スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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樹木

美しく爽やかに季節を告げる木々 花木を育ててみませんか?
美しい花が楽しめる花木 樹木の中でも特にたくさんの花が楽しめる「花木」というグループ。美しい花を満開に咲かせ、木全体が花々で覆われたようなその姿は見事のひとことです。樹木を彩る花を見て、季節の変化を感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、私たちに春を告げてくれる美しい花木をご紹介します。 花木の栽培はハードルが高いと思われるかもしれませんが、実は栽培しやすい丈夫なものが多く、一度根づいてしまえばほとんど手を掛けなくても育ってくれます。コンパクトに育つ樹種を選べば、鉢植えでも十分栽培可能。数年に一度の植え替えなどの手入れで、何年もの間、私たちの目を楽しませてくれます。 マグノリア 花期:3~5月樹高:2~10m以上 ボリュームのある美しい花を一面に咲かせるマグノリア。マグノリアはモクレン属の園芸品種の総称で、白やピンクなどの柔らかな色合いの花が春を彩ります。基本的に大きく育つので、小スペースでの栽培なら、小型の園芸品種、ガールマグノリアの系統がオススメ。大木に育てれば、庭の主役になるような見事な光景を見ることができます。 ミモザ(ギンヨウアカシア) 花期:3~4月上旬樹高:5~10m 春先に鮮やかな黄色の花を咲かせるミモザは、銀色がかった葉とのコントラストも美しく、ブーケなどの花材としても人気の高い花木。本来ミモザはオジギソウなどの別の植物を指す名前でしたが、現在はギンヨウアカシアを表すことが多くなっています。ギンヨウアカシアのほか、フサアカシアもミモザという名称で流通していることがあります。どちらも生長が速く大きく育つため、支柱を立てて支えるほか、花後には剪定を行います。 ハナモモ 花期:3月中旬~4月中旬樹高:2~5m 古くから日本人にも親しまれてきたモモの花。3月3日のひな祭りには欠かせない花ですね。その中でも、特に花を観賞する花木として扱うものをハナモモと呼びます。その名の通り桃色の花のほか、白や鮮やかな赤などの可愛らしい花を、枝を覆うようにびっしりと咲かせます。枝垂れ性やほうき立ち性、矮性など、樹形の種類も多いので、栽培スペースに合わせて選ぶことができます。 ライラック 花期:4~5月樹高:1.5~6m ヨーロッパ生まれのライラックは、美しいラベンダー色の花穂をたくさんつけ、辺り一面に芳香を漂わせる魅力的な花木。フランス語のリラという名前でも親しまれています。寒さに強いので、寒冷地での庭木にぴったり。近い仲間であるヒメライラックは、樹高が1m程度とコンパクトに育つので、鉢植えでの栽培も楽しめます。 ジューンベリー(アメリカザイフリボク) 花期:4月下旬~5月上旬樹高:3~5m すらりとした樹形が美しく、近年シンボルツリーとして人気の高いジューンベリー。春に咲かせる白い花はもとより、初夏に鈴なりに実る赤くて甘酸っぱい実、秋の紅葉と、どの季節でも楽しめる花木です。成長がゆっくりで手入れしやすく、栽培も簡単なので、ガーデニング初心者にもオススメです。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1)Tom Mc Nemar/ 2)Ulrike Adam/ 3)Hang Dinh/ 4)Lana B/ 5)Vincenzo Iacovoni/ 6)Anna Bogush/ 7)BluOltreMare/ 8)KPG Payless2/ 9)Ken Kojima/ 10)zhu difeng/ 11)KULISH VIKTORIIA/ 12)NikolayTsyu/ 13)ttoleg/ 14)mccw thissen/ 15)yurisyan/ 16)MAKNAD /Shutterstock.com
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ガーデン&ショップ

イングリッシュガーデン旅案内【英国】石塀に映えるロマンチックな花景色「ブロートン・カースル」後編
西向きのバトルメントボーダー 前編では、石塀に囲まれたウォールドガーデン、「貴婦人の庭(レイディーズガーデン)」を巡りましたが、後編では石塀の外側にのびる花壇(ボーダー)を見ていきましょう。 こちらは、入り口の守衛所(ゲートハウス)脇にある、銃眼付きの胸壁(バトルメント)に沿ってつくられた花壇、バトルメントボーダーです。 ブルー、シルバー、黄色の植物を使ったシックな植栽。案内をしてくれたガーデナーのクリス・ホプキンスさんによると、オーナーである第21代セイ・アンド・セール男爵は、このような落ち着いた色調の植栽を好まれるそうです。 石塀に沿って南に進んでいくと、赤や赤紫など、深い色を使った植栽に変化します。こちらは男爵夫人好みの植栽。女性らしさが感じられます。 ワインレッドのバラとジギタリスがコラボし、間にはゲラニウムやポピーの葉が茂っています。 こちらがガーデナーのクリスさん。27年間、ほぼ一人でこの庭の管理をしてきたという方です。後ろ姿は北海道、上野ファームのガーデナー上野砂由紀さん。 雨上がりの庭に、花々の香りにつられてお腹を空かせたハチがやってきます。 ガーデナーのクリスさんは、植物や色彩の好みが異なる男爵と夫人のどちらにも満足してもらえるよう、植栽のバランスに配慮していると言います。 西側の石塀に小さな窓があります。その周囲に適度なバランスでクレマチスやつるバラが色を添えて、ナチュラルな雰囲気ですね。 つるバラの伝う小窓から、石塀の中に広がる庭が見えます。 大きなバラの茂みのそばには、銅葉のヒューケラやシックなアメリカテマリシモツケ、シルバーグリーンのリクニスなどが組み合わされて、葉色の変化を見せています。いつまでも眺めていたい美しい景色です。 花壇の反対側にある生け垣の端は、ピンクのバラで彩られています。その向こうに、広大なブロートン・パークの草地が続きます。 ウォールドガーデンの南西の角に立つと、建物と左右の庭が一望できます。ここでは、銅葉のセイヨウニワトコ ‘ブラックレース’がいいアクセントになり、手前にはデルフィニウムが大株に茂っています。 角を回って、南向きの花壇までやってきました。 振り返ると、濠の水面の先に緑の景色が広がって…。 南向きのサウスボーダー 南側の石塀にも貴婦人の庭(レイディーズガーデン)への入り口がありました。 バラに彩られる南側のアーチから、貴婦人の庭の中心にあるハニーサックルや生け垣が覗いています。 サウスボーダーのこの青花はゲラニウム・ヒマラエンセ‘グレイブタイ’。石塀を伝うつるバラは‘ゴールドフィンチ’。ブルーと淡い黄色が爽やかな一角。 ラムズイヤーのシルバーリーフに黄花のエルサレム・セージが引き立ちます。 カスミソウのような花が無数に咲いていて、「なんだかカスミソウのお化けみたい!」と同行者が楽しげに眺めていました。「これは、クランベ・コーディフォリアですよね。立派な株ですねー」と上野さん。 白花のクランベ・コーディフォリア越しに、石壁のアーチの方角を見ると、つるバラと調和して白花が引き立っています。 東向きのボーダー 白いつるバラが絡むアーチの反対側からの景色。このアーチは14世紀の建設当初にはエントランス部分だったと考えられています。 アーチの角を回って、東向きのボーダーに来ました。 ウォールドガーデンの内側と外側、一歩進むごとに新しい景色に変わり、いつまでも巡っていたいブロートン・カースルの庭。上野ファームのガーデナー、上野砂由紀さんは、庭巡りのあと、こう話していました。 「よく手入れされて、ゲラニウムやバラもとてもよい状態で咲き始めていました。(私の庭のある)北海道では育てられないのですが、植えてみたいなと思う、おばけカスミソウみたいな、クランベ・コーディフォリアもありましたね。 ガーデナーが、オーナーと奥様の意思を反映しながら、庭づくりに試行錯誤していました。上野ファームも、私がデザインしている所と、母がすべて植栽のデザインをする所を、きっちり分けています。好みも、好きな花も違うので、担当を分けて、それぞれのよさを出すようにしています」 「ブロートンの庭のように、ガーデンにはオーナーがいて、ヘッドガーデナーがいますが、オーナーの意向をどう反映するかが、ヘッドガーデナーの腕の見せ所ですよね。ガーデナーのクリスさんは、数年前まではご自分で芝刈りもして、ほぼ一人で27年間働いてきたとか。相当な仕事量をこなしてきたのだろうなと、同じガーデナーとして仕事の裏側も気になりました。6月は、ご覧のように爽やかで華やかな庭でしたが、春もチューリップを植えて華やかにしているそうですよ」 イギリスの歴史を感じる屋敷 さて、次は屋敷の中を巡っていきましょう。 まずは、1300年頃に建てられた屋敷の最も古い部分が残っているというグレートホール。イギリスのお城など、古い建物は薄暗いことが多いのですが、このグレートホールは16世紀半ばの改修で組み込まれた、チューダー様式の大きな窓から光が入り、明るさがあります。 天井には垂れ飾りが。1760年代に改修された時のもの。 暖炉の脇には、革製の消火バケツと剣が並びます。これらの不揃いの古いレンガは建設当時のものでしょうか。 絵になる窓辺のコーナー。 アン王妃の部屋、ギャラリー 次は、アン王妃の部屋(クイーン・アンズ・ルーム)です。イングランド王、ジェームズ1世の王妃、アン・オブ・デンマークが、1604年と1608年に、この部屋に滞在したといわれています。暖炉の上に飾られた肖像画がアン王妃。石造りの暖炉は16世紀半ばに設けられたものです。 暖炉には、石工によって彫られた精巧な飾りがあります。天蓋付きのベッドは18世紀後半のもの。 2階の廊下にあたるギャラリー。1760年代にゴシック様式に改修された際、内装も新たに施されました。ここには16世紀からの一族の肖像画が集められています。 窓から外の緑が見えます。 美しい壁紙が特徴的なベリー・ロッジ・ルーム。壁紙はフランス、アルザス地方にあるズベール社の1840年頃のものです。家具の多くは、男爵の祖父母の屋敷、ベリー・ロッジから運ばれたものだそう。 王の部屋、そして屋上へ 次は、1604年にジェームズ1世が宿泊したという、王の部屋(キングス・チェンバー)です。印象的なグリーンの中国風の壁紙は手描きだとか。ベッドは現代の家具作家、ロビン・ファーロングの手による特注品。現代的な要素がアンティークとうまくミックスされています。 暖炉の上には、フランス製の漆喰仕上げの装飾が施されています。ギリシャ神話のモチーフです。 ギャラリーの反対側にも、対になる長椅子が置かれたコーナーがありました。 ドアノブの飾りが素敵です。 屋敷の西側、屋上に出てみると、貴婦人の庭(レイディーズガーデン)が眼下に! アヤメの花を様式化した、よく紋章に用いられる「フルール・ド・リス」という意匠と、円を組み合わせたデザインです。生け垣で模様を描く、パーテアという庭園様式は、高い場所から眺めて楽しむものなのだなと、実感します。 ●貴婦人の庭の植栽については「ブロートン・カースル」前編をご覧ください。 西側壁面に沿って花壇がのび、濠の向こうには、730万㎡という耕作地や牧草地が続きます。 こちらは、守衛所(ゲートハウス)に近いほうの花壇、バトルメントボーダー。 さて、次は西の端にある大広間、グレートパーラー。漆喰仕上げの天井が見事です。 天井は古いものですが、壁紙や扉、羽目板などは19世紀半ばのもの。何度も改修を繰り返して、城の長い歴史が続いていくのですね。 椅子の布地に合わせたピンクの生花が素敵です。きっと男爵夫人が活けられたものですね。 東を向いた窓からは、芝生の上にリズミカルに並ぶ立方体のトピアリーが見えます。 南向きの窓からは、貴婦人の庭が見えます。 1階に降りて、再び貴婦人の庭へと出てみましょう。 さて、お庭をもう一周してきましょうか。 帰り際、前庭の端には、古い厩を改修したティールームとショップがありました。 長い歴史を経て、今も暮らす人に愛され、大切に維持されているブロートン・カースル。部屋の窓や屋上からの眺めも素晴らしく、庭では、私たちも育てている同じ種類の草花にも多数出合うこともでき、親しみを感じました。また、「ガーデン」とは、次の世代、また次の世代へと、いつまでも受け継いでいけるものなのだと教えてくれる場所でした。
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イベント・ニュース

12刷り重版好評!「ガーデンストーリー」書籍第1弾『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』
ガーデニングの「これやってみたい!」が満載の一冊 植物のある暮らしになんとなく憧れを抱いてはいても、どこから何を始めたらいいかわからないという人は少なくありません。『花や実を育てる飾る食べる 植物と暮らす12カ月の楽しみ方』(2021年3月19日発売)は、そんな迷える人を緑ある暮らしへと導くガイドです。 ガーデニングと一口に言っても、その内容はさまざま。花を育てて季節を感じたり、野菜を育てて採れたてを味わったり、実った果実で手作りジャムに挑戦したり、花やハーブをドライにしてクラフトに活用したりなどなど…スタートする入り口はたくさんあります。 そんな多岐にわたるガーデニングの楽しみを、旬を逃さず実践できるように月々ご紹介。植物を暮らしの中で生かすアイデアを、「育てる」「飾る」「食べる」をキーワードに、32テーマ収録しています。季節のイベントに合わせたフラワーアレンジや美味しいレシピなど、ページをめくるごとに暮らしが楽しくなる提案の目白押しです! おしゃれなガーデニングシーンが月々登場 各月の最初のページには、旬の植物リストとともに、イベントやその時期ならではのガーデンシーンを大きく見開きでご紹介。おしゃれなイメージ写真から庭づくりやディスプレイのヒントが見つかります。 毎月見頃を迎える花紹介は1年で140種登場 さらにページをめくると、その時期に見頃を迎える花の写真が一覧で登場。街中や公園でよく見かける季節を告げる花や、庭づくりをする人に愛されている代表的な花を集めました。 庭で咲かせる花苗選びの参考にしたり、庭巡りの前にその時期に咲く花を見逃さないようにチェックしたり。また、散歩の途中に見かける花の名前を調べるのにも役立ちます。 本書に沿って作業をすると自然に身につく12カ月の庭仕事 花紹介のページをめくると、次はその月に行いたい庭仕事の解説です。花がら摘みや切り戻しのタイミング、水やりの注意、虫に注意する時期など、その月に忘れずに行いたい作業を12カ月で72項目ピックアップしています。 まずは簡単な作業からスタートして、本書に沿って手入れをしているうちに、ガーデニングの基本が自然に身につきます。巻末には、12カ月の楽しみと庭仕事が一覧になっているので、その時知りたい項目のページにすぐアクセスすることもできます。 ガーデンストーリー執筆陣による「花と暮らす」アイデアを多数掲載 部屋に飾るのにおすすめの花やアレンジメントのアイデア、育てた植物を使った料理レシピ、摘んだ花を使ったクラフトなど、「ガーデンストーリー」の執筆陣がガーデニングの先輩として、その魅力を解説。植物の育て方ポイントや品種バリエーション、作業プロセスなどを参考に、今やってみたいことにチャレンジしましょう。 ガーデニングは自身の手で未来の楽しみを作り出すことのできる最も身近なエンターテインメントです。世界が不安に覆われている今このときも、木々は芽吹き、花のつぼみは日ごと膨らんでいます。心配ごとは数あれど、季節は確かにめぐり、緑の鮮やかさも花の美しさも、いつもと変わらず私たちに発見と喜びと癒しをもたらしてくれます。ぜひ、本書で身近な植物との12カ月をお楽しみください。 12カ月の「育てる」「飾る」「食べる」 4月〈育てる〉寄せ植えで季節の花を咲かせよう〈飾る〉モーブ色のイースターアレンジ〈食べる〉八重桜の塩漬けとアレンジレシピ 5月〈育てる〉タネから育てるハーブ〈飾る〉ティーカップを使ったローズボウル式アレンジ〈食べる〉庭で咲かせたバラの花ジャム 6月〈育てる〉猛暑に負けず咲き続ける夏花8選〈作る〉カモミールを育ててハーブ染め〈食べる〉愛でて食して飲んで嬉しいジューンベリーのジュース 7月〈育てる〉ハーブの女王ラベンダー〈作る〉安眠作用のある手作りのラベンダーピロー〈食べる〉花のマジックドリンク 8月〈育てる〉一年草で魅せる夏の寄せ植え〈飾る〉育てて飾るアジサイ‘アナベル’〈食べる〉ミントで爽やかに夏を過ごす 9月〈育てる〉高価なスパイス、サフランを自家採取〈飾る〉ドライフラワーで彩る透明なジェルキャンドル〈食べる〉自家採取のフレッシュリーフで作る絶品バジルペースト 10月〈育てる〉おうちでベリーを育てよう!〈食べる〉赤い宝石ザクロの濃厚シロップ 11月〈育てる〉ビオラ&パンジーのバスケット植え〈飾る〉ワインと花の寄せ植えギフト〈食べる〉バラの恵みで体をいたわる 12月〈育てる〉春待つ冬の寄せ植え作り〈飾る〉フレッシュグリーンのツリー風アレンジ 1月〈育てる〉春を先取りするムスカリの水耕栽培〈飾る〉冬の庭にハボタンの彩り 2月〈育てる〉発芽も可愛い! 室内で育つスプラウト〈飾る〉豪華なクリスマスローズのブーケ〈食べる〉春が香るスミレの砂糖漬け 3月〈育てる〉春を呼ぶ庭木ミモザ〈飾る〉ユキヤナギの春色テーブルリース 季節を迎える楽しみが何倍にもふくらむ1冊 ●お求めは、お近くの書店、または「ガーデンストーリーウェブショップ(期間限定送料無料サービス中!)」「KADOKAWA公式オンラインショップ」、「amazon」、以下のバナーをクリック!
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ストーリー

日本が可愛い花であふれかえる⁈ Junk sweet Garden tef*tef*による、おしゃれ楽しい園芸業界プロジェクト発進!
世界中でガーデニングブーム再燃中 今、世界的にガーデニングが流行していることをご存じですか? 新型コロナウイルスの影響で、自宅で過ごす時間が増えたため、昨年からガーデニングを始めたという人がたくさんいます。ただし、ガーデニングに注目が集まっているのは、ただ「時間が増えた」ことだけが理由ではないようです。興味深いことに、社会情勢が不安定になると、ガーデニングに脚光が当たるという歴史があります。不安を感じると、それを解消する手立てとして、人は緑を求めるのです。緑には、人を健やかに導く効果があることは、古くから経験則として知られていましたが、近年の研究で血圧やホルモン数値の変化といった目に見える形で実証され、ガーデニングは新しい価値と可能性を大きく広げています。 カリスマショップが園芸業界向け有料オンラインサロンを開始 そんななか、日本の園芸界に新たな潮流が生まれようとしています。Junk sweet Garden tef*tef*の代表をつとめる槇谷桜子さんは、自社で培ってきた経験や知識、情報、経営哲学を他の園芸店へも広めるため、昨年末、園芸業界向け有料オンラインサロンを開始しました。良質な花苗の普及拡大によって、園芸ファンを増やし、園芸業界全体の発展へつなげようと考えたのです。 Junk sweet Garden tef*tef*は、花苗や園芸グッズのセレクトWEBショップです。「花が好き」という極めてシンプルな理由で、12年前に槇谷さんが自宅で一人で立ち上げたのがその始まり。槇谷さんの感性で選ばれた植物や、それらを使って作られた寄せ植えは、繊細な色合いと造形で、ファンを多数獲得。リピーター率9割という数字は、一過性ではない園芸ファンの増加に大きく貢献していることを示すとともに、何よりも顧客満足度の高さを物語っています。 「繁忙期は月に3,000件出荷することもあります。お客様の欲しいという声にお応えするために、場所を拡大しハウスを増やし、従業員も30名まで増やしましたが、それでも出荷が追いつかないのが現状です。sold outの表示を減らそうといろいろ工夫しましたが、tef*tef*だけではお客様の希望にお応えするのに限界を感じると同時に、園芸業界全体が潤うシステムを作らなくては、という思いが近年強まっていきました」 その第一歩としてスタートさせたのが、オンラインサロンです。サロンメンバーには、同じ園芸店、育種者、生産者、市場関係者、園芸雑貨メーカーなど、園芸業界のさまざまな人々が参加しており、彼らが一つのグループとなることで、拡大する需要に合わせ安定供給を行い、ユーザーの満足度を高めるとともに、園芸業界全体の発展を目指しています。 徹底した品質管理で感動のバトンをつなぐ そもそもコロナ前の園芸業界は、一時のガーデニングブームが去って以降、総体的に見れば低迷を続けており、そのなかでJunk sweet Garden tef*tef*の人気と成長ぶりは異常ともいえる事態。その快進撃の理由はさまざまありますが、最も大きいのは、花への愛情から生まれるクオリティでしょう。 「私、本当に単純に花が好きなんですよ。毎日毎日、これだけ花に接していても、飽きたり慣れたりすることなく、いちいち可愛いなぁと思って、しみじみ感動するんですよね(笑)。この感動をお客様にもそのまま届けたいし、そうするのが私の使命やと思うんです。この花を生み出してくれた育種者さん、苗を生産してくれる生産者さん、流通を担ってくれる仲買人の方や市場の方というふうに、たくさんのバトンが繋がれて、私たち園芸店は最後にお客様にバトンを届ける重要な役目を担っているわけです。感動のバトンをきちんと届けるために、考えうる工夫と努力はすべてする。私にとっては当たり前のことですが、それがクオリティに繋がり、お客様からも評価をいただいてきた理由なんだと思います」 例えば、tef*tef*では仕入れた苗をそのまま出荷することはありません。一苗一苗の様子を確認し、花がらや黄変した葉は一つたりとも残さぬようピンセットで株の中まで丁寧に掃除し、必要に応じて肥料を与えたり、薬品を施します。 「花苗の種類によって特有の病気があるので、お客様のもとに届いてからも病気が発生しないよう、こちらであらかじめ予防を施しておきます。また、市場での仕入れから、お客様にお届けするまでにはインターバルがあるので、お客様の手元に届いた時に最高の状態になるよう時間を逆算して、ピンチしたり追肥を施したりもします」。 手間も時間もかかりますが、ピンチした分、苗は枝数が増え、花がたくさん咲き、病害虫対策も施されているため、園芸初心者でも困惑することなく、どんな花も上手に育てられるのです。つまり、同じ品種の花であっても、どのような管理がなされているかで花のパフォーマンスはまったく異なり、花数も、開花を楽しめる期間も変わってくるのです。さらに、丁寧な梱包に感動しファンになるガーデナーも多く、ブログや動画などで届いた梱包の様子を伝えてくださる方もいるほど。運送中に花を傷めない養生はもちろん、花とお客様との初対面を感動的なものにしたいと、段ボール内での花の配置にもこだわりを持っています。 作り手とともに人気品種を生み出し、生産者を応援 また、希少種や新品種、オリジナル品種などの個性的な花苗が並ぶのもtef*tef*の人気の秘密。そうした品種はそもそも市場への出荷がなかったり、極端に少ないことも多いのですが、槇谷さんは育種者や生産者と密接に繋がり、作り手とともに人気品種を多数生み出してきた仕掛け人でもあります。 「ときには育種者さんがそれほどでもないなぁと思っている花を私がすごく気に入って、ぜひそれを作ってほしいとお願いすることがあります。tef*tef*はネットショップなので、惚れ込んだお花に対し、写真や言葉や寄せ植えの実例などでその魅力を惜しみなくショップ内で宣伝し、人気品種に押し上げてきたという実績があります。要するに、お花のブランディングですよね。これって生産者さんでも同じで、先ほどもお話ししたように同じ花でも、誰が生産したかで、その品質って全然違うんですよ。発色がすごく綺麗だったり、どうかしたら育て方がうますぎて、生みの親である育種者さんも知らない本来の性質が出てくることもあるくらい(笑)。だから、tef*tef*では、誰が育種し、誰が生産した花かというのを丁寧に伝え、価格にも反映させ、それを作り手さんにもフィードバックしてきました」 良質な苗を適正価格で売るのがポリシー tef*tef*の苗は一般的な園芸店より高めに設定されていますが、槇谷さんはそれを誇りだと話します。 「比較すれば高いかもしれませんが、私は適正価格だと思っています。叡智と技術、工夫と努力が積み重ねられたものは、それだけの価値があり、価格は最も分かりやすい品質の表明です。だから、安さを売りにしないのが私のポリシー。価値あるものを見極める目を磨き、伝える努力をし、感動をお客様に届ける花苗管理を徹底することに労力をかけたいんです。そうやって適性価格を貫き、作り手さんたちに利益をフィードバックすれば、さらにユニークでよりよい花を生み出してもらえ、もっとお客様に喜んでいただけます」 槇谷さんが作り手を大切にする訳は、彼らへのリスペクトと、日本の花農家が置かれている高齢化・減少化といった厳しい現実への危機感があります。減少化の理由の一つは、販売価格。園芸店に置かれる花苗のほとんどは、市場を通して全国に流通しています。市場にはセリの制度があり、セリでは生産者は自分で価格を決めることができないため、想定した価格よりはるかに安価に売買され、種代をようやく確保できるほどにしかならないケースもあります。そうなれば生産者は土の量を減らしたり、肥料を減らしたりせざるを得なくなり、結果的に粗悪な苗が出回ることにもなりかねません。 「ただし、良質な苗を作る生産者さんの苗やユニークな品種は、“先取り”でどんどん売れてしまいます。“先取り”というのは、セリにかけられる前に生産者さんの希望価格で注文を受ける市場の卸売システムで、注目が高い苗は早い者勝ちで、すごいスピードで売れていきます。ですから、いい苗を仕入れるには、良質な苗を作る生産者さんの名前を覚えたり、最新品種の名前に敏感である必要がありますし、週2回の仕入れに備えてリサーチや準備が大切。そして、たとえ仕入れた苗の品質が低くても、リカバリーできる腕さえあれば、失敗も怖くないし、勉強の機会になります」 市場関係者の協力を得て全国に高品質の花が行き渡る流通を整備 tef*tef*では日本最大級の花市場である愛知県の豊明花きを利用していますが、ここには全国から年間7,400万鉢、1万5千品種の花苗が揃います。市場から花を仕入れるには市場との売買契約が必要で、個人で営む園芸店などにとっては参買権の取得や市場との物理的な距離がハードルとなり、仕入れに悩むケースも見られました。そこで、豊明花きでは、より多くの園芸店に仕入れの門戸を開くために、インターネットの売買システムを展開し、既に契約を結んでいる仲卸業者を通すことで、個々の園芸店でも市場から仕入れられるサービスを設けています。 tef*tef*でもこのサービスを利用して仕入れを行っており、仲卸業者や市場と長年にわたり信頼関係を築いてきました。オンラインサロンには、こうした市場関係者も参加しており、サロンメンバーの園芸店に対しても、市場のサービスが利用できる道筋を作ったり、鮮度の高い花を届けられるよう市場からの直送を行ったりなど、仕入れや流通に関して大きな協力を得ています。 「ただし、地元の市場でまかなえるものは、地元で仕入れようとメンバーさんにはアドバイスしています。そのほうが仕入れの際の競争も避けられますし、鮮度もいいし、地元の市場や生産者さんの利益にもつながります。園芸業界はいろいろな人が関わって成り立っているので、自分だけの利益ではなく、業界全体のことを考えて動くことが大事だということもサロン内でお話しさせていただいています」 サロンは勉強し、高め合い、個性を見つけられる場 前述のように、サロンメンバーの中には、生産者や育種者もおり、品種の特性や手入れの仕方、病害虫対策などを丁寧に解説しています。じつは園芸店が直接、作り手から話を聞ける機会はこれまでにあまりありませんでした。ですから、園芸店メンバーにとってサロンは、より花を学ぶための勉強会の場にもなっています。園芸店メンバーが熱心に質問し、仕入れた苗の品質向上に努めている一方、生産者メンバーは園芸店メンバーを通してユーザーの声を聞くことで、新たな生産や育種の方向性を見つけることができます。 また、園芸店同士の横のつながりもtef*tef*オンラインサロンの大きな特徴で、例えば寒冷地での苗の特別な養生の仕方などを、経験豊富な園芸店が、これから園芸店を始めるという同じ地域の人に教えるというコミュニケーションも行われています。 「ただし、サロンは“みんな一緒”というイメージではなく、知識や経験は共有するけれども、それを個々に生かしていくのが理想だと思っています。tef*tef*のセレクトは売れるので、私たちの仕入れのラインナップもサロンメンバーさんに共有していますが、それをそのまま仕入れればいいというより、あくまで参考にしてほしいと思っています。そもそも、園芸は気候と密接に関わっているので、店舗を構える園芸店さんは地域特性を捉える必要がありますし、地元のお客様の傾向なども重要な要素です」 そうした特性を上手に生かし、それぞれが個性をもち、お互いに刺激を与え合い、成長し合える場にするのがサロンの目指す方向です。さらに、個々に強みを持った園芸店や関係者がメンバーとしてつながることは、問題やトラブルに際しても、協力し解決に導くことができると話します。 「実際、あるアクシデントがあり、売り先に困ってしまった花苗が市場で発生したことがありました。そこで、tef*tef*でお取り引きがある仲卸さんがどうにかしたいとそれを全部引き取って、私も限界までそれを仕入れて販売し、ほかの園芸店さんにも声をかけて売ってもらい、みんなで協力して廃棄を防いだということがありました。それが素晴らしい苗だったからこそできたことですが、力を持ったメンバー同士が密接につながることで、今問題になっているフラワーロスをなくすことにも貢献できます」 日本のユニークな花文化を世界へ このサロン立ち上げの同線上の未来に、槇谷さんが見据えるのは、日本の園芸業界が1チームとなって、世界に進出することです。 「果物やお米の食味レベルが世界に類を見ない高いレベルを誇るのと同様に、日本の花生産も独自の感性と技術力で、ものすごくレベルが高くユニークです。じつはSNSの普及で世界が日本の花に驚嘆し始めており、実際、海外ではtef*tef*の写真を無断使用した偽ショップが蔓延していて、早く本物が登場して事態を収束してくれと言われ、海外進出の計画も進んでいます。皮肉ですが、偽物が蔓延するほど世界は寄せ植えを含めた日本の花文化に価値を見いだしているということです。ですから、世界的なガーデニングブームの高まりがある中で、日本の園芸業界が1チームとなれば、このユニークな花文化は世界に打って出られると私は本気で思っています」。 たった1人のWEBショップから、年商2億を超す勢いで伸び続け、業界の発展、世界進出、という壮大な構想を抱くまでに会社を成長させてきた原動力を尋ねると、 「だって、可愛い花を見て嫌な気持ちになる人っていないでしょう。可愛い花に囲まれていたら、どんな時も穏やかに暮らしていけると思うんですよね」と槇谷さん。極めてシンプルかつ分かりやすいポリシーで、日本の園芸業界を爽やかに牽引してくれることを期待せずにはいられません。 GARDEN STORYでは、今後、Junk sweet Garden tef*tef*のメンバー園芸店や生産者を取材し、ご紹介していく予定です。皆さんのお住まいの近くで、素敵な花に出会える日も近いかもしれません。
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ガーデン&ショップ

イングリッシュガーデン旅案内【英国】中世から建つ美しき古城「ブロートン・カースル」前編
長い歴史を持つブロートン城 ブロートン・カースルは、コッツウォルズ特別自然美観地域の北東側に位置しています。濠に囲まれた美しい石造りの屋敷と、その南側に作られた「貴婦人の庭(レイディーズガーデン)」で有名な、人気の高い観光スポットです。 ブロートン・カースルは、1300年頃、イングランド王のエドワード1世に仕えたジョン・ドゥ・ブロートン卿が石造りのマナーハウス(領主の館)を建てたことに始まります。屋敷は1377年に、ウィンチェスター主教のウィリアム・オブ・ウィッカムによって買い取られ、以来、その子孫となるファインズ家に受け継がれてきました。日本でいえば、鎌倉時代の終わりから室町時代の話です。 ウィリアム・オブ・ウィッカムは国政で重要な位置を占めた人物で、オックスフォード大学のニュー・カレッジや、英国最古の男子寄宿学校であるウィンチェスター・カレッジの設立、ウィンザー城の建設にも携わりました。ブロートン・カースルには、17世紀にイングランド王が宿泊したという歴史もあります。 現在も続くファインズ家には、探検家や作家、画家など、才能のある人物が多く、映画『ハリー・ポッター』シリーズでヴォルデモートを演じた俳優のレイフ・ファインズと、その弟のジョセフ・ファインズも親族だそう。 庭好きにとっては、屋敷の南側にある貴婦人の庭(レイディーズガーデン)は必見。一方を屋敷に、三方を石塀で囲まれたウォールドガーデンでは、石造りの古い建物を背景にどんな花景色が広がるのか、楽しみです。 それでは、庭巡りを始めましょう。 濠に囲まれた屋敷 まずは濠にかかる石橋を渡って、かつての守衛所(ゲートハウス)を抜けていきます。1406年、このゲートハウスに銃眼付きの胸壁が設けられたことで、マナーハウスは「カースル(城)」と呼ばれるようになりました。 屋敷は3つの小川が交わる地点に建てられ、それから、屋敷を囲む大きな濠がつくられました。濠と屋敷の大部分は、当時と変わらない姿を保っているそうです。 銃眼のあるゲートハウス。ブロートンの建物や塀には、コッツウォルドストーンと呼ばれる石灰岩が使われています。ブロートン・カースルのあるコッツウォルズの東側は、鉄分を多く含んだ赤茶色の石が採れるそう。大きさが不揃いな石に古さを感じますね。 前庭の端に、ひっそりとバラが咲いています。 600年近く経っていると思われる石塀に、優しいピンクのバラがよく合います。ここでしか出会えない趣のあるガーデンシーンに感動。 マナーハウスが見えてきました。1階右端が1300年頃に建てられた最も古い部分で、1554年に3階建てへと改築されました。17世紀にはすっかり荒れてしまったこともあったそうですが、長い年月の間に改修を繰り返しながら、維持されてきました。 左側に銃眼付きの胸壁が見えますが、城というよりマナーハウスの印象が強い屋敷ですね。内部はのちほど見学することにして、まずは右手から庭のほうに回ります。 屋敷の西側、濠の外には、ブロートン・パークの草地が広がっています。 低い石塀に伝うバラ。風化した石とバラが作り出す、野趣のある景色です。 屋敷脇の植え込みは、銅葉の茂みがアクセントになっています。 赤紫のバラと銅葉の美しい組み合わせ。 石塀に囲まれたウォールドガーデン、頭上にクレマチスが絡んだ貴婦人の庭への入り口が見えました。 貴婦人の庭(レイディーズガーデン) 屋敷の南側にある貴婦人の庭に入りました。先ほどのアーチから入って、振り返ったところ。砂利敷きの小道には落ち葉一つなく、銀葉のグラウンドカバー、銅葉の茂み、壁面を覆う緑と、このエリアだけでも数多くの植物が景色を作っています。 紫のアリウムと黄色いシシリンチウム・ストリアツム。優しい色合いの花々が出迎えてくれます。 西側の石塀には小窓があって、紫のフジが伝います。訪れたのは7月上旬。バラがちょうど満開で、緑もみずみずしくて、花と緑の香り漂う中で何度も深呼吸。 この庭は、1890年代に屋敷に暮らしていたゴードン=レノックス公爵夫人によってつくられました。この方は、当時一番のおしゃれさんとして、社交界で有名だったとか。きっと庭づくりのセンスもあったのですね。 現在の植栽は、オーナーである第21代セイ・アンド・セール男爵と男爵夫人によって考えられたもの。 コッツウォルドストーンで組まれた石塀や屋敷の壁に合うように、柔らかな色調の花が選ばれていますが、これは、1970年に、有名なガーデンデザイナーのランニング・ローパーから受けた助言に基づいているそうです。 フルール・ド・リスを描いたパーテア この庭は、低い生け垣で模様を描く「パーテア」と呼ばれるスタイルの、整形式庭園です。屋敷の屋上からは、アヤメの花を様式化した意匠(フルール・ド・リス)と円が組み合わさった、デザインの全体が見られるとのこと。楽しみです。 庭がつくられた当時の写真資料を見ると、生け垣の高さは足元程度で厚みもなく、素っ気ないくらいシンプルな景色が写っていました。しかし、長い年月の中で、生け垣は腰高にしっかりと育ち、花壇の茂みも大きな、緑豊かな庭となっています。 庭を囲む石塀と生け垣、つまり、庭の骨格は、130年の間変わっていないです。イングリッシュガーデンの歴史が感じられますね。 庭がつくられた当初、中心には日時計のような、シンプルな石造りのオブジェが置かれていましたが、現在はハニーサックルがこんもり茂っています。円形に区切られた地際では、パッチワークのように配植されたタイムが花を咲かせていました。 時の流れが生み出す、格別の雰囲気を醸す石塀です。よく見ると、石材の色や仕上げに違いがあります。修復された形跡でしょうか。 その古びた石塀を背に、バラやジギタリス、ゲラニウムといった草花が茂ります。ロマンチックな、これぞイングリッシュガーデンという花景色。 庭に植えられているバラは約60種とのこと。草花とナチュラルに調和し合っていました。 家壁の窪みの奥に、木製ベンチが置かれているスペースを見つけました。 いろいろな種類の花に囲まれたベンチです。小花がふわふわと咲いて、素朴ながら心落ち着く景色。 屋敷に沿って進むと、貴婦人の庭の外に出るアーチがありました。 石塀の外には芝生が アーチを抜けると、木の扉の上に白いつるバラが伝い広がっています。 貴婦人の庭の外側、石塀に沿ってつくられた東向きのボーダーです。 貴婦人の庭からアーチを抜けると石段があって、小さなテラスへと繋がっています。 テラスの先は屋敷の壁に沿って、植え込みが続きます。 大木のセアノサスがブルーの茂みを作り、傍にはテーブルとイスのセットが。遠くの景色を眺める憩いの場所です。 貴婦人の庭は、屋敷南側の、西側半分に位置しているのですが、東側には緑の芝生が広がっていて、大きな立方体のようなトピアリーが6つ点在しています。 さて、石塀の中の庭に戻ってみると……、あそこでゲストと話している方は、オーナーの男爵夫人! 庭に出て手入れ中だった男爵夫人とお話しすることができました。いつもご自身で花を摘んで、部屋に活けるそうです。 後編では、ウォールドガーデン外側の美しい花壇や、屋敷の素晴らしい内装、貴婦人の庭の全体像をご紹介します。
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一年草

春を知らせる空色の小花 Forget-me-not ワスレナグサ
ビギナーにもおすすめの 可愛い春の一年草 ワスレナグサは、5mmほどの小さな花を3〜5月にかけて咲かせます。タネから育てることもできますが、花苗が園芸店やホームセンターでも冬から流通し始めるので、そちらを入手することもできます。本来は毎年花が咲く多年草ですが、暑さに弱いため、夏にも冷涼な地域を除き、日本では一年草として育てられています。一年草はその年の開花期が終われば抜いてしまうため、夏越しなど難しい管理がない分、ビギナーの方にもおすすめ。春だけの楽しみ、といっても、苗が出回る2月に植えれば5月までたっぷり4カ月は楽しめます。1ポット200円くらいから販売されているので、たくさん植えて空色の絨毯を庭につくってみてはいかがでしょうか。 チューリップとの組み合わせで いっそうロマンチックに ワスレナグサのブルーの群花の中から、チューリップを咲かせるのが、いまガーデナーの間で流行中。春の定番になってきていますが、それは毎年見ても心奪われるロマンチックな風景だからこそ。ワスレナグサの草丈は10〜40cmで、チューリップとの草丈バランスもぴったり。また、ワスレナグサの空色を背景にすると、チューリップの花がいっそう美しく見えます。 ワスレナグサとチューリップの ガーデン風景のつくり方 ワスレナグサの群花の中からチューリップを咲かせるには、前年の晩秋に準備をします。9〜10月にワスレナグサのタネを播いて、苗をつくっておきます。また、この頃園芸店には球根が並び始めるので入手しておきましょう。チューリップには早咲き、遅咲きがあるので、ワスレナグサと開花期が合う種類を選びましょう。チューリップがワスレナグサの花を背景にして咲くように、草丈40cm以上の高性種のものを選びます。 球根は、地温が10〜15℃以下に十分下がってからが植えどきです。暖かいうちに植えてしまうと、春の開花時にしっかり茎が伸びず本来の姿で咲かなくなってしまいます。気温が十分下がった晩秋にまず先に球根を植え、その間にワスレナグサの苗を植えます。その後は定期的に水やりしましょう。3月頃からワスレナグサが咲き始め、続いてブルーの小花の中からチューリップが咲き上がってきます。 可愛いピンクのワスレナグサも ブルーの小花が代表的なワスレナグサですが、ピンクの花もあります。ピンクの小花の可愛らしさは、他の花との組み合わせでいっそう引き立ちます。オススメは春の小球根のムスカリ(写真左)。ブルーの粒々の花とピンクの小花がよく似合います。また、ヒラヒラと風に揺れるように咲くアネモネも好相性(写真右)。 ワスレナグサとスイセンで 春のブーケをつくろう 小花のワスレナグサは、ブーケをふんわりまとめるのにも最適です。お花屋さんではあまり売っていませんが、自分で育てれば花がたくさん咲くので、庭から切ってきてブーケで楽しむことができます。ちょうど同じ頃に咲くスイセンやラナンキュラスなど、少し大きめの花と合わせると素敵です。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/1&7) Ben Jones/ 2) Shulevskyy Volodymyr/ 3) Chris Collins/ 4) pr2is/ 5) Peter Turner Photography/ 6) Janelle Lugge/ 8) Vlad Vahnovan/ 11) Agnes Kantaruk/Shutterstock.com 9&10)3&garden
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海外の庭

英国キューガーデンの多肉植物&サボテン・コレクションを訪ねて〈後編〉
世界のさまざまな気候を再現する温室 前編でもご紹介したプリンセス・オブ・ウェールズ・コンサバトリーは、近代的な設備を誇る、広さ4,500㎡の温室です。温室内は冷涼な乾燥地帯から熱帯雨林まで、異なる10の気候がコンピュータ制御によって再現されています。ゾーンによって気温や湿度が変わるので、植物を世話するガーデナーたちは、出入りするたびに上着を着たり脱いだり、体温調節が大変なのだとか。 この温室の基礎部分には、動物学者で植物学者のデビッド・アッテンボロー卿によって、1985年にタイムカプセルが置かれました。中に入っているのは、絶滅の危機にある穀物類のタネ。カプセルは、100年後の2085年に開けられる予定ですが、その頃の世界はどうなっているでしょうか。 それでは、前編に続いて、乾燥熱帯や砂漠気候ゾーンのサボテンや多肉植物を見ていきましょう。 メキシコや南米のサボテン その2 ミルチロカクツス・ゲオメトリザンス (Myrtillocactus geometrizans) メキシコ原産の、4~5mに育つ低木状のサボテン。まさに、メキシコと聞いて思い浮かべるサボテンの形をしていますね。日本では「リュウジンボク(竜神木)」の名で流通しています。 左:オプンチア・クイテンシス (Opuntia quitensis) ペルー、エクアドル原産のウチワサボテンの一種。可愛らしい、明るいオレンジの花の後にできる果実は食べられるそうですが、どんな味なのでしょう。 右:フェロカクツス・シュワルツィー (Ferocactus schwarzii) メキシコ原産の樽形に育つサボテン。まるで折り紙で作ったようなきれいな形です。鮮やかな黄色の花が咲き、日本では「オウサイギョク(黄彩玉)」の名で流通しています。 オプンチア・フィカス=インディカ (Opuntia ficus-indica) メキシコ原産で、オプンチア属の中では最もポピュラーなウチワサボテンの一種。英名は、棘だらけのナシ(プリックリー・ペア)といい、果実は食用に売られています。南米ではウチワ形の茎も食べられているそう。エキスが化粧品に使われるなど、商用として重要な役割を果たすサボテンです。 左:ペレスキア・グランディフォリア(Pereskia grandifolia) ブラジル原産。5mほどまで伸びて、樹木のような姿をしたサボテンですが、幹のように見える茶色の部分には棘が生えています。半八重のバラのような花が咲くことからローズカクタスとも呼ばれます。日本では「オオバキリン」の名で流通。 右:オプンチア・ファルカータ (Opuntia falcata) こちらも樹木のような、変わり種のサボテン。 ミルチロカクツス・コカル(Myrtillocactus cochal) 英名で、燭台サボテン(キャンデラブラ・カクタス)というように、燭台を思わせる形をしています。メキシコ原産。 サボテンの根元にはエケベリア(Echeveria)が。 左:セダム ‘ブリート’ (Sedum ‘Brrito’) 長く垂れる茎に丸みを帯びた葉が連なるセダム。日本では、「玉つづり」か「新玉つづり」の名で流通しています。 右:セダム・パキフィルム (Sedum pachyphyllum) メキシコ原産ベンケイソウ科の多肉植物。欧米ではジェリービーンズの名で呼ばれますが、日本では「乙女心」の名で流通しています。 左:フェロカクツス・ピロスス (Ferocactus pilosus) 赤い棘が目を引く、メキシコ原産のサボテン。円柱状で、3m近くまで育ちます。鮮やかな濃いオレンジの花が咲きます。 右:プヤ・フェルギネア(Puya ferruginea) ボリビアやエクアドルを原産地とするパイナップル科の植物。 ダイナミックな魅力のアガベ 温室内には、存在感たっぷりのアガベもたくさん植わっています。 アガベ・アテヌアタ (Agave attenuata) (流通名はアガベ・アテナータとも) 高さ1~1.5mほどに育った立派なアガベ。メキシコ原産の常緑のアガベで、葉には棘がありません。英名で、キツネの尻尾のアガベ(フォックステイル・アガベ)といわれるように、1.5~3mほどの長くて太い花穂が中心から伸びて、くるりと垂れます。 左:アガベ・テクイラナ (Agave Tequilana) メキシコの高地、ハリスコ州原産の、テキーラの原料となるアガベ。ブルーアガベ、テキーラアガベとも呼ばれます。テキーラ作りには、葉の根元にある大きく育った球茎が使われます。 中:アガベ・フィリフェラ (Agave filifera) メキシコ原産、葉の端から白い糸状の繊維が生えているのが特徴。高さ60cmほどの小ぶりなアガベ。 左:アガベ・ミシオヌム (Agave missionum) 立ち姿が美しいアガベ。葉の周りに細かい棘があります。 右:アガベ・チタノタ (Agave titanota) 葉の周りに大きな棘があって、どう猛な印象のアガベ。一回結実性で、花が咲くと枯れてしまいます。 左:ボーカルネア・ストリクタ (Beaucarnea stricta) 細い葉を放射状に広げるボーカルネア。6~10mに育ちます。 右は植物名が分かりませんでしたが、ボーカルネアの仲間でしょうか。放射状に見事に広がる細葉が印象的です。 ジャングル感満載 湿潤熱帯ゾーン 乾燥地帯のゾーンを抜けると、今度は湿度が高くムンムンする熱帯ゾーンに来ました。植生がガラリと変わってジャングルのよう。面白い体験です。 中央の塊は、チランジア・ストリクタ(Tillandsia stricta)。 南米原産のパイナップル科の植物で、チランジアの仲間はエアプランツと呼ばれます。カーテンのように掛かっているのも、同じチランジア属の仲間、チランジア・ウスネオイデス。 エアプランツの美しい競演。 温室内は加湿されています。 左:エクメア・ブラクテアタ (Aechmea bracteate) パイナップル科の植物で、原産地はメキシコから中南米にかけて。 右:クリプタンツス・アカウリス (Cryptanthus acaulis var. ruber) ブラジル原産。葉の色が渋いですね。 躍動感のある、パイナップル科の植物の競演。 温室のエリアごとに、湿度の高さや室温の微妙な変化があり、植物のグループが変わる様子を見ながら、まるで旅をしているような気分になれた温室散策。貴重な植物を保存維持することは、繊細な作業の連続なのだろうなと感じました。また、あのサボテンや多肉たちが成長した姿を見に行ける日を楽しみにしています。 温室の外には大きなアガベが育っていました。
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育て方

冬も美しい花たちを楽しもう! 冬の寒さに強い植物8選をご紹介!
冬の植物を育てる際のポイント 冬に植物を育てる際は、水やりなどにひと工夫するのがポイントです。ここでは、冬の植物のメンテナンスについて、解説していきます。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 真冬の寒い時期は、気温が下がっていく夕方に水やりすると、夜の間に凍ってしまい、植物にダメージを与えることがあります。十分気温が上がってきた昼間に水やりするのがポイントです。 【地植え】 植物を地植えしている場合は、下から水が上がってくるので、ほとんど水やりの必要はありません。ただし、何日も雨が降らずに乾燥が続くようであれば、水やりをして補います。 【鉢植え】 鉢栽培では、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、毎日与えればいいというわけではありません。冬は気温が低く日差しが弱いため、夏に比べて土が乾きにくい環境です。毎日水やりすると、過湿の状態になりかえって植物が弱ることも。土の表面が乾くのを目安に、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えましょう。また、茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチして対処することが、枯らさないポイントです。 花がら摘み Nicolae Cirmu/Shutterstock.com 「花がら摘み」とは、咲き終わって株に残った花を摘み取ることをいいます。枯れた花は早めに摘み取って、見映えよく保ちましょう。株周りを清潔に保つことが、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして養分を消耗し、株の老化が早まって花数が少なくなってしまうことも。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 寄せ植え Zigzag Mountain Art/Shutterstock.com 寒い冬は植物の生育が緩慢になるため、寄せ植えの美しい状態を長くキープできるのがメリットです。冬からフラワーショップに出回る花苗で寄せ植えを作り、庭やベランダ、玄関先を彩る華やかなアイキャッチにしてはいかがでしょうか。 寄せ植えを成功させるには、似たような環境を好む植物を組み合わせるのがポイントです。冬にフラワーショップに出回る花苗は、同じような性質のものがほとんどなので、一年草や球根植物を組み合わせる場合は特に問題ありませんが、多肉植物の扱いには注意しましょう。原産地が乾燥地帯で、体内に水を蓄える能力を身につけて進化した多肉植物と、ビオラやスイセンなど気候に恵まれた温帯に分布する植物とでは、必要な水分量がまったく異なるため、同居はNG。寄せ植えでは、水やりの頻度が同じくらいの植物同士を組み合わせるのが基本です。 冬の寒さに強い植物8選 冷涼な気候を好み、寒い時期でも花を咲かせる植物を8種類ピックアップしました。フラワーショップやホームセンターなどで手に入りやすく、丈夫で育てやすいので、ビギナーにもおすすめです。 パンジー・ビオラ Christynat/Shutterstock.com パンジーやビオラの原産地はヨーロッパ。寒さに強く、暑さに弱い性質で、冬でも戸外で越冬できます。10月下旬頃から花苗店に出回り、多様な品種が揃っています。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、白、紫、複色など。草丈は10〜30cmほどです。日当たりがよく、水はけ、水もちのよい腐植質に富んだ土壌に植え付けます。鉢栽培の場合は、草花用培養土を使うと便利です。秋〜冬に植えると、生育は緩慢で華奢な姿を保ちますが、3月下旬くらいからは生育が旺盛になり、こんもりと茂って次々と開花します。開花期間は10月下旬〜5月中旬と長いので、終わった花はまめに摘み取って、株が老化するのを防ぎましょう。また、株の勢いを保つために開花期は1カ月に1〜2回、速効性の液体肥料を与えます。3月頃からアブラムシがつきやすくなるので、あらかじめ土中に混ぜ込んでおくタイプの殺虫粒剤を、植え付け時に施しておくとよいでしょう。ライフサイクルの短い一年草なので、夏の暑さに耐えられずに枯死したら、抜き取って処分しましょう。 クリスマスローズ nnattalli/Shutterstock.com クリスマスローズは常緑性の多年草で、一度植え付ければ毎年花を咲かせてくれる、ライフサイクルの長い植物です。寒さに強く、半日陰の環境でも育ちます。開花期は1〜3月、植え付けの適期は10〜3月です。花色は白、ピンク、紫、黄色、茶色、黒、複色など。咲き姿も品種によって多様で、一重咲き、半八重咲き、カップ咲き、平咲き、星咲きなどがあり、コレクターも多い人気の植物です。草丈は10〜50cmほどで、花壇の前〜中段向き。鉢栽培の場合は6〜7号鉢を用意します。地植えの場合は、落葉樹の足元など明るい半日陰で、水はけのよい土壌に植え付けます。鉢栽培の場合は、草花用培養土を利用すると便利です。開花期間中はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。真夏は生育が止まるので、鉢栽培の場合は風通しのよい明るい日陰に移動して管理します。植え付けから数年経って大株に育ったら、掘り上げて数芽つけて株分けし、若返りを図りましょう。 ガーデンシクラメン Kamolwan Limaungkul/Shutterstock.com シクラメンというと贈答用に用いられることが多く、室内で管理する鉢花というイメージが強いもの。しかし、ガーデンシクラメンは、耐寒性のある原種のシクラメンをもとに改良された、寒さに強く屋外でも栽培できる品種群です。といっても耐寒性は0〜5℃くらいなので、地植えなら温暖地で、鉢栽培なら霜の当たらない軒下やベランダなどで管理するとよいでしょう。一度植え付ければ毎年開花する息の長い球根植物です。開花期は10月中旬〜4月中旬で、花色は赤、ピンク、白、複色など。咲き姿も一重咲きや八重咲き、花弁にフリルが入るフリンジ咲きなどがあります。草丈は10〜20cmほど。日当たりがよく、水はけ、水もちのよい土壌に植え付けます。鉢栽培では、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備し、草花用培養土を利用して植え付けます。開花期間中はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。水やりは乾燥したら与える程度に。多湿にすると根や球根が腐ることがあるので注意します。 フクジュソウ pote-poteco/Shutterstock.com 昔から北海道〜本州に自生してきた山野草で、寒さに強く丈夫な性質です。開花期は2〜4月で、花色は黄色。漢字で「福寿草」と書くおめでたい名前から、縁起植物としてお正月に飾る鉢花用に、古くからもてはやされてきました。落葉性の多年草で、一度植え付ければ毎年花を咲かせてくれます。草丈は20〜30cmほど。植え付けの適期は9〜11月ですが、それ以外の時期に苗を入手したら早めに植え付けます。地植えの場合は、落葉樹の足元や午前中のみ日が差す場所など、明るい半日陰を選び、水はけ、水もちのよい土壌に植え付けましょう。鉢栽培の場合は、入手した苗より1〜2回り大きい鉢を準備し、草花用培養土を用いて植え付けます。開花期はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。夏前には落葉して休眠するので、鉢栽培では風通しのよい場所に移動します。大株に育ったら、掘り上げて株分けするとよいでしょう。 ノースポール kazzpix/Shutterstock.com ノースポールは、クリサンセマムという名前でも流通しています。北アフリカが原産地の一年草で、開花期は12〜5月。花弁は白で、黄色い花心の小菊に似た花を次々に咲かせます。草丈は15〜30cmほど。強健な性質で、初心者でも育てやすい植物です。植え付けの適期は10〜4月。日当たりがよく、水はけ、水もちのよい腐植質に富んだ土壌に植え付けます。鉢栽培の場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きい鉢を準備し、草花用培養土を使うと便利です。水やりは、乾燥したら与える程度にし、多湿にならないように管理します。秋〜冬に植えると、生育は緩慢で華奢な姿を保ちますが、3月下旬頃からは生育が旺盛になり、こんもりと茂って次々と開花。開花期はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。茂りすぎて草姿が乱れた場合は、一度切り戻すと再び盛り返してたっぷりと咲いてくれます。一年草でライフサイクルが短いため、夏に枯れ込んだら抜き取って処分します。繁殖力が強く、こぼれダネで増えることもあります。 アリッサム TualekPhoto/Shutterstock.com スイートアリッサムとも呼ばれます。地中海北岸〜西アジアが原産。本来は多年草ですが、高温多湿に弱く、日本では暑い夏を乗り切れずに枯死するので、一年草として扱われています。開花期は9月下旬〜12月下旬、2月上旬〜6月上旬で、花色は白、ピンク、紫、オレンジなど。一つひとつの花は小さいのですが、集まって咲くので、色のかたまりとなってよく目にとまります。草丈は10〜15cmほど。這うように広がる性質があり、花壇の前面や縁取りなどに利用するとカーペットのように彩ってくれます。植え付けの適期は10月か3月頃。それ以外の時期に苗を入手したら、早めに定植しましょう。日当たりがよく、水はけ、水もちのよい腐植質に富んだ土壌に植え付けます。鉢栽培の場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きい鉢を準備し、草花用培養土を使うと便利です。水やりは乾燥したら与える程度にし、多湿にならないように管理します。開花期はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。 スイセン Bob C/Shutterstock.com イベリア半島、地中海沿岸が原産地の球根植物で、一度植え付けたら毎年開花してくれる、息の長い植物です。開花期は11月中旬〜4月で、花色は白、オレンジ、黄色、複色など。人気の植物のため品種開発が盛んで、咲き姿は大輪咲き、小輪咲き、カップ咲き、ラッパ咲き、八重咲きなど。草丈は10〜50cm、ミニ種や高性種など、品種によって幅があります。球根の植え付けの適期は10〜11月。日当たりがよく、水はけ、水もちのよい土壌に、大きな球根では20cmほど、小〜中サイズの球根では10〜15cmの間隔を取って植え付けましょう。開花株を購入した場合は、根鉢を崩さずに定植します。終わった花がらはまめに摘み取り、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。数年は植えたままにしてかまいませんが、大株に育ったら、夏前の地上部が枯れた頃に掘り上げて分球し、風通しのよい場所で保存して適期に植え付けます。 ポインセチア Timofey Zadvornov/Shutterstock.com メキシコ原産の低木で、一度植え付ければ毎年観賞できる、ライフサイクルの長い植物です。開花期は12〜2月。花として楽しんでいる部分はじつは苞で、実際は中央に黄色い小さな花があります。苞の色は赤、ピンク、白、紫があり、クリスマスシーズンの贈答用としても人気です。今回の記事でご紹介していますが、じつは冬の寒さはやや苦手。冬に入手した開花株は、日当たりがよく暖かい窓辺などで管理しましょう。エアコンの風が直接当たらない場所に置くこともポイントです。多湿を嫌うので水やりは控えめにし、乾燥気味に管理しましょう。終わった花がらはまめに摘み取り、株の消耗を防ぐとともに株周りを清潔に保ちます。3〜5月に、1/3くらいの高さまで大きく切り戻し、根鉢をくずして植え直します。5〜9月は戸外に出し、日当たりのよい場所に移動。9〜11月に、17時頃から翌朝8時頃までダンボールなどを被せて暗くする短日処理を行い、花芽をつけさせましょう。ただし、近年は短日処理を行わなくても花芽がつく品種も出回っています。 冬も綺麗な花たちを楽しもう! Lou WOZ/Shutterstock.com ここまで、冬の寒さに強い植物と、その管理のポイントをご紹介してきました。冬の寒さに負けずに咲く植物は意外に多く、生育も緩慢なため、春まで美しい株姿をキープできるのがメリット。また冬は土が乾きにくいので、水やりの回数も少なく管理の手間がかかりません。ぜひ冬でもきれいな花を咲かせて、ガーデニングを楽しんでください。
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ガーデン&ショップ

英国キューガーデンの多肉植物&サボテン・コレクションを訪ねて〈前編〉
世界の10の気候を再現する温室 英国キュー王立植物園、通称キューガーデンで有名な温室といえば、ヴィクトリア朝に建てられた、テンパレートハウスとパームハウスという2つの優美な大温室。時代の栄華を今に伝える、キューガーデンのアイコンです。一方、1987年に開館した、広さ4,500㎡のプリンセス・オブ・ウェールズ・コンサバトリーは、近代的な設備を誇ります。 温度や湿度、養分、光のレベルといった、植物に必要な生育条件は、植物の種類によって異なりますが、この温室の中では、冷涼な乾燥地帯から熱帯雨林まで、異なる10の気候がコンピュータ制御によって再現されています。 例えば、湿潤熱帯ゾーンの池に浮かぶのは、アマゾン川原産のオオオニバス(ヴィクトリア・アマゾニカ)。湿度の高い、暖かな室内にはつる性の植物が伝って、ジャングルのような雰囲気です。このオオオニバスの種子がキューガーデンに初めてもたらされたのは19世紀半ばのことですが、それ以来、栽培が続けられているというのは、さすがですね。温室内の池にはナマズなどの魚が棲んでいて、また館内では5匹の大型トカゲ、インドシナウォータードラゴンが飼われています。トカゲはゴキブリなど虫の駆除に役立ってくれるそう。温室内で、小さな生態系が作られているのですね。 それでは、乾燥熱帯や砂漠気候のゾーンに生育する多肉植物やサボテンを見ていきましょう。 アフリカ東部~南部原産の多肉植物 樹木やヤシのように大きく育った多肉植物の数々。アロエがヤシの木のような姿になっています。ここまで大きな多肉植物を見るのは初めてで、驚かされます。 左:クラッスラ・ポルツラケア (Crassula portulacea) 原産地、南アフリカ・ケープ州の露地では3m以上になるといわれますが、この温室でも樹木のように大きく育っています。日本では、新芽に5円玉を通して育てた「金のなる木」として、有名です。 右:パキポディウム・ラメレイ (Pachypodium lamerei) マダカスカル島原産のキョウチクトウ科の多肉植物で、ヤシのような姿をしていることから、マダガスカル・パームとも呼ばれます。先端に咲く香りのよい白花は、確かにキョウチクトウに似た花姿。 ケイリドプシス属 (Cheiridopsis) こちらは南アフリカ原産の小型の多肉植物。「ケイリドプシス」の名は、袖という意味のギリシャ語に由来します。 同じくケイリドプシスの仲間。 ケイリドプシス属は100種ほどあって、日本でもさまざまなものが流通しています。 アロエ・ジュクンダ (Aloe jucunda) ソマリアを原産とする矮性の小さなアロエで、よく群生します。すっと伸びた花穂が素敵。 希少な多肉ユーフォルビア ユーフォルビア・グリセオラ (Euphorbia griseola subsp. griseola) 見事に育った、南アフリカ原産の多肉ユーフォルビア。トゲが多くて、一見するとサボテンのようです。多肉ユーフォルビアとサボテンは異なる植物ですが、どちらも乾燥した土地に適応しようと、それぞれ同じような進化を遂げたために、共通した特徴を持つといわれます。 ユーフォルビア(トウダイグサ)属は約2,000種が含まれる大きな属で、多肉ユーフォルビアは850種。そのうちの723種がアフリカやマダガスカル原産です。多肉ユーフォルビアのほとんどは絶滅が危惧されており、輸出が制限されています。 ユーフォルビア・ミリイ (Euphorbia milii var. milii) マダガスカル島原産の多肉ユーフォルビアで、日本では「ハナキリン」の名で流通しています。マダガスカル島原産の多肉ユーフォルビアの多くは、絶滅の危機にあるそうです。 窓際には、バラエティ豊かな多肉ユーフォルビアの鉢植えコレクションがありました。 左:ユーフォルビア・ステノクラーダ (Euphorbia stenoclada Baill) 木の枝のようなユニークな形。この姿からは想像がつきませんが、樹木のように大きく育つそうです。 右:ユーフォルビア・ハンディエンシス (Euphorbia handiensis) カナリア諸島原産。まるっきりサボテンみたいな姿ですね。 左:ユーフォルビア・ビグエリー (Euphorbia viguieri Denis) マダガスカル原産。日本では、「噴火竜」(ユーフォルビア・ビグエリー)の名で流通。 右:ユーフォルビア・デカリー (Euphorbia decaryi Guill) 同じくマダガスカル原産。日本では、「ちび花キリン」の名で流通。ハナキリンのように茎が立ち上がるようです。 ユーフォルビア・ビセレンベキー (Euphorbia bisellenbeckii) アフリカ東部原産。まるでむちむちとした手を四方に伸ばしているようです。多肉ユーフォルビアは、本当にさまざまな姿をしていますね。 メキシコや南米のサボテン その1 見事に育ったサボテンや多肉植物の数々。室温もほんのり暖かく、砂漠地帯にやってきたような気分になります。 エキノカクツス・グルソニー (Echinocactus grusonii) メキシコ北東部原産の直径1mほどになるという大きなサボテン。美しく立派に育っています。日本でも「キンシャチ」の名で流通していますが、原産地では絶滅寸前と危惧される種です。英名の一つに、姑のクッション(マザーインローズ・クッション)というユーモアたっぷりのものが。お尻がトゲだらけになっちゃいますね…。 大きく育ったウチワサボテンの仲間を背景に、柱状のサボテンは寝転んでいるかのような対照的な姿を見せています。 エキノプシス・テレゴナ (Echinopsis thelegona) 海の生き物を思わせるユニークなフォルムをした、南米アルゼンチン原産のサボテン。大きなつぼみがついていますが、夏の夜に漏斗形の白花が咲くそう。環境のストレスがないからか、成長途中の段差が一切なく、のびのびと育っているんだなぁと感心。 クレイストカクツス・ウィンテリ (Cleistocactus winteri) こちらもモニョモニョ動き出しそうな、南米ボリビア原産のサボテン。サーモンピンクの花が咲いています。 次は、小さなサイズのサボテンたち。 エキノプシス・フアスカ (Echinopsis huascha) アルゼンチン原産のサボテン。細かい棘がびっしり。虫が侵入する隙間もなさそう。 エキノケレウス・ストラミネウス (Echinocereus stramineus) アメリカ南部やメキシコの砂漠などに自生するサボテン。藁のような色をした棘に覆われています。「藁でできた」という意味を持つ学名ストラミネウスは、その姿に由来するとか。 左:マミラリア・ボカサナ (Mammillaria bocasana) メキシコ北東部原産。全体がモワモワとした産毛に覆われているように見えるところから、英名は化粧用パフサボテン(パウダーパフ・カクタス)。細かい棘が柔らかそうに見えます。 右:マミラリア・スピノシッシマ (Mammillaria spinosissima subsp. spinosissima) メキシコ原産。赤味を帯びた棘が可愛らしい。 左:マミロイディア・カンディダ (Mammilloydia candida) メキシコ原産。英名でスノーボール・カクタスといわれるように、初めは丸い雪玉のようですが、成長につれ柱状になり、30cmくらいまで伸びます。 右:エキノプシス・スピニフロラ (Echinopsis spiniflora) アルゼンチン北西部原産。つぼみがついていますが、目を引く大きな白花が咲きます。 テフロカクツス・フェベリ (Tephrocactus weberi) アルゼンチン北西部原産。これもニョロニョロ動き出しそうな姿です。 オプンチア・ミクロダシス (Opuntia microdasys ‘Albata’) 棘が綿毛のように見えることから、英名ではウサギの耳(バニー・イヤーズ)、または天使の羽(エンジェル・ウィングス)と呼ばれる、キュートな印象のサボテン。 多肉植物もサボテンも、じっくり観賞すると本当にさまざまな姿のものがありますね。 後編では、乾燥熱帯地域原産のサボテンや、湿潤熱帯ゾーンの植物をご案内します。
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育て方

冬はバラの庭の土づくり・善玉菌を育てよう〜無農薬有機栽培で簡単! Dr.真島に聞くオーガニックでの育て方
無理をしない、簡単で効率的なバラ栽培 Dr.真島こと真島康雄さんは、福岡県久留米市で自宅と病院、2つの庭でバラを育てています。真島さんは現役の医師で、平日は朝から夜まで全国から訪れる患者さんの診察と執筆の仕事に追われ、庭仕事をする時間があまり持てません。「朝の30分と月の2回ほどの、週末に時間が取れるかどうかです。それに私は腰痛持ちなので、あまり無理もできません」。 そんなDr.真島の庭づくりのモットーは…、 「無理をしないこと」 「簡単であること」 「効率的であること」 医師ならではの科学的な視点で、植物や生き物をじっくり観察し、検証を重ねてたどり着いたのが、現在行っている無農薬有機栽培です。そのポイントは大きく分けて以下の3つ。 Dr.真島の無農薬有機バラ栽培の3つのポイント ①病気に強い品種を選ぶこと バラは品種によって耐病性に差があるので、まずは病気に強い品種を選びます。苦労がそのぶん少なくて済みます。 ②益虫を呼ぶ下草を植えること バラにはいろいろな虫が集まってきますが、その中にはバラの葉をかじったり、つぼみを枯らしたり、根っこをだめにする「害虫」がいます。その一方で、「害虫」を食べてくれる「益虫」もいます。Dr.真島は、バラの庭を訪れる虫たちの生態を何年にもわたって観察し、特定の下草を植えることで益虫を増やすことに成功しました。 ③土中の善玉菌を増やすこと 健康な土には、わずか1gの中に1億以上もの土壌微生物が棲んでいるといわれ、土の中の多種多様な微生物と植物とは、互いに影響し合いながら生命活動を行っています。植物はある種の善玉菌と共生関係を築き、病原菌などの有害微生物(悪玉菌)から根を守ってもらい、健康を保っています。 このように、菌や昆虫など自然界の生き物の「共生関係」や「勢力争い」をうまく利用するのが、Dr.真島の無農薬有機バラ栽培のポイントです。 バラの免疫細胞を活性化する土中の善玉菌 「善玉菌の大きな役割の一つは、免疫細胞の活性化です。免疫細胞というのは私たち人間を含めた生物の身体に最初から備わっているもので、日夜身体中をパトロールし、病気の原因物質の除去、無毒化、損傷を受けた組織の修復など、命を守るために全力で働いてくれているのです。免疫細胞は身体中にいて、それぞれに役割がありますが、それら一つひとつの働きが5%上がっただけでも、ほとんどの病気は自己治癒できると私は考えています。ですから、私の無農薬有機バラ栽培の方法は、免疫細胞たちの活動の邪魔をしないこと。お手伝いし、元気付けることです。どうやって元気づけるのかといえば、免疫細胞を活性化させることが分かっている善玉菌を土中に増やすようにするのです」 「善玉菌」といわれるある種の菌たちは、免疫細胞の働きを活性化することが分かっています。Dr.真島は、そうした善玉菌たちを豊富に含むオーガニック肥料「夢油肥」を考案。バラ栽培はもとより、庭の草花や野菜の栽培にも使っています。 バラの生育が2倍になるDr.真島考案の有機肥料「夢油肥」 「『夢油肥』には、納豆菌、乳酸菌、酵母菌、光合成細菌が入っています。これらの菌は、いわば善玉菌のベストメンバーです。菌たちは各々の生命活動の過程で、バラの健全な生育に必要なアミノ酸や酵素、鉄、マグネシウムなどの必須ミネラルを発生させます。私の実験では、何も肥料を与えないバラの鉢と比較して、『夢油肥』を与えたバラの鉢は、生育が2倍になるという結果が出ています。この栄養素は異なる菌たちの関わり合いの中で生まれるため、単独ではダメで、多様性が大事なのです」 善玉菌と免疫細胞の働きで病原菌を退治 バラ栽培が難しいといわれる一つの理由には、バラの病気があります。バラに病気を発生させるのも菌ですが、「夢油肥」に含まれる菌たちは、それらを駆逐する拮抗菌としても活躍します。例えば、バラを枯死させる病気に「うどんこ病」があります。うどんこ病原菌は空中に浮遊しており、いつでも罹患する可能性がありますが、「夢油肥」に含まれる納豆菌には、うどんこ病原菌を駆逐する働きがあることが分かっています。 「もちろん、その納豆菌の働きもありますし、他の土中の善玉菌たちも、バラの中の免疫細胞を活性化させる働きがあります。免疫細胞は、簡単にいうと病気の原因物質を見つけて食べてくれるのです。ですから、私の庭のバラはそもそもほとんど、うどんこ病にかかりませんし、少し発生しても、いつの間にか自然に治ってしまうので気にしていませんね。人間と同じで、免疫力が高ければ、病気や害虫被害にあったとしても、その損傷を自分で治すことができるのです」 益虫を増やす下草 weha/Shuttetstock.com バラ栽培の悩みのもう一つとして、害虫があります。Dr.真島は、それも自然界のサイクルを利用して、無農薬で対処しています。「4〜10月、ちょうどバラの開花時期と重なって紫色の花を咲かせてくれる宿根草にキャットミントがあります。この花はバラによく似合いますし、益虫たちの棲処にもなっており、私の庭には欠かせません」 cherryyblossom/Shutterstock.com バラの害虫の中でも、最も数が増えやすいのがアブラムシ。アブラムシは単為生殖といい、メスだけでクローンのように子を増やす生殖サイクルを持っており、1匹のメスが毎日およそ10匹の子を生みます。生まれた子たちも、10日もすると子を産むようになるため、恐ろしい勢いで増えていきますが、Dr.真島は、この対処をキャットミントに棲む益虫たちに任せているといいます。 「アブラムシはとても数が増えやすいのですが、これを食べる天敵も多いんです。テントウムシやハナアブ、クサカゲロウがアブラムシを捕食してくれますが、彼らの棲処がキャットミントです。特にハナアブはこの花の蜜が好きで、よく集まってきます。また、冬はキャットミントを地際で刈り取っておきますが、刈り取った茎も善玉菌たちのエサとして役に立つんですよ」 冬にやっておきたいバラの土づくり 「善玉菌たちは、植物の繊維などの有機物をエサとしているんです。山や森では落ち葉が積もって自動的に善玉菌たちにたっぷりエサが供給されるシステムになっていますが、庭ではこれを人がやる必要があります。ですから、私は抜き取った雑草や刈り取ったキャットミントを細かく切って庭に置いておきます。そうすると1〜2カ月で、だいたいフカフカの土に変わっていますね。菌たちがエサとしてそれらを分解するのです。切り口からでないと菌たちが入っていけませんので、ポイントはなるべく細かく切っておくことです。『夢油肥』や有機液肥をかけておくと、さらに分解が早く元肥としても使えるため、私は冬の間の元肥と土づくりを、このようにして同時に行っています」 無農薬有機バラ栽培は生物多様性がポイント このように、Dr.真島の庭は、バラだけでなく、ほかの草花や、そこを棲処とする昆虫たち、土壌微生物たちなど、多様な生物で構成されています。それらの直接的、間接的な関わり合いをバラ栽培に利用し、最小限の手入れで花いっぱいの庭を実現するのが、Dr.真島の無農薬有機バラ栽培。いろいろな植物があり、いろいろな生物がいてこその方法ですが、豊かな生態系が庭に構築されていることは、人にとっても癒やしになると話します。 「庭のバラも昆虫も鳥たちも、私のクリニックの大事なスタッフです。長くガンの患者さんを診てきましたが、ときとしてガンは病巣だけでなく心まで蝕んでしまうことがあります。医師としてその心のありようを深く理解し、心の負担をできる限り軽くするための一つの手段が、この庭でもあります。人は困難なとき、あらゆる生き物と共にあるという体感が大きな力になることがあります。だからこそ、私はこの庭は無農薬有機栽培で、豊かな生態系を持つ庭にしておきたいのです」 Dr.真島が考案した100%オーガニック肥料「夢油肥」 Dr.真島は土壌の善玉菌たちの働きに着目し、バラの健康づくりに活用できる善玉菌を多く含む100%オーガニック肥料「夢油肥」を考案。実証研究を重ねた後、「平田ナーセリー」で商品化を実現しました。 「有機肥料というと効果がゆっくりのものが多いのですが、夢油肥は即効性があるのも特徴です。株が大株になり、四季咲きの連続開花率が高まって、秋のバラもたくさん咲いたのには驚きました。私が夢油肥などを使って無農薬有機栽培で庭づくりをしているのは、こんなふうにラクして花いっぱいが叶うからです。夢油肥を土の上にまいておけば、あとは菌たちにお任せ。使い方も簡単ですし、初心者にこそおすすめですね」 写真/真島康雄 illustration/Kotkoa、Komleva、Gaianami Design



















