各国の花には固有の“色”がある。異国の花の持つ色彩や造形は、インパクトにあふれて鮮烈だ。ここでは美しく神秘的なオーストラリアの思い出の花と住宅街の庭での栽培ポイントをご紹介します。
世界三大花木の一つとされているジャカランダは、日本のサクラ、ソメイヨシノと同じく、葉を落とした状態で花を咲かせる。房になった釣鐘状の花がいっぱいに咲き、大木が紫色に染まる光景は圧巻だ。街路樹としてもよく利用されており、花の時期になると、通りを埋め尽くすように花びらが落ち、まるでパープルの絨毯を敷いたかのような景色が楽しめる。

ジャカランダはノウゼンカズラ科の低高木で、中南米原産。オーストラリアでもよく見られる花木で、グラフトンのジャカランダ・フェスティバルが有名だ。このお祭りは80年以上の歴史を持ち、この街には約6,500本のジャカランダの木があるとか。ジャカランダの日本での開花期は5月から6月、オーストラリアでは10月から11月になる。

淡い紫に輝き、異国の情緒を漂わせるジャカランダだが、日本でも栽培を楽しむことができる。静岡・熱海や宮崎・日南など日本の数カ所でもジャカランダの花で名所づくりをしているが、都内以南がおそらく開花の北限になる。

神奈川・横浜では路地でも越冬するのを僕の庭で実証済みだ。冬の寒さが厳しい地域では鉢植えにして、軒下に移動するなど寒さよけをすればよい。葉も繊細で美しく、葉だけでも充分楽しめるため、観葉植物扱いの鉢植えも売られているが、開花まで十数年かかるだろう。実生苗はなかなか開花しないため、花を楽しむなら接木苗を買った方がよい。
Credit
写真&文/遠藤 昭
「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。
30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。
ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
新着記事
-
育て方
【バラ苗は秋が買い時】美しいニューフェイス勢揃い&プロが伝授! 秋バラの必須ケア大公開PR
今年2回目の最盛期を迎える秋バラの季節も、もうすぐです。秋のバラは色も濃厚で香りも豊か。でも、そんな秋のバラを咲かせるためには今すぐやらなければならないケアがあります。猛暑の日照りと高温多湿で葉が縮れ…
-
ガーデン&ショップ
【スペシャル・イベント】ハロウィン色で秋の庭が花やぐ「横浜イングリッシュガーデン」に…PR
今年のハロウィン(Halloween)は10月31日(金)。秋の深まりとともにカラフルなハロウィン・ディスプレイが楽しい季節です。「横浜イングリッシュガーデン」では、9月13日(土)から「ハロウィン・ディスプレイ」…
-
ガーデン&ショップ
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園【秋の到来を知らせる9月…
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台にスタートし、春の花が次々と咲き始めています。…