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【植物の力】美肌をサポートする「ハトムギ・ユズ種子化粧水」を手作りする方法

【植物の力】美肌をサポートする「ハトムギ・ユズ種子化粧水」を手作りする方法

Greatwork studio/Shutterstock.com

植え替えや植え付けなど、庭仕事で土に水分が奪われて、手肌が荒れやすい乾燥シーズン。こんな時期に重宝する“植物の恵みで美肌をサポートする手作り化粧品”をご紹介します。分類の垣根を取り去った植物セレクトで話題のボタニカルショップのオーナーで園芸家の太田敦雄さんが提案するのは「ハトムギ・ユズ種子化粧水」。手作りすればリーズナブルで、たっぷり使えるという一石二鳥のおすすめ化粧水です。

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スキンケアをサポート! ハトムギ・ユズ種子化粧水の作り方

前回の記事、「【快適な園芸】作業をしながら手肌をスペシャルケア! 手荒れ知らずの簡単テクニック」の中で、私が手肌の乾燥や紫外線や加齢によるシミシワ対策で使用しているハトムギとユズの種子を使った自作化粧水について少しだけ触れました。

ハトムギ・ユズ種子チンキ
私が自作したハトムギ・ユズ種子化粧水の原液。

メディカルハーブの知見を応用した化粧水なのですが、手作りでも簡単に作れるのと、さまざまなモノの価格が高騰している2023年の状況下でも比較的お財布に優しい出費で化粧水をたっぷりと使えるようになるので、なかなかいいなと思っています。

スキンケア
Prostock-studio/Shutterstock.com

顔のスキンケアだけでなく、乾燥しがちな手肌や、寒い時期は特に乾燥してかゆくなったりしがちな全身の保湿・美肌対策をサポートしてくれます。香りもほのかなので、性別年齢問わず使えてとても便利です。

日々の生活のランニングコストを上げないで、かつスキンケアも手を抜きたくない方に役立つ情報になれば幸いです。

ハトムギ、ユズ種子がもつスキンケア効果

市販品でも、ハトムギやユズ種子成分を配合した化粧水が多くありますよね。どちらも中国や日本などの東アジア地域では古くから民間薬として用いられてきた歴史があります。今日ではそれらに含まれる成分の有効性なども科学的に研究・解明され、広く用いられています。

ハトムギ

ハトムギ(学名 Coix lacryma-jobi var. ma-yuen)の種皮を剥いて乾燥させたものは生薬名で薏苡仁(ヨクイニン)と呼ばれ、ビタミンB1やアミノ酸など肌の調子を整える成分を多く含み、古代中国ではシミやソバカスの改善など美肌の目的で、ハトムギとハチミツを練り合わせた美顔剤が使用されたといわれています。

ハトムギに含まれるコイクセノリドという成分は、角質代謝を高め肌のターンオーバーを整えるはたらきが期待でき、またヒアルロン酸のような保湿力も期待できるため、肌を健やかな状態に保ち乾燥による肌荒れを防いでくれます。

ハトムギ
Niphon26/Shutterstock.com

今回はハトムギの浸出液で化粧水を作りますが、ハトムギはそれ以外にも美肌やダイエットをサポートするハーブティーにしたり、ご飯に混ぜて炊いたりと、食用にも利用できます。

ユズの種

またユズ(学名 Citrus junos)の種子はアンチエイジングに有効なビタミンC・E、保湿作用に優れたユズペクチンなどを含みます。ユズ種子の抽出成分は、少しとろっとしたテクスチャーで保湿効果も高く、乾燥肌やシワが気になる方向けの化粧品の原料としても用いられます。

ユズ
manbo-photo/Shutterstock.com

お料理に使ったり、実際に育てていらっしゃる方はご存じのことと思いますが、ユズの実には果肉に対して比較的多くの種子が入っています。

ユズ
karinrin/Shutterstock.com

乾燥させたユズ種子はネット通販などでも購入できますが、ユズ湯など果実を使った後に種を採って、化粧水作りに有効活用するのもいいですよね。

【作り方】ハトムギ・ユズ種子の化粧水

このように嬉しい効果が期待できる素材を生かして、 美肌をサポートするハトムギ・ユズ種子化粧水の作り方をご紹介します。 今回はハトムギとユズ種子をウォッカに漬けた浸出液(チンキ)を作り、その原液を希釈して化粧水にします。

【 ハトムギ・ユズ種子の化粧水(原液 250ml )】

<用意するもの>

ハトムギ・ユズ種子の化粧水の作り方
  • ハトムギ(種皮を剥いであるもの) 20g
  • ユズ種子(乾燥種子でも果実から採ったものでもよい) 20g

※乾物などを取り扱うネットショップなどで手に入ります。

ハトムギ・ユズ種子の化粧水の作り方
  • 不織布お茶パック 2枚(あると便利)
ウォッカ
  • ウォッカ 250ml程度 (今回は50度のウォッカを使用。40度以上の蒸留酒を使用のこと)
  • 漬け込み用保存瓶 (今回は420ml容量のものを使用)
  • 蒸留水 適宜(原液を希釈する際に用いる)

<作り方手順>

1.ハトムギ、ユズ種子を計量して用意します。

ハトムギ・ユズ種子の化粧水の作り方

2.ユズ種子は硬くて抽出効率が悪いので、肉叩きの平たい面などを利用して軽くつぶしておきます。

ハトムギ・ユズ種子の化粧水の作り方

3.ハトムギ、ユズ種子をお茶パックに封入して保存瓶に入れ、ウォッカを注ぎます。

ハトムギ・ユズ種子の化粧水の作り方

4.1日1回程度振り混ぜながら、2週間ほど漬け込みます。2週間経ったらお茶パックを取り出すと、とろみのある黄色みの化粧水原液が得られます。

ハトムギ・ユズ種子の化粧水の作り方

化粧水を入れるボトルの容量に応じて、原液を精製水で5倍強程度に希釈します。

ボトル
Maryna Marchenko/Shutterstock.com

※ウォッカのアルコール度数に応じて出来上がる化粧水のアルコール濃度が10%以下になるように希釈倍率を調整しましょう。
※原液の保存期間は約1年、希釈した化粧水は3カ月以内に使い切りましょう。
※アルコールの刺激に弱い方はパッチテストをしてから使用しましょう。

メディカルハーブを使用する際の注意事項

今回使用したハトムギ・ユズをはじめとするメディカルハーブは、人類が薬草として使用してきた歴史もあり、比較的安全性の高いものですが、メディカルハーブに含まれるフィトケミカル(植物科学成分)は、元来、植物が強い紫外線や病害虫や食害から身を守って自然界を生き抜くために進化の過程で身につけた防具や武器のようなものであるとも言い換えられます。

メディカルハーブ

植物だから安全というわけではなく、用法用量を守ることが肝要です。

下記注意事項もよく理解した上で、正しく・安全に利用しましょう。

【注意事項】

※メディカルハーブは医薬品ではなく、それを使用する行為は医療ではありません。治療目的で使用するものではないので、体調が悪い場合、気になる症状がある場合は必ず医師に相談しましょう。

※ハーブは安全性が高く、作用も穏やかですが、アレルギーや飲み合わせ等によっては使用に注意が必要なもの、使用できないものもあります。各ハーブの注意事項をよく調べてから使用しましょう。

※治療中の病気がある、服用している薬があるなど健康状態に問題のある方、妊娠中の方は、決して自己判断では使用せず、必ず医師に相談の上、ハーブを利用しましょう。

※ハーブの持つ効能や作用の現れ方には体調差・個人差や製品による差があり、同じ人が同じハーブを使用しても反応が異なる場合があります。

※子供や高齢者、妊娠中の方が使用する場合は、分量を減らす等、安全に注意を払ってください。

※ハーブを用いて作ったものは自身が製造者となります。自己責任で安全に活用しましょう。

ハト麦とユズ種子

「人生にとって健康は目的ではない。しかし、最初の条件なのである。」

(武者小路実篤 小説家 1885 – 1976)
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