スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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一年草

夏の花アサガオを咲かせよう!タネまきから緑のカーテン・鑑賞まで解説
育てやすくて可愛いアサガオ 夏の日の朝早く、伸ばしたつるに花を咲かせるアサガオは、この季節の風物詩。夏休みにアサガオの観察日記をつけたことがあるという人も多いのではないでしょうか。左巻きに周囲のものに巻きつきながら成長するつる植物で、鉢の周囲に数本の支柱を立てて水平に輪を渡し、らせん状に誘引する行灯仕立てにして育てるほか、緑のカーテンにもよく利用されています。 アサガオはヒルガオ科の一年草。日本原産ではなく、今から1,000年以上前の奈良時代に、遣唐使によって伝えられたといわれます。当初はアサガオのタネが漢方薬として重用されていましたが、江戸時代頃から観賞用として栽培されるようになりました。江戸時代には品種改良が盛んになり、さまざまな色や形を持つアサガオが生まれました。アサガオと名のつくものにはほかに、宿根性でより丈夫なノアサガオ(琉球アサガオ)や、昼に花を咲かせ、抜けるような空色の花が有名なセイヨウアサガオなどもあります。 セイヨウアサガオ‘ヘブンリー・ブルー’ 変化朝顔と朝顔市 2017年7月に東京・日比谷公園で行われた変化朝顔展示会&大輪朝顔共催展示会。 アサガオは日本で最も発達した古典園芸植物の一つで、江戸時代に非常に流行しました。鉢植えや垣根で手軽に育てられることから、下級武士や江戸庶民にも広く愛されていたようです。たくさんのアサガオが栽培されたこの時代、花弁が細く切れ込んだり、八重咲きになったりといった本来の花形からさまざまに変化したものが次々に生まれました。花だけでなく、葉も広くバラエティに富んだ形のものが現れます。アサガオとは思えないほど多種多様な姿を持つこれらの花には散逸してしまったものもありますが、現代にも伝わる系統は「変化朝顔」と呼ばれ、愛好家を惹きつけています。 江戸っ子の夏の風物詩だったアサガオへの熱気を現代に伝える行事の一つに、「入谷朝顔まつり」があります。江戸時代末期には、主に今の御徒町付近の下級武士により盛んにアサガオが栽培されていたといわれ、その後、明治政府への変遷に伴い、入谷の植木屋が育てるようになりました。その出来栄えのよさが評判を呼び、最盛期には、往来止めになるほど人が集まり、1,000種を超えるアサガオが並んで多様な花を咲かせていたそうです。大正時代に一度は途切れたものの、その後復活。七夕前後の3日間、入谷鬼子母神を中心として朝顔業者や露店が並び、毎年多くの人でにぎわう日本最大の朝顔市として、今も下町の夏の風物詩となっています。 アサガオの育て方 アサガオはタネから育てるのが一般的ですが、初夏に出回る苗を植え付けるのもオススメです。タネ播き適期は5月中旬~6月頃。アサガオのタネは表皮がとても堅いので、吸水・発芽しやすくするために、タネにヤスリやニッパーなどで少し傷をつける「芽切り」という作業を行い、一晩しっかり吸水させてから播きましょう。芽切りの際は、発芽部である白い部分を傷つけないようにご注意を。市販のタネにはすでに処理が施されているものも多いので、タネ袋をよく確認してから作業します。タネを播いたら1~2㎝ほどの厚さでしっかり覆土します。 植え付け場所には、風通しと日当たりがよい場所を。西日は避けたほうが無難です。短日植物なので、夜には光が当たらないよう気を付けましょう。開花が始まったら、水をたっぷりと与えます。特に鉢植えは乾きやすいので、生育旺盛な夏には、様子を見ながら朝夕2回の水やりを。ある程度大きくなったら、親づるの先端を切る摘心をすることで小づるを増やし、花つきをよくすることができます。小づるが伸び始めたら、行灯仕立てや緑のカーテンなどに誘引しましょう。 花つきがよいアサガオは、肥料が切れやすいため、開花中は適宜追肥を行います。肥料が切れると花が止まりがちになります。次々に花が咲くので、花がら摘みも忘れずに。タネを採る場合は、秋の花を摘まずに残してタネをつくらせ、実の外皮が乾燥してから採るとよいでしょう。 Photo/ 1)ambenvalee/ 2)Teresa Design Room/ 3)Hemerocallis/ 5) ST-photo/ 6)ruiruito/ 7)Joe Ferrer/ Shutterstock.com
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宿根草・多年草

リシマキアは日陰もバラの株元も美しく彩る這って広がる植物
リシマキアは日陰に強くて丈夫 シラカバの林床に咲くオカトラノオ。 リシマキアはサクラソウ科オカトラノオ属の多年草または小低木です。原産地は北半球各地で世界に約200種が分布しており、日本にもオカトラノオをはじめとして15種のリシマキアが自生しています(オカトラノオの学名は、Lysimachia、つまりリシマキアです)。大きく分けると、縦に成長していくタイプと横に成長していくタイプがあり、横に成長していく「ほふく性タイプ」は、冬でも常緑(または半常緑)なため、グラウンドカバーに最適の植物として注目されています。 手前のブロンズ色の葉がリシマキア‘ミッドナイトサン’、奥の明るい葉がリシマキア・ヌンムラリア‘オーレア’。ヒューケラや斑入り葉のナルコユリとともに、葉色だけで美しい風景を作る。 リシマキアは、本来日差しの弱い山地に分布していることが多く、日光のあまり当たらない場所でも十分生育することができます。ですから、日陰の庭でも大丈夫というわけです。また、比較的水分を多く含んでいる土を好み、その仲間には熱帯魚を育てる時の水草として利用される種類もあるほど。水に強いので、根腐れの心配があまりありません。ほとんどの品種が耐暑性、耐寒性に優れ、日本の暑い夏を乗り切ってくれます。冬は地植えであっても霜除けがいらないほど丈夫。地下茎で増えて広がるため、手間いらずで、庭の風景を作ってくれます。 たくさんの種類があり、品種によって葉の色、花の色、花姿が変化に富んでいますので、きっとお気に入りが見つかることでしょう。 リシマキアの活用法 ① グラウンドカバーとして バラの足元に植えられたリシマキア・ヌンムラリア‘オーレア’。 横に成長していくタイプは、地面をカーペットのように美しく彩るグラウンドカバーとして大活躍してくれます。葉の色にバリエーションがあるので、洋風の庭にも和風の庭にもなじみ、鮮やかな若草色は庭をパッと明るくしてくれますし、ダークカラーは渋さを出すのにぴったり。1株植えれば自ら発根を繰り返して繁殖し、地面を這うように茎が伸びていきます。リシマキアが広がっているだけで、手入れが行き届いているように見え、バラなど上部で咲く花の美しさをより際立たせてくれる優れた効果を発揮します。 散り敷く花びらさえもリシマキアのカーペットが美しく見せてくれる。 ② 寄せ植えとして 鉢の縁から枝垂れるブロンズ色の葉がリシマキア‘ミッドナイトサン’。「Junk sweet Garden tef*tef*」の寄せ植え。 リシマキアは寄せ植えでも名脇役として活躍します。鉢の縁から下垂させるように植えると、鉢と植物の一体感が生まれ、寄せ植えの完成度が格段にアップ。ハンギングバスケットにすれば、枝垂れる葉の美しさをいっそう楽しむことができます。 ③ 庭の名脇役として フロックス‘チェリーキャラメル’とともに咲く穂状花のリシマキア・アトロプルプレア‘ボジョレー’。 縦に伸びるタイプのリシマキアは、庭の脇役として活躍します。例えば、初夏に咲く草丈40cmほどのリシマキア・アトロプルプレア‘ボジョレー’の穂状の濃紫色の花は、小さな庭でも場所をとらず、バラの株元などにもぴったりです。また梅雨時の曇り空には、明るい黄色の星形の花をびっしりつけたリシマキア・プンクタータが似合います。つやのない赤葉を持ち、6月から8月にかけて黄色の花を咲かせるリシマキア・キリアタ‘ファイアークラッカー’も存在感があります。初夏から夏にかけて花の寂しい時に、庭の主役にはならないけれど、なくてはならない名脇役として、リシマキアをもっと活用しましょう。 紫のゲラニウムの前後を明るく彩る黄色の花は、リシマキア・プンクタータ‘アレキサンダー’。斑入り葉が特徴。 個性豊かで多彩なリシマキアの品種 北半球に広く分布するリシマキアは多様性に富み、さまざまな種類があります。そして、品種ごとに特徴や育て方が少し違います。 「どんなリシマキアが私の庭に似合うのか?」と迷ってる方に、リシマキアの品種とその特徴を詳しくご紹介します。 ① リシマキア・ヌンムラリア リシマキア・ヌンムラリアは、ヨーロッパを原産とするリシマキアの代表品種です。ほふく性ですからグラウンドカバーとして、また、ハンギングバスケットでも活躍します。5月下旬から6月にかけて、小さな黄色い花を葉が見えないほど一面に咲かせてくれます。また、小さな二枚葉が季節を問わず茂り、観賞価値が高い品種です。 日当たりがよい場所でも、半日陰でも、場所を選ばずよく生育します。湿り気のある土壌を好みますから、鉢植えの場合は水やりに注意しましょう。 水気を多く含んだ環境を好むことから、水草としても人気があります。 ② リシマキア・ヌンムラリア‘オーレア’ ヌンムラリアの変種で、写真左上のようにライムグリーンの輝く葉が地面をカーペット状に覆います。周りを明るくする葉の色は、日陰の庭を生き生きと爽やかに見せてくれます。花の寂しい時も、‘オーレア’の黄金色の葉があれば少しも寂しくありません。そんなわけで、‘オーレア’は生育旺盛なグラウンドカバー植物としてとても人気があります。 特に植物が育ちにくい半日陰から日陰の庭は、湿り気の多い環境を好む‘オーレア’には、ぴったりの場所としておすすめです。日差しの強い環境では、右側の写真のように葉の黄金色がより鮮明に出て大変見応えがあります。日陰の庭では水分の影響で緑が色濃く出ますから、環境によって変わる葉の色を観察することも楽しいでしょう。 また、‘オーレア’の葉色はどのような植物とも合いますので、寄せ植えの素材としての価値が高く、近年ますます注目を浴びています。 ③ リシマキア‘ミッドナイトサン’ グラウンドカバーに向くほふく性で、丈夫で繁殖力も申し分ありません。‘ミッドナイトサン’の特徴はダークカラーの葉色です。ブロンズ色を帯びた濃い緑色の葉は、落ち着いたシックな雰囲気を醸し出してくれます。初夏には星形の黄色い花が咲き、葉色との美しい対比を見せてくれます。また、花は4つほど密集して咲くので、より大きく際立ち、見る人を楽しませてくれます。 ④ リシマキア‘シューティングスター’ Photo/Junk sweet Garden tef*tef* ほふく性のリシマキアです。 ‘シューティングスター’の特徴は、濃い緑色の葉の間に光が差すようにピンク色の斑模様が入り、可愛らしく繊細な雰囲気であること。 美しい葉色を生かして鉢植えで楽しむ人も多い人気品種です。性質は他のリシマキア同様、暑さ寒さに強く、どんどん横に茎を伸ばし旺盛に成長していきます。初心者でも育てやすく、グラウンドカバーとしても利用できる品種です。 ⑤ リシマキア・プンクタータ Elena Masiutkina/Shutterstock.com 縦に成長するタイプで、40〜60cmほどの草丈になります。初夏に星形の黄色い花が茎につらなって一面に咲き、とても見事です。 地下茎で増え、まとまりのある姿で株立ちになるので手入れが楽です。自然風の庭にさらに野趣を添えてくれます。宿根草ガーデンやボーダーガーデンなどに向いています。 斑入り葉(アレキサンダー)の品種は寄せ植えに適しています。ただし、花は上記のプンクタータほど見事には咲かないので、美しい葉を観賞するつもりで楽しむといいでしょう。 ⑥ リシマキア・アトロプルプレア‘ボジョレー’ 縦に成長するタイプで、草丈は20~40cm。深いワインレッドの穂状の花に、銀色がかった葉の取り合わせが美しく、シックでお洒落な雰囲気を醸し出します。バラの最盛期に‘ボジョレー’の花も咲くので、ローズガーデンの下草にも利用できます。淡いピンクや白のバラを引き立て、優雅な風景を作ってくれます。寄せ植えの花材としても人気で、動きを出したり色を引き締める効果もあります。ある程度咲いたら早めに切り戻し、株を休ませると繰り返し咲きます。 ⑦ リシマキア・キリアタ‘ファイアークラッカー’ OlgaOtto/Shutterstock.com 縦に成長するタイプで、草丈50~80cm。赤紫を帯びた茎や葉が美しく、7~8月に咲く黄色の小さい花との対比が際立ちます。花が少なくなる盛夏に存在感を示してくれる便利な植物です。 非常に強健で、暑さ寒さ、多湿、乾燥にも強く、地下茎で広範囲に増えて群生します。広い場所に向いています。 リシマキアの育て方 それではリシマキアの株を手に入れて、実際に育てる際、どんなことに注意すればいいでしょうか? リシマキアの栽培環境をはじめ、水やり、肥料、注意すべき病害虫、増やし方について詳しくご紹介します。 ① 栽培環境 リシマキアは丈夫な植物で、日当たりを気にせず育てることができます。しかし本来日差しの弱い山地に自生している植物なので、夏の強い日光による葉焼けには注意が必要です。 また、水分を好む性質ですから、乾燥しがちな場所には置かない、植えないようにします。 根腐れの心配はほとんどありません。水分を切らさないような栽培環境を整えることが大切です。 土を作る際には、腐葉土や堆肥を混ぜ込んだ柔らかく湿り気のある土を目指します。 ② 水やり 鉢植えの場合は、土が乾き始めたらすぐに水やりを行います。 リシマキアは大変水分を好む植物ですから、水を切らさないよう夏は特に気をつけましょう。 地植えの場合も土が乾いたら水を与えるようにすると、生育がよくなります。 冬に関しては、夏ほどの水分は必要ありません。土が乾燥しすぎないように水やりをすれば十分です。 また、土が凍ると株を傷める恐れがあります。鉢の置き場所、水やりの時間などに気をつけましょう。 ③ 肥料・追肥 雑草を積んでおくと、だんだん分解されて腐葉土になっていく。これはまだその途中。 リシマキアは腐食質の肥料を好みます。植え付ける際は、用土に腐葉土を混ぜておくとよいでしょう。腐葉土は園芸店でも買えますが、自分で作ることも可能です。作り方は簡単です。庭の片隅に枯れ葉や雑草を積んで、1年くらいすると分解されて土のようになるので、下のほうから使います。 さらに月に1~2回、液体タイプの肥料を与えると、葉の色などを見栄えよくするのに効果的です。 リシマキアは生命力が強い植物なので、肥料が少なくても育ちます。肥料の与えすぎには注意しましょう。 ④ 注意すべき病害虫はほぼなし リシマキアは丈夫な植物ですから、基本的に病気の心配はありません。 害虫に関してもあまり気にするような虫はいないので、安心して栽培することができます。ただし、アブラムシは一般に大量発生しやすい害虫ですから、見つけたらすぐに駆除しましょう。 ⑤ 増やし方 リシマキアの植え付けは、春(3〜5月)と秋(10〜11月)の比較的気温の低い時期が最適です。 また、「株分け」と「挿し木」で増やすことができます。大きくなった株や、広くほふくした株を切り分けて、それぞれ新しい土に植えましょう。挿し木の方法も簡単です。根がついた茎を切り分け、植えたい場所に挿しておくだけで根付きます。また、剪定で切り取った茎や枝の切り口を水に浸しておき、根が数本出てきたら土に植え付けてもよいでしょう。 非常に生命力が強く、日向でも日陰でも育つリシマキアについてご紹介してきました。園芸初心者にも栽培しやすく、ぐんぐん成長して可愛い花を咲かせてくれるリシマキア。 寄せ植えでも、グラウンドカバーとしても、また庭の主役となる花を引き立てる名脇役としても、さまざまな場面での活躍が期待できます。リシマキアという名バイプレーヤーを、あなたの庭にもキャスティングしてみませんか?
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観葉・インドアグリーン

【観葉植物】フィカス・ウンベラータの育て方! 上手な栽培のコツを大公開
フィカス・ウンベラータってどんな植物? フィカス・ウンベラータは、アフリカ熱帯雨林気候地域原産のクワ科の植物です。自生地では樹高10m程度にまで育ちますが、日本でインドアプランツとして購入できるのは、50cmから1.8m程度のものが一般的です。 ゴムノキに似た雰囲気がありますが、ゴムノキもウンベラータと同じクワ科フィカス属の植物です。ベンジャミン(フィカス・ベンジャミナ)などと比べると葉が大きくて薄く、ツヤがありません。また、表面にはしっかりとした葉脈があり、よりナチュラルな樹木のたたずまいがあります。 シーグレープというインドアプランツの葉とも似ていて混同されがちですが、シーグレープの葉が丸くうねりがあるのに対して、ウンベラータはより幅広でハート形をしているので区別できます。 明るい場所でももちろん育ちますが、耐陰性があるため少し暗い場所に置かれてもすぐに適応し、問題なく育てられます。自生地では常緑ですが、置かれた環境、特に気温が低いと葉を落とすことがあります。しかし、もし冬に葉を落としても枯れてしまったわけではなく、暖かくなれば再び新芽を出してきます。2週間に1回程度、土の表面が濡れる程度にサッと水やりをして春を待ちましょう。 フィカス・ウンベラータの基本情報 ゴムノキやウンベラータなど、フィカスの仲間は観葉植物として人気。Yaoinlove/Shutterstock.com ウンベラータはクワ科イチジク属の樹木で、学名をフィカス・ウンベラータ(Ficus umbellata)といいます。 大きな葉っぱがまるで「日傘(umbella)」のように見えることが名前の由来となっています。 もともとはアフリカの熱帯雨林地方に自生し、暑さには強いのですが、寒いのはちょっと苦手です。成長速度が非常に速く、自生地では樹高10mにも及びますが、前述のように日本では50cm〜1.8m程度の樹高のものがよく販売されています。 よく育つので、いらない枝を剪定して好みの樹形を作ることも比較的簡単です。それほど強い光を必要としないため室内でも楽しむことができます。 花言葉は「永久の幸せ」「すこやか」「夫婦愛」など、平穏な幸せを感じさせるものばかりです。 風水では恋愛運上昇とリラックス効果があるとされます。 日本では流通量も多く、3,000〜20,000円で買い求めることができます。 フィカス・ウンベラータが好む環境 Ivanov Gleb/Shutterstock.com フィカス・ウンベラータは置かれた環境に順応しやすく育てやすい植物ですが、ポイントを押さえることで、より失敗なく育てられることでしょう。ここでは、ウンベラータが好む環境について解説したいと思います。 フィカス・ウンベラータの栽培温度 Depiction /Shutterstock.com フィカス・ウンベラータの自生地は、中央アフリカを中心とした熱帯雨林の森です。 そのため本来は高温多湿の環境を好みますが、周囲の環境になじみやすい性質があり、日本の環境下でも冬を除いて問題なく育てることができます。 熱帯原産ということもあり、寒さには弱いという一面があるため、温度の低下に伴って葉を落とし、休眠する場合もあります。枯死の危険を避けるために、冬期の温度管理については5℃を下回らないようにしましょう。 春から秋は戸外で育てることもできますが、肌寒さを感じる時期(最低気温が15℃程度)になったら、室内に取り込みましょう。 屋内管理の場合、リビングのようにできるだけ暖かくて寒暖差の少ない場所に移動するなどの工夫をすることで、休眠に入らず成長を続けることができます。もし葉を落として休眠してしまったら、できるだけ暖かい場所に置いて休眠が明ける気温になるのを待ちましょう。 フィカス・ウンベラータが好む日当たり・置き場所 photopia90/Shutterstock.com フィカス・ウンベラータは適度に明るい場所を好みます。 屋外であれば、冬期を除いて問題なく育てられます。ただ日光が強すぎると葉焼けを起こしてしまうので、真夏の直射日光にさらすことはやめましょう。夏の間は午前中だけ日が当たる場所や日陰に移したり、30~50%程度遮光できる寒冷紗をかけるとよいでしょう。冬は室内や保温できる環境に移動します。 ウンベラータは多少の暗い場所でも育てることができるため、インドアプランツとして人気が高いです。 屋内で丈夫に育てる際のポイントとしては、レースのカーテン越し程度の明るさのある風通しのよい場所に置くことです。屋外同様、直射日光が当たる場所は、やはり葉やけの心配があるので避けましょう。耐陰性があるため、蛍光灯の明かり程度でも育てることができます。ただその場合でも、日中はできるだけ明るいところに移動させたほうが徒長の心配もなく、丈夫に育ちます。 フィカス・ウンベラータを育てる用土 SHDStockProject/Shutterstock.com 自生地は熱帯雨林のため多湿の環境を好みます。用土は保水性のあるものを。すでにブレンドされた観葉植物の土などでもよいでしょう。しかし保水性が高すぎる、水はけの悪い用土を使うと屋内では特に根腐れを起こしやすいので注意しましょう。 生育環境に合わせて赤玉土や鹿沼土を混ぜ込み、水はけを調整しましょう。ただし、腐葉土などがブレンドされているとコバエが発生する場合があります。土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂など無機質の用土で覆うと見た目もよく、コバエなどの発生予防にもなるのでおすすめです。 フィカス・ウンベラータに必要な水やり Irene_A/Shutterstock.com 春から秋の成長期の水やりは、表土が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えてください。根がしっかりと育っている株であれば乾燥にもある程度耐えることができるので、神経質になることはありません。結構乾いてしまったなというくらいでも問題ありません。むしろ室内管理の場合は、特に水やりのしすぎによって根腐れしやすいので注意。常に用土が濡れているという状態は避け、鉢内の空気を入れ替える意味でも、用土内の水分をすべて入れ替えるイメージで、鉢土が乾いたのを確認してからたっぷりと与えてください。またウンベラータは多湿の環境が好きなので、葉水をすることでより健全に育てることができます。大きな葉には埃がたまったり、ハダニが発生したりするので、葉水のときには表面だけでなく裏面にもしっかりと水を吹きかけましょう。秋以降葉を落とし、休眠してしまったら水やりの頻度を減らし、乾燥気味に管理しましょう。 フィカス・ウンベラータに必要な肥料 Singkham/Shutterstock.com 肥料を与えることで小さな鉢でも大きく育てることができます。施肥の時期は春から秋の成長期ですが、2カ月に1度を目安に、緩効性肥料を与えていれば問題ありません。成長が活発になる夏などは、併せて2週間に1度程度、規定の倍率に薄めた液体肥料を与えるのもよいでしょう。生育スピードの低下に合わせて施肥も減らしていきましょう。また市販の用土は肥料が混ざっている場合もあるので、植え替え時には肥料過多にならないよう確認しましょう。 フィカス・ウンベラータ栽培、その他のポイント MarinaTr/Shutterstock.com フィカス・ウンベラータは環境の変化に順応しやすく、日向でも日陰でも育てることができます。反面、屋内から屋外、屋外から屋内などのように急に環境を変えると、変化に耐えられず葉が傷んでしまったり、落葉したりすることがあるので注意が必要です。ただ丈夫なのでそれで枯れることはほとんどなく、しばらくすると新しい葉が展開してくるので、慌てずに様子を見てください。 屋外、屋内共にその場所をおしゃれに、そして素敵に彩ってくれるフィカス・ウンベラータですが、フィカス属の樹液には有毒な成分が含まれているので、ペットや幼児の誤食、また肌の弱い人が素手で触ることなどには注意が必要です。ペットや幼児の手が届かない位置に置いたり、剪定の際などにはゴム手袋をして、樹液を直接触らないように気をつけましょう。 【お手入れ編】フィカス・ウンベラータの育て方 Itsunfotos/Shutterstock.com ここまではフィカス・ウンベラータの基本的な育て方について解説してきました。ここからは、より具体的に日々のお手入れ方法について解説したいと思います。 フィカス・ウンベラータの剪定 Krisana Antharith/Shutterstock.com フィカス・ウンベラータの成長期は春から秋です。その間は旺盛に葉を展開し、茎を伸ばします。枝葉が重なってしまうと通気が悪くなり、病気や害虫の発生源になることがあるので、バランスを見て剪定するとよいでしょう。また、新しい葉の展開と共に古い葉が落葉することがあります。そのため下部の葉が黄色くなってきても心配ありません。黄化した葉は早めに処分しましょう。また枝が伸びてきたら、節の少し上の位置で切ると脇芽が出てきます。剪定した枝は適切な処置をすれば挿し木として利用できたり、花瓶などに活けてインテリアグリーンとしても活用できます。 剪定時に注意することは、前述のように樹液には人体に有毒な成分が含まれているので、できるだけ触らないようにすること。もし触れてしまったときは流水でよく洗い流すようにしましょう。 フィカス・ウンベラータの増やし方 Maverick76/Shutterstock.com フィカス・ウンベラータの増やし方は「挿し木」と「取り木」が基本です。挿し木をする場合は枝の先端から2〜3枚目の葉の下5cmくらいのところで切り、葉は全部落とすか、半分に切ります。 これは、必要以上に枝の内部にある水分が蒸散するのを防ぐためです。 切り口から出る樹液を流水でよく洗い、挿し木用の用土や鹿沼土に挿しましょう。 挿し木の適期は5~6月です。直射日光は避け、半日陰で用土が乾かないように管理しましょう。取り木をする場合は、根を出させたい場所の節の皮を剥ぎ、剥いだ部分を濡らした水苔で巻きます。さらに保湿のためビニールなどを巻き付け様子を見ましょう。数カ月してビニール越しに根が見えてきたら切り取り、用土に植え付けます。 ●フィカス・ウンベラータの取り木の方法は『観葉植物が伸びすぎた! 剪定して増やす簡単な方法』でご紹介しています。 フィカス・ウンベラータの植え替え Irina Tkachuk/Shutterstock.com フィカス・ウンベラータは根張りが旺盛なため、長期間植え替えをしていないと根詰まりが起きます。根詰まりとは、鉢内が根でいっぱいになってそれ以上伸びることができず、水の通りが悪くなり、用土内が乾燥、加湿、酸欠などの状態に陥ってしまうことです。葉が落ちたり、空中に根が出たり、なんとなく元気がなくなったように見えたら植え替えが必要です。 植物や鉢のサイズにもよりますが、おおむね1~2年に1度は植え替えたほうがよいでしょう。植え替えの適期は5~6月。そのタイミングに合わせて枯れた根を取り、すっきりさせておくと、その後の経過もよく育ちます。また植え替え時の鉢のサイズは今の鉢より一回り大きくしましょう。 植え替える際は、鉢のサイズに合わせて適切な鉢底石と湿らせた新しい培養土を入れ、フィカス・ウンベラータの根鉢が新しい土から外に出ないように高さを調整しながら用土を足していきましょう。このとき鉢を叩くなどして空気を抜き、割り箸などを使って根鉢と用土の間に隙間ができないようにつつきながら土を入れます。用土は鉢の縁ギリギリまで足すのではなく、3cm程度のウォータースペースを取りましょう。植え替え後は鉢底から濁った水が出なくなるまでしっかりと水やりを行ってください。 植え替え後は直射日光などには当てず、徐々に元の環境に慣らしてください。20日前後で新しい葉が展開してきたら、根の調子もよくなってきた証拠です。通常の管理に戻しましょう。 病気・害虫 i-am-helen、Jonathan Oscar/Shutterstock.com フィカス・ウンベラータのかかりやすい病気の一つに「うどんこ病」があります。葉の表面にうっすらと白い粉のようなものが広がるのが特徴で、原因はカビです。一年を通して発生する可能性があり、特に空気が乾燥する時期や室内の風通しの悪い場所で管理していると発生リスクが高くなります。放置しておくとカビに覆われた葉は枯れ、全体に広がっていきます。最終的には他の植物にうつしてしまったり、枯れてしまったりするので、うどんこ病だと判断したら早期の対応が必要です。初期段階であれば発生した葉をちぎり、ビニール袋などカビを封じ込められるものに入れて処分しましょう。あるいは重曹水を葉に吹き付けることでも広がりを抑えることができます。それでも広範囲に広がってしまった場合は薬剤散布が有効です。葉の表と裏にまんべんなく吹き付けましょう。 フィカス・ウンベラータには害虫が付くこともあります。主にハダニ、アブラムシ、カイガラムシです。これらの害虫は日照不足や乾燥、風通しの悪い場所でより発生しやすく、また植物体が根腐れなどで弱っているときに被害が出やすいです。アブラムシやカイガラムシは歯ブラシなどでこすり落として捕殺しましょう。ハダニであれば、付いている葉ごと処分しましょう。数が多く捕殺しきれない場合は、薬剤散布が有効です。 カビや害虫が付く場合、基本的には環境に何らかの問題がある場合が多いので、日当たり、風通し、灌水頻度などをもう一度見直しましょう。また毎日の葉水なども予防に効果的です。 ウンベラータを育てておしゃれな空間を作ろう! Sayuri Inoue/shutterstock.com 今回はフィカス・ウンベラータの育て方について解説してきました。丈夫で環境への適応力もあり、とても扱いやすい植物なので、特にインドアプランツとしての活用が注目されています。これまで解説した気を付けるポイントをしっかり守って、元気なウンベラータを育ててください。
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樹木

ユーカリってどんな植物? 育て方・注意点についてご紹介!
ユーカリの基本情報 ユーカリは、フトモモ科ユーカリ属の常緑高木で、学名はEucalyptus。原産地はオーストラリア、タスマニア島などで、500種ほどが分布するとされています。そのため、原産地の気候によって好む環境条件が異なることが多く、入手したユーカリがどんな性質なのか、タグやラベルなどでしっかり確認しておくことが、栽培のポイントです。一般的には、暑さには強いものの寒さには弱く、乾燥した気候を好むとされています。生命力が強く、枝葉を旺盛に伸ばして樹形を乱しやすいので、適した剪定をして風通しよく管理するひと手間が必要です。 ユーカリの特徴 コアラが好んで食べる植物としてよく知られるユーカリには、すがすがしい香りがあります。明るい葉色が美しく、カラーリーフプランツとしても人気の庭木です。簡単にドライフラワーにできるので、リースやスワッグなどのクラフトの材料としても重宝します。 ユーカリは種類によって開花期が異なります。花色はピンク、白、赤など。細い花弁がびっしりとつく、ユニークな花姿をしています。 また、ユーカリには有毒成分が含まれているので、ガーデニングの際には手袋をして作業するようにしましょう。 ユーカリの花言葉 ユーカリの花言葉は、「新生」「再生」「思い出」など。これは、原産地オーストラリアは山火事が多く、ユーカリは火事の後に雨が降ると芽吹くという、独特の性質にちなんだものです。 ユーカリの種類 ユーカリは500種以上が広く分布していると前述しましたが、日本で主に流通している種類をピックアップしました。 明るいシルバーグリーンの丸い葉が美しく、観葉植物としても愛されているユーカリ・ポポラス、やや細長い葉がつき、レモンの香りを持つユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)、香りがよく切り花としても人気があるユーカリ・グニー、細長い葉にミントの香りがあるユーカリ・ラディアータ(ペパーミントユーカリ)、大きめの葉に清涼感のある香りを持つユーカリ・グロブルスなどです。 ユーカリの育て方 ここまで、ユーカリの基本情報や花言葉、種類などについてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、ユーカリの育て方について解説。水やりや肥料、剪定などの日頃の管理から、増やし方まで詳しく深掘りしていきます。 ユーカリ栽培に適した環境 ユーカリの栽培には、日当たり、風通しのよい場所が最適ですが、半日陰の環境でも育ちます。 暑さには強い一方で、寒さには弱い傾向にあります。ユーカリは種類が多く、耐寒性も種類によって差があり、戸外で越冬できるものもあれば、冬は鉢植えにして室内で管理しなければ枯死してしまうものもあります。購入時にラベルなどをチェックして、耐乾性はどの程度かを把握しておくとよいでしょう。 ユーカリは、もともと乾燥した地域で自生してきた植物なので、多湿の環境を嫌います。粘土質の土壌や、水場に近くて低い場所など、水はけが悪くてジメジメとした環境には向きません。ユーカリを地植えにする場合は、水はけのよい土壌づくりがポイントです。腐葉土や堆肥などをすき込んでふかふかとした土壌にし、周囲より少し土を盛って高くしておくと水はけがよくなります。 ユーカリ栽培の土作り 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた培養土を利用すると手軽です。 ユーカリの植え付け ユーカリの植え付けの適期は、5〜9月です。 【地植え】 土作りをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかり根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、10号以上の大鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておきましょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。 一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。冬は凍結しない場所に移動して寒さ対策をしておきます。 ユーカリの水やり 木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、ユーカリは乾燥した環境を好むので、水の与えすぎには注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。また、茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 ユーカリに施す肥料 【地植え】 肥料を与えるのに適した時期は、生育期の4月下旬〜8月です。それほど肥料を欲しがるタイプではないので、まずは生育が旺盛になる4月下旬頃に、緩効性肥料を周囲にばらまいて軽く耕して土になじませます。その後は樹勢を見て、元気がないようなら追肥として緩効性肥料をばらまいてください。 【鉢植え】 植え付け・植え替えの際に肥料を施してあれば十分です(この記事では肥料成分配合済みの樹木用培養土の使用を想定して解説しています)。ただし、生育期の4月下旬〜8月に、樹勢を見て元気がないようなら、追肥として緩効性肥料をばらまくか、速効性の液体肥料を与えて様子を見てください。 ユーカリにつく病害虫 【病気】 ユーカリの栽培で注意したい病気は、うどんこ病です。 うどんこ病は葉の表面に白い粉が吹いたようなカビが発生し、光合成を阻害されたり、葉から養分を吸収されたりして、生育が悪くなります。放任してひどくなると枯れてしまうこともあるので注意。木の勢いがなくなり、見た目もよくないので、早期に殺菌剤などを散布して対処しましょう。梅雨の時期に発生しやすい傾向にあるので、水もち、水はけのよい土壌作りと、適切な水やりの管理が回避のカギです。窒素成分の多い肥料を与えすぎるのも、発症のきっかけになります。 【害虫】 ユーカリの栽培で注意したい害虫は、コガネムシの幼虫、カイガラムシなどです。 甲虫のコガネムシ(カナブン)は、地中に産卵します。それが孵化すると幼虫が根を食害。試しに木を抜いてみたらスポッと抜けてほとんど根がついていなかった、というほどの被害にあうことも。水分や養分を吸い上げる根がなくなるので地上部も枯れ始め、やがて枯死してしまいます。地上部にはまったく病害虫の気配が見られないのに、葉が下葉から枯れ始めて樹勢が弱ってきたら、地中にコガネムシの幼虫がいることを疑ってください。症状が見られたら、土中に混ぜる粒剤タイプの適応薬剤を施して対処しましょう。鉢植えの場合は、掘り上げて新しい培養土を用いて植え替えるとよいでしょう。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫です。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせます。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ユーカリの剪定 【地植え・鉢植えともに】 ユーカリの剪定適期は、4月下旬〜9月頃の生育期間中です。冬は生育が止まるので、剪定は避けましょう。 ユーカリは生育が早く、枝をぐんぐん伸ばして持て余し気味になります。放任せず、こまめに枝を間引く剪定をしましょう。弱々しい枝、内側に伸びている枝、勢いよく伸びすぎて全体のバランスを崩している枝、下向きに伸びている枝などを選んで元から切り取り、風通しをよくします。樹高が高くなりやすいので毎年剪定のメンテナンスを行い、家庭で栽培する場合には2〜3m以内の樹高をキープしておきたいものです。 ユーカリの植え替え ユーカリの植え替え適期は、5〜9月です。 【地植え】 温暖地で比較的耐寒性のある種類のユーカリを植えている場合は、植え替えの必要はありません。しかし、寒さに弱いタイプのユーカリを育てている場合は、寒くなる前の10月頃に大鉢に植え替え、暖かい場所に移動しましょう。鉢への植え付け方は、「植え付け」の項目を参照してください。 【鉢植え】 ユーカリは生命力旺盛なために成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前には水やりを控え、土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根を切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。根からの水分の吸収と、葉からの蒸散のバランスを保つために、根を小さくしたら地上部の枝葉も切り戻しておきましょう。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。 ユーカリの増やし方 ユーカリは、挿し木、種まきで増やすことができます。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木できないものもありますが、ユーカリは挿し木で増やすことができます。 ユーカリの挿し木の適期は、6〜7月です。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。挿し木の成功率はあまり高くはないので、多めに挿し穂を作っておきましょう。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の植え穴を開け、挿し穂を植えて土を押さえます。発根するまでは明るい日陰に置いて管理し、その後は日当たりのよい場所にで2〜3カ月ほど育苗します。大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 一般的なユーカリの発芽適温は20℃ほどとされており、種まきの適期は5月頃。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。ユーカリの種を数粒播き、薄く土をかけて明るい日陰で管理。1週間ほどで発芽するので、その後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が3〜4枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。根が回るくらいに成長したら、植えたい場所に定植しましょう。 もし、発芽の兆候がなかったら山火事が起きた状態を種に経験させる方法を試すとよいでしょう。理由は、原生地のオーストラリアでは、山火事を経験して発芽すると言われているためです。山火事が起きたと種に思わせる手軽な方法には4つあります。 熱湯をかけて浸す フライパンでさっと炒める ティッシュペーパーに包んで一瞬燃やす タネの表皮に紙ヤスリで傷をつける これらのうち1つの方法を試した後、土に植えたら1週間ほどで発芽します。 ●詳しくはこちら『オーストラリアの植物を発芽させる6つの方法』 ユーカリを育ててみよう! 清涼感のある香りを持つユーカリは、ポポラスを中心に観葉植物としての人気が高まっています。寒い時期もみずみずしい葉を保つエバーグリーンであることも長所の一つです。枝葉を旺盛に伸ばすので、適宜カットしてインテリアに飾っても素敵。ぜひ庭やベランダ、インテリアに取り入れて、美しい葉色を楽しんではいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1) S.O.E 2) Marinodenisenko 3) alybaba 4) alybaba 5) R.Wilairat 6) Lee Wilde 7) blueeyes 8) SujaImages 9) Osetrik 10) Pawel Beres 11) Decha Thapanya 12) RapunzielStock 13) ir_abella 14) Ostanina Anna 15) photoPOU /Shutterstock.com
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宿根草・多年草

夏の庭に個性をプラス! 花形が面白い宿根草「エキナセア」
色も形もさまざまなエキナセアたち イガグリのようなまん丸でトゲトゲとした大きな花心に、細い花びらを持つエキナセア。咲き始めは控えめなイガグリも、咲き進むにつれ盛り上がり、花びらは徐々に下を向いてきて、ロケットみたいなユニークな姿になります。6月中旬頃から咲き始め、暑い夏の盛りに元気よく庭を彩ってくれます。いくつかの種類があり、主に栽培されているのは和名でムラサキバレンギクと呼ばれるプルプレア種で、多くの園芸品種があります。草丈は品種により30〜80cm。 花心も花びらもピンク色でキッチュな印象のエキナセア・プルプレア‘ラズマタズ’。草丈80cm前後。 美しい緋色のエキナセア・プルプレア‘エキセントリック’。ポンポンのような花心に細い花びらが個性的。草丈60cm前後。 白から淡いグリーンのグラデーションが美しいエキナセア・プルプレア‘グリーン・ジュエル’。草丈50cm前後。 エキナセアと夏の草花の素敵なコンビネーション エキナセアは花の少なくなる夏に元気に咲いてくれるほか、寒さにも強く容易に冬を越して年々株が太ります。単体だけでもカラフルな色の塊をつくってくれますが、同じ時期に咲くさまざまな夏の花と合わせると、より面白い景色になります。例えば、上の写真はアプリコットカラーのエキナセアと同系色のアキレアの組み合わせ。アキレアのツブツブ状の群花の中から突き出すように咲く、エキナセアのフォルムがより際立って印象的です。 赤紫色のストライプが美しい大きな葉はカンナ。カンナも真夏に咲く宿根草で、エキナセアとの相性はバッチリ。黒っぽい葉がスクリーンのような役目を果たし、エキナセアの細い花びらを浮き立たせて見せてくれます。色合いもよく似合いますね。 白、オレンジ、ピンク、黄色。色とりどりのエキナセアを咲かせた賑やかな組み合わせも、ゴールドのふわふわのグラスの中から咲かせると、とってもおしゃれ。ふわふわのグラスはイネ科のスティパ・テヌイッシマ。ちょうどエキナセアと同じくらいの草丈になり、風になびく様子が涼しげで、夕日に輝くさまが美しい名脇役です。 モコモコとした素材感が共通点のエキナセア・プルプレア‘ミルクシェーキ’とアガスターシェ。アガスターシェはシソ科の宿根草で、暑さにとても強く初夏から晩秋まで咲き続けてくれます。エキナセアと他の植物を組み合わせる時は、エキナセアがユニークな花姿をしているので、フォルムの違いを意識して組み合わせるとうまくいきそうです。 育て方のコツ 春か秋に、日当たりの良い場所に元肥を施して花苗を定植します。鉢植えの場合は月1回くらいのペースで液肥を与えるとよいでしょう。花がらはこまめに切り取ります。花がらをつけたままにすると美観上もあまりよくありませんし、タネができると花が咲かなくなるので、長く花を楽しむためには大切な作業です。開花期間が一通り終わったら、株元からバッサリ切ります。 3年以上経ると株が太ってきて中心が蒸れることがあります。中心の葉が黄色くなるようであれば、株分けをしましょう。 日当たりがよく、水切れしなければ栽培にほとんど苦労しないとても丈夫な宿根草です。一度植えれば何年も楽しめるので、ぜひ夏の庭の彩りに取り入れてみてくださいね。
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観葉・インドアグリーン

ゴムの木って育てるの難しい? ゴムの木育て方入門!
ゴムの木とは ゴムの木は、クワ科フィカス属に分類される植物の総称です。 観葉植物として一般に「ゴムの木」と呼ばれるのは、インドゴムノキFicus elastica の園芸品種であるデコラゴムノキFicus elastica 'Decora'を指す場合が多いです。 観葉植物売り場に行くと「ベンジャミン」という樹木が売られていることがありますが、これもフィカスの一種Ficus benjaminaです。 ゴムの木と呼ばれるフィカス属は非常に多様な仲間で、世界中におよそ800もの種類が存在するといわれています。 果物として馴染みのあるイチジクもフィカス属で、ゴムの木の仲間です。 ゴムの木の特徴 日本では園芸植物として見られるゴムの木ですが、野生では熱帯地域の広範囲に分布しています。 現地では高さが約30mにまで成長し、幹から根が生える、「気根」をたくさん出します。 また、観葉植物としてのゴムの木にもさまざまな種類があり、定番となっている大葉タイプのデコラゴムノキのほか、葉が細長いショウナンゴムノキ、葉がくるくると丸まっている‘バロック’など、非常に多様な種類・品種が流通しています。 ゴムの木は名前の通り、天然ゴムの原料となる植物で、白い樹液からゴムが作られます。 ラテックスアレルギーを持っている方は、ゴムの木の樹液に触れるとアレルギー反応を起こす場合があるので、育てる際は取り扱いに注意が必要です。 ゴムの木から出る樹液の注意点 前項でもお話しした通り、ラテックスアレルギーのある方は、ゴムの木の樹液に対しアレルギー反応を起こす場合がありますが、取り扱いに注意すれば過剰に恐れる必要はありません。 ラテックスアレルギーのある方はもちろんですが、特にアレルギーのない方も、剪定や植え替えなどで植物が傷つき樹液に触れる可能性がある場合は、ビニール手袋などで手を保護してから作業するようにしましょう。 ゴムの木を育てる環境 ここまではゴムの木という植物そのものの基本情報をお伝えしました。 種類が多く魅力的なゴムの木ですが、ここからは育てる環境について詳しく解説します。 ゴムの木を育てる場所 ゴムの木は、日当たりのよい場所を好みます。 屋内で育てる場合は南側の窓辺など、日当たりのよい場所に置きましょう。 光の弱い場所にも適応できる耐陰性も持ちますが、本来は明るい場所を好む植物ですので、光の弱い屋内では徒長や根腐れを起こすこともあるので注意が必要です。 屋外で育てるときは、買ってきたばかりの株や長期間屋内で育てていたゴムの木をいきなり屋外に出すと、春や夏の強い日差しに負けて葉焼けを起こす場合があります。 いきなり直射日光に当てず、軒下の明るめの日陰などで日光に慣らしてから日なたに出すようにしましょう。 ゴムの木が育つ温度 ゴムの木は温暖な地域の植物です。 暖かい地域で霜にあたらないようであれば屋外で越冬することもできますが、観葉植物として育てる場合は、最低気温が10℃を下回るようになったら屋内に取り込むようにしましょう。 春頃になり、また暖かくなれば屋外で育てることもできます。 ゴムの木を育てる土 ゴムの木は、水はけのよい土を好む植物です。一般的に「観葉植物用の土」として販売されている土でも育てることができます。または、多肉植物用の土に腐葉土を少量混ぜ込んだものや、赤玉土と鹿沼土を混ぜたものでも育てられます。 水はけの悪い土に植えてしまうと根腐れの原因になるので、土はなるべく水はけのよいものにし、水やりの回数を調節することで株が乾燥しすぎないように管理しましょう。 用土に腐葉土などを入れると土壌環境がよくなりますが、キノコバエなどの虫の発生の原因になることがあります。 虫が気になるようであれば、赤玉土のみ、あるいは赤玉土と鹿沼土を同量混ぜたものなど、有機質を含まない用土で育てることもできます。こうした用土には肥料分がないので、定期的に肥料を与える必要があります。 ゴムの木を育てる時のポイント 前項ではゴムの木を育てる環境についてご紹介しました。ここからは、水やりや剪定などゴムの木を育てる時のポイントについて詳しく説明します。 水やり ゴムの木を育てるときに、水やりは重要なポイントです。夏の生長期には土の表面が乾燥したら水やりをします。反対に生長のスピードが遅くなる冬場には、水やりの頻度を減らします。 目安として、表面の土が乾燥してから2~3日経った頃に水やりを行います。屋外で水はけのよい土を使っている場合は、毎日水やりしても大丈夫です。 水やりをしすぎると根腐れの原因となるので、乾燥気味に育てましょう。 肥料 ゴムの木に肥料を与える際は、植え付け前の土に緩効性肥料を少量混ぜ込んでおくか、植えた後に緩効性肥料を施すにします。 また、夏の成長期には規定倍率に薄めた液体肥料を10日に1回ほどの頻度で水やりの代わりに与えるとよいでしょう。 しかし、肥料を与えすぎると株が細長く伸びてしまう「徒長(とちょう)」の原因となります。肥料はあくまでも、ゴムの木が自身の力で成長する時のサポートとして用いる程度にしましょう。 ゴムの木の植え付け ゴムの木の植え付けは、3~9月の暖かい時期に行うのがおすすめです。 真夏に植え付け・植え替えを行うと傷む原因となるので注意。夏に植え付け・植え替えを行う場合は、35℃以上の猛暑日は避けるようにしましょう。 植え付ける時にゴムの木の苗に根が出ていない場合は、根が張るまでは常に土が湿っているようにします。 植え替え 買ってきたばかりのゴムの木や、植え付けてから1~2年経ったゴムの木は、鉢の中で根詰まりを起こしている場合があります。 根詰まりを起こしていると根が水を吸えなくなり、根腐れにつながります。また、根が張りすぎていると土が乾きやすくなり、水切れで枯らす原因ともなります。 もともと植わっていた鉢にそのまま植え替える時は、根鉢を軽くくずして根を全体の2/3ほど切り、新しい土を加えて植え直します。 大きな鉢に植え替える場合は、鉢の直径を3cmほど大きくする程度にとどめます。 植え替え時に大きすぎる鉢に植え込んでしまうと、根が水を吸う量と土に含まれる水の量とのバランスが崩れ、土が常に湿っている状態になって根腐れを起こしてしまうからです。 剪定 ゴムの木が育ってきたら剪定をします。剪定は非常にシンプルで、切りたい部分を切るだけです。 枝の途中で切ってしまうと切り口が目立つので、枝のつけ根や分岐部で切ると自然な仕上がりになります。 切り口から出る樹液には直接触れないよう、ビニール手袋などで手を保護して作業しましょう。もし樹液に触れてしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。 剪定した切り口から樹液が出たままにしておくと、床を汚してしまうことがあります。 切り口には縦横3cm程度にちぎったティッシュペーパーをくっつけておくと、樹液がしたたり落ちるのを防ぐことができます。 剪定した枝は挿し木をして、新たな株を増やすことも可能です。 ゴムの木の夏越し・冬越し 夏の高温期は、日中に水やりをすると土の中が高温多湿になって根が傷むことがあります。 朝のうちに水やりをして、正午頃までにほどよく水が抜けるようにするか、夕方以降に水やりをするとよいでしょう。 また夏には活力剤を1,000倍に希釈して、水やりのときに2~3回に1度のペースで与えると、夏バテを防止できます。 寒くなったら、紅葉が始まる頃を目安に室内に取り込んで暖かい場所で育てるようにします。 育てている地域が暖地で霜に当たらなければ、屋外越冬も可能です。 基本の育て方を覚えよう! この記事では、ゴムの木の基本的な情報から詳しい育て方まで説明しました。ゴムの木を育てるには意外と細かい部分に気を配る必要がありますが、基本的な育て方に慣れてしまえば難しくはありません。観葉植物としても人気の高いゴムの木を、これを機に育ててみてはいかがでしょうか? Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1) Ashley-Belle Burns 2) Felix Hobruecker 4) Daimond Shutter 5) Zapylaieva Hanna 6) Anan_R 7) Alicja Graczyk 8) funnyangel 9) ilona.shorokhova 10) Tatiana Foxy 11)vladdon 12)Switlana Sonyashna 13) Anastasiia Lieonova 14) Supaleka_P 15) Tanya49 16)Ann Bulashenko /Shutterstock.com
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土作り

【保存版】赤玉土とは? 特徴や使い方、鹿沼土との違いまで徹底解説します
赤玉土について知ろう 赤玉土は、ガーデニングをする際に最もよく使われる土です。 その特徴を知っておきましょう。 赤玉土ってどんなもの? 赤玉土は、いわゆる「関東ローム層」と呼ばれる地層からとれる土のことです。 関東ローム層は関東平野一帯に見られる地層で、栃木県にある男体山から噴出した火山灰が長年降り積もってできたものです。やや赤みがかった色をしていることから、赤土とも呼ばれます。これを掘り出して乾燥させたり砕いたりして、粒状にしたのが赤玉土です。 地中に長年堆積していたため清潔で、病原菌の心配もほぼないことから使い勝手がよく、ガーデニングでよく利用されます。また、肥料分を含まないので、どのくらい肥料を効かせるかを自分でコントロールできるのもよいところです。 一般的に園芸用土は比重が0.4〜0.6程度が適正といわれますが、赤玉土の重さは約0.8なので、やや重い土といえます。 園芸用土は植物を支える役割もあり、あまりに軽い用土に植え付けると株が不安定になったり倒れやすくなりますが、逆に重すぎる土でも扱いにくくなってしまいます。赤玉土は比較的重い土なので、このあとで説明するように、腐葉土や植物性堆肥などの有機物を混ぜむと、バランスのよい培養土になります。 赤玉土のpHは5~6前後の弱酸性。植物の多くは弱酸性の土を好むため、赤玉土を基本用土にすると、いろいろな植物に使えて便利です。 肥料もちもよく、さまざまな環境の変化を緩やかにする働きもあるため、植物がよく育つ、扱いやすい土として利用されています。 赤玉土の成分 赤玉土の主な成分は、ケイ酸とアルミニウム、鉄です。 この中で問題になるのが、アルミニウムです。アルミニウムは肥料成分であるリン酸と結びつきやすく、リン酸肥料を赤土にまいても、植物が利用できるのは、そのうち20%程度になってしまうのです。 リン酸は肥料の三大要素の一つで、組織ができ始めるときのエネルギーの材料になるため、不足すると新しい根や芽、花や果実の発生、発達が悪くなってしまいます。 あとで詳しく説明しますが、植物性堆肥や家畜糞の堆肥、粘土鉱物などを混ぜ込むことで、アルミニウムに吸着されたリン酸を、植物が利用できるようになります。 例えば、植物性堆肥に含まれる腐植酸は、アルミや鉄とリン酸が結合するのを防いでくれます。また、ゼオライトや珪酸塩白土などの粘土鉱物は、リン酸と結びつくことで、植物が利用しやすいリン酸カルシウムの状態になります。 赤玉土の特徴・効果 赤玉土自体は肥料分をほとんど含みませんが、植物を育てる上で重要な性質をいくつか持っています。 ・通気性 粒状になっているため、用土の中に空間ができ、根の周りに空気が供給されやすくなります。 根は土の中で呼吸しているため、酸素が必要になります。あまり粘土質の強い土だと植物が育ちにくいのは、根が吸うことができる酸素がないためです。 赤玉土は粒になっており、根の周りに酸素を供給することができます。根が呼吸すると二酸化炭素が排出されますが、たっぷりと水やりをすることで根の周りの空気が入れ替わり、酸素を供給することができます。 赤玉土からはみじんと呼ばれる細かな土の粉が出て、これが粒の間に目詰まりを起こすことがあります。あらかじめ目の細かいふるいでみじんをふるい分けておくことで、より通気性、排水性をよくすることができます。 ・排水性 通気性同様、粒の間を水がさっと抜けるので、排水性がよいのも赤玉土のよいところです。赤玉土は、いわゆる「水はけのよい土」といえます。水はけがよいと根の周りに酸素が多く供給され、十分に呼吸できるので、根の張りがよくなります。 また、常に水浸しのままだと「根腐れ」を起こすことがあります。あらかじめ細かな土の粉をふるい分けておくことで、そうした弊害を避け、排水性をより高めることができます。 ・保水性 水はけがよいと同時に、適度に水気を保つことができるのも赤玉土のよいところ。水は赤玉土の粒の間をサッと抜けていきますが、一粒一粒は水を吸うため、根が乾ききってしまうのを防ぐことができます。 赤玉土を用土として使うときには腐葉土などを混ぜますが、腐葉土や堆肥などの有機質を加えると、さらに保水性が高まります。 乾燥に強い植物や、根の周りが湿りすぎているのを嫌う多肉植物などを育てる場合には、軽石や川砂など、保水性が低い用土を加えることで、水もちを調整することができます。 ・保肥性 保肥性とは肥料分を用土にとどめておく力のことで、この能力が高い土のことを「肥料もちがいい」といいます。 土の中の肥料分は、ほかの物質や用土にイオンの力でくっついています。赤玉土は肥料分を引き寄せる力が強いので、せっかく与えた肥料が水で流れにくく、土の中に保持されます。 こうした特徴のほか、赤玉土事態には肥料分がないため菌が少なく、病気が発生しにくいのもメリットです。このメリットを生かして、切り口から病原菌が入りやすい挿し木の用土としても使われます。 赤玉土と鹿沼土の違いを知ろう 鹿沼土も赤玉土(赤土)と同様、火山からの噴出物が堆積してできた土で、ガーデニングでよく使われます。いずれも清潔な無機質の土で、肥料分を含みません。園芸用土として販売されているものは粒状で、保水性と通気性がいいのも共通点です。 赤玉土はpH6程度の弱酸性で、多くの植物の栽培に適しています。また、保水性と排水性に特に優れているため、さまざまな植物を育てやすい性質を持っています。一方で比較的潰れやすく、潰れて粉状になると目詰まりを起こして、排水性や通気性が悪くなってしまいます。 しかし、使う前に粉状の土をふるい分けて取り除いたり、植物を植え付けたときにたっぷりと何度も水を与えて、みじんを流すことで、ある程度対処できます。また、高温で赤玉土を焼いて硬度を高めた硬質赤玉土、焼き赤玉土などを使えば、粉が出にくいでしょう。 鹿沼土は赤玉土よりもやや酸性で、pHは4〜5程度です。赤玉土同様、通気性と排水性に優れます。比較的粒が潰れにくいので、排水性が落ちにくいという特徴があります。また、水を含んだ時と乾いた時で色が変わるので、土の乾き具合を判別しやすいのもメリットです。 酸性の用土なので、ツツジやサツキ、ブルーベリーのような酸性土壌を好む植物の栽培や、メダカの飼育に向いています。逆に、ヨーロッパ原産のハーブ類など、あまり酸性土壌を好まない植物の栽培には向きません。 このように赤玉土は多くの植物が好む弱酸性で、鹿沼土は酸性の用土です。 そのため赤玉土のほうが使える植物の幅が広く、一般的なガーデニングでは利用頻度が高い用土です。鹿沼土は酸性の土壌を好む植物には、うってつけの用土といえます。 双方の欠点を補うために、混ぜて使うこともあります。 赤玉土の種類と選び方 赤玉土はホームセンターなどでは粒の大きさや硬さで分けられて販売されています。性質によって適した使い道があるので、それぞれの用途を覚えておくとよいでしょう。 粒の大きさ 赤玉土は、掘り上げた赤土を乾燥させた後に、粒の大きさごとにふるい分けたものが販売されています。 粒の大きさは1mm程度から2cm程度までさまざまですが、「大粒」「小粒」などの表示には明確な基準はなく、メーカーや販売者によって呼び名が違うこともあります。 赤玉土は粒が大きいほど水はけがよくなり、乾きやすくなります。逆に、粒が小さいと水もちがよくなります。 赤玉土は使っているうちにみじんとなって流れ出したり、砕けたりします。そのため植え替えの際に土をほぐし、粒の大きさごとにふるい分けたり、粉みじんを取り除く必要があります。 粒の大きさごとの大まかな特徴や用途は以下のようになります。 大粒 直径1cm以上の粒。 大粒のみを使うと粒の間の空間が大きくなり、水の滞留が少なく、根が乾きやすくなります。鉢底石の代わりに使うと、水はけをよくすることができます。庭であれば、庭土に混ぜ込んでもよいでしょう。 中粒 直径7mm〜1cm程度の粒。 最も利用範囲が広い大きさです。小さな鉢植えであれば、鉢底石の代わりに使うこともできます。適度に水もちのよい粒です。 小粒 直径5〜7mm程度の粒。 3〜5号程度の鉢で使いやすい大きさです。水やりをするとサッと水が抜けますが、粒の間に多少水が残りやすいので、水もちはよいです。 極小粒 直径2〜5mm程度の粒。 庭に使うにはやや小さすぎ、鉢植えでの利用に適した大きさです。水もちがよく、小粒と混ぜて使ってもよいでしょう。 細粒 直径2mm以下の粒。 水もちはよいですが、長く湿った状態になるのを嫌う植物には向きません。テラリウムの用土や3号以下の小さな鉢植えに向きます。また、芝の目土として使うこともできます。 粒の硬さ 一般的な赤玉土よりも少々値段は高くなりますが、「硬質赤玉土」などの商品名で売られているものがあります。 これは赤玉土を600℃から900℃の高温で焼き固め、硬度を高くした土のことです。 硬質赤玉土という名前のほか、焼き赤玉土、超硬質赤玉土、上質赤玉土などの商品名で売られていることもあります 焼き固められているため粒が潰れにくく、みじんも出にくいという特徴があります。赤玉土はみじんが出ることで目詰まりを起こし、排水性や通気性が悪くなることがありますが、硬質赤玉土はこうしたことが起きにくいというメリットがあります。 硬質赤玉土は鉢植えで利用した際にメリットが大きいといえます。盆栽や多肉植物のマニアに好まれる傾向がありますが、一般的な草花であっても使い勝手のよい用土です。 赤玉土の使い方 ここでは、赤玉土の基本的な使い方を用途別にご紹介します。 基本用土として 一般的な植物を栽培するための用土を作るときベースとして最もよく使われます。使用する赤玉土は小粒がおすすめですが、鉢が大きい場合、また根が太い植物に使う場合は中粒など、やや大きめの粒を使ってもよいでしょう。 最もシンプルな使用方法は赤玉土7:腐葉土3を混ぜ合わせること。 この用土に、緩効性の化成肥料や有機質肥料を適量混ぜ込んでおくと、多くの植物栽培に使える万能用土となります。赤玉土自体に肥料分は含まれていないので、用土を作る際に適宜肥料を加えたり、植えつけ後に固形肥料や液体肥料を追肥するようにしましょう。 多肉植物を育てるのであれば赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1などの配合がよいでしょう。 土の乾きが早すぎるようであれば赤玉土の割合を増やし、土がなかなか乾かないようであれば1割程度軽石を加えてもよいでしょう。多肉植物は株分けや葉挿しで増えやすいので、あらかじめ大きな容器に多肉植物用の培養土を作り置きしておくのもおすすめです。 鉢底石として 鉢に植物を植えるときには、水はけをよくするために鉢底に大粒の軽石などを入れることがありますが、これを鉢底石といいます。大粒の赤玉土を鉢底石にすると、植え替えの際により分けなくてよいというメリットがあります。 しかし、何年も植えっぱなしにしておくと、鉢土のみじんと鉢底石にした赤玉土が塊になって、鉢底穴を塞いでしまうことがあります。こうなると水はけが悪くなるので、早めに植え替えをする必要があります。 挿し芽・挿し木用の土として 植物を増やす方法として挿し芽や挿し木がありますが、普通の培養土だと挿し穂が枯れてしまい、うまくいかないことがあります。 これは、培養土に含まれている肥料分を餌にする雑菌が増え、挿し穂を傷めてしまうためです。 こうしたことを避けるには、挿し木や挿し芽をする際に、肥料分が入っていない土を使う必要があります。その点、赤玉土は肥料分を含んでいないので、挿し木・挿し芽に向いている用土だといえます。硬質赤玉土など、熱処理してあるものであれば、より清潔です。 ホームセンターなどでは挿し木用の土が売られていますが、少量しか挿し木しないのであれば持て余してしまいます。 赤玉土のストックがあれば、挿し木に使ってみてはどうでしょうか。 水もちのよい極小粒〜小粒がおすすめです。 金魚やメダカの飼育用として 一般的に赤玉土は園芸用の土として売られていますが、金魚やメダカの飼育にも使うことができます。弱酸性の赤玉土を使えば、水質もやや酸性に傾いて、緑色のフワフワした藻が発生しにくくなるメリットがあります。また、水も濁りにくくなります。 袋から出した赤玉土をそのまま使うとみじんが舞い上がってなかなか水が透明になりません。軽くふるってみじんを抜いたら、たっぷりの水をかけて土を洗ってから水槽に入れましょう。 赤玉土は底から2cm程度入れるのが適量ですが、水草を植える場合は5cm程度と、やや多めに入れます。 赤玉土を活用してガーデニングを楽しもう! この記事では、赤玉土の性質や活用方法についてご紹介してきましたが、赤玉土がガーデニングでどれだけ頼れる資材かお分かりいただけたでしょうか? 手に入りやすい赤玉土を使いこなして、毎日のガーデニングをさらに楽しんでください。 Photo/ 2) Ratthaphong Ekariyasap 5) Maria Sbytova 7) milart 8) GalapagosPhoto 9) optimarc 10) stephenkirsh 11)SutidaS 12)Evgenyrychko 13) Floki 14) yuri-ss 15) Alexander Raths /Shutterstock.com
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野菜

家庭菜園初心者におすすめ! 真っ赤でおいしくおしゃれな野菜「ビーツ」
ビーツとは ロシアの代表的料理の「ボルシチ」。食べたことはなくても、映画や小説に出てきてなんとなく知っている料理名ですね。そのボルシチを真っ赤に染める野菜がビーツです。ビーツは、ヒユ科フダンソウ属の根菜。カブ(蕪)のような形状をしていますが、アブラナ科であるカブとは別の種類。ほうれん草と同じ仲間なんです。ほうれん草の根も赤いですよね。砂糖の原料になるテンサイとも仲間で、ショ糖を含んでいるため、甘さはイチゴと同じくらい。 ビーツの原産地は、地中海沿岸から西アジア。ヨーロッパでは昔から健康によいことで知られ、中世には広く栽培されていました。日本にも18世紀に渡来しましたが、根菜類では大根やカブがメジャーだったため、これまでほとんど普及しませんでした。でも、育てるのは初心者でも簡単、プランターでもOKなんです。タネから育てて2〜3カ月で収穫できますよ。 ビーツの特徴的な赤色は、赤い色素「ベタシアニン」、黄色の色素「ベタキサンチン」によるもの。この色素「ベタシアニン」はポリフェノールの一種。強い抗酸化作用を持っています。人が活動することで発生する活性酸素を取り除き、老化を防ぐとともに、細胞がガン化するのを防いでくれます。ビーツは、「食べる輸血」「奇跡の野菜」と呼ばれるにふさわしい、アンチエイジングの旗手なのです! ビーツの栄養素とその効果 栄養素は、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄などのミネラル成分。 ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸などのビタミン群。食物繊維。植物色素ベタレイン。さらに近年注目されているNO(一酸化窒素)など。カロリーは100gあたり41kcal。 ビーツの栄養効果について、簡単にご紹介しましょう。 むくみや高血圧の予防 カリウムは血圧の調節や、細胞の代謝に関わる栄養素です。不足すると食欲不振や倦怠感、むくみを招く原因になります。ビーツに多く含まれるカリウムが補ってくれます。 骨形成とリラックス効果 ビーツに含まれるマグネシウムやカルシウムは歯や骨を丈夫にし、骨粗しょう症の予防にも効果的。神経興奮を抑制するリラックス効果もあります。 血流改善と冷え性・動脈硬化の予防 ビーツに豊富に含まれる硝酸塩は、体内でNO(一酸化窒素)に変換されます。NOは血管の筋肉を緩め、これによって血管が広がり血圧の降下に役立つのです。 血流の改善は、冷え性や動脈硬化の予防につながり、さらに認知症予防への効果も期待されています。 これらの働きの解明は1998年ノーベル医学生理学賞を受賞した、3人の博士によってなされました。 抗酸化作用によるガンの予防 前にも述べたように、ビーツの赤い色素「ベタシアニン」はポリフェノールの一種で強力な抗酸化作用を持つことで知られています。ガンの予防に効果が期待できます。 腸内環境を整える 食物繊維は腸内細菌のエサになるので、腸内フローラの働きが活発になります。便秘を解消し、お肌の調子を整えます。 以上のように、ビーツの栄養効果は非常に優秀であることが分かります。 ビーツ栽培の基本ポイント 栽培時期 ビーツの生育温度は15〜21℃。涼しい栽培環境を好みます。暑さに弱いので、春、秋に種を播いて育てます。 次に、寒冷地、中間地、暖地における種まき時期、収穫時期の目安を示します。 寒冷地 種まき 4月半ば/8月 収穫 7月〜8月半ば/ 10月〜11月半ば 中間地 種まき 3月半ば〜5月/8月半ば〜10月半ば 収穫 6〜7月/ 11〜12月 暖地 種まき 3月半ば〜5月半ば/9月〜10月半ば 収穫 5月半ば〜7月半ば/ 11月半ば〜1月半ば 品種 代表的な4つの品種をご紹介します。 デトロイトダークレッド ビーツの中でも強健で育てやすい品種。茎も根も鮮やかな紫紅色になり、料理の彩りに美しい。肉質も柔らかく、緻密で甘みが強く、ビーツの栽培が初めての方に最適です。 ゴルゴ 別名「渦巻きビーツ」とも呼ばれ、断面が赤と白の渦巻き模様。とてもおしゃれで可愛い。ビーツの中で最も甘く、「ビーツはちょっと‥‥」という方にもおすすめです。 ソーレ イタリア語で太陽を意味する‘ソーレ’。根も茎も葉まで濃赤紫で、インスタ映えすると人気上昇中。ゆでてサラダ料理が定番です。 ルナ ‘ルナ’は他の品種とは異なり、根の表皮がオレンジ色、断面が黄色の渦巻き模様。茎も黄色です。ビーツ特有の香りが少ないため、薄くスライスしてサラダの彩りにするのがおすすめです。 ビーツを育ててみましょう ビーツは日本ではまだ珍しい野菜なので、近くの園芸センターに苗やタネは置いてないかもしれません。そんな時は、ネットで注文しましょう。 ① 土作り 野菜栽培に一番大事なのが土作りです。植え付け2週間前にはよく耕し、苦土石灰をまいておきます。苦土石灰は土の酸性を中和します。ビーツは酸性を嫌うので必ずまきましょう。 1週間前には、牛フン堆肥、有機化成肥料をまいて耕します。 それぞれの量は1㎡あたり、牛フン堆肥200g、苦土石灰80g、有機化成肥料80gが目安です。 さらに黒マルチを張れば万全。雑草の抑制、保湿、地温上昇に効果的です。 ベランダなどの限られたスペースでビーツ栽培を思い立った方は、まずプランターを用意しましょう。幅30cm、高さ30cmほどのプランターで十分です。酸度が調整された野菜用の土が園芸センターで販売されていますので、それを用意してください。 ② 種まき タネは播く前に、一晩水につけておきます。ビーツの外皮は硬いので、発芽しやすくするためです。 種まきは、点まきをおすすめします。間引きの回数を減らすことができて省エネになります。 幅30cm、高さ20cmくらいの畝を作り、中央にタネのまき穴を作ります。ペットボトルの蓋で、15cm間隔にまき穴を作るといいでしょう。黒マルチを張っている場合は、スジ状にカットして切れ込みを入れ、まき穴を作ります。 まき穴に3〜4粒ずつタネを播きます。 最後に、土を1cmほど薄くかぶせて軽く押し、タネを土に圧着させます。そして、タネが流れないように静かにたっぷり水を与えます。 ③ 間引き 約2週間ほどで発芽します。この間、土を乾かさないように水をやってください。 発芽したら2回、間引き(生育の悪いものを取り除く作業)をします。 1回目は、本葉4〜5枚の時に、まき穴から発芽した元気な2本を残して、ほかは抜き取ります。 最後に15cm間隔に1本の苗を残します。その時、追肥として化成肥料を与えます。 間引きは、日当たりや風通しがよくなり、株の生育が促進されるメリットがあります。よく太ったビーツを収穫するために欠かせない作業です。 ④ 病害虫 ビーツは比較的病害虫に強いですが、ほうれん草と同じ仲間なので、ほうれん草に発生しやすいヨトウムシがつくことがあります。こまめに観察して、見つけ次第取り除いてください。 防虫ネットでトンネルにしておけば安心ですね。 ⑤ 収穫 種まきから2〜3カ月余り。スクスク育って草丈が30cm以上になり、土から出た根の直径が5cm以上になったら、いよいよ収穫! 1株おきに収穫すると、最後は12cmほどまで育った立派なビーツを手にすることができます。 さあ、いろいろな料理で楽しみましょう。 ビーツを使ったおすすめ簡単料理 簡単で、おいしく、見た目もおしゃれ。友人たちとのランチに出せば、盛り上がること間違いなしの料理を紹介します。 ① ホイル焼き アルミホイルに包んでオーブンで30〜40分焼くだけ。大きなビーツの場合は1時間ほどじっくり焼いてください。ホクホク甘い味と真っ赤な色が気分を盛り上げてくれます。 ② 生でサラダに 断面が渦巻き模様の‘ゴルゴ’や‘ルナ’は、サラダを可愛く彩ってくれます。なるべく薄く切り、5分ほど水に晒してアクをとってから使いましょう。独特の土くささが気になる方は、レモン汁をタップリ入れたソースをかけるといいですよ。 ③ ボルシチ ビーツ料理の定番、「ボルシチ」。マイナス30℃にもなるロシアの冬を乗り切るために欠かせない料理です。 まず、ビーツを丸ごと茹でます。皮をむくと色と栄養が流れ出てしまうので注意しましょう。 鍋に水を入れて沸騰させ、洗ったビーツを入れたら弱火にして10分以上茹でます。中まで柔らかくなったらOKです。 4人分の材料 ・牛スネ肉300g ・ニンジン1本 ・タマネギ1個 ・ビーツ(大)1個 ・トマト缶1/2 ・コンソメ2個 ・ベイリーフ1枚 ・サワークリーム大さじ4 <作り方> ニンジン、タマネギを適当な大きさに切り、牛スネ肉とともに炒めます。 牛スネ肉を圧力鍋に入れ、トマト缶、ベイリーフ、かぶるくらいの水を加えて15~20分ほど加圧します。 (スネ肉を短時間で柔らかくするため、圧力鍋を使用。もちろん時間をかけて、コトコト煮てもOK) ニンジン、タマネギ、適当に切ったビーツ、コンソメを入れて、さらに3分加圧します。 火を止め、圧力が抜けたら皿に盛り付けます。サワークリームをのせたら完成。 付記 ビーツの赤い色素は衣服に付くと落ちにくいので、調理の際に注意しましょう。切る時、まな板の上にクッキングシートを敷くと安心です。 ビーツ栽培に挑戦してみよう! 種まきから収穫まで2〜3カ月余り。小さな芽が出た時の喜び。間引きなどの世話をしつつ、ぐんぐん育っていく過程を楽しみましょう。真っ赤な茎と濃い緑の葉との対比も鮮やかです。 そして、収穫。いま手の中にあるのは「食べる輸血」といわれる血のように赤いドラマチックなビーツ。 さて、今晩はどんなビーツ料理を作りましょうか? 明日は、免疫力いっぱい! 元気モリモリで目覚めることでしょう。 ビーツ栽培の「A〜Z」をマスターした皆さん! ビーツ栽培に挑戦してみませんか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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一年草

ヒマワリはどんな花? 特徴や花言葉、育て方について
ヒマワリの特徴について ヒマワリはどんな花姿で、どんな特性を持っているのでしょうか。ここでは、花姿のバラエティーやおすすめの品種、花名の由来や花言葉、ヒマワリのライフサイクルなどについてご紹介します。 ヒマワリの見た目と特徴 ヒマワリはキク科ヒマワリ属の一年草で、原産地は北アメリカ。1茎に1花が咲き、草丈は2〜3mに達する姿が最もポピュラーです。近年は品種改良が進み、背丈がやや低めの中高性種やコンパクトにまとまる矮性種など、草丈が30〜150cmの品種も多く出回るようになりました。しかも1茎1花ではなく、よく分枝して小さめの花を多数咲かせる品種も多くなり、狭い庭や鉢栽培でも楽しめるヒマワリの人気が高まっています。 また、ヒマワリは黄色というイメージが強い花ですが、花色はオレンジ、赤、白、複色もあり、花心も黒のほかにグリーン、黄色などがあります。花弁が多数重なる八重咲きの品種もあり、こちらは豪華な咲き姿が魅力です。 ヒマワリの代表的な種類 ガーデニングで人気の高いヒマワリの品種は、「サンリッチ」シリーズです。バラエティー豊富で、種まきから45日(草丈80〜120cm)ほどで開花が始まる早咲き種のほか、50日(草丈90〜140cm)、55日(草丈100〜170cm)で咲くタイプがあり、それぞれ草丈が異なるので、スペースに合わせて選べるのもメリット。花色は黄色、オレンジ、複色、花心も黒、緑、オレンジがあります。花弁が多数重なる八重咲きを育ててみたいなら、‘サンキング’、‘オレンジサン’がおすすめ。庭に個性を演出したいなら、赤花の‘F1ルビー’、白花の‘ホワイトライト’をセレクトしてはいかがでしょうか。 ヒマワリのタネについて ヒマワリは、タネの収穫ができるのもメリットですね。1cmほどのタネが1輪から500個以上も採取できます。ヒマワリのタネを食用として収穫したいなら、‘ロシア’や‘タイタン’などの品種を選ぶとよいでしょう。ヒマワリのタネにはオレイン酸やリノール酸、葉酸、ビタミンEなどが含まれ、ナッツとしても利用できます。 ヒマワリの別名 ヒマワリは、漢字で「向日葵」と書きます。太陽の方向に向かって咲く花という意味です。他にも「日車(ひぐるま)」「日輪草(にちりんそう)」「天蓋草(てんがいそう)」「天蓋花(てんがいばな)」「天竺葵(てんじくあおい)」「日向葵(ひゅうがあおい)」「照日葵(しょうじつき)」「西蕃葵(さいばんき)」「羞天花(しゅうてんか)」などがあります。いずれも太陽が煌くような花姿や、光や天に向かって顔を上げて咲く姿などをイメージして名付けられたようです。英名では「サンフラワー」と呼ばれています。 ヒマワリの花言葉 ヒマワリの花言葉には「憧れ」「あなただけを見つめている」「愛慕」「熱愛」などがあります。いずれも光の差す方角や天に向いて咲く姿が由来となっているようです。 ヒマワリの開花時期と見頃 ヒマワリのライフサイクルは次の通りです。4〜6月頃にタネを播くと、1週間ほどで発芽。茎葉を広げて旺盛に生育し、開花期は7〜9月です。花が終わると枯死してしまうので、抜き取って処分しましょう。半年ほどで生命を終える、ライフサイクルの短い一年草です。 ヒマワリの育て方 ここまで、ヒマワリのプロフィールや特性、種類、ライフサイクルなどについて細かくご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、ヒマワリの育て方について詳しく解説していきます。 適した栽培環境 日当たり、風通しのよい場所を選びます。日当たりの悪い場所では花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意。水はけ、水もちのよい土壌を好むので、地植えする場合は植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。 土づくり 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。土づくりから植え付けまで時間をおくことで、分解が進んで土が熟成します。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 種まき ヒマワリはこぼれダネでも増えるほど強健な性質で、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。 ただし、ヒマワリの苗は初夏から花苗店に出回ります。手軽に始めたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、次項に進んでください。 ヒマワリの発芽適温は20〜25℃くらい。種まきの適期は、4〜6月頃です。ヒマワリは移植を嫌う性質があるので、育てたい場所に直まきするのがおすすめです。しかし、植える場所を決めていない場合は、黒ポットにタネを播いて育苗してもかまいません。 【直まき】 土づくりをしておいた場所に、周囲よりも少し高く土を盛って水はけのよい環境に整えます。ヒマワリの性質が高性種であれば30〜40cm、中高性種、矮性種であれば約20cmの間隔を取り、穴をあけて種を2〜3粒ずつ播きます。1cmほど土をかぶせ、手のひらで押さえましょう。はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流でたっぷりと水を与えます。 【ポットまき】 3号の黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れます。中央に穴をあけて種を2〜3粒ずつ播き、1cmほど土をかぶせましょう。最後にたっぷりと水を与え、日当たりのよい場所で管理します。発芽までは水を切らさないように注意しましょう。 間引き 【直まき・ポットまきともに】 タネまき後、1週間ほどすると発芽します。本葉が出始めた頃に、勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びて弱々しい苗や葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。 ポットまきの場合は、定植まで3週間ほど育苗します。 苗の植え付け 花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗をポットから出して根鉢を崩さずに植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、ヒマワリの性質が高性種であれば30〜40cm、中高性種や矮性種であれば約20cmの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 鉢の大きさは、草丈が高くなる高性種では7〜8号鉢、中高性種や矮性種では5〜7号鉢を準備しましょう。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ヒマワリの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出して根鉢を崩さずに植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。矮性種であれば、寄せ植えの素材として大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 摘心 【地植え・鉢植えともに】 1茎に1花が咲くタイプのヒマワリには、不要な作業です。 中高性種や矮性種の多花性タイプのヒマワリを育てる場合は、本葉が4枚ほどついた頃に、その上に出ている新葉2枚ほどをつけた茎の下で切り取る「摘心」を行います。するとわき芽が出て、姿よくまとまり、花数も多くなります。 支柱の設置 【地植え・鉢植えともに】 1茎に1花が咲くタイプの高性種のヒマワリを育てる場合は、強風による倒伏を防ぐために、早めに支柱を設置して茎を誘引しておきましょう。支柱は地中深く差し込んで、しっかり支えられるようにしておくことが大切です。 水やり 株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【地植え】 しっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになると、水を欲しがります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。 肥料 【地植え】 やせ地でもよく育つので、十分に土づくりをしてあれば不要です。開花期に株の勢いがない場合には、液肥を与えて様子を見るとよいでしょう。チッ素成分を多く含んだ肥料を施すと、茎葉ばかりが茂ってあまりよい花が咲かなくなるので、開花を促す成分配合の液肥を選ぶようにします。 【鉢植え】 2週間に1度を目安に、液肥を与えます。チッ素成分を多く含んだ肥料を施すと、茎葉ばかりが茂ってあまりよい花が咲かなくなるので、開花を促す成分配合の液肥を選ぶようにします。 花がら摘み 1茎に1花が咲くタイプの高性種のヒマワリで、タネを採取したい場合は、不要な作業です。 中高性種や矮性種の多花性タイプのヒマワリを育てる場合は、次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 切り戻し 1茎に1花が咲くタイプの高性種のヒマワリで、タネを採取したい場合は、不要な作業です。 中高性種や矮性種の多花性タイプのヒマワリを育てる場合は、ある程度花が咲き揃って株姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまで切り戻すとよいでしょう。再び茎葉を伸ばして盛り返し、開花も充実します。 病気や害虫など注意点 【病気】 ヒマワリの栽培ではそれほど病気の心配はありませんが、ベト病が発生することがあります。 ベト病は、長雨が続いて多湿の環境で発生しやすくなります。主に下葉から発症しやすく、淡い黄色の斑点から始まり、症状が進むと黄褐色の病斑が全体に広がります。庭植えの場合は多湿にならないように少し土を盛って高畝をつくり、植え付けるとよいでしょう。また、表土にバークチップなどのマルチングを施しておくと、降雨時の泥の跳ね返りによる土壌からの感染を防ぐことができます。病気の兆候が見られたら、早期に適応する殺菌剤を散布しておきましょう。 【害虫】 ヒマワリの栽培で注意したい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、乾燥が続くと発生しやすい小さな虫で、葉裏などについて吸汁します。大発生すると株が弱るので、葉の表や裏にシャワーを勢いよくかけましょう。小さな虫なので、水の勢いで押し流すことができます。 タネの採取 涼しくなって茎葉が黄色く枯れ込み始めてきた頃に、花を切り取って日当たりと風通しのよい場所に置いて乾燥させます。茶色くなって十分に乾いたら、揉みしだいてタネを取り出しましょう。保存袋などに入れて、翌年の種まき適期まで冷暗所で保存します。 家庭でヒマワリを育ててみよう ヒマワリは人気の高い花だけに品種改良が進んで、コンパクトにまとまる品種や、たくさんの花を次々と咲かせる品種、赤や白の花色、八重咲きの個性的な品種などが登場し、バラエティー豊かになっています。「どんな品種を植えようかな」と選ぶ楽しみがあるのもヒマワリの魅力です。わが家にぴったりの雰囲気のヒマワリを選んで、ぜひ育ててみてください。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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「中之条ガーデンズ」のバラが特別に美しい理由とは? 7つのローズガーデンで過ごす至福のとき
7つの表情を持つローズガーデン仕掛けも楽しく、新鮮な驚きが 四季折々に多くの花で彩られる「中之条ガーデンズ」。初夏と秋に絶対に見逃せないのが、ローズガーデンです。約400種、1,000株を超えるバラたちが、一斉に咲き揃う6月、息を呑むような美しい景色で迎えてくれます。 植栽を担当したのは「横浜イングリッシュガーデン」のスーパーバイザーも務めるバラの専門家、河合伸志さん。ローズガーデンは、7つのセクションに分かれ、エリアによって花色も趣向もガラリと変化、歩を進めるごとに新鮮な驚きがあります。 来園者がローズガーデンで最初に目にするのは、ピンクのバラと淡い色彩の小花で彩られたロマンチックな小道。カーブする園路を進むと、白、黄色、赤と花色が変わり、スタンダード仕立てのバラが滝のように枝垂れる流麗な姿は、圧倒される美しさです。 雨の日には、しっとり、生き生きと咲くバラに出合えます。 園路が石畳へと変わり、続いて現れるのは、バラのイメージを覆す“和”のガーデンです。壁面には深紅のバラと紫のクレマチス、足元は空間を生かしつつ黒い玉砂利を配置。大胆でシンプルな構成は“禅”の精神を表現。正面には、黒御影石の水鏡に、中央が四角く切り取られた真っ白な壁が。この壁を額縁に見立て、遠景に広がる庭園を一幅の絵として観賞する仕掛けで、思わず写真を撮りたくなるスポットです。 モダンジャパニーズ風のガーデン。水面の鏡にバラ咲く景色が映り込み、絵画のように美しい。 ロマンチックなデザインが楽しめるガーランドのコーナー。* 和の庭を抜けると、再びパステルカラーのバラで埋め尽くされたガーランドのコーナーです。奥の八角形のエリアは、監修の河合さんが「一番の見どころ」と言う絶景ポイント。サークルベンチに座ると、四方から芳しいバラの香りに包まれ、至福のひとときが味わえます。 次は、一転して鮮やかな青い壁面に黄色のバラが調和する、ポップな空間が登場。7つのローズガーデンの中でも色彩のインパクトが強い、キュートな庭です。ベンチのコーナーやパーゴラ、ドームにバラが咲き競う、カラフルな世界を楽しんだ後は、白バラが輝くホワイトガーデンへ。その先は、シックな花色のバラを集めた、アンティークカラーの庭が。周囲を赤紫色の常緑樹トキワマンサクと黒葉のコクリュウが縁取り、スタイリッシュな色彩の調和を楽しめます。 噴水を中央に、白いバラや草花で360度包まれるホワイトガーデン。 世界でも類を見ないラゼット(赤みを帯びた茶褐色)とモーヴ(赤紫色)のバラで表現されたノットガーデン。河合さんが手掛けた最新の庭デザインも注目です。 最後のエリアは、豊かな香りを持つバラを集めたローズガーデン。赤いバラを中心に、紫、濃いピンクから淡い色へと花色がグラデーションを描くように植栽され、さまざまな色と香りで満たされた、夢のような空間が待っています。カフェスタンドとガーデンチェアもあり、飲み物を片手にバラに囲まれて優雅に過ごしていると、時間が経つのを忘れてしまいます。 遠くに山を望み、香るバラが周囲を彩る特等席で、カフェタイム。 標高480mという冷涼な気候が色濃く、香り高いバラを育てる * このように、次々と変化する庭の組み合わせは、中之条ガーデンズ全体のランドスケープを担当した空間デザイナーの吉谷博光さんと河合さんが考案。あえて入り口から全体を見渡せないようにしたことで「次はどんな景色が待ってるかな?」と、ワクワクしながら園路を進むことができます。まるで、美しい絵本を1ページずつめくるような期待感とともに、散策が楽しめるのです。また、アーチやフェンスなどバラと合わせる構造物は、すべて吉谷さんのオリジナルデザインというこだわりも。こうして、「美味しい料理(バラ)は美しい器に美しく盛りつける」という河合さんの信条通り、「中之条ガーデンズ」は、唯一無二の“バラの楽園”となっています。 実は、「中之条ガーデンズ」のバラの美しさには、もう一つ秘密があります。それは、標高480mという立地。平地よりも冷涼な気候のため、花色が濃く鮮やかで、香りも豊かになるのです。また、春バラの開花時期もやや遅め。平地での最盛期が終わった6月あたりから見頃を迎えるため、「一番美しいバラを見逃してしまった」という場合でも、まだ間に合うのも嬉しいポイント。 ローズガーデンからナチュラルガーデンとスパイラルガーデンを望む。 「中之条ガーデンズ」の見どころは、バラだけではありません。英国園芸研究家でガーデンデザイナーの吉谷桂子さんが植栽を担当した「スパイラルガーデン」と「ナチュラルガーデン」、樹木医の塚本こなみさんが手がけた大藤棚のほか、陶芸や草木染めの体験施設、地域の特産品がそろうショップも充実。植物を見るだけでなく、実際に触れたり体を動かしたりと、五感をフルに活かしてアクティブに楽しむことができます。 花咲く最盛期とともに、枯れゆく姿もその植物の表情として見せる。そんな新しい見方を提案するナチュラリスティックガーデン。 園のある中之条町には、四万温泉や沢渡温泉があり、同じ群馬県内の伊香保温泉までは車で30分程度。日中は広い庭園をゆったり散策して、夜は温泉でのんびり…なんていう計画もおすすめ。そんな贅沢な時間の過ごし方が似合うのが「中之条ガーデンズ」です。楽園気分を味わえる新名所「中之条ガーデンズ」へ、足を運んでみませんか? こちらも併せてお読みください。●『「中之条ガーデンズ」の魅力、苦労話、メンテまでバラの専門家・河合伸志さんにインタビュー!』 ●『7つの景色が楽しめる新ローズガーデン誕生!「中之条ガーデンズ」に行ってみよう!』 Information 中之条ガーデンズ(旧花の駅美野原)所在地:群馬県吾妻郡中之条町大字折田2411TEL:0279-75-7111https://nakanojo-g.jp/アクセス:関越自動車道渋川・伊香保I.C.下車、約50分。国道17・353号線経由で「中之条ガーデンズ」または、上野駅から「特急 草津号」で約2時間、中之条駅下車。タクシーで約20分。見頃の開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)休園日:年末年始(園内メンテナンスのため不定期休園はこちらでご確認ください)料金:■一般/大人(高校生以上)300〜1,000円、小・中学生200〜500円、小・中学生未満 無料*入園料は「花の見ごろ」に合わせた変動制です。団体の方、障害者手帳をお持ちの方は割引があります。詳しくはこちら駐車場:乗用車300台、大型バス10台(無料) 取材協力/中之条ガーデンズ 写真(*)/今井秀治



















