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【世界の名園クイズ】この噴水、どこの庭? ヒントは「オリンピックの競技場にも」

【世界の名園クイズ】この噴水、どこの庭? ヒントは「オリンピックの競技場にも」

Pyty/Shutterstock.com

この噴水のある庭、どこだと思いますか? 金色に輝いているのは人やカエルの形をしたオブジェ。誰もが知る世界的に有名な庭園の一角にある噴水です。――――記憶に深く残る国内外の美しい庭園を、歴史や文化を紐解きながらクイズ形式で紹介していく「世界の名園クイズ」。写真に映る庭の一部やデザインの特徴、説明をヒントに、その庭の正体を推理してみましょう。

【ヒント1】オリンピックの馬術の競技場にも

【ヒント1】オリンピックの馬術の競技場にも
A.RICARDO/Shutterstock.com

直近のオリンピック・パラリンピックでは、この庭園が馬術および近代五種の公式競技会場として使用されました。周囲の景観に配慮した仮設スタジアムやコースが設置され、大会終了後には全てが撤去されました。1924年大会でも、この場所が競技会場になったという歴史があります。

【ヒント2】巨大揚水装置

噴水の水の供給源となったのは、ユネスコの世界遺産に登録されている有名な川。Inspired Vision Studio/Shutterstock.com
噴水の水の供給源となったのは、ユネスコの世界遺産に登録されている有名な川。Inspired Vision Studio/Shutterstock.com

広大な庭園の中には、冒頭の写真の噴水をはじめたくさんの噴水や泉があり、その数は1000を超えるといわれていいます。この場所の周辺には、それだけの水を供給する水源はなかったため、約7km離れた場所にある川から大量の水を汲み上げる巨大揚水装置や大規模な水道橋が建設されました。

【ヒント3】冬越しのためのオランジェリー

【ヒント3】冬越しのためのオランジェリー
Dima Moroz/Shutterstock.com

この写真で、木箱に植えられているのは、オレンジやレモンなどの柑橘類やヤシの木。寒さに弱いこれらの植物は、秋の終わりになると背後に見えている巨大温室=オランジェリーの中に移され、春になるまで大切に保護されます。

このオランジェリーは、世界最古にして最大級の温室建築であり、現代の温室の原型となりました。内部には、長さ150mを超える石造りの大回廊があり、冬の間はここに植物が置かれ、北側の分厚い壁が寒さから植物を守っています。

【ヒント4】左右対称が基本

【ヒント4】左右対称が基本
Uladzik Kryhin/Shutterstock.com

この庭園の特徴は、基本的に左右対称(シンメトリー)であること。中心を通る軸線に対して、左右対称に幾何学模様をデザインし、完全な造形美を作り出しています。これは、自然をも支配する絶対君主の権力を示しており、この時代、この国の象徴ともいえます。

【ヒント5】フランス式庭園の最高傑作

【ヒント5】フランス式庭園の最高傑作
Natalia Bohren/Shutterstock.com

1667〜1670年に造園家のアンドレ・ル・ノートルによってつくられたこの庭園は、フランス式庭園の最高傑作といわれています。太陽王と呼ばれていたルイ14世の依頼により、世界屈指の豪華絢爛な宮殿にふさわしい、1,000ヘクタールもの庭園を完成させました。

さあ、どの国のどの庭か分かりましたか?正解は・・・ 

正解は・・・ 

ヴェルサイユ宮殿の庭園(フランス)

ヴェルサイユ宮殿の庭園(フランス)
Mistervlad/Shutterstock.com

正解は、フランスの首都、パリ郊外に位置するヴェルサイユ宮殿の庭。ルイ14世からルイ16世の時代まで、フランス国王の居城となった場所です。

ヴェルサイユ宮殿が建つヴェルサイユの丘は、もとはルイ13世の狩猟場でした。その場所に、太陽王・ルイ14世の命令のもと、建築家ル・ヴォーとマンサールが設計をし、5年の歳月をかけて1665年、ヴェルサイユ宮殿が完成しました。

庭園設計を担ったのは、フランス式整形庭園の巨匠であるアンドレ・ル・ノートル。彼は広大な敷地を幾何学的なパルテール(刺繍花壇)や運河、林間の小道で構成し、視線が遠くまで抜ける壮麗な遠近法を創出しました。

特に有名なラトナの泉やアポロンの泉などの噴水群は、ギリシア・ローマ神話の世界観を取り入れつつ、王の神格化を巧みに演出しています。水と彫刻、緑が織りなすこの空間は、まさに屋外の宮廷劇場ともいえます。

冒頭の写真の噴水は、ラトナの泉。ここで描かれているのは、オヴィディウスの物語の「変身物語」です。真ん中に立っているのは、太陽神アポロンの母である、女神ラトナ。神話では、ラトナが子どものアポロンとアルテミスを連れて旅する途中、農民たちに水を拒まれ侮辱されたため、彼らをカエルやトカゲに変えたとされます。

ラトナの泉はこの場面を段階的に表現しており、上段に子どもを守るラトナ像、その下にカエルに変身しつつある農民たちの像が配置されています。

ラトナの泉
Pyty/Shutterstock.com

「ヒント3」にも書いたように、整然と左右対称に配置された庭園のデザインや随所に見られる神話彫刻は、自然さえも王の意志によって秩序づけられることを象徴しており、この庭園は、ルイ14世が推し進めた絶対王政の理念を視覚化した壮大な空間であるといえます。

現在、庭園はヴェルサイユ宮殿公共施設によって保存・管理され、今も世界中の観光客から愛され続けています。

丸い池のまわりに幾何学的なパルテールを配したフォーマルガーデン。周囲の建物はオランジェリー。Mistervlad/Shutterstock.com
丸い池のまわりに幾何学的なパルテールを配したフォーマルガーデン。周囲の建物はオランジェリー。Mistervlad/Shutterstock.com 

「ヴェルサイユ宮殿の庭」に関する下記記事もぜひお読みください。

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