冬は花が少なくなる時期ですが、だからこそみずみずしいグリーンが恋しくなり、ガーデニングを楽しみたいと考えている方は多いのではないでしょうか。寒い時期でも花を咲かせてくれる頼もしい植物はありますよ! この記事では、寒さに強い植物をご紹介していきます。

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冬の植物を育てる際のポイント

冬に植物を育てる際は、水やりなどにひと工夫するのがポイントです。ここでは、冬の植物のメンテナンスについて、解説していきます。

水やり

水やり
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真冬の寒い時期は、気温が下がっていく夕方に水やりすると、夜の間に凍ってしまい、植物にダメージを与えることがあります。十分気温が上がってきた昼間に水やりするのがポイントです。

【庭植え】

庭に植物を地植えしている場合は、下から水が上がってくるので、ほとんど水やりの必要はありません。ただし、何日も雨が降らずに乾燥が続くようであれば、水やりをして補います。

【鉢植え】

鉢植えの栽培では、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、毎日与えればいいというわけでもありません。冬は気温の低下や日差しが弱いこともあり、夏に比べて土が乾きにくい環境になります。冬に毎日水やりすると、かえって過湿の状態になって植物が弱ることも。土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えることを目安にしてください。また、茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

花がら摘み

花殻摘み
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「花がら摘み」とは、咲き終わって株に残った花を摘み取ることをいいます。枯れた花は、早めに摘み取って見映えよく保ちましょう。株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして養分をそちらに回すことで株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうことにもつながります。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

寄せ植え

寄せ植え
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寒い冬は植物の生育が緩慢になるため、寄せ植えをつくった後も美しい状態を長くキープできるのがメリットです。冬からフラワーショップに出回る花苗を使って、寄せ植えをつくり、庭やベランダ、玄関先を彩る華やかなアイキャッチにしてはいかがでしょうか。

寄せ植えをつくる際は、似たような環境を好む植物同士を組み合わせるのが成功のポイントです。冬にフラワーショップに出回る花苗は、同じような性質であることがほとんどなので、一年草や球根植物同士の組み合わせでは特に問題ありませんが、多肉植物の扱いには注意しましょう。原産地が乾燥地帯で体内に水を蓄える能力を身につけて進化した多肉植物と、ビオラやスイセンなど気候に恵まれた温帯などに分布する植物とでは、必要な水分量がまったく異なるため、同居はNG。このように寄せ植えをつくる際は、乾いたら水分を欲しがる植物なのか、ほとんど乾いた状態を好むのかなど、水やりの頻度が同じくらいの植物同士を組み合わせるのが基本です。

冬の寒さに強い植物8選

冷涼な気候を好み、寒い時期でも花を咲かせる植物を8種類ピックアップしました。フラワーショップやホームセンターなどで手に入りやすく、丈夫で育てやすいので、ビギナーにもおすすめです。

パンジー・ビオラ

ビオラ・パンジー
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パンジーやビオラの原産地はヨーロッパ。寒さに強く、暑さに弱い性質で、冬でも戸外で越冬できます。10月下旬頃から花苗店に出回っており、多様な品種が揃います。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、白、紫、複色など。草丈は10〜30cmほどです。日当たりがよく、水はけ、水もちのよい腐植質に富んだ土壌に植え付けます。鉢栽培の場合は市販の培養土を使うと便利です。秋〜冬に植えると、生育は緩慢で華奢な姿を保ちますが、3月下旬くらいからは生育が旺盛になり、こんもりと茂って次々と開花し初夏まで咲き続けます。開花期間は10月下旬〜5月中旬と長いので、終わった花はまめに摘み取って株が老化するのを防ぎましょう。また、株の勢いを保つために開花期は1カ月に1〜2回は速効性の液体肥料を与えます。3月頃からアブラムシがつきやすくなるので、あらかじめ土中に混ぜ込んでおくタイプの殺虫粒剤を、植え付け時に施しておくとよいでしょう。一年草でライフサイクルは短く、夏の暑さに耐えられずに枯死するので、抜き取って処分しましょう。

クリスマスローズ

クリスマスローズ
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クリスマスローズは常緑性の多年草で、一度植え付ければ毎年花を咲かせてくれる、ライフサイクルの長い植物です。寒さに強く、半日陰の環境でも育つ性質を持っています。開花期は1〜3月で、植え付けの適期は10〜3月です。花色は白、ピンク、紫、黄色、茶色、黒、複色など。咲き姿も品種によって多様で、一重咲き、半八重咲き、カップ咲き、平咲き、星咲きなどがあり、コレクターも多い人気の植物です。草丈は10〜50cmほどで、花壇の前〜中段向き。鉢栽培の場合は6〜7号鉢を用意します。地植えの場合は落葉樹の足元など明るい半日陰で、水はけのよい土壌をつくって植え付けます。鉢栽培の場合は、市販の草花用培養土を利用すると便利です。開花期間中はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。真夏は生育が止まるので、鉢栽培の場合は風通しのよい明るい日陰に移動して管理します。植え付けから数年経って大株に育ったら、掘り上げて数芽つけて株分けし、若返りを図りましょう。

ガーデンシクラメン

シクラメン
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シクラメンというと贈答用に用いられることが多く、室内で管理する鉢花というイメージが強いもの。しかし、ガーデンシクラメンは、耐寒性のある原種のシクラメンを元にしてつくられた、寒さに強く屋外でも栽培できる品種群です。といっても耐寒性は0〜5℃くらいなので、地植えにするなら温暖地で、鉢栽培にするなら霜の当たらない軒下やベランダなどで管理するとよいでしょう。ガーデンシクラメンは球根植物で、一度植え付ければ毎年開花する息の長い植物です。開花期は10月中旬〜4月中旬で、花色は赤、ピンク、白、複色など。咲き姿も一重咲きや八重咲き、花弁にフリルが入るフリンジ咲きなどがあります。草丈は10〜20cmほど。日当たりがよく、水はけ・水もちのよい土壌に植え付けます。鉢栽培では入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備し、草花用培養土を利用して植え付けます。開花期間中はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。水やりは乾燥したら与える程度にし、多湿にすると根や球根が腐ることがあるので注意します。

フクジュソウ

フクジュソウ
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昔から北海道〜本州に自生してきた山野草で、寒さに強く丈夫な性質の植物です。開花期は2〜4月で、花色は黄色。漢字で「福寿草」と書き、おめでたい名前から縁起植物としてお正月に飾る鉢花用に、古くからもてはやされてきた馴染み深い花です。落葉性の多年草で、一度植え付ければ毎年花を咲かせてくれる、息の長い植物。草丈は20〜30cmほどです。植え付けの適期は9〜11月ですが、それ以外の時期に苗を入手したら早めに植え付けます。地植えの場合は、落葉樹の足元や午前中のみ日が差す場所など、明るい半日陰を選び、水はけ、水もちのよい土づくりをして植え付けましょう。鉢植えの場合は入手した苗より1〜2回り大きい鉢を準備し、草花用培養土を用いて植え付けます。開花期はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。夏前には落葉して休眠するので、鉢栽培では風通しのよい場所に移動します。大株に育ったら掘り上げて株分けするとよいでしょう。

ノースポール

ノースポール
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ノースポールは、クリサンセマムという名前でも流通しています。北アフリカが原産地の一年草で、開花期は12〜5月。花色は白で黄色い花芯をもち、小菊に似た花を次々に咲かせます。草丈は15〜30cmほど。強健な性質で、初心者でも育てやすい植物です。植え付けの適期は10月〜4月。日当たりがよく、水はけ、水もちのよい腐植質に富んだ土壌に植え付けます。鉢栽培の場合は入手した苗よりも1〜2回り大きい鉢を準備し、市販の培養土を使うと便利です。水やりは乾燥したら与える程度にし、多湿にならないように管理します。秋〜冬に植えると、生育は緩慢で華奢な姿を保ちますが、3月下旬くらいからは生育が旺盛になり、こんもりと茂って次々と開花。開花期はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。茂りすぎて草姿が乱れた場合は、一度切り戻すと再び盛り返してたっぷりと咲いてくれます。一年草でライフサイクルが短いため、夏に枯れ込んだら抜き取って処分します。繁殖力が強く、こぼれダネで増えることがあります。

アリッサム

アリッサム
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スイートアリッサムとも呼ばれています。地中海北岸〜西アジアが原産地の多年草です。本来は多年草ですが、高温多湿に弱い性質で日本の暑い夏を乗り切れずに枯死するので、一年草として扱われています。開花期は9月下旬〜12月下旬、2月上旬〜6月上旬で、花色は白、ピンク、紫、オレンジなど。一つひとつの花は小さいのですが、集まって咲くので色のかたまりとなってよく目にとまります。草丈は10〜15cmほど。這うように広がる性質があり、花壇の前面や縁取りなどに利用するとカーペットのように彩ってくれます。植え付けの適期は10月か3月頃ですが、それ以外の時期に苗を入手したら早めに定植しましょう。日当たりがよく、水はけ、水もちのよい腐植質に富んだ土壌に植え付けます。鉢栽培の場合は入手した苗よりも1〜2回り大きい鉢を準備し、市販の培養土を使うと便利です。水やりは乾燥したら与える程度にし、多湿にならないように管理します。開花期はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。

スイセン

スイセン
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イベリア半島、地中海沿岸が原産地の球根植物で、一度植え付けたら毎年開花してくれる、息の長い植物です。開花期は11月中旬〜4月で、花色は白、オレンジ、黄色、複色など。人気の植物のため品種開発が盛んで、咲き姿は大輪咲き、小輪咲き、カップ咲き、ラッパ咲き、八重咲きなど多様です。草丈は10〜50cmで、品種によってミニ種や高性種などがあって、幅があります。球根の植え付けの適期は10〜11月です。日当たりがよい場所に水はけ・水もちのよい土づくりをし、大きな球根では20cmほど、小〜中サイズの球根では10〜15cmの間隔を取って植え付けましょう。開花株を購入した場合は、根鉢を崩さずに定植します。終わった花がらはまめに摘み取り、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。数年は植えたままにしてかまいませんが、大株に育って込んできたら、夏前に地上部が枯れた頃に掘り上げて分球し、風通しのよい場所で保存して適期に植え付けます。

ポインセチア

ポインセチア
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メキシコ原産の低木で、一度植え付ければ毎年観賞できる、ライフサイクルの長い植物です。開花期は12〜2月。花として楽しんでいる部分は苞という部分で、実際は中央に黄色い小さな花があります。苞の色は赤、ピンク、白、紫があり、クリスマスシーズンの贈答用としても人気です。今回の記事でご紹介していますが、じつは冬の寒さはやや苦手。冬に入手した開花株は、日当たりがよく暖かい窓辺などで管理しましょう。エアコンの風が直接当たらない場所に置くこともポイントです。多湿を嫌うので水やりは控えめにし、乾燥気味に管理しましょう。終わった花がらはまめに摘み取り、株の消耗を防ぐとともに株まわりを清潔に保ちます。3〜5月に、1/3くらいの高さまで大きく切り戻し、根鉢をくずして植え直します。5〜9月は戸外に出し、日当たりのよい場所に移動。9〜11月に、17時頃から翌朝8時頃までダンボールなどを被せて暗くする短日処理を行い、花芽をつけさせましょう。ただし、近年は短日処理を行わずとも、花芽がつく品種も出回っています。

冬も綺麗な花たちを楽しもう!

冬の寄せ植え
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ここまで、冬の寒さに強い植物や管理のポイントなどをご紹介してきました。冬の寒さに負けずに咲く植物は意外に多く、生育も緩慢なため春まで美しい株姿をキープするのがメリット。また冬は土が乾きにくいので、水やりの回数を減らせるため管理の手間もあまりかかりません。ぜひ冬でもきれいな花を咲かせて、ガーデニングを楽しんでください。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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