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- ゴムの木って育てるの難しい? ゴムの木育て方入門!
部屋の中に潤いを与えてくれて、インテリアにも生かせる観葉植物。その中でも育てやすく、さらに種類も多いことから人気なのが、ゴムの木です。観葉植物としてはとてもポピュラーですが、皆さんは育て方をご存じでしょうか? この記事では、ゴムの木の基本的な情報から育て方までを詳しくご紹介します。
目次
ゴムの木とは
ゴムの木は、クワ科フィカス属に分類される植物の総称です。
観葉植物として一般に「ゴムの木」と呼ばれるのは、インドゴムノキFicus elastica の園芸品種であるデコラゴムノキFicus elastica ‘Decora’を指す場合が多いです。
観葉植物売り場に行くと「ベンジャミン」という樹木が売られていることがありますが、これもフィカスの一種Ficus benjaminaです。
ゴムの木と呼ばれるフィカス属は非常に多様な仲間で、世界中におよそ800もの種類が存在するといわれています。
果物として馴染みのあるイチジクもフィカス属で、ゴムの木の仲間です。
ゴムの木の特徴
日本では園芸植物として見られるゴムの木ですが、野生では熱帯地域の広範囲に分布しています。
現地では高さが約30mにまで成長し、幹から根が生える、「気根」をたくさん出します。
また、観葉植物としてのゴムの木にもさまざまな種類があり、定番となっている大葉タイプのデコラゴムノキのほか、葉が細長いショウナンゴムノキ、葉がくるくると丸まっている‘バロック’など、非常に多様な種類・品種が流通しています。
ゴムの木は名前の通り、天然ゴムの原料となる植物で、白い樹液からゴムが作られます。
ラテックスアレルギーを持っている方は、ゴムの木の樹液に触れるとアレルギー反応を起こす場合があるので、育てる際は取り扱いに注意が必要です。
ゴムの木から出る樹液の注意点
前項でもお話しした通り、ラテックスアレルギーのある方は、ゴムの木の樹液に対しアレルギー反応を起こす場合がありますが、取り扱いに注意すれば過剰に恐れる必要はありません。
ラテックスアレルギーのある方はもちろんですが、特にアレルギーのない方も、剪定や植え替えなどで植物が傷つき樹液に触れる可能性がある場合は、ビニール手袋などで手を保護してから作業するようにしましょう。
ゴムの木を育てる環境
ここまではゴムの木という植物そのものの基本情報をお伝えしました。
種類が多く魅力的なゴムの木ですが、ここからは育てる環境について詳しく解説します。
ゴムの木を育てる場所
ゴムの木は、日当たりのよい場所を好みます。
屋内で育てる場合は南側の窓辺など、日当たりのよい場所に置きましょう。
光の弱い場所にも適応できる耐陰性も持ちますが、本来は明るい場所を好む植物ですので、光の弱い屋内では徒長や根腐れを起こすこともあるので注意が必要です。
屋外で育てるときは、買ってきたばかりの株や長期間屋内で育てていたゴムの木をいきなり屋外に出すと、春や夏の強い日差しに負けて葉焼けを起こす場合があります。
いきなり直射日光に当てず、軒下の明るめの日陰などで日光に慣らしてから日なたに出すようにしましょう。
ゴムの木が育つ温度
ゴムの木は温暖な地域の植物です。
暖かい地域で霜にあたらないようであれば屋外で越冬することもできますが、観葉植物として育てる場合は、最低気温が10℃を下回るようになったら屋内に取り込むようにしましょう。
春頃になり、また暖かくなれば屋外で育てることもできます。
ゴムの木を育てる土
ゴムの木は、水はけのよい土を好む植物です。一般的に「観葉植物用の土」として販売されている土でも育てることができます。または、多肉植物用の土に腐葉土を少量混ぜ込んだものや、赤玉土と鹿沼土を混ぜたものでも育てられます。
水はけの悪い土に植えてしまうと根腐れの原因になるので、土はなるべく水はけのよいものにし、水やりの回数を調節することで株が乾燥しすぎないように管理しましょう。
用土に腐葉土などを入れると土壌環境がよくなりますが、キノコバエなどの虫の発生の原因になることがあります。
虫が気になるようであれば、赤玉土のみ、あるいは赤玉土と鹿沼土を同量混ぜたものなど、有機質を含まない用土で育てることもできます。こうした用土には肥料分がないので、定期的に肥料を与える必要があります。
ゴムの木を育てる時のポイント
前項ではゴムの木を育てる環境についてご紹介しました。ここからは、水やりや剪定などゴムの木を育てる時のポイントについて詳しく説明します。
水やり
ゴムの木を育てるときに、水やりは重要なポイントです。夏の生長期には土の表面が乾燥したら水やりをします。反対に生長のスピードが遅くなる冬場には、水やりの頻度を減らします。
目安として、表面の土が乾燥してから2~3日経った頃に水やりを行います。屋外で水はけのよい土を使っている場合は、毎日水やりしても大丈夫です。
水やりをしすぎると根腐れの原因となるので、乾燥気味に育てましょう。
肥料
ゴムの木に肥料を与える際は、植え付け前の土に緩効性肥料を少量混ぜ込んでおくか、植えた後に緩効性肥料を施すにします。
また、夏の成長期には規定倍率に薄めた液体肥料を10日に1回ほどの頻度で水やりの代わりに与えるとよいでしょう。
しかし、肥料を与えすぎると株が細長く伸びてしまう「徒長(とちょう)」の原因となります。肥料はあくまでも、ゴムの木が自身の力で成長する時のサポートとして用いる程度にしましょう。
ゴムの木の植え付け
ゴムの木の植え付けは、3~9月の暖かい時期に行うのがおすすめです。
真夏に植え付け・植え替えを行うと傷む原因となるので注意。夏に植え付け・植え替えを行う場合は、35℃以上の猛暑日は避けるようにしましょう。
植え付ける時にゴムの木の苗に根が出ていない場合は、根が張るまでは常に土が湿っているようにします。
植え替え
買ってきたばかりのゴムの木や、植え付けてから1~2年経ったゴムの木は、鉢の中で根詰まりを起こしている場合があります。
根詰まりを起こしていると根が水を吸えなくなり、根腐れにつながります。また、根が張りすぎていると土が乾きやすくなり、水切れで枯らす原因ともなります。
もともと植わっていた鉢にそのまま植え替える時は、根鉢を軽くくずして根を全体の2/3ほど切り、新しい土を加えて植え直します。
大きな鉢に植え替える場合は、鉢の直径を3cmほど大きくする程度にとどめます。
植え替え時に大きすぎる鉢に植え込んでしまうと、根が水を吸う量と土に含まれる水の量とのバランスが崩れ、土が常に湿っている状態になって根腐れを起こしてしまうからです。
剪定
ゴムの木が育ってきたら剪定をします。剪定は非常にシンプルで、切りたい部分を切るだけです。
枝の途中で切ってしまうと切り口が目立つので、枝のつけ根や分岐部で切ると自然な仕上がりになります。
切り口から出る樹液には直接触れないよう、ビニール手袋などで手を保護して作業しましょう。もし樹液に触れてしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。
剪定した切り口から樹液が出たままにしておくと、床を汚してしまうことがあります。
切り口には縦横3cm程度にちぎったティッシュペーパーをくっつけておくと、樹液がしたたり落ちるのを防ぐことができます。
剪定した枝は挿し木をして、新たな株を増やすことも可能です。
ゴムの木の夏越し・冬越し
夏の高温期は、日中に水やりをすると土の中が高温多湿になって根が傷むことがあります。
朝のうちに水やりをして、正午頃までにほどよく水が抜けるようにするか、夕方以降に水やりをするとよいでしょう。
また夏には活力剤を1,000倍に希釈して、水やりのときに2~3回に1度のペースで与えると、夏バテを防止できます。
寒くなったら、紅葉が始まる頃を目安に室内に取り込んで暖かい場所で育てるようにします。
育てている地域が暖地で霜に当たらなければ、屋外越冬も可能です。
基本の育て方を覚えよう!
この記事では、ゴムの木の基本的な情報から詳しい育て方まで説明しました。ゴムの木を育てるには意外と細かい部分に気を配る必要がありますが、基本的な育て方に慣れてしまえば難しくはありません。観葉植物としても人気の高いゴムの木を、これを機に育ててみてはいかがでしょうか?
Credit
文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
Photo/ 1) Ashley-Belle Burns 2) Felix Hobruecker 4) Daimond Shutter 5) Zapylaieva Hanna 6) Anan_R 7) Alicja Graczyk 8) funnyangel 9) ilona.shorokhova 10) Tatiana Foxy 11)vladdon 12)Switlana Sonyashna 13) Anastasiia Lieonova 14) Supaleka_P 15) Tanya49 16)Ann Bulashenko /Shutterstock.com
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