スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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宿根草・多年草

残暑を乗り切る! クリスマスローズ夏越し完全ガイド
クリスマスローズが夏に弱る理由 春の可憐な姿を見るには、夏〜秋のケアが重要。 クリスマスローズは、冬から春にかけて花を咲かせる「冬咲き宿根草」です。そのため、真夏の高温多湿は大の苦手。特に8〜9月の残暑期は、「蒸れ」「葉焼け」「根腐れ」が一気に重なりやすい危険な季節です。こうした状況になると、クリスマスローズの株には以下のような症状が表れます。 高温と過湿/根が酸欠状態になりやすく、しおれや根腐れになる 強い直射日光 /葉が茶色に焼けたり、斑点が広がる 蒸れた環境 /病原菌や害虫が繁殖しやすくなる 花芽が形成されるのは、夏を越えた秋。ここで株を弱らせると、冬の花数が減ってしまいます。だからこそ「守りのケア」が重要です。 残暑を乗り切る置き場所の工夫 地植えの場合 落葉樹の株元や、北東側の明るい半日陰が理想です。 西日が強い場所では、遮光ネット(70%)を斜めに張って光を和らげましょう。 株元を落ち葉や堆肥、バークチップなどで覆う(マルチングする)と地温の上昇が防げます。 鉢植えの場合 面谷ひとみさんは、開花期が終わったら北側のバックヤードへ鉢を移動し夏越しさせている。 直射を避けられる半日陰に置きましょう。 鉢を直に床に置くと熱がこもります。レンガや鉢台にのせて通気を確保。過湿を防ぐためには40〜50cmの高さに置くのが理想的。 黒いプラ鉢は熱を吸収するので、白い鉢カバーに入れて二重鉢にすると安心です。 水やりと湿度管理のポイント 基本は「表土が乾いたら朝にたっぷり」。土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底から流れるまでしっかり与え、受け皿の水は必ず捨てること。暑いからといって、毎日たっぷり水をあげるのは禁物。鉢内に残った水分がお湯になって、根腐れの原因となります。 葉の整理と蒸れ対策 病斑や黄色くなった葉はハサミで早めに除去しましょう。風通しをよくするだけで病気のリスクは大きく減ります。ただし夏の強剪定はNG。葉を減らしすぎると光合成力が落ち、回復が遅れます。 夏の施肥はお休み、秋に備える 真夏の施肥は根を傷めやすいので、一切与えません。涼しくなり始める9月下旬〜10月、ヒガンバナの開花を目安にし、液肥から少量ずつ再開します。 病害虫への警戒と対処 過湿や蒸れで病変が出ているクリスマスローズ。 根腐れや立ち枯れ/蒸れが主因。水やりの間隔を見直し、風通しを確保しましょう。腐って黒くなった部分は取り除き、殺菌剤を散布します。 ナメクジに注意/枯れた葉や蒸れて傷んだ部分を食害します。見つけ次第捕殺するか、予防薬を近くに置くことで防げます。 9〜11月の回復プログラム 9月下旬:ヒガンバナの開花を目安に、液体肥料を再開。遮光ネットも外し、日照にも徐々に慣らしていきます。 10月:植え替え・株分けの最適期。根詰まりしている鉢はここでリフレッシュ。 11月:根の成長を促し、古葉取りなど、冬の開花に備える大切な充実期。 今日からできる残暑チェックリスト 西日が当たらない木陰で残暑を乗り越え、美しく咲いたクリスマスローズ。 □ 西日が当たらない場所に置いているか。 □ 鉢底を浮かせて風を通しているか。 □ 朝に水を与え、受け皿の水は残していないか。 □ 病気や枯れ葉を早めに取り除いたか。 □ 施肥は停止中(再開は9月下旬〜)。 専門家による「酷暑・残暑の克服術」セミナー&鳥取県出張診察・即売会開催! 持ち込まれたクリスマスローズの鉢を診察するDr.横山。 残暑対策を押さえておけば、秋からの回復がスムーズになり、冬の花数にもつながります。さらに直接専門家から学べる機会もあります。9月21日(日)午前10時から、クリスマスローズ専門家の横山直樹さんがガーデンストーリーのインスタライブにて「酷暑・残暑の克服術」を伝授。 また、同日午後1時からは、鉢を持ち込んだ方を対象に、横山さんが不調の原因を見極め、健全に育つように自ら植え替える「出張診察・即売会」も開催しました。 「酷暑・残暑の克服術」Dr.横山のクリスマスローズ&秋の球根クリニック 【日時】9月21日(日)◾️10時〜10時45分/ガーデンストーリーインスタライブhttps://www.instagram.com/gardenstory.jp/◾️13時〜15時/Dr.横山の診察開院&即売会*診察ご希望の方は12時45分よりご来院順に診察整理券を配布します。【参加費】無料(要別途植え替え料)。ご予約は不要です。お時間になりましたらご来院ください。お庭もご自由にご覧いただけます。【場所】面谷内科・循環器内科クリニック鳥取県米子市道笑町4丁目221-1JR米子駅より徒歩約17分
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観葉・インドアグリーン

【決定版】パキラの育て方完全ガイド! 初心者も安心のコツから風水効果・種類まで徹底解説
パキラの基本情報 feralflower/Shutterstock.com 植物名:パキラ学名:Pachira英名:Guiana Chestnut、Money Tree和名:カイエンナッツ別名:発財樹科名:パンヤ科属名:パキラ属原産地:中南米形態:木本植物、常緑高木 パキラは耐陰性に優れるため、室内に飾って楽しまれることが多い植物です。形態は低木から高木に分類され、学名をPachiraで、パンヤ科パキラ属の木本植物です。原産地は中南米で、メキシコから中米の熱帯アメリカにかけて分布しています。株が成熟し、適した環境で育つと、パンヤ科らしい可憐な花が咲きます。カイエンナッツともいわれ、現地では炒って食用にされることも。熱帯域に自生しているため耐暑性は強く、日本の夏の暑さも平気ですが、その反面、耐寒性は弱く、耐えられる最低気温は5~10℃前後です。 パキラの花や葉の特徴 Lynn Bulgrin/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:6〜7月草丈・樹高:10cm〜20m耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:赤、白 パキラは熱帯のジャングルの川沿いなどに自生しています。樹の高さは最大で約20m。成長すると幹がとっくり状にずんぐりと太くなり、葉の軸を長く伸ばして、その先端に5~7枚の小さな葉をつけます。葉は長楕円形で皮革質の光沢のある緑色で、やや厚めです。 比較的乾燥に強いのですが、雨期には水没するような場所に自生しているため、多湿な土壌でも育ちます。園芸店などで水耕栽培のようにして販売もされているのは、そのため。 園芸分類では観葉植物に分類されます。とても丈夫で育てやすいため、初心者にもおすすめの植物です。 パキラの花言葉や名前の由来 Olenaduygu/Shutterstock.com パキラの名前は、原産地「ギアナ地方」(南アメリカ大陸の北東部から太平洋に面した地方)での呼び方からきています。「カイエンナッツ」「発財樹(MoneyTree)」という別名を持ち、前者はパキラの実の名前から、後者は「新しい芽が次々と出てくるパキラをたくさん売ったら大金持ちになった」という言い伝えを由来としています。 花言葉は「快活」「勝利」。別名と同じく、パキラを売ってお金持ちになったという言い伝えや、生命力が強くて丈夫な様子からきています。 パキラの風水効果 Pelinyasar/Shutterstock.com パキラは、室内に観葉植物として置くことで、風水的にもよい効果をもたらすといわれています。葉の形からよい気を発し、悪い気を鎮めてくれるのだとか。得たい運気の流れが活発なところに置くと効果があるそうで、方角としては、金運や商売繁盛の運気を強めたい場合は西、または北西に、仕事運を強めたい場合は東、北西、南西に飾るとよいとされています。また調和をもたらしてほしい場合は、人通り(出入り)の多い場所に飾りましょう。 パキラの代表的な種類 パキラには20種類ほどの品種があるといわれていますが、日本で流通している種類はそれほど多くありません。主な4種をご紹介します。 パキラ・グラブラ Razu mia/Shutterstock.com パキラ・グラブラの花。Poetra.RH/Shutterstock.com 日本で最も流通している品種の一つ。花は白、実は緑色。濃い緑の葉を茂らせます。定番品種で、花屋やホームセンターで入手できます。 次に紹介するパキラ・アクアティカと似ていますが、葉の形がより尖っているのがグラブラの特徴です。 パキラ・アクアティカ Toyakisphoto/Shutterstock.com アクアティカも日本で広く流通している品種の一つ。淡いピンクから黄色の花弁に、雄しべの先端赤く色づく特徴的な花を咲かせ、実は赤茶。グラブラよりも葉が丸みを帯びています。 園芸店などで、幹の部分がおしゃれに編まれて販売されていることも多い品種です。 ‘ムーンライト’ 葉にライムグリーンの斑模様が入っている珍しい品種。太くしなやかに曲がった太い幹が特徴です。 ‘ミルキーウェイ’ 「ミルキーウェイ=天の川」の名が示すように、星の煌めきをイメージさせる美しい斑入り葉が楽しめる希少品種。他の品種と同様にて気温を保ち、葉焼けに注意して葉色を保ちましょう。 パキラの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6月〜7月植え替え適期:5月〜9月肥料:4月〜9月入手時期:通年植え付け時期:通年 パキラの育て方 Vladimirova Julia/Shutterstock.com パキラはとても丈夫な植物ですが、適した環境で健やかに育てることで、長期にわたってより丈夫で枝ぶりのよい姿が楽しめます。ここでは育て方のポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。 パキラの栽培環境 日当たり・置き場所 mokjc/Shutterstock.com 【日当たり/屋外】日当たりと風通しがよい場所で育てます。 【日当たり/屋内】週に2〜3回は窓際や屋外など日当たりのよい場所に移動しましょう。 【置き場所】 外で育てる場合、春から秋にかけては明るくて風通しのよい場所に置くようにしましょう。夏は、午後からは日陰になる場所へ。 ある程度の耐陰性もあるため、屋内で通年育てることもできます。その場合はひょろひょろと伸びる「徒長」が起きやすくなるので、週に2、3回は窓際などの明るい場所や、屋外の日当たりのよい場所に移動しましょう。エアコンの風は苦手なので、風が直接当たらない場所で管理します。 また、室内から屋外に急に移動すると、環境の違いについていけず葉を落としたり、急に直射日光に当ててしまうと葉焼けを起こすことがあります。屋外に出す際は、徐々に明るさに慣らすようにしましょう。 温度 Tenkorys/Shutterstock.com 熱帯原産の植物なので比較的高い温度を好み、16〜25℃が栽培適温です。寒さに弱いので、春〜秋はベランダなどの屋外で育てている株も、冬は室内に取り込みましょう。室温が10℃を下回ると落葉して活動が止まり、休眠状態になります。 パキラの育て方のポイント 用土 santypan/Shutterstock.com 用土は水はけのよいものが適しています。観葉植物用に配合された用土も販売されているので、それを使うのもいいですし、室内管理でもう少し乾きやすい土がよいということであれば、観葉植物用の用土に赤玉土と鹿沼土を2:1:1程度の割合で配合するなどして、生育環境に合わせて調整するのがよいでしょう。 観葉植物用の用土には腐葉土やピートモスなどの有機質が使われており、場合によってはコバエなどが発生することがあります。気になる場合は、赤玉土や軽石、化粧砂など無機質の用土で表面を覆うことで、発生をある程度抑えることができます。 また、前述のようにパキラは水への耐性も高いことから、水に浸したセラミスやハイドロボールなど無機質の用土に植え付けて栽培することも可能です。 水やり Taras Garkusha/Shutterstock.com 水やりのタイミングと水の量は、季節によって調整するとよいでしょう。生育期は、用土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。乾燥にも強いので、用土が乾ききってしまったあとでも大丈夫。 生育が緩慢になる冬や、葉が落ちてしまったときなどは、水やりを控えめにしましょう。鉢の大きさにもよりますが、乾かし気味に管理し、水やりの間隔は2週間から1カ月に1回程度でかまいません。また定期的な葉水(霧吹きなどで葉に水をかける)を行い、埃を落として葉を清潔に保ち、病害虫を予防しましょう。 肥料 肥料はあまり必要としませんが、緩効性肥料や液体肥料を生育期に少量与えると生育が早くなります。ただし、適正量を超えると肥料焼けを起こして根が傷んでしまい、最悪の場合枯れてしまうこともあるので、肥料の容器などに書かれた規定量と頻度を守って与えるようにしましょう。 パキラの詳しい育て方 Toyakisphoto/Shutterstock.com パキラは成長速度が早く、環境が適していると大きくなりすぎて手に負えなくなってしまうことがあります。反対に、パキラを大きくしたいのに適切な管理ができていないと生育が緩慢になることも。ここでは、思い描くサイズ感や枝ぶりにするためのお手入れの方法について解説します。 選び方 topimages/Shutterstock.com パキラは、園芸店に行くと小さい苗から大きく育った大型のものまで、さまざまなサイズが並んでいます。価格もそれに応じて変わるので、自分の好みに合ったものを選んで購入しましょう。また選ぶ際は、葉が青々としてよく茂り、幹のしっかりしたものがおすすめです。 種まき Sam Robru/Shutterstock.com パキラは種子から育てることができる観葉植物です。種子から育てた株は「実生株(みしょうかぶ)」となり、自然樹形が楽しめて、個性的な花が咲くことも期待して育てる人もいます。ただし、開花までは最低でも5年はかかるとされており、難易度は高いでしょう。 パキラの種子は、実生株から採取するか、まれに園芸店や通販で入手できることもありますが、採取して半月〜1カ月程度で発芽力を失ってしまうため、新鮮な状態の種子を購入することが大切です。 種子を入手したら、下記の手順で土に植えましょう。 1. 水没検査をする 種を水の入った容器に入れて、種を1〜2日間吸水させます。この段階で水の底に沈んだ種は発芽する可能性があるので、沈んだ種を選別します。 2. 水苔で包む 選別した種は、発芽するまで湿らせた水苔で包みます。20℃程度の暖かい場所に、種が乾燥しないように管理しながら置いておくと、早くて2日ほどで発芽が始まります。 3. 発芽したら殻をむく 発芽が進むと殻が割れてくるので、手で取れそうな場合は丁寧に殻をむきます。発芽したての芽(=胚)が2〜3cmになるまで育てます。 4. 鉢に植え付ける 胚が2〜3cmになったら、赤玉土の入った用土(前出の「用土」の項目参照)に植え付けます。赤玉土を敷き詰めて十分に湿らせ、その上に胚を半分ほど埋まるように植え付けて、葉が出てくるまで上から水苔を被せておきます。 その後、胚が育ち双葉が出て発根し、双葉が芽生えたら、日当たりのよい場所へ鉢を移動させましょう。 剪定・切り戻し Maksym Om/Shutterstock.com パキラが大きく育ちすぎたり、屋内管理で徒長してだらしない姿に乱れてしまったときは、切り戻す剪定をしましょう。その際、枝の根元にある成長点より2cmほど上の位置で切り取ると、成長点から新しい枝が出てきて更新ができます。幹や枝の表面にある、節のように膨らんでいる茶色い部分が成長点です。 パキラは挿し木で増やすことができ、また切った枝を水につけておくと根が出てくるので、そのまま水耕栽培で育てたり、鉢植えにすることもできます。その際は、切り取った枝の葉の先を切り落としておくと、その後の生育が順調に進みます。 植え替え・鉢替え Sokolov Olleg/Shutterstock.com パキラは根の生育も早いため、定期的な植え替えが必要となります。植え替えをしないと根詰まりが起き、生育が緩慢になってしまうので、大きく育てたい場合は1〜2年に1回、一回り大きな植木鉢に植え替える「鉢増し(はちまし)」をしましょう。コンパクトに育てたいのであれば、植え替えの時に鉢のサイズは変えずに植え直します。根の周りの古い土を1/3程度落とし、傷んで黒ずんだ根を取り除いた後、新しい土を補充してください。 植え替え直後は微細な土の粒がたくさんあり、そのままにしていると土が目詰まりする原因に。鉢底から流れ出る水が透明になるまで、たっぷりと水やりをしてください。 増やし方 KITKAT903/Shutterstock.com パキラの増やし方には、主に挿し木と種子繁殖があります。 挿し木の適期は5~9月。挿し木用の土は、バーミキュライトや鹿沼土、挿し木専用の用土も市販されているので、それらを使うのもよいでしょう。挿し木用のトレーにまとめて挿したり、ポリポットに1本ずつ挿してもよいでしょう。水を切らすと発根が遅くなるので、水切れさせないように管理を。1カ月ほどで新芽と根が出てくるでしょう。 また種子繁殖(実生)に挑戦する場合は、まれに園芸店やネットショップで入手できたり海外から種子を輸入するのも一案ですが、入手はやや困難です。 夏越し 外で育てる場合、日本の真夏の直射日光下では葉焼けを起こすことがあるので、午後からの強い直射日光を避けるために日陰になる場所に置くとよいでしょう。そうした置き場所がない場合は、西側に簡易なフェンスを設けたり、遮光するシェドを設置するか、株が大きくて強い日光にも耐えるオリーブなどの鉢植えを置くなど、日差しを遮る工夫をするのがおすすめです。 室内で育てる場合、暑すぎると高温障害も起きるので、夏場に閉め切った部屋に置きっぱなしにすることはやめましょう。 冬越し 耐寒性は弱いので、屋外で育てている場合も冬は室内に取り込みましょう。冬も生育させたい場合は最低15〜16℃以上、葉が落ちるのを防ぐためには最低10℃以上の室温が必要です。室温が10℃を下回ると落葉して活動が止まり、休眠状態になります。 パキラのよくあるトラブルと対処法 病害虫 Chubykin Arkady/Shutterstock.com パキラは病害虫に強く、栽培適地で健康に育っている株であれば、あまり心配することはありません。ただ空気の乾燥する時期や屋内管理で風通しが悪いときなどは、ハダニやアブラムシ、カイガラムシなどの害虫が発生することがあります。葉色が悪くなったり、葉の色が抜け落ちる、あるいは葉の基部などに白い物が付いていたりしたら害虫が潜んでいる可能性があるので、葉裏などもしっかり観察しましょう。 害虫を見つけた場合は早めの対処が肝心です。早期であれば葉水などで害虫を洗い流したり、捕殺したりしましょう。ある程度広がっている場合は、スプレー式の適用のある薬剤を噴霧するのもよいでしょう。その際は、葉裏もお忘れなく。 葉焼け パキラは、強い直射日光があたり続けると葉焼けしてしまうことがあります。葉焼けとは、葉が強い光を浴びて、葉先から茶色や白色に変色してしまうこと。 それまで室内に置いていた株をいきなり直射日光に当てると葉焼けを起こすこともあるので、屋外に出す際は、最初は直射日光が当たらない場所で1週間ほど明るさに慣らしながら徐々に移動させるようにしましょう。 一度葉焼けしてしまうと元には戻らず、そのままにしておくと株全体が枯れることもあります。対処法としては、置き場所を変えるなどの工夫をし、葉焼けした葉を切り取って新しい葉が出るのを待ち、元気な葉だけ残すようにしましょう。 根腐れ 根腐れとは、土が常に湿った状態で根っこから酸素が吸収できなくなり、呼吸ができなくなって腐ってしまうことです。葉が黄色くなる、幹がブヨブヨとやわらかくなる、などの変化が見られたら、その症状はかなり進行しており、そのまま放置していると、やがて株全体が弱り、枯れてしまいます。 根腐れの症状が初期の場合、鉢受けの水を捨てて土を乾燥させ、日当たりと風通しのよい場所に移動させてしばらく水やりを控えることで、復活の可能性はあります。 根腐れを防ぐためにも、水やりの頻度は前述のように「用土が乾いてから」を守るようにしましょう。 パキラを育てて素敵な空間を楽しもう t.sableaux/Shutterstock.com パキラの特徴から具体的な育て方まで幅広く解説しました。パキラは育てやすく風水的にも縁起がよいとされ、大変人気のある植物です。サイズや樹形もさまざまで、自分のお気に入りのものを選ぶ楽しさもあります。部屋にグリーンがあるとみずみずしい空間になり、緑が日々の生活に癒やしを与えてくれますよ。この記事を参考にして、ぜひ素敵にパキラを育ててみてください。
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野菜

【家庭菜園ビギナー必見】ラディッシュ(ハツカダイコン)の育て方と美味しい食べ方
ラディッシュの基本情報 ANDREW PROFOTO/Shutterstock.com 植物名:ラディッシュ学名:Raphanus sativus var. sativus英名:radish和名:ハツカダイコン(二十日大根、廿日大根)科名:アブラナ科属名:ダイコン属原産地:ヨーロッパ~中央アジア形態:一年草 ラディッシュは、アブラナ科ダイコン属の野菜で、根菜類に分類されています。原産地は諸説ありますが、ヨーロッパから中央アジアが有力と考えられています。根が赤く丸い品種が最もポピュラーですが、ほかにも楕円形や細長いもの、白いものもあります。品種を使い分けたり、味比べをしたりするのもいいですね。あまり場所を取らないので、畑の隅や空いているプランターで手軽に栽培できます。 ラディッシュは春に種まきをする「春まき」と、秋に種まきをする「秋まき」とがあり、年に2回の栽培が可能です。種まきから20〜30日程度の短い期間で収穫でき、栽培可能な期間も長いため、ビギナーでも手軽に始められるおすすめの野菜。家庭菜園では、一度にたくさんの種子を播くよりは、1週間から10日おきに食べられる分だけ少しずつ播く「ずらしまき」をすると、長い期間にわたって収穫を楽しめます。 ラディッシュの花や葉、根の特徴 prado6557/Shutterstock.com 園芸分類:野菜開花時期:5〜7月草丈:20〜100cm耐寒性:普通耐暑性:普通花色:白、ピンク ラディッシュは小さな赤カブに似ていますが、カブではなく小型のダイコン。根・胚軸・葉が食用になります。根は直径1~3cm、長さ2~10cmの球形から楕円形。皮の色は赤や紫、黄、黒、白などがありますが、果肉は白色です。葉は根生葉で、茎の途中につくのではなく、株元に密集して伸びるのが特徴。収穫せずに育てると、花茎が伸びて茎の先にアブラナ科らしい4枚の花弁が十字になる白~淡いピンクの花が咲きます。花が咲くと葉が硬くなったり食味が落ちるため、食用にする場合は適期を逃さずに収穫しましょう。 ラディッシュの名前の由来と花言葉 topotishka/Shutterstock.com ラディッシュの和名「二十日大根(はつかだいこん)」は、種まきから収穫までが20~30日程度という生育期間の短さが由来。英名のradishは、本来はダイコン全般を指しますが、日本ではラディッシュといえばハツカダイコンを意味します。ラディッシュの花言葉は「適応力」「潔白」「節度」「再生」などです。 ラディッシュに含まれる栄養素 VI Studio/Shutterstock.com ラディッシュの根の部分のカロリーは、100gあたり約15キロカロリーです。ジアスターゼやビタミンCが豊富なほか、カリウムやカルシウム、葉酸なども含みます。一方、葉の部分はβ-カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウムなどを多く含んでいます。 ラディッシュの代表的な品種 Helga Fluey/Shutterstock.com ラディッシュには多くの品種があり、種子が市販されています。代表的な赤丸型の品種には「コメット」や「レッドチャイム」などがあります。「カラフルファイブ」は果皮が赤やピンク、白、薄紫などさまざまな色で、「アイシクル」や「雪小町」は白く細長いミニチュアのダイコンのような形です。 ラディッシュの栽培スケジュール ラディッシュは、春に種まきをする「春まき」と、秋に種まきをする「秋まき」とがあり、年に2回の栽培が可能です。一般地を基準にすると、「春まき」は3月下旬〜6月上旬に種子を播き、5月〜7月上旬に収穫。「秋まき」は8月下旬〜10月に種子を播き、9月下旬〜12月上旬に収穫します。また、種子を一度に播くのではなく、少しずつ播く「ずらしまき」をすると、長期間にわたり栽培・収穫を楽しめます。 ラディッシュの栽培環境 Victoria Moloman/Shutterstock.com ラディッシュの生育適温は15〜20℃で、冷涼な気候を好みます。また連作(同じ場所で同じ種類〔科〕の植物を育て続けること。土壌バランスが崩れて生育障害が起きやすくなる)を嫌うので、アブラナ科の植物を1〜2年は育てていない場所を選びましょう。日当たり・風通しのよい場所が適地で、水はけ・水もちのよい土壌を好みます。 ラディッシュの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 根菜類に属するラディッシュは、移植ができないので種まきからスタートします。畑の準備はその2〜3週間前に行い、有機物などが分解して土が熟成するのを待ちましょう。 まず、種まきの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり100g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥2kg、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約100gを全面に散布し、よく耕して平らにならしておきます。 【鉢植え】 野菜の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 種まき GreenThumbShots/Shutterstock.com ラディッシュの種まき適期は、「春まき」は3月下旬〜6月上旬、「秋まき」は8月下旬〜10月です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、幅約60cm、高さ約10cmの畝を作ります。畝の長さは作りたい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。この畝に、2列の種まき用の溝をつけます。溝の間隔(条間)を20〜30cmあけ、園芸用の支柱を押し当てて深さ1〜2cmの播き溝をつけます。その播き溝に、1cm間隔でラディッシュの種子を播きましょう。溝の両側から土を寄せて種子に薄くかぶせ、軽く手のひらで押さえます。最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流でたっぷりと水やりをしましょう。 【鉢植え】 標準サイズのプランターを準備。底穴に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出ないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。園芸用支柱などを使い、手前と後ろに10〜15cmほどの間隔をあけて2本の播き溝をつけます。溝の深さは1cmほどが目安です。ラディッシュの種子を1cm間隔で播き、溝の両側から土を寄せて薄くかぶせ、軽く手で押さえます。最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流で、鉢底から流れ出すまでたっぷりと水やりしましょう。発芽までは乾燥させずに管理することがポイントです。 防虫ネットの設置 THETAE/Shutterstock.com アブラナ科に属するラディッシュは、大変虫がつきやすい野菜です。でも、せっかく家庭で栽培するのですから、できるだけ無農薬で管理したいですよね。そんな時は、園芸用資材を上手に利用する方法があります。用意するのは、不織布と防虫ネット、園芸用支柱です。 不織布は、種まきの直後に、畝にべたがけにして四方に土を盛って固定しておくと、幼苗を虫から守ることができます。ある程度苗が育ってきたら、不織布をはずして防虫ネットの設置に切り替えましょう。園芸用支柱を畝の両端と中央あたりにアーチ状にして深く差し込み、防虫ネットを被せます。畝の両端で防虫ネットを結んで固定し、四方の裾に土を盛ってしっかりと固定。これで物理的に虫の侵入を抑えられるというわけです。プランター栽培でも同様に管理できます。虫が苦手な方は、園芸用資材を上手に使って防除するのがおすすめです。 水やり Ivanko80/Shutterstock.com 【地植え】 発芽後は、地中から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、過度に乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 間引き Denis Pogostin/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 双葉が出揃ったら、3〜4cm間隔になるように間引きます。葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取ります。 追肥・土寄せ New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 本葉が2〜3枚ついたら、追肥として、地植えでは化成肥料を1㎡当たり30g、鉢植えでは約10gを周囲にばらまき、土によくなじませて株元に土を寄せておきましょう。 収穫 【地植え・鉢植えともに】 ラディッシュは、収穫が近づくと根が太って地面にせり上がってくるようになります。せり上がった根の直径が2〜3cmになった頃を目安に収穫しましょう。収穫の際は、株元を持って一気に引き抜きます。収穫が遅れると、肥大しすぎて根が割れたり、すが入ったりして品質が落ちるので、適期のタイミングを逃さないようにしてください。収穫したら、葉を残しておくと水分が葉から蒸散されてしまうので、すぐに葉の部分を切り取りましょう。茎葉の部分も栄養価が高く、調理に利用できます。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 ラディッシュに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると発病しやすいので注意。発見したら病害部を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれます。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすいので注意。花がらはこまめに摘み取り、茎葉は適宜間引いて、風通しよく管理しましょう。 【害虫】 ラディッシュに発生しやすい害虫は、アブラムシ、アオムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 アオムシは、モンシロチョウの幼虫です。葉裏などに卵を産み、孵化した幼虫が旺盛に葉を食害します。葉に穴があいているのを見つけたら、葉を裏返すなどして確認し、幼虫は見つけ次第捕殺します。大きくなるとギョッとするほどのサイズになり、葉脈のみを残して食べ尽くすほどの害を与えるので、早めの対処が大切です。 ラディッシュ栽培でよくあるトラブルと対処法 tastyfood/Shutterstock.com ラディッシュは栽培しやすい野菜ですが、トラブルが起こることもあります。ここでは、よくあるトラブルと対処法についてご紹介します。 発芽しない 気温が低いか水分が足りないのが、発芽しない原因と考えられます。気温が低かったと思う場合は、種まきする時期をずらして、もう一度トライしてみてください。また、種まき後は、水切れさせないことがポイントなので、発芽までは水やりを忘れないようにしましょう。いずれも、1週間待って発芽しないときは諦め、新たに種まきするとよいでしょう。 根が割れる 収穫したら根が割れていることがありますが、これは収穫のタイミングが遅れたことが主な原因です。表土に顔を出している根の直径が2〜3cmになった頃を目安に収穫しましょう。ラディッシュは若いうちに収穫するほうがよく、適期を過ぎると食感も悪くなります。ただし、割れていても食べるのには問題ありません。 あまり大きく成長しない ラディッシュの根があまり大きくならなかった場合は、いくつかの原因が考えられます。まず、株間が狭すぎたこと。忘れずに間引きをして、3〜4cmほど株間をとりましょう。また、間引いた際に、土寄せをすると根の栄養吸収がよくなって肥大しやすくなります。ほかにも、日当たりが悪い場合や、水不足などでも根が大きくならないことがあるようです。ラディッシュの栽培に適した環境に整えましょう。 ラディッシュの食べ方 asife/Shutterstock.com ラディッシュは、根も葉も美味しく食べられる野菜です。ここでは、ラディッシュの利用の仕方についてご紹介します。 根の食べ方 ラディッシュの根は生食でき、サラダやマリネ、ピクルス、漬物などに利用可能です。ピリッとした辛みが、アクセントになってくれます。ほかに、炒め物やオーブン焼き、スープの具材など、加熱料理に使うと、マイルドな味わいを楽しめます。 葉の食べ方 葉は根よりも栄養豊富といわれているので、捨てずにぜひ食材として使ってください。胡麻和えやナムル、炒めもの、スープの具材などに利用できます。 ラディッシュの飾り切り Photo Food Pro/Shutterstock.com 表皮が赤く、中が白いラディッシュは、飾り切りにすると赤と白のコントラストが映え、料理のアクセントとしても活躍します。まず、よく洗って茎を切り落とします。根は小さいので、刃先の短いナイフを使うのがおすすめ。最も簡単なのは、根の表面にいくつかのV字の切り込みを入れて模様をつけること。星形などにアレンジしても素敵です。 ラディッシュの保存方法 Ilia Nesolenyi/Shutterstock.com 収穫したラディッシュを保存する際は、ひげ根を落とし、葉と根を切り分けておきましょう。 葉をつけたままにしておくと、蒸散作用によって水分が抜けやすく、根の栄養が葉に吸い取られます。 根と葉を切り分けたら、水を含ませて軽く絞ったキッチンペーパーでそれぞれ別に包みましょう。そのまま保存袋に入れて野菜室で保存し、1週間ほどで食べ切ります。 冷凍したい場合、葉は茹でて絞ってからラップに包み冷凍庫に。1カ月ほど保存が可能です。根は食感が損なわれるため、冷凍保存には向きません。 ラディッシュを育てて採れたてを食べよう Natalya Kopyl/Shutterstock.com ラディッシュは種まきから栽培するのが基本ですが、種まきから収穫までの期間が1カ月程度と短いのが特徴です。家庭菜園に興味がある方は、まず成功体験を得るためにも、ラディッシュの栽培から始めるのがおすすめ。ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
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宿根草・多年草

クロコスミアの育て方完全ガイド|放任しても咲く! 初心者向けおすすめ品種もご紹介
クロコスミアの基本情報 Tom Meaker/Shutterstock.com 植物名:クロコスミア学名:Crocosmia英名:Crocosmia、Montbretia、Coppertips和名:ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)その他の名前:モントブレチア科名:アヤメ科属名:クロコスミア属原産地:南アフリカ形態:多年草(宿根草) クロコスミアの学名はCrocosmia。アヤメ科クロコスミア属の球根植物で、原産地は南アフリカ。別名はモントブレチア、ヒメヒオウギズイセンなど。以前はモントブレチア属に分類されていたため、今でもその属名で呼ばれることがありますが、次第にクロコスミアに移行しています。 暑さに強く寒さはやや苦手ですが、強健で増えやすく、野生化することも多いようです。自生地では7種が分布しており、日本でよく流通しているのは、クロコスミア・オーレア(C.aurea)、クロコスミア・ポトシー(C.pottsii)、この2種を交配して生まれたクロコスミア・クロコスミフローラ(Crocosmia ×crocosmiiflora)などです。このほかにも人の手によって作出された園芸品種が多く出回っています。 クロコスミアは春植え夏咲きの球根植物で、晩秋になると地上部を枯らして休眠します。越年してまた生育期を迎えると再び新芽を出すライフサイクルを繰り返し、一度植え付ければ毎年の開花を楽しめる、息の長い植物です。草丈は品種によって異なり、40〜150cmと幅があります。花壇の中段〜高段向きです。 クロコスミアの花や葉の特徴 Scott Cummings/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:6〜8月草丈:40〜150cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:赤、オレンジ、黄、複色 クロコスミアの開花期は6〜8月で、花色は赤、オレンジ、黄、複色などがあります。花茎を長く伸ばした先に、下から咲き上がって20輪前後の花を咲かせます。花径は3〜6cm。葉は剣状で細長く、地際から放射状に伸びます。 クロコスミアの名前の由来や花言葉 Quercus 1/Shutterstock.com クロコスミアは、学名がそのまま流通名になっています。「Crocosmia」は、ギリシャ語でサフランを意味する「Kroko」と香りを意味する「osme」からなり、乾燥させた花を湯に入れると、サフランのような香りがすることに由来するそうです。別名のモントブレチアは、フランス人の植物学者に由来するもの。和名のヒメヒオウギズイセンは、花姿をヒオウギとスイセンになぞらえた名前で、少し小さめなので名前の頭に「姫」がついています。 クロコスミアの花言葉は「楽しい思い出」「謙譲の美」「陽気」など。いずれも鮮やかな花姿を表したもので、「謙譲の美」はうつむくように咲くことに由来しています。 クロコスミアの和名の由来になったヒオウギとスイセンはどのような花? クロコスミアの和名はヒメヒオウギズイセン。この由来となったヒオウギとスイセンとはどんな花なのか、見てみましょう。 ヒオウギ Cynthia Shirk/Shutterstock.com ヒオウギはアヤメ科ヒオウギ属(ベラムカンダ属)の落葉性多年草です。原産地は日本、朝鮮半島、中国、インドで、暑さや寒さに強い性質を持っています。開花期は7〜8月で、花色はオレンジ、黄、ピンク、紫、赤など。剣状の長い葉を重ねるように扇状になる姿が、宮中で貴人が用いた木製の「檜扇」に似ているとして名付けられました。花径は5〜6cmの6弁花で、そばかすのような斑点が見られます。草丈は40〜100cm。 スイセン Radovan1/Shutterstock.com スイセンは、ヒガンバナ科スイセン属の球根植物です。原産地はイベリア半島を中心とした地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。開花期は11月中旬〜翌年4月で、花色は白、オレンジ、黄、複色など。花は筒状の副冠と花弁、萼片で構成されており、クロコスミアには似ていません。人気の高い花だけに品種が豊富で、花色や花姿は多様です。草丈は10〜50cm。 クロコスミアの主な品種 ‘ルシファー’ Irene Fox/Shutterstock.com クロコスミアは、300種以上の園芸品種があるとされています。日本で流通している主な品種をいくつかご紹介します。 クロコスミア・クロコスミフローラ High Mountain/Shutterstock.com クロコスミア・オーレアとクロコスミア・ポトシーの交雑種で、クロコスミアの和名であるヒメヒオウギズイセンは、主にこの品種を指します。野生化した状態のものが各地で見られ、日本では広く普及している品種です。朱赤や濃いオレンジの花を咲かせます。 ‘ルシファー’ Debu55y/Shutterstock.com 鮮明な深紅の花色が美しく、人気の高い園芸品種。草丈1m以上になる大型種。 ‘コンスタンス’ 鮮やかなオレンジ色の花を咲かせる園芸品種。草丈は80~90cm。 ‘コロンブス’ Joe Kuis/Shutterstock.com 大輪で発色のよい山吹色の花が美しい。草丈50〜70cm。 ‘ノーウィッチキャナリ’ Nahhana/Shutterstock.com 花つきがよく、小さめの黄色い花を多数咲かせる品種。草丈60cm程度の小型種。 複色の品種も。Alex Manders/Shutterstock.com クロコスミアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜8月植え付け・植え替え:3〜4月肥料:4月頃(鉢植え) クロコスミアの栽培環境 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰でも育ちますが、日照が不足すると花つきが悪くなります。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけ・水もちのバランスがよい土壌を好みます。植え付け前に有機質肥料などを施して土づくりをしておきましょう。 耐寒性・耐暑性 暑さには強く、放任しても元気に咲きます。寒さにはやや弱く、暖地なら地植えのままで越冬できますが、霜や霜柱の心配のない場所が越冬条件です。戸外で越冬させる場合は株元に寒さ対策としてバークチップなどでマルチングをしておきます。凍ると枯れることがあるので、寒冷地では球根を掘り上げて貯蔵しておきましょう。 クロコスミアの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と、元肥として緩効性化成肥料を投入し、深くまで耕してふかふかの土をつくっておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり 株が蒸れるのを防ぐために、茎葉株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が高い昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、ひどく乾燥させないように水の管理をしましょう。根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げ、多数のつぼみが上がってくると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え】 あまり多肥を好まない性質で、肥料を施すとかえって軟弱になったり、葉が茂りすぎて倒れやすくなったりするので、追肥は不要です。ただし、株に勢いがなく葉色が冴えないようであれば、速効性の液肥を与えて様子を見るとよいでしょう。 【鉢植え】 越年した後、毎年4月頃に緩効性肥料を少量与えます。 注意する病害虫 Catherine Eckert/Shutterstock.com 【病気】 クロコスミアの栽培では、病気の心配はほとんどありません。 【害虫】 クロコスミアに発生しやすい害虫は、ハダニです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁します。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 植え付け・植え替え AlenKadr/Shutterstock.com クロコスミアの植え付け適期は、3〜4月です。市販されている球根を植え付けますが、開花期に出回る花の咲いた鉢植えを植え付けてもかまいません。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、土を5〜6cmかぶせられるように球根の大きさに合わせて穴を掘って植え付けます。複数植える場合は、間隔は30cmほど取っておきましょう。 地植えの場合は植え替えの必要はなく、放任しても毎年開花を楽しめます。数年経って株が込み合ってきたら、植え付け適期に掘り上げて株分けして植え直しましょう。 【鉢植え】 7号鉢に8〜10球を目安に植え付けます。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を8割くらいまで入れましょう。土は鉢内までしっかり行き渡るように鉢底をコンコンと打ち付けながら土を落ち着かせ、しっかりと培養土を入れ込みます。土を4〜5cmかぶせられるように、球根の大きさに合わせて植え穴を掘って植え付けます。また、水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 数年は植えたままにしてもかまいません。しかし大株になって込み合ってきたら植え付け適期に掘り上げ、株分けして植え直しましょう。 日常のお手入れ Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【冬越し】 寒くなると地上部が枯れ込むので、地際で刈り込みましょう。暖地では敷きワラやバークチップなどでマルチングし、寒さ対策をしていれば戸外に植えたままで越冬します。 しかし、凍結すると枯れることがあるため、寒冷地では球根を掘り上げて翌年の植え付け適期まで貯蔵しておくと万全です。秋が深まって地上部の茎葉が枯れ込んだら、地上部を刈り取って球根を掘り上げます。段ボールや発泡スチロールなどの容器におがくずを入れて球根を埋め込み、翌年まで貯蔵します。球根が乾燥すると枯れることがあるので注意。掘り上げたくない場合は、20〜30cm盛り土しておくと、凍結を防ぐことができます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com クロコスミアは、一般的には株分けで増やすほか、種まきでも増やすことができます。 【株分け】 クロコスミアは球根が増えやすく大株になるので、掘り上げて球根を切り分け、増やすことができます。適期は3〜4月です。あまり小分けにせず、2〜3芽つけて切り分けます。株分けのメリットは、親株と同じ花が咲くクローンを増やせることです。 【種まき】 クロコスミアは、開花した後につけた種子を採取し、種まきして増やすことができます。そろそろ開花期が終わる頃になったら花がら摘みをやめて結実させ、完熟したら種子を採ります。黒ポットに草花用の培養土を入れ、採取した種子を2〜3粒ずつ播きます。発芽して本葉が出た頃に、勢いがあってがっしりと締まった苗を1本残し、ほかの弱々しい苗は間引きましょう。黒ポットに根が回るほどに生育したら、目的の場所に定植します。花が咲くまでは、3年くらいかかります。園芸品種の場合は、親株と同じ花が咲くとは限りません。 クロコスミアの栽培上の注意点 Alex M Orr/Shutterstock.com クロコスミアは強健で育てやすい一方、種類によっては非常に繁殖力が強く、野生化しやすいという報告が見られます。佐賀県では自然植生への影響を及ぼす可能性があるとして、「佐賀県環境の保全と創造に関する条例」によりクロコスミア類の栽培や持ち込みが制限されているので、注意してください。地植えした際に、あまりに増えすぎるようであれば、地中にトタン板を埋め込むなどして範囲を限定し、株が大きくなったら株分けして小さくするなどの工夫をしましょう。 クロコスミアで夏の庭に彩りを与えよう surotbar/Shutterstock.com クロコスミアは強健な性質で、植えっ放しにして手をかけずとも毎年夏に鮮やかな花を咲かせてくれます。暑さに負けず、1つの花茎に多数の花を連ねるので、夏の庭をカラフルに彩るのにおすすめ。ぜひ庭やベランダに迎え入れてみてください。
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樹木

【初心者向け】ヒメシャラの魅力と育て方|シンボルツリーに人気の理由・育て方・剪定のコツまで完全ガイド
ヒメシャラの基本情報 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:ヒメシャラ学名:Stewartia monadelpha英名:Tall Stewartia、Japanese stuartia和名:ヒメシャラ(姫沙羅)その他の名前:シャラノキ(沙羅木)、アカラギ、サルスベリなど科名:ツバキ科属名:ナツツバキ属原産地:日本(関東地方以西、四国、九州)形態:落葉性高木 ヒメシャラは、ツバキ科ナツツバキ属の花木です。学名はStewartia monadelpha。原産地は日本(関東地方以西、四国、九州)で、寒さにやや弱い性質です。冬には葉を落とす落葉樹で、生育スピードが遅くあまり手がかからないので、古くから庭木として愛されてきました。樹高は12〜15mと大きくなりますが、毎年の剪定によって程よい大きさにコントロールすることも可能です。 ヒメシャラの花や葉、幹、実の特徴 Ailintang/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5〜7月樹高:12〜15m耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:白 ヒメシャラの開花期は5~7月で、花色は白が基本ですが、淡くピンクがかるものもあります。葉の付け根から花茎を伸ばし、径1.5~2cmのツバキに似た5弁花が咲きます。花の中央には多数の雄しべと、先端が5つに裂ける雌しべがのぞきます。 美しい赤褐色の幹が特徴 Martin Hibberd/Shutterstock.com 成木の樹皮はなめらかで美しく、アオギリ、シラカバと並んで「日本三大美幹」と称されるほど。葉を落とした冬の林では特に美しさが際立ちます。別名の「アカラギ」は、赤褐色の幹の美しさが由来で、木材としては硬く、彫刻や器具、床柱などに利用されています。樹形は自然に整い、箒を逆さにしたような姿になります。若木の樹皮は赤褐色でなめらかですが、次第にグレーがかった模様が出現してまだらにはがれ、最終的には再び赤褐色へと変化していきます。 秋には紅葉が楽しめる Peter Turner Photography/Shutterstock.com ヒメシャラの葉は長さ5cm前後の楕円形で、先端がとがっているのが特徴です。落葉樹で、秋には紅葉する姿を楽しめます。乾燥が進むと秋に葉が傷み、観賞価値が下がってしまうので注意。花色がピンクのヒメシャラは、紅葉時により発色の美しい赤い葉になります。 実もなるが食用には向かない 開花後には1cmほどの丸い果実をつけます。9~10月に熟すと5つに裂けて中から種子が飛び出し、自然に落下します。実は枝全体にたくさんつき、種子が飛び散った後も殻は枝に残り、落葉後もびっしりと付いたままに見えるのが特徴です。美観を保つため、冬に行う剪定時に取り除いておくとよいでしょう。 ヒメシャラの名前の由来と花言葉 F_studio/Shutterstock.com ヒメシャラという名前は、シャラノキとも呼ばれるナツツバキよりも花や葉が小さいことから。ナツツバキがシャラノキやサラノキと呼ばれるのは、仏教の聖木の1つであるサラノキに由来し、本来のサラノキが日本の気候では育たたないため、花姿の似ているナツツバキを代用としたためと考えられています。 ヒメシャラの花言葉は「愛らしさ」「謙虚」など。「愛らしさ」は外見の美しさから。「謙虚」はヒメシャラの花があまり目立たず、葉の間からのぞく奥ゆかしい姿から来ているようです。 ナツツバキ(シャラノキ)との違い ナツツバキ。tamu1500/Shutterstock.com ヒメシャラとナツツバキ(シャラノキ)は混同しやすい木ですが、見分けやすい違いもあります。ヒメシャラの葉や花はナツツバキより小型で、ヒメシャラの葉は先端が細長く尖っているのが特徴。ヒメシャラは葉裏に細かな白い産毛があり、花の外面にも同様の産毛があるのに対し、ナツツバキの葉は無毛で葉脈がはっきり浮き出ているという違いもあります。また、ヒメシャラの幹は成長すると皮がむけ、常に新しい幹肌を見ることができる一方、ナツツバキの幹は樹皮がむけた跡が斑模様として残りやすい特性があります。ほかに見分けやすいポイントとして、種子が弾けた後の実殻が残っている場合、ナツツバキは先端が尖って突き出しているという特徴があります。 和洋の庭園に合うヒメシャラはシンボルツリーに最適 tamu1500/Shutterstock.com 幹や枝が細く、繊細な樹形が楽しめるヒメシャラは和洋問わず景色に調和するので、シンボルツリーにぴったり。軽やかなシルエットのため、3~4mサイズの木を植栽しても圧迫感が生まれず、ナチュラルで優しい印象をもたらします。自然に樹形が整う特性を生かし、主に透かし剪定をして自然味のある表情を保つのがおすすめです。 ヒメシャラの木の値段 tamu1500/Shutterstock.com ヒメシャラは大きく育った成木で購入すると、木の値段のほかに植え付けの費用などもかかってきますが、樹高1mほどの若い苗木であれば2万円前後で購入でき、自分で植え付けることも可能です。さらに2年生苗などの幼い木なら、数千円で購入することができます。 ヒメシャラの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜7月植え付け・植え替え:12月〜翌年2月肥料:2〜3月、6月剪定:12月〜翌年2月 ヒメシャラの栽培環境 tamu1500/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰の環境でも十分育ちますが、暗すぎる場所では花つきが悪くなるので注意。西日が強く当たる場所では、夏の強い日差しによって葉が傷みやすくなるので、避けたほうが無難です。 【日当たり/屋内】基本的に屋外で栽培します。 【置き場所】樹高が高くなるので、枝葉を伸ばした時に邪魔にならないような場所をあらかじめ確保しておきましょう。また、適度に水はけ・水もちのよい土壌を好み、乾燥に弱い性質を持っています。 耐寒性・耐暑性 ある程度寒さに耐えるので、関東以西では地植えでも育ちますが、寒冷地などでは鉢栽培で楽しむほうが無難です。季節ごとに適した場所に移動しながら管理するとよいでしょう。 ヒメシャラの育て方のポイント 用土 bluedog studio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。 水やり Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために、枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根付いたら、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥するようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。表土が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期や真夏は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。 肥料 sasimoto/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 越年後は、毎年生育が旺盛になる前の2〜3月と開花後に、有機質肥料を施し、木の勢いを保ちます。 注意する病害虫 traction/Shutterstock.com 【病気】 ヒメシャラに発生しやすい病気は、さび病や白紋羽(しろもんぱ)病などです。 さび病は、カビによる伝染性の病気です。葉にくすんだオレンジ色の斑点が現れます。この斑点は楕円形でやや細長く、イボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。進行すると株が弱り、枯死することもあるので注意。病葉は見つけ次第切り取って処分し、適用のある薬剤を散布して防除します。 白紋羽(しろもんぱ)病は、木全体の葉が縮れて枯れ込み、根や地際に近い樹皮に白灰色の菌糸束や菌糸膜が見つかります。手遅れになると枯死するので、周囲に病気が蔓延するのを防ぐためにも早めに抜き取って土ごと処分することも考えなければなりません。樹勢が弱ると感染しやすくなるので、勢いのある健康な状態を保つことが大切です。 【害虫】 ヒメシャラに発生しやすい害虫は、チャドクガやコガネムシなどです。 チャドクガは蛾の幼虫で、多数の細かい毛に覆われた毛虫です。体長は2〜3cmくらいで、ツバキ科の植物によく発生します。葉裏などに幼虫が大発生することがあり、見た目もよくないので見つけ次第駆除しましょう。毒のある毛に触れるとかぶれて皮膚炎を起こすので、駆除の際には注意が必要です。毛が皮膚につかないように長袖、長ズボン、手袋を着用して作業し、枝ごと切ってビニール袋に入れて処分してください。 コガネムシは、主に5〜8月に発生しやすく、成虫の体長は2〜3cm。主に葉を旺盛に食害するので、網目状態になっていたら近くにいることが疑われます。外部から飛来してくるので防除しにくく、見つけたらすぐに捕殺しましょう。また、土中に産卵されると、今度は幼虫が根を食い荒らして株を弱らせます。幼虫は食欲旺盛で、根のほとんどを食い尽くして、枯死させることもあるので注意が必要です。 ヒメシャラの詳しい育て方 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com ヒメシャラの植え付けの適期は、休眠期の12月〜翌年2月です。ほかの時期にも苗木は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。ただし、真夏と真冬は避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。苗木が若いうちは、支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎます。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 入手した苗の根鉢よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れます。苗木をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。苗木が若いうちは支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら、支柱を取り外してもかまいません。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してあまり根鉢をくずさずに、新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定・切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com ヒメシャラの剪定適期は、落葉して休眠している12月〜翌年2月です。自然樹高は12〜15mに達しますが、家庭で栽培するなら管理をしやすくするためにも5m以内にとどめ、剪定によって樹高をコントロールしましょう。ヒメシャラは成長スピードがやや遅いほうです。もともと枝数が少なく、繊細な枝ぶりが美点といえるので、強い切り戻しをせずに自然に整う樹形を楽しむ剪定を心がけます。 まず樹高の半分より下の幹から出ている枝は、すべて元から切り取ります。次に、幹の内側に向かって伸びる枝を切り、さらに込み合っている部分があれば、不要な枝を元から切って風通しをよくしましょう。枝はどこで切ってもいいわけではなく、必ず分岐点まで遡って切り取ってください。剪定した部分から雑菌が入って病気を誘発したり、木の水分を失ったりするのを防ぐために、切り口には必ず癒合剤を塗っておきましょう。癒合剤は園芸店などで手に入ります。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ヒメシャラは、挿し木、種まきで増やすことができます。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ヒメシャラは挿し木で増やすことが可能です。 挿し木の適期は、6〜7月です。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して表土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理し、その後は日当たりのよい場所に移します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。成長とともに鉢増ししながら管理し、苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 ヒメシャラは、10月頃に果実が熟します。果実を採取して種子を取り出し、流水できれいに洗い流して、そのまま播きましょう。 黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。種子を黒ポットに数粒播いて軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理します。カラカラに乾燥しないように水の管理に注意し、発芽後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。鉢増ししながら育成し、苗木として十分な大きさに育ったら植えたい場所に定植しましょう。 自然で美しい樹姿のヒメシャラをシンボルツリーに tamu1500/Shutterstock.com 株立ちの美しい樹形を楽しめるヒメシャラは、春の新緑、初夏の開花、秋の紅葉と四季の移ろいを強く感じることのできる花木の1つです。和洋を問わず景観に馴染むので、家の顔となるシンボルツリーとして取り入れてはいかがでしょうか。
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園芸用品

今年は2倍! 大量発生で危険度が増すスズメバチ対策に簡単“置くだけ”蜂トラップ
庭に暮らすさまざまなハチ、それぞれの役割 庭で見かけるハチにはさまざまな種類があります。ミツバチは花粉を運び、果樹や花壇の実りに欠かせない存在としてよく知られています。一方、「刺すハチ」として恐れられがちなアシナガバチやスズメバチも、じつは自然界では重要な役割を担っています。それぞれのハチがどのように暮らしているのか、まずは彼らの生活を見てみましょう。 “小型捕食者”アシナガバチの暮らし 小さめのコロニーで暮らすアシナガバチ。page frederique/Shutterstock.com 春、女王バチが目覚めると、木の繊維をかじって唾液と混ぜ、紙のような素材にして巣を作ります。巣はシャワーヘッドのような形で、規模は数十匹ほどの小さな家族単位。成虫は蜜や樹液を舐めて暮らし、幼虫のために毛虫や青虫といった庭木の害虫を狩って与えます。ですから、見た目の怖さに反して、ガーデニングでは庭木を守ってくれる益虫です。 “大型肉食ハンター”スズメバチの暮らし 巨大なスズメバチの巣。Kelly Marken/Shutterstock.com 春、女王バチが営巣し、夏から一気にコロニーが拡大します。その数は数百から数千匹規模に膨れ上がり、厚い層で覆われた球状の巣を作ります。成虫は樹液や果汁を舐めて暮らし、幼虫にはバッタやハエ、他の昆虫を狩って与えます。獲物の範囲が広く、大型昆虫まで捕食するので、昆虫の個体数調整を担う「自然界のハンター」という大事な役割も果たしています。 ラベンダーの花の蜜を集めるミツバチ。paula french/Shutterstock.com ですから、ミツバチが花粉や蜜を食べる“草食系”、アシナガバチが毛虫などを食べる“小型捕食者”だとすれば、スズメバチはバッタや他のハチまで襲う“大型肉食ハンター”です。その強い肉食性が、庭で見かけたときに人にとって“迫力ある存在”に映る理由の1つでもあります。 アシナガバチとスズメバチの違い アシナガバチもスズメバチも、女王をトップとし、巣の中で役割分担をしながら暮らしを営む社会性昆虫ですが、その営みには以下のような違いがあります。 特徴アシナガバチスズメバチ巣の規模数十匹数百〜数千匹巣の形開放型(六角形がむき出し)球状で閉鎖型役割分担緩やか厳格防衛性穏やか(刺激がなければ刺さない)攻撃的(フェロモンで集団防衛) アシナガバチは「小さな家族のコミュニティ」、スズメバチは「軍隊のような大組織」といえるでしょう。この暮らし方の違いが、スズメバチの‘恐ろしい’と思われる特性につながる鍵になっています。 なぜスズメバチは攻撃的なのか? ミツバチを襲うスズメバチ。photofort 77/Shutterstock.com スズメバチは攻撃性が強く、恐ろしい存在として知られていますが、それは「性格が荒いから」ではありません。その理由は、前述のように彼らの巣が大規模コロニーであるためです。大規模コロニーであるスズメバチの巣は、それを狙うクマなどの天敵にとっては膨大な栄養エネルギー源であり、「攻める価値のあるターゲット」です。一方、狙われる側のスズメバチにとっては、 大規模コロニーを守る必要:数千匹規模の仲間と膨大な幼虫を抱えるため、外敵に襲われれば壊滅的打撃を受ける。 捨てられない巣:アシナガバチの巣は解放構造かつ小規模家族なので、天敵から襲われた場合には巣を捨てて逃げることも珍しくない。しかし、スズメバチの巣は閉鎖的構造で「城」のように膨大な資源が集中しているため、放棄するより「徹底抗戦」を選ぶ。 肉食性と縄張り意識:狩りの場や巣の周辺を侵されると、大家族を養うための貴重な餌資源が失われるため、防衛的に先制攻撃。 集団防衛システム:警戒フェロモンで仲間を呼び寄せ、組織的な攻撃が可能。 進化の背景:クマなどの大型捕食者が多い環境で進化してきたため、防衛力を強化せざるを得なかった。 つまり、スズメバチは大家族が住む巨大な巣を守るために、防衛行動を進化させてきたことによって、「攻撃的に見える」というわけなのです。 クマはスズメバチの一番の天敵。Olga1818/Shutterstock.com 庭でハチと安全に付き合うために コガネムシのような甲虫も捕まえるスズメバチ。Oleh Khilinskyi/Shutterstock.com アシナガバチもスズメバチも、本来は人間を狙って攻撃する生き物ではありません。庭木の害虫を食べたり、ほかの昆虫の数を調整したりする自然界の調整役です。しかし、巣が人の生活圏に近づきすぎると「防衛本能」が働き、思わぬ事故につながることがあります。庭で過ごしたり、屋外で食事を楽しむときなどは、ハチとの距離感を上手に保つ工夫が必要です。 スズメバチから見た「安全な距離」とは では、ハチから見たときの安全な距離感とは、どういうものでしょうか。 巣のまわりには“見えない境界線”があります。2〜3mは危険ゾーン、10mは警戒圏。刺激すれば50m先まで追われることも。庭で巣を見つけたら、無理に近づかず専門業者に相談を。 巣の警戒圏 公的な資料によると、スズメバチは巣の周囲数m〜10mに入ったものを警戒対象にします。特に2〜3m以内は最も危険で、強い威嚇や攻撃を受ける可能性が高いとされています。 追跡距離 いったん攻撃を受けると、10〜50mほど追いかけてくる場合があることが報告されています。つまり「刺された場合、逃げ切るには、最低でも数十メートルは距離を取る必要がある」ということです。 ※この距離は種(キイロ・オオ・コガタ等)や季節(秋は攻撃性高)、営巣場所、過去の刺激経験で広がることがあります。上記は“目安”であり、迷ったら絶対に近づかず、専門業者へ相談しましょう。 住宅街での注意 狭い庭や住宅街に巣を作られた場合は、常に “警戒圏”の中で生活することになり、共存は現実的に難しい状況です。この場合は決して自分で駆除を試みず、自治体や専門業者に相談することが最も安全です。 ハチと安全な距離を保つための「蜂トラップ」 そこで活躍するのが、ガーデンストーリーシリーズのガラス製蜂トラップです。このトラップは「ハチを根絶やしにするため」ではなく、人の生活圏に近づきすぎたハチを引き寄せて捕獲し、前述の「安全な距離」を確保するための道具です。 吊して使う「蜂トラップ ハンギングNatural」。カラーバリエーションは、ブルー/グリーン/パープルの3色展開。 ガラス瓶の底面に開いた小穴から、誘引液(酢+砂糖水など)に誘われて蜂が侵入。一度入ると、上部はしっかり栓をしたコルクで閉じられていて脱出できず、ガラス内壁は滑りやすく登れない構造になっており、ハチは出口を見失ってそのまま捕獲される仕組みです。 ハチの生態を踏まえ、蜜や果汁、砂糖水など甘い香りで誘引します。 設置のタイミングは「ハチが庭に頻繁に現れるようになったとき」。 逆にまったくハチがいない状況では不要。必要なときにだけ設置するのが賢い使い方です。 庭になじむ、美しいガラス製デザイン 一般的な蜂トラップは「捕獲器具」として無骨なものが多いですが、この製品は庭のアクセントになるような美しいデザインが魅力。 ガラスの透明感が花や緑と調和し、装飾的な美しさを持つ。 吊しても、棚やフェンスに置いても、自然に景観に溶け込む。 ガラスに施されたデザインにより、中の昆虫の姿が見えにくく、不快感がない。 実用性だけでなく、「庭の雰囲気を壊さない」という点でガーデンライフに寄り添うアイテムです。 蜂トラップを安全に活用するポイント 置き型の「蜂トラップ スタンド付き Clear」。アイアンの装飾がおしゃれ。 誘引液には砂糖+酢+水、あるいはレモネードなどを使用。 設置場所は、人の通り道や遊び場から離れた庭の隅に。 ハチが多い時期(初夏〜秋)に限定して使うのがおすすめ。 蜂トラップに関するFAQ(よくある質問) Q1. 庭でスズメバチの巣を見つけました。どうすればいい? A. 自分で駆除するのは大変危険です。巣の近くは半径5〜10m以内が警戒圏内で、2〜3m以内に入ると攻撃されるリスクが高まります。住宅街など距離が取れない環境では共存は難しいため、専門業者や自治体に相談してください。蜂トラップは補助具であり、巣そのものを取り除くことはできません。 Q2. 子どもがいる庭では、どこにトラップを置けばいい? A. 遊び場や通路から離れた庭の隅に設置してください。庭が狭い場合は、最も子どもが近寄らないエリアに。高さは地上1.5m程度に設置すると、子どもやペットの手が届きにくく安全です。 Q3. 誘因液には何を入れるのがいいですか? A. 砂糖水や果汁、レモネードなどの甘い液体が効果的です。少量の酢を混ぜるとより誘引力が高まるといわれています。ただし、こぼした液は拭き取るようにしてください。周囲に匂いが残ると、人の生活圏にハチを呼び寄せることになります。 Q5. ハチを全然見かけない時期に設置してもいいですか? A. ハチがまったくいない状況で使うのはおすすめしません。かえって周囲からハチを誘引する結果になることがあります。設置はハチを頻繁に見かけるようになったときに限定してください。 Q6. ハチ以外の庭の害虫にも効果はありますか? A. 甘い匂いに誘われる昆虫には効果があります。たとえば以下のようなものです。 ハエ類(キンバエ、イエバエなど) 蛾類(夜行性の成虫が甘い匂いに寄ってくることがあります) アブ類(吸血性のものも果汁や蜜に引き寄せられます) これらはトラップに入りやすく、庭や屋外での生活の快適さを守る点で副次的な効果があります。 効果が期待できないもの カミキリムシカミキリムシは成虫が樹皮や枝葉をかじり、幼虫が木の内部を食い進めて加害します。餌は木質部や葉であり、砂糖水や果汁の匂いには基本的に誘引されません。したがって蜂トラップでは捕獲できません。 ヨトウムシ・ナメクジ・ダンゴムシなどこれらは土壌や植物を直接食べる性質があり、甘い匂いには反応しないため、対象外です。 庭を守るのは力ではなく知恵。賢いガーデナーの選択 庭に現れるハチは、ただ「怖い存在」だけではありません。ミツバチは受粉を助け、アシナガバチやスズメバチは害虫を捕らえる自然界のハンター。彼らは庭や生態系に欠かせない仲間です。ただし、その生活圏に近づきすぎると、防衛本能から刺されるリスクが生まれます。 こうしたハチの生態を理解すれば、むやみに恐れる必要はありません。大切なのは、適切な距離を保つことです。スズメバチの巣からは最低でも10m、場合によっては50m以上の距離が安全とされ、住宅街では専門業者の助けが不可欠です。 広めの庭におすすめの「蜂トラップ ハンギング Earth」。カラーバリエーションは、ブラウン/グレー/オレンジの3色展開。 ガラス製の蜂トラップは、この「距離をつくる」ための補助具。ハチやハエなど甘い匂いに誘われる昆虫を引き寄せることで、テラスや遊び場から遠ざけ、庭の安全を守ります。 つまり、蜂トラップは「ハチを根絶する道具」ではなく、美しい庭で人と自然が共存するための工夫です。正しい知識と使い方を身につければ、庭で過ごす時間はもっと安全で、もっと心地よいものになりますよ。
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育て方

ガーデンマムで秋の庭を豪華に! 秋から12月まで長く咲かせる秘訣と人気品種3選
「ガーデンマム」ってどんな花が咲く植物? ガーデンマムは日本のキクが海外に渡り品種改良されたもので、いわば帰国子女のキク。キクというと、日本では仏花、または古来より栽培されている「厚物(あつもの)」など伝統園芸植物、海外では秋のガーデンに欠かせない花として愛される人気の宿根草です。 また、日本では一般的に菊は仏花のイメージが強いのですが、本来は格式高く、尊い花として日本を象徴する花としてパスポートの表紙にも描かれています。海外でもポジティブな意味合い(喜び、幸福、友情、長寿など)で受け止められており、黄色、オレンジ、ピンク、赤、白、などカラーバリエーションの豊富さから、庭を明るくする花として親しまれています。 特にアメリカでは開花時期が重なることもあり、ハロウィンやサンクスギビング(感謝祭)の時期に、カボチャやワラ、コーンストークなどと一緒に玄関や庭を飾る定番の植物として扱われています。寒くなるにしたがい花が少なくなる晩秋にも、ひと際鮮やかに咲き、抜群の花もちのよさで長く秋を彩ってくれる頼もしい存在です。 「ガーデンマム」の特徴 ガーデンマムは、日本で古来より栽培されているキクと違い、分枝性(枝分かれする性質)が強く、1株で驚くほどたくさんの花を咲かせます。満開になると株全体を花が覆い尽くし、こんもりときれいなドーム状になります。自然に姿よく生育するため、初心者にもおすすめ。株幅、草丈とも約30cmで、花壇はもちろん鉢植えで楽しむのにもぴったり。 12月まで咲かせる「ガーデンマム」の育て方のコツ もともと、日本生まれのガーデンマムですから、日本の気候によく合い、丈夫に育ってくれます。ただし、とても分枝性が強く枝数が多いため、株内が蒸れがちになるので、風通しよく育てましょう。鉢植えなら、長雨に気をつけて雨のかからない場所に移動したり、地植えの場合は、地面より少し高くなった花壇などに植えることで風通しを確保できます。蒸れで発生しがちな灰色かび病などの病気予防のために、ベニカXガード粒剤などを混ぜて植えるとより安心です。また、花を晩秋まで楽しむには、定期的に水やりの際に液肥を与えるのがコツ。地域によっては12月まで咲き続けます。 進化し続ける「ガーデンマム」 さらに形よく、美しい最新品種を紹介 ガーデンマムの魅力は何といっても花色の豊富さと育てやすさです。 一株一株の花のボリュームがあるので、色のコラボレーションを楽しむように多数の種類を並べたり、単色をまとめて統一感のある飾り方をするなど、演出法もいろいろ。ここでご紹介のガーデンマムの苗は、「平田ナーセリー」が自社農場で丁寧に生産している大株をお届けします。今なら、お買い得な早期割引(20%OFF)期間中! つぼみがつく前の今、苗を取り寄せてご自身で植え替えることで、2倍の花数が楽しめるのでおすすめです。 ジジシリーズ ガーデンマム「ジジシリーズ」は、ポンポン咲きの可愛らしい花を咲かせます。分枝性がよくピンチ(摘心(てきしん)とは、植物の茎の先端部分を摘み取り、わき芽の成長を促す作業)をしなくても形がまとまり株一面に花を咲かせます。もっとも早咲きで色づき始めの早い品種です。 ジジ ゴールデン オレンジから黄色の輝く花色が楽しめるジジ ゴールデン。咲きすすむにつれて色の変化を楽しめるのも、このシリーズの特徴です。 ジジ オレンジ オレンジのなかに、明るい黄色味も感じる立体感のある暖色花。秋風に似合う花色。 ジジ ダークピンク 落ち着いた大人シックのピンク花。可愛い花色が秋の庭に華やかな色彩をプラスします。 ジジ スノー 白からパウダーピンクの色変わりが1鉢で楽しめます。ふわりと優しい花色に癒やされます。 ジジ イエロー ぱっと庭が華やぐくすみのない黄色花。光を受けて輝くように咲く花が次々楽しめます。 アレクシアシリーズ ガーデンマム「アレクシア」は、手軽に豪華な秋の庭を楽しみたい方にぴったりの品種です。きれいなドーム型に形がまとまりやすく、ポンポン咲きの花で花つきのよさも特徴。株一面が隙間なく真ん丸で厚みのある花で埋め尽くされます。その圧倒的なボリュームは、一鉢置くだけで庭や玄関周りを華やかに彩ってくれます。 アレクシア ライトピンク 愛らしいピンク色の立体感のある花が株を覆うように咲く様子は圧巻。 アレクシア パープル こっくりと深みのあるワインカラーの花が株一面に咲きます。他の色と組み合わせてコントラストを楽しみたい。 アレクシア ホワイト ほんのりクリームがかったつぼみから、開くと純白に。緑葉に引き立つ、清楚な雰囲気。 アレクシア イエロー 整ったクリアーな黄色花が輝くように咲いて、周囲を明るくしてくれます。 アレクシア オレンジ 濃いオレンジのつぼみが開くにつれて明るいオレンジ色に。緑葉に映える元気カラー。 ミルクシェイクシリーズ ガーデンマム「ミルクシェイク」は、先端が細長い花びらが可愛らしい、フルーツのような色合いが魅力のガーデンマムです。形のまとまりがとてもよく、株全体を覆い尽くすほどの花つきのよさが特徴。一鉢で圧倒的なボリューム感を楽しめます。 ミルクシェイク チェリー 深みのあるダークチェリー色で上品な印象のガーデンマム。奥行きを感じる花色が楽しめます。 ミルクシェイク ココナッツ 黄色みを帯びたつぼみは、開花とともに上品なココナッツホワイトへと変化します。繊細な色合いを楽しみたい品種。 ミルクシェイク ラズベリー 花心付近は濃いラズベリー色で、周囲を囲む花びらは優しいパステルピンク。立体感のある花姿が魅力。 <人気のガーデンマム 3シリーズの魅力を比較> 品種/シリーズ特徴ジジシリーズ八重ポンポン咲き/摘心不要/早咲きで色づきも早いアレクシアシリーズポンポン咲き/花付きがよい/ドーム状に整うミルクシェイクシリーズ個性的な細長い花弁/美しい分枝株/花数多く豊かな開花 「ガーデンマム」の上手な選び方。植え替えで花数2倍! 通常、園芸店の店頭に並ぶガーデンマムのほとんどは、つぼみがふくらみ、今にも咲きそうな状態で販売されます。そうした株はそのまま鉢で楽しめますが、もっと花数を増やすには秘密があります。 ガーデンマムは8月中旬から10月下旬までの間にぐんぐん成長します。その生育期間の早い段階で植え替えることで、株が1〜2回り大きく成長し、その分、花数もいっぱい増えるのです。「平田ナーセリー」ではつぼみがまだ小さく、葉っぱが豊富に茂った生育初期の良株を揃えています。購入後はぜひ植え替えをして、株を大きく育てて花いっぱいの秋を楽しんでください。花数を増やすには、花が咲いているものより下写真のような緑の株がおすすめです。 ガーデンマムの植え替えに挑戦してみよう ガーデンマムの植え替え動画はこちらからご覧いただけます。 <準備するもの> ガーデンマムの苗 ナーセリーの土 オールパーパス 土のお守り ベニカXガード粒剤 メネデール 手順1ガーデンマムの根鉢を崩さないようにポットから抜き出します。ガーデンマムに既に花芽が付いているので、根を崩すのはNG。せっかく付いた花芽がダメになってしまいます。 手順2培養土にオールパーパス、土のお守りを適量混ぜます。また、アブラムシやうどんこ病などの病害虫予防にベニカXガード粒剤も適量混ぜるとGood! 昼夜の気温差が大きくなるこの時期は、うどんこ病や灰色かび病などのさまざまな病気も発生しやすくなります。そのため、あらかじめ病気予防に効果のあるベニカXガード粒剤を用土にブレンドしておくと安心です。 手順3ガーデンマムの根鉢に土のお守りをまんべんなくまぶします。根腐れ防止効果のある土のお守りを直接根にまぶすことで、植え替え時に傷んだ根が腐るのを防止したり、細根の発育を促進します。 手順4植え付けが終わったら、水に活力剤メネデールを適量混ぜて、鉢底から流れ出るまでたっぷり水やりして植え替えは完了です。花が開いてくるまで日当たり、風通しのよいところで管理しましょう。ガーデンマムは成長しながら開花していきますので、週に1回、有機100%液肥を与え最後まで花を咲かせてあげましょう! こんもり茂った株全体につぼみを無数につける9月中旬のガーデンマム。 「ガーデンマムの植え付け・植え替えにおすすめの商品」は以下からチェック! ガーデンマムにおすすめの培養土「ナーセリーの土」 植替えの元肥えに!「オールパーパス」 根腐れ防止・丈夫な根の発根促進に!「土のお守り」 病害虫が付く前の予防にイチオシ!「ベニカXガード粒剤」 植え替え後の発育促進に「メネデール」 追肥におすすめ!「有機100%液肥」 「ガーデンマム」は、敬老の日のギフトにもおすすめ 「花ギフト」贈答用ガーデンマム。左は、名の通り夜空に輝くような黄花の「満月」。右は、落ち着いたピンクの花がたっぷり咲く「ことぶき」。 ガーデンマムの花言葉は「高貴」古来より格式高く、尊い花として扱われてきました。また、古くから延命長寿の力を持つと信じられ、お年寄りの長寿を祝う際や、敬老の日の贈り物としても、菊は縁起の良い花とされています。さらには、海外でもオーストラリアでは、ガーデンマムの「マム(Mum)」という愛称から、母の日(Mother's Day)に贈る花としても親しまれています。花数いっぱいのガーデンマムをプレゼントして花咲く喜びを大切な人と共有しませんか。
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花と緑

「吾亦紅」ってなんて読む? 正解できたらすごい難読植物名漢字【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.10
身近な植物!「吾亦紅」ってどんな植物? Fumeezz/Shutterstock.com 実際に育てている植物でも、漢字で表記されると案外分からないことが多いもの。普段呼び慣れている名称とは違う名前があったり、意外な漢字が使われていたりと、そこには面白い世界が広がっています。 ここでは、難読といわれる植物の漢字表記の中から、身近な植物に関するものをクイズ形式で出題! 今回のお題は「吾亦紅」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか? ヒント 夏から秋にかけて咲く丈夫な花。野趣ある風情が茶花としても人気。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ われもこう Flower_Garden/Shutterstock.com ワレモコウの基本データ 学名:Sanguisorba officinalis科名:バラ科属名:ワレモコウ属原産地:ユーラシアの温帯から亜寒帯、北米大陸北西部~西部和名:ワレモコウ(吾亦紅、吾木香など)別名:サンギソルバ、ウマズイカ、ダンゴバナなど英名:great burnet開花期:7~10月花色:赤茶形態:宿根草(多年草)草丈:20~180cm 日本では山野に自生し、秋を彩る山野草として親しまれてきたワレモコウ。古くは『源氏物語』や『徒然草』にもその名が登場します。茎が細く、わずかな風にもゆらゆらと揺れる繊細な佇まいが魅力です。野趣を感じさせる咲き姿は、ナチュラルガーデンや雑木の庭、和の庭によく似合い、秋らしい花なので季節感の演出にもおすすめ。茶花やドライフラワーとしてもよく利用されます。花のように見える部分はじつは萼(がく)なので、暑い季節も花もちがよく、夏~秋と長期間にわたって開花するのも嬉しいところ。耐寒性・耐暑性に優れ、手を掛けなくてもよく育ちます。生薬としても利用され、また特に同属のオランダワレモコウ(サラダバーネット)は食用のハーブとしても有名です。 「吾亦紅」の由来とは? High Mountain/Shutterstock.com ワレモコウは、現代では漢字で「吾亦紅」と書かれるのが一般的になりましたが、ほかにも「吾木香」「我毛紅」「我毛香」「我妹紅」などたくさんの表記があります。今回ご紹介した「吾亦紅」の場合は、「~もまた」という意味の「亦」を「も」と読んで、「吾(われ)亦(も)紅(こう)」となります。ちなみに、源氏物語では「吾木香」という漢字で登場しています。 ワレモコウという名前の由来ははっきりしませんが、キク科の植物で線香の原料にもなるモッコウ(木香)と似たほのかな香りがあるとされること、また「木瓜紋(もっこうもん)」を割った形に似ていることの2つの説が有力です。「われもこうありたい」という意味で名付けられたという説や、ワレモコウ自身が「われも亦(ま)た紅なり」と唱えたという俗説もありますが、これらは漢字を元にした説ではないかと考えられています。 ワレモコウは「我も恋う」に重なるところから、俳句や短歌などにも多く詠まれてきた花です。有名なものとしては、高浜虚子の次の俳句があります。 吾も亦紅なりとひそやかに 高浜虚子 クイズ一覧はこちら!
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家庭菜園

リボベジとは? 再生野菜でキッチン菜園&節約を楽しもう【おすすめ野菜10選と育て方】
いま話題の「リボベジ」とは? いま話題の「リボベジ」という言葉をご存じですか? リボベジは「リボーン(生まれ変わる)」と「ベジタブル(野菜)」を組み合わせた造語で、「再生野菜」という意味。日常の料理の際に出た野菜の切れ端を育てることで、ちょっとした家庭菜園気分を楽しめる人気のアイデア。SNSでも「#リボべジ」の投稿が目に留まります。 KingTa/Shutterstock.com 種子や苗をわざわざ購入することなく、普段は捨ててしまう野菜のヘタや根元などを使って栽培がスタートできるので、とても手軽! 容器と水だけ用意すれば、すぐに挑戦できます。ヘタや根元がある野菜であれば、ほとんどリボベジに挑戦できます。本来捨てるはずだった生ゴミを再生させ、収穫まで楽しめるというエコな節約術で、子どもの自由研究にもおすすめですよ。また、キッチンの片隅で健気に育つ植物たちの姿は、暮らしに癒やしも与えてくれます。 Ja Crispy/Shutterstock.com リボベジの魅力 Sandy Randy/Shutterstock.com 【手軽】始めるのに特別な道具がいらない・野菜くず+水+容器(小皿やコップなど)だけでOK!・ベランダや地植えの庭がなくても、キッチンの窓辺などで育てられる 【エコ】食品ロスを減らせる・生ゴミを食材に変換できる 【節約】ちょっとした料理の彩りやトッピングに使える・葉ネギや三つ葉など、買い足さずにちょこっと使える・少量ながらいつでも野菜が手に入る 【癒やし】植物の成長を見ると気持ちが和む・捨てるはずだった部分から成長する植物の逞しさに感動!・水を替えたり、伸びた葉を観察したり、植物を育てる楽しさが味わえる レースのように繊細で可愛らしい、ヘタから育てたニンジンの葉。Pundapanda/Shutterstock.com リボベジの基本の育て方 Kalinkina Svetlana/Shutterstock.com リボベジの基本はたったこれだけ! 誰でも気軽にスタートできます。 <用意するもの> 容器(コップ・浅いお皿・プラスチックトレイなど) 水 育てたい野菜の切れ端 <育て方> 容器に浅く水を入れ、野菜の切れ端を浸ける 毎日水替えをする 育ったら収穫して料理に kariphoto/Shutterstock.com 【リボベジのポイント1】■直射日光は避け、明るい日陰で管理を リボベジは置き場所に注意が必要! 植物が育つためには光が必要ですが、特に夏は直射日光に当てると葉が焼けてしまったり、水の温度が上がって野菜が傷みやすくなったりします。直射日光の当たらない、明るい日陰で育てるのがベストです。また湿気がこもるとカビが発生しやすいので、風通しのよい環境に置きましょう。 【リボベジのポイント2】■水の量と水替えが成功のカギ 容器に入れる水は、少なめでOK! 水の量が多すぎると、腐って失敗してしまう可能性が高くなります。ニンジンや大根などの根菜類のヘタなら切り口が水に浸かる程度、小ネギや小松菜などの葉物類の根元なら、根が水に浸かる程度に調整しましょう。清潔さを保つため、毎日の水替えも忘れずに! 【リボベジのポイント3】■旬の野菜がおすすめ 旬の野菜はちょうど生育が旺盛になっているため、成功しやすくおすすめです。手に入りやすいのもポイント! 【リボベジのポイント4】■新鮮な切り口を水に浸けよう Tio Hakim/Shutterstock.com 水に浸かる面が乾燥などで傷んでいると、うまく水を吸い上げることができません。レタスの芯などをリボベジに利用する場合、表面を薄く切り落として新しい切り口を水に浸けると成功率がアップします。 【応用編】■土に植えるとさらに元気に The little paint/Shutterstock.com 器に水を入れるだけという手軽さが魅力のリボベジですが、小さな植木鉢などを使って土に植えれば、より大きく生育し、市販の野菜と変わらないほどに成長してくれるものもありますよ! 地植えであれば、ブロッコリーやキャベツなど、栽培に時間がかかる野菜も収穫できます。根付いてしまえば日々の水やりだけでOKなので、水替えの手間も軽減し、腐る心配もほとんどありません。ただし、なかなか根が出ないと水を吸えず、根付く前に腐ってしまうこともあります。はじめに水に浸けて根を出させてから土に植えてもよいでしょう。 また、野菜の切れ端だけでなく、トマトやナス、パプリカ、スイカなどから種子を採って種まきすることも可能です。 リボベジのメリット・デメリット Ja Crispy/Shutterstock.com メリット 捨ててしまうヘタや切れ端から再収穫できるので、お得で節約に。 水&容器だけでOK! 肥料なしでも成長します。 土を使わない水耕栽培なので、キッチンでも清潔。 残り物を使うので、失敗を気にせず挑戦しやすい! 日々の成長が目に見え、観葉植物のように育てる喜びが味わえます。 今まで捨てていた野菜くずを有効活用でき、生ゴミの削減に。 デメリット こまめな管理が必須。水替えや容器の洗浄をしないと雑菌が繁殖しやすくなり、カビが生えることも。特に気温が高い時期は失敗しやすく注意が必要です。 野菜によって再生回数に違いがありますが、一般的には再生は1~2回が限度。繰り返すと生育も鈍るので、新しいものに替えましょう。大量収穫は期待しすぎないように。 リボベジで育てた野菜は、衛生面から火を通すのがおすすめ。炒め物やボイルなどに利用するとよいでしょう。 リボベジにおすすめの野菜TOP10 pundapanda/Shutterstock.com リボベジできる野菜の特徴 リボベジに向くのは、根元がついた葉物野菜。ニンジンや大根などの根菜類も、リボベジでは葉を収穫するために栽培しましょう。種まきをすれば根を収穫できますが、切れ端から育てるリボベジの場合は、根を収穫するためには土に植える必要があり、栽培にも時間がかかります。リボベジにおすすめの野菜を10種ご紹介します。 豆苗 kariphoto/Shutterstock.com リボベジ野菜の代表格といってもいい豆苗。購入時のパッケージにも、大抵再生栽培のやり方が記載されているほどで、成長が早くすぐに葉が伸び、再生させてもたっぷり収穫できます。リボベジに使うのは、豆がついている根元部分。生育が鈍るまで、2~3回は繰り返して収穫を楽しめますよ。 <育て方> 豆苗の豆部分を容器に入れ、根が浸かる程度の水を入れます。この時、脇芽を落とさないよう茎をやや長めに残すのがポイント。脇芽が残っているとそこから伸び、再生までの時間が短くなります。豆まで水に浸かると腐りやすくなるので、水は根が浸かる程度に浅めに入れましょう。水がなくならないように注意すれば、1週間~10日ほどで収穫できます。 小ネギ(万能ネギ) kariphoto/Shutterstock.com 栽培スタートの翌日から少し葉が伸びているのが分かるほど再生力が高く、根つきで販売されていることが多い小ネギは、リボベジデビューにもイチオシ! 繰り返して収穫することもでき、キッチンに少量あると毎日の料理に便利です。リボベジに使うのは、根元部分。輪ゴムなどでまとめられていたら外さずにそのまま使うと、倒れたりばらけたりしにくく扱いやすいです。 <育て方> 栽培はコップと水でOK。成長して背が高くなると倒れやすくなるので、深さのある容器がおすすめです。5~10cmを残して根元を切り、根を下にしてコップに入れましょう。水は根の部分が浸かる程度にし、毎日水替えを。1週間ほどで収穫できるサイズまで成長します。 三つ葉 KOHUKU/Shutterstock.com スポンジ付きで販売されていることも多い三つ葉は、上品な香りをプラスしてくれるので、キッチンに少量あると嬉しい存在。リボベジに使うのは根元部分で、スポンジごと利用できます。育てた葉は、おつゆや卵とじなどに。 <育て方> 根から4〜5cmを残してカットします。脇芽を残しておくと再生が早くなりますよ。成長すると倒れやすくなるので、やや深さのある容器がおすすめです。水の量は根、またはスポンジが半分ほど浸かる程度が目安。根の全体が水に浸かると傷みやすくなります。数日で葉が開き始め、1週間~10日で収穫できます。土に植えてもよく育ちます。 ニンジン kariphoto/Shutterstock.com ニンジンもリボベジで栽培できます。リボベジに使うのはヘタの部分で、再生するのは葉の部分。根を収穫することはできませんが、ニンジンの葉は栄養価が高く、みそ汁や炒め物などに利用できますよ。葉が大きくなりすぎると硬くなるので、ある程度育ったら収穫しましょう。 <育て方> ニンジンのヘタを水に浸けて栽培します。ヘタは2cm程度と厚めに切ることがポイント。切り口を下にし、切り口から水を吸わせます。その際、もう1つのポイントが、水を少なめにすること。水が多すぎると腐りやすいので、切り口だけが水に触れるよう、ほんの少しでOK。毎日水替えをし、その際にぬめりが生じていたら洗い流すと腐りにくくなります。2週間ほどで収穫できるサイズに成長します。 大根 kariphoto/Shutterstock.com 大根もニンジン同様に、根ではなく葉の栽培に挑戦できます。リボベジに使うのはヘタで、再生するのは葉の部分。周囲の茎は取れてしまいますが、中心部分の葉が伸びていきます。 <育て方> 大根のヘタを水に浸けて栽培します。根の部分は2~3cm、葉が付いている場合は葉の部分も2~3cm残して利用しましょう。切り口を下にして容器に入れ、切り口から水を吸わせて栽培します。水が多すぎると腐りやすいので、切り口だけが水に触れるよう水は少なめに。つまようじを刺して容器の縁に掛け、大根を浮かせるように栽培してもよいでしょう。毎日水替えをし、その際にぬめりが生じていたら洗い流すと腐りにくくなります。10日~2週間ほどで収穫できるサイズに成長します。 チンゲン菜 dwimulyani/Shutterstock.com チンゲン菜もリボベジにおすすめの野菜の1つ。ミニサイズのチンゲン菜を収穫できます。リボベジに使うのは根元部分。中心にある小さな新芽を残すと再生しやすくなるため、1~2枚残しておくのがおすすめです。 <育て方> 2~3cm残して根元をカットします。根元を下にして容器に入れ、少しだけ浸かる程度に水を入れます。1~2週間で新しい葉が伸び始め、1カ月ほどで収穫できるサイズになります。周囲の茎から溶けるように傷みやすいので、傷んできたら栽培を終了しましょう。土に植えてもよく育ちます。 小松菜 yoshi0511/Shutterstock.com いろいろな料理に使えて何かと便利な小松菜も、リボベジで楽しめます。リボベジに使うのは根元部分。中心から新しい葉が伸びるので、周囲の茎はぽろっと取れてしまっても大丈夫です。 <育て方> 3~5cm残して根元をカットします。根元を下にして容器に入れ、根の部分が少しだけ浸かる程度に水を入れます。背が高くなるので、ある程度深さのある容器がおすすめ。数日で新しい葉が伸び始め、3週間~1カ月で収穫できます。土に植えてもよく育ちます。 レタス(リーフレタス) Mehriban A/Shutterstock.com いろいろな種類があるレタスですが、基本的に根元があれば、どんなレタスでもOK。結球レタスは芯の部分、リーフレタスは根元を利用します。サニーレタスやリーフレタスが育てやすく、おすすめです。土に植えると、さらによく生育します。 <育て方> 結球レタスは芯の部分、リーフレタスは根元を10cm程度残して使います。水に触れる部分を薄く切り落とし、新鮮な切り口が浸かるようにすると水の吸い上げがよくなります。水の量は、切り口が5mmほど浸かる程度が目安です。5日ほどで新しい葉が現れ、10日〜2週間で収穫できます。 セロリ Heike Rau/Shutterstock.com 根元付きで販売されていることが多い香味野菜のセロリも、リボベジにおすすめ。中心部分から新しい葉が伸びてきます。独特の香りなので少量でも料理のアクセントになりますね。リボベジには根元部分を使います。 <育て方> セロリの根元を5cmほど残し、容器に水を入れて栽培します。根元部分だけが浸かるよう少なめに水を入れましょう。成長して背が高くなると倒れやすくなるので、深さのある容器がおすすめです。5日ほどで新しい葉が伸び始め、20日ほどで収穫できます。 キャベツ Lisic/Shutterstock.com 水耕栽培で育てる場合、通常のキャベツのように結球するまで成長させることは難しいですが、伸びた葉をスープの具材などに利用できます。リボベジに使うのは芯の部分。ほかの野菜に比べて栽培に時間がかかるので、やや上級者向け。 <育て方> キャベツの芯を切り出して利用します。芯の上部から葉が伸びて再生するため、上部を切り落としてしまわないように注意しましょう。中心の葉を少し残しておくと、再生までの時間を短縮できます。水に触れる部分を薄く切り落とし、新鮮な切り口が浸かるようにすると水の吸い上げがよくなります。切り口だけが浸かる程度に少なめに水を入れ、ぬめりが生じていたら洗い流しながら栽培します。早ければ3〜5日で新しい葉が出始め、1カ月ほどで収穫できます。 【リボベジ早分かりリスト】 野菜名リボベジに使う部分再生する部位・特徴収穫までの目安栽培のポイント豆苗豆がついている部分新しい葉が伸びる1週間~10日明るい場所で育てる。小ネギ(万能ネギ)白い根元(5~10cm)上に葉が伸びる1週間ほどコップに水でOK。輪ゴムがついていたらそのままのほうが便利。三つ葉根付き部分(4~5cm)葉が出る1週間~10日新芽を残すのがポイント。土に植え替えても。ニンジンヘタ部分(2cm程度)葉が伸びる(食用・飾りに)2週間ほどぬめりをぬぐうと腐りにくい。土に植えるとさらに育つ。大根ヘタ部分(2~3cm)葉が伸びる(炒め物などに)2週間ほど葉がついている場合は葉も2~3cm残す。チンゲン菜根元(2~3cm)葉が伸びる1カ月ほど再生は早いが長期はNG。土に植え替えても。小松菜根元(5cm程度)葉が伸びる3週間~1カ月水の量は根元が少し浸かる程度。土に植え替えても。レタス(リーフレタス)芯または根元(10cm程度)中心から新しい葉が出る10日~2週間サニーレタスが育てやすくおすすめ。セロリ根元(5cm程度)葉が伸びる20日ほど日当たりがあると◎。キャベツ芯+中心の葉の根元葉が出る1カ月ほど芯の上部を落とさないように注意。葉は再び丸くはならない。 失敗しないために! よくあるQ&A Mehriban A/Shutterstock.com 臭くなった/ぬめった/カビが出た…などのトラブル対策 リボベジ野菜が傷むよくある理由は、水替えをしていないこと。毎日水替えをし、水温が高くなりやすい夏場は、できれば1日2回水を替えると安心です。また、リボベジ野菜にぬめりがついていたら、水替えの際に拭き取るか洗い流しておきましょう。傷んだ部分があれば、こまめに取り除きます。特に葉物野菜は外側部分から傷んでいくので、日々のメンテナンスは欠かせません。 葉が伸びてこない リボベジに挑戦する際、ギリギリまで調理に使った残りだと、新しく葉が伸びてこないことがあります。ヘタを使う場合は厚めに、根元を使う場合は長めに残して切るのがコツ。 何度も収穫できる? リボベジは、野菜の切れ端に残った栄養と水だけで育てるので、基本的に長く収穫することはできません。生育も鈍り、何度も再生させると傷みやすくなります。野菜にもよりますが、1~2度の再生で終わりにするとよいでしょう。 肥料を使ったほうがいい? リボベジでは基本的に水だけでOK。液体肥料をごく薄く入れると生育はよくなりやすいですが、その反面傷んだりカビが発生したりといったトラブルが起きやすくなり、結果として失敗のリスクが上がってしまいます。管理が難しいので、手軽にトライしたいリボベジでは水だけで育てるのがおすすめです。栽培に慣れてきたら、肥料を試してみるのもいいでしょう。 栽培に向く季節は? リボベジはいつでも栽培スタートできますが、成功率が高いのは、気温がそれほど高くない春。気温が高い夏は野菜が腐りやすく、反対に気温が低い冬は成長が遅く、収穫できるサイズになるまで時間がかかるため、その間に傷んでしまうこともあります。 夏は、キッチンなど育てている場所が常にクーラーが効いていて明るい部屋なら成功します。しかし、夜間はクーラーを切っている時間が長いなどの場合は、水が腐ったり葉が傷んだりしやすいので注意。人が過ごしやすい温度に維持されている室内なら栽培が可能です。 まとめ pundapanda/Shutterstock.com 根元やヘタなど、再生できる部分があれば、ほとんどの野菜で可能な「リボベジ」。捨ててしまうはずの野菜の切れ端から新しく葉が伸びる様子は、お世話をしていても楽しく、エコ&節約にもつながります。地植えにしてもっと大きく育てたり、根元からだけでなく種まきに挑戦してみたり、いろいろな形で楽しめますよ。「育てて楽しい」「食べてうれしい」リボベジ栽培にチャレンジして、暮らしをもっと楽しく豊かにしてみましょう!
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【香りが魅力】ニオイバンマツリの花が紫から白に変化する理由とは? 育て方や冬越しのコツも解説!
ニオイバンマツリの基本情報 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:ニオイバンマツリ学名:Brunfelsia英名:Yesterday-Today-and-Tomorrow、Morning-Noon-and-Night、Kiss-me-quick、Paraguayan jasmineなど和名:ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)その他の名前:ブルンフェルシア科名:ナス科属名:バンマツリ属原産地:ブラジル、アルゼンチン形態:常緑性低木 ニオイバンマツリの学名はBrunfelsia australis。ナス科バンマツリ属(ブルンフェルシア属)の花木です。原産地はブラジル、アルゼンチンなどで、寒さにやや弱い性質を持っています。樹高は30〜300cmの低木で、剪定によってコンパクトにまとめやすく、扱いやすい庭木の1つです。また、常緑性のため冬でも葉を落とすことなくみずみずしい樹姿を保ちます。開花すると芳しい香りを放ち、夜になると香りがより強まります。 ニオイバンマツリの花や葉の特徴 sarin nana/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:4〜7月樹高:30〜300cm耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:紫~白 ニオイバンマツリの開花期は4〜7月。花径3〜4cmの花は筒状で、先端が5枚の花弁に分かれ、花つきがよく満開時は見応えがあります。咲き始めは紫色で、咲き進むほどにだんだん褪色して白になるのが特徴。そのため開花期は2色の花が咲いているように見え、紫から白のグラデーションや紫×白のコントラストが楽しめます。また、甘やかな香りを放ち、夜になるとより強くなるのも魅力。開花後に実をつけることがありますが、株全体に毒があるため食べられません。 光沢のある硬質な葉は長さ6〜8cmの先が尖った楕円形で、互生につきます。常緑性で、冬もみずみずしい姿を楽しめます。 ニオイバンマツリの名前の由来や花言葉 joloei/Shutterstock.com ニオイバンマツリは、漢字で書くと「匂蕃茉莉」。「匂」は香りがよいこと、「蕃」は外国から持ち込まれたことを意味します。「茉莉」はジャスミンのことで、まさしくジャスミンのような甘く強い香りを放つことから名付けられました。ただし、ニオイバンマツリはナス科の植物で、モクセイ科に分類されるジャスミンの仲間ではありません。 学名Brunfelsia australis の「Brunfelsia」は、ドイツ植物学の父と称されるブルンファス氏の名前にちなんでいます。「australis」はラテン語で「南の」という意味です。 ニオイバンマツリの花言葉は「浮気な人」「夢の名」「幸運」「熱心」などです。 ニオイバンマツリの近縁の仲間 ニオイバンマツリにはいくつかの仲間があります。ここでは、代表的な種類についてご紹介します。 アメリカバンマツリ Zeren Z/Shutterstock.com 学名はBrunfelsia americana(ブルンフェルシア・アメリカーナ)。名前にアメリカが入りますが、原産地は西インド諸島です。開花期は5〜9月で、花径8cm前後の花を咲かせます。咲き始めは白で、次第にクリーム色がかってくるのが特徴。果実が実りやすく、ニオイバンマツリ同様に芳香があります。特に夜に香りが強まることから「Lady-of-the-night」という英名もあります。 バンマツリ AMINUL H/Shutterstock.com 学名はBrunfelsia uniflora (ブルンフェルシア・ユニフローラ)。花数はやや少なめで、日本でガーデニングに利用されることは多くありませんが、ニオイバンマツリと同様に、紫から白へと移ろう香りのある美しい花を咲かせます。 パウキフロラ Rose Marinelli/Shutterstock.com 学名はBrunfelsia pauciflora(ブルンフェルシア・パウキフロラ)で、原産地はブラジル。開花期は3〜6月で、花径7cm前後の花弁にややフリルが入るのが特徴です。ニオイバンマツリのように花色は紫から白へと変化し、芳しい香りがあります。 ニオイバンマツリの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜7月植え付け・植え替え:4月中旬〜6月肥料:4月中旬〜10月 ニオイバンマツリの栽培環境 yaninaamira/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所で管理します。日照不足になると、葉色が冴えなくなったり、間のびして株姿が乱れたりするので注意しましょう。ただし、夏の強い日差しにより葉焼けすることがあるので、夏は風通しのよい半日陰で育てます。 【日当たり/屋内】基本的に屋外で育てます。 【置き場所】水はけ・水もちのバランスがよい、ふかふかとして腐植質に富んだ土壌を好みます。強い日差しを浴びて葉焼けすることがあるので、朝のみ日が差す東側や、落葉樹の足元など真夏は木漏れ日がチラチラと差すような半日陰の場所を選ぶとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 ニオイバンマツリは、耐暑性はありますが冬の寒さには弱く、耐寒温度は5℃くらいまで。地植えにしている場合は鉢に植え替え、室内の窓辺や温室などに置いて冬越しさせましょう。霜や低温の心配がない暖地では、地植えでも冬越しができますが、念のためマルチングなどで防寒対策をしておくと安心です。 ニオイバンマツリの育て方のポイント 用土 bluedog studio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 花木用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 水やり topseller/Shutterstock.com 蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根づいた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて過度に乾燥する場合は、水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 生育期の4月中旬〜10月に、2カ月に1回を目安に、緩効性化成肥料を株の周りにばらまき、スコップなどで軽く耕して土になじませます。または、10日〜2週間に1回を目安に、液肥を与えてもよいでしょう。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 ニオイバンマツリは病気の心配はほとんどありませんが、まれにすす病が発生することがあります。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生します。葉に発生すると表面につやがなくなり、進行すると黒いすすが全体を覆って光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因で発生するので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば剪定して、日当たり・風通しよく管理します。 【害虫】 ニオイバンマツリに発生しやすい害虫は、ハダニ、カイガラムシなどです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁します。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ニオイバンマツリの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、葉の色艶がよく、株元がしっかりして枝ぶりのよいものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Monkey Business Images/Shutterstock.com 苗木の植え付け・植え替え適期は、4月中旬〜6月です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。 寒さに弱いので、冬越し対策が必要です。暖地を除き、地植えにしている場合は、晩秋までには鉢に植え替えましょう。日当たりのいい室内や温室などに移動して冬越しさせ、越年して霜が降りる心配がなくなった頃に再び地植えにします。 【鉢植え】 入手した苗木の根鉢より1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用培養土を半分くらいまで入れます。苗木をポットから取り出し、根鉢をくずさずに鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1回は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。 日常のお手入れ 【花がら摘み】 次から次へと花が咲くので、終わった花は園芸用バサミで切り取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【剪定】 開花が終わった頃を目安に剪定します。枝が伸びすぎて、持て余すようであれば、適した長さまで切り戻し、バランスのよい樹形を保ちましょう。 冬越し sarin nana/Shutterstock.com 【地植え】 晩秋に鉢に植え替えて、暖かい室内や温室に置いて冬越しさせます。越年して十分に気温が上がる5〜6月に、再び地植えに戻すとよいでしょう。 【鉢植え】 秋になったら、暖かい室内や温室などに取り込んで冬越しさせましょう。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ニオイバンマツリを増やす場合は、挿し木をします。挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ニオイバンマツリは挿し木で増やすことができます。 ニオイバンマツリの挿し木の適期は、5〜9月です。その年に伸びた新しくて勢いのある枝を10〜15cm切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所で育苗し、ポットに根が回るまでに成長したら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 ニオイバンマツリは毒性に注意 Yoshihide KIMURA/Shutterstock.com ニオイバンマツリは木全体に毒を持ち、特に未熟な果実や種に多く含まれています。幼児やペットのいる家庭では、誤って口に入れることがないように十分注意して管理しましょう。口に入れると、手足の痺れや嘔吐などの症状が現れます。 ニオイバンマツリの葉が落ちる理由 takepicsforfun/Shutterstock.com ニオイバンマツリの栽培で、「常緑のはずなのに、葉を落としてしまった」というケースがあるようです。まず考えられるのは、土壌が乾燥しすぎたこと。鉢栽培では水切れに注意して管理し、特に真夏は乾燥しやすくなるので、地植えでも晴天が続く場合は水やりをして補いましょう。また、根詰まりが原因であることも考えられます。一年を通して鉢栽培にしている場合は、定期的に鉢から出し、古い根を整理して植え直しましょう。もう1つ考えられるのは、寒さにあたったこと。5℃を下回る環境では、葉を落としてしまうことがあります。しかし枯れてしまったと早急には判断せずに、春まで様子を見てください。暖かくなると再び新芽を出して、復活することも多いようです。 ニオイバンマツリで庭を華やかにしよう joloei/Shutterstock.com 香りもよく2色の花色が楽しめるニオイバンマツリは、庭に個性をもたらす人気の高い花木です。ぜひ庭やベランダなどで育てて、優美な咲き姿を愛でてはいかがでしょうか。





















