【我慢しない休肝日】美容にもいいって本当? 園芸家が教えるザクロ×サジー「華やぎ美健ドリンク」の作り方
果実の恵みを生かしたノンアルコールカクテルを手作りで
今回ご紹介するノンアルカクテル2種。
お酒は控えたいなと思いつつも、ついつい夕食時にお酒を飲んでしまうことってありますよね。今回は、料理にも合ってお酒のように気分も上がり、かつ美容や健康のサポートにもなる簡単レシピのノンアルコールカクテルを紹介します。
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一年の締めくくりと新年を迎える、冬の華やぎの季節。お祝いの席や集まりが増え、お酒をいただく機会も多くなりますよね。
でもじつは、アルコールを控えながらも「雰囲気は楽しみたい」「美味しくて、華やかで、身体にもよいものが飲みたい」という方が年々増えているように感じます。
私の自宅で2025年12月に収穫した黒実のザクロ‘エイトボール’。
今回は園芸家でメディカルハーブのセラピスト資格者でもある私・太田敦雄も最近夕食のお供に飲んでいる「植物学×美容健康×ノンアルコールの楽しさ」を組み合わせた “華やぎ美健ドリンク”をご紹介します。
主役は庭でも収穫できる果実、ザクロ(Punica granatum)とサジー(Hippophae rhamnoides)です。
どちらも、古代から人類と深く関わってきた特別な果実。近年ではスーパーフードとしても注目されていますよね。
ザクロとサジー —— 2つの果実の植物学と人類史
ザクロ(Punica granatum)—— 人類最古の“豊穣”の果実
中東から地中海沿岸を原産とするザクロは、古代ペルシア文明やギリシャ神話において「生命」「再生」「繁栄」 の象徴とされてきました。
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内部にぎっしり並ぶルビー色の果粒は、豊穣のメタファーとして古代王侯の装飾にも使われ、人類に3,000年以上愛されてきた植物です。
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植物学的にはミソハギ科に属し、強い日差しと乾燥に耐える常緑低木〜小高木です。日本でも、現代的というよりはどちらかというと昭和っぽいお庭でザクロの樹が植えてあることも多いですよね。
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ザクロは、園芸的に見ても、古木になると幹がトルネード状にねじれる姿が風格を感じさせてカッコよかったり、夏に咲くオレンジ色の花がやがてオーナメンタルな実となり、秋に熟して実がカパッと割れた時のちょっとグロテスクな様子のサプライズ、あまり知られていない鮮やかな秋の黄葉など、見どころの多い果樹です。
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育てやすくて食用にもできて庭映えもよいとは、植えない理由がないですよね。
庭植えで育ててみてもとても面白いでしょう。
ザクロの強健な生命力は、果実がもつ豊富なポリフェノール・アントシアニン・ビタミン類にも表れています。
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ザクロ果汁の深く透明感のあるガーネット色は、どこかピノ・ノワール種の赤ワインを思わせ、“飲む宝石” とも言いたくなる美しさがあります。
サジー(Hippophae rhamnoides)——過酷な環境を生き抜く“黄金の果実”
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サジーはユーラシア大陸の乾燥地や寒冷地に自生するグミ科の低木〜中木です。
学名の Hippophae は、hippo(馬)+ phae(輝く)=「馬を輝かせる」 が語源とされ、古代ギリシャでは馬を元気に育てる飼料として用いられていた記録もあります。
その小さな黄オレンジ色の果実には、驚くほどの栄養素が凝縮されており、近年、スーパーフードとしても注目されています。
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ビタミンC(レモンの約10倍以上)
ビタミンE・βカロテン
鉄・亜鉛・ミネラル類
多彩なポリフェノール
オメガ 3/ 6/ 7/ 9脂肪酸
まさに野生が生んだ“濃縮された生命力”。酸味が非常に強く、単体ではクセを感じる人も多いのですが、他の素材と組み合わせてサジーの複雑な風味を生かすと、驚くほど美味しくなります。
日本では流通が少ないですが、サジーの樹もザクロ同様性質が強く、日本の気候環境でも育てやすいです。
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雌雄別木となる種なので、雌木と雄木の両方を植えることで結実します。花は小さく目立ちにくいですが、鮮やかなオレンジ色の果実が枝いっぱいに実る姿は、園芸的に見ても観賞価値が高いので、たとえば宿根草植栽などに織り交ぜて植えて収穫の楽しみをプラスするのも面白いでしょう。
美容・健康効果 —— 冬にうれしい“内側からの華やぎ”
ザクロとサジーは、どちらも「抗酸化×血流サポート×代謝×美肌」の4大ポイントに強く働きます。
【ザクロの主な特徴】
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アントシアニンが血流を促し、冷え対策にも
エラグ酸(ポリフェノール)の抗酸化作用が美肌をサポート
ミネラルがホルモンバランスをサポート
艶やかなガーネット色が精神的にも華やぎを与える
【サジーの主な特徴】
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圧倒的なビタミンC量で免疫力アップ
鉄・亜鉛・アミノ酸 → 貧血気味の方にも
オメガ脂肪酸で乾燥シーズンの肌を内側からケア
強い酸味 → 胃腸のスイッチを優しくオンに
ザクロとサジー、どちらも“身体や肌の美容や健康に寄り添ってくれる果実”なんですよね。
■レシピ① 華やぎノンアル赤ワイン
ザクロ濃縮ジュース×炭酸水×レモンで作る、ノンアルコールなのに、まるで赤ワインのような華やぎがあるカクテルです。
右側のグラスの透明感のあるほうがカクテルです。
<材料>
ザクロ濃縮ジュース 大さじ2〜3※ザクロジュースは加糖ではないザクロ100%のものを選びましょう。種ごと絞った濃縮ジュースが、種由来のちょっとした渋みが感じられて大人っぽい味わいです。
炭酸水(強炭酸がおすすめ)
レモンスライスまたはレモン果汁 少々
<作り方>
グラスに氷とザクロジュースを入れ、炭酸水を静かに注ぎ、レモンを加えるだけ。ステムのあるワイングラスを使うとパーティー感がさらに増します。
<味わい>
しゅわしゅわと立ち上がる微細な泡が、スパークリングワインのような口当たりを生み、ピノ・ノワール種の赤ワインのような透明感のあるガーネット色みが大人っぽいパーティー気分を盛り上げます。
ベリーとは異なる、複雑で深みのある酸味とほのかな渋みが食事にもよく合います。ノンアルコールなのに、気分はしっかり“祝祭”が感じられて、テーブルにも華を添えてくれます。
■レシピ② 大人の美健カクテル
ザクロ濃縮ジュース×サジー×炭酸水で作る、大人っぽい複雑な味わいを楽しめる美健カクテルです。
左側のグラスの、ややトマトジュースに似た見た目のカクテルです。
<材料>
ザクロ濃縮ジュース 大さじ2
サジー濃縮ジュース 小さじ1
炭酸水
<作り方>
レシピ①と同様に炭酸水で割るだけ。
ステムのあるワイングラスを使うとパーティー感がさらに増します。
サジージュースだけ後から加えると、絵の具の筆洗いの水に色が混ざっていくような色の動的な移ろいの美しさも楽しめますよ!
<味わい>
サジー単体だと「酸っぱ過ぎる」「クセが強くて飲みにくい」と思う方もいますが、ザクロと合わせると甘みと酸味が立体的に融合し、ふくよかさが増すのが不思議な魅力。
ザクロの甘み渋み×サジーの酸味とコク、この2つが響き合うことで、まるで“オレンジピール入りの大人の赤ワイン”のような複雑さが生まれます。
気分のスイッチが入る華やぎあるカクテルで我慢しない休肝日を
ご紹介したこの2つのノンアルカクテルを、ぜひ気分に併せて作り、味わってみてください。
味も大人っぽく、アルコールが入っていなくてもお酒を飲む時のような高揚感を味わえ、“気分のスイッチが入る華やぎ” を与えてくれます。
そのうえ身体には優しく、美容にも嬉しい。
まさに「我慢しない休肝日」「自己肯定感の上がるノンアル時間」「パーティ気分でより健康になってしまうパラドキシカル(逆説的)な飲食生活」
が実現できます。
ノンアルコールドリンクの美学・哲学「飲まないことは“引き算”ではなく“自分を満たす選択”」
クリスマス〜年末年始の時期などは特に飲酒量が増えがちですが、健康的で美味しいノンアルコールドリンクを取り入れることは「我慢」ではなく「整える」という前向きな行為だと思います。
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植物由来の美しい色・香り・酸味を味わいながら身体が喜ぶ時間を過ごすことで、むしろ気分は豊かに、日々は軽やかに変わっていきます。
ザクロとサジーという、人類史のなかで長く愛されてきた2つの果実。
その植物学的背景と栄養豊かな果汁を、現代の“華やぎノンアルドリンク”として楽しめるのは、まさに植物と人間の文化が長く積み重ねた贈り物です。
冬の祝祭と静けさの間に、ぜひこのノンアル華やぎカクテルを加えてみてください。もちろん、年末年始とはいわず、普段の夕食のお供にも気分が上がってよいですよ!
「新しい料理の発見は、新しい星の発見より人類を幸福にする」
ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランJean Anthelme Brillat-Savarin (1755 - 1826)