私たちの身の回りにある植物には、驚くような漢字があてられているものがたくさんあります。普段はカタカナやひらがなで目にすることが多い植物たちも、漢字で見るとまるで別物? 身近な植物をテーマにした「難読漢字クイズ」をお届けします。
目次
身近な植物!「吾亦紅」ってどんな植物?

実際に育てている植物でも、漢字で表記されると案外分からないことが多いもの。普段呼び慣れている名称とは違う名前があったり、意外な漢字が使われていたりと、そこには面白い世界が広がっています。
ここでは、難読といわれる植物の漢字表記の中から、身近な植物に関するものをクイズ形式で出題!
今回のお題は「吾亦紅」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか?
ヒント
夏から秋にかけて咲く丈夫な花。野趣ある風情が茶花としても人気。
正解は…
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われもこう

ワレモコウの基本データ
学名:Sanguisorba officinalis
科名:バラ科
属名:ワレモコウ属
原産地:ユーラシアの温帯から亜寒帯、北米大陸北西部~西部
和名:ワレモコウ(吾亦紅、吾木香など)
別名:サンギソルバ、ウマズイカ、ダンゴバナなど
英名:great burnet
開花期:7~10月
花色:赤茶
形態:宿根草(多年草)
草丈:20~180cm
日本では山野に自生し、秋を彩る山野草として親しまれてきたワレモコウ。古くは『源氏物語』や『徒然草』にもその名が登場します。茎が細く、わずかな風にもゆらゆらと揺れる繊細な佇まいが魅力です。野趣を感じさせる咲き姿は、ナチュラルガーデンや雑木の庭、和の庭によく似合い、秋らしい花なので季節感の演出にもおすすめ。茶花やドライフラワーとしてもよく利用されます。花のように見える部分はじつは萼(がく)なので、暑い季節も花もちがよく、夏~秋と長期間にわたって開花するのも嬉しいところ。耐寒性・耐暑性に優れ、手を掛けなくてもよく育ちます。生薬としても利用され、また特に同属のオランダワレモコウ(サラダバーネット)は食用のハーブとしても有名です。
「吾亦紅」の由来とは?

ワレモコウは、現代では漢字で「吾亦紅」と書かれるのが一般的になりましたが、ほかにも「吾木香」「我毛紅」「我毛香」「我妹紅」などたくさんの表記があります。今回ご紹介した「吾亦紅」の場合は、「~もまた」という意味の「亦」を「も」と読んで、「吾(われ)亦(も)紅(こう)」となります。ちなみに、源氏物語では「吾木香」という漢字で登場しています。
ワレモコウという名前の由来ははっきりしませんが、キク科の植物で線香の原料にもなるモッコウ(木香)と似たほのかな香りがあるとされること、また「木瓜紋(もっこうもん)」を割った形に似ていることの2つの説が有力です。「われもこうありたい」という意味で名付けられたという説や、ワレモコウ自身が「われも亦(ま)た紅なり」と唱えたという俗説もありますが、これらは漢字を元にした説ではないかと考えられています。
ワレモコウは「我も恋う」に重なるところから、俳句や短歌などにも多く詠まれてきた花です。有名なものとしては、高浜虚子の次の俳句があります。
吾も亦紅なりとひそやかに
高浜虚子
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Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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