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【6月20日はペパーミントの日】うれしい効果いっぱい! ペパーミントの効能や使い方

【6月20日はペパーミントの日】うれしい効果いっぱい! ペパーミントの効能や使い方

「ペパーミント」という植物をご存じでしょうか。アイスやお菓子としてなじみ深いミントの一種類ですが、じつは、たくさんの効能がある、魅力的なハーブなのです。この記事では、ペパーミントの効能やその使い方についてご紹介していきます。

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ペパーミントとは

ミントとは、ハッカ(Mentha)属の植物の総称です。全世界で栽培、交配が盛んに行われてきたため、認定されている品種だけでも100種類以上あり、認定されていないものを含めれば600種類とも。種類によって、香りも大きさも葉姿も異なります。

こちらはスペアミント。葉がギザギザとがっているのが特徴の人気があり、ポピュラーな品種です。
こちらはスペアミント。葉がギザギザとがっているのが特徴で、人気のあるポピュラーな品種です。

その中でも、今回の主役・ペパーミントは、スペアミントとウォーターミントの自然交配で生まれた交雑種で、ミントの代表的な品種の一つです。

ペパーミント

ヨーロッパに自生し、一般に温暖で湿った場所を好みます。現在ではアジアや北米など世界各地で栽培され、草丈は50~80cm程度に生長します。

ミント特有の爽やかな清涼感のある香りで、料理のほか、ガムや歯磨き粉などにも利用されています。

ペパーミントの歴史

ミントは古くから食用だけでなく、薬用、香料としても使われてきました。歴史はメソポタミア文明までさかのぼることができ、粘土板の楔形文字にはハーブが書かれていて、その中にミントもありました。また、紀元前1000年前後のエジプトの墓から、ミントの一種が発見されていますし、古代ヘブライ人は、集会場の床にミントの葉を敷き詰めて、踏むたびに香りが広がるよう工夫をしていたとか。その後、ローマ兵によりローマ帝国全土に広がり、来客をもてなすために部屋でミントの葉をもんで、香りを漂わせていたといわれています。

そして、1700年代後半にはイギリスで大人気となり、大量に栽培されるようになっていきます。

ミントの名前の由来

ミントの名前の由来は、ギリシア神話に登場する妖精メンテ(Menthe)で、呪いにより草に姿を変えられたという話が伝わっています。

ミントの名前の由来

冥王ハーデースは、非常に美しいメンテに魅了されてしまいます。それを知った冥界の女王である妻・ペルセポネーの呪いで、メンテは草に変えられてしまいます。それ以来、この草はミントと呼ばれ、ハーデースの神殿の庭で咲き続けたそうです。また、地上でも芳香を放ち、人々に自分の居場所を知らせるのだといわれています。

 ペパーミントの効能

ペパーミントの爽やかな清涼感と刺激的な風味の主成分は、メントール。メントールには、鎮痛・鎮痒・冷却・防腐・殺菌作用があるため、湿布や軟膏など医療分野でもよく使われますね。また、その爽快感から、歯磨き粉やガム、化粧品などにも利用されています。

メントールには胃の消化促進作用があるため、食後のティーとしてもおすすめで、食べすぎ・飲みすぎなどで胃の調子が悪い時や、胃のむかつき症状、胃潰瘍の予防にも○。

風邪の引き始めに飲むとすっきり

風邪の引き始めに飲むとすっきりしますし、乗り物酔いを緩和する効果も期待できます。

加えて、ペパーミントには鎮静作用があり、精神的な緊張を和らげ、イライラをしずめ、心身をリラックスさせ、安眠へ導いてくれます。

ペパーミントの使い方

生のまま

生のままの葉(フレッシュ)を使用します。

サラダやアイスくりーむ、ケーキなどに添えたり、カクテルや甘い飲み物に飾りとして使われることも多いですね。生の葉をホイップクリームや、チョコレートムースに入れたり、シャーベットに加えたりと、スイーツとの相性もぴったり! 生の葉をすり潰すことで、香りもさらに立ちますよ。

こちらはフォンダンショコラペパーミントシロップ添え
こちらはフォンダンショコラペパーミントシロップ添え。

また、リーフレタスのサラダにペパーミントの葉をちぎって混ぜてもおいしく、おすすめです。オリーブオイルにレモン汁と塩コショウで、シンプルに!

こちらはペパーミント+スペアミントを加えたオレンジのサラダ
こちらはペパーミント+スペアミントを加えたオレンジのサラダ。

ペパーミントには、苦み成分も含まれているので、慣れないうちは、少量での利用にしておくとよいでしょう。

また、生葉はハーブティーとして飲むこともできます。

生葉はハーブティーとして飲む

葉は食べなくても、あの爽やかな香りは存分に楽しめます。フレッシュでしか味わえない、贅沢なティーになりますよ。

たくさん収穫できたら、生の葉をお風呂に入れて、フレッシュハーブバスにしてもいいですね。

フレッシュハーブバス

ペパーミントの持つ清涼感で、汗でべたべたした体もすっきりします。

乾燥させて

乾燥させた(ドライ)状態でも使用できます。

ペパーミントは、冬にはいったん葉を落とし、春にまた出てくる多年草。晩秋に収穫しておき、一年中活用できるように工夫した方法が、乾燥(ドライ)です。

乾燥させる

中東や地中海沿岸、ヨーロッパでは、ペパーミントの乾燥した葉を、マトンやラム肉料理などの香草焼きによく使います。もちろん、クッキーなどの焼き菓子にも。

また、ミントの持つ爽やかな香りは、ニオイ消しや殺菌作用もあります。ドライにしたものを布袋に詰めておけば、簡単匂い袋の完成! 靴の中に入れたり、車に置いたり、下駄箱やトイレなどの消臭剤として使ってもいいですね。

ミント・ローズマリー・ラベンダーをミックスしたにおい袋
ミント・ローズマリー・ラベンダーをミックスした匂い袋。

精油(エッセンシャルオイル)

ペパーミントは料理やお風呂で活用するだけでなく、葉から有効成分を抽出した精油(エッセンシャルオイル)としても活用されます。ペパーミントの精油には、リフレッシュ作用や消化促進作用、鎮痛作用、抗菌作用などが期待できます。

マスクが手放せない昨今…皮膚に直接付かない場所に、ペパーミントの精油をほんの少量つけているだけで、いい香りに。気持ちも違いますよ。
マスクを着用する際に皮膚に直接触れない場所に、ペパーミントの精油をほんの少量つけるだけで、いい香りに。気持ちも和みますよ。

ペパーミントは、普段からなじみのある香りですし、精油初心者さんにも取り入れやすいハーブです。まずは、マグカップにお湯を入れ、そこにペパーミントの精油を1滴たらしてみてください。それだけで、リラックス作用を実感していただけるはず。

マグカップにお湯をはって、そこにペパーミントの精油を1滴

また、体の不調を整えるだけでなく、リンパの流れを促し、滞った血液や老廃物を排出する作用もありますので、美容目的としてもおすすめです。その場合は、ホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどの植物油で希釈して、セルフトリートメントをしてみてください。

*アロマオイル・フレグランスオイルなどの記載は、人工香料を指している場合もあります。表記を確認の上、必ず植物100%の天然香料を選びましょう。

*妊娠中・高血圧・てんかんの方は使用を避けてください。

*皮膚刺激が強いため、濃度を低くして使用します。特に敏感肌の方は注意してください。

ハーブティーが定番

ミントハーブティーとは

ミントを使ったハーブティーを「ミントハーブティー」と呼びます。

飲み方は、冬はホット、夏はアイスがおすすめ! 独特の清涼感が口の中に広がり、美味しいですよ。また、鎮静作用もあり、カフェインレスですので、寝る前やリラックスタイムにもぴったりなハーブです。

ミントのハーブティーは世界中で愛用されていて、基本禁酒の国・アラブでは、アルコールの代わりに、夏を代表する飲み物として、ミントティーやミントレモネードがよく飲まれています。

夏にぴったり!ミント×ライムが爽やかなスパークリングウォーター
夏にぴったり!ミント×ライムが爽やかなスパークリングウォーター。

その際のコツを2点。

まず、先に伝えた「効能」を体内に取り入れたいのであれば、続けること。1日1杯から始めて、まずは1カ月続けましょう。ハーブは薬ではないので、速効性はありません。じわじわと身体に作用していきますので、長い目で見ることも大切です。

2つ目は、有効成分は1度目におおよそ抽出されている点。緑茶と違い、2番茶・3番茶と飲むのではなく、1杯目を楽しみましょう。

作り方

生の葉を使用したフレッシュハーブティーと、乾燥させた葉を使用したハーブティーがあります。通常「ハーブティー」と書いてあるだけなら、乾燥した葉を使用していることが多いです。ミントは葉の部分のみを使用します。

生のミントを使う場合は、収穫したミントの葉を1枚ずつ枝から切り離し、水でさっと洗い、1杯約150ccに対し、葉を15~20枚ほどティーポットに入れます。

生の葉を使用したフレッシュハーブティー

そこにお湯を注ぎ、3分蒸らしたら完成です。

乾燥させたミントで作る場合は、1杯約150ccに対し、ティースプーン山盛り1杯が基本の量になります。こちらも、お湯を注ぎ、3分蒸らしたら完成します。

自家製のミントをドライにして保存する場合は、開花前のミントを根元で切り、水で洗い、水分をふき取ります。その後、数本ずつ輪ゴムで茎の部分を束ね、逆さまにして、風通しのよい場所で自然乾燥させましょう。

逆さまにして、風通しの良い場所で自然乾燥

その際、だらだらと時間をかけてしまうと、せっかくの芳香成分が揮発して、おいしく飲めない状態に…。扇風機やエアコンなどを利用して、短時間でカラッと乾燥させることがコツですよ。

育てておくと便利に使えますが、家にミントがなくても大丈夫! ハーブティー用のドライハーブは、インターネット通販を利用すれば、簡単に購入できます。

おすすめの飲み方

ハーブティーの楽しみは、香りと色。フレッシュでもドライでも、使用する種類によって、とても美しい色が楽しめます。せっかくなので、透明な耐熱ガラスのカップとティーポットを使用することをおすすめします。

他のハーブとブレンド

また、ミントの葉だけだと青臭さが強くて飲みづらいかもしれません。その場合は、他のハーブとブレンドしてみましょう。いくつかブレンドレシピをご紹介しますね。

1. ミント×ミント

ペパーミント・スペアミント・アップルミントなどのミント類を合わせてみましょう。すべて同量、または、好きな香りがあれば、それを多めにブレンドします。

2. ミント×レモンバーム

ペパーミント・レモンバームを同量でブレンド。

3. ミント×ローズマリー

ペパーミント1に対して、ローズマリーはその半量~1/3をブレンド。

ミント×ローズマリー

ブレンドというと、一気にハードルが上がったように感じるかもしれませんが、ハーブは、他の種類と合わせることで、お互いの角を取り、まろやかな味わいにしてくれるんですよ。ぜひ一度、試してみてください。そのあとは、割合をお好みで変えて、オリジナルブレンドを楽しんでくださいね。

また、ミントティーは幅広くアレンジもできます。

例えば、ミルクを入れてミルクティーに。好みで砂糖を入れれば、より飲みやすくなります。

ミルクを入れてミルクハーブティー

ココアに入れるのも美味しく、ココアの甘さとミントの爽快感が楽しめます。アイスにして、上にミントを乗せると見た目も可愛くなりますね。

番外編として、ミントはお酒との相性もばっちり! キューバ発祥のモヒートは、夏にぴったりな爽快感溢れる定番カクテルですよね。

キューバ発祥のモヒート

砂糖・ライム・ミントを混ぜて氷を入れ、ラム酒と炭酸水を注げば完成です。お酒の好きな方は、ぜひお試しを。

ペパーミントの保存方法

水に挿して

ペパーミントの生の葉は比較的日持ちがします。茎が長いものなら、コップに水を入れて、その中に挿しておき、必要な分を使用します。水は毎日替えてくださいね。この状態で常温または、冷蔵庫で保管します。

密閉して

茎が短い場合は、密閉容器か保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。私がよくやる方法は、ミントの葉は1枚ずつカットして、水を含ませたキッチンペーパーを敷いたトレイに並べ、蓋をして冷蔵庫で保管、です。

茎が長い場合は、ミントを水で濡らしてよく絞ったキッチンペーパーで包み、寝かせて冷蔵庫で保管します。1週間ほどは持ちますが、水分が多く浸っている状態だと、葉が黒ずんだり、葉から成分が水に溶け出してしまいます。水分は、ほどほどに。

冷凍して

そのまま保存袋に入れて冷凍することができます。冷凍しておくと、一年中使えるので便利です。フリーズドライ状態ですので、手で少し触ると粉々に。スープやお料理の飾りに使ってもいいですね。

また、製氷皿に水と共に入れてアイスキューブにするのもおすすめ。夏、お水を飲むときにキューブを入れればミントの葉が浮かび、清涼感も増します。冷凍なら、芳香成分をそのまま閉じ込められるので、保存方法としても優秀です。アイスティーに入れればアイスミントティーにもなりますね。

ペパーミントでリラックス

ペパーミントの特徴と使い方が、伝わったでしょうか? ペパーミントには、体にうれしい効能がたくさんあります。特におすすめは、手軽に贅沢気分が味わえる「フレッシュハーブティー」。

ペパーミントでえリラックス

すぐに飲みたいところですが、まずはカップを鼻に持っていき、香りを吸い込みながら、深呼吸。鼻から成分を取り込みましょう。芳香成分は一瞬にして脳に届くといわれています。鼻から取り入れたら、次は口から。胃に落ちていく時の爽やかな感覚と、口の中に広がるフレッシュさを感じると、「ほっ」とできるはず。一度飲んだらやみつきになります。暮らしにペパーミントを取り入れて、リラックスできるおうち時間を楽しんでくださいね。

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