【初心者向け】カリフラワーの育て方完全ガイド|プランター栽培のコツと失敗しないポイント
Marisacirillo/Shutterstock.com
真っ白な花蕾(からい)が印象的なカリフラワー。じつは鉢栽培もでき、ベランダでも育てられる野菜です。近年はオレンジや紫などカラフルな品種も登場し、料理の彩りにもぴったり。この記事では、プランターでも失敗しない育て方や、花蕾を真っ白に保つコツ、病害虫対策まで、初心者にも分かりやすく解説します。
目次
カリフラワーの基本情報

植物名:カリフラワー
学名:Brassica oleracea var. botrytis
英名:Cauliflower
和名:ハナヤサイ(花椰菜、花野菜)
その他の名前:ハナカンラン(花甘藍)、ハナキャベツなど
科名:アブラナ科
属名:アブラナ属
原産地:地中海沿岸
形態:一・二年草
カリフラワーはアブラナ科アブラナ属の葉菜類です。学名はBrassica oleracea var. botrytisで、英名はCauliflower。原産地は地中海沿岸で、生育適温は15〜20℃。冷涼な気候を好みますが、耐暑性・耐寒性に優れています。乾燥には比較的耐えますが、多湿を嫌います。
カリフラワーの食用部分は「花蕾(からい)」で、開花前のつぼみや花茎部分です。白いブロッコリーのような見た目でビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCを多く含み、茹でるとほくほくとした食感。炒め物やスープ、蒸しもの、サラダなど幅広く利用できます。
庭で育てたカリフラワーの収穫。Tatevosian Erik/Shutterstock.com
カリフラワーの花や葉の特徴

園芸分類:野菜
開花時期:3~5月
草丈:40〜80cm
耐寒性:普通
耐暑性:普通
花色:黄
カリフラワーは地際に披針形の大きな葉を出し、短い茎に大きな球状の花蕾(からい)を付けます。食用とする花蕾の色は白をはじめ、オレンジ、緑、紫など品種によりカラフルな色で、収穫せずにおくと、春に花序を伸ばして黄色い花を咲かせます。

カリフラワーの名前の由来と花言葉

カリフラワーという名前は英名のCauliflowerから。もともとラテン語で茎を表す「cauli」と「flower」とを組み合わせたもので、「花キャベツ」という意味です。ハナヤサイやハナカンランといった和名もありますが、どちらも同じ意味です。
カリフラワーの花言葉は「繁栄」「慈愛」「お祭り騒ぎ」などです。
カリフラワーとブロッコリーの違い

カリフラワーとブロッコリーは、どちらもケールの変種。カリフラワーは、つぼみの部分が軟化して癒着しています。ブロッコリーは、一番花の頂花蕾を収穫した後に、わきから小さな側花蕾が次々とついて長く収穫を楽しめますが、カリフラワーは頂花蕾がついた後に側花蕾はつきません。また、管理の面ではカリフラワーの白さを保つために外葉で覆うなどのひと手間が必要です。
カリフラワーの代表的な品種

カリフラワーは品種によって栽培期間が異なり、収穫が早いものから順に極早生、早生、中生、中晩生があります。家庭栽培の場合は、20〜23℃で花芽分化が始まる極早生・早生が、早い段階からつぼみがついて栽培期間が短いのでおすすめです。
‘スノークラウン’
花蕾はピュアホワイトの大型サイズで、肉厚かつ緻密で締まっています。早生種で、定植した後70日ほどで収穫が可能です。草勢が旺盛で作りやすいためビギナー向き。
‘スノーニューダイヤ’
強健な性質で、育苗時や定植後も旺盛に生育します。草姿は立性のため、土寄せをしっかりして強風で倒伏しないように管理を。芯葉の伸びがよいので、花蕾を包む作業を容易にできます。中早生種なので、じっくり育てましょう。
‘オレンジブーケ’
オレンジ色の花蕾が特徴。加熱調理しても色が抜けないので、サラダやスープに利用すると彩りを楽しめます。生育旺盛で栽培しやすく、じっくり育てるタイプの中早生種です。
‘バイオレットクイン’
濃い紫色の花蕾が特徴。加熱調理すると明るいグリーンに変色します。花蕾は丸く形が整い、肉厚で締まりがよく、比較的日もちします。生育旺盛で、ビギナーにも栽培しやすい早生種です。
カリフラワーの栽培12カ月カレンダー

種まき:2月中旬~3月上旬(春まき)、7月中旬〜8月上旬(夏まき)
植え付け:4月上旬~中旬(春まき)、8月中旬〜9月上旬(夏まき)
肥料:4月下旬~5月上旬(春まき)、9月中旬〜下旬(夏まき)
収穫:5月下旬~6月中旬(春まき)、10月下旬〜12月(夏まき)
カリフラワーは、春まき夏どりと、夏まき秋冬どりができますが、初めて栽培するなら夏まき秋冬どりがおすすめ。春まき夏どりは気温が高い時期に栽培するために花蕾がすぐに大きくなり、形が崩れやすくなるためです。
夏まき秋冬どりの栽培スケジュールは、次のとおりです。7月中旬〜8月上旬に種子を播いて育苗し、8月中旬〜9月上旬に菜園に定植します。本葉が6〜7枚付いてから低温にあうと花芽ができる性質があり、10月下旬〜12月に収穫できます。
カリフラワーの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。
【日当たり/屋内】屋外の栽培が基本です。
【置き場所】カリフラワーは連作(同じ科の植物を同じ場所で栽培すること)を嫌うので、前作に同じアブラナ科のキャベツやブロッコリー、ハクサイ、コマツナ、ミズナなどを植えていた場所は避けましょう。2〜3年はアブラナ科の植物を育てていない場所を選ぶことが大切です。
腐食質に富んだ柔らかい土を好みます。酸性土壌にやや弱く、適した土壌酸度はpH5.5〜6.0ほどなので、土づくりの際に苦土石灰を散布して調整するとよいでしょう。
耐寒性・耐暑性
耐寒性・耐暑性ともにある程度ありますが、高温多湿にはやや弱く、栽培しやすい秋冬どりがおすすめ。生育適温は15~20℃です。
カリフラワーの育て方のポイント
種まき

カリフラワーはビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。
ただし、カリフラワーの苗は8月下旬〜9月上旬から花苗店やホームセンターに出回り始めるので、苗の植え付けからスタートしてもOK。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、「用土」の項に進んでください。
【地植え・鉢植えともに】
カリフラワーの発芽適温は15〜30℃。夏まきの適期は7月中旬〜8月上旬です。セルトレイに野菜用にブレンドされた培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。1穴に1粒ずつ種子を播き、土を軽くかぶせて手で押さえます。日当たり・風通しがよい場所に置き、乾いたら適宜水やりしてください。種まきから4〜5日くらいで発芽します。
育苗

発芽後は、適宜水やりをして育苗します。セルトレイの土は乾燥しやすいので、水切れには注意を。本葉が2枚ほどついたら、3号ほどの黒ポットに根鉢をくずさずに植え替えましょう。本葉が5〜6枚ついたら、菜園などに定植します。
育苗中は病害虫が発生しやすい時期なので、不織布をふわりとベタ掛けしておくのも一案です。
用土

【地植え】
苗を植え付ける2〜3週間以上前に、畝を作る場所に苦土石灰を1㎡当たり100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに、植え付けの1〜2週間前に、畝幅(約70cm)の中央に深さ約15cmの溝を掘り、1㎡当たり牛ふん堆肥0.5L、化成肥料80〜100gを均一にまき、埋め戻して平らにならしておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成します。
【鉢植え】
野菜用にブレンドされた市販の培養土を使うと便利です。それぞれの野菜に適した土壌酸度などは異なるので、製品の用途に「カリフラワー」の項目が入っているか、確認しておくとよいでしょう。
植え付け

【地植え】
土づくりをしておいた場所に、幅約70cm、高さ約10cmの畝を作り、表土を平らにならします。畝の長さは、育てたい苗の数によって調整してください。畝の中央に30〜40cmの株間をとって、苗を植え付け、たっぷりと水やりをしておきます。
植え付け初期は病害虫が発生しやすい時期なので、防虫ネットを張ったトンネル栽培にすると対策できます。数本の園芸用支柱を深く差し込み、畝に渡してトンネル状にし、防虫ネットを張って手前と奥を結んで止めます。防虫ネットの四方の裾を土で埋めて固定し、物理的に虫が侵入できないようにしておきましょう。苗が育ってトンネルにつかえるようになったら、トンネルの支柱と防虫ネットを撤去します。
【鉢植え】
カリフラワーは葉を大きく広げて生育するので、10号以上の大きな鉢を用意します。
底穴に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。苗を1株植え付けて株元をしっかり押さえ、最後に鉢底から流れ出すまで、たっぷりと水やりをします。植え付け後は、日当たり・風通しのよい場所に置いて管理します。
水やり

株が蒸れるのを防ぐために茎葉には水をかけず、株元の土を狙って与えましょう。
【地植え】
根付いた後は天候にまかせてもよく育ちます。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、適切に水やりをして補いましょう。
【鉢植え】
地植えに比べて乾きやすいので、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
真夏に水やりする場合は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に行うようにしましょう。
追肥

【地植え】
植え付けから約2週間後、追肥として有機配合肥料を1㎡当たり40〜50gほど株元にばらまき、軽く耕して土寄せしておきます。
【鉢植え】
植え付けから20〜25日後、追肥として化成肥料を1つまみほど株の周りに施し、軽く耕して株元に土を寄せておきます。
花蕾の日焼け対策

【地植え・鉢植えともに】
花蕾は日光や霜にあたると、黄色く変色することがあります。直径10cmほどになったら、数枚の外葉を花蕾にかぶせて麻ひもなどで軽くとめておきましょう。こうすることで、真っ白な花蕾を収穫することができます。
収穫

【地植え・鉢植えともに】
花蕾が直径20cmくらいになったら、花蕾の下葉に包丁の刃を当てて切り取ります。花蕾はかたく締まっているほうがよく、隙間があいていたら収穫遅れです。
カリフラワーは頂花蕾のみが収穫でき、基本的にブロッコリーのように側花蕾は出てきません。わき芽から収穫できることもありますが、長く残しておくと病害虫の発生源となることもあるので、収穫した後は早めに根ごと抜き取って処分し、菜園では整地しておくとよいでしょう。
注意する病害虫

【病気】
カリフラワーに発生しやすい病気は、べと病、軟腐病などです。
べと病は糸状菌が原因で、3〜6月、9月下旬〜11月の気温15〜20℃の条件下、かつ気温差が大きい時に発生しやすくなります。葉に黄みがかった斑紋が現れ、だんだんと広がって枯れ上がっていきます。気温などの条件が揃うと2〜3日で全体に広がってしまうので注意。チッ素成分が多い肥料を与えすぎると発生しやすくなります。
軟腐病は細菌性の病気で、高温時に発生しやすくなります。特に梅雨明けから真夏が要注意。
球根や成長点近くの茎、地際の部分や根が腐って悪臭を放つので、見つけたら、周囲に蔓延しないようにただちに抜き取り、周囲の土ごと処分してください。予防としては、連作を避け、水はけをよくしていつもジメジメした環境にしないこと。また、害虫に食害されて傷ついた部分から病原菌が侵入しやすくなるので、害虫からしっかり守ることもポイントになります。
【害虫】
カリフラワーの栽培時に発生しやすい害虫は、アオムシ、アブラムシなどです。
アオムシは、モンシロチョウの幼虫です。葉裏などに卵を産み、孵化した幼虫が旺盛に葉を食害します。葉に穴があいているのを見つけたら、葉の裏などを確認し、見つけ次第捕殺します。大きくなるとギョッとするほどのサイズになり、葉脈のみを残して食べ尽くすほどの害を与えるので、早めの対処が大切です。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。
カリフラワーの育て方を知り栽培に挑戦しよう

カリフラワーは大きな葉を広げて場所を取るイメージがありますが、10号以上の大きな鉢を用意すれば、ベランダでも栽培できます。極早生種や早生種を選べば栽培期間が短く、ビギナーにもおすすめ。小さな苗がぐんぐん育って大きな花蕾をつける姿に生命力を感じることができます。ぜひカリフラワーの栽培にチャレンジしてみてください。
参考文献
『甘やかさない栽培法で野菜の力を引き出す 加藤流 絶品野菜づくり』発行/万来舎、発売/エイブル 2015年4月21日発行第1刷
『別冊やさい畑 野菜づくり名人 虎の巻』発行/家の光協会 2009年2月1日発行第1刷
『別冊NHK趣味の園芸 わが家の片隅でおいしい野菜をつくる』発行/日本放送出版協会/ 2008年2月10日発行第5刷
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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