みずみずしい葉に観賞価値があるユーカリは、明るい雰囲気をもたらし、ガーデナーに人気の高い庭木です。常緑樹のため、冬に葉を落とさないのも魅力。この記事では、そんなユーカリのプロフィールや特徴、種類、詳しい育て方などについてご案内していきます。

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ユーカリの基本情報

ユーカリ

ユーカリは、フトモモ科ユーカリ属の常緑高木で、学名はEucalyptus。原産地はオーストラリア、タスマニア島などで、500種ほどが分布するとされています。そのため、原産地の気候によって好む環境条件が異なることが多く、入手したユーカリがどんな性質なのか、タグやラベルなどでしっかり確認しておくことが、栽培のポイントです。一般的には、暑さには強いものの寒さには弱く、乾燥した気候を好むとされています。生命力旺盛で、枝葉を旺盛に伸ばして樹形を乱しやすいので、適した剪定をして風通しよく管理するひと手間が必要です。

ユーカリの特徴

ユーカリの花

コアラが好んで食べる植物としてよく知られるユーカリには、すがすがしい香りがあります。明るい葉色が美しく、カラーリーフプランツとしても人気の庭木です。簡単にドライフラワーにできるので、リースやスワッグなどのクラフトの材料としても重宝します。

ユーカリの花は種類によって開花期が異なりますが、花色はピンク、白、赤など。細い花弁がびっしりとつく、ユニークな咲き姿をしています。

また、ユーカリには有毒成分が含まれているので、ガーデニングの際には手袋をして作業するとよいでしょう。

ユーカリの花言葉

ユーカリの花

ユーカリの花言葉は、「新生」「再生」「思い出」など。これは、ユーカリの原産地は山火事が多いオーストラリアであり、火事が発生した後に雨が降ると芽吹くという、独特の性質にちなんだものです。

ユーカリの種類

ユーカリ

ユーカリには500種以上が分布していると前述しましたが、日本で主に流通している種類をピックアップしました。

明るいシルバーグリーンの丸い葉が美しく、観葉植物としても愛されているユーカリ・ポポラス、やや細長い葉がつき、レモンの香りを持つユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)、香りがよく、切り花としても人気があるユーカリ・グニー、細長い葉にミントの香りがあるユーカリ・アディアータ(ペパーミントユーカリ)、大きめの葉に清涼感のある香りを持つユーカリ・グロブルスなどです。

ユーカリの育て方

ここまで、ユーカリの基本情報や花言葉、種類などについてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、ユーカリの育て方について解説。水やりや肥料、剪定などの日頃の管理から、増やし方まで詳しく深掘りしていきます。

ユーカリ栽培に適した環境

ユーカリ栽培

ユーカリの栽培には、日当たり、風通しのよい場所が最適ですが、半日陰の環境でも育ちます。

暑さには強い一方で、寒さには弱い傾向にあります。ユーカリは種類が多く、寒さに耐える性質も種類によって差があり、戸外で越冬できるものもあれば、冬は鉢植えにして室内で管理しなければ冬の寒さに耐えられずに枯死してしまうものもあります。購入時にラベルなどをチェックして、寒さにはどれくらい耐える性質なのかを把握しておくとよいでしょう。

ユーカリは、元々乾燥した地域で自生してきた植物なので、多湿の環境を嫌います。粘土質の土壌や、水場に近くて低い場所など、水はけが悪くてジメジメとした環境は、植え場所としては向いていません。ユーカリを地植えにして栽培する場合は、水はけのよい土壌づくりがポイントです。腐葉土や堆肥などをすき込んでふかふかとした水はけのよい土壌にし、周囲より少し土を盛って高くしておくと水はけがよくなります。

ユーカリ栽培の土作り

土

【地植え】

植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

樹木用にブレンドされた、培養土を利用すると手軽です。

ユーカリの植え付け

植え付け

ユーカリの植え付けの適期は、5〜9月です。

【地植え】

土作りをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、10号以上の大鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておきましょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。

一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。冬は凍結しない場所に移動して寒さ対策をしておきます。

ユーカリの水やり

水やり

木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。

【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、ユーカリは乾燥した環境を好むので、水の与えすぎには注意。土の表面が乾いたのを見はからってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。また、茎葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。

ユーカリに施す肥料

肥料

【地植え】

肥料を与えるのに適した時期は、生育期の4月下旬〜8月です。それほど肥料を欲しがるタイプではないので、まずは生育が旺盛になる4月下旬頃に、緩効性肥料を周囲にばらまいて軽く耕して土になじませます。その後は樹勢を見て、元気がないようなら追肥として緩効性肥料肥料をばらまいてください。

【鉢植え】

植え付け・植え替えの際に肥料を施してあれば十分です(この記事では肥料成分配合済みの樹木用培養土の使用を想定して解説しています)。ただし、生育期の4月下旬〜8月に、樹勢を見て元気がないようなら、追肥として緩効性肥料肥料をばらまくか、速効性の液体肥料を与えて様子を見てください。

ユーカリにつく病害虫

カイガラムシ

【病気】

ユーカリの栽培で注意したい病気は、うどんこ病です。

うどんこ病は、発生すると葉の表面に白い粉が吹いたようなカビが見られます。光合成を阻害されたり、葉から養分を吸収されたりして、生育が悪くなります。放任してひどくなると枯れてしまうこともあるので注意。木の勢いがなくなり、見た目にも悪くなるので、兆候が見られたら早期に殺菌剤などを散布して対処しましょう。梅雨の時期に発生しやすい傾向にあるので、水もち、水はけのよい土壌作りと、適切な水やりの管理が回避のカギです。窒素成分の多い肥料を与えすぎるのも、発症のきっかけになります。

【害虫】

ユーカリの栽培で注意したい害虫は、コガネムシの幼虫、カイガラムシなどです。

甲虫のコガネムシ(カナブン)は、地中に産卵します。それが孵化すると幼虫の状態で植物の根を食害。地上部にはまったく病害虫の発生が見られないのに、葉が下葉から枯れ始めて樹勢が弱っていたら、地中にコガネムシの幼虫がいることを疑ってください。根を食い荒らし、試しに木を抜いてみたらスポッと抜けてほとんど根がついていなかった、というほどの被害にあうことも。根がなくなると水分や養分を吸い上げる力がなくなるので地上部も枯れ始め、やがて枯死してしまいます。症状が見られたら、土中に混ぜる粒剤タイプの適用薬剤を施して対処しましょう。鉢植えの場合は、掘り上げて新しい培養土を用いて植え替えるのが無難です。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫です。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせて行きます。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

ユーカリの剪定

剪定

【地植え・鉢植えともに】

ユーカリの剪定適期は、4月下旬〜9月頃の生育期間中です。冬は生育が止まるので、剪定は避けましょう。

ユーカリは生育が早く、枝をぐんぐん伸ばして持て余し気味になります。放任せずに伸びすぎたり、込み合いすぎているところがあれば、こまめに枝を間引く剪定をしましょう。弱々しい枝、内側に伸びている枝、勢いよく伸びすぎて全体のバランスを崩している枝、下向きに伸びている枝などを選んで元から切り取り、風通しをよくします。樹高が高くなりやすいので毎年剪定のメンテナンスを行い、家庭で栽培する場合には2〜3m以内の樹高をキープしておきたいものです。

ユーカリの植え替え

ユーカリ

ユーカリの植え替え適期は、5〜9月です。

【地植え】

温暖地で比較的耐寒性のある種類のユーカリを植えている場合は、植え替えの必要はありません。しかし、寒さに弱いタイプのユーカリを育てている場合は、寒くなる前の10月頃に大鉢に植え替え、暖かい場所に移動しましょう。鉢への植え付け方は、「植え付け」の項目を参照してください。

【鉢植え】

鉢植えで楽しんでいる場合、ユーカリは生命力旺盛なために成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から根元を引き抜いてみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。根からの水分の吸収と、葉からの水分の蒸散のバランスを保つために、根を小さくしたら地上部の枝葉も切り戻しておきましょう。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。

ユーカリの増やし方

ユーカリ

ユーカリは、挿し木、種まきで増やすことができます。

【挿し木】

挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木で増やせるものとそうでないものもありますが、ユーカリは挿し木で増やすことができます。

ユーカリの挿し木の適期は、6〜7月です。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。ユーカリは容易に挿し木で増やせるというわけでもないので、多めに挿し木をしておくと成功率が上がります。採取した枝(さし穂といいます)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の穴を開け、穴にさし穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて2〜3カ月ほど育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

【種まき】

一般的なユーカリの発芽適温は20℃ほどとされており、種まきの適期は5月頃。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。ユーカリの種を数粒播き、薄く土をかけて明るい日陰で管理。1週間ほどで発芽するので、その後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が3〜4枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。根が回るくらいに成長したら、植えたい場所に定植しましょう。

もし、発芽の兆候がなかったら山火事が起きた状態を種に経験させる方法を試すとよいでしょう。理由は、原生地のオーストラリアでは、山火事を経験して発芽すると言われているためです。山火事が起きたと種に思わせる手軽な方法には4つあります。

  1. 熱湯をかけて浸す
  2. フライパンでさっと炒める
  3. ティッシュペーパーに包んで一瞬燃やす
  4. タネの表皮に紙ヤスリで傷をつける

これらのうち1つの方法を試した後、土に植えたら1週間ほどで発芽します。

●詳しくはこちら『オーストラリアの植物を発芽させる6つの方法

ユーカリを育ててみよう!

ユーカリ

清涼感のある香りを持つユーカリは、ポポラスを中心に観葉植物としての人気が高まっている庭木です。寒い時期もみずみずしい葉を保つエバーグリーンであることも長所の一つです。枝葉を旺盛に伸ばすので、適宜カットしてインテリアに飾っても素敵。ぜひ庭やベランダ、インテリアに取り入れて、美しい葉色を楽しんではいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

Photo/ 1) S.O.E 2) Marinodenisenko 3) alybaba 4) alybaba 5) R.Wilairat 6) Lee Wilde 7) blueeyes 8) SujaImages 9) Osetrik 10) Pawel Beres 11) Decha Thapanya 12) RapunzielStock 13) ir_abella 14) Ostanina Anna 15) photoPOU /Shutterstock.com

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