土の中では盛んに地下茎を伸ばして子株を増やそうとしています。そのため、気付くと鉢土の中に地下茎が伸び放題になり、鉢がいっぱいになっていることも。こうした状態になると、生育が鈍くなったり、水切れしやすくなってくるので、1~2年おきに植え替えるのがおすすめです。植え替えの適期は5〜9月。そのまま育てるのであれば、鉢から根鉢を抜いたら、用土を1/4ほど落とし、1~2回り大きな鉢に植え替えましょう。このとき地下茎で切り分けて、小株は別株として育てることもできます。用土はサボテン・多肉植物用の土を使います。 初心者でも育てられる? サンセベリアにまつわる疑問を解消 育てやすいサンセベリアは園芸初心者にうってつけ。入門種としてぜひおすすめしたい植物です。とはいえ、初めての場合、育てられるか不安になることも多いと思います。ここでは、サンセベリアに関するよくある疑問について解説します。 サンセベリアは虫が発生しやすい? サンセベリアの葉の表面は硬く、他の植物に比べるとあまり虫は発生しません。風通しの悪い場所に置いておくと、まれにカイガラムシが付くことがあり、また有機質の用土を使っているとコバエが発生することがあります。その場合は、スプレー式の専用薬剤を使えば簡単に駆除できます。 観葉植物を枯らしてしまうことが多くても育てられる? 観葉植物を枯らす原因の一つに、冬期の水の与えすぎがあげられます。生育期と同じように与えてしまうと、成長が緩慢になった根の部分が水をうまく吸い上げられず、溺れたようになってしまって枯死し、根腐れを起こします。そのため10℃以下になったら室内管理をし、水やりは用土が完全に乾いたあと、日中の暖かいときに与えましょう。心配であれば断水するのも一つの手です。また、エアコンの風が当たるところに置いて枯らしてしまうという失敗もよく見受けられます。エアコンの風は、葉を乾かしすぎて弱らせてしまったり、病害虫被害にあいやすくなったりするので、風が当たらない場所で管理しましょう。サンセベリアは乾燥に強い植物なので、ほかの多くの観葉植物に比べ、水切れで枯らしてしまうことはあまりありません。 留守中の暑さや寒さは大丈夫? 乾燥に強い植物なので、留守中の水やりの心配はほとんどありません。留守にする場合、一番の心配は、夏場の蒸れによる枯死です。閉め切った室内の窓際などはかなり高温になるため、直射日光の当たらない場所に移すなどして対応しましょう。 空気清浄効果のあるサンセベリアで快適に暮らそう 初心者でも育てやすい観葉植物で室内のインテリアとしての彩りもよく、空気清浄効果も期待できるサンセベリア。ローレンティーなど入門種を育てるもよし、他にもさまざまな種、品種があるので、コレクションしても楽しめます。お気に入りの植物に囲まれていると、それだけで快適な暮らしができます。ぜひ取り入れてみてくださいね。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。




















