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【プロが解説】驚きの進化! 秋まで長く花が楽しめる「最新ジギタリス」の魅力と従来品種の育て方

【プロが解説】驚きの進化! 秋まで長く花が楽しめる「最新ジギタリス」の魅力と従来品種の育て方

Khairil Azhar Junos/Shutterstock.com

春に穂状の美しい花を咲かせ、庭に華やかさをもたらすジギタリス。人気の草花ですが暑さに弱く、開花後に枯れてしまうのが難点でした。しかし近年は、夏越しして秋まで断続的に長期間花を咲かせる品種がよく流通するようになり、注目を集めています。この記事ではジギタリスの話題の最新品種から従来のものまで紹介し、その特徴や性質、主な種類と品種、置き場所や植え付けの方法、基本的な育て方や増やし方まで栽培のプロが徹底解説します。

ジギタリスの基本情報

ジギタリス
Mariia Boiko/Shutterstock.com

植物名:ジギタリス
学名:Digitalis
英名:Fox Globe
和名:キツネノテブクロ(狐の手袋)
科名:オオバコ科
属名:キツネノテブクロ属(ジギタリス属)
原産地:園芸種
形態:一年草、多年草(ハイブリッドジギタリス)

ジギタリスは多くが二年草で、1年目は葉と根が生育し、2年目の春に花を咲かせて枯れる性質です。穂状の美しい花は見応えがあり、ヨーロッパでは古くから親しまれてきました。イングリッシュガーデンでもよく植えられ、開花期が重なるバラと共に春の庭園を華やかに演出します。国内では園芸植物として育てられることは少なかったですが、現在はその花の美しさから栽培が増えています。

ジギタリスは、園芸品種が多く、草丈や花色のバリエーションが実は豊富にあります。苗を秋や早春頃に植えつければ、あまり手間がかからず豪華な花を楽しめます。近年は秋まで長期間開花して多年草として楽しめる品種が登場し、さらに魅力が高まっています。なお、新しい多年草の品種は種間交配により作出され、ハイブリッドジギタリスの名で流通しています。

チョウやハチを呼ぶ蜜源植物でもあるジギタリス。Daniel Fung/Shutterstock.com

ジギタリスの特徴・性質

ジギタリス
Khairil Azhar Junos/Shutterstock.com

園芸分類:草花
草丈:30~180cm
開花期:5~6月(通常品種)/5~10月(ハイブリッドジギタリス)
耐寒性:強い~普通(ハイブリッドジギタリスは普通のものが多い)
耐暑性:弱い~やや弱い(ハイブリッドジギタリスはやや弱いものが多い)

草丈は人の背丈ほど高くなるものから、鉢植えでも育てやすいコンパクトタイプまであります。

開花期は主に春で、花色は紫やピンク、赤、白、黄色などがあります。秋まで咲くとされる品種は、夏は暑さで花が咲かなくなることが多いです。

ジギタリスは暑さには弱いものが多いですが、寒さには強いです。ただし夏越ししやすいハイブリッドジギタリスは寒さに強くないものが多いので、注意してください。

明治時代に国内に渡来し、薬草として強心剤に利用するために栽培されました。ただし民間の利用は危険で劇薬に指定され、現在は薬用植物として栽培されません。全草に毒成分があり、口に入れると危険です。幼児やペットのいる家庭では、栽培を避けたほうがよいでしょう。通常は作業をする際は手袋をすれば、問題ありません。

ジギタリスの種類

ジギタリスの仲間は、地中海沿岸、ヨーロッパ、西アジアなどに27種が知られています。

ジギタリス・プルプレア Digitalis purpurea

ジギタリス
LiamZhao/Shutterstock.com

従来から栽培されているジギタリスの代表的な種類で、園芸品種が多くあります。人の背丈ほどの高さになる大型の宿根草で、開花時は非常に人目を引きます。春の開花後に夏の暑さで枯れることが多いため、二年草として主に栽培されます。

ジギタリス・グランディフローラ Digitalis grandiflora

ジギタリス・グランディフローラ
Walter Erhardt/Shutterstock.com

黄色の大きな花が咲き、高さ1mほどでプルプレアより背丈が低いです。明るく華やかな雰囲気で、イギリスではよく栽培されます。

シギタリス・カナリエンシス Digitalis canariensis(=Isoplexis canariensis

ジギタリス・カナリエンシス
Tamara Kulikova/Shutterstock.com

カナリー諸島原産の常緑の多年草、または亜低木です。枝は木質化して低木状に育ち、最大で1.5mほどの高さになります。分枝して幅が高さと同程度に広がり、オレンジ色の花を咲かせます。近年のハイブリッドジギタリスの交配親に使われています。

ジギタリスの最新品種(ハイブリッドジギタリス)

種間交配で作出された、夏越しして秋まで花が楽しめる最新品種を紹介します。タネがつかず、連続開花性に優れています。

ジギタリス・バルニー・イルミネーションシリーズ Digitalis × valinii Illumination Series

ハイブリッドギジタリス
MacBen/Shutterstock.com

高さは0.5~1mで、従来のタイプより背が低い場合が多いです。フレイム、ラズベリー、アプリコットなどの品種があります。

 ‘ベリーカナリー’ Digitalis × valinii ‘Berry Canary’

ジギタリス‘ベリーカナリー’
撮影:小川恭弘

草丈が最大で0.5~1mほどと比較的コンパクトなサイズで、華やかなピンクの花が咲きます。よく分枝して花付きがよいです。

‘パンサー’ Digitalis ‘Panther’

ジギタリス‘パンサー’
Lee ArtPhotos/Shutterstock.com

タキイ種苗作出のハイブリッドジギタリスで、草丈40~50cmと矮性です。側枝をたくさん出し、明るいピンクの花を春から秋まで多く咲かせます。寒さにも強く、ほとんどの地域で冬越しします。2021年度のジャパンフラワーオブザイヤー最優秀賞を受賞しています。

ジギタリスの栽培12カ月カレンダー

植え付け(地植え):3~4月、10~11月
肥料:3~6月、10~11月
種まき:5~6月、9月

ジギタリスの栽培環境

ジギタリス
Mariola Anna S/Shutterstock.com

適した環境・置き場所

日なたから半日陰の場所で育てることができますが、夏の強い西日の当たらない半日陰のような場所が適します。

鉢植えは、夏は午前中だけ日光が当たる半日陰に置くようにします。暑さが厳しい場合は、直射日光が当たらない明るい日陰に移動するとよいでしょう。夏以外の時期は日光によく当てて育てると、花付きがよくなります。

生育温度

生育に適した温度の目安は10~25℃です。春と秋に最もよく生育します。

冬越し

従来のジギタリスは寒さに強く、北海道でも地植えできます。

ハイブリッドジギタリスのイルミネーションシリーズやベリーカナリーは、マイナス5~マイナス9℃程度までが最低温度の目安です。冬の強い北風が当たりやすい場所や、霜が降りやすい場所は避けたほうが安全です。軽い霜や雪に当たると葉は傷みますが、問題ありません。霜の降りにくい暖地のほうがよく育つので、鉢植えは冷え込みの厳しい日は玄関などに取り込むとよいでしょう。

ジギタリスの植え付け・植え替え

植え付け
Mariia Boiko/Shutterstock.com

植え付け

春の3~4月と秋の10~11月が植え付けの適期です。比較的温暖な地域で春に植える場合は、早めに植えたほうが大きく育ちます。寒冷地では、秋に小さなポット苗を植えるのは避けたほうがよいです。寒さでひどく傷むことが多いので、冬は鉢植えで北風の当たらない建物近くの場所などに置き、春になったら植えてください。

肥沃で排水のよい、中性から弱酸性の土壌が適します。腐葉土や堆肥などの有機物と元肥の緩効性化成肥料をすき込んでから植え付けます。株間は40~50cmあけ、背が高くなるタイプや毒性の危険が考えられる場合は、花壇の奥に植えるとよいでしょう。

ジギタリス
Michael Warwick/Shutterstock.com

鉢植えの植え替え

ポット苗を入手した場合は、根鉢をくずさず二回り大きな鉢にすぐ植え替えます。根が鉢底付近までよく伸びてきたらそのままさらに8~10号鉢に最終的に植えます。ポット苗から8~10号鉢に植えてもよいですが、過湿気味になりやすいので水の与えすぎに注意してください。

用土

肥沃で水はけのよい用土が適します。多くの植物に適する一般的な培養土か、赤玉土小粒5、腐葉土3、パーライトまたは軽石2を混ぜた用土などを使います。

ジギタリスの育て方・日常の手入れ

ジギタリス
PLA0081/Shutterstock.com

水やり

鉢植えは、用土の表面が乾いてからたっぷり水やりしてください。常に用土をよく湿らせていると過湿で根腐れします。ただし春の開花期頃の株は多くの水分を必要とするので、水切れしないように注意してください。

地植えした場合は、水やりは不要です。

肥料

生育期の3~6月と、秋の10~11月に3要素(チッ素・リン酸・カリ)が等量程度含まれた緩効性化成肥料などを規定量与えます。

病害虫

病害虫の発生は比較的少ないです。花穂などにアブラムシがつくことがあるので、早めに防除してください。

ジギタリスの剪定・作業

切り戻し
Mariia Boiko/Shutterstock.com

剪定

花穂全体が咲き終わったら花茎の根元から切ってください。早めに切ると下の茎から新しい芽が出て再び花が咲きやすくなります。開花期が長いタイプは、特に重要な作業です。そのままにすると見苦しいだけでなく、カビなどの発生原因になります。

支柱立て

草丈が高くなるタイプは強風などで倒れることがあるので、花穂が伸びてきたら支柱を添えてください。

ジギタリスの増やし方

ジギタリスの種
Kazakov Maksim/Shutterstock.com

種まき

種子が市販されており、種まきで増やすことができます。発芽適温が15℃以上と高いので、春の5~6月か、秋の9月が種まきの適期です。種子は好光性なので、ごく薄く覆土してください。

ジギタリスは二年草とされますが、秋まきして翌春に咲く早生タイプの品種もあります。

挿し芽

春の4~5月、秋の10月に挿し芽で増やすこともできます。種まきに比べて開花までの期間が短いです。

株元や茎の基部に発生する充実した芽を切り、葉を3枚程度残して下葉を取り除き、大きな葉は半分に切って挿し穂とします。赤玉土小粒やバーミキュライトなどの清潔な用土に、挿し穂を挿します。明るい日陰に置き、多湿に保つより適度に風通しのよい場所で管理してください。水やりは、用土の表面が乾きはじめてから次の水やりをします。常に用土がよく湿っていると腐るので気をつけましょう。

ジギタリスの栽培ポイント

ジギタリス
kingfrom/Shutterstock.com
  • 夏は西日を避けた半日陰か明るい日陰で育てる
  • 地植えするとほとんど手間がかからない
  • 過湿に注意
  • 鉢植えは生育が早いので、植え替えを適切に行う
  • 最新の品種は寒さに強くないものがある

ジギタリスは花が咲くまでの育成期間が比較的長いので、ポット苗を購入して育てるのがおすすめです。ポット苗を地植えすれば、ほとんど放置気味でも花を咲かせます。豪華な花を楽しめる割には育てやすいので、お得な植物ともいえます。さらに近年はよく夏越しして多年草として長期間花が咲く品種が登場し、今後さらに人気の植物となることが予想されます。ジギタリスを庭やベランダに迎え入れて、ワンランク上の美しいガーデニングをお手軽に楽しんでください。

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