庭づくりは、自分の手で少しずつ理想の形に近づけていくのも楽しみの一つです。これまでガーデニング雑誌で幾度も紹介されてきた庭を持つ千葉在住の橋本景子さんは、長年の庭づくりを通してDIYの腕も上げ、毎年ひらめきと手仕事で庭のクオリティーをアップさせています。ここでは、橋本さんが実際に行った庭づくりのプロセスをご紹介。絵になる階段! と評判のエリアのメンテナンスリフォームをご紹介します。

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経年変化でフェンスが老朽化

手作りのフェンス
駐車スペースと隣家の間に作った二代目のフェンス。

前回ご紹介した「階段庭」を上りきった場所は、公道と自宅の間の小さな敷地になります。そこは駐車スペースになっていますが、ここにも植物の背景となるフェンスを隣家との境に設けました。ここは、庭づくりをスタートしてから7年目に作り直しをして、フェンスとパーゴラが一体化した構造物になりました。また、階段庭に手を入れてからかれこれ10年ほど経った頃で、初期に作ったフェンスの老朽化が気になり始めていたところでした。

手作りのパーゴラ
フェンスと一体化させたパーゴラは、端を広げて、バラとブドウの誘引に使っています。

フェンスはここから下方の階段庭につながっているのですが、下のほうの西日が当たるパーゴラは、明らかに木が腐っているようです。

DIYガーデニング
フェンスの上部に張ったSPF材は、雨や日光で劣化しています。

DIYでよく利用するSPF材は比較的柔らかく、軽量で加工がしやすく、ホームセンターなどでも簡単に手に入るので、女性のDIYには手軽に使えるというメリットがあります。しかし、防水性や防腐性に劣るので、できれば防水防腐加工が施されたSPF材を購入するのが望ましいです。とはいえ、高価(笑)。ですから、DIYする前に、構造物となる木材には、しっかりとキシラデコールなどの防腐剤を塗ったり、ペンキを塗ったりすることが必須です。

また、SPF材だけでなく、木材を使ったDIYは毎年のメンテナンスも必須なのですが、植物が絡んでいたりすると、ついつい面倒になりがち。我が家の場合は、ペンキを塗り直すこともなかなかできていなくて、数年すると必ず大きな補修作業が待ち受けています。

DIYを楽しめる余裕のある間は、補修の工事も楽しんじゃおう! というのが私のポリシーで、いつも「これが最後のDIYかも」と言いながら、毎年のようにどこかをマイナーチェンジしているのです(笑)。

壊して作り直す苦労を、新しい庭を手に入れるチャンスと考える

手づくりのフェンス

このフェンス一面に誘引していたバラがテッポウムシの被害で枯れたため、株を抜いたのをきっかけに、新たな工事をする決心がつきました。

フェンスの撤去は比較的簡単なので、新しい庭をつくるようなワクワク感を楽しみながら、また、頭の中でどんなフェンスにしようかと想像を巡らせながら作業をひたすら続けました。

DIYガーデニング
フェンスと柱を撤去した2018年の様子。
木材の処理

撤去した木材は、こうして車に積み込んで、焼却場に持ち込みます。想像以上に傷んでいたことが分かりました。

ペンキを塗る

撤去がすっかり済んだら、新しい材木をカットして、ひたすらペンキを塗ります。

DIYガーデニング

新しい柱を建てるまでは、一人でもなんとか作業はできました。

DIYガーデニング
フェンスを横に張る段階になったら、いつもの助っ人、京子さんが登場です。

「せっかく作り直すのだから、前と同じものじゃ面白くないわよね。さらに進化させないと意味がないし」というのが2人の共通の意見で、フェンスの板の張り方をいろいろ相談します。12年前に一緒にフェンスを作ったときには、それだけでいっぱいいっぱいの初心者でしたが、DIYの経験値が上がると見る目も肥えてきます。

手作りで理想の庭を目指す!① 小さな庭のDIY〜テラス前編〜

なかでも大切にしたいのは、オリジナリティーでしょうか? あくまでも主役は植物なので、植物を引き立てるように、シンプルかつオリジナリティー溢れるフェンスをと試行錯誤は続きました。

進化する手作りのオリジナルフェンス

手づくりのフェンス

長い間眠っていたアンティークのティンパネルを柱と柱の隙間に張ったり……。

手づくりのフェンス

風通しは確保しつつ、道路からの視線はなるべく防ぎたいので、クレマチスの誘引ができるようにと、ワイヤーメッシュを使った仕切りにしたり。ここは、ちょっとした小物の飾り棚としても利用できます。

手作りのフェンス

細い木材でハシゴ風の木枠ができ上がりました。さて、どこに使うのでしょうか?

手作りのフェンス

フェンスの上部にはめ込みました。

手作りのフェンス
フェンスの一面が完成。

既製の野地板は長さが1,820mmで、通常のフェンスの高さには足りないのですが、上部は抜け感があってよいと思ったので、あえて付け足しをしませんでした。また、縦張りにした野地板も幅が違うものを使って、リズミカルで飽きのこないデザインにしました。

手づくりのフェンス

初期のフェンスは、施工が簡単な横張りにしていましたが、こうして縦で張ると、すっきりとした印象にもなります。

手作りのパーゴラ
作り直す前の、上から見たパーゴラ(2017年5月)。すべての板を横に張っていました。
手作りのフェンス
パーゴラ付きフェンスが完成(2018年3月)。新旧でフェンスのデザインが変わりました。

野路板の隙間をどのくらい空けるのか? どこからどこまで張るのかは、頭の中で考えているだけでは答えが出ません。実際に置いてみてから決定です。完成写真をよく見ると、一面だけ野地板が横に張られているのが分かります。これは私の意向です。

ライフスタイルに合わせて使い勝手も向上させる

手作りのフェンス

「ここだけどうして横なの? 流れが途切れて違和感あるでしょ?」という京子さんの意見にも耳を貸さず、ちょっと冒険してみたくなった私(笑)。柱の高さも微妙に以前と変えて、パーゴラも前よりは少し小さくしています。

また、レイズドベッドもレンガをマレット(小槌)で壊して、小さく成形し直しました。これは、オープンガーデンの際に、できるだけ人が歩きやすいようにしたいという、スペースの確保のためです。

庭は用途や利便性を考慮しつつ、またライフスタイルに伴い変化させていくのが理想です。我が家のような隣家との間が狭い都会の庭の場合、これ以上スペースを広げるのは不可能です。いかに植物と人間が、庭で心地よく過ごせるかを、いつも考えている気がします。

と同時に、植物の成長をコントロールすることも大切な課題です。庭の広さ(狭さ)と植物のサイズのバランスには黄金比のようなものがあり、それ以上でも、それ以下でもバランスが崩れて、落ち着かない庭になると思うのです。

DIYガーデニング
バードバスを置き、雑貨も少し飾って、賑やかになってきました。

私の庭でいうと、一番バランスがいいなと思えるのは、5月の中旬から6月いっぱいまでです。この時期に植栽が通路を塞がない程度のボリュームであり、かつ植物の高さも、できるだけ60cmを超えないようにと計算しています。

小低木などの高さが出る植物はフェンスに誘引して、壁面の一部として見せられるように、また、高いために視線が散漫にならないようにと考えています。ですので、ボリュームが出てきた植物は、適宜間引いたり、切り戻しをして調整しています。

庭は構造物を作ってからスタートが吉

階段の庭
階段庭を下から撮影すると、パーゴラが景色の中に入ってしまいます。じつは、それがちょっと気になっています(笑)。
DIYガーデン
2005年は、まだ鉢植えを並べていただけの場所だったこのエリア。今ではバラもかなりのボリュームで咲くようになりました。

この庭をつくろうとした際に、「一番初めに庭のハード部分(フェンスやパーゴラ、レンガ敷きやレイズドベッドなど)を充実させないと、後付けでは大変だから」とアドバイスしてくれた大先輩の言葉を、今でも的確で有難いことだと思っています。

階段の庭
宿根草も毎年裏切ることなく、緑の絨毯を楽しませてくれます。

最初の思い切ったDIYがなかったら、きっと今の私の楽しく充実したガーデニングライフはなかったはずです。そして、一から庭をつくろうとされているみなさんには、まず、先に植物を買うのではなく、「庭の環境を整えてからしましょう」と、声を大にしてアドバイスしたいです。

簡単なDIY は自分でもできます。思い切って最初の一歩を踏み出せば、思いのほか楽しくて、きっとはまってしまうことでしょう。

Credit

写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも23,000人に。大好きなDIYで狭い敷地を生かした庭をどう作ろうかと日々奮闘中。花より枯れたリーフの美しさに萌える。
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
インスタグラム kay_hashimoto

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