植木鉢1つあれば、庭がなくともベランダでも季節感あふれるガーデニングが楽しめる寄せ植え。さまざまな花を組み合わせるため、ブーケのように華やかながら、ブーケより何倍も長持ちし、植物が生育して日々姿を変えていくのが大きな魅力です。1鉢で華やかな寄せ植えの作り方を、花のスペシャリスト、エム・アンド・ビー・フローラの難波良憲さんに教わる連載「1鉢で華やか!寄せ植えブーケ」がスタートします。第一回目はクリスマスの寄せ植えです。

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冬は寄せ植えに最適な季節

シクラメン
パンジーやシクラメン、ハボタンなどを使った華やかな冬の寄せ植え。

冬は花が少なくなると思われがちですが、寄せ植えの花材は逆に豊富になる時期です。気温の低さは冷蔵保存のように花の美しさを長く保ってくれますし、生育もゆっくりなため、水やりや花がら摘みなどの世話にも忙しなく追われることがありません。クリスマスや年末年始などのイベントも控えていますから、季節の華やかな寄せ植えでお客様をお迎えしませんか。

冬の寄せ植えの主役シクラメン

シクラメン
個性豊かなシクラメンたち。

シクラメンの進化は目覚ましく、花色や花形もユニークなものが次々に登場します。こんもりとした葉っぱの茂みの中から、細長い茎をスッと伸ばして上部に花が集まって咲く咲き姿は、そのままでブーケのよう。ピンクや赤色やフリルなど、華やかなものが多いので、冬の寄せ植えの主役にもぴったりです。

寄せ植えに使うシクラメンの選び方

ガーデンシクラメン‘ドリームスケープ’
屋外で栽培可能なガーデンシクラメンの中でも大輪種の‘ドリームスケープ’。株幅が20~30cmまで広がるため、寄せ植えでは大鉢に向く。

寄せ植えに使うシクラメンは耐寒性の強い「ガーデンシクラメン」と呼ばれるタイプです。他に、室内で楽しむタイプのシクラメンがありますが、こちらは耐寒性がありませんし、たいていは1鉢で楽しめるよう大きな鉢に植えられているため、寄せ植えには向きません。

シクラメンが主役のクリスマスの寄せ植え

シクラメンの寄せ植え

ガーデンシクラメン‘ダブルワーリーギグ’を主役に、カラーリーフや実ものの植物を入れたクリスマス用の寄せ植えを作ってみましょう。丸い鉢の場合は、中央から後方へ草丈の高い植物を、その周辺に段々と低くなるように植物を選ぶと、ドーム状にきれいな形に仕上がります。ゴールドに着色した松ぼっくりを飾って、クリスマス感を演出します。

シクラメンの寄せ植え

【花材】

  • ガーデンシクラメン‘ダブルワーリーギグ’ 1苗
  • キンギョソウ‘ブランルージュ’ 2苗
  • ヒューケラ‘メルティングファイヤー’ 2〜3苗
  • チェッカーベリー 2〜3苗

(*鉢の大きさに応じて苗の数を調整してください)

【その他の材料と道具】

  • 鉢/直径20cm前後
  • 鉢底石
  • 培養土
  • 水を張ったバケツ(手洗い用)/ 何も入っていないバケツ(土捨て用)
  • 回転台(あると便利)

【作り方】

① 鉢の底に鉢底石を入れ、培養土を8〜9分目くらいまで入れます。鉢は回転台の上に乗せて作業します。

シクラメン

② シクラメンをポットから取り出し、ビニールポットの中で根が回っていたらベリッとはがしながら、ほぐします。また、葉っぱをかき分けて、内側に枯れたツボミや葉、黄変した葉があれば取り除きます。この後に登場する他の植物も同様にします。

シクラメンの寄せ植え作り

枯れた葉っぱにはカビが発生することがあり、そのままにしておくと病気の原因となります。

シクラメンの寄せ植え作り

③ シクラメンの株元を両手で持ち、土の中にグッと押し込むように中央に植えます。最初に土を8〜9分目まで入れているので、基本的に後から土を足しません。ですから、根っこが全部土の中に埋まるようにグッと押し込みながら植えます。

寄せ植え作りのコツ

【きれいのPoint!】

苗をほぐす際に土を触ったら1回1回、手を洗ってきれいにしましょう。土のついた手で植物を触ると、葉っぱや花が汚れて仕上がりが汚くなってしまいます。寄せ植えの花たちは、鉢の中で共演するいわば舞台役者です。汚さないように丁寧に扱いましょう。

シクラメンの寄せ植え作り

④ キンギョソウをシクラメンの周囲に植えます。

【きれいのPoint!】

キンギョソウの葉っぱとシクラメンの茎を絡ませて、両者をなじませます。こうすることで生育後のような、よりナチュラルな雰囲気にすることができます。生育するにつれ、植物同士が自然に絡み合って一体感が出ますが、最初は隣り合わせて植えただけでは、ややよそよそしい感じがします。ですので、最初は一手間かけてあげます。何気ない作業のようですが、これが仕上がりを左右します。「美は細部に宿る」ですね。

シクラメンの寄せ植え作り

⑤ チェッカーベリーをポットから出します。チェッカーベリーの根っこは、太根が1〜2本伸びていることがあり、植える時に強い力をかけると折れてしまったり、土のうえに飛び出してしまうことがあるため、根鉢にぐるっと巻いてから植え付けます。

シクラメンの寄せ植え作り

ガーデンシクラメンの周りに植物を植え付ける際は、ガーデンシクラメンの葉をめくり上げて植えるようにしましょう。シクラメンの葉は大きく広がっているので、他の植物を植えるときに、シクラメンの葉を巻き込んで土に埋めてしまうことがありますので注意を。チェッカーベリーは鉢縁から実がこぼれるようにします。

シクラメンの寄せ植え作り

⑥ ヒューケラの葉を少し斜めにして鉢縁に植えます。

【きれいのPoint!】

ヒューケラは葉が美しいカラーリーフの代表選手。その葉がよく見えるように少し傾けます。一つひとつの植物をよく観察し、その美しさはどこにあるのかを意識し、個性を最大限活かすように配置しましょう。少し傾けて植えることで、土が見えることなく全体が植物の色合いで配色され、見応えも出ます。

シクラメンの寄せ植え作り

⑦ 回転台を回して全体のバランスをみてみましょう。植え込んでいくうちに、最初に植えたシクラメンが傾いてきてしまうことがあるので、微調整しましょう。

シクラメンの寄せ植え作り

⑧ 松ぼっくりに針金を巻きつけてピック状にし、寄せ植えに差し込みます。シクラメンの葉っぱは面積が広いので、5号くらいの大きい苗だと、寄せ植えにしたときに葉っぱの部分がポッカリ空間となって見えてしまうことがあります。そこに松ぼっくりを飾るとアクセントになって可愛いです。金色に着色すると、よりクリスマスっぽい雰囲気になりますよ。

マツカサのペイント

【松かさの着色方法】

全体に金色に着色してもよいですが、地の色を残しておくとよりナチュラルな雰囲気です。松かさは水にぬれるとかさを閉じる習性があるので、一旦ぬらして松かさを閉じ、水気を軽く拭き取って、閉じた状態で金色のスプレーをします。乾くと松かさが開き、先端のみが着色された状態になります。

ガーデンシクラメンの適した置き場所

ガーデンシクラメン

ガーデンシクラメンは従来のシクラメンより寒さには強いですが、霜に何度も当たったり、雨や雪でずっと濡れた状態が続くと枯れてしまうので、置き場所は軒下などが向いています。

ガーデンシクラメン

赤いガーデンシクラメン&チェッカーベリーの組み合わせはクリスマスらしい雰囲気を演出するのに最適です。いくつか寄せ植えを作って置くと、より華やかになりますよ。次回はガーデンシクラメンを使った寄せ植えのバリエーションをご紹介します。お楽しみに!

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Credit

エム・アンド・ビー・フローラ

寄せ植え制作&アドバイス/難波良憲

八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。気になる方はぜひアカウントを覗いてみてください→https://www.instagram.com/m_b_flora_official/

協力/株式会社エム・アンド・ビー・フローラ

撮影&文/3and garden

ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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