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「吾亦紅」ってなんて読む? 正解できたらすごい難読植物名漢字クイズ【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.10

2025.08.16
「吾亦紅」ってなんて読む? 正解できたらすごい難読植物名漢字クイズ【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.10

私たちの身の回りにある植物には、驚くほど難しい漢字表記がたくさんあります。普段はカタカナやひらがなで目にする植物たちも、漢字で見るとまるで別物かも? 身近な植物をテーマにした「難読漢字クイズ」をお届けします。

身近な植物!「吾亦紅」ってどんな植物?

クエスチョン
Fumeezz/Shutterstock.com

実際に育てていても、漢字で表記されると案外分からない植物も多いもの。普段呼んでいるのとは違う名前があったり、意外な漢字表記があったり、植物の漢字も面白いものです。

そんな植物の漢字表記の中から、身近な植物に関するものをクイズで出題!

今回のお題は「吾亦紅」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか?

ヒント

夏から秋にかけて咲く丈夫な花。野趣ある風情が茶花としても人気。

正解は…

われもこう

ワレモコウ
Flower_Garden/Shutterstock.com

ワレモコウの基本データ

学名:Sanguisorba officinalis
科名:バラ科
属名:ワレモコウ属
原産地:ユーラシアの温帯から亜寒帯、北米大陸北西部~西部
和名:ワレモコウ(吾亦紅、吾木香など)
別名:サンギソルバ、ウマズイカ、ダンゴバナなど
英名:great burnet
開花期:7~10月
花色:赤茶
形態:宿根草(多年草)
草丈:20~180cm

日本の山野に自生し、秋を彩る山野草として古くから親しまれてきたワレモコウ。日本では『源氏物語』や『徒然草』にもその名が登場します。茎が細く、わずかな風にもゆらゆらと揺れる繊細な佇まいが魅力です。野趣を感じさせる咲き姿は、ナチュラルガーデンや雑木の庭、和の庭によく似合い、秋らしい花なので季節感の演出にもおすすめ。茶花やドライフラワーとしてもよく利用されます。花のように見える部分はじつは萼なので、暑い季節も花もちがよく、夏~秋と長期間にわたって開花するのも嬉しいところ。耐寒性、耐暑性に優れ、手を掛けなくてもよく育ちます。生薬としても利用され、また特に同属のオランダワレモコウ(サラダバーネット)は食用のハーブとしても有名です。

「吾亦紅」の由来とは?

ワレモコウ
High Mountain/Shutterstock.com

ワレモコウは、現代では漢字で「吾亦紅」と書くことが一般的になりましたが、ほかにも「吾木香」「我毛紅」「我毛香」「我妹紅」などたくさんの表記があります。今回ご紹介した「吾亦紅」の場合は、「~もまた」という意味の「亦」を「も」と読んで、「吾(われ)亦(も)紅(こう)」となります。ちなみに、源氏物語では「吾木香」という漢字表記で登場しています。

ワレモコウという名前の由来ははっきりしませんが、キク科の植物で線香の原料にもなるモッコウ(木香)と似たほのかな香りがあるとされること、または「木瓜紋(もっこうもん)」を割った形に似ていることを由来とする説の2つが有名です。「われもこうありたい」の意味で名付けられたという説や、ワレモコウ自身が「われも亦た紅なり」と唱えたという俗説もありますが、こちらは漢字を元につけられたのではないかと考えられています。

ワレモコウは「我も恋う」に重なる名前から、俳句や短歌などに詠まれてきた花です。有名なものとしては、高浜虚子の次の俳句などがあります。

吾も亦紅なりとひそやかに

高浜虚子

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