植物を育てるうえで、知っておくと便利な知識やテクニックをご紹介するガーデニング中級者のための「ガーデニングho・he・to」。今回は花後にタネを収穫する「採りまき」をご紹介。庭の草花をコントロールするのに役立ちます。
「採り播き」とは、植物の種子を採取して、すぐに播くことです。種子ができた植物は放っておけば自然にタネがこぼれて発芽する場合もありますが、こぼれダネは思いがけないところから発芽することがあるので、散らばってもらっては困るようなとき、例えば庭に色彩計画がありそれに沿いたい場合や、別の場所で咲かせたい場合には、タネを採ります。タネは花後、種子が入った小房が十分乾いてから取り出します。

これはニコチアナという一年草の花の小房。カラカラに乾いていますが、この中に熟した種子がたくさん入っています。ニコチアナはこぼれダネでよく発芽しますが、庭の通路にこぼれてしまいそうなので、採り播きすることにします。

茎を切って指ですり潰すようにすると、小房が砕けて中から種子が出てきました。粉のような細かな種子です。折り紙で作った袋に一旦しまいます。他の種子も見てみましょう。

これはニゲラ。クロタネソウという和名の通り、黒いタネが採取できました。ニゲラもこぼれダネでよく増えますが、何年も同じ場所にこぼれダネで育てていたせいか、いつの間にか花数が少なくなってきてしまったので、一度土壌を改良することにしました。改良後にタネを播きたいので、タネを採っておきます。

これはリネンの花のタネ。ページ冒頭の写真が中身を取り出したところです。
ところで、すべての植物の種子が採り播きできるわけではありません。植物の園芸品種には、「F1」といわれる人為的に交配されたものが多くあります。収穫量や個性的な花色、大きさ、成長の速度など、人為的に性質を操作した種子で、その性質は一代限り。タネはできますが、それを播いても前と同じ花が咲く可能性は極めて低く、同じ花を育てたいのなら、また新たに種子を買うほかありません。一方、自然界の種子はその性質を受け継ぎ、次世代へ命の循環が行われます。ですから、採り播きをする場合には、その植物がF1でないことを確かめてからにするとよいでしょう。
Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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