コンパニオンプランツを使った「ミント&バジルのグリーンシロップ」でミントコンディションな私になる!【ルーシーのおいしい暮らし】
野菜を病気や害虫から守り、成長を促進させる「コンパニオンプランツ」。トマトの側に植えてある「バジル」や、畑の脇に生えている「ミント」、夏の終わりとともに彼らの役割もおしまいです。今回はミントとバジルを使って、心も身体も元気になる色鮮やかな「ミント&バジルのグリーンシロップ」を作りましょう! 神奈川県葉山で植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動中のルーシー恩田さんが教えてくれます。
目次
コンパニオンプランツとは
コンパニオンプランツとは、お互いに助け合いながら成長していく植物のことで、「共栄植物」「共存植物」とも呼ばれています。夫婦や友人同士でも、どちらか一方が「GIVE」ばっかりじゃ疲れちゃう。人も植物も、助け合いの精神が大切なのです。
例えば、「トマトとバジル」も、側に植えることで、病気を防いだり、虫除けの役割をしたり、味や香りがよくなるなど、互いの成長によい影響を与え合う植物の組み合わせです。
もちろん農薬ほどの効果はありません。「コンパニオンプランツ」は先人の知恵のようなものですが、「バジル&トマト」の組み合わせは色味が綺麗だし、料理の相性も抜群なので、一緒に育てておくと何かと便利。試してみても損はありませんよ。
コンパニオンプランツの組み合わせ
我が家の畑でも実践しているコンパニオンプランツをご紹介します。マリーゴールドとバジルがそこら中に生えているので華やか。
■ マリーゴールド → 根菜、ナス、トマト、キュウリなどに
マリーゴールドの根からの分泌物を、土中のセンチュウが嫌がります。花の香りにも防虫効果があり、アブラムシやコナジラミに効果的といわれています。花がミツバチなどの虫を呼び、ズッキーニなどの結実促進にも繋がります。上写真の庭の一角では、マリーゴールドが主役のように。切り花として、お家にも飾りましょう!
■ バジル → トマトなどに
トマトを害虫から守り、生育を促進させ風味をよくする効果があるとされています。トマトはあまり水分を必要としない野菜。雨が続く日などは、余分な水分をバジルが吸収してくれる効果も期待できます。我が家の畑では、ホーリーバジル2種、タイバジル、スイートバジル、シナモンバジル、クイーンオブバジルの6種類のバジルを植えています。香りもよいし、目にも楽しい、何となくただそれだけの理由です。
■ ミント → ブルーベリーやトマトなど野菜全般に
殺菌効果があり、ミントの香りをアブラムシ、モンシロチョウ、毛虫などの害虫が嫌うので、植物全般に効果的です。ただミントは、なんといっても繁殖力が旺盛! 地下茎で増えるので、地植えにすると、どんどんテリトリーを広げてしまい、困ったことになります。我が家では、和薄荷、スペアミント、そして植えた覚えのない大量のアップルミントが畑の端に生えています。
その他にもチャイブ、ローズマリー、オレガノなど、ハーブ類には害虫忌避効果があるものが多いので、野菜と一緒に植えてみてはいかがでしょう? 採れたての野菜とフレッシュハーブ、そしてオリーブオイルと塩さえあれば、シンプルなご馳走がいつでも楽しめます。
夏の終わりのハーブ仕事
ハーブたちが元気に育つのは、春から夏にかけて。夏の終わりの今頃は、花茎が伸びて開花準備をする「トウ立ち」が本格的に始まります。トウ立ちが始まると、花を咲かせることに力を注ぐため、葉に栄養が行きにくくなり、その結果、葉が硬くなり香りが落ちてきます。
種子を収穫したい場合には、このままトウ立ちさせて花を咲かせます。
私の晩夏のお楽しみは、バジルやミント、オレガノなどのハーブをいっぺんに収穫し、コーディアルなどのシロップを作ったり、乾燥させてドライハーブやハーブティーにすること。オシャレにいうならば「季節の手仕事」的なものかしら。
中でも、夏の終わりにピッタリなのが「ミント&バジルシロップ」。ミントでクールダウンし、バジルの香りで大人っぽさを演出。デザートからお酒まで、老いも若きも楽しめちゃう気分爽快系シロップです。
ルーシーの「ミント&バジルシロップ」レシピ
ミントとバジル、どちらも夏の間にコンパニオンプランツとして、お役目を果たしてくれた子たち。せっかくですから、鮮やかなグリーン、このビビッドな色味を生かしてシロップにしましょう。
通常コーディアルなどのシロップは、ハーブを煮込んで成分や香りも抽出するため、どうしても色が茶色くなってしまいます。
このレシピでは、ミントとバジルを「一瞬」だけ湯がき、氷水の中で急冷することで変色を防ぎます。そして葉とシロップを一緒にピューレ状にミックスするので、煮出すタイプのシロップよりも香りが強く、ワイルド。香りも効能も丸ごと! 欲張りにいただきましょう。
タイトルにもある「ミントコンディション」とは、アンティークの世界で「新品ではないけれど、新品同様でピカピカ! とっても綺麗な状態」のこと。
「おぎゃー!」と生まれたときの、「純粋な心」と「つやつやのお肌」は遠い昔に置いてきてしまったけれど、いつまでも心身共に「ミントコンディション」でありたいもの。真っ直ぐな心でビーマイセルフ。「なりたい私になる!」そんな皆さんへの応援歌「シロップ」です。
ルーシーの「ミント&バジルシロップ」材料(約500ml分)
- グラニュー糖 2カップ
- 水 2カップ
- ミント 10本ほど(今回はスペアミントとアップルミントを使いますが、他の種類でもOK)
- バジル 5本ほど(今回はタイバジルとホーリーバジルを使いますが、スイートバジルでも大丈夫!)
- 湯がくためのお湯 鍋1杯
※ スペアミントの量を一番多くすると味がまとまります。
作り方
- 沸騰した鍋で、ミントとバジルをそれぞれ15秒湯がく。
- すぐに氷水に入れ、1分ほど冷やす。
- 茎から葉を外し、キッチンペーパーなどで水気を切る。
- グラニュー糖と水を鍋に入れて、中火でグラニュー糖が溶けるまで温める(白いお砂糖のほうが綺麗な色のシロップになりますが、てん菜糖やきび砂糖などでも大丈夫です)。
- ④のシロップが冷めたら、③の葉と一緒にブレンダーにかけてピューレ状にする。
- 細かい葉が嫌ならば、茶こしなどで漉す(私は漉しません!)。
- 煮沸消毒した密閉瓶に入れて完成!
さて、でき上がったシロップ。どうやっていただこうかしら。せっかくなので、私のお気に入りの3つをご紹介します。レシピなんていらないほど簡単。テキトーに気軽に試してみてください。
おすすめ1
ミント&バジルモヒート
日曜の午後はモヒートで決まり。ミントの香りとライムの酸味がクセになるので、飲みすぎに注意です! ラムを抜いてシロップと炭酸を増やせば、バージンモヒートに。くぅーっ!! 最高!
材料
- ホワイトラム 60ml
- 絞ったライム 30ml
- ミント&バジルシロップ 30ml
- 炭酸水 250ml
- 飾りのミントなど 適量
※計量した経験がないので、あくまでも目安です。お好きな濃さで召し上がれ。
作り方
- 氷の入ったグラスに、ミント&バジルシロップ、ホワイトラム、絞ったライムを入れて混ぜ、炭酸水を加える。
- ミントを飾ってでき上がり。
おすすめ2
モロカンミントティー
モロッコでは、緑茶にミントの葉とたっぷりのお砂糖を加えた「モロッコミントティー」が愛飲されています。ホットで甘いこのお茶は、身体も冷えずに爽快感たっぷり! なんだかクセになる味です。
材料
- 緑茶 大さじ1(またはティーバッグ 1つ)
- お湯 180ml
- ミント&バジルシロップ 30ml(甘さはお好みで!)
- 飾りのミントなど 適量
作り方
- ポットに熱湯と緑茶を入れ、濃いめに出す。
- カップに注ぎ、ミント&バジルシロップを入れて混ぜる。
- ミントを飾ってでき上がり。
おすすめ3
ヨーグルトのシロップ添え
朝のヨーグルトのアクセントにも。フルーツやジャムなど、お好みのトッピングで召し上がれ。
材料
- ヨーグルト お好みの量
- フルーツ お好みで
- ミント&バジルシロップ 適量
- 飾りのミントなど 適量
作り方
- ヨーグルトを器に盛り、フルーツなどをトッピングする。
- シロップを回しかけて、ミントを飾ってでき上がり。
他にも、レモネードやカフェラテ、アイスクリームにもよさそう! ミントもバジルも消化器系に効果のあるハーブなので、食べすぎてしまった後や、胃が重い時には、このシロップをお湯で割って飲むのもおすすめです。
ミントには「ひらめき」や「インスピレーション」を授け、古い考え方に「さようなら」をさせてくれるパワーがあります。そして、バジルは考えすぎによる「不安」をなくし、「自分らしい表現」や「生き方」をする助けを与えてくれるはず。
そう、このシロップは、「ツベコベ言ってないで、前に進みなさいよ!」と、あなたの背中をドーンと押してくれる力を秘めているのです。なに?「飲むだけで変われるわけがない」? ほら! またツベコベ言っているじゃない! 信じるものは救われるのよ。ぜひお試しください。
Credit
写真&文 / ルーシー恩田
ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
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