秋冬の庭に赤い実が映える! ウメモドキの育て方・剪定・増やし方まで徹底解説
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秋から冬にかけて、真っ赤な実が枝いっぱいに実るウメモドキ。冬枯れの庭にひときわ鮮やかな色彩を添える、日本原産の人気の庭木です。丈夫で育てやすく、剪定やお手入れも簡単なので、ガーデニング初心者にもおすすめ。この記事では、ウメモドキの特徴から品種、育て方、剪定のコツ、増やし方までを分かりやすく解説します。
目次
ウメモドキの基本情報

植物名:ウメモドキ
学名:Ilex serrata
英名:Japanese winterberry
和名:ウメモドキ(梅擬、落霜紅)
その他の名前:オオバウメモドキ、ムメモドキ、ウメボトケなど
科名:モチノキ科
属名:モチノキ属
原産地:日本、中国
形態:落葉性低木
ウメモドキの学名は、Ilex serrata (イレックス・セラータ)。和名に「ウメ」の文字が入っていますが、ウメとは別の科の植物で、モチノキ科モチノキ属の落葉樹です。原産地は日本の本州・四国・九州、中国。昔から日本の山野に自生してきたことから暑さや寒さに強く、放任してもよく育ち、近年庭木としての人気が高まっています。和風庭園でもよく用いられ、玄関脇や池の端、灯籠の周辺などに植栽されるほか、生け花の花材、盆栽としても人気があります。
ウメモドキの花や葉の特徴

園芸分類:庭木
開花時期:5月中旬~6月
樹高:2〜3m
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:淡紫色
ウメモドキは樹高2〜3mの低木で、地際から多数の幹を立ち上げる株立ち性の樹形が特徴です。開花期は5月中旬〜6月で、花色は淡い紫色。4〜5枚の花弁をもつ径2〜3mmの小さな花が集まって咲きます。花はかわいらしいですがあまり目立たず、秋から冬にかけて実る赤い実を主に観賞します。長さ3〜8cmの葉は先端が尖った長楕円形で、縁には細かな鋸歯があり、互生します。
野鳥を庭に呼び込む赤い果実

ウメモドキは9月〜翌年1月に直径5mmほどの赤い実を多数つけます。実は落葉した後も残るのでよく目立ち、長く楽しめます。この果実に味はなく、食用には向いていません。しかし、ツグミやジョウビタキなどの野鳥がついばみにやってくるので、野鳥を呼ぶ庭木として植えるのもよいでしょう。赤い果実は観賞価値が高く、茶花として昔から愛されています。
ウメモドキには雄と雌がある

ウメモドキは雌雄異株で、雄木と雌木があります。赤い実を観賞用として楽しみたい場合は、必ず雌木を入手しましょう。雌木を1本のみ植えても大抵の場合は結実するので、基本的に雄木を購入する必要はありません。
ウメモドキの名前の由来と花言葉

ウメモドキという名前は、ウメに似ていることが由来。樹姿や葉の様子がウメに似ていることからという説や、花や実の様子をウメに見立てたという説があります。また、実は寒さが厳しくなるにつれて赤くなるため、「落霜紅」と表記することがあり、晩秋の季語として俳句などでも親しまれています。
ウメモドキの花言葉は「知恵」「明朗」「深い愛情」などです。
ウメモドキの代表的な種や品種

ウメモドキにはいくつかの変種と園芸品種があるので、ご紹介します。
‘大納言’
学名はIlex serrata ‘Dainagon’。ウメモドキの園芸品種で、原種よりも実が大きいのが特徴です。秋から冬にかけて赤く色づく実の存在感が大きく、茶花などにもよく利用されています。
シロウメモドキ

学名はIlex serrata f. leucocarpa。ウメモドキの変種とされ、花も果実も白いのが特徴です。
キミノウメモドキ
学名はIlex serrata f. xanthocarpa。ウメモドキの変種で、黄色い果実をつけます。
イヌウメモドキ

学名はIlex serrata f. argutidens。ウメモドキの変種で、枝や葉に産毛がないことが特徴です。
ウメモドキの栽培12カ月カレンダー
開花時期:5月中旬~6月
植え付け・植え替え:2月下旬〜3月、10〜11月
肥料:2〜3月
剪定:12月〜翌年3月
ウメモドキの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】半日陰から日なたを好みます。ある程度日陰でも育ちますが、日照不足になると実つきが悪くなるので注意しましょう。
【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。
【置き場所】腐植質に富んだやわらかい土を好みますが、丈夫であまり土質を選ばず育ちます。夏にはやや日陰になるような場所で育てるとよいでしょう。
耐寒性・耐暑性
日本に自生してきたので耐寒性も耐暑性もあり、環境になじんで育てやすい樹木です。
ウメモドキの育て方のポイント
用土

【地植え】
植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土、堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。
水やり

木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。真夏は気温が高い昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって根を傷めやすいので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。
【地植え】
植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後はほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。
【鉢植え】
日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。また、枝葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やりを欠かさないように注意し、必要に応じて朝夕2回行います。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。
肥料

【地植え・鉢植えともに】
肥料を与えるのに適したタイミングは、生育期に入る少し前の2〜3月です。有機質肥料を株元から少し離れた周囲にまいて、クワかスコップで軽く耕して土に馴染ませましょう。
注意する病害虫

【病気】
ウメモドキに発生しやすい病気は、うどんこ病、黒星病などです。
うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみなどの表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発生しやすくなります。発見したら病害部分を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。
黒星病は、カビによる伝染性の病気です。雨が多い18〜20℃の環境を好むため5〜7月に発症しやすく、葉、枝、果実に被害が現れます。黒っぽく丸い斑点が全体に広がっていくのが特徴です。日当たり・風通しが悪いと発生しやすくなるので、込み合っている枝などはすかすように剪定して予防しましょう。病気にかかった後に剪定した枝や落ち葉は、地中に残らないように処分することも大切です。また、発生したら早いうちに適用のある殺菌剤を散布して、病気が蔓延するのを防除します。
【害虫】
ウメモドキに発生しやすい害虫は、アブラムシ、コナジラミなどです。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。
コナジラミは、植物の葉裏について吸汁します。体長は1mmほどで大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいです。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜み、春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉を残さずに処分しておきましょう。大発生した時はスプレータイプの適用のある薬剤を散布して対処してください。
ウメモドキの詳しい育て方
苗木の選び方
苗木を購入する際は、葉がある場合は葉の色艶がよく、幹がしっかりしたものを選びましょう。また、実を観賞したい場合は雌木を購入するように注意します。
植え付け・植え替え

ウメモドキの植え付け・植え替えの適期は2月下旬〜3月か、10〜11月です。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えましょう。
ウメモドキは、暑さ寒さに強く、環境にも馴染みやすいので、一年を通して植えたままでかまいません。
【鉢植え】
入手した苗木の根鉢よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。
成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えましょう。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から木を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を整理して小さくし、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。
剪定

ウメモドキの剪定の適期は12月〜翌年3月です。落葉して休眠している時期に剪定しておきましょう。花芽は春に伸びた枝の葉の付け根あたりにつくため、その時期に剪定すると花が咲かなくなるので注意してください。
ウメモドキは株立ち状で、地際から細めの枝を放射状に枝垂れさせる樹形が特徴です。樹形はほとんど自然に整うので、放任してもかまいません。ただし枝が込み合っているようであれば、「すかし剪定」を行って調整します。古い枝や細くて弱々しい枝、ほかの枝に絡んで生育の邪魔になっている枝を選んで切り取りましょう。芽吹きやすいので、特に剪定位置は選びません。切り詰めすぎると徒長枝が発生しやすくなるので、注意してください。木が成長し、株元から幹が多数立ち上がって邪魔になっている場合は、古い枝を選んで地際で切り取り、新しい枝に更新するとよいでしょう。
増やし方

ウメモドキは、挿し木や種まきで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
【挿し木】
挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ウメモドキは挿し木で増やせます。
挿し木の適期は、6月頃です。その年に伸びた新しい枝を10〜15cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に移して育苗し、ほどよく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。
【種まき】
ウメモドキは10〜11月に果実をつけるので、採取して果肉を取り除いた後、流水できれいに洗い流し、そのまま種まきしましょう。
黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。ウメモドキの種子を黒ポットに数粒播いて軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。乾燥させると発芽しないので、水の管理に注意します。発芽した後は、日当たりのよい場所に移しましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引きます。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。
ウメモドキを育てて季節の移ろいを感じる庭を

ウメモドキは真っ赤な果実をつける姿が愛らしく、古くから茶花としても活躍してきた庭木の1つです。新緑や開花、結実、紅葉が楽しめ、四季の移ろいを強く感じることのできるウメモドキを、庭に迎え入れてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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