スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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育て方

【初めてのバラ栽培】鉢植えのバラの夏越し
「バラって本当にきれいで憧れの花。わたしも育ててみたいけれど、わからないことだらけで尻込みしちゃう」。そんな人たちに声を大にして伝えたい「人生は一度きり! バラを育ててみようよ」。今、自宅の庭で何種類もバラを育てているベテランマダムだって、最初は一株のバラからスタートしています。そうしてバラに魅了されて、いつしかバラ色の人生を歩んでいるんですよ。さあ、あなたのバラを育てる初めの一歩をお手伝いしましょう。 写真は四季咲き〜返り咲き性のつるバラ‘コーネリア’。5月の中旬に一番花が咲き終わりました。鉢を大きく植え替えて1カ月も経つと株が落ち着き、8月上旬には二番花が楽しめます。真夏に咲く花は、春と比べて少し小ぶりですが、再び咲く姿にうれしくなります。夏は株に負担がかからないように、房咲きの花が半分くらい開き始めたら、房ごと切って部屋に飾るとよいでしょう。ちなみに、完全なつぼみのままで切ってしまうと、花瓶に挿しても開花しないことがあります。 左は、6月中旬に大きめの鉢へ植え込んだ直後。右は、8月上旬。成長したことは一目瞭然ですね。鉢の左側に植え込んだのは、樹高2mになるつるバラの‘コーネリア’。1本1mを越すつるが伸びてきました。少しつるが伸び始めていたため、オベリスクに添わせて植えたのは‘紫玉(しぎょく)’です。図鑑によると樹高1.5×1.2mになる半つるバラです。 日に向かってつるが随分と伸びました。この長く伸びたつるのことを「シュート」と呼び、来年の花数アップに貢献してくれる大切な枝です。 シュートは自然と日を求めて伸びていきます。冬までは、伸びるに任せておきましょう。でも、ベランダでは台風の強風などでつるが傷むので、誘引紐やクリップで少し支えをしてあげましょう。 つるを支える方法の一つとして、誘引紐で2〜3本のつるを軽く束ねて、オベリスクに固定します。 オベリスクなどのような支えがないのにシュートが伸びてきたら、支柱をそばに立ててクリップや誘引紐で軽く固定しましょう。この段階でしっかりした誘引場所がなくても大丈夫。仮の支柱でつるの伸び具合の様子を見て、冬までにオベリスクなどを用意するとよいでしょう。 夏の水切れは株のダメージが大きいので、水切れしないように毎日朝夕しっかりジョウロで水やりを忘れずに。水やりをしながら、株の様子を見て、枯葉があったら取り除きます。真夏は日が当たっている日中に水をやると、熱せられた鉢の中で水はお湯になり、根にダメージを与えてしまいます。夕方以降、鉢の中にこもった熱をクールダウンさせるためにも、鉢底から水が流れ出るのを確認できるまでたっぷり水をやると、暑いベランダでも調子よく育ちます。
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園芸用品

基本の植木鉢の種類とその特徴
素材で選ぶ植木鉢 一口に鉢やコンテナといっても、素焼きの鉢からプラスチック、金属製のものまで、その材質はさまざま。それぞれの素材によって、鉢の性質は大きく変わります。育てたい植物や利用したい場面に合った鉢を選ぶためにも、それぞれの性質をおさらいしてみましょう。 植木鉢といったらまずはコレ<素焼き鉢> 粘土を700℃程度の低温で焼いた素焼き鉢は、誰もがイメージする定番の植木鉢。多孔質で通気性・透水性がとてもよく、土が乾きやすいのが特徴。根に必要な空気を供給して余分な水を排出するため、植物を育てやすく、どんな植物にも利用できます。見た目の印象もナチュラルで使いやすく、価格が安いのも魅力です。 エレガントで植物との相性も存在感も抜群<テラコッタ> 粘土を1,000℃以上の高温で焼いてつくるテラコッタ鉢。素焼き鉢ほどではありませんが、水はけ・通気性のよいのが特徴で、どんな植物にも使えます。また、模様が浮かび上がるような装飾がほどこされているものも多く、デザイン性の高い鉢も多いです。どっしりと、大きいテラコッタ鉢は、存在感があり、庭や玄関先などでフォーカルポイントとしても活躍します。生産国や材料の土によって、性質に違いがあります。 軽くて手軽で扱いやすい ポップでカラフルな<プラスチック鉢> プラスチック製の鉢は、軽量で割れにくく、持ち運びやすいのが大きなメリット。カラーやデザインが豊富で安価なのも特徴です。通気性・透水性がない素材のため、乾燥や水切れを嫌う植物を育てるのにオススメですが、底穴の形によって通気性・透水性が良いものもあります。鉢内の温度が上がりやすいため、観葉植物など根が温かい状態を好む植物に向く一方、夏場の管理には注意が必要です。 観葉植物など、室内での観賞用にもぴったり<化粧鉢(陶器鉢)> 素焼き鉢に釉薬をかけ、高温で焼いた化粧鉢は、きれいな色と艶やかな表面の質感が特徴。デザイン性が高く、室内での観賞用にもぴったりです。釉薬がかかっているため、素焼き鉢よりも通気性・透水性が劣るので、水はけのよい土を使うなどして調整します。 ナチュラルな印象で保温性も高い木製の鉢<ウッドコンテナ> チーク材などの木材やつるを編んでつくるウッドコンテナは、通気性や透水性に加えて保温性も高い容器です。木の優しい質感は、植物との相性も抜群。地面に直接置いたりすると腐りやすいので、鉢台などに載せて使用し、ときどき鉢の状態を確認しましょう。 クールな存在感があり、デザイン性も高い<金属製> アルミやステンレス、真鍮などでつくられた金属製の鉢は、形が豊富でデザイン性の高いのが特徴です。すこしさびついてくれば、アンティークな雰囲気が生まれてまた違った雰囲気に。通気性・透水性は低いので、水はけのよい土を使いましょう。鉢カバーとして使用するのもオススメです。 覚えておきたい 用途に合わせた容器の種類 植物を育てる容器の中には、用途に合わせてちょっと変わった形をしているものもあります。ここでは、植木鉢と言われてイメージする丸や四角のものだけではない、目的に合わせた容器をご紹介します。 植物の飾り方が広がる 吊り下げて使える<ハンギング鉢> 高い位置で植物を観賞でき、立体的に空間を飾れるハンギングのための専用容器。吊り下げ型と壁掛け型の2タイプがあります。ハンギングの鉢には、軽量で衝撃に強い素材が使われ、プラスチックやワイヤー製などさまざまなものがあります。乾燥しやすい環境になるので、水切れしないように水やりは多めに行いましょう。 水はけ抜群! 植物に合わせて使いたい<スリット鉢> 鉢底だけでなく、側面までスリットが続くスリット鉢は、クリスマスローズなどの根量の多い植物の栽培に欠かせません。鉢の中で根が回りにくく、まんべんなく根を成長させることができます。スリットが大きいため、通気性や水はけが非常に良くなるのも特徴。土が乾いていないかをこまめに確認し、水切れしないように注意しましょう。 寄せ植えを植えると絵になる<バスケット> 土が流れ出ないように、鉢底にビニールなどを敷けば、藤やアイアンのバスケットも鉢として活用できます。天然素材でできたバスケットは、草花に似合うナチュラルな雰囲気で人気です。土を入れる前に内側にビニールシートを敷き、適当な数の穴を目打ちなどで開ければ排水はOK。風通しの良い場所に置くなどしてバスケットが傷まないように工夫しましょう。 リース型の寄せ植えをつくるときの必需品<メッシュプランター> リング状の容器に花苗や多肉植物を植えこむだけでリースをつくることができるメッシュプランター。玄関先のウェルカムフラワーなどとしても人気があります。内側にヤシガラマットや麻布や、穴を開けたビニールシートなどを敷いてから、土を入れて植え込みます。 参考文献/「『土・肥料・鉢植え』の基本とコツ」(井上昌夫著、大泉書店刊)Photo/ 1)mindfullness/ 2)Perfect Lazybones/ 3)Galina Grebenyuka/ 4)Vietnam Stock Images/ 5)LiliGraphie / 6)NerdPhoto/ 7)manfredxy/ 8)Goldution/Shutterstock.com
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育て方

お部屋の緑、観葉植物の日頃のお手入れ5つのチェックポイント
check1 季節によって日当たりをチェック 室内で育てられる観葉植物も、日光が当たるように環境を整えたほうが元気よく育ちます。戸外で育てる植物ならば、太陽の角度にまで気をつかう必要はありませんが、室内は太陽の高さによって、差し込む日光の量や時間が変わります。太陽は、冬は低く、夏は高い位置にくるので、軒の深さによっては太陽光が観葉植物に届きにくい時期があります。時々、太陽は当たっているかな?と置き場所を見直すのも必要です。 check2 葉にホコリや虫はついていませんか? 部屋の中にずっと置いたままにしていると、家具や床にホコリがたまるように、観葉植物の葉の表面にもホコリが積もるものです。毎日は必要ありませんが、時々ホコリを払ってあげましょう。セロームやモンステラ、ドラセナなど比較的葉がしっかりした観葉植物は、濡れたタオルで拭き取ります。 フィカス・ウンベラータやエバーフレッシュ、パキラなど、比較的葉が柔らかい観葉植物は時々、水を入れたスプレーで葉を濡らしてやると鮮やかな緑が維持できます。葉に虫がついていないかチェックしながらスプレーをかければ一石二鳥。 移動できる大きさの観葉植物なら、キッチンやお風呂場でシャワーをかけても。目に見えにくい小さな虫も洗い流すことができます。 check3 肥料が古くなっていませんか? 葉の成長を助ける観葉植物用の固形肥料を置いている場合、効果が持続しているかチェックしましょう。製品によっては置いたままで1〜2カ月ほど効くものもありますが、次第に効果が減っていきます。効果がどれくらい持続する肥料か、製品のパッケージの裏などを見て再確認。そろそろ効き目がなくなったかなと感じたら、新しいものと交換しましょう。 check4 鉢底の皿に水がたまっていませんか? 観葉植物の鉢底の皿に水がたまっていたら、水を捨てて、ついでに皿をきれいに洗いましょう。虫を呼んでしまったり、過湿で根腐れを起こすこともあるので、水をためたままにするのはやめましょう。 check5 枯れ葉や傷んだ葉がありませんか? 大きな葉をもつセロームやモンステラ、ドラセナ、フィカス・ウンベラータなどの観葉植物は、頻繁に葉を落とさなければ生育に問題はありません。ポロッと落ちた葉があったら、気がついたときに捨てましょう。小さな葉をもつアジアンタムやアイビーなどの観葉植物は、check2の水で葉を濡らした時に枯れ葉や傷んだ葉がないかチェックし、見つけたらハサミなどで切り取るとよいでしょう。 いつもそばにあって見慣れてくると、つい忘れてしまうお手入れ。月に一度のチェックを続けているうちに、調子が悪いことに早く気がついたり、新芽が出ていることに喜んだりと、もっと観葉植物に愛着が湧いてきますよ。 Photo/ 1) Ina Ts/ 2)Photographee.eu/3 ) imnoom/ 4)Kristyk.photo/ Shutterstock.com
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宿根草・多年草

オステオスペルマムってどんな植物なの? 育て方・主な品種など徹底解説
オステオスペルマムって何? その特徴は? オステオスペルマムは、どのような性質をもっているのでしょうか。そのキャラクターを知ると、植え場所や仕立て方も見えてくるので、ここではオステオスペルマムの基本情報についてご紹介していきます。 基本情報 Visual Motiv/Shutterstock.com オステオスペルマムは、キク科オステオスペルマム属の多年草。一度植え付けて環境に馴染めば越年を繰り返し、毎年開花を楽しめるコストパフォーマンスのよい植物です。ライフサイクルは、以下の通りです。3〜4月頃から生育期に入って茎葉を旺盛に伸ばし、開花期は4〜6月頃。冬には生育が止まりますが、常緑のまま越年し、再び春の訪れとともに生育し始めます。 オステオスペルマムの原産地は熱帯アフリカ、アラビアです。マイナス5℃くらいまでは耐えるので、暖地では戸外での越冬も可能。一方で真夏の高温多湿の環境を苦手としています。 特徴 Jason Benz Bennee/Shutterstock.com オステオスペルマムは、花茎を伸ばした頂部にマーガレットに似た花を咲かせます。花色は紫、白、オレンジ、黄色、ベージュ、ピンク、複色など。花形は、一重咲きが最もポピュラーですが、花弁が多数重なる八重咲きや、一枚一枚の花弁がスプーンのような形をしているスプーン咲き。曇天の日や夕方から夜にかけては花を閉じる性質がありますが、品種改良により花を閉じないタイプも出回るようになりました。 草丈は、20〜80cmほど。生育初期に伸びた枝の先端を切り取る「摘心」をすると、下から茎が分かれて発生します。この摘心を新芽が出るたびに繰り返すと、茎の数が増えてこんもりとしたドーム状に。その分花数も増えて、たっぷりと咲かせることができます。オステオスペルマムは花つきが大変よく、茎葉を覆うように咲いて色の塊となるので、華やかな演出をすることが可能です。あえて摘心をせずにナチュラルな姿を楽しむなど、ガーデンの主役、脇役のどちらにも利用できます。 オステオスペルマムの主な品種 オステオスペルマムは、ガーデナーに人気の高い植物です。そのため改良が進んで育てやすい品種が増え、また花色も豊富に出回るようになってきました。ここでは、オステオスペルマムの主な品種について取り上げていきます。 delobol/Shutterstock.com 「パッション」系 草丈は約20cmでコンパクトにまとまる草姿のため、花壇やコンテナの寄せ植えなどに取り入れやすいシリーズです。株張りがよく、花つきもよいのが特徴。パープル、ホワイト、ピンクなどの花色があります。 「ダブルファン」シリーズ 豪華なダブル咲きのシリーズです。やや花首が長い傾向で、ナチュラルな印象。シックな花色が揃い、パープル、イエロー、ライトラベンダー、ホワイトブルー、コーラル、ゴールデンがあります。 「シンフォニー」シリーズ オステオスペルマムと近縁種のディモルフォセカとの交雑によって誕生したシリーズ。両者の長所を併せ持ち、丈夫で開花期間が長く、より豊富な花色が展開されています。シリーズには黄色の‘レモンシンフォニー’、白の‘ミルクシンフォニー’、橙の‘オレンジシンフォニー’、ペールオレンジの‘メロンシンフォニー’があります。 オステオスペルマムの育て方 ここまで、オステオスペルマムのプロフィールや特性、品種などについてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、詳しい育て方について解説。苗の植え付けから、水やりや肥料、病害虫対策など基本的な日常管理のほか、摘心や花がら摘み、切り戻しの仕方など、オステオスペルマムをより美しく咲かせるテクニックについても触れていきます。 栽培環境 LPchart/Shutterstock.com オステオスペルマムは基本的には日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。しかし、高温多湿に弱い性質のため、梅雨から夏にかけては西日の当たる場所を避け、雨の当たらない半日陰などで管理するとよいでしょう。地植えにしている場合は、鉢上げして風通しのよい涼しい場所で管理するのが無難です。一方で寒さには強く、マイナス5℃くらいまでなら戸外で越冬できます。霜が降りる場所では株元にバークチップなどでマルチングしておくとよいでしょう。土壌は水はけ、水もちのよい、有機質に富んだ環境を好みます。 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておきましょう。土壌改良資材や肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 植え付け・植え替え Vasyliuk/Shutterstock.com 植え付けの適期は6月頃か9〜10月です 。フラワーショップで苗を購入してスタートする場合は、入手次第植え付けます。 【地植え】 土作りをしておいた場所に、ポットから苗を出して植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、30〜40cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 多年草のため、数年は植えっぱなしにしてもいいのですが、大株に育って込み合ってきたら掘り上げて植え直し、若返りを図るとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢は、入手した苗の2回りほど大きいものを準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きして高さを決めてから、ポットから出して植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 オステオスペルマムは生育が旺盛なので、根詰まりを防ぐために2年に1度は植え替えましょう。植え替えの適期は6月頃か9〜10月です。1~2回り大きな鉢を用意して鉢増ししてもいいですし、同じ鉢を使いたい場合は根鉢を崩して古い根を整理して植え直します。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために、茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうことがあります。朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする際は、夕方に水やりをすると、その後どんどん気温が下がって凍結し、植物にダメージを与えることがあります。十分気温が上がってきた昼間に行うことがポイントです。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイントです。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 地植え、鉢植えともに、施肥の適期は3〜5月と9〜10月です。月に1度を目安に、緩効性化成肥料を株の周囲にまいて勢いを保ちましょう。花茎が上がってきた頃から開花が終わるまで、2週間に1度を目安に液肥を与えると、次から次につぼみが上がってきます。 ビギナーの場合、緩効性化成肥料と速効性のある液肥を常備しておくのがおすすめです。植物への汎用性が高く、においがしないため扱いやすいのがメリット。開花期に与える液肥は、開花促進を目的とした成分配合の製品を選ぶのがおすすめです。 季節ごとのメンテナンス Aybarskr/Shutterstock.com 【生育期初期の摘心】 生育が盛んになり始めた頃、茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、下からわき芽が出てこんもりとした株姿に成長し、花数も多くなります。 【開花中の花がら摘み】 オステオスペルマムは次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなるので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【生育期中期の切り戻し】 旺盛に生育し、一通り咲いて草姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまでを目安に全体を刈り込む「切り戻し」をするとよいでしょう。すると株が盛り返して勢いよく生育し、再びたっぷりと咲く花姿を楽しめます。ただし、草姿が乱れていない場合には、切り戻さずそのままにしておいてもかまいません。 病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 オステオスペルマムに発生しやすい病気は、灰色かび病です。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。多湿で風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなります。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込みすぎている場合は間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 オステオスペルマムにつきやすい害虫は、アブラムシ、ヨトウムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の殺虫粒剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、夜に活動して葉を食い荒らします。食欲旺盛で、一晩のうちに丸裸にされてしまうことも。葉の裏に卵が産み付けられるので、孵化直後の幼齢のうちに退治するのがポイントです。または、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するタイプの殺虫粒剤を利用してもよいでしょう。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com 【種まき】 オステオスペルマムは、種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 オステオスペルマムの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、9月中旬〜10月中旬頃です。 種まきの際は、種まき用のセルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。タネが隠れる程度に土を薄くかけ、はす口をつけたジョウロで優しい水流で水やりをしましょう。新聞紙などをかけて乾燥しないように管理し、発芽して双葉が展開したら間引いて1本のみ残します。 発芽したら、日当たりがよく、風通しのよい場所で管理しましょう。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に、液肥を与えると生育がよくなります。11月頃まで育苗し、ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 【挿し芽】 オステオスペルマムの挿し芽の適期は5〜6月か9月です。若くて勢いのある新しい茎を選んで切り取ります。市販の園芸用の培養土をセルトレイなどに入れて、採取した茎を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理を。発根したら黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し芽で増やすメリットは、採取した株のクローンになることです。 オステオスペルマムの花の咲き方を楽しもう Leecy Jones/Shutterstock.com カラフルな花色が豊富に揃い、株いっぱいに花をつけるダイナミックさが魅力のオステオスペルマムについて、基本情報や種類、育て方まで、多岐にわたって解説してきました。草丈も株幅もボリューム感がほどよく、主役にも脇役にもなって他の植物と組み合わせやすいオステオスペルマムを、ぜひガーデンやベランダに迎え入れてください。
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クラフト

植物に触れる楽しい時間、押し花をしよう!
押し花は標本からアートへ 押し花の起源は、落ち葉を書物に挟んだものといわれていますが、古い文献によれば、16世紀頃にイタリアの生物学者が標本として採取した植物を紙に挟み、乾かしてその姿を残したという記述が残っています。そして19世紀には、英国のビクトリア女王が押し花を好んで行い、額に入れて飾ったと伝えられています。また、1982年に亡くなったモナコ公国公妃、グレース・ケリーも押し花を愛好していた一人。近年では、押し花の教室やアート作品を制作する人などが日本でも増えています。今も昔も、その姿を残して近くで眺めていたいと願うのは、草花好きに共通する思いかもしれません。 押し葉標本は、ドライフラワーのように水分を抜いて乾燥させて、その姿を残す方法。虫やカビの繁殖を避ける湿度と温度が保てれば、100年以上も保存がきくとか。 押し花で庭の植物をコレクション 現代は、デジカメなどで花の美しさや様子を見たままに残すことができますが、庭で咲かせた実物の花をそのまま保存できる押し花は、一つ二つとやっていくと、あの花はどんな表情になるのだろうかと興味が膨らんでいきます。まず、秋冬から初夏まで長く楽しめる人気の押し花素材は、パンジー&ビオラ。比較的花の形が平坦なので、失敗が少なく仕上がります。 パンジー&ビオラの押し花 花茎から花を切り取らずに押し花にすると、標本のようになります。葉と花茎が同じ位置から伸びていることが分かります。 パンジー&ビオラの仲間、スミレは上品な姿。葉の形がパンジー&ビオラと違って、幅が広いですね。 アジサイ(紫陽花)の押し花 アジサイの萼も押し花にしやすく、光に透かすと違った表情が見られます。品種ごとに少しずつ萼の形が違いますね。 ラベンダーの押し花 ラベンダーを花壇に咲くようにレイアウトするのもオススメです。 西洋オダマキの押し花 西洋オダマキは、葉も花もとても特徴がありますね。西洋オダマキは、品種数が多いので、咲かせたことがある花で押し花コレクションするのも楽しいです。 ジギタリス(キツネノテブクロ)の押し花 これは何の花か分かりますか? そう、別名キツネノテブクロと呼ばれるジギタリスの花です。斑点までくっきり残っています。この斑点は、虫を呼び込むためのものだとか。 クレマチスの押し花 クレマチスも、いろんな花形、花色がありますね。薄い花びらがドライになったその質感を、ぜひ押し花にして観賞しましょう。 バラの押し花 咲いている時が一番美しいとは思いつつ、バラを押し花に。色があせているのに、さすがにバラらしい気品が残っています。 押し花を飾る楽しみ 押し花は、素敵なアートになります。額縁の中をガーデンに見立てて、一緒に植えてみたい植物を並べるのもアイデア。季節ごとにインテリアとして飾る押し花を入れ変えるのもいいですね。お友だちとの花談義の時間に、品種当てをしたり、作品づくりの情報交換をしたりと、話題にもなります。 押し花を続けていると、まだ育てたことがない植物への興味が湧いたり、またこの花を咲かせてみたいなと、ガーデニングへの刺激にもなるので、ぜひチャレンジしてみてください。 Photo/ 1,7)photka/ 2)KUCO/ 3)Alena Khudnitskaya/ 4)aarud/ 5,9,10)svrid79/ 6)KPG_Payless/ 8)fotocvet/ 11)CoffeeChocolates/ 12,13)EKramar/ Shutterstock.com
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宿根草・多年草

英国王立園芸協会お墨付き! 育てやすく使い勝手抜群のカスミソウ
「赤ちゃんの寝息」の名で親しまれているカスミソウ フラワーアレンジメントでおなじみのカスミソウ。どんな花とでも相性がよく、ブーケをふんわり可愛く演出してくれる花ですが、実はとても育てやすい花だということをご存知ですか。その優秀さは英国王立園芸協会のお墨付き。同協会が庭での育てやすさや利用価値を総合的に審査するAGM賞を受賞している花で、小花をフワフワと咲かせるその愛らしい様子に、欧米ではBaby’s-breath(赤ちゃんの寝息)の名で親しまれています。 カスミソウには一年草と宿根草があります カスミソウだけのシンプルな花瓶。アレンジでは他の花に添えられることが多い名脇役ですが、じつはカスミソウだけで活けてもかなり可愛いです。photo/Agnes Kantaruk/Shutterstock.com カスミソウには品種によって一年草と宿根草があります。小さな花壇や鉢植えなら成長の早い一年草、庭で地植えにするなら毎年繰り返し花を咲かせてくれる宿根カスミソウがおすすめです。 痩せた土地でよく育つので、地植えの場合は肥料などもやる必要がありません。ただし、原産地の地中海沿岸は土がアルカリ性で、カスミソウもアルカリ質の土を好みます。日本の土は放っておくと降雨によって土が酸性に傾くので、「苦土石灰」を年に数回、土の上にパラパラまいてあげるとよいでしょう。苦土石灰は土をアルカリ性にする効果のある資材で、ホームセンターや園芸店、ネットで1kg200〜300円で販売されています。大変生育旺盛でよく茂りますので、ときどき切って間をすかしてあげるとよいでしょう。切った花はアレンジメントに。他の花とのアレンジにはもちろん、カスミソウだけでもとても素敵な雰囲気になりますよ。 カスミソウの植え付けと開花の時期 白い花ばかりを集めたホワイトガーデン。カスミソウが庭にレースをかけたような繊細な雰囲気をかもし出しています。2017年開催国際バラとガーデニングショウ「Green Calm House」さんの作品。 カスミソウの植え時は2~4月と9~10月。秋にタネを播いても育てられます。鉢植えの場合は風通しのよい日向に置き、地植えでは水はけのよい日向に植え付けましょう。開花期は5~7月です。乾燥に強い一方、過湿には弱く、蒸れに注意が必要です。乾かし気味に管理するとともに、花が終わった花茎は株元から切り、風通しよく育てましょう。 ふんわりとした白い小花が、アレンジにも使いやすく、ほかの草花とも相性抜群な可愛いカスミソウを育てて楽しんでみませんか?
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ガーデニング

初めてのバラ栽培。キレイを長持ちさせるバラの花がら摘みのコツ
「バラって本当にきれいで憧れの花。わたしも育ててみたいけれど、わからないことだらけで尻込みしちゃう」。そんな人たちに声を大にして伝えたい「人生は一度きり! バラを育ててみようよ」。今、自宅の庭で何種類もバラを育てているベテランマダムだって、最初は一株のバラからスタートしています。そうしてバラに魅了されて、いつしかバラ色の人生を歩んでいるんですよ。さあ、あなたのバラを育てる初めの一歩をお手伝いしましょう。 きれいな花と終わった花が混在 たくさん花が咲き始めると、少しずつ咲き終わった花が増えてきます。花がらが残っていると、せっかくきれいに咲いているバラの魅力も半減。日々、眺めながら終わった花は切り取りましょう。バラには、花びらがハラハラと散るタイプと、クシャッと花がしぼんでしまうタイプがあります。ハラハラと花びらが散ると床に飛び散って掃除が大変だし、写真右のように花が枯れたように残っているのも美しくありませんね。終わりかけた花を見分けて、早めに摘んでおきましょう。 花がらは、どこを切る? まだきれいに咲いている花を間違って切らないように、終わった花の付け根をたどって一つずつ切り落としましょう。ハサミを右手に持ち、カゴなどの小さな器を左手に持って、花殼が器に落ちるように切っていくと作業がスムーズです。花の付け根を切ったあと、写真右のように枝だけになった場合は、成長に必要がない部分なので切り取りましょう。 よーく見るといろんな花がらを発見 花びらが落ちてしべだけが残っていたら、これも切り取ります。つぼみがしな垂れてクタッとしていたら、もう咲かないので、これも切り取りましょう。枯れている葉や枝も見つけたら切り取りましょう。 花がらがなくなってスッキリ すべての花がらといらない枝がなくなって、きれいになりました。つぼみの数も少なくなってきたので、そろそろこのバラのシーズンも終盤ですね。残った花を全部切り取って、最後のバラを花瓶に活けて、部屋で眺めるのもオススメです。 花がら摘みにあると便利なもの 花がらはハサミで切り取りますが、文房具のハサミよりも花を切るためにつくられた「花切りバサミ」をぜひ一本用意しましょう。枝が込み入った場所でも切り取りやすいように設計された、持ち手から刃先が離れた細長いハサミがオススメです。花がら摘み用にちょうどいい、かわいいカゴも雑貨店で探してみましょう。バラの開花シーズンが終わったら、次はお礼の肥料を用意しましょう。
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野菜

里芋(サトイモ)の育て方! 栄養や効能から栽培のポイントまで、すべて教えます
里芋の基本情報! ここでは、里芋のプロフィールや特性、種類や栄養価などについて、幅広くご紹介していきます。 里芋ってどんな野菜? 里芋は、サトイモ科サトイモ属の根菜類で、原産地は東南アジアです。日本で食されてきた歴史は古く、縄文時代に中国から伝わり、江戸時代まで芋類の主役だったとされています。東北地方では晩秋になると各地で「芋煮会」が開かれ、具材の主役として昔から愛されてきました。 里芋は掘りたてが一番美味しく、シンプルな味付けにすると素材のよさが引き立ちます。また、収穫時に掘り上げてみると、大きくなった親イモに子イモが、さらに孫イモが多数ついていることが分かります。そのため、子孫繁栄のシンボルとして正月料理にも使われ、縁起食として古くから親しまれてきました。 里芋の種類 里芋は日本で古くから食されてきただけに、さまざまな地方品種が出回っています。里芋は、子イモを食べるもの、親イモと子イモの両方を食べるもの、親イモを食べるもの、葉柄のずいきを収穫するものの4つの系統に分類することができます。ここではイモを収穫するもののみに注目して説明します。子イモを食べるのは「土垂(どだれ)」「石川早生(いしかわわせ)」、親イモと子イモを食べるのは「セレベス」「八頭(やつがしら)」、親イモを食べるのは「筍芋(たけのこいも)」「田芋(たいも)」など。里芋は地方品種がたくさんありますが、地元に昔から伝わるタネイモの種類を手に入れると、比較的順調に育ちます。 里芋に含まれている栄養素 里芋の主な成分はデンプンとタンパク質です。他に食物繊維、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB6、葉酸、カリウムなどを含んでいます。また、里芋はイモ類の中でも低カロリーで、100g当たり58kcalです。 里芋の効能 里芋に含まれるぬめりには、消化を助け、免疫力を高める効果があります。中でもぬめり成分のガラクタンは血糖値やコレステロールを下げることで知られています。 調理するときのポイント 里芋は、皮をむくとぬめりが出て扱いにくく、手がかゆくなってしまうこともありますね。皮をむいた後に塩もみし、2〜3分下ゆでして水にとり、さっと洗って調理するのがおすすめです。また、調理する前に、手に塩か重曹をつけておくと、かゆくならずにすみます。里芋はさまざまに調理できる野菜で、煮物、揚げ物、汁物、蒸し物、コロッケなどにしておいしくいただけます。 ところで、里芋は寒さに弱く、乾燥を嫌う性質があるので、保存の際に冷蔵庫に入れるのはNGだと知っていましたか? 土を落とすと乾燥しやすいので、泥つきのものはそのまま新聞紙などにくるんで常温で保存します。皮をむいて固めに茹で、使う分ごとに小分けにして冷凍してもOKです。 里芋栽培の基本知識 「里芋はスーパーでいつでも手に入るけれど、旬の時期っていつだろう?」と改めて向き合ってみると、答えられない方も多いのではないでしょうか。ここでは、菜園での里芋の栽培スケジュールや、好む環境などについてご紹介します。 栽培時期 里芋の栽培スケジュールは、関東以西の平地を基準にすると、以下の通りです。 3月下旬頃に土作りをし、4月下旬〜5月上旬にタネイモを植え付けます。6月頃から追肥と土寄せを繰り返して地下のイモを太らせ、11月頃に収穫します。植え付けから収穫まで半年以上かかるため、葉物野菜に比べれば生育期間が長い野菜だといえます。菜園を長く占拠することになるので、どこに植えるか、しっかり計画しておきたいですね。 栽培環境 里芋は、熱帯地域が原産地で、生育適温は25〜30℃。夏の暑さには強いのですが、寒さに弱く、霜が降り始めると、葉がすぐに傷んでくるので、その前に収穫しましょう。また、乾燥が大の苦手で、水もちのよい土壌を好みます。植え付け時はマルチフィルムを張って地温を上げる対策をし、夏の乾燥期は株元に敷きワラをするなど対策を講じるのがポイントです。 栽培の適地は、日当たりがよく、風通しのよい場所です。半日陰の環境でも育ちます。また、水はけ、水もちがよく、有機質に富んでふかふかとした土壌を好みます。連作を嫌うので、一度栽培したら3〜4年は同じ場所に植えないようにしましょう。 詳しい栽培方法を知ろう ここまで、里芋のプロフィールや基本情報、種類、調理方法、栄養面などについて幅広くご紹介してきました。ここからは、菜園ライフの実践編として、里芋の育て方について深く掘り下げます。植え付け方、水やりや追肥・土寄せなど日頃の管理、気をつけたい病害虫など、具体的に解説していきます。 タネイモ準備 里芋の栽培は、タネイモの植え付けからスタートします。植え付け適期に、ホームセンターや花苗店などに出回るタネイモを入手するとよいでしょう。ジャガイモが必ずウイルスフリーのタネイモを利用しなければならないのと違って、里芋は土つきのものであれば青果店やスーパーで購入したものをタネイモにすることもできます。前年に収穫した里芋を保存しておき、タネイモとして利用してもOK。タネイモはふっくらと充実して、芽がついているものを選びましょう。カビや傷のあるものは避けてください。 催芽(芽出し) タネイモをそのまま菜園やコンテナに植え付けてもいいのですが、催芽のひと手間をかけておくと成功率がアップします。催芽のメリットは、植え付けた後に腐ってしまうリスクを防げること、成長が揃いやすくて管理しやすいこと、初期生育が順調に進むこと、イモの太りがよくなることです。 催芽の方法は、プランターや黒ポットにタネイモを仮植えし、暖かい場所に置き、乾いたら水やりします。発芽したら、菜園などに定植します。 土作り 【菜園】 幅約70〜80cm、高さ約10cmの畝を作ります。畝の長さは収穫したい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。畝の中央に、深さ約30cmの溝をクワで掘り、1㎡当たり堆肥2〜3kg、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約200gを均一に入れて混ぜ込み、溝を埋め戻して畝の表土を平らにならします。畝には黒のマルチフィルムをピンと張って、周囲の土を盛ってしっかり固定しましょう。マルチフィルムを張ることで保温効果が得られ、寒さが苦手な里芋の生育を促します。 【コンテナ栽培】 野菜用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると便利です。 植え付け 植え付けの適期は、4月下旬〜5月上旬です。タネイモを準備して植え付けます。 【菜園】 畝の中央に、株間が30〜40cmになるようにマルチフィルムに穴をあけます。ホームセンターなどで、菜園グッズとしてマルチの穴あけ器が販売されているので、それを利用すると便利です。マルチフィルムにあけた穴の下を深さ10cmほど掘り、タネイモの芽が出ているほうを上にして置き、5cmほど土を盛る程度の浅植えにします。あらかじめ催芽をしておいた場合は、芽を傷めないように植え付けます。 【コンテナ栽培】 里芋は草丈が1〜1.5mになります。1株につき土の容量が40〜50ℓ必要なので、幅、高さともに40cm以上の大容量コンテナを用意します。鉢の号数でいえば、12号以上を準備するといいでしょう。 用意したコンテナの底穴にネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。成長とともに増し土(培養土を足す)をするので、コンテナの縁から10cmほどの空間を残しておきましょう。深さ10cmほどの穴を掘り、芽が出ているほうを上にして5cmほど土を盛る程度の浅植えにします。あらかじめ催芽をしておいた場合は、芽を傷めないように植え付けます。 最後にジョウロにはす口をつけて、底穴から流れ出すまでたっぷりと水やりしましょう。日当たりのよい場所に置いて管理してください。 水やり 【菜園】 根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に雨が降らず乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【コンテナ栽培】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、底穴から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。 芽かき 【菜園・コンテナ栽培ともに】 植え付けから1カ月ほど経った頃、2本以上の芽が出てきたら、勢いのある芽を1本のみ残して、他の新芽はすべて引き抜きます。親イモを植えた場合は必ず複数本の芽が出てくるので、早めに1本のみを残しましょう。この芽かきの作業をすることで、株が充実します。芽かきは1回のみにし、この後から出る芽はそのまま生かしてください。 追肥・土寄せ 【菜園】 気温が十分上がった6月頃に、黒いマルチフィルムをはずし、1回目の追肥と土寄せをします。株の周囲に1㎡当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)約200gをばらまき、クワで軽く土に混ぜ込んでから株元に土を寄せて畝を高くします。 2回目の土寄せは7月頃、3回目の土寄せは8月頃が適期で、1回目と同様の分量で追肥をして土寄せをします。少しずつ畝を高く盛り上げて、イモを太らせます。 【コンテナ栽培】 6〜7月に、2回に分けて追肥と増し土をします。 6月頃、1鉢につき化成肥料(N-P-K=8-8-8)約5gをばらまきして土になじませ、野菜用の培養土を厚み5cmほど追加します。7月頃に、同様に追肥と増し土をします。 真夏の乾燥対策 【菜園・コンテナ栽培ともに】 里芋は乾燥に弱い性質を持っています。真夏は特に乾燥しやすいので、株元に敷きワラなどを施して乾燥対策をしておきましょう。一度乾燥させると株が弱り、収穫量が少なくなってしまうので注意。また、イモが肥大する時期に乾燥させてしまうと、イモにひび割れが入ることがあります。 病害虫 【病気】 ほとんど心配ありません。 【害虫】 アブラムシ、ハスモンヨトウが発生することがあります。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で、繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 ハスモンヨトウは蛾の一種で、里芋を食害するのは幼虫です。6月頃から幼虫が葉を食い荒らし、サイズは大きめで4cmほどになるため見つけやすい害虫です。見つけ次第捕殺して被害が広がらないようにしましょう。 家庭菜園では薬剤散布を減らすために、木酢液を散布して病害虫対策をすることがありますが、里芋に関しては葉が酸性に弱い性質があるので、使用しないようにしてください。 収穫 里芋は寒さに弱く、霜が降り始めると地上部が枯れてきます。霜が降りる前の11月中旬頃が収穫のタイミングです。まず、地上部の茎葉を地際で刈り取っておくと作業がしやすくなります。少し離れたところからスコップの刃を差し込んで、イモを掘り上げると、大きくなった親イモの周囲に、たくさんの子イモがついています。 里芋栽培を楽しもう! この記事では、里芋のプロフィールから基本情報、種類、食べ方や栄養素に始まり、菜園での詳しい育て方に至るまで、徹底解説しました。晩秋に収穫する里芋は、粘りのあるホクホクとした食感が人気、栄養価も高いのでおすすめの野菜です。この記事を参考に、ぜひ家庭での栽培にチャレンジしてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 参考文献/ 『別冊やさい畑 野菜づくり名人 虎の巻』発行/家の光協会 2009年2月1日発行 『わが家の片隅でおいしい野菜をつくる』監修/藤田智 発行/日本放送出版協会 2008年2月10日発行第5刷
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季節を映す言葉「季語」で知る春の花
まだまだ風が冷たい早春から、次第に日が長くなり、上着なしでも出歩けるようになるこの季節は、お花見散歩にぴったりの時期。春の日差しを受けて、花たちはバトンタッチをしながら次々と咲き継いでいます。春の季語には、それらの花々の名前がたくさんあります。その中から、私たちに身近な花を10種ご紹介します。 サクラ(桜) 一面を薄紅色に染める、言わずと知れた春の代名詞、サクラ。サクラにまつわる季語は多く、花、山桜、八重桜、彼岸桜、枝垂れ桜などのほか、散るサクラである落花や、枝にわずかに咲き残った残花、散りつくした桜蘂(さくらしべ)など、さまざまなサクラの状態が季語になっています。開花期は3~4月頃。 レンギョウ(連翹) Olha Nosova/shutterstock.com 春になると、すんなりと伸びた枝いっぱいに輝くような鮮黄色の花を咲かせるレンギョウ。レンギョウ属の植物を総称してレンギョウと呼びます。花弁が深く裂けた釣鐘状の小さな花が連なって咲く姿は、春らしい勢いを感じさせ、ヨーロッパでも庭木として人気が高い低木です。開花期は3~4月頃。 ワスレナグサ(勿忘草) 美しいスカイブルーとロマンチックな名前から人気の高いワスレナグサ。湿性地を原産とするので、街中で自生していることは少ないですが、寄せ植えや花壇などで可愛らしい花を見かけることができます。原産地では多年草ですが、暑さに弱いため、温暖な地域では一年草として育てられています。開花期は3月下旬~5月頃。 ヤマブキ(山吹) ikwc_exps/shutterstock.com 北海道から九州まで分布し、鮮やかな黄色の花を咲かせるヤマブキは、『万葉集』や『後拾遺和歌集』の歌にも詠まれている、日本原産の花。一重、八重のどちらも古くから日本人に親しまれてきました。耐寒性、耐暑性ともに強く、育てやすいので、特別手をかけなくても毎年美しい花を楽しむことができます。開花期は4~5月頃。 サクラソウ(桜草) Elena11/shutterstock.com やや湿った野原や明るい林などで見られる多年草。サクラソウ属は非常に種類が多く、ヨーロッパ原産のものを品種改良したプリムラ・ジュリアンなどもその仲間。サクラソウも江戸時代に多くの交配が行われ、現在では300を超える園芸品種があります。花茎を伸ばし、白やピンク、紫などのサクラに似た可愛らしい花を咲かせます。開花期は4~5月頃。 ツツジ(躑躅) SUPEE PURATO/shutterstock.com 公園や道路などによく植えられている一般的な花、ツツジ。白、赤、ピンク、紫など色とりどりの可愛らしい花を、株いっぱいに咲かせる姿をあちらこちらで見かけます。日本にも自生している育てやすい植物で、古くから改良されてきたため、園芸品種も豊富です。開花期は4月中旬~5月中旬頃。 カイドウ(海棠) walkdragon/shutterstock.com 緑が鮮やかになる頃に咲き始めるカイドウの花は、艶のある薄紅色で長い花柄を持ちます。うつむき加減に咲く花は美しく、しっとりとした風情があり、唐の玄宗皇帝が楊貴妃をこの花に例えたように、古くから美人の代名詞として使われてきました。ハナカイドウとも呼ばれ、人気の高い庭木です。開花期は4月中旬~5月上旬頃。 ドウダンツツジ(満天星躑躅) hiderosoo999/shutterstock.com 季語の「満天星の花」は、満天星躑躅の花の略から。白い壺状の小さな花をいくつも吊り下げる風情を満天の星に例えたことから、この漢字が使われるようになりました。公園や庭木として植えられ、春の開花のほか、秋の紅葉も見事です。白色品種が一般的ですが、紅色の花を咲かせる赤花品種もあります。開花期は4月中旬~5月上旬頃。 キンセンカ(金盞花) Elena Koromyslova/shutterstock.com ポット・マリーゴールドやカレンデュラとも呼ばれ、キクに似た花を咲かせます。黄やオレンジなど、鮮やかな暖色系の色合いの花が長期間咲き続き、丈夫で育てやすいことから、花壇のコンテナの彩りとして幅広く活躍します。皮膚のトラブルに効果があるとされるハーブでもあります。開花期は12~5月頃。 フジ(藤) 紫色の花房を優雅に垂らし、風に揺れるフジは、日本を原産とする美しい花。現在では世界各地のガーデンに植えられています。藤色という色がある通り、古くから愛され、『万葉集』や『枕草子』にもその名が登場します。ほかの樹木に巻きついて高く伸びるつる植物で、藤棚を仕立てるなどして栽培します。開花期は4月下旬~5月中旬頃。 季語に登場していても、ここでは紹介しきれなかった花は、まだまだあります。また、季語には花だけでなく、芽生えの様子や風習など、日本の季節の移ろいを捉えた美しい言葉がたくさんあります。季語に登場する花々や景色から、季節の移ろいを感じてみるのも素敵ですね。
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樹木

美しく爽やかに季節を告げる木々 花木を育ててみませんか?
美しい花が楽しめる花木 樹木の中でも特にたくさんの花が楽しめる「花木」というグループ。美しい花を満開に咲かせ、木全体が花々で覆われたようなその姿は見事のひとことです。樹木を彩る花を見て、季節の変化を感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、私たちに春を告げてくれる美しい花木をご紹介します。 花木の栽培はハードルが高いと思われるかもしれませんが、実は栽培しやすい丈夫なものが多く、一度根づいてしまえばほとんど手を掛けなくても育ってくれます。コンパクトに育つ樹種を選べば、鉢植えでも十分栽培可能。数年に一度の植え替えなどの手入れで、何年もの間、私たちの目を楽しませてくれます。 マグノリア 花期:3~5月樹高:2~10m以上 ボリュームのある美しい花を一面に咲かせるマグノリア。マグノリアはモクレン属の園芸品種の総称で、白やピンクなどの柔らかな色合いの花が春を彩ります。基本的に大きく育つので、小スペースでの栽培なら、小型の園芸品種、ガールマグノリアの系統がオススメ。大木に育てれば、庭の主役になるような見事な光景を見ることができます。 ミモザ(ギンヨウアカシア) 花期:3~4月上旬樹高:5~10m 春先に鮮やかな黄色の花を咲かせるミモザは、銀色がかった葉とのコントラストも美しく、ブーケなどの花材としても人気の高い花木。本来ミモザはオジギソウなどの別の植物を指す名前でしたが、現在はギンヨウアカシアを表すことが多くなっています。ギンヨウアカシアのほか、フサアカシアもミモザという名称で流通していることがあります。どちらも生長が速く大きく育つため、支柱を立てて支えるほか、花後には剪定を行います。 ハナモモ 花期:3月中旬~4月中旬樹高:2~5m 古くから日本人にも親しまれてきたモモの花。3月3日のひな祭りには欠かせない花ですね。その中でも、特に花を観賞する花木として扱うものをハナモモと呼びます。その名の通り桃色の花のほか、白や鮮やかな赤などの可愛らしい花を、枝を覆うようにびっしりと咲かせます。枝垂れ性やほうき立ち性、矮性など、樹形の種類も多いので、栽培スペースに合わせて選ぶことができます。 ライラック 花期:4~5月樹高:1.5~6m ヨーロッパ生まれのライラックは、美しいラベンダー色の花穂をたくさんつけ、辺り一面に芳香を漂わせる魅力的な花木。フランス語のリラという名前でも親しまれています。寒さに強いので、寒冷地での庭木にぴったり。近い仲間であるヒメライラックは、樹高が1m程度とコンパクトに育つので、鉢植えでの栽培も楽しめます。 ジューンベリー(アメリカザイフリボク) 花期:4月下旬~5月上旬樹高:3~5m すらりとした樹形が美しく、近年シンボルツリーとして人気の高いジューンベリー。春に咲かせる白い花はもとより、初夏に鈴なりに実る赤くて甘酸っぱい実、秋の紅葉と、どの季節でも楽しめる花木です。成長がゆっくりで手入れしやすく、栽培も簡単なので、ガーデニング初心者にもオススメです。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1)Tom Mc Nemar/ 2)Ulrike Adam/ 3)Hang Dinh/ 4)Lana B/ 5)Vincenzo Iacovoni/ 6)Anna Bogush/ 7)BluOltreMare/ 8)KPG Payless2/ 9)Ken Kojima/ 10)zhu difeng/ 11)KULISH VIKTORIIA/ 12)NikolayTsyu/ 13)ttoleg/ 14)mccw thissen/ 15)yurisyan/ 16)MAKNAD /Shutterstock.com



















