元気で明るいイメージの夏の花といえば、ひまわり。群植すると一斉に同じ方角を向いて花を咲かせる姿は見応えがあり、雄大なひまわり畑をつくって観光名所にしているケースもよく見かけますね。ひまわりは痩せ地でもよく育ち、ビギナーにも簡単に育てられる花としても有名です。この記事では、ひまわりの特性や種類、育て方などを取り上げていきます。

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ひまわりの特徴について

ひまわりとはどんな花姿で、どんな特性を持っているのでしょうか。ここでは、花姿のバラエティーやおすすめの品種、花名の由来や花言葉、ひまわりのライフサイクルなどについてご紹介します。

ひまわりの見た目と特徴

ヒマワリ
marquixHD/Shutterstock.com

ひまわりはキク科ヒマワリ属の一年草で、原産地は北アメリカ。1茎に1花が咲き、草丈は2〜3mに達する姿が最もポピュラーですが、近年は品種改良が進み、背丈がやや低めの中高性種やコンパクトにまとまる矮性種など、草丈が30〜150cmにまとまる品種も多く出回るようになりました。しかも1茎1花ではなく、よく分枝して小さめの花を多数咲かせる品種も多くなり、狭い庭や鉢栽培でも楽しめるひまわりの人気が高まっています。

また、ひまわりは黄色い花というイメージが強いですが、花色はオレンジ、赤、白、複色があり、花芯も黒のほかにグリーン、黄色などの品種があります。花弁が多数重なる八重咲きの品種もあり、こちらは豪華な咲き姿が魅力です。

ひまわりの代表的な種類

ヒマワリ品種
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ガーデニングで人気の高いひまわりの品種は、「サンリッチ」シリーズです。バラエティー豊富で、種まきから45日(草丈80〜120cm)ほどで開花が始まる早咲き種のほか、50日(草丈90〜140cm)、55日(草丈100〜170cm)で咲くタイプがあり、それぞれ草丈が異なるので、スペースに合わせて選べるのもメリット。花色は黄色、オレンジ、複色があり、花芯も黒、緑、オレンジがあります。花弁が多数重なる八重咲きを育ててみたいなら、‘サンキング’、‘オレンジサン’がおすすめ。庭に個性を演出したいなら赤花の‘F1ルビー’、白花の‘ホワイトライト’をセレクトしてはいかがでしょうか。

ひまわりのタネについて

ヒマワリのタネ
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ひまわりは、タネの収穫ができるのもメリットですね。1cmほどのタネが1輪から500個以上も採取できます。ひまわりのタネを食用として収穫したいなら、‘ロシア’や‘タイタン’などの品種を選ぶよいでしょう。ひまわりのタネにはオレイン酸やリノール酸、葉酸、ビタミンEなどが含まれ、ナッツの一種として利用できます。

ひまわりの別名

ヒマワリ
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ひまわりは、漢字で「向日葵」と書きます。日差しが差してくる方向に向かって咲く花という意味です。他にも「日車(ひぐるま)」「日輪草(にちりんそう)」「天蓋草(てんがいそう)」「天蓋花(てんがいばな)」「天竺葵(てんじくあおい)」「日向葵(ひゅうがあおい)」「照日葵(しょうじつき)」「西蕃葵(さいばんき)」「羞天花(しゅうてんか)」などがあります。いずれも太陽が煌くような花姿や、光や天に向かって顔を上げて咲く姿などをイメージして名付けられたようです。英名では「サンフラワー」と呼ばれています。

ひまわりの花言葉

ヒマワリ
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ひまわりの花言葉には「憧れ」「あなただけを見つめている」「愛慕」「熱愛」などがあります。いずれも光の差す方角や天に向けて咲く姿が由来となっているようです。

ひまわりが咲く時期と見頃

ヒマワリ
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ひまわりのライフサイクルは次の通りです。4〜6月頃にタネを播くと、1週間ほどで発芽。茎葉を広げて旺盛に生育し、開花期は7〜9月です。花が終わると枯死してしまうので、抜き取って処分しましょう。半年ほどで生命を終える、ライフサイクルの短い一年草です。

ひまわりの育て方

これまで、ひまわりのプロフィールや特性、種類、ライフサイクルなどについて細かく紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、ひまわりの育て方について詳しく解説していきます。

適した栽培環境

ヒマワリ
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日当たり、風通しのよい場所を選びます。日当たりの悪い場所では花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意。水はけ、水もちのよい土壌を好むので、地植えする場合は植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。

土づくり

土づくり
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【地植え】

丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成します。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

種まき

ヒマワリの種まき
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ひまわりはこぼれダネでも増えるほど強健な性質で、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。

ただし、ひまわりの苗は初夏から花苗店に出回り始めます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、次項に進んでください。

ひまわりの発芽適温は20〜25℃くらい。種まきの適期は、4〜6月頃です。ヒマワリは移植を嫌う性質があるので、育てたい場所に直まきするのがおすすめです。しかし、植える場所を決めていない場合は、黒ポットにタネを播いて育苗しても構いません。

【直まき】

土づくりをしておいた場所に、やや土を盛って周囲よりも少し高くして水はけのよい環境に整えます。ひまわりの性質が高性種であれば30〜40cm、中高性種、矮性種であれば約20cmの間隔を取り、穴を開けて種を2〜3粒ずつまきます。1cmほど土をかぶせ、手のひらで抑えましょう。はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流でたっぷりと水を与えます。

【ポットまき】

3号の黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れます。中央に穴を開けて種を2〜3粒ずつまき、1cmほど土をかぶせましょう。最後にたっぷりと水を与え、日当たりのよい場所で管理します。発芽までは水を切らさないように管理しましょう。

間引き

ヒマワリの芽
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【直まき・ポットまきともに】

タネまき後、1週間ほどすると発芽します。本葉が出始めた頃に、勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びて弱々しい苗や葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。

ポットまきの場合は、定植まで3週間ほど育苗します。

苗の植え付け

植え付け
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花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗をポットから出して根鉢を崩さずに植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、ひまわりの性質が高性種であれば30〜40cm、中高性種や矮性種であれば約20cmの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。

【鉢植え】

鉢の大きさは、草丈が高くなる高性種では7〜8号鉢、中高性種や矮性種では5〜7号鉢を準備しましょう。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ひまわりの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出して根鉢を崩さずに植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。矮性種であれば、寄せ植えの素材として大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

摘心

【地植え・鉢植えともに】

1茎に1花が咲くタイプのひまわりには、不要な作業です。

中高性種や矮性種の多花性タイプのひまわりを育てる場合は、本葉が4枚ほどついた頃に、その上に出ている新葉2枚ほどをつけた茎の下で切り取る「摘心」を行います。するとわき芽が出て、姿よくまとまり、花数も多くなります。

支柱の設置

支柱
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【地植え・鉢植えともに】

1茎に1花が咲くタイプの高性種のひまわりを育てる場合は、早めに支柱を設置して茎を誘引しておきましょう。すると強風による倒伏を防ぐことができます。支柱は地中深くまで差し込んで、しっかり支えられるようにしておくことが大切です。

水やり

水やり
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株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。

【庭植え】

しっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。

肥料

液肥
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【地植え】

やせ地でもよく育つので、十分に土づくりをしてあれば不要です。開花期に株の勢いがない場合には、液肥を与えて様子を見るとよいでしょう。チッ素成分を多く含んだ肥料を施すと、茎葉ばかりが茂ってあまりよい花が咲かなくなるので、開花を促す成分配合の液肥を選ぶようにします。

【鉢植え】

2週間に1度を目安に、液肥を与えます。チッ素成分を多く含んだ肥料を施すと、茎葉ばかりが茂ってあまりよい花が咲かなくなるので、開花を促す成分配合の液肥を選ぶようにします。

花がら摘み

ヒマワリ
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1茎に1花が咲くタイプの高性種のひまわりで、タネを採取したい場合は、不要な作業です。

中高性種や矮性種の多花性タイプのひまわりを育てる場合は、次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

切り戻し

切り戻し
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1茎に1花が咲くタイプの高性種のひまわりで、タネを採取したい場合は、不要な作業です。

中高性種や矮性種の多花性タイプのひまわりを育てる場合は、ある程度花が咲き揃って株姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまで切り戻すとよいでしょう。再び茎葉を伸ばして盛り返し、開花も充実します。

病気や害虫など注意点

アブラムシ
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【病気】

ひまわりの栽培ではそれほど病気の心配はありませんが、ベト病が発生することがあります。

ベト病は、長雨が続いて多湿の環境で発生しやすくなります。主に下葉から発症しやすく、淡い黄色の斑点が発生し、症状が進むと黄褐色の病斑が全体に広がります。庭植えの場合は多湿にならないように周囲より土を盛って高畝をつくって植え付けるとよいでしょう。また、表土にバークチップなどのマルチングを施しておくと、降雨時の泥の跳ね返りによる土壌からの感染を防ぐことができます。病気の兆候が見られたら、早期に適用する殺菌剤を散布しておきましょう。

【害虫】

ひまわりの栽培で注意したい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも不愉快なので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ハダニは、乾燥が続くと発生しやすい小さな虫で、葉裏などについて吸汁します。大発生すると株が弱るので、葉の表や裏にシャワーを勢いよくかけましょう。小さな虫なので、水の勢いで押し流すことができます。

タネの採取

ヒマワリの種
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涼しくなって茎葉が黄色く枯れ込み始めてきた頃に、花を切り取って日当たりと風通しのよい場所に置いて乾燥させます。茶色くなって十分に乾いたら、揉みしだいてタネを取り出しましょう。保存袋などに入れて、翌年の種まき適期まで冷暗所で保存します。

家庭でひまわりを育ててみよう

ヒマワリ
Sutthiphong Chandaeng/Shutterstock.com

ひまわりは人気の高い花だけに品種改良が進んで、コンパクトにまとまる品種やたくさんの花を次々と咲かせる品種、赤や白の花色、八重咲きの個性的な品種が登場し、バラエティー豊かになっています。「どんな品種を植えようかな」と選ぶ楽しみがあるのもひまわりの魅力です。わが家にぴったりの雰囲気のひまわりを選んで、ぜひ育ててみてください。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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