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【要チェック!】「クリスマスローズの世界展2025」出展者による見どころ解説

【要チェック!】「クリスマスローズの世界展2025」出展者による見どころ解説

「クリスマスローズの世界展2025」が、いよいよ明日2025年2月21日(金)・22日(土)の2日間、東京・池袋のサンシャインシティで開催されます。日本のクリスマスローズの育種は今や世界一。そんな有名生産者が全国から集まり、なかなか見られない名品が一堂に介します。開催直前、今まさに準備中の出展者の皆様に見どころを伺いました。行く人は予習で要チェック! 行けない人もクリスマスローズの最前線が分かりますよ。

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花の質感や葉のフォルムにこだわった新品種をご覧ください
【花郷園/野口貴子さん】

花郷園のオリジナル品種‘パピエ’シリーズ。
花郷園のオリジナル作出品種‘パピエ’シリーズ。

花郷園のオリジナル作出品種で、フランス語で「紙」を意味する‘パピエ’シリーズは、バリエーションが増え、ブラックの‘パピエノアール’、爽やかな緑色の‘パピエグリーン’、小豆色の‘パピエアンティーク’など新しいカラーが登場しています。さらに、‘パピエノアール’が進化し、花弁数が多く豪華に咲き、しかもパピエの特徴である上向き咲きの‘パリエッタ’という新しい品種にも注目していただきたいですね。これらのパピエシリーズは花弁の質感が紙をすいた和紙のような繊細な雰囲気から名付けた名前ですが、見た目の繊細さとは裏腹に、性質はとても丈夫で、東京の平地で夏越しできる丈夫さもおすすめの理由です。

原種ヘルツェゴビヌス
細葉が特徴の原種ヘルツェゴビヌス。

また、花だけでなく葉っぱのフォルムや質感、株全体の佇まいがエレガントなものも私の育種目標ですが、‘アバニコ’という新品種は、まさに葉が特徴です。こちらは細葉が個性的なヘルツェゴビヌスという原種から育種したものです。原種の花はグリーンのシングル咲きなのですが、‘アバニコ’は美しいピンクや透明感のある白色のダブルの花が魅力的です。‘アバニコ’とはスペイン語で「扇」という意味ですが、葉っぱがフラメンコダンサーが振りかざす美しい扇のようなことから、花をダンサー、葉を扇に見立てて名付けました。

クリスマスローズ

寒い時期は気持ちが塞ぎがちなものですが、こうしたユニークで美しい花に出会うことで、ワクワクしたり、心が躍るような体験ができるはずです。それはまさに千変万化の魅力に満ちたクリスマスローズだからこそ。会場でさまざまなクリスマスローズの美と出会っていただき、皆さまにこの冬を元気に過ごしていただきたいなと思います。

八重咲きの新品種をお披露目します!
【童仙房ナーセリー&ガーデン/藤田善敬さん】

クリスマスローズ ‘氷の薔薇®’

クリスマスローズの魅力は誰でも簡単に栽培でき、春一番を感じられるという点ですが、特に童仙房ナーセリーのクリスマスローズは、真冬から花がたくさん咲き、丈夫なので初心者にもおすすめです。原種ニゲルとの交配で生まれた ‘氷の薔薇®’は、従来のクリスマスローズにはない立派な株姿になり草丈50cm、株張り60cmになるので、庭での存在感は抜群です。とても強健なので初心者の方にもおすすめですし、常緑で一年中葉の緑が絶えないので、おしゃれな庭づくりを目指している方にも庭の骨格としておすすめですね。

雪の妖精シリーズ
‘雪の妖精’シリーズ。これまでは一重のものが中心だが、今年はダブルが新登場。

そして、今年はクリスマスローズの世界展で童仙房ナーセリーの新品種‘雪の妖精HGCフーリールビー’をお披露目する予定です。こちらは鮮やかなルビー色の八重咲きで、豪華でパッと目を惹きます。‘雪の妖精’シリーズも原種ニゲルとの交配なので、早咲きで丈夫という性質は‘氷の薔薇®’と同様です。草丈株幅とも40cmくらいの生育サイズなので、花壇などでも使いやすいと思いますよ。ぜひ、新しい八重咲きをご覧にお立ち寄りくださいね。

多弁のカラーバリエやダブルのブロッチ、ゴールド系もおすすめです
【野田園芸/野田一郎さん】

多弁のクリスマスローズ
カラフルで豪華な多弁咲き。

ダブルよりも花弁数が多く、見応えのある多弁咲きが年々色のバリエーションが増えていますので、ぜひお気に入りの花を見つけて欲しいですね。野田園芸の特徴としては、くっきりとしたブロッチのクリスマスローズがあげられます。ブロッチでダブルの花は個性があり、とても目を引くのでおすすめです。また、寒い時期なので、パッと明るいゴールド系の花も、春の兆しを感じさせてくれますよ。ゴールド系や白色系の明るい花のなかに、少量黒色の花を入れたりすると、シックでとてもおしゃれな雰囲気になると思います。こんなふうに、クリスマスローズは基本的に一つとして同じ花がないのが魅力で、クリスマスローズだけでも見応えのある華やかな冬の庭がつくれます。花との出会いはまさに一期一会。逃すと二度と出会えませんから、迷った時は「買い」です。花との運命的な出会いも楽しんでください。

お手頃のクリスマスローズ、上質クレマチス、希少コーデックスとバリエ豊かです
【長谷川ナーセリー/長谷川 康平さん】

クリスマスローズとコーデックス類
クリスマスローズとコーデックス類。

花つきがよく次々に花を咲かせ、病気にも強い株を集めています。おすすめはオリエンタリスの八重咲き、5寸サイズ。オリジナルの品種がない代わりに、長谷川ナーセリーナーのクリスマスローズはお手頃価格でご用意しているので、「初めてのクリスマスローズ」にはぴったりですよ。また、クリスマスローズだけでなく、受賞歴が多数あるクレマチスや多肉植物も取り扱っているので、そうした植物も今回並びます。趣味で栽培していた希少アロエやコーデックスの珍種など、あまり一般的には見られないような植物もお出しする予定なので、今までのクリスマスローズ展とはちょっと違う植物にも出会えると思います。クリスマスローズに限らず、植物が好きな方が多いと思うので、新鮮な気持ちで、いろんな角度から楽しんでいただける会になると思いますよ。

小輪で愛らしい花が株いっぱいに咲きます
【大木ナーセリー/大木俊明さん】

ムルチフィダス系ダブル
ムルチフィダス系ダブル。

昔から山野草が好きで、小さな花に心惹かれてきたので、クリスマスローズの育種もそうした傾向にあります。花径3cmほどの原種アトロルーベンスの交配種は指先ほどの小ささにもかかわらず、しっかりキレイなダブルのものやバイカラーがありますし、小輪多花性のデュメトルムとの交配種は白色やピコティ、ゴールドなど、色のバリエーションが豊かになってきました。クリスマスローズは花のバリエーションが豊かなのが魅力ですが、大木ナーセリーが得意とするグラデーションやリバーシブルの花は1株で豊かな表情が楽しめるのも魅力です。展示コーナーでは、植えた数年後の未来の姿を見ていただけるよう、年数を経て株立ちになったものを飾っているので、お買い物の際の参考にしてもらえたらと思います。

八ヶ岳の伏流水を使って栽培された丈夫な3年株
【深山花園】

深山花園の見本園
深山花園の見本園。

クリスマスローズは手間がかからない宿根草なので、忙しい方や体力に自信がなくなってきた方でもガーデニングが楽しめる素材です。また、別荘地のガーデンづくりにも最適です。深山花園は八ヶ岳の山麓に位置し、この地域には別荘が多くあるのですが、鹿害が問題になっているのです。素敵なイングリッシュガーデンを夢見て、別荘の庭づくりを始めたものの、何もかも鹿に食べられてしまったというケースが少なくありません。その点、クリスマスローズは全草に毒があるため鹿に食べられにくく、別荘の庭づくりにもとてもおすすめです。

八ヶ岳
八ヶ岳山麓標高1200mに位置する深山花園。

当園では八ヶ岳の伏流水を使ってクリスマスローズを栽培しており、3年以上の充実した株を5号鉢(内径12cm、高さ17cm)で販売しており、とても丈夫なのが特徴です。庭に植えたあと厳しい冬にも耐えられるように、露地に下ろした後の根の定着率がよいように、との思いから大型株でご用意していますので、初心者の方も安心して育てていただけると思いますよ。

魅惑のチベタヌス交配「幻シリーズ」に新色!
【クリスマスローズ専門店ふみ屋/野口文弘さん】

チベタヌスの交配種「幻シリーズ」
チベタヌスの交配種「幻シリーズ」。

クリスマスローズの原種、チベタヌスの交配種をメインとして「幻シリーズ」と名付けて育種をしています。クリスマスローズの原種の多くはヨーロッパに自生するのに対し、チベタヌスは中国の山奥に自生します。他のクリスマスローズとは雰囲気も異なり、透き通るようなピンク色で、和紙のような質感が神秘的な花です。チベタヌスは「幻の花」と呼ばれる理由は、1869年にフランス人宣教師のダヴィド神父によって発見されて以降、その所在が長く不明となっていたからですが、再び発見されて以降も、現在中国からの原種の輸出は禁止されているため、今でも「幻の花」として珍重されます。

原種チベタヌス
原種チベタヌス。Hartmut Goldhahn/Shutterstock.com

さらに、チベタヌスの花を見るのにもとても時間がかかるのも理由の一つ。チベタヌスはタネからしか増やすことができませんが、タネを播いてから花が咲くのにかかる月日は7〜8年。芽出しの際も普通とはかなり異なり、双葉は土の中にできて、地上部に出てくる時は本葉が3枚出てきます。チベタヌスは他のクリスマスローズより早く、4月頃には葉っぱが枯れて、夏は葉っぱがない状態で休眠するため、生育に非常に時間がかかり、夏越しさせるのも難しいため、上級者向きの原種でした。それでも他の花にはない独特の雰囲気に惹かれて栽培にチャレンジする人は絶えません。私が現在行っているチベタヌスの交配種は、夏も葉っぱが枯れないので、より育てやすく、チベタヌスファンにはおすすめです。チベタヌス交配を重ねてきて、ピンクはもちろん、ブラックなどユニークな花色も生まれてきているので、新しい「幻シリーズ」を楽しんでいただければと思います。

イベント概要

クリスマスローズの世界展

名称:クリスマスローズの世界展2025 〜恋する魅惑の花〜
日程:2025年2月21日(金)10:00〜19:00/22日(土)10:00〜19:00
(アーリーチケット購入者は9:00〜入場可能)
会場:サンシャインシティ ワールドインポートマートビル4F 展示ホールA(東京都豊島区東池袋3-1-4)
入場料:アーリーチケット(9:00~19:00)前売り券2,750円/当日券3,000円
一般チケット(10:00~19:00) 前売り券880円/当日券1,000円
レイトチケット(15:00~19:00) 前売り券550円※当日券の販売はなし

主催:クリスマスローズの世界展実行委員会
公式サイトhttps://crsekai.com/

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