【プロが解説】バレンタインにも! ハボタンとリーフのおしゃれカッコイイ寄せ植え

ブーケのように華やかながら、日々植物が生育して姿を変えていくのが寄せ植えの魅力です。1鉢で華やかな寄せ植えの作り方を、花のスペシャリスト、エム・アンド・ビー・フローラの難波良憲さんに教わる連載「1鉢で華やか!寄せ植えブーケ」。第4回目は、花は脇役に回り、主役はハボタンとリーフ。おしゃれでカッコいい寄せ植えなので、バレンタインのプレゼントにもぴったりです。
目次
黒葉のハボタンとリーフ類の寄せ植え

気温の低下に伴って鮮やかに発色するハボタン。白、ピンク、紫などさまざまな色がありますが、今回は黒葉のハボタンを主役にして、花は入れずにリーフ類だけでカッコいい寄せ植えを作っていきます。

【素材】
- ハボタン‘シルバーさんご’ 3苗
- ハボタン‘ブルームレッドウェーブ’ 3苗
- キンギョソウ‘ブランルージュ’ 3苗
- サントリナ 3苗
- ハゴロモジャスミン‘ミルキーウェイ’ 1苗
- アイビー 2苗
(*鉢の大きさに応じて苗の数を調整してください)
【その他の材料と道具】
- 鉢/直径25cm前後 ・鉢底石 ・培養土
- 水を張ったバケツ(手洗い用)・何も入っていないバケツ(土捨て用)
- 回転台(あると便利)
【作り方】
① 鉢の底に鉢底石を入れ、培養土を8〜9分目くらいまで入れます。鉢は回転台の上に乗せて作業します。

② ハボタン‘シルバーさんご’をビニールポットから取り出します。ポットの中で根が回っていたらほぐし、色が褪せていたり、しおれた葉は株元から外します。

③ ハボタン‘シルバーさんご’を、中央に三角形になるように植えます。基本的に後から土を足さないので、株元までしっかり植わるようにグッと苗を土に押し込みます。
【きれいのPoint!】

苗をほぐす際に土を触ったら、1回1回、手を洗ってきれいにしましょう。土のついた手で植物を触ると、葉っぱや花が汚れて仕上がりが汚くなってしまいます。寄せ植えの花たちは、鉢の中で共演する、いわば舞台役者です。汚さないように丁寧に扱いましょう。

④ ハゴロモジャスミンをビニールポットから取り出します。ポットの中で根が回っていたらベリッとはがしながら、ほぐします。長く店舗に置かれていた苗は、表土に苔がついていることがあるので、これもはがしましょう。そのままにしておくと風通しが悪く、ジメジメする原因になります。

⑤ ハゴロモジャスミンを、先ほど三角形に植えたハボタンの中央に配置します。

⑥ キンギョソウをポットから取り出し、ハボタンの間に植えていきます。株間が狭いので、キンギョソウの苗の土をやや落として小さくしてから植えていきます。
【きれいのPoint!】

キンギョソウを植えたら、先に植えたハゴロモジャスミンと葉先を絡めていきます。カリスマ美容師の、仕上げのヘアセットのごとく繊細に! これをやらないと、苗がただ横並びに並んでいるような野暮ったい仕上がりになります。いずれ成長の過程で葉同士が自然に絡んでいきますが、最初からそのように手を加えることで、完成時の見栄えが断然よくなります。

⑦ サントリナをキンギョソウに添わせるように植えていきます。1ポットが大きいようなら、株分けして小さくして植えます。

⑧ サントリナの下に、ハボタン‘ブルームレッドウェーブ’を植え込みます。

⑨ アイビーをポットから取り出して、株元を見ながら1本ずつ株分けします。

⑩ アイビーを鉢の縁に植え、アイビーの葉が鉢をぐるっと1周するように茎を絡めます。ところどころはタランと垂らして、自然な感じに。最後に回転台を回しながら、全体をチェックします。植え込んでいくうちに、最初に植えた植物が傾いてきてしまうことがあるので、微調整しましょう。

完成です。リーフ類だけですが、ブラックやシルバー、パープル、斑入りなどさまざまなカラーや異なる形、質感のものが組み合わさり、見応えのある1鉢に仕上がりました。花がない分見頃は大変長く、また花がら摘みも必要のない寄せ植えです。おしゃれでカッコよく、手入れも基本的に水やりだけでOKなので、贈り物にもぴったり。バレンタインのプレゼントとして、手作りの寄せ植えを贈ってみてはいかがですか。
ハボタンのリース寄せ植え

ハボタンとリーフ類をメインにしたリース形の寄せ植えです。4種類のハボタンにリシマキア・ヌンムラリア‘オーレア’、スイートアリッサムなどを組み合わせています。リース形の寄せ植えを作る場合には、草丈が高くならないものを選び、ギュッと詰め込んで植えるのがポイント。植えるスペースが狭いので、株分けできるものは株分けして小さくしてから植えると繊細な雰囲気になります。土の量が一般の鉢より少ないため、乾きに注意して水やりをしましょう。冬は生育が遅くほとんど形が変わらないので、このままの美しい姿が楽しめます。

色や形のバリエーションが豊富なハボタン。寄せ植えでは主役にも脇役にもなり、おしゃれな雰囲気を醸し出してくれる頼もしい素材です。ハボタンを使って、冬の寄せ植えをぜひ楽しんでください。
協力/株式会社エム・アンド・ビー・フローラ
Credit
寄せ植え制作&アドバイス / 難波良憲

八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。気になる方はぜひアカウントを覗いてみてください。
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取材&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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