庭づくりは、自分の手で少しずつ理想の形に近づけていくのも楽しみのひとつです。これまでガーデニング雑誌で幾度も紹介されてきた庭を持つ千葉在住の橋本景子さんは、長年の庭づくりを通りしてDIYの腕も上げ、毎年ひらめきと手仕事で庭のクオリティーをアップさせています。ここでは、橋本さんが実際に行った庭づくりのプロセスをご紹介。庭づくり初めの一歩についてご紹介します。

Print Friendly, PDF & Email

ガーデニングの第一歩は植物収集から

手づくりのパーゴラ
庭づくりに没頭し始めた2007年、初めて手作りで完成させたパーゴラ。

大きく胸を張って「ガーデニングが趣味です!」と答えられるようになって、まだ10年ほどでしょうか?

園芸歴という言い方をすれば30年をはるかに超えていますが、社宅暮らしの頃は、ベランダに置いた幾つかのプランターに色鮮やかな一年草を植えて楽しんだり、花壇とも呼べないほどの小さなスペースに手当たり次第に植物を植え込んだり……。やがて頻繁に園芸店巡りをするようになると、買っては植え込む鉢の数が100個を超え、それでも植えきれず、買い込んだままのポット苗があちこちに並んでいたり。それはガーデニングとはいえない、ただの植物の収集でした(笑)

地植えスペースを得て、DIYで庭づくり

現在住んでいる戸建て住宅に移ってからは、ずらりと並べていた鉢植えの植物たちを「せめて地面に植えてあげようか」と思ったことがきっかけで、私の庭づくりは本格的に始動しました。その頃から今もずっと変わらない庭づくりの基本は、『Do It Yourself 』。そう、私の庭は、ほとんどすべてがDIYなのです。

流山オープンガーデンの庭
庭づくりの同志、齋藤京子さんの庭。流山オープンガーデンに所属し、5月中旬にオープンガーデンを開催しています。

庭づくりを始めた頃、まず地元のガーデニングクラブに入会しました。そこでは、センスが良くって庭歴も長い、器用な先輩達に恵まれて、たくさんのアドバイスを受けました。そして、作業を手伝ってもらうことができたおかげで、施工業者さんなどのプロに一切頼ることもなく、しかも経費を節約しながら、少しずつ自分で作り上げていくという一石二鳥のDIYが身についたのだと思います。今でも毎年行うメンテナンスは、すべて自分の手で行っています。

こうして楽しく続いている私の庭のDIY歴史。まずはバラのテラスについて、2回に分けてご紹介したいと思います。

2000年から極小敷地をバラのテラスに変える

パーゴラに咲くつるバラ
パーゴラと一体化させたフェンスに咲く‘プロスペリティ’と‘レーヌ・デ・サンフェイユ’。2018年5月撮影。

自宅の敷地の一番奥は、現在「バラのテラス」と呼んでいるところです。ここは、横幅が最大で220cm、奥行き240cmという極小の場所で、畳にして約3畳分しかありません。

テラスの変化
左写真は新居に入居してすぐ、2000年頃のテラスの様子。右写真は、2005年頃、バラを植えてアーチを設置していました。

一般の家庭の建物で説明すると、ここは擁壁とフェンスの間にある、”ただの隙間”です。

この頃、知り合いが開いていたバラの教室に通い始めていましたが、バラや宿根草を地植えしたかったこともあり、ただやみくもに‘つる アイスバーグ’を植え込み、「つるバラにはアーチが必要よね!」と、市販のアーチを置いただけの初心者のガーデンでした。

当然、周囲には草は生え放題だし、バラだけが目立っていて、それを見かねた友人たちが、「ここにパーゴラを作れば、バラを何株も植えられるよ!」と、本格的な庭づくりの助っ人を申し出てくれたのです。

当時夢中になっていた「バラの庭を持つ」という夢が叶いそうだということで、DIYの経験が全くなかったこの私が、友人たちの言葉にうっとり。DIYが得意な友人のアシスタントを懸命にしながら、狭い狭いこの場所にパーゴラを建てることになったのです。

初めての手作りパーゴラ

テラススペース
2階の窓から見たテラススペース。人間(夫)と比較すると狭さがよく分かります。

まずは庭として整地し、脚立を立てるだけでも狭すぎて一苦労する土地に、足手まといな素人の私と友人との2人の作業が始まりました。

パーゴラのDIY
まず柱を立てて。
パーゴラのDIY
枠組みが完成!

「できればいいよね」と言いながら、DIY の知識が一切ないまま、柱を立て、ドライバーでビスを打ち……。おぼつかない私が手伝ったパーゴラは、厳密にいえば水平も垂直もちゃんと取れていない、適当な仕上がりでした。それでも、パーゴラができたことで、グンと庭がランクアップして大満足でした。

パーゴラのあるスペースは年とともに変化

ガーデンの通路

パーゴラを備えたあと、今度は地面にレンガを敷き詰め、手前の通路は芝生の中にレンガを埋め込んで、歩きやすくしました。

レンガのテラススペース

さらに、敷き詰めたレンガとレンガの間に玉竜を植え込んだり、パーゴラの入り口付近を手すり風にしたりと、細かな細工にも挑戦しました。

パーゴラのテラス
パーゴラのあるテラスから小道を見たところ。建物沿いの壁にも柱を横に何本も渡してバラの枝をとめつけやすいようにフェンスを作りました。写真右下が入り口に設けた手すり。
手作りのパーゴラ
2007年9月に完成。

公道から見上げたパーゴラの全貌。何もなかった殺風景な場所が、DIYのおかげで立体的な構造物が目を引く庭に変わりました。パーゴラが完成すれば、バラを育てるための準備は万端です。

憧れを実現させるためプチリニューアルを重ねる

パーゴラとつるバラ
パーゴラができて、つるバラを絡めたら2階の窓からも花が眺められるように! 毎朝、窓を開けて庭を眺めるのも楽しみな時間になりました。

「あとは植物の成長を待ち、年月が庭を育ててくれるはず」。

と思っていたものの、DIYの楽しさに目覚めてしまった私は、毎年少しずつ、どこかしらマイナーチェンジをするのが恒例となりました。

テラスガーデン
本格的に庭づくりを始めて10年以上経過した頃。植物がかなり成長し、ここがあの狭い隙間空間だったとは、もう思えません。
バラの窓辺
2012年5月の様子。

2012年には、フェンスの隙間から隣家が見えるのが気になっていたので、スノコを利用して手作りで用意したフェイクの窓をはめ込み、レースのカーテンをつけて目隠しに。憧れだった“バラが咲く窓辺”を庭で実現させました。

当時憧れていた「パリの街中の小さなお庭のイメージ」に少しでも近づけて嬉しかったことを思い出します。

ガーデンの通路
2015年5月には、手前の通路の芝生はデッキ張りに変わっています。

しかし、たくさんのバラを植えたことで植物が育ちすぎ、狭い庭が暗くうっそうとなってきたのです。ここでまた「何とかしたい!」と、私のDIY本能に火がついたのでした。

木材はペンキ塗りなどのメンテナンスが必要ですが、どんなに頑張っても10年ほどで腐ります。ある日、パーゴラの脚の傷みに気がつき、台風時の危険性も考えて、全面的にパーゴラを建て替えることに。

経験値がアップして自由なDIYスタイルに

ガーデンスケッチ
フリーハンドで書いた設計図のようなもの(笑)。

おそらくプロは、ちゃんとした設計図を書いてから作業を始めるところでしょうが、右脳人間の私たちは、いつも「こんな感じ〜〜」で作業に踏み切ってしまうのです(笑)。

そう、すべてが現場合わせ。材料もだいたい買っておいて、物置に眠っている大量のストックを使ったり、腐る心配が無い場所ならば、前に屋外で使っていた材料を使い回したりして。これぞ主婦的感覚のDIY。
もちろん途中で気が変わったり、作ってみたけれども気に入らなくってやり直しをするのも想定内の、自由なDIYなのです。

手作りで理想の庭を目指す!② 小さな庭のDIY〜テラス後編〜』へ続く。

併せて読みたい

「私の庭・私の暮らし」インスタで人気! 雑木や宿根草、バラに囲まれた大人庭 千葉県・田中邸
庭に小道をつくろう! ストレスなく歩けるおしゃれな小道の作り方ポイント
手作りで理想の庭を目指す!② 小さな庭のDIY〜テラス後編〜

Credit

写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも23,000人に。大好きなDIYで狭い敷地を生かした庭をどう作ろうかと日々奮闘中。花より枯れたリーフの美しさに萌える。
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
インスタグラム kay_hashimoto

Print Friendly, PDF & Email