【初心者OK】ワケギの育て方・食べ方完全ガイド|ネギとの違いも解説!
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家庭で簡単に育てられ、薬味にも大活躍のおすすめ野菜「ワケギ」。この記事ではワケギの特徴や育て方、旬の食べ方までを徹底解説! ネギやアサツキとの違い、キッチンでの水耕栽培、初心者向けの栽培カレンダーなど、ワケギの魅力や育て方が丸ごと分かるこの記事を読んで、ワケギ栽培に挑戦しましょう!
目次
ワケギの基本情報

植物名:ワケギ
学名:Allium × wakegi
英名:Wakegi、Bunching onion
和名:ワケギ(分葱)
別名:ヒトモジ
科名:ヒガンバナ科
属名:ネギ属
原産地:西アジアから地中海東部
形態:宿根草(多年草)
ワケギはヒガンバナ科ネギ属の野菜で、原産地は不明ですが、西アジアから地中海東部という説があります。ネギに似た見た目ですが、ネギとタマネギの一種であるエシャロットとの交雑種です。
日本では主に西日本でよく栽培されています。東日本ではワケネギをワケギと呼ぶことがありますが、厳密にはワケネギはワケギとは別の種類です。植え付けから収穫までは条件がよければ30日ほどと短く、葉を刈り取る際に根元を残せばまた成長するため、長期間収穫を楽しむことができます。日々の料理に使いやすく、ビギナーにもおすすめの野菜です。
ワケギの花や葉の特徴

園芸分類:野菜
草丈・樹高:60〜70cm
耐寒性:普通
耐暑性:普通
花色:白
ワケギは、地上部はネギによく似た見た目で、根元はタマネギに似て球根のように膨らんだ鱗茎があります。花色は白ですがほとんど咲きません。花をつける位置にはむかごができ、ネギのような種子はできません。味はクセが少なく香りもソフトで、ネギよりも辛みが少なく甘みが多いのが特徴です。
ワケギの収穫時期と旬

ワケギは通年出荷されている野菜ですが、露地ものの収穫最盛期は3月中旬〜5月中旬と、9〜11月です。旬といわれているのは3〜4月で、冬に蓄えた栄養で成長するこの時期のワケギが特に美味しいとされています。
ワケギの名前の由来と花言葉

ワケギは、鱗茎からよく枝分かれして育つことから「分け葱」として名付けられました。よく分かれて増えることから、ワケギのぬたを子孫繁栄の縁起物とする風習もあります。
ワケギのみに設定された花言葉はありませんが、ワケギはアリウムの仲間。アリウムの花言葉は「無限の悲しみ」「くじけない心」「夫婦円満」などです。
ワケネギやアサツキとの違い

ワケギはネギとタマネギの仲間の交雑種で、球根(種球)で増やしますが、ワケネギは「分けつ(新しい茎が枝分かれして生えてくる現象)」が多いネギの一種で、1つの株が分かれて増えるのが特徴です。アサツキもネギの仲間で、ネギよりも色が薄くほっそりした形をしています。
ワケギとワケネギやアサツキを見分けるポイントは根元の形で、根元が膨らんでいるものがワケギです。ただし、東日本ではワケネギをワケギと呼ぶことも多く、混同されていることも少なくありません。
ワケギの栽培12カ月カレンダー
最も一般的なのは、8月下旬~9月に植え付ける冬どり栽培ですが、早生種や晩生種などの品種もあり、品種により秋口から春まで収穫できます。
植え付け: 8月下旬〜9月中旬(冬どり)
収穫:10月〜翌年2月(冬どり)
肥料:適宜(草丈15cm程度が目安)
掘り上げ:5〜6月
ワケギの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】ワケギは日当たりと風通しのよい場所に植えます。
【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本ですが、明るい場所で水栽培することもできます。
【置き場所】酸性の土壌をやや嫌うため、苦土石灰などを用いて調整しておきましょう。
耐寒性・耐暑性
生育の適温は15〜20℃で、温暖な環境を好みます。
ワケギの育て方のポイント
用土

【地植え】
畑で栽培する場合は、植え付けの2週間前に土壌に苦土石灰を混ぜ込んでおき、1週間前には堆肥や元肥を入れましょう。
【鉢植え】
プランターで栽培する場合は、野菜用培養土を使うのがおすすめです。
植え付け

ワケギは種子ができにくい植物のため、球根(種球)を購入して植えるのが一般的です。ワケギの種球は鱗が重なったような形状の鱗茎です。
植え付けの適期は8月下旬〜9月です。植える際は1カ所に2〜3球まとめ、株間を15〜20cmあけて植え付けます。芽先が地面からのぞくくらいの深さに植えましょう。
日常のお手入れ

プランター栽培の場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えの場合は自然の雨任せでも育ちますが、乾燥しやすい場所や時期には適宜水やりをするようにしましょう。
また、草丈が約15cm程度になったら、化成肥料と油粕を少量施します。葉の様子を見ながら、2週間に1回程度のペースで追肥するとよいでしょう。
収穫

草丈が約20cm程度になったら収穫することができます。
収穫する際は、株元を地際から3〜4cmほど残し、刈り取るようにします。このようにすると、すぐに新芽が伸びて元のような姿に戻り、何度か繰り返し収穫ができます。収穫後は、株元に追肥しましょう。
増やし方

ワケギは分球で増やすことができます。4月中旬まで収穫することができ、5〜6月になり葉が枯れてきたら球根を掘り上げます。掘り上げた球根は、土を落として乾燥させ、風通しのよい場所にネット袋などに入れて保管します。そして、また8月下旬〜9月になったら、掘り上げた球根を分けて植え付けます。
キッチン栽培も可能

ワケギは菜園やプランターだけでなく、キッチンでも手軽に再生栽培できます。
キッチンでのワケギの栽培方法は、以下の通りです。スーパーなどで購入した根が付いたワケギを5cmほどカットし、清潔な器にワケギの根元を入れて水を注ぎます。日当たりのよい窓際などで管理し、毎日水を変え、ぬめりもしっかりと洗い流します。
再生栽培したワケギは、加熱して食べると安心です。
ワケギの選び方や保存方法
ここからは、スーパーや八百屋などでのワケギの選び方や保存方法について解説します。
選び方

ワケギを選ぶ際は、葉が細くすらっと伸び、根元が膨らんでいるものが望ましいです。また、葉の長さや太さがそろっていて、先までピンと伸びているものがよいでしょう。古い葉や枯れ葉が混じっていないかをチェックすることも大切です。
冷蔵保存

ワケギを冷蔵保存する際は、切っていない状態で新聞紙に包んで野菜室に入れます。もしくは、湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存する方法もあります。
切ったワケギを保存する場合は、湿らせたキッチンペーパーを敷いた保存容器に入れ、さらに湿らせたキッチンペーパーをかぶせます。ただし、キッチンペーパーはまめに交換する必要があります。
ワケギは鮮度が落ちやすい野菜なので、できるだけ早めに使いましょう。
冷凍保存

ワケギを冷凍保存する際は、刻んで密閉容器に入れるかラップに包み、冷凍庫で保存します。刻んでから冷凍すると必要なときにすぐに使うことができ、便利です。
また、軽く茹でてよく水気を絞ってから冷凍することも可能です。この場合、3週間ほど保存することができます。
調理するときは解凍すると水気が出るため、凍ったまま使用します。
ワケギに含まれる栄養

ワケギにはβカロテンや葉酸、ビタミンCなどが多く含まれています。また、食物繊維やカリウム、鉄なども含まれています。さらにワケギに含まれる香り成分の硫化アリルには、消化を促進し、食欲増進をサポートする効果があることが知られています。
ワケギはどう食べる?

ワケギを調理する際の下処理の方法や、主な食べ方をご紹介します。
下処理

ワケギは下処理をすることで、ぬたなどの料理に簡単に使うことができます。
沸騰した湯に根元から入れ、葉先までさっと茹でます。根元のほうが火が通りにくいため、根元から茹でることで火の通りが均一になります。水気を切ってまな板の上に置き、包丁やすりこぎで根元から葉先へとしごくと、ぬめりを取り除くことができます。ただし、ぬめりにもネギの風味があるため、全て取り除く必要はありません。好みに応じて取りましょう。
主な食べ方

ワケギはぬたにするのがポピュラーな食べ方です。下処理をして適当なサイズにカットし、みそや砂糖などの調味料と和えます。酢味噌やからし酢味噌などともよく合います。
また、ワケギを細かく刻んで薬味にするのもおすすめです。ネギよりも辛みが少なく食べやすい薬味になります。
ワケギを育てて料理に活用しよう

ワケギは小ネギによく似ていますが、根元が膨らんでいるところが見分けるポイント。辛みが少なく甘みが多いので、食べやすいのが魅力です。
育てるのも比較的簡単で、プランターやキッチンでも栽培できます。手元で育てていると薬味などに少量ずつ使えて便利なので、ぜひ自宅でワケギを育ててみてはいかがでしょうか?
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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