コモレ四谷に麻布台ヒルズ…「大手ディベロッパーの取り組む都市の緑とオープンスペース」など 園芸・ガーデニング業界最新情報をお届け
40年以上の歴史を持つ老舗業界専門雑誌『グリーン情報』最新号から最新トピックスをご紹介! 2024年11月号の特集は、「大手ディベロッパーの取り組む都市の緑とオープンスペース」。ほかにも、新たな時代に向けた“みどりのビジネスモデル”をテーマにした専門家インタビューや、「フラワートライアルジャパン2024秋」イベントレポート、話題の園芸店紹介や園芸業界で押さえておきたいトピックスなど、注目のテーマが盛りだくさん。業界誌だからこそ発信できる貴重な情報の一部をお見せします。
特集:「大手ディベロッパーの取り組む都市の緑とオープンスペース」
今号の特集は、「大手ディベロッパーの取り組む都市の緑とオープンスペース」。都市緑化は年々技術が高められ、ランドマークに緑が入ることは一般的になってきました。しかし、そうしたスポットがどのような考えで緑化されていて、どのような植物が必要とされているのか、まだ広く認知されていないのが現状です。
本特集では、時代の先端をいく大手ディベロッパーの都市緑化に対する考えを取材。「コモレ四谷」「麻布台ヒルズ」「都立明治公園」「丸の内仲通り」「GAKUDAI KOUKASHITA」の5つの実例をご紹介しています。
コモレ四谷
2020年7月にオープンした「コモレ四谷」(東京都新宿区四谷一丁目)は、商業施設のコモレMallや、文化・国際交流・スポーツ施設、レジデンス、教育施設、オフィスなどが集積された複合施設。四ツ谷駅前という土地で、日常的に人が集まる場、まちのみどりをつなぐ場、そして、地域の歴史を受け継ぐ場など、緑地を活用した幅広い役割を担っています。
本誌では、以前は新宿区立四谷第三小学校と財務省官舎があったこの地の再開発について、都市再生機構 東日本都市再生本部 技術監理部担当課長の大倉孝司さんに、その経緯や、地域に根ざした仕掛け、「まちのみどり」を「自分たちのみどり」にしたいという想いなどを伺っています。
麻布台ヒルズ
2023年11月にオープンした「麻布台ヒルズ」(東京都港区麻布台)は、区域面積の約1/3が緑地という緑のオアシス。芝生が広がる中央広場を中心に、高さ約330mの森JPタワーのほか、商業施設やレジデンスなど、さまざまな機能が集積されているコンパクトシティです。
「Green & Wellness」というコンセプトのもと、緑に囲まれ、自然と調和した環境の中で多くの人々が集い、より人間らしく、健康に生きられる新たなコミュニティ形成を目指しています。
本誌では、麻布台ヒルズの外構を担当した、森ビル株式会社設計部 設計監理部 監理3グループ外構・土木担当の清水一史さんに、立地や環境を生かした植栽や演出の工夫、果樹園を活用したコミュニケーションの創出、管理面での試行錯誤などについて、お話を伺っています。
都立明治公園
都立公園として初めて、Park-PFI(※)が採用された都立明治公園(東京都新宿区霞ヶ丘町)。東京建物株式会社を代表とした6社のコンソーシアムTokyo Legacy Parks株式会社が指定管理者となり、2023年10月に開園しました。「次世代への継承」というコンセプトのもと、100年先の世代に自然の遺産を託すために、「多様性・包括」「緑・環境」「地域社会との持続性」「エシカル思想」「心身の健康・幸福」という5つの理念を掲げています。
※Park-PFI:公募設置管理制度。都市公園の魅力と利便性向上を図るために、公園の整備や施設の設置をして運営する民間事業者を公募して選定する制度。
公園内は、「みち広場」「希望の広場」「インクルーシブ広場」「誇りの杜」の大きく4つのエリアに分けられます。
本誌では、周辺の新宿御苑や赤坂御用地、明治神宮内苑、代々木公園などの大規模緑地と、互いが良い影響を与え合うグリーンネットワークの形成を目指したという、Tokyo Legacy Parks取締役、東京建物新規事業開発部インフラ・PPP推進グループ課長代理の黒田敏さんに、指定管理事業ならではの設計の工夫や、憩いと機能性を両立させた取り組みなどについて、お話を伺っています。
丸の内仲通り
東京駅と皇居の間にある、丸の内仲通り(東京都千代田区丸の内ほか)。高度経済成長期にはビジネスマンで道路が埋め尽くされるほどの賑わいを見せていましたが、バブル崩壊を機にビルの空洞化が進み、1997年には「丸の内たそがれ」と揶揄されるほどに。夕暮れになると人々は足早に家路につき、特に週末は人影もまばらでした。
これを憂慮した三菱地所株式会社をはじめとした、周辺のビルに入居している企業が知恵を出し合い、魅力的なまちへの回帰を図った結果が、現在の丸の内仲通り。ビジネス街としてだけでなく、ショッピングやアート、イベントが楽しめるまちとして返り咲きました。
リニューアルでポイントとなったのは「人が中心の空間」であること。本誌では、緑を活用しながら人を巻き込むまちづくりや、さまざまなイベントの仕掛けについて、特定非営利活動法人 大丸有エリアマネジメント協会(通称「リガーレ」)専務理事の藤井宏章さん(三菱地所エリアマネジメント企画部)と、同じくリガーレの中嶋美年子さん(三菱地所エリアマネジメント企画部)にお話を伺っています。
GAKUDAI KOUKASHITA
クリエイターが多く集まる学芸大学駅(東急東横線・東京都目黒区鷹番)は、渋谷駅から4駅、10分ほどの距離にあります。その学芸大学駅の高架下リニューアルプロジェクトが2021年からスタート。商店やコワーキングスペースなどを備えた複合施設「GAKUDAI COLLECTIV」も、2024年11月から順次オープン予定です。
プロジェクトがスタートしたきっかけは、老朽化に伴う高架下建物の補修や、周辺のまちづくり計画、そして「高架下の暗いイメージを変えてほしい」といった要望があったこと。多機能マーケット「学大市場」や、飲食店やスナックが並ぶ「学大横丁」、ローカルを感じる店が集結した「GAKUDAI PARK STREET」はすでにオープンしています。
本特集最後には、「都市に求められる緑と花の展開可能性を探る」と題し、株式会社三菱地所設計 フェローランドスケープ設計室長で東京大学非常勤講師の植田直樹さんに、本特集の事例から見える、緑と花の可能性についてご執筆いただいています。
各プロジェクトの詳細は、「グリーン情報」本誌をご覧ください。
ピックアップ(インタビュー):ランドスケープ経営研究会(LBA)
新たな時代に適した緑のビジネスモデル構築を目指して活動しているランドスケープ経営研究会(以下LBA)。2017年に都市緑地法、生産緑地法とともに都市公園法が改正され、Park-PFIをはじめとした公民連携の緑地利用の進め方が明確になりました。それを機に、同年10月20日、(一社)ランドスケープコンサルタンツ協会の中に設立されたのがLBAです。
本インタビューのテーマは「造園、園芸、デザイナーがつながり、支援に頼らない継続的なみどりの活用を目指す」。LBA会長の金清典広さん、代表幹事の萩野一彦さんに、LBA設立に込めた思いや今後の目標について聞きました。
4ページにわたるインタビューでは、下記項目についてお二人にお話を伺っています。
■新たな時代へ向けたビジネスモデルの構築を
■公園に限定しないみどりの生かし方を探る
■実践的な活動の中で新しい事業を見つける
■多様な業種の協力が活動の幅を広げる
ぜひ本誌をお手に取ってご覧ください。
業界の最新情報が盛りだくさんの『グリーン情報』
このほか、『グリーン情報』2024年11月号には、園芸店や生産地紹介、業界最新ニュース、学べるクイズコーナーなど、園芸・ガーデニング・グリーン業界の幅広く深い情報が満載。新連載「〜職人の疑問に『現代の名工』が回答〜名工チャレンジ!」もスタート。第一回目のテーマは「テラスを深掘りしてみた」です。ぜひお手にとってご覧ください。
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Credit
文 / ガーデンストーリー編集部
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