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今こそ暮らしを変えよう!「Stay Home」により海外で人気急上昇のガーデニング

今こそ暮らしを変えよう!「Stay Home」により海外で人気急上昇のガーデニング

普段はたくさんの人で賑わうイギリス、ロンドンの観光地、コヴェントガーデンの2020年4月1日の様子。

「Stay Home」は、今や世界共通のミッション。そんな中、イギリスやアメリカで今熱い注目を浴びているのがガーデニングです。家にいる時間を充実させようと、庭仕事に楽しみを見出す人が急上昇中なのです。海外に6拠点の営業所を持つエクステリアメーカー、タカショーに所属する海外事業戦略室室長に、海外のガーデニング事情を伺いました。

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昨年の同じ時期と比べてガーデン関連商品は8倍の注文

イギリスのガーデンセンター
屋外用のガーデンファニチャーが充実したイギリスのガーデンセンター店内(2018年撮影)。

アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリアなど、エクステリアメーカー、タカショーの、海外の販売子会社・営業所6拠点の製造・販売・流通を取りまとめる海外事業戦略室、室長の内海良平さんは、新型コロナウイルスの影響で市場が大きく変わっているといいます。

「ニューヨークのようにロックダウン(都市封鎖)された場所では、ガーデンセンターも営業ができず、弊社の拠点があるペンシルベニアもロックダウンされたために3月20日から営業所を閉鎖し、スタッフは自宅勤務となりました。ですが、物流はストップしていないので、ネット通販による注文については倉庫から発送され、ガーデニング商品をお客様にお届けすることはできています」。

コンテナ家庭菜園
左/家庭菜園を手軽に始めることができるイギリス発祥の木製コンテナ、ベジトラグシリーズ。販売:青山ガーデン 右/『ガーデンストーリー』編集長の自宅ベランダでは、小型のベジトラグを使ってハーブを栽培中。

「欧米では、多くの人が仕事に行けず家にいる時間ができたことから、まずは掃除や片づけをし、さらに次の作業としてガーデニングに目を向ける人が確実に増えていると、商品の売れ行きから分かります。オーストラリアでは、ガーデニング関連商品の1日の注文件数が4倍になりました。また、イギリスでは野菜やハーブを育てる大型コンテナのベジトラグシリーズが、昨年の同じ時期と比べて8倍もの注文をいただいていると報告を受けています」と内海さん。

ベジトラグとウッドバレルプランター
イギリス、「ベス・チャトー・ガーデン」のショップに並ぶベジトラグとウッドバレルプランター(2018年撮影)。

海外でのガーデニング商品の売れ行き

ガーデニング

「海外でガーデンセンターの営業が停止された地域では、スーパーで苗を買うことができるケースもあり、よく売れていると聞きます。

スーパーに行くのは1日1回と限定されていたり、入店の人数制限があったりし、人と人との距離を2m保ちながら列をつくって買い物をしなければいけません。そんな状況からか、買い物の回数を減らしたいと考える人や、いずれ野菜が入手困難になるかもしれないという事態に備える人が、自宅で野菜を育てようとして、タネも売れ切れるほどだとイギリスの仕事仲間に聞きました。だから、畑や広い敷地がなくても野菜を育てやすい商品である、ベジトラグシリーズが売れているのでしょう」。

販売:青山ガーデン ●「STAY HOME」キャンペーン実施中

ベジトラグ以外にもこの数カ月で、オベリスクやトレリスなどの支柱類や鉢底にプラスチックの補強がついたウッドバレルプランター(上写真)、ハンギングバスケットなども特に売れ行きがいいといいます。

「自宅待機やガーデンセンターの休業によってネット通販での注文も殺到しています。しかし、これまで通りすぐに発送ができていないのが現状です。これは、出荷業務をする人の健康維持を考えて、通常より人員を減らす体制をとっているため、注文のスピードに出荷が追いつかないという業務の混乱を避けるために、受注を一旦止めるケースがあるからです。

一方、ガーデンセンターの営業ができている地域では、事前に注文してから、車で店に向かい、ドライブスルーで商品をピックアップし、クレジット精算ができるシステムに移行したガーデンセンターもあります。このように、海外では自宅待機(Stay Home)や人との距離を保つ(Social Distance)という制限を満たしながらも、人々が欲しいものを早く手に入れるための効率のよい方法が生まれています。

ちなみに、一部のガーデンセンターでは、いつ発令されるか分からないロックダウンに備えて在庫を持たないようにする場合と、生鮮食品を扱うコストコのようなスーパーでは逆に仕入れを増やすなど、店の形態によって状況判断に違いがあります」と内海さん。

日々の暮らしを見直す時間

ガーデニング

海外の人たちが、この状況下でガーデニングに目を向けることについて、内海さんは次のように語ります。「“Back to Basics”、ガーデニングをすることは、原点回帰なのかもしれないとイギリスの仕事仲間と話しました。それは、外に出て日光浴をしたり、土を耕して汗を流して野菜を育てたり、季節がめぐることを花や緑から身近に感じながら家族と一緒に過ごすこと。リラックスができる状況に身を置いて、心の安定を維持するために、多くの人がガーデニングを始めているのかもしれませんね」。

ガーデン

日本でもこの数カ月で通信販売による苗の注文や、庭のつくり替え、メンテナンスなどの注文も増えてきています。自宅で過ごす時間の一つに、ガーデニングを選んでいる今の海外を参考に、これから多くの時間を過ごすことになる自宅の暮らしをアップデートしてみませんか? 気候がよくなるこれからの季節、家の補修や塗装などのメンテナンスや掃除からスタートし、外で過ごせるようなテーブルセットを庭やベランダに用意して外空間を充実させたり、窓から見える景色を花や植物で変えたりして、ガーデニングで楽しい暮らしをクリエイトしましょう!

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