夏の庭に個性をプラス! 花形が面白い宿根草「エキナセア」
R. Maximiliane/Shutterstock.com
数ある植物の中から今、注目の植物をピックアップするシリーズ「Now blooming」。今回は暑い夏にも庭を鮮やかに彩ってくれる宿根草のエキナセアをご紹介。鮮やかな色彩もさることながら、ちょっと変わった花姿が庭に個性を演出してくれますよ!
目次
色も形もさまざまなエキナセアたち

イガグリのようなまん丸でトゲトゲとした大きな花心に、細い花びらを持つエキナセア。咲き始めは控えめなイガグリも、咲き進むにつれ盛り上がり、花びらは徐々に下を向いてきて、ロケットみたいなユニークな姿になります。6月中旬頃から咲き始め、暑い夏の盛りに元気よく庭を彩ってくれます。いくつかの種類があり、主に栽培されているのは和名でムラサキバレンギクと呼ばれるプルプレア種で、多くの園芸品種があります。草丈は品種により30〜80cm。

花心も花びらもピンク色でキッチュな印象のエキナセア・プルプレア‘ラズマタズ’。草丈80cm前後。

美しい緋色のエキナセア・プルプレア‘エキセントリック’。ポンポンのような花心に細い花びらが個性的。草丈60cm前後。

白から淡いグリーンのグラデーションが美しいエキナセア・プルプレア‘グリーン・ジュエル’。草丈50cm前後。
エキナセアと夏の草花の素敵なコンビネーション

エキナセアは花の少なくなる夏に元気に咲いてくれるほか、寒さにも強く容易に冬を越して年々株が太ります。単体だけでもカラフルな色の塊をつくってくれますが、同じ時期に咲くさまざまな夏の花と合わせると、より面白い景色になります。例えば、上の写真はアプリコットカラーのエキナセアと同系色のアキレアの組み合わせ。アキレアのツブツブ状の群花の中から突き出すように咲く、エキナセアのフォルムがより際立って印象的です。

赤紫色のストライプが美しい大きな葉はカンナ。カンナも真夏に咲く宿根草で、エキナセアとの相性はバッチリ。黒っぽい葉がスクリーンのような役目を果たし、エキナセアの細い花びらを浮き立たせて見せてくれます。色合いもよく似合いますね。

白、オレンジ、ピンク、黄色。色とりどりのエキナセアを咲かせた賑やかな組み合わせも、ゴールドのふわふわのグラスの中から咲かせると、とってもおしゃれ。ふわふわのグラスはイネ科のスティパ・テヌイッシマ。ちょうどエキナセアと同じくらいの草丈になり、風になびく様子が涼しげで、夕日に輝くさまが美しい名脇役です。

モコモコとした素材感が共通点のエキナセア・プルプレア‘ミルクシェーキ’とアガスターシェ。アガスターシェはシソ科の宿根草で、暑さにとても強く初夏から晩秋まで咲き続けてくれます。エキナセアと他の植物を組み合わせる時は、エキナセアがユニークな花姿をしているので、フォルムの違いを意識して組み合わせるとうまくいきそうです。
育て方のコツ

春か秋に、日当たりの良い場所に元肥を施して花苗を定植します。鉢植えの場合は月1回くらいのペースで液肥を与えるとよいでしょう。花がらはこまめに切り取ります。花がらをつけたままにすると美観上もあまりよくありませんし、タネができると花が咲かなくなるので、長く花を楽しむためには大切な作業です。開花期間が一通り終わったら、株元からバッサリ切ります。
3年以上経ると株が太ってきて中心が蒸れることがあります。中心の葉が黄色くなるようであれば、株分けをしましょう。
日当たりがよく、水切れしなければ栽培にほとんど苦労しないとても丈夫な宿根草です。一度植えれば何年も楽しめるので、ぜひ夏の庭の彩りに取り入れてみてくださいね。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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