えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
遠藤 昭 -「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー-
えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
遠藤 昭 -「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー-の記事
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樹木
春夏秋冬一年中咲く! 驚異の花木「グレヴィレア‘ロビンゴードン’」
オージーガーデニングのすすめ グレヴィレア‘ロビンゴードン’に注目 私がオージープランツを20年余り横浜で育てて、今一番におすすめしたい花木はグレヴィレア‘ロビンゴードン’=Grevillea 'Robyn Gordon'だ。 Grevillea 'Robyn Gordon'は、1960年代にオーストラリアの植物家で数々の業績を残し2001年に102歳で逝去したデビッド・ゴードン(David Gordon)が作出し、若くして病死した長女ロビン(Robyn)にちなんで名付けた交配品種だ。なんといっても、ほとんど一年中咲き続けるという、庭好きにとっても理想的な植物だ。ちなみにオーストラリアでは極めて長寿である102歳まで生きたデビッド・ゴードンと同じく、彼が作出したグレヴィレア‘ロビンゴードン’も、極めて丈夫だ。 私がロビンゴードンに最初に出会ったのは、もう30年も前のこと。メルボルンに赴任して住んだ家の庭に3月に咲いていたと記憶している。最初は、なんとグロテスクな花かと思ったが、やがて芸術的な造形の美しさに惹かれるようになった。オーストラリアでは一般的な花木で、日本で言えばツツジのような存在かも知れない。葉のカタチもカッコいい! 20坪の我が庭「Alex's Garden」に迎えてかれこれ20年にもなる、看板娘のような存在だ。 この花にはいろいろな思い出がある。もう17年位前だったが、Alex's Gardenが初めてNHKテレビの取材を受けた時、ほかのオージープランツの花が咲かずに困ったのだが、唯一このロビンゴードンが咲いてくれたのだ。その後もテレビや雑誌等の取材の時には、必ず咲いてくれる救世主的優等生なのだ。 またある年には、オーストラリア大使館がオージーガーデンを大使館の中庭につくるので協力してほしいとの依頼に、日本の環境で育てやすいオージープランツの筆頭に挙げたのもロビンゴードンだった。今ではすっかり成長し、1年中、たくさんの花を咲かせてくれる。 現在、我が家には鉢植えと、地植えで1株ずつ育てているが、それこそ台風や大雪といった風雪にも耐えて元気だ。このグレヴィレア‘ロビンゴードン’=Grevillea 'Robyn Gordon'は、ホームページを開設して17年になるが、最も多く話題にした植物でもある。最近になって、「遠藤さんのブログでグレヴィレア‘ロビンゴードン’を知って、育てています!」という園芸関係者が実に多く、日本でのグレヴィレア‘ロビンゴードン’の普及に貢献できたのは嬉しい。 初恋草やブラキカムなど、オーストラリアの草花が園芸店の店頭をにぎわせているが、私はやはりメルボルンがある東オーストラリアでも育つ、グレヴィレアなどの花木をおすすめする。パースがある西オーストラリアの乾燥地帯に育つ植物は、日本の気候には難しい。オーストラリアは広いので、東のメルボルンと西のパースは時差が3時間もあるほど離れており、気候も異なる。 その点、グレヴィレア‘ロビンゴードン’は横浜では露地植えで20年以上も育っている。これまでどちらかといえば、マニアックな園芸をやってきて感じるのは、マニアックで先進的な植物が一般で流行するには20年くらいかかり、グレヴィレア‘ロビンゴードン’はやがてブレイクする、有望な植物だと思う。 最近、多肉植物やインドアグリーンがおしゃれな雑貨店などのショップでも販売されているが、グレヴィレア‘ロビンゴードン’は、やがて本格的で先進的なライフスタイルを好む若い世代にも注目される、ライフスタイルリーダー的な植物だと思う。 併せて読みたい ・ファッショナブルな花木、グレヴィレア‘ムーンライト’に注目 ・オーストラリアの木生羊歯【オージーガーデニングのすすめ】 ・Stay Homeでガーデニングのスキルアップを目指そう! スポーツ系ガーデニングのススメ
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樹木
神秘の色のヒスイカズラ、その魅力とは
神秘的な色を持つヒスイカズラ この世には、さまざまな色の花がある。最も神秘的とされるのが、このヒスイカズラStrongylodon macrobotrysだ。まさに翡翠色としか表現できない澄んだ色合いと、くるりとカールしたかぎ爪のような形状は、一目見ただけでも強い印象を残す。鮮やかな色の大きな花が連なり、長い房となって垂れ下がる様子はなんと壮観なんだろう。 ヒスイカズラはマメ科に属するつる性植物。原産地はフィリピン諸島で、絶滅危惧種に指定されている。成長するととても大きくなり温度管理も必要なので、一般の家庭での栽培は難しいが、多くの植物園で目玉となっている。東京・神代植物園や神奈川県立フラワーセンター大船植物園などの大温室で見ることができる。花は、コウモリによって受粉するので、国内の植物園で結実する事は残念ながらない。 儚いヒスイカズラを楽しむ 3月から5月に開花し、花房の長さは大きなものは1mに達する。実物を目の前にすると、あなたもきっとその迫力に引き込まれてしまうはず。この姿はとても短い期間しか維持されず、なんと数日で爪のような花は落下してしまう。でも、落ちた花を水に浸けておけば数日は持つのだ。水鉢に浮かべればちょっとした飾りになりおしゃれ。ヒスイカズラの花が手に入ったら、僕も試してみたい。 併せて読みたい 花の庭巡りならここ! エキゾチックな植物の宝庫「夢の島熱帯植物館」 花好きさんの旅案内 シンガポール「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」 オージーガーデニングのすすめ「オーストラリアの木生羊歯」 Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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果樹
感動の果樹栽培「レモンの木」育て方と楽しみ方
庭木として楽しみが多いレモンの木 「そんなにもあなたはレモンを待っていた」 高村光太郎の「レモン哀歌」は悲しいけれど、我が家は「レモン賛歌」で嬉しいのだ。 庭にレモンの木を植えると、見た目にもお洒落だし、何より、採りたてのレモンは、紅茶蜂蜜レミン、レモンスカッシュ、レモンソルト、そしてレモン胡椒等……。さまざまな料理やお菓子に使用できて、とても重宝するうえ、豊かさを運んでくれる。 もともと、メルボルン駐在中に住んでいた家に大きなレモンの木があり、年中実っていて、とても豊かな気分だった。帰国後に、ダメ元で神奈川・横浜の我が家にリスボン種の苗木を植えたら実ったのだ。かれこれ植えて20年以上になるが、毎年100個ほど実る。 たまに降る雪でも枯れないレモンの木 確か、20年程前には、庭にレモンがなる家は見かけなかったが、最近は若干見かけるようになった。温暖化のせいか、品種改良のおかげか、少なくとも関東以西では育てられるようだ。木が大きくなれば、たまに降る雪でも枯れることはない。 今後、庭木として人気が出るのは間違いなしだ。 園芸の世界も、ここ数年は野菜がブームだが、次は果樹だと僕は予測する。何故かというと、見た目にもおしゃれで美しいし、野菜ほど手間隙をかけなくても、実ってくれる。庭で収穫したばかりの果物を口にするのは最高の贅沢だし、豊かさを感じさせてくれ、感動間違いなし! 僕は特に、男性のガーデニング入門には、まず果樹を育てる事を勧めている。野菜もおすすめだ。何故なら育てる園芸の基礎が習得できて、解りやすくて、長期的展望にロマンを感じる男の感性に合っているのだ。 男性の多くは、花いっぱいの外構やバラの園には、あまり憧れを感じない。キレイよりカッコ良さに魅力を感じ、汗水たらした成果としての実利的な「果実」は欲求を満足させるにピッタリなのだ。そして、毎年、収穫が増え、成長が確認できて、長期的にガーデニングが楽しめるのだ。大地にどっしりと根をおろし、太陽を浴びて大らかに実るレモン、オススメです。 カゴ一杯収穫したレモンで男の料理 6月に入ると、収穫し損ねて残っていたレモンを、次のレモンの果実を育てるためにカゴ一杯収穫する。毎年、使い切れないほどのレモンが実るが、使わないからとつけたままにしておくと、既に花が咲き始めている木にはよくないので全て収穫する。そして蜂蜜ホットレモン、レモンスカッシュ、レモンソルトなどに利用している。レモンは果汁とパセリ、バジルの葉などを入れて自家製ソーセージづくりにも活用。レモンの果汁と皮、唐辛子でつくる柚子胡椒のレモン版にも。絞ったレモンを製氷機に入れて凍らせ、キュービックにして保存すると、一つずつ使えるので便利。 庭植えで育てるレモンの木、栽培のコツ 簡単に育て方に触れておこう。 まず、品種だが、リスボン種は耐寒性があるようだ。我が家もリスボン種。果樹を購入するときは、実際に果実がついている鉢植えの苗木を購入すると間違いがない。レモンの実つきの鉢植えが出回るのは、色づき始める10月頃からのようである。 寒い時期に購入した場合、霜の当たらない日当たりのよいテラスや屋内で越冬させ、3月頃に日当たりがよく、できたら霜や北風の当たりにくい、建物の南側に植えるとよい。鉢植えの場合は10号くらいの大きな鉢に植え替える。 施肥は寒肥を2月に、9月頃にそれぞれ、発酵油粕を与えるとよい。剪定の方法は、3月に樹木に太陽がまんべんなく当たるように、上から見るとドーナツ状に間引き剪定するとよい。この剪定方法は、オーストラリアで学んだ。 病虫害では、アゲハチョウの青虫が発生し葉を食い荒らすので早めに捕獲を。新芽はアブラムシがつきやすく、一度つくと葉が縮れたり糞によるカビ病になったり、醜くなるので、早めに薬剤散布をする。また、ミカンハダニもつきやすく、冬期にマシン油乳剤により防除するとよい。そうして根づいたレモンは、周囲に育つ植物と季節ごとに景色のコラボレーションを見せてくれる。バラの‘ヘリテージ’とレモンのコラボもよい。幸せのシーンを演出してくれるレモンを庭に一本植栽して欲しい。 併せて読みたい ・意外とカンタン! ベランダでゆずの木を育てて果実を収穫してみよう ・レモンの収穫【写真家・松本路子のルーフバルコニー便り】 ・初めてでも庭で育てられる! かんきつ類の育て方とおすすめの種類をご紹介
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樹木
ファッショナブルな花木、グレヴィレア‘ムーンライト’に注目
グレヴィレア‘ムーンライト’ 梅雨の合間の青空にグレヴィレア‘ムーンライト’(Grevillea ‘moonlight’)が浮かび、オーストラリアの風が吹く。この花が庭に咲くと「気分はオーストラリア」になれる、不思議なパワーのある花木だ。毎年、梅雨がやってくると開花が始まる、最も好きなオージープランツの一つだ。 我が家の庭のムーンライトは樹齢20年近くになるが、最近は、日本でも入手できるようになった。流通しているものは接ぎ木苗が多いようだが、挿し木もできるし、タネ播きから栽培された実生苗でも3〜4年で開花する。 強い霜に当たると、枝先の花芽が被害にあい、咲かない年があったが、横浜では、ほぼ毎年咲いてくれる。温暖な地域である静岡・浜名湖ガーデンパークでも見事に咲いていた。このムーンライトも他のグレヴィレア同様に、関東南部が開花の北限のようだ。 7~8mの高さになるので、一般家庭で地植えする場合は、花後にしっかり剪定をして、樹形を保つように注意が必要だが、鉢でも育てることができる。ほかのオージープランツと同様に水はけのよい土を使用し、肥料は少なめに。花も葉も美しく素晴らしい。細い葉がサラサラと風に揺れて美しいのだ。花がない季節も、葉だけで十分庭木として活躍してくれる。 優雅で気品のある花木なので、僕はこの花木を「オーストラリアの貴婦人」と呼んでいる。ひと房の大きさは20㎝ほどあり、クルクルとカールしてかわいい。以前Grevillea ‘Moonlight'とwebで検索をしたら<One of the most fashionable grevilleas in Australia is Grevillea ‘Moonlight' with creamy white flowers.> なんていう表記に出くわした。最もファッショナブルなグレビレアなのだ。確かに日本でも、最近ファッショナブルな街のスポットで、このグレビレア‘ムーンライト’に出合うようになった。感度のよい人たちに注目される花木になったことが、とても嬉しい。 併せて読みたい ・雑草対策をプロが本気で考えた! 雑草を生えなくして庭づくりをもっと楽しく! ・フレッシュハーブのシーズン到来! タッジーマッジーブーケ&ノーズゲイブーケでリフレッシュしましょう! ・イングリッシュガーデンの名脇役「アカンサス」の魅力と育て方 Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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樹木
美しき異国の花、ジャカランダの魅力とは
世界三大花木の一つとされているジャカランダは、日本のサクラ、ソメイヨシノと同じく、葉を落とした状態で花を咲かせる。房になった釣鐘状の花がいっぱいに咲き、大木が紫色に染まる光景は圧巻だ。街路樹としてもよく利用されており、花の時期になると、通りを埋め尽くすように花びらが落ち、まるでパープルの絨毯を敷いたかのような景色が楽しめる。 ジャカランダはノウゼンカズラ科の低高木で、中南米原産。オーストラリアでもよく見られる花木で、グラフトンのジャカランダ・フェスティバルが有名だ。このお祭りは80年以上の歴史を持ち、この街には約6,500本のジャカランダの木があるとか。ジャカランダの日本での開花期は5月から6月、オーストラリアでは10月から11月になる。 淡い紫に輝き、異国の情緒を漂わせるジャカランダだが、日本でも栽培を楽しむことができる。静岡・熱海や宮崎・日南など日本の数カ所でもジャカランダの花で名所づくりをしているが、都内以南がおそらく開花の北限になる。 神奈川・横浜では路地でも越冬するのを僕の庭で実証済みだ。冬の寒さが厳しい地域では鉢植えにして、軒下に移動するなど寒さよけをすればよい。葉も繊細で美しく、葉だけでも充分楽しめるため、観葉植物扱いの鉢植えも売られているが、開花まで十数年かかるだろう。実生苗はなかなか開花しないため、花を楽しむなら接木苗を買った方がよい。 Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/